JP2004047323A - 基板用コネクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、相手側コネクタとの嵌合不良の発生を防止した基板用コネクタを提供する。
【解決手段】ＰＣＢ用コネクタ１０においては、コネクタハウジング１１のうちフード部１４の底壁部１２にはフード部１４の内外を連通させる挿通孔３０が形成されており、底壁部１２には挿通孔３０のフード部１４側の端部に凹部３１が形成されている。コネクタハウジング１１の外側から挿通孔３０を貫通した状態で、端子金具２０がコネクタハウジング１１に取り付けられた場合でも、端子金具２０と挿通孔３０の内壁とが擦れ合うことにより発生した削りくず３４は凹部３１に納められるため、相手側コネクタ（図示せず）との嵌合不良が防止される。
【選択図】　図１

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板用コネクタに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、プリント配線基盤に取り付けて用いられる基板用コネクタとしては、例えば、実開昭６１−６０４８６号公報に記載されたものが知られている。この種のコネクタは、図８に示すように、相手側コネクタが嵌合されるフード部を備えた合成樹脂製のコネクタハウジング１に、複数のＬ字形の端子金具２が貫通して配列されており、その一端はフード部に突き出ており、他端はコネクタハウジング１の外側に突き出た構造となっている。
【０００３】
一般にこの種のコネクタは、フード部の内外を挿通させる挿通孔に端子金具２を挿入して製造される。端子金具２は挿通孔に圧入され、端子金具２と挿通孔の内壁とは両者の摩擦力により固定される。この端子金具２は挿通孔に圧入される際、その内壁と擦れ合いながら挿入されることになるので、挿通孔の内壁が削り取られ、削りくずが発生することがある。従来、端子金具２は、相手側コネクタとの電気的接続を良好にするために施されたメッキが挿入孔の内壁との摩擦により剥がれないようにするため、フード部側からコネクタハウジング１の外側に向かって挿入されていた。このため、挿通孔の内壁の削りくずは、コネクタハウジング１の外側に開口した挿通孔からコネクタハウジング１外部に排出されていたため、削りくずに起因する問題は発生しなかった。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
近年、製造工程の簡略化の要請などから、これまでとは逆に、端子金具２をコネクタハウジング１の外側からフード部に向かって挿入する必要が生じるようになった。しかしながら上記のようなコネクタの構造では、端子金具２がコネクタハウジング１の外側からフード部に向かって挿入されると、端子金具２により挿通孔の内壁が削り取られた場合、削りくずがフード部内に排出されることになる。この削りくずが相手側コネクタとフード部の壁面との間に挟まってしまう結果、相手側コネクタと基板用コネクタとが正規位置で嵌合することができないという嵌合不良が発生し、極端な場合には端子同士の接触不良を招くことがあった。
【０００５】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、相手側コネクタとの嵌合不良の発生を防止した基板用コネクタを提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための手段として、請求項１の発明は、相手側コネクタが嵌合されるフード部を備えたコネクタハウジングと、前記コネクタハウジングに取り付けられる複数の端子金具とを備えた基板用コネクタであって、前記コネクタハウジングのうち前記フード部の底壁部にはフード部の内外を連通させる挿通孔が形成されており、前記端子金具は前記挿通孔を前記コネクタハウジングの外側から貫通した状態で前記コネクタハウジングに取り付けられており、前記フード部の底壁部には前記挿通孔の内周面を拡げた形状の凹部が形成されていることを特徴とする。
【０００７】
請求項２の発明は、請求項１記載の基板用コネクタにおいて、前記端子金具のうち、前記コネクタハウジングから突出して基板に差し込まれる接続脚部に幅方向に膨らみ出る膨出部が設けられていることを特徴とする。
【０００８】
【発明の作用及び効果】
＜請求項１の発明＞
