JP2010257677A - 基板用コネクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】回路基板の孔に端子金具を挿入する際の作業性を改善する。
【解決手段】端子金具60の先端部は、回路基板50に貫設された孔51に挿入されて導電部に電気的に接続される。孔51に対して同じタイミングで挿入される端子金具60のグループG1、G2、G3が複数設けられる。孔51に先行して挿入されるグループG1、G2の端子金具60A、60Bの先端位置と、このグループG1、G2の次に孔51に挿入されるグループG2、G3の端子金具60B、60Cの先端位置との高さの差は、回路基板50の厚みよりも小さくされている。
【選択図】図1
【解決手段】端子金具60の先端部は、回路基板50に貫設された孔51に挿入されて導電部に電気的に接続される。孔51に対して同じタイミングで挿入される端子金具60のグループG1、G2、G3が複数設けられる。孔51に先行して挿入されるグループG1、G2の端子金具60A、60Bの先端位置と、このグループG1、G2の次に孔51に挿入されるグループG2、G3の端子金具60B、60Cの先端位置との高さの差は、回路基板50の厚みよりも小さくされている。
【選択図】図1
Description
本発明は、基板用コネクタに関する。
特許文献1には、従来の基板用コネクタが開示されている。これは、ハウジングと、ハウジングに装着される複数本のピン状の端子金具とを備え、端子金具の先端部が回路基板に形成された孔に挿入されて回路基板の導電部に電気的に接続される。このとき、各端子金具の先端位置は同じ高さ位置に揃えられており、これによって各端子金具の先端部は回路基板の孔に一斉に挿入されるようになっている。
ところで、各端子金具の寸法誤差等に起因して、一部の端子金具の先端部が回路基板の対応する孔と正確に正対しない場合がある。そうすると、各端子金具の先端部が孔に円滑に挿入されず、挿入作業がし辛くなるという問題がある。これに鑑み、ハウジングにアライメントプレートを取り付け、アライメントプレートに形成された位置決め孔に端子金具の先端部を挿入することにより、端子金具の先端部の位置決めを行うことも可能である。しかし、これでは、アライメントプレートを用意する分、コスト高になるという事情がある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、回路基板の孔に端子金具の先端部を挿入する際の作業性を改善することを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、ハウジングと、このハウジングに装着される複数本のピン状の端子金具とを備え、前記端子金具の先端部が前記回路基板に貫設された孔に高さ方向に挿入されてこの回路基板の導電部に電気的に接続される基板用コネクタであって、前記孔に対して同じタイミングで挿入される端子金具のグループが複数設けられ、前記孔に先行して挿入されるグループの端子金具の先端位置と、このグループの次に前記孔に挿入されるグループの端子金具の先端位置との高さの差は、前記回路基板の厚みよりも小さくされているところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記回路基板の厚みをAとし、前記孔に対して同じタイミングで挿入される端子金具のグループの数をB(B≧2)とし、前記孔に最初に挿入されるグループの端子金具の先端位置と、前記孔に最後に挿入されるグループの端子金具の先端位置との高さの差をCとした場合に、A>C≧A/Bの関係が満たされるところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載のものにおいて、複数のグループのうち、最も長寸の端子金具のグループが前記孔に最初に挿入されるところに特徴を有する。
請求項4の発明は、請求項3に記載のものにおいて、前記端子金具は、前記ハウジングの外側で折り曲げられることでその先端部が前記高さ方向を向くようにされており、前記最も長寸の端子金具のグループは、前記ハウジングから最も離れた位置で折り曲げられるところに特徴を有する。
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のものにおいて、前記端子金具は、前記ハウジングに形成された装着孔に圧入され、かつ前記装着孔の挿入口縁部に当て止め可能に配置される突片を有しているところに特徴を有する。
<請求項1の発明>
