JP2001146412A - 流動床反応器及び高純度の多結晶シリコンの製造方法 - Google Patents

流動床反応器及び高純度の多結晶シリコンの製造方法

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JP2001146412A JP2000305388A JP2000305388A JP2001146412A JP 2001146412 A JP2001146412 A JP 2001146412A JP 2000305388 A JP2000305388 A JP 2000305388A JP 2000305388 A JP2000305388 A JP 2000305388A JP 2001146412 A JP2001146412 A JP 2001146412A
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heating
reaction
silicon
zone
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Dieter Weidhaus
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Alexander Hayduk
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放射加熱される流動床反応器及びこの反応器
を用いて高純度の多結晶シリコンを製造する方法を提供
する。 【解決手段】 請求項1記載の形式の流動床反応器にお
いて、加熱装置(14)が、内部反応管の外側にかつ該
反応管に直接接触せずに加熱帯域(17)の周囲に配置
された熱放射のための放射源であり、該放射源は、熱放
射によりシリコン粒子を加熱帯域内で、反応帯域(1
8)内に反応温度が生じるような温度に加熱する。請求
項9記載の形式の方法において、加熱帯域内での反応温
度以上へのシリコン粒子の加熱を熱放射により行う。 【効果】 流動床が、長時間にわたり必要な高い温度で
障害なく操作することができるように加熱され、かつ高
い純度及び少ない割合の凝集物のグラニュールが製造さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放射加熱される流
動床反応器及びこの反応器を用いて高純度の多結晶シリ
コンを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高純度の多結晶シリコンは、就中電子部
品及び太陽電池を製造するための原料として使用され
る。これはシリコン含有ガス又はシリコン含有ガス混合
物の熱分解により取得される。この方法は、化学気相成
長(CVD:chemical vapor deposition)と称され
る。大規模には、この方法はいわゆるシーメンス反応器
で実施される。
【0003】しかしながら、最近では、不連続的シーメ
ンス法に代わるものとして流動床法を利用する多数の努
力が存在する。この場合には、シリコン粒子、例えば直
径200μm〜3000μmを有するほぼ球状のからな
る流動床で操作される。該粒子は好ましくは600〜1
100℃の必要な堆積温度に加熱されかつシリコン含有
ガスもしくはガス混合物、例えばトリクロルシラン又は
トリクロルシラン/水素混合物が流動床内を通過せしめ
られる。この際、元素シリコンがシリコン粒子に堆積し
かつ個々の粒子は大きさが成長する。成長した粒子の規
則的な取り出し及び芽晶としての小さいシリコン粒子の
添加により、該方法は連続的にそれと結び付いた利点を
伴って操作することができる。
【0004】流動床法における重要な難点は、流動床を
好ましくは600〜1100℃である必要な高い温度で
エネルギーを供給することである。堆積反応は固体表面
の材料に関して選択的でなく、CVD反応は好ましくは
最も熱い表面で行われる。エネルギーが壁加熱により流
動床に供給される場合には、流動床の内壁が反応室内の
最も熱い表面になりかつこの壁にシリコンの相応して高
い堆積が生じる。この壁層は、進行するシリコンの成長