請求項１の発明によれば、フード部の底壁部には、フード部の内外を連通させる挿通孔のフード部側の端部に、凹部が形成されている。このため、端子金具がコネクタハウジングの背面からフード部に向かって挿入された場合でも、削りくずは凹部に納められた状態になるのでフード部内に入り込むことはない。この結果、削りくずが相手側コネクタとフード部との間に挟まってしまうことに起因する、相手側コネクタとの嵌合不良や、端子同士の接触不良を効果的に防止することができる。
【０００９】
＜請求項２の発明＞
請求項２の発明によれば、コネクタハウジングから突出して基板に差し込まれる接続脚部に幅方向に膨らみ出る膨出部が設けられている。このため、プリント基板に設けられた取付孔に接続脚部を差し込むことにより、基板用コネクタをプリント基板に固定することが可能であり、かつ電気的な接続をも行うことができる。この結果、はんだ付け工程が不要となるなど、作業の効率化を図ることができる。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
＜第１実施形態＞
本発明の第１実施形態を図１ないし図６によって説明する。本実施形態では、プリント配線基板（図示せず）に取り付けられるＰＣＢ用コネクタ１０を例示する。なお、以下では、前後方向については、図１における左方を前方とし、上下方向については、図１の上下方向を基準にして説明する。
【００１１】
ＰＣＢ用コネクタ１０は、相手側コネクタ（図示せず）が嵌合されるフード部１４を備えた合成樹脂製のコネクタハウジング１１を備えている。図４には、後述する端子金具２０を挿入していない状態のコネクタハウジング１１を示す。図４に示すように、フード部１４の底壁部１２には、フード部１４の内外を連通させる、横断面が略矩形をした複数の挿通孔３０が上下２段に整列して形成されている。
【００１２】
上段の挿通孔３０と下段の挿通孔３０との間には、相手側コネクタ（図示せず）がＰＣＢ用コネクタ１０と嵌合する際に双方のコネクタハウジングを適正な位置で嵌合させるために、相手側コネクタ（図示せず）の挿入時にガイドの働きをするこじり防止タブ部１３が、底壁部１２から立設されている。
【００１３】
上述の底壁部１２には、そのフード部１４内に臨む面に挿通孔３０の内周面を拡げた矩形状の凹部３１が形成されている。この凹部３１と挿通孔３０とは、凹部３１の略中央部に挿通孔３０が位置する関係にある。なお、底壁部１２の背面側に開いた挿通孔３０の開口部は、挿通孔３０の幅方向に拡幅され、ストッパ受け部３３を形成しているとともに（図５参照）、端子金具２０を挿通孔３０内に誘い込むためのテーパ状の誘導面３５が開口部の下側に設けられている（図３参照）。
【００１４】
一方、図５、６に示すように、端子金具２０は、横断面が略矩形をした細長い棒状をなしており、その中央部付近には、幅方向に膨出された２対の圧入突起部２２Ａが形成されている。この圧入突起部２２Ａは、前方がテーパ状をなしている。また、圧入突起部２２Ａの後方には、上方から見て略矩形をなす、１対のストッパ２２Ｂが突出して形成されている。
【００１５】
なお、端子金具２０の両端部には、図５、６においてクロスハッチングを施した部分に、図示しない相手側端子との電気的接続を良好にするために金メッキが施されており、その部分の厚さ及び幅寸法は挿通孔３０の内側寸法よりも僅かに小さく設定されている。
【００１６】
本実施形態のＰＣＢ用コネクタ１０は、以下のようにして製造する。
図３の矢線で示すように、コネクタハウジング１１の背面側から、フード部１４の底壁部１２に形成された挿通孔３０に、端子金具２０を圧入する。その際、端子金具２０の先端部の金メッキ部は挿通孔３０の内面に強く擦れ合うことなく挿入される。
【００１７】
端子金具の圧入突起部２２Ａの幅は、挿通孔３０の幅よりも広く作られているが、圧入突起部２２Ａは前方がテーパ状となっているため、挿通孔３０の内壁に食い込むようになり、挿通孔３０の内壁を僅かに削りながら圧入される。そして、ストッパ２２Ｂがストッパ受け部３３内に進入してそれ以上の圧入が規制されて、端子金具２０は正規位置に固定される。
【００１８】
端子金具２０が正規位置に固定された後、底壁部１２の背面側に突出した端子金具２０の端部は、直角曲げして下向きにされ、整列板１５に挿通させることにより前後２列に整列して保持される。
【００１９】
