JP2001148261A - 基板スルーホール接続用コンタクトおよびコネクタ - Google Patents

基板スルーホール接続用コンタクトおよびコネクタ

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板またはコネクタの離脱が容易で、基板の
再利用が可能であり、リペア作業時の抜去治具が不要
で、コンタクトが座屈せず、スルーホールめっきの導通
不良を防止できる基板スルーホール接続用コンタクトお
よびコネクタを提供することにある。 【解決手段】 本発明の基板スルーホール接続用コンタ
クトの端子部11を基板スルーホール19内に接続する
ときには、まず、仮挿入部13がスルーホール19内に
遊挿される。その後、スルーホール19内に山形状の接
触部14が完全に本挿入されると、仮挿入部13が弾性
を持っているので、仮挿入部13の端子本体12との離
間距離が予め定められた値より小さくなる。このとき、
仮挿入部13が端子本体12に近接するように変形す
る。その結果、端子部11がスルーホール19内に嵌合
される。従って、端子部11は、基板スルーホール19
内に接続される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板とコネクタと
の接続構造、特に、基板スルーホール接続用コンタクト
およびコネクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、基板とコネクタとを接続するに
は、SMT、基板スルーホール半田、プレスフィト等を
用いた接続構造がある。この種の従来例として、特開平
10−241759号、実開平5−61962号、実公
昭49−7670号、および実開昭60−153568
号がある。
【0003】ところで、SMTや基板スルーホール半田
接続構造では、リペア作業をするには、まず最初に、半
田吸取工具を用いて半田を加熱溶融しながら吸い取って
除去している。そのとき、コンタクトが座屈して破損し
ないようにコンタクトを取り外してから基板またはコネ
クタの離脱を行っている。その後、半田こてを用いて、
基板またはコネクタの半田付け作業を繰り返している。
【0004】また、プレスフィト接続構造の場合でも、
リペア作業時にはプレスフィト抜去治具を用いてプレス
フィトを抜いている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、リペア
作業に、いちいち半田吸取工具やプレスフィト抜去治具
を使用するのは面倒である。そして、リペア作業の際、
位置ずれによりコンタクトが座屈して基板のスルーホー
ルめっきにダメージを与えてしまって、基板が再利用で
きないこともある。詳しく述べると、コンタクトのエッ
ジ部分が、スルーホールめっきに切れ目を入れ、スルー
ホールめっきを剥がす結果、パターン導通不良等の問題
がある。
【0006】また、従来例のコネクタでは、プラグおよ
びレセプタクルから成るツーピースコネクタであり、別
個にそれぞれの金型、製造工程等の費用がかかって、高
コストである。
【0007】そこで、本発明の技術的課題は、半田こ
て、半田吸取工具やプレスフィト抜去治具が不要で、コ
ンタクトが座屈せず、基板の再利用が可能であり、スル
ーホールめっきの導通不良を防止でき、低コストの基板
スルーホール接続用コンタクトおよびコネクタを提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するため、次の手段を採用する。
【0009】(1) 略筒状のスルーホールめっきが施
されたスルーホールを持つ基板と接続する端子部を有す
るコンタクトであって、該端子部は、長手方向に延びる
端子本体と、該端子本体から折曲部を介して逆向きに終
端まで折り曲げられて付勢されたターンバック部とから
成り、該ターンバック部は、前記端子本体との離間距離
を予め定められた値に保つように前記折曲部から前記長
手方向に略平行に弾性を持って延設し、前記基板スルー
ホールへの遊挿を案内する仮挿入部と、該仮挿入部から
前記終端まで更に山形状に延びる本挿入部であって、前
記スルーホールめっきと内接する山形状の接触部とを有
し、前記仮挿入部が前記スルーホール内に遊挿された