により加熱装置を強度に機能しなくなるまで妨害するこ
とがある。相応して、このことを回避するために、技術
的に異なる方法が公知である。
【0005】国際公開第96/41036号パンフレッ
トには、エネルギーを強度に収束した光ビームによりガ
ス供給を通して導入する方法が記載されている。この光
ビームはガスを透過し、シリコン粒子により吸収されか
つこれを加熱する。それにより、不利にも、シリコン含
有ガスの入り口の直接的周囲に存在する流動床の部分の
みが加熱される。
【0006】ドイツ国特許第3638931(C2)号
明細書(米国特許第4,786,477号明細書に相当)
から、マイクロ波を用いた流動床の加熱が公知である。
石英からなるマイクロ波透過性流動床壁を介して流動床
にマイクロ波が供給される。粒子はそれにより直接的に
加熱され、従って粒子は壁よりも熱い。しかしながら、
熱移行部の壁/粒子は、壁/粒子の温度差が極く小さく
なるように配慮しなければならないために、この場合も
シリコンの望ましくない壁堆積を生じる。
【0007】従って、マイクロ波加熱装置がドイツ国特
許第3427308(C2)号明細書(米国特許第5,
382,412号明細書に相当)においてさらに開発さ
れかつ流動床が垂直方向で下方加熱帯域とその上にある
反応帯域に分割された。加熱帯域内で、粒子は不活性ガ
ス、好ましくは水素によって流動化されかつマイクロ波
により加熱される。その上にある反応帯域は、粒子及び
ガス対流により堆積温度に加熱される。シリコン含有ガ
スは、ノズルを介して初めて反応帯域に供給される。次
いで、ここで堆積反応が行われる。加熱帯域自体は壁堆
積から開放されたままであり、従ってマイクロ波加熱装
置は長時間の運転の際でも損なわれない。
【0008】しかしながら、このような反応器では、シ
リコン内でのマイクロ波の温度に依存した入力結合挙動
に基づき並びに反応器及びマイクロ波供給装置の形状に
よるエネルギー供給の依存性に基づき平面状に不均一な
エネルギー供給が生じる。当業界においては、この結果
として生じる問題はホットスポット/コールドスポット
(Hot Spot/Cold Spot)と称されかつ例えば米国特許第
4,967,486号明細書にマイクロ波加熱流動床との
関連で言及されている。この場合には、個々のシリコン
粒子の強度の過熱及び粒子の焼結並びに流動床内での大
きな粒子凝集物の形成が生じる。これらのシリコン凝集
物は生成物内で所望されずかつ悪い流動特性に基づき反
応器運転を著しく妨害する。同様に、粒子は流動床内壁
に付着しかつ一部は溶融するまで(T>1400℃)ま
で加熱された。さらに、導波接続部の直ぐ近くでの粒子
の強度の過熱は、流動床内壁の過度の熱負荷をもたら
す。総合すると、列記した欠点は不安定な運転形式及び
不満足な生成物品質をもたらす。流動床の流動化、ひい
ては混合挙動は、確かに流動床内の温度分布に関して相
殺作用を有するが、しかしこのことはなお強度に流動化
度に依存する。ガス速度が高くなればなるほどに、一層
粒子は垂直方向及び水平方向で激しく混合される。しか
しながら、例えば“Fluidization Engineering”; D. K
unii, O. Levenspiel; Butterworth-Heinemann; Second
Edition 1991の第3章の方程式:
【0009】
【数1】
【0010】[式中、εmf :弛緩点(Lockerungspunk
t)での中空室割合 Φs :粒子の球形度 dp :粒子直径 ρg :ガス密度 ρs :固体密度 μ :ガスの動的粘度 g :重力加速度 である]で与えられる弛緩速度(Lockerungsgeschwindi
gkeit)umfを遙かに越えるガス速度の上昇は、常に必
要なエネルギー供給の上昇をもたらす。それというの
も、流動化ガスは一般に粒子よりも明らかに低い温度で
流動床に合流しかつ流動床を貫流する際にほぼ流動床の
温度に加熱されるからである。従って、ガス流の上昇は
確かにホットスポット/コールドスポット形成に反作用
するが、しかしこれは常に該方法のエネルギー需要を増
大させる。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、流動床