回路基板の孔に対して同じタイミングで挿入される端子金具のグループが複数設けられているから、仮に、孔に正確に正対しない端子金具が含まれていても、そうした端子金具の挿入姿勢を矯正し易くなり、かつ挿入抵抗が一時に大きくなることもない。このため、回路基板の孔に端子金具を挿入する際の作業性が改善される。また、孔に先行して挿入されるグループの端子金具の先端位置と、このグループの次に孔に挿入されるグループの端子金具の先端位置との高さの差は、回路基板の厚みよりも小さくされているから、端子金具の長さを格別長くしなくて済み、材料の無駄を省くことができる。この場合、先行グループの端子金具の先端が孔に挿入される途上で後行グループの端子金具の先端が孔に挿入されるから、先行グループの端子金具が無理な応力を受けることもない。
回路基板の孔に対して同じタイミングで挿入される端子金具のグループが複数設けられているから、仮に、孔に正確に正対しない端子金具が含まれていても、そうした端子金具の挿入姿勢を矯正し易くなり、かつ挿入抵抗が一時に大きくなることもない。このため、回路基板の孔に端子金具を挿入する際の作業性が改善される。また、孔に先行して挿入されるグループの端子金具の先端位置と、このグループの次に孔に挿入されるグループの端子金具の先端位置との高さの差は、回路基板の厚みよりも小さくされているから、端子金具の長さを格別長くしなくて済み、材料の無駄を省くことができる。この場合、先行グループの端子金具の先端が孔に挿入される途上で後行グループの端子金具の先端が孔に挿入されるから、先行グループの端子金具が無理な応力を受けることもない。
<請求項2の発明>
回路基板の厚みをAとし、孔に対して同じタイミングで挿入される端子金具のグループの数をBとし、孔に最初に挿入されるグループの端子金具の先端位置と、孔に最後に挿入されるグループの端子金具の先端位置との高さの差をCとした場合に、A>C≧A/Bの関係が満たされるから、先行のグループから後行のグループへと回路基板の孔に各端子金具の先端部が順次円滑に挿入されて行く。
回路基板の厚みをAとし、孔に対して同じタイミングで挿入される端子金具のグループの数をBとし、孔に最初に挿入されるグループの端子金具の先端位置と、孔に最後に挿入されるグループの端子金具の先端位置との高さの差をCとした場合に、A>C≧A/Bの関係が満たされるから、先行のグループから後行のグループへと回路基板の孔に各端子金具の先端部が順次円滑に挿入されて行く。
<請求項3の発明>
寸法差のバラツキ度合いが大きくなり勝ちである長寸の端子金具から順に孔に挿入されて行くから、端子金具の挿入姿勢をより矯正し易くなり、いっそう良好な作業性が確保される。
寸法差のバラツキ度合いが大きくなり勝ちである長寸の端子金具から順に孔に挿入されて行くから、端子金具の挿入姿勢をより矯正し易くなり、いっそう良好な作業性が確保される。
<請求項4の発明>
長寸の端子金具のグループがハウジングから最も離れた外側で折り曲げられるから、このグループの内側に位置する端子金具のグループを保護状態に置くことができる。
長寸の端子金具のグループがハウジングから最も離れた外側で折り曲げられるから、このグループの内側に位置する端子金具のグループを保護状態に置くことができる。
<請求項5の発明>
突片が装着孔の挿入口縁部に当て止め可能に配置されることで、ハウジングに対する端子金具の装着位置が正確に決められるから、各端子金具の先端位置の誤差が小さく抑えられる。
突片が装着孔の挿入口縁部に当て止め可能に配置されることで、ハウジングに対する端子金具の装着位置が正確に決められるから、各端子金具の先端位置の誤差が小さく抑えられる。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図8によって説明する。本実施形態の基板用コネクタ10は、端子金具60及びハウジング20を備え、プリント回路基板(以下、回路基板50)に実装される。ハウジング20は図示しない相手コネクタに嵌合可能とされている。なお、以下の説明において前後方向については相手コネクタとの嵌合面側を前方とし、上下方向については高さ方向と同義であって図1を基準とする。
本発明の実施形態1を図1ないし図8によって説明する。本実施形態の基板用コネクタ10は、端子金具60及びハウジング20を備え、プリント回路基板(以下、回路基板50)に実装される。ハウジング20は図示しない相手コネクタに嵌合可能とされている。なお、以下の説明において前後方向については相手コネクタとの嵌合面側を前方とし、上下方向については高さ方向と同義であって図1を基準とする。