後、前記離間距離が前記予め定められた値より小さくな
るように、前記仮挿入部が前記折曲部を支点として前記
端子本体の近傍まで撓んで弾性変形する結果、前記部山
形状の接触部が完全に本挿入され、それにより、前記タ
ーンバック部が前記端子本体と共に前記スルーホール内
に嵌合されることを特徴とする基板スルーホール接続用
コンタクト。
【0010】(2) (1)に記載の基板スルーホール
接続用コンタクトにおいて、前記端子部は、板幅および
板厚を持つ平板から形成されており、該板幅および板厚
は、前記スルーホールの内径以下であり、かつ、前記平
板の板幅方向の外側両隅は、前記長手方向に沿って面取
が施されていることを特徴とする基板スルーホール接続
用コンタクト。
【0011】(3) (2)に記載の基板スルーホール
接続用コンタクトにおいて、前記端子部は、R面取が施
されていることを特徴とする基板スルーホール接続用コ
ンタクト。
【0012】(4) (3)に記載の基板スルーホール
接続用コンタクトを複数用い、インシュレータに保持固
定したことを特徴とするコネクタ。
【0013】
【作用】本発明の基板スルーホール接続用コンタクトの
端子部を基板スルーホール内に接続するときには、ま
ず、仮挿入部がスルーホール内に遊挿される。
【0014】その後、仮挿入部はその弾性のため折曲部
を支点として撓むので、コンタクトの端子部は座屈せ
ず、スルーホール内に山形状の接触部が完全に本挿入さ
れる。このとき、仮挿入部の端子本体との離間距離が予
め定められた値より小さくなり、仮挿入部が山形状の接
触部と共に端子本体に近接するように撓んで変形する。
【0015】その結果、基板スルーホール接続用コンタ
クトのターンバック部が、端子本体部とともに、基板の
スルーホール内へ挿入され、嵌合が完了する。これによ
り、コンタクトの端子部は、基板スルーホール内に接続
される。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態による基板ス
ルーホール接続用コンタクトおよびコネクタを図面を用
いて説明する。
【0017】図1〜図5を参照して、本発明の実施の形
態による基板スルーホール接続用コンタクトは、略筒状
のスルーホールめっき19−1が施された基板スルーホ
ール19を持つ基板17と接続する端子部11を有す
る。
【0018】図1に示す端子部11は、長手方向に延び
る端子本体12と、端子本体12から折曲部を介して逆
向きに終端20−1まで折り曲げられて付勢されたター
ンバック部15とから成る。ターンバック部15は、端
子本体12から折曲部で約180度、折り返して形成さ
れる。尚、コンタクトの加工法としては、プレス曲げ、
プレス抜き、その他、何でも良い。
【0019】ターンバック部15には、仮挿入部13
と、山形状の接触部14とが、形成される。仮挿入部1
3は、端子本体12との離間距離を予め定められた値に
保つように折曲部から長手方向に略平行に弾性を持って
延設し、基板スルーホール19への遊挿を案内するため
の誘い部である。また、山形状の接触部14は、仮挿入
部13から終端20−1まで更に山形状に外側に延びる
本挿入部である。山形状の接触部14は、基板スルーホ
ール19内へ嵌合されるときには、筒状のスルーホール
めっき19ー1の内周面に内接する。
【0020】仮挿入部13がスルーホール19内に遊挿
された後、山形状の接触部14が完全に本挿入され、離
間距離が予め定められた値より小さくなって仮挿入部1
3が端子本体12に近接して弾性変形して撓む。その結
果、端子部11がスルーホール19内にガタツクことな
くジャストフィットし嵌合し、基板スルーホールに接続
される。
【0021】ところで、端子部11の面取は、C面取1
6であるが、図6に示すように、端子部11にはR面取
18を施しても良い。
【0022】次に、図7〜図13を参照して、本発明の
第1実施例の基板スルーホール接続用コンタクトは、L
字形状に形成されライトアングル型として使用される。
【0023】この基板スルーホール接続用コンタクトの
始端20−2側が、インシュレータ27に取り付けら
れ、ピンコネクタ23用のピンコンタクト25として使
用される。このコネクタ23は相手側ソケットコネクタ
