JP2001144373A - 半導体レーザ装置の製造方法 - Google Patents
半導体レーザ装置の製造方法Info
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Abstract
波長半導体レーザの生産性を損なう要因を取り除く。 【解決手段】 n型GaAs基板1上にn型AlGaA
sクラッド層2、AlGaAs多重量子井戸活性層3、
p型クラッド層4を順次積層する。次にp型クラッド層
4の一部に電流ブロック領域5を形成して赤外レーザ構
造21を形成した後、2つの発光領域分を除去して凹部
23が等間隔に並ぶようにし、n型AlGaInPクラ
ッド層7、AlGaInP多重量子井戸活性層8、p型
クラッド層9を再びMOVPE法等の結晶成長法により
順次積層して赤色レーザ構造22を形成する。この後、
赤外レーザ構造21と赤色レーザ構造22とを分離し、
n側電極12とp側電極10、11を設けた後、2つの
発光領域の間で素子分離を行う。
Description
ムの光源等に用いられる半導体レーザ装置、特に二波長
半導体レーザ装置の製造方法に関するものである。
光通信等の各分野で近年、半導体レーザ装置の需要が大
きく伸びてきており、同時に半導体レーザ装置に対して
より高性能・高機能・高信頼性が求められている。特に
光ディスクシステムの分野においては、780nm帯の
半導体レーザ装置を使うコンパクトディスク(CD)の
需要に加えて最近では650nm帯のデジタルビデオデ
ィスク(DVD)に関する需要が大幅に増加してきてい
る。これらの機器に使われる半導体レーザ装置光源は、
従来は一光源からなることが多かったがDVD−ROM
等に使われる光ピックアップでは、追記型CD(CD−
R)で記録した光ディスクを再生する必要性から780
nm帯と650nm帯の二光源を必要とする。通常は、
これらの二光源は別々のパッケージに入っているが、光
学系の構成の容易化・簡素化が可能であることから、1
パッケージ内に図11に示すように同一基板上に集積さ
れた二光源の二波長半導体レーザ装置が構成されたもの
の開発が行われてきている。ここで二波長半導体レーザ
装置として、例えば日経エレクトロニクス1999年6
月28日号(第746巻)第29ページ〜第30ページ
(NIKKEI ELECTRONICS1999.6.28 (No.746) p.29-3
0)に示されたものが知られている。
面構造図である。この半導体レーザ装置は二つの発光領
域からなり、一つ目の左のレーザ構造はn型GaAs基
板101上にn型AlGaAsクラッド層102、78
0nm帯のレーザ光を出射するAlGaAs多重量子井
戸活性層103、凸型のリッジ状電流ストライプを有
し、かつp型AlGaAsクラッド層およびp型GaA
sキャップ層を含むクラッド層104が順次形成され、
p型AlGaAsクラッド層104にはイオン注入によ
り高抵抗化した電流ブロック領域105が形成され、電
流ストライプとなるp型GaAsキャップ層117から
なり、二つめのレーザ構造は右側に示すように左側と同
じく共通のn型GaAs基板101上にn型AlGaI
nPクラッド層107、650nm帯のレーザ光111
を出射するAlGaInP多重量子井戸活性層108、
凸状のリッジ状電流ストライプを有するp型AlGaI
nPクラッド層109、電流ブロック領域110、電流
ストライプとなるp型GaAsキャップ層118からな
る。素子全体には、n側オーミック電極116、p側オ
ーミック電極114、115を製作し、pn接合の順方
向に電流注入可能な構造となっている。
ば図12に示すような製造方法で製作する。すなわち、
図12(a)に示すようにn型GaAs基板201上に
n型AlGaAsクラッド層202、AlGaAs多重
量子井戸活性層203、p型AlGaAsクラッド層お
よびp型GaAsキャップ層を含むクラッド層204を
有機金属気相エピタキシャル成長(MOVPE)法等の
結晶成長法により順次積層する。次に図12(b)に示
すようにクラッド層204の一部にイオン注入等により
高抵抗領域を形成して電流ブロック層205を形成した
後、図12(c)に示すように周期的なストライプ状の
領域をエッチングにより除去し、図12(d)に示すよ
うに、二波長のうちのもう一方のレーザ構造を製作する