ハウジング20は合成樹脂製であって、図1に示すように、略角筒状のフード部21を備えている。フード部21は幅方向に長い略矩形板状の奥壁22と、奥壁22の外周縁から前方へ突出する嵌合筒部23とを有している。嵌合筒部23には相手コネクタが内嵌可能とされている。図3にも示すように、嵌合筒部23の内面には相手コネクタに対するガイド溝24が前後方向に延出して形成されている。また、嵌合筒部23の外面には相手コネクタを嵌合状態に保持するためのロック部25が突出して形成されている。
奥壁22には、端子金具60を装着可能な複数の装着孔26が貫通して形成されている。各装着孔26は、奥壁22において上下3段に分かれて形成され、前後方向に細長く延びる形状をなしている。奥壁22の前面には、各装着孔26と対応する位置毎に、小筒部27がフード部21内に突出して形成され、各小筒部27内に装着孔26の略前半部が保有されている。また、各装着孔26の後端部には、奥壁22の後面に向けて高さ方向に拡開する誘い込み口27が開口して形成されている。さらに、図5に示すように、各装着孔26には、前後方向について誘い込み口27と同じ位置に、端子金具60を当て止め可能な段部28が設けられ、段部28を挟んで後方の領域には前方の領域よりも幅広の凹部29が形成されている。
また、奥壁22の幅方向両端からは、一対の保護壁30が後方へ突出して形成されている。両保護壁30間には、奥壁22の後面から引き出される複数の端子金具60が配置されている。側方から見ると、各端子金具60はその先端部を除いて両保護壁30に覆い隠されている。両保護壁の下端は回路基板50の上面に載置される。
図2、図3に示すように、両保護壁30の外側面には一対の保持部31が突出して形成されている。保持部31は、保護壁30の外面に接合される基台部32と、基台部32の下面から下方に突出する一対の半割体33とからなる。両半割体33は、内側のスリット34内に撓み変形可能とされ、その先端部には掛止縁35が張り出して形成されている。回路基板50には、保持部31と対応する位置に、図示しない保持孔が貫通して形成されている。保持孔に半割体33が撓み変形しつつ挿入され、正規挿入されたときに半割体33が弾性復帰することで保持孔の下面側の口縁部に掛止縁35が掛け止められ、もって基板用コネクタ10が回路基板50に保持されるようになっている。
端子金具60は導電性の金属板を曲げ加工等して一体に成形され、全体として細長いピン状をなしている。詳しくは端子金具60は、図1に示すように、全体としてL字形をなし、ハウジング20の装着孔26を貫通して前後方向に延びる端子接続部61と、回路基板50に高さ方向(厚み方向)に貫設された孔51(図6を参照)に挿入されて高さ方向に延びる基板接続部62と、ハウジング20の後方にあって端子接続部61の後端と基板接続部62の上端とを連ねる屈曲部66とからなる。
端子接続部61の前端部はフード部21内に略水平に突出して配置され、相手コネクタとの嵌合に伴って相手端子金具と電気的に接続されるようになっている。端子接続部61の中間部は装着孔26に圧入され、図5に示すように、その外周面には装着孔26の孔壁に圧接状態で食い込む前後夫々の食い込み突起63と、後側の食い込み突起63の後端に連なりつつ拡幅される幅方向に一対の突片64とが形成されている。突片64はハウジング20の凹部29に収容され、その状態で段部28に当て止め可能に配置される。
基板接続部62の先端部は回路基板50の孔51に挿入され、その状態で孔51内に半田接続されることで、回路基板50にプリントされた図示しない導電部と電気的に接続されるようになっている。基板接続部62の先端部は他の部分よりも幅狭とされ、さらに、図6に示すように、基板接続部62の先端外周面には先端先細りのテーパ状の案内面65が形成されている。基板接続部62は案内面65に案内されつつ回路基板50の孔51に挿入されるようになっている。
さて、端子金具60はここでは長短3種類が用意され、長さが最も長い第1端子金具60Aと、長さが中間の第2端子金具60Bと、長さが最も短い第3端子金具60Cとから構成されている。第1〜第3端子金具60A、60B、60Cは、それぞれ、幅方向に複数本並列に配置されて第1、第2、第3グループG1、G2、G3(図3を参照)を構成している。同じグループG1、G2、G3内の端子金具60は、回路基板50の孔51に対して同じタイミングで挿入されるようになっている。