(図示せず)と嵌合する。
【0024】図7に示すように、コンタクトの終端(対
向端)20−1側すなわち端子部11は、基板17のス
ルーホール19に弾性接続される。
【0025】最後に、図14〜図18を参照して、本発
明の第2実施例による基板スルーホール接続用コンタク
トを用いたコネクタ30を説明する。
【0026】図14のコネクタ30は、基板スルーホー
ル接続用コンタクトがインシュレータ31に取り付けら
れたものをドーターボード21に挿入したものである。
【0027】ところで、従来例の基板対基板接続用のコ
ネクタでは、通常レセプタクルおよびプラグの2ピース
必要であった。
【0028】しかしながら、第2実施例によるコネクタ
30では、コンタクトの始端20−2(対向端)側をド
ーターボードと半田22で接続(図17)可能である。
この場合、直接、マザーボード17のスルーホール19
と嵌合(図18)または挿抜できるので、1ピースで済
み、コストが低減される。その結果、安価な基板スルー
ホール接続用コネクタが得られる。
【0029】
【発明の効果】本発明の基板スルーホール接続用コンタ
クトおよびコネクタは、仮挿入部および山形状の接触部
を有するターンバック部を備えている。本発明の基板ス
ルーホール接続用コンタクトは、スルーホール内に山形
状の接触部が完全に本挿入されると、仮挿入部は、弾性
を持っているので、仮挿入部の端子本体との離間距離が
予め定められた値より小さくなって、弾性変形し撓んで
嵌合される。
【0030】その結果、次に述べる効果を奏する。
【0031】1.本発明の基板スルーホール接続用コン
タクトは、基板との接続時に、コンタクトが座屈しても
スルーホールめっきへのダメージは少なく基板が再利用
できる。
【0032】また、基板から取り外したい時、容易に取
り外すことができる。
【0033】その上、従来例のスルーホール接続やプレ
スフィト接続では保持力が大きいため大掛かりな抜去治
具およびその反力を受ける部材が必要であったが、本発
明では、治具およびその反力を受ける部材が不要であ
る。
【0034】2.従来例の基板対基板接続用のコネクタ
では、通常レセプタクルおよびプラグの2ピース必要で
あった。本発明では、コンタクトの始端側をドーターボ
ードと半田で接続すると、マザーボードと直接接続でき
る。そのため、1ピースとして製造でき、コストが安価
になる。
【0035】換言すれば、通常では、マザーボードとコ
ネクタの接続部、コネクタ同士の接続部、ドーターボー
ドとコネクタの接続部の3接続部が必要で、インピーダ
ンス特性が乱れ易くなり高速信号の伝送特性を悪くして
いた。本発明では、接続部が2つに減少するため、イン
ピーダンス特性が乱れ難くなる結果、高速信号の伝送特
性が良くなる。
【0036】3.本発明の基板スルーホール接続用コン
タクトの面取部分がスルーホルーめっきと内接するの
で、基板スルーホールめっきに切れ目が出来たり剥がれ
ることが減少する。
【0037】4.端子部の板幅がスルーホールの内径と
略等しいかまたは小さくので、スルーホール内でガタツ
クことなく保持され、接続するので、安定して嵌合がな
される。また、コンタクトを複数または多芯用いた場合
でも、弾性的に位置ずれを吸収するので、ピッチ方向の
ずれがなくなり、座屈が防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による基板スルーホール接
続用コンタクトの端子部11を基板17に仮挿入し嵌合
する前の状態を示す断面図である。
【図2】図1のII−II線に沿って切断した断面図で
ある。
【図3】図1の嵌合する前の状態から更に経過した後の
図であって、基板スルーホール接続用コンタクトの端子
部11を基板17に本挿入して嵌合した状態を示す断面
図である。
【図4】端子部11がC面取の場合の図3のIV−IV
線に沿って切断した断面図である。
【図5】本発明の実施の形態による基板スルーホール接
続用コンタクトの斜視図である。
【図6】端子部11がR面取の場合の図3のIV−IV
線に沿って切断した断面図である。
【図7】本発明の第1実施例の基板スルーホール接続用
コンタクトを用いたコネクタ23を基板17に接続した
ときの断面図である。