ためにn型AlGaInPクラッド層207、AlGa
InP多重量子井戸活性層208、p型AlGaInP
クラッド層およびp型GaAsキャップ層を含むクラッ
ド層209を再びMOVPE法等の結晶成長法により順
次積層する。この後、左側と右側のレーザ構造をエッチ
ングにより分離して、図12(e)に示すようにn側電
極212とp側電極210、211を設け素子を完成す
る。n型GaAs基板を共通としてp側電極211に正
電圧を印加すると780nm帯のレーザ光が、p側電極
210に正電圧を印加すると650nm帯のレーザ光が
図12(e)の半導体レーザ装置により得られることと
なる。
造の半導体レーザ装置を実現する際に困難な課題として
は、以下のことがあげられる。
ーザ構造を作った後に周期的にストライプ状にもう一方
のレーザ構造を作るためにエッチングを行うが、この時
エッチングする領域の幅が狭いと十分にエッチャントが
回りきらず、レーザ構造近傍のn型GaAs基板201
上に部分的にレーザ構造で使われた結晶成長層が残った
り、基板がストライプ上の除去する領域内でレーザ構造
近傍から遠くなるにつれて深くエッチングされて平坦で
なくなることが起こり得る。
めにストライプ状に除去した領域内にMOVPE法等の
結晶成長法により埋め込み成長を行うが、埋め込む領域
の幅が狭いと図13に示すように最初に製作したレーザ
構造近傍の領域213(図13中の破線で囲んだ領域)
のAlGaInP多重量子井戸活性層208に歪や膜厚
の不均一が入ったり、埋め込み層中央付近の領域214
でのクラッド層209で歪や膜厚の不均一や結晶成長毎
に不安定な成長形状が現れ、所望のレーザ特性を損なっ
たり、二波長半導体レーザ装置の生産性を損なったりす
ることがあり、高性能かつ安価な二波長半導体レーザ装
置を製作する方法としては不十分であり課題であった。
れたものであり、エッチングや埋め込み成長でレーザ特
性や二波長半導体レーザ装置の生産性を損なう要因を取
り除き、高性能かつ安価な二波長半導体レーザ装置の製
造方法を提供することを目的とする。
置の製造方法は、基板の上に複数の発光領域を有する第
1の半導体レーザ構造を形成する工程と、前記第1の半
導体レーザ構造に対し隣り合う少なくとも2つの発光領
域を含んでエッチングを施して凹部を形成する工程と、
前記凹部の上に複数の発光領域を有する第2の半導体レ
ーザ構造を形成する工程とを有するものである。
に対し隣り合う少なくとも2つの発光領域を含んでエッ
チングを施して凹部を形成しているので、第2の半導体
レーザ構造を形成する際に結晶再成長の領域を従来より
も大きくとることができる。
かかる構成につき、第2の半導体レーザ構造を形成する
工程の後に、前記第1の半導体レーザ構造および前記第
2の半導体レーザ構造の各々が有する隣り合う2つの発
光領域の間を境界として、前記第1の半導体レーザ構造
と前記第2の半導体レーザ構造とを一体として分離する
工程を有するものである。
光領域の間を境界として、前記第1の半導体レーザ構造
と前記第2の半導体レーザ構造とを一体として分離して
いるので、1枚の基板から取れる半導体レーザ装置の数
を減らさずに半導体レーザ装置を基板より分離すること
ができる。
かかる構成につき、第2の半導体レーザ構造を形成する
工程の後に、前記第1の半導体レーザ構造または前記第
2の半導体レーザ構造の各々が有する連続した3つの発
光領域のうち真ん中の発光領域上を境界の1つとして、
前記第1の半導体レーザ構造と前記第2の半導体レーザ
構造とを一体として分離する工程を有するものである。
光領域のうち真ん中の発光領域上を境界の1つとして、
前記第1の半導体レーザ構造と前記第2の半導体レーザ
構造とを一体として分離しているので、真ん中の発光領
域より離れた他の2つの発光領域に対し、半導体レーザ
装置を基板より分離する際に与えるダメージを低減する
ことができる。
かかる構成につき、基板の上に第1の半導体レーザ構造
を形成する工程の前に、基板に段差部を設ける工程を有
するものである。
基板上に凹部を設けた場合に凹部の深さを浅くすること
ができる。
造方法の実施の形態について図面を用いて説明する。
形態である本発明の二波長半導体レーザ装置の製造方法
に関するものであり、その製造方法を用いて作製した二
波長半導体レーザ装置が図2に示されている。