第1端子金具60Aは、各端子金具60のうち、ハウジング20から最も遠い位置に屈曲部66及び基板接続部62を配置させ、第3端子金具60Cは、各端子金具60のうち、ハウジング20に最も近い位置に屈曲部66及び基板接続部62を配置させ、第2端子金具60Bは、第1、第3端子金具60A、60Cの間に屈曲部66及び基板接続部62を配置させている。基板接続部62の長さは、第1端子金具60A、第2端子金具60B、第3端子金具60Cの順に短くされ、端子接続部61の長さは、同じく、第1端子金具60A、第2端子金具60B、第3端子金具60Cの順に短くされている。また、第1端子金具60Aの曲げの内側に第2端子金具60Bが配置され、第2端子金具60Bの曲げの内側に第3端子金具60Cが配置され、図4に示すように、背面から見ると、第2、第3端子金具60B、60Cが第1端子金具60Aによって隠蔽されている。
図1、図6に示すように、第1端子金具60Aの基板接続部62の先端位置(下端位置)は第2端子金具60Bの基板接続部62の先端位置よりも低い位置に設定され、第2端子金具60Bの基板接続部62の先端位置は第3端子金具60Cの基板接続部62の先端位置よりも低い位置に設定されている。第1、第2端子金具60A、60Bの両先端位置間の高さの差、及び第2、第3端子金具60B、60Cの両先端位置間の高さの差は、回路基板50の厚みよりも小さくされ、さらに、第1端子金具60A、第3端子金具60Cの両先端位置間の高さの差も、回路基板50の厚みよりも小さくされている。具体的には、第1、第2端子金具60A、60Bの両先端位置間の高さの差は回路基板50の厚みのほぼ1/3の大きさで構成され、第2、第3端子金具60B、60Cの両先端位置間の高さの差は回路基板60の厚みの1/3未満の大きさで構成されている。なお、第3端子金具60Cの先端位置は保持部31の先端位置よりも低い位置に設定されている。
次に、本実施形態の基板用コネクタ10を回路基板50に取り付ける手順、及び作用効果を説明する。
まず、ハウジング20の装着孔26に後方から端子金具60を圧入する。このとき、突片64が段部28に当て止め可能に配置されることで、端子金具60のそれ以上の差し込みが規制され、端子金具60がハウジング20に位置決め保持される。次いで、端子金具60におけるハウジング20の外側に露出する部分を屈曲部66を境として直角曲げし、もって端子接続部61と基板接続部62とを形成する。これにより、各端子金具60の先端位置は、第1グループG1から第3グループG3にかけて、漸次高くなる。
まず、ハウジング20の装着孔26に後方から端子金具60を圧入する。このとき、突片64が段部28に当て止め可能に配置されることで、端子金具60のそれ以上の差し込みが規制され、端子金具60がハウジング20に位置決め保持される。次いで、端子金具60におけるハウジング20の外側に露出する部分を屈曲部66を境として直角曲げし、もって端子接続部61と基板接続部62とを形成する。これにより、各端子金具60の先端位置は、第1グループG1から第3グループG3にかけて、漸次高くなる。
次に、この端子金具60付きハウジング20を回路基板50へ向けて高さ方向に引き下ろす。この場合、図6に示すように、第1端子金具60Aの基板接続部62の先端部がその案内面65の略全体が隠れるよう回路基板50の孔51のほぼ1/3の深さまで挿入されたときに、第2、第3端子金具60B、60Cの基板接続部62の先端部は未だ孔51に挿入されず、第2端子金具60Bの基板接続部62の先端は孔51の挿入口の直前に位置し、第3端子金具60Cの基板接続部62の先端は孔51の挿入口から離れて位置している。
続いて、図7に示すように、第1端子金具60Aの基板接続部62の先端部が孔51のほぼ2/3の深さまで挿入されたときに、第2端子金具60Bの基板接続部62の先端部は孔51のほぼ1/3の深さまで挿入され、第3端子金具60Cの基板接続部62の先端部は孔51の開口部分に挿入される。さらに、図8に示すように、第1端子金具60Aの基板接続部62の先端部が孔51の全深さに亘って挿入されたときに、第2端子金具60Bの基板接続部62の先端部は孔51のほぼ2/3の深さまで挿入され、第3端子金具60Cの基板接続部62の先端部は孔51のほぼ1/3より少し入った深さまで挿入される。
基板用コネクタ10の引き降ろしが完了すると、保護壁30の下端が回路基板50の上面に載置され、保持部31の掛止縁35が保持孔の下面側の口縁部に掛け止められて、基板用コネクタ10が回路基板50に保持される。このときには、第3端子金具60Cの先端部も孔51の全深さに亘って挿入される。最後に、基板接続部62と孔51とを半田接続して、各端子金具60を回路基板50の導電部に電気的に接続させる。