ところで、上述の端子金具２０の圧入時、端子金具２０は、圧入突起部２２Ａが挿通孔３０の内壁を削りながら圧入されるため、挿通孔３０の内壁から削りくず３４が発生し、その削りくず３４が、端子金具２０の圧入に伴って、フード部１４側に押し出されることがある。しかしながら、本実施形態のＰＣＢ用コネクタ１０では、底壁部１２のフード部１４内の面に凹部３１が設けられているから、その削りくず３４は凹部３１内に納められた形となる。このため、相手側コネクタ（図示せず）が底壁部１２に当接するまでフード部１４内に嵌合されたとしても、相手側コネクタ（図示せず）の嵌合面と底壁部１２との間に削りくず３４が挟まることに起因する、嵌合不良や、接触不良が効果的に防止される（図２参照）。
【００２０】
＜第２実施形態＞
次に、本発明の第２実施形態を図７を用いて説明する。この第２実施形態では、端子金具２０の後方の端部に、幅方向に膨出した膨出部２３が形成されている。第２実施形態のＰＣＢ用コネクタ１０は、膨出部２３が設けられていない側の端部から、フード部１４の底壁部１２に形成された挿通孔３０に、端子金具２０を圧入することにより製造される。
その他の構造については、上記第１実施形態と同様であって、同一機能を有する部位については同一符号を付すことで重複した説明は省略する。
【００２１】
この第２実施形態の端子金具２０では、膨出部２３が設けられた側の端部が、コネクタハウジングの背面側から下方に突出して接続脚部２１となる。この接続脚部２１をプリント配線基板（図示せず）に設けられた取付孔（図示せず）に圧入すると、膨出部２３が設けられている事により、ＰＣＢ用コネクタ１０とプリント配線基盤（図示せず）とを固定でき、かつ電気的な接続も行うことができる。このため、はんだ付けなどの工程を省略する事ができ、工程の簡略化を図ることができる。
【００２２】
＜他の実施形態＞
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
（１）上記実施形態では、凹部３１はフード部１４内に開放する形状に形成されていたが、これに限られず、フード部１４内側の面を端子金具の挿通部分を残して閉じる形状としてもよい。これにより、端子金具２０を、底壁部１２により安定して保持することができる。
【００２３】
（２）上記実施形態では、底壁部１２の上下２段に整列して端子金具２０が挿入される構造を備えるものとしたが、これに限られず、底壁部１２の上下方向に３段以上に整列して端子金具２０が挿入される構造としてもよい。
【００２４】
（３）上記実施形態では、底壁部１２に形成された挿通孔３０の横断面は略矩形をなしていたが、これに限られず、その横断面は、円形、長円形等としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施形態に係るコネクタの縦断面図
【図２】端子金具が挿通孔に挿入された状態を示す部分拡大縦断面図
【図３】端子金具が挿通孔に挿入される前の状態を示す縦断面図
【図４】端子金具が挿通孔に挿入される前の状態を示すコネクタハウジングの正面図
【図５】端子金具が挿通孔に挿入される前の状態を示す横断面図
【図６】端子金具が挿通孔に挿入された状態を示す横断面図
【図７】本発明の第２実施形態に係るコネクタにおいて、端子金具が挿通孔に挿入された状態を示す横断面図
【図８】従来例の斜視図
【符号の説明】
１０…ＰＣＢ用コネクタ
１１…コネクタハウジング
１２…底壁部
１４…フード部
２０…端子金具
２１…接続脚部
２２Ａ…圧入突起部
２２Ｂ…ストッパ部
２３…膨出部
３０…挿通孔
３１…凹部
３４…削りくず

Claims (2)

  1. 相手側コネクタが嵌合されるフード部を備えたコネクタハウジングと、前記コネクタハウジングに取り付けられる複数の端子金具とを備えた基板用コネクタであって、前記コネクタハウジングのうち前記フード部の底壁部にはフード部の内外を連通させる挿通孔が形成されており、前記端子金具は前記挿通孔を前記コネクタハウジングの外側から貫通した状態で前記コネクタハウジングに取り付けられており、前記フード部の底壁部には前記挿通孔の内周面を拡げた形状の凹部が形成されていることを特徴とする基板用コネクタ。
  2. 前記端子金具のうち、前記コネクタハウジングから突出して基板に差し込まれる接続脚部に幅方向に膨らみ出る膨出部が設けられていることを特徴とする請求項１記載の基板用コネクタ。
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