は、波長780nm帯のレーザ光を出射する赤外レーザ
構造21と波長650nm帯のレーザ光を出射する赤色
レーザ構造22とを同一のn型GaAs基板1上に形成
したものである。
1上にn型AlGaAsクラッド層2、780nm帯の
レーザ光を出射するAlGaAs多重量子井戸活性層
3、凸型のリッジ状電流ストライプを有するp型AlG
aAsクラッド層とp型GaAsキャップ層とを含むp
型クラッド層4が順次形成され、p型クラッド層4には
イオン注入により高抵抗化した電流ブロック領域5が形
成されたものである。赤色レーザ構造22は赤外レーザ
構造21と同じく共通のn型GaAs基板1上にn型A
lGaInPクラッド層7、650nm帯のレーザ光を
出射するAlGaInP多重量子井戸活性層8、凸状の
リッジ状電流ストライプを有するp型AlGaInPク
ラッド層とp型GaAsキャップ層を含むp型クラッド
層9が順次形成されたものである。これら2つのレーザ
構造に対してp側オーミック電極10および11を設
け、n型GaAs基板1の裏面にn側オーミック電極1
2を設けてpn接合の順方向に電流注入可能となってい
る。
示すような製造方法で製作する。すなわち、図1(a)
に示すようにn型GaAs基板1上にn型AlGaAs
クラッド層2、AlGaAs多重量子井戸活性層3、p
型AlGaAsクラッド層およびp型GaAsキャップ
層を含むp型クラッド層4をMOVPE法等の結晶成長
法により順次積層する。次に図1(b)に示すようにp
型クラッド層4の一部にイオン注入等により高抵抗の電
流ブロック領域5を形成して赤外レーザ構造21を形成
した後、図1(c)に示すように周期的なストライプ状
の領域のうち2つの発光領域分をエッチングにより除去
して幅200μm〜600μmの凹部23が等間隔に並
ぶようにし、続いて図1(d)に示すように、二波長の
うちのもう一方のレーザ構造を製作するためにn型Al
GaInPクラッド層7、AlGaInP多重量子井戸
活性層8、p型AlGaInPクラッド層およびp型G
aAsキャップ層を含むp型クラッド層9を再びMOV
PE法等の結晶成長法により順次積層して赤色レーザ構
造22を形成する。この後、赤外レーザ構造21と赤色
レーザ構造22とを、1つのストライプ内に2つの発光
領域を含むようなストライプ領域としてエッチングによ
り分離し、図1(e)に示すようにn側電極12とp側
電極10、11を設けた後、図1(e)中の一点鎖線で
示される境界で例えばへき開により素子分離を行い、図
2に示すように二波長半導体レーザ装置を完成する。n
型GaAs基板1を共通としてp側電極11に正電圧を
印加すると780nm帯のレーザ光が、p側電極10に
正電圧を印加すると650nm帯のレーザ光が図2の二
波長半導体レーザにより得られることとなる。
(c)に示すように周期的なストライプ状の領域のうち
2つの発光領域分をエッチングにより除去しているの
で、赤色レーザ構造22を作製する際に結晶再成長の領
域を従来よりも大きくとることができ、その結果エッチ
ングの際にエッチャントが十分に回り込み、赤外レーザ
構造21を形成した際の半導体層を除去できて形状のよ
い凹部23を形成でき、凹部23に結晶成長する赤色レ
ーザ構造22について歪や膜厚の不均一および結晶成長
時に現れる不安定な成長形状を防止することができて特
性のよい二波長半導体レーザ装置を得ることができる。
つのストライプ領域内に1つの波長帯のレーザの発光領
域を2つずつ周期的に設けてかつ素子分離を図1(e)
に示すように分離しているので、1枚の基板から取れる
二波長半導体レーザ装置の数を減らすことなく二波長半
導体レーザ装置を基板より分離することができる。
果として高性能かつ安価な二波長半導体レーザ装置を得
ることができる。
形態である本発明の二波長半導体レーザ装置の製造方法
に関するものであり、その製造方法を用いて作製した二
波長半導体レーザ装置が図4に示されている。
は、波長780nm帯のレーザ光を出射する赤外レーザ
構造21と波長650nm帯のレーザ光を出射する赤色
レーザ構造22とを同一のn型GaAs基板1上に形成
したものである。
上にn型AlGaAsクラッド層2、780nm帯のレ
ーザ光を出射するAlGaAs多重量子井戸活性層3、
凸型のリッジ状電流ストライプを有するp型AlGa