が、長時間にわたり必要な高い温度で障害なく運転する
ことができるように加熱され、かつ高い純度及び少ない
割合の凝集物のグラニュールが製造される流動床反応器
を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記課題は、a)耐圧性
スリーブ(2)、 b)熱放射に対して高い透過性を有する材料からなる内
部反応管(3)、 c)シリコン粒子(5)の入り口(4)、 d)ガス又は蒸気状シリコン化合物を含有する反応ガス
(7)を供給するための流入装置(6)、この場合該流
入装置(6)は管状に構成されておりかつ流動床を加熱
帯域とその上にある反応帯域に分割する、 e)加熱帯域に流体化ガス(9)を供給するためのガス
分配装置(8)、 f)流動床表面(19)の上に集まる未反応反応ガス、
流動性化ガス並びにガスもしくは蒸気状反応生成物(1
1)のための出口(10)、 g)生成物(13)のための出口(12)、 h)加熱装置(14)、 i)加熱装置(14)のためのエネルギー供給装置(1
5) を有する流動床反応器(1)において、前記加熱装置
(14)が、内部反応管の外側にかつ該反応管に直接接
触せずに加熱帯域(17)の周囲に配置された熱放射の
ための放射源であり、該放射源は、熱放射によりシリコ
ン粒子を加熱帯域内で、反応帯域(18)内に反応温度
が生じるような温度に加熱することを特徴とすることに
より解決される。
【0013】熱損失を減少させるために、内部反応管
(3)と耐圧性スリーブ(2)の間の空間に断熱装置
(16)を備えている。このような反応器は、図1に示
されている。特に好ましくは、断熱装置は不活性材料、
特に好ましくは石英又は金属ケイ酸塩からなる。
【0014】ドイツ国特許第4327308(C2)号
明細書に類似して加帯域と反応帯域への垂直方向の分離
は、流動床を別の加熱法でもまたマイクロ波でも加熱す
ることを可能にする。それというのも、加熱帯域内で
は、そこにケイ素含有ガスが存在しないために、壁堆積
が生じないからである。しかし、まさにこの点はドイツ
国特許第4327308(C2)号明細書からは公知で
ない。該明細書では、全く反対に予測される壁堆積に関
して並びに材料及び純度問題のためにマイクロ波加熱と
は別の加熱方法は排除される(ドイツ国特許第4327
308(C2)号明細書、第2頁第60行目〜第3頁第
22行目参照)。
【0015】流動床を加熱帯域と反応帯域に垂直方向で
分離することと結合した熱放射加熱との本発明による組
合せは、以下の利点を提供する: a)熱伝達機構が自己安定性である。このことは生成物
及び流動床壁の構成材料のための温和な操作を可能にす
る。
【0016】b)平面状加熱部材を用いて、熱を流動床
の全周にわたり極めて均一にかつ局所的に規定して導入
することができ、このことはまた流動床材料に構成材料
にとって温和である。
【0017】c)放射加熱装置は簡単に構成されかつ操
作される熱源である。
【0018】d)加熱装置から流動床への温度勾配に基
づき、正味熱需要、従ってガスを供給温度から粒子の温
度に加熱するために必要である熱を供給すればよい。
【0019】e)加熱帯域は、流動化ガスの低い速度で
作業することができる。それというのも、低いガス速度
でも粒子凝集物は形成されないからである。
【0020】f)絶縁のためには、任意の材料を利用す
ることができる。絶縁材料は加熱帯域内においてもマイ
クロ波透過性であるべきであるので、使用可能な材料の
選択制は著しく大きい。不活性材料を使用するのが好ま
しい。
【0021】g)加熱帯域と反応帯域への垂直方向分離
は、加熱帯域内で壁堆積が生じないことを惹起する。こ
のことは、放射加熱装置を長時間にわたり熱伝達を劣化
せずに運転することができることを可能にする。
【0022】加熱装置が本発明に基づき選択されかつ配
置され、かつ加熱装置と内部反応管の材料が、反応管が
加熱装置から放出された熱放射に対して高い透過率、好
ましくは80%以上を有していれば、熱放射の大部分が
内部反応管に侵入しかつ直接、加熱帯域内の壁の直ぐ近
くに存在するシリコン粒子により吸収される。それによ