ここで、図7に示すように、回路基板50の厚みをAとし、孔51に対して同じタイミングで挿入される端子金具60のグループG1、G2、G3の数をB(B≧2、本実施形態ではB=3)とし、孔51に最初に挿入されるグループ(本実施形態では第1グループG1)の端子金具60(本実施形態では第1端子金具60A)の先端位置と、孔51に最後に挿入されるグループ(本実施形態では第3グループG3)の端子金具60(本実施形態では第3端子金具60C)の先端位置との高さの差をCとした場合に、次の関係式が満たされることが望ましい。
A>C≧A/B
A>C≧A/B
上記の場合、仮に、C<A/Bであると、各グループG1、G2、G3間における各端子金具60A、60B、60C同士の高さの差が小さくなり過ぎ、寸法管理が困難になるとともに、孔51に対する各端子金具60A、60B、60Cの挿入のタイミングがほぼ同じになることもあって、後述する挿入作業性が良好になるとの効果を得難い。また、A≦Cであると、高さの差Cが大きくなり過ぎて、材料の無駄が大きく、かつその必要性に欠ける。したがって、本実施形態においては、A>C≧A/Bの関係が成立するようにされている。
ところで、仮に、各端子金具60の中に、孔51と正確に正対しない端子金具60が含まれていても、そのような端子金具60は、自身の属する第1〜第3グループG1、G2、G3のいずれかのグループG1、G2、G3内において、正規の挿入姿勢をとる他の端子金具60の位置決め作用によってその挿入姿勢が矯正される。この場合、各端子金具60が一斉に孔51に挿入されるよりも、正規の挿入姿勢をとる端子金具60が限定されて位置決めの基準が明確になり、かつ挿入抵抗が一時に大きくなることがないため、端子金具60の挿入作業性が良好になる。
以上説明したように、本実施形態によれば、回路基板50の孔51に対して同じタイミングで挿入される端子金具60のグループG1、G2、G3が複数設けられているから、仮に、孔51に正確に正対しない端子金具60が含まれていても、そうした端子金具60の挿入姿勢を矯正し易くなり、かつ挿入抵抗が一時に大きくなることもない。このため、回路基板50の孔51に端子金具60を挿入する際の作業性が改善される。また、孔51に先行して挿入されるグループG1、G2の端子金具60A、60Bの先端位置と、このグループG1、G2の次に孔51に挿入されるグループG2、G3の端子金具60B、60Cの先端位置との高さの差は、回路基板50の厚みよりも小さくされているから、端子金具60の長さを格別長くしなくて済み、材料の無駄を省くことができる。
さらに、孔51に最初に挿入される第1グループG1の第1端子金具60Aの先端位置と、孔51に最後に挿入される第3グループの第3端子金具60Cの先端位置との高さの差Cも、回路基板50の厚みAよりも小さくされているから、第1端子金具60Aの先端が孔51を通過する前に第3端子金具60Cの先端が孔51に挿入されることとなる。このため、第3端子金具60Cの挿入動作が開始されるときに、第1、第2端子金具60A、60Bに無理な応力が加わることがない。また、上記のA>C≧A/Bの関係を満たしていれば、各端子金具60A、60B、60Cの先端部が回路基板50の孔51に順繰りに効率よく挿入されて行くから、挿入作業性がより良好となる。
さらに、寸法差のバラツキ度合いが大きくなり勝ちである長寸の第1端子金具60Aから順に回路基板50の孔51に挿入されて行くから、端子金具60の挿入姿勢をより矯正し易くなり、いっそう良好な作業性が確保される。
さらにまた、長寸の第1端子金具60Aがハウジングから最も離れた位置に屈曲部66を有するから、第2、第3端子金具60B、60Cが第1端子金具60Aの内側で保護状態に置かれる。
しかも、突片64が装着孔26の挿入口縁部に形成された段部28に当て止め可能に配置されることで、ハウジング20に対する端子金具60の装着位置が正確に決められるから、各端子金具60の先端位置の誤差が小さく抑えられる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)ハウジングから最も近い第3端子金具が第1、第2端子金具に先行して回路基板の孔に挿入されてもよく、あるいは、ハウジングから中間位置にある第2端子金具が第1、第3端子金具に先行して回路基板の孔に挿入されてもよい。また、例えば、ハウジングの中段及び下段に装着される第2、第3端子金具が孔に同時に挿入されることで、同じグループを形成してもよい。さらに、回路基板の孔に先行して挿入される端子金具のグループとこれに遅れて挿入される端子金具のグループとがランダムに混在するだけでもよい。