Asクラッド層とp型GaAsキャップ層を含むp型ク
ラッド層4が順次形成され、p型クラッド層4にはイオ
ン注入により高抵抗化した電流ブロック領域5が形成さ
れたものである。赤色レーザ構造22は右側に示すよう
に左側と同じく共通のn型GaAs基板1上にn型Al
GaInPクラッド層7、650nm帯のレーザ光を出
射するAlGaInP多重量子井戸活性層8、凸状のリ
ッジ状電流ストライプを有するp型AlGaInPクラ
ッド層とp型GaAsキャップ層を含むp型クラッド層
9からなる。これら2つのレーザ構造に対してp側オー
ミック電極10および11を設け、n型GaAs基板1
の裏面にn側オーミック電極12を設けてpn接合の順
方向に電流注入可能となっている。
示すような製造方法で製作する。すなわち、図3(a)
に示すようにn型GaAs基板1上にn型AlGaAs
クラッド層2、AlGaAs多重量子井戸活性層3、p
型AlGaAsクラッド層およびp型GaAsキャップ
層を含むp型クラッド層4をMOVPE法等の結晶成長
法により順次積層する。次に図3(b)に示すようにp
型クラッド層4の一部にイオン注入等により電流ブロッ
ク層5を形成して赤外レーザ構造21を形成した後、図
3(c)に示すように周期的なストライプ状の領域のう
ち3つの発光領域分をエッチングにより除去して幅20
0μm〜600μmの凹部23が等間隔に並ぶように
し、続いて図3(d)に示すように、n型AlGaIn
Pクラッド層7、AlGaInP多重量子井戸活性層
8、p型AlGaInPクラッド層およびp型GaAs
キャップ層を含むp型クラッド層9を再びMOVPE法
等の結晶成長法により順次積層して赤色レーザ構造22
を作製する。この後、赤外レーザ構造21と赤色レーザ
構造22とを、1つのストライプ内に3つの発光領域を
それぞれ含むようなストライプ領域としてエッチングに
より分離して、図3(e)に示すようにn側電極12と
p側電極10、11を設けた後、図3(e)の一点鎖線
で示される境界で例えばへき開を用いて、3つの発光領
域のうち真ん中の1つをつぶす形で素子分離を行い、図
4に示すように二波長半導体レーザを完成する。
正電圧を印加すると780nm帯のレーザ光が、p側電
極10に正電圧を印加すると650nm帯のレーザ光が
図4の半導体レーザデバイスにより得られることとな
る。
(c)に示すように周期的なストライプ状の領域のうち
3つの発光領域分をエッチングにより除去しているの
で、赤色レーザ構造22を作製する際に結晶再成長の領
域を従来よりも大きくとることができ、その結果エッチ
ングの際にエッチャントが十分に回り込み、赤外レーザ
構造21を形成した際の半導体層を除去できて形状のよ
い凹部23を形成でき、凹部23に結晶成長する赤色レ
ーザ構造22について歪や膜厚の不均一および結晶成長
時に現れる不安定な成長形状を防止することができて特
性のよい二波長半導体レーザ装置を得ることができる。
つのストライプ領域内に1つの波長帯のレーザの発光領
域を3つずつ周期的に設けてかつ素子分離を図3(e)
に示すように3つの発光領域のうち真ん中の1つをつぶ
す形で行っているので、真ん中の発光領域より離れた他
の2つの発光領域に対し、二波長半導体レーザ装置を基
板より分離する際に与えるダメージを低減することがで
きる。
果として高性能かつ安価な二波長半導体レーザ装置を得
ることができる。
形態である本発明の二波長半導体レーザ装置の製造方法
に関するものであり、その製造方法を用いて作製した二
波長半導体レーザ装置が図6に示されている。
は、波長780nm帯のレーザ光を出射する赤外レーザ
構造21と波長650nm帯のレーザ光を出射する赤色
レーザ構造22とを同一のn型GaAs基板1上に形成
したものである。
差部を有するn型GaAs基板1の高い側の表面上にn
型AlGaAsクラッド層2、780nm帯のレーザ光
を出射するAlGaAs多重量子井戸活性層3、 凸型
のリッジ状電流ストライプを有するp型AlGaAsク
ラッド層とp型GaAsキャップ層とを含むp型クラッ
ド層4が順次形成され、p型クラッド層4にはイオン注
入により高抵抗化した電流ブロック領域5が形成された
ものである。赤色レーザ構造22は右側に示すように、
n型GaAs基板1の低い側の表面上にn型AlGaI
nPクラッド層7、650nm帯のレーザ光を出射する