り、流動床内のシリコン粒子を加熱帯域の全周にわたり
極めて均一に直接加熱することができる。僅かな割合の
熱放射のみが、反応管により吸収されかつこれを加熱す
る。シリコン粒子への熱伝達は、この割合のみが間接的
に壁加熱装置におけると同様に行われる。
【0023】本発明による放射加熱装置を用いると、反
応器を安定かつ連続的に操作するために、加熱帯域の範
囲における弛緩速度umfを僅かに上回ることが必要であ
るに過ぎない。それというのも、例えばマイクロ波にお
いて生じるような、全周にわたって異なる熱供給率を高
めた流動化により補償する必要がないからである。
【0024】実施例から明らかなように、従来の技術か
ら公知の、加熱帯域内でのマイクロ波を用いた加熱装置
の場合には焼結プロセス、凝集物形成及び流動床壁の内
側での生成物焼き付きを生じる。ドイツ国特許第432
7308(C2)号明細書により想到されるとは異な
り、熱放射装置を用いた加熱では極めて良好な結果が達
成されかつ材料問題又は壁堆積を伴う問題を生じない。
【0025】好ましくは、該加熱装置は加熱帯域の周り
に平面状に構成されかつそうして円筒状の放射源を形成
する。それにより、加熱帯域の全周にわたり極めて均一
なエネルギー供給が達成される。
【0026】加熱装置としては、0.4〜900μmの
波長、好ましくは0.4〜300μmの波長の熱放射、
特に好ましくは0.7〜25μmの波長の近赤外放射を
放出する全ての装置が該当する。
【0027】該加熱装置は、例えば加熱装置がドープさ
れたシリコン又は黒鉛又は炭化シリコンからなる加熱素
子、石英管放射器、セラミック放射器及び金属ワイヤ放
射器である。好ましくは、加熱装置はセラミック材料又
は黒鉛、特に好ましくはSiC表面被覆を有する黒鉛か
らなる。
【0028】特に好ましくは、該加熱装置は反応器内に
直立して又は電極接続部(20)に懸架して配置されて
いる、SiC表面被覆を有する黒鉛からなるメアンダー
状にスリットが設けられた管である。好ましいのは、繊
維補強された黒鉛である。このような加熱装置は、例と
して図2に示されている。
【0029】耐圧性スリーブは、一般に鋼製容器として
構成されている。
【0030】高い生成物純度を達成するためには、反応
器の生成物に接触する全ての構成部材は好ましくは不活
性材料、例えばシリコン、石英又はセラミックからなる
か又はそのような材料で被覆されているべきである。
【0031】不活性材料とは、生成物を反応器内で反応
条件下で汚染しない材料である。このために特に適当な
材料は、シリコン又は石英である。
【0032】さらに、いかなる場合も、選択された加熱
装置から放出される熱放射のための高い透過率を有すべ
きである。そこで例えば相応する品質の石英ガラスの場
合には2.6μm未満の波長を有する赤外放射のための
透過率は90%よりも大であるべきである。従って、赤
外輝放射する加熱装置(0.7〜2.5μmの範囲)、
例えば放出される放射の最大が2.1μm波長にあるS
iC表面を有する放射器と組み合わせた石英が特に好適
である。
【0033】ガス分配装置(8)は、好ましくは多孔質
不活性材料、又は流動化ガスを分配するための個々の開
口を備えた中実の不活性材料から形成されている。
【0034】本発明は、また本発明による反応器を使用
して流動床内で高純度の多結晶シリコンの製造方法に関
する。
【0035】本発明による方法においては、鉛直方向で
加熱帯域と反応帯域に分割された流動床において、加熱
帯域内でシリコン粒子のフラクションをシリコン不含の
流動化ガスを用いて流動させかつ反応温度以上に加熱し
かつ加熱したシリコン粒子を加熱帯域の上方領域内で加
熱帯域内の熱を反応帯域に伝達しながら反応帯域のシリ
コン粒子と混合し、かつ反応帯域内でガス状又は蒸気状
シリコン化合物からなる反応ガスをシリコン金属として
シリコン粒子上に堆積させ、かつ堆積したシリコンを有
する粒子並びに未反応反応ガス、流動化ガス及びガス状
副反応生成物を反応器から取り出す形式で、前記流動床
内でシリコン粒子に反応温度を越える温度で反応ガスを
堆積させることにより高純度の多結晶シリコンを製造す
る方法において、加熱帯域内での反応温度以上へのシリ