(2)端子金具の全体が直線状に延びる形状であってもよい。
(3)端子金具がフード部の奥壁に高さ方向に2段、又は高さ方向に4段以上に装着されることにより、グループ数Bが2又は4以上になるものであってもよい。
(4)各グループ間で各端子金具の先端位置の高さの差が同じであってもよい。
(5)端子金具の先端部の位置決め状態を確実に確保するため、ハウジングに、端子金具の先端部を挿入可能な位置決め孔を有するアライメントプレートを取り付けてもよい。
(6)端子金具はハウジングの装着孔に挿入する前に予め折り曲げられていてもよい。
(7)端子金具はハウジングにインサート成形によって装着されてもよい。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)ハウジングから最も近い第3端子金具が第1、第2端子金具に先行して回路基板の孔に挿入されてもよく、あるいは、ハウジングから中間位置にある第2端子金具が第1、第3端子金具に先行して回路基板の孔に挿入されてもよい。また、例えば、ハウジングの中段及び下段に装着される第2、第3端子金具が孔に同時に挿入されることで、同じグループを形成してもよい。さらに、回路基板の孔に先行して挿入される端子金具のグループとこれに遅れて挿入される端子金具のグループとがランダムに混在するだけでもよい。
(2)端子金具の全体が直線状に延びる形状であってもよい。
(3)端子金具がフード部の奥壁に高さ方向に2段、又は高さ方向に4段以上に装着されることにより、グループ数Bが2又は4以上になるものであってもよい。
(4)各グループ間で各端子金具の先端位置の高さの差が同じであってもよい。
(5)端子金具の先端部の位置決め状態を確実に確保するため、ハウジングに、端子金具の先端部を挿入可能な位置決め孔を有するアライメントプレートを取り付けてもよい。
(6)端子金具はハウジングの装着孔に挿入する前に予め折り曲げられていてもよい。
(7)端子金具はハウジングにインサート成形によって装着されてもよい。
10…基板用コネクタ
20…ハウジング
26…装着孔
50…回路基板
51…孔
60…端子金具
60A…第1端子金具
60B…第2端子金具
60C…第3端子金具
G1…第1グループ
G2…第2グループ
G3…第3グループ
20…ハウジング
26…装着孔
50…回路基板
51…孔
60…端子金具
60A…第1端子金具
60B…第2端子金具
60C…第3端子金具
G1…第1グループ
G2…第2グループ
G3…第3グループ
Claims (5)
- ハウジングと、このハウジングに装着される複数本のピン状の端子金具とを備え、前記端子金具の先端部が前記回路基板に貫設された孔に高さ方向に挿入されてこの回路基板の導電部に電気的に接続される基板用コネクタであって、
前記孔に対して同じタイミングで挿入される端子金具のグループが複数設けられ、
前記孔に先行して挿入されるグループの端子金具の先端位置と、このグループの次に前記孔に挿入されるグループの端子金具の先端位置との高さの差は、前記回路基板の厚みよりも小さくされていることを特徴とする基板用コネクタ。 - 前記回路基板の厚みをAとし、
前記孔に対して同じタイミングで挿入される端子金具のグループの数をB(B≧2)とし、
前記孔に最初に挿入されるグループの端子金具の先端位置と、前記孔に最後に挿入されるグループの端子金具の先端位置との高さの差をCとした場合に、
A>C≧A/Bの関係が満たされることを特徴とする請求項1記載の基板用コネクタ。 - 複数のグループのうち、最も長寸の端子金具のグループが前記孔に最初に挿入されることを特徴とする請求項1又は2記載の基板用コネクタ。
- 前記端子金具は、前記ハウジングの外側で折り曲げられることでその先端部が前記高さ方向を向くようにされており、
前記最も長寸の端子金具のグループは、前記ハウジングから最も離れた位置で折り曲げられることを特徴とする請求項3記載の端子金具。 - 前記端子金具は、前記ハウジングに形成された装着孔に圧入され、かつ前記装着孔の挿入口縁部に当て止め可能に配置される突片を有していることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記載の基板用コネクタ。
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