AlGaInP多重量子井戸活性層8、凸状のリッジ状
電流ストライプを有するp型AlGaInPクラッド層
とp型GaAsキャップ層を含むp型クラッド層9が順
次形成されたものである。これら2つのレーザ構造に対
してp側オーミック電極10および11を設け、n型G
aAs基板1の裏面にn側オーミック電極12を設けて
pn接合の順方向に電流注入可能となっている。
レーザの製造方法について図5を用い、以下に順を追っ
て説明する。
aAs基板1の高い側の表面上に第1の実施の形態と同
じ方法でAlGaAs系の赤外レーザ構造21を形成す
る。
ザ構造21に対して部分的にエッチングを施して2つの
発光領域分の、幅200μm〜600μmの凹部23を
設け、赤外レーザ構造22を周期的にストライプ状に残
した後、図5(a)に示すようにn型AlGaInPク
ラッド層7、AlGaInP多重量子井戸活性層8、p
型AlGaInPクラッド層およびp型GaAsキャッ
プ層を含むp型クラッド層9を再びMOVPE法等の結
晶成長法により順次積層して赤色レーザ構造22を形成
する。この後、赤外レーザ構造21と赤色レーザ構造2
2とを、1つのストライプ内に2つの発光領域をそれぞ
れ含むようなストライプ領域としてエッチングにより分
離し、図5(b)に示すようにn側電極12とp側電極
10、11を設けた後、図5(b)の一点鎖線で示す境
界で例えばへき開により素子分離を行い、図6に示すよ
うに二波長半導体レーザを完成する。n型GaAs基板
1を共通としてp側電極11に正電圧を印加すると電流
注入ストライプ6から活性層3に電流注入され、780
nm帯のレーザ光が、p側電極10に正電圧を印加する
と650nm帯のレーザ光が図6の半導体レーザデバイ
スにより得られることとなる。
するn型GaAs基板1を使い、図5(a)に示すよう
に周期的なストライプ状の領域のうち2つの発光領域分
をエッチングにより除去しているので、凹部23の深さ
を浅くすることができて赤色レーザ構造22を作製する
際に結晶再成長の領域を従来よりも大きくとることがで
き、その結果エッチングの際にエッチャントがさらに十
分に回り込み、赤外レーザ構造21を形成した際の半導
体層を除去できて形状のよい凹部23を形成でき、凹部
23に結晶成長する赤色レーザ構造22について歪や膜
厚の不均一および結晶成長時に現れる不安定な成長形状
を防止することができて特性のよい二波長半導体レーザ
装置を得ることができる。
つのストライプ領域内に1つの波長帯のレーザの発光領
域を2つずつ周期的に設けてかつ素子分離を図6に示す
ように行っているので、1枚の基板から取れる二波長半
導体レーザ装置の数を減らすことなく二波長半導体レー
ザ装置を基板より分離することができる。
果として高性能かつ安価な二波長半導体レーザ装置を得
ることができる。
形態である本発明の二波長半導体レーザ装置の製造方法
に関するものであり、その製造方法を用いて作製した二
波長半導体レーザ装置が図8に示されている。
は、波長780nm帯のレーザ光を出射する赤外レーザ
構造21と波長650nm帯のレーザ光を出射する赤色
レーザ構造22とを同一のn型GaAs基板1上に形成
したものである。
差部を境界として高い側の表面と低い側の表面とを有す
るn型GaAs基板1の高い側の表面上にn型AlGa
Asクラッド層2、780nm帯のレーザ光を出射する
AlGaAs多重量子井戸活性層3、 凸型のリッジ状
電流ストライプを有するp型AlGaAsクラッド層と
p型GaAsキャップ層とを含むp型クラッド層4が順
次形成され、p型クラッド層4にはイオン注入により高
抵抗化した電流ブロック領域5が形成されたものであ
る。赤色レーザ構造22は右側に示すように、n型Ga
As基板1の低い側の表面上にn型AlGaInPクラ
ッド層7、650nm帯のレーザ光を出射するAlGa
InP多重量子井戸活性層8、凸状のリッジ状電流スト
ライプを有するp型AlGaInPクラッド層とp型G
aAsキャップ層を含むp型クラッド層9が順次形成さ
れたものである。これら2つのレーザ構造に対してp側
オーミック電極10および11を設け、n型GaAs基
板1の裏面にn側オーミック電極12を設けてpn接合
の順方向に電流注入可能となっている。
レーザの製造方法について図7を用い、以下に順を追っ
て説明する。