コン粒子の加熱を熱放射により行うことを特徴とする。
【0036】流動化ガスは、例えば水素である。
【0037】ガス又は蒸気状シリコン化合物を含有する
反応ガスは、例えばモノシラン又はクロルシラン化合物
もしくはモノシラン/水素混合物又はクロルシラン/水
素混合物、好ましくはトリクロルシラン又はトリクロル
シラン/水素混合物である。
【0038】加熱帯域及び反応帯域内の粒子温度は、粒
子及びガス対流を介して等しくなるので、加熱帯域の加
熱により反応帯域内の温度を制御することができる。
【0039】シリコン粒子の温度は、反応帯域内では好
ましくは600〜1100℃、特に好ましくは800〜
1100℃である。
【0040】流動床内の圧力は、好ましくは0〜10バ
ール過圧、特に好ましくは0〜6バール過圧である。
【0041】加熱帯域内のシリコン粒子を0.4〜90
00μmの波長の熱放射、好ましくは0.7〜25μm
の近赤外放射を用いて加熱し、その際好ましくは平面状
加熱放射器を用いて熱エネルギーを流動床の全周にわた
りに均一に供給する。
【0042】加熱帯域内では、シリコン粒子が凝集物形
成に対する傾向が少ない(過熱されない及びシリコン含
有ガスが存在しない)ために流動化ガスの速度を弛緩速
度u mfの近く、特に弛緩速度umfの1〜2倍に調整する
ことができる。
【0043】反応帯域内で、シリコン含有ガスを熱い粒
子の表面で分解させることができかつ元素シリコンは粒
子上で成長する。流動床内の粒子は、ほぼ球状の形態を
有しかつ200〜3000μm、好ましくは500〜1
500μmの平均粒子直径を有する。
【0044】粒子を流動床から規則的に取り出しかつ小
さい芽晶粒子を加えることにより、本方法を連続的に実
施することができる。
【0045】本発明による装置及び方法は、特に電子部
品及び太陽電池を製造するための原料としての高純度の
多結晶シリコンの堆積のために役立つ。
【0046】以下の例により、本発明をさらに詳細に説
明する。
【0047】比較例:従来の技術から公知の反応器を以
下のように構成した:内径450mmを有する耐圧性ス
チール容器内に、内部反応管、即ち内径200mm及び
長さ2000mmの石英管が存在する。石英管の下端部
で、石英からなるプレートが流動化ガスのためのガス分
配装置を形成する。ガス分配プレートの中心を貫通し
て、内部反応管内にシリコン含有ガスもしくはガス混合
物を供給するための内径10mm及び長さ450mmを
有するもう1つの石英管が突入しかつ同時に流動床を加
熱帯域と反応帯域に分離するための装置を形成する。さ
らに、石英プレートは生成物を取り出すための開口を備
えている。スチールジャケット及び反応器の上端部は、
芽晶粒子を供給するため及び廃ガスを除去するための開
口を備えている。
【0048】ガス分配プレートの200mm上に、スチ
ールジャケットは、マイクロ波発生器の導波体により反
応器に供給されるマイクロ波エネルギーを供給するため
の2つの向かい合った開口を備えている。該発生器は、
周波数915MHzででマイクロ波出力最大38kWを
供給する。温度測定のために、流動床の上側の粒子温度
を反応帯域のための代表的値として測定するパイロメー
タを利用する。絶縁のために、内部反応管とスチールジ
ャケットの間の空間に石英綿が充填されている。全ての
例のために、ほぼ同じ粒度分布200〜1100μm及
び平均粒子直径550μmを有する出発充填物を使用し
た。
【0049】比較例1 マイクロ波加熱装置を試験するために、内部反応管にシ
リコン粒子24kgを充填した。
【0050】以下の条件を設定した: 流動化ガス水素: 13.5m3/h(標準条件) 流動化ガスの前温度 120℃ 反応ガス供給せず 反応帯域の温度: 920℃ 反応帯域内の圧力: 1250kPa(絶対) 加熱電力: 13.9kW 流動床を約1.5倍の弛緩速度umfで操作した。前記条
件下で24時間操作した後に、シリコン粒子を流動床か
ら取り出しかつ粒度分布を検査した。平均粒度を焼結法
及び凝結物形成に基づき720μmに上昇させた。該凝
結物は、4mmまでの大きさを有していた。さらに、内
部反応管の内側に多数の焼き付いた粒子が存在した。