【図8】図7の第1実施例の基板スルーホール接続用コ
ンタクトを用いたコネクタ23の斜視図である。
【図9】図8の第1実施例の基板スルーホール接続用コ
ンタクトを用いたコネクタ23の背面図である。
【図10】図8の第1実施例の基板スルーホール接続用
コンタクトを用いたコネクタ23の正面図である。
【図11】図8の第1実施例の基板スルーホール接続用
コンタクトを用いたコネクタ23の右断面図である。
【図12】図8の第1実施例の基板スルーホール接続用
コンタクトを用いたコネクタ23の左断面図である。
【図13】図8の本発明の第1実施例の基板スルーホー
ル接続用コンタクトを用いたコネクタ23の一部断面斜
視図である。
【図14】本発明の第2実施例による基板スルーホール
接続用コンタクトをインシュレータ31に取り付けたも
のをドーターボード21に挿入したコネクタ30の斜視
図である。
【図15】図14のコネクタ30の正面図である。
【図16】図14のコネクタ30の右側面図である。
【図17】図14のコネクタ30をマザーボード17に
嵌合する前の断面図である。
【図18】図17から経過した図で、図14のコネクタ
30をマザーボード17に嵌合した後の断面図である。
【符号の説明】
11 基板スルーホール接続用コンタクトの端子部 12 端子本体部 13 仮挿入部 14 山形状の接触部 15 ターンバック部 16 C面取 17 基板(マザーボード) 18 R面取 19 基板スルーホール(スルーホール) 19−1 スルーホールめっき 20−1 終端(対向端) 20−2 始端(対向端) 21 基板(ドーターボード) 22 半田 23 第1実施例のコネクタ 25 ピンコンタクト 27 インシュレータ 30 第2実施例のコネクタ 31 インシュレータ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略筒状のスルーホールめっきが施された
    スルーホールを持つ基板と接続する端子部を有するコン
    タクトであって、 該端子部は、長手方向に延びる端子本体と、該端子本体
    から折曲部を介して逆向きに終端まで折り曲げられて付
    勢されたターンバック部とから成り、 該ターンバック部は、 前記端子本体との離間距離を予め定められた値に保つよ
    うに前記折曲部から前記長手方向に略平行に弾性を持っ
    て延設し、前記基板スルーホールへの遊挿を案内する仮
    挿入部と、 該仮挿入部から前記終端まで更に山形状に延びる本挿入
    部であって、前記スルーホールめっきと内接する山形状
    の接触部とを有し、 前記仮挿入部が前記スルーホール内に遊挿された後、前
    記離間距離が前記予め定められた値より小さくなるよう
    に、前記仮挿入部が前記折曲部を支点として前記端子本
    体の近傍まで撓んで弾性変形する結果、前記部山形状の
    接触部が完全に本挿入され、それにより、前記ターンバ
    ック部が前記端子本体と共に前記スルーホール内に嵌合
    されることを特徴とする基板スルーホール接続用コンタ
    クト。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の基板スルーホール接続
    用コンタクトにおいて、 前記端子部は、板幅および板厚を持つ平板から形成され
    ており、該板幅および板厚は、前記スルーホールの内径
    以下であり、かつ、 前記平板の板幅方向の外側両隅は、前記長手方向に沿っ
    て面取が施されていることを特徴とする基板スルーホー
    ル接続用コンタクト。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の基板スルーホール接続
    用コンタクトにおいて、 前記端子部は、R面取が施されていることを特徴とする
    基板スルーホール接続用コンタクト。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の基板スルーホール接続
    用コンタクトを複数用い、インシュレータに保持固定し
    たことを特徴とするコネクタ。
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