基板1上に第2の実施の形態と同じ手順で3つの発光領
域分の、幅200μm〜600μmの凹部23を設け、
AlGaAs系の赤外レーザ構造21のエピタキシャル
層を周期的にストライプ状に残した後、図7(a)に示
すようにn型AlGaInPクラッド層7、AlGaI
nP多重量子井戸活性層8、p型AlGaInPクラッ
ド層およびp型GaAsキャップ層を含むp型クラッド
層9を再びMOVPE法等の結晶成長法により順次積層
して赤色レーザ構造22を製造する。この後、赤外レー
ザ構造21と赤色レーザ構造22とを、1つのストライ
プ内に3つの発光領域をそれぞれ含むようなストライプ
領域としてエッチングにより分離し、図7(b)に示す
ようにn側電極12とp側電極10、11を設けた後、
図7(b)の一点鎖線で囲まれた領域で例えばへき開に
より、3つの発光領域のうち真ん中の1つをつぶす形で
素子分離を行い、図8に示すように二波長半導体レーザ
を完成する。n型GaAs基板1を共通としてp側電極
11に正電圧を印加すると電流注入ストライプ6から活
性層3に電流注入され、780nm帯のレーザ光が、p
側電極10に正電圧を印加すると650nm帯のレーザ
光が図8の二波長半導体レーザにより得られることとな
る。
するn型GaAs基板1を使い、図7(a)に示すよう
に周期的なストライプ状の領域のうち3つの発光領域分
をエッチングにより除去しているので、凹部23の深さ
を浅くすることができて赤色レーザ構造22を作製する
際に結晶再成長の領域を従来よりも大きくとることがで
き、その結果エッチングの際にさらにエッチャントが十
分に回り込み、赤外レーザ構造21を形成した際の半導
体層を除去できて形状のよい凹部23を形成でき、凹部
23に結晶成長する赤色レーザ構造22について歪や膜
厚の不均一および結晶成長時に現れる不安定な成長形状
を防止することができて特性のよい二波長半導体レーザ
装置を得ることができる。
つのストライプ領域内に1つの波長帯のレーザの発光領
域を3つずつ周期的に設けてかつ素子分離を図7(b)
に示すように3つの発光領域のうち真ん中の1つをつぶ
す形で行っているので、真ん中の発光領域より離れた他
の2つの発光領域に対し、二波長半導体レーザ装置を基
板より分離する際に与えるダメージを低減することがで
きる。
果として高性能かつ安価な二波長半導体レーザ装置を得
ることができる。
いて二波長半導体レーザを構成する基板にGaAs基板
を用いたが基本的に半導体基板等の結晶成長可能な基板
であれば同じ製造方法による効果が期待可能で、例えば
Si基板上のGaAs基板、Si基板上のGaN基板、
サファイア基板、GaP基板やInP基板等を用いても
良い。
いて半導体基板の成長初期面については特に記載してい
ないが、DVD用の赤色半導体レーザ素子で良く用いら
れる(100)面から10°程度傾斜させた基板を用い
て、GaInP量子井戸活性層の結晶成長時の自然超格
子の生成を抑制したり、生成の程度をコントロールする
ことにより、発振波長やレーザの温度特性を制御してい
るが、このような用途も考えて特に半導体基板として、
(100)面から7°以上20°以下傾斜させた基板を
用いるのも効果的である。
いて、二波長半導体レーザ装置の材料にAlGaAs系
とAlGaInP系の材料を用いて説明したが、これら
の材料以外にInGaAsP系、ZnMgSSe系、A
lGaInP系、AlGaInN系等の材料を用いても
同様の効果が実現できる。
おいて、AlGaAsおよびAlGaInPで構成され
る半導体レーザの導波構造の少なくとも1つの発光領域
が、図9および図10に示すような実屈折率導波構造で
あるように構成しても同様の効果が実現できる。なお、
図9および図10において、5および13はそれぞれA
lGaAsおよびAlGaInPよりなり、かつそれぞ
れp型クラッド層4および9より屈折率が小さな電流ブ
ロック領域を表し、6a、14aはそれぞれそれぞれA
lGaAs、AlGaInPよりなるp型第二クラッド
層を表し、6b、14bはそれぞれp型GaAsよりな
るp型キャップ層を表す。
いて、二波長の半導体レーザ構造を同一基板の上に形成
する代わりに、同一波長で異なる構造を有する半導体レ
ーザ構造を同一基板の上に形成してもよい。例えば、発
振波長がともに780nmの、5mW程度の低出力レー
ザ素子と