【0051】比較例2 内部反応管に、新たにシリコン粒子24kgを充填し
た。
【0052】以下の条件を設定した: 流動化ガス水素: 22.5m3/h(標準条件) 流動化ガスの前温度 120℃ 反応ガス供給せず 反応帯域の温度: 920℃ 反応帯域内の圧力: 1250kPa(絶対) 加熱電力: 16.5kW この場合には、流動床を約2.5倍の弛緩速度umfで操
作した。前記条件下で24時間操作した後に、シリコン
粒子を新たに流動床から取り出しかつ粒度分布を検査し
た。平均粒度を焼結法及び凝結物形成に基づき新たに上
昇させた。この場合には、平均粒子直径は610μmで
あった。この場合には、石英管の内側は明らかに少ない
焼き付いた粒子を有していた。
【0053】
【実施例】さらなる実験のために、反応器を改造した。
マイクロ波加熱装置の代わりに、熱放射源として放射加
熱器を組み込んだ。この場合には、内部反応管を、それ
に接触せずに加熱帯域の範囲内で包囲するSiC表面被
覆を有する黒鉛からなるメアンダー状にスリットが設け
られた管を使用した。放射加熱器に調節可能な電圧源を
介して電力を供給した。その最大電力は40kWであっ
た。
【0054】実施例1 比較例1に類似して実施した。出発充填量は、この場合
も24kgであった。
【0055】以下の条件を設定した: 流動化ガス水素: 13.5m3/h(標準条件) 流動化ガスの前温度 120℃ 反応ガス供給せず 反応帯域の温度: 920℃ 反応帯域内の圧力: 1250kPa(絶対) 加熱電力: 12.5kW 比較例1におけると同様に、流動床を約2.5倍の弛緩
速度umfで24時間操作した。その後取り出した粒子の
粒度分析により、565μmの平均粒度が判明した。焼
結した凝結物は見られなかった。反応管の内側は、完全
に堆積物不在であった。
【0056】実施例2 この実験では、高純度のシリコンの製造方法の機能性を
確認した。そのために、再び放射加熱器を有する装置を
使用した。内部反応管、この場合も550μmの平均粒
度を有するシリコン粒子28kgを充填した。
【0057】以下の条件を設定した: 流動化ガス水素: 27m3/h(標準条件) 反応ガス:トリクロルシラン 30kg/h 水素 3.6kg/h(標準条件) 流動化ガスの前温度 120℃ 反応帯域の温度: 920℃ 反応帯域内の圧力: 1250kPa(絶対) 正味エネルギー需要: 37.5kW シリコン粒子(250μm)の供給:0.05kg/h この設定条件下で、反応器を7日間操作した。半時間毎
に生成物を取り出した、その際1.27kg/hの平均
生産速度が生じた。生成物の平均直径は780μmであ
りかつ該生成物は凝結物を有していなかった。実験の終
了後に、加熱領域内の反応管の内側には、完全に壁堆積
及び生成物焼き付き不在であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による装置の1実施例の構成を示す略示
断面図である。
【図2】本発明による装置の有利な実施例の斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 流動床反応器、 2 耐圧性スリーブ、 3 内部
反応管、 4 シリコン粒子の入り口、 5 シリコン
粒子、 6 流入装置、 7 反応ガス、 8ガス分配
装置、 9 流動化ガス、 10 未反応ガスの出口、
11 反応生成物、 12 反応生成物の出口、 1
3 生成物、 14 加熱装置、 15 エネルギー供
給装置、 16 断熱装置、 17 加熱帯域、 18
反応帯域、 19 流動床表面、 20 電極接続部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アレクサンダー ハイドゥク ドイツ連邦共和国 ガメルスドルフ オー スターバッハシュトラーセ 4

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)耐圧性スリーブ(2)、 b)熱放射に対して高い透過性を有する材料からなる内
    部反応管(3)、 c)シリコン粒子(5)の入り口(4)、 d)ガス又は蒸気状シリコン化合物を含有する反応ガス
    (7)を供給するための流入装置(6)、この場合該流
    入装置(6)は管状に構成されておりかつ流動床を加熱
    帯域とその上にある反応帯域に分割する、 e)加熱帯域に流動化ガス(9)を供給するためのガス
    分配装置(8)、 f)流動床表面(19)の上に集まる未反応反応ガス、
    流動化ガス並びにガスもしくは蒸気状反応生成物(1
    1)のための出口(10)、 g)生成物(13)のための出口(12)、 h)加熱装置(14)、 i)加熱装置(14)のためのエネルギー供給装置(1
    5)を有する流動床反応器(1)において、前記加熱装
    置(14)が、内部反応管の外側にかつ該反応管に直接
    接触せずに加熱帯域(17)の周囲に配置された熱放射
    のための放射源であり、該放射源は、熱放射によりシリ
    コン粒子を加熱帯域内で、反応帯域(18)内に反応温
    度が生じるような温度に加熱することを特徴とする流動
    床反応器。
  2. 【請求項2】 内部反応管(3)と耐圧性スリーブ
    (2)の間の空間に断熱装置(16)を備えていること
    を特徴とする請求項1記載の流動床反応器。
  3. 【請求項3】 加熱装置が全加熱帯域の周りに平面状に
    構成されており、それにより円筒状の放射源を形成する
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の流動床反応器。
  4. 【請求項4】 加熱装置が0.4μm〜900μmの波
    長の熱放射を放出することを特徴とする請求項1から3
    までのいずれか1項記載の流動床反応器。
  5. 【請求項5】 加熱装置が0.4μm〜300μmの
    波長の熱放射を放出することを特徴とする請求項4記載
    の流動床反応器。
  6. 【請求項6】 加熱装置がドープされたシリコン又は黒
    鉛又は炭化シリコンからなる加熱素子、石英管放射器、
    セラミック放射器及び金属ワイヤ放射器の群から選択さ
    れていることを特徴とする請求項1から5までのいずれ
    か1項記載の流動床反応器。
  7. 【請求項7】 加熱装置が、反応器内に直立して又は電
    極接続部に懸架して配置されている、SiC表面被覆を
    有する黒鉛からなるメアンダー状にスリットが設けられ
    た管であることを特徴とする請求項1から6までのいず
    れか1項記載の流動床反応器。
  8. 【請求項8】 反応器の生成物に接触する全ての構成部
    材が好ましくは不活性材料からなるか又はそのような材
    料で被覆されていることを特徴とする請求項1から7ま
    でのいずれか1項記載の流動床反応器。
  9. 【請求項9】 鉛直方向で加熱帯域と反応帯域に分割さ
    れた流動床において、加熱帯域内でシリコン粒子のフラ
    クションをシリコン不含の流動化ガスを用いて流動させ
    かつ反応温度以上に加熱しかつ加熱したシリコン粒子を
    加熱帯域の上方領域内で加熱帯域内の熱を反応帯域に伝
    達しながら反応帯域のシリコン粒子と混合し、かつ反応
    帯域内でガス状又は蒸気状シリコン化合物からなる反応
    ガスをシリコン金属としてシリコン粒子上に堆積させ、
    かつ堆積したシリコンを有する粒子並びに未反応反応ガ
    ス、流動化ガス及びガス状副反応生成物を反応器から取
    り出す形式で、前記流動床内でシリコン粒子に反応温度
    を越える温度で反応ガスを堆積させることにより高純度
    の多結晶シリコンを製造する方法において、加熱帯域内
    での反応温度以上へのシリコン粒子の加熱を熱放射によ
    り行うことを特徴とする高純度の多結晶シリコンの製造
    方法。
  10. 【請求項10】 加熱帯域内のシリコン粒子を0.4〜
    900μmの波長の熱放射により加熱し、かつ熱エネル
    ギーを平面上熱放射器を用いて流動床の全周にわたり均
    一に供給することを特徴とする請求項9記載の方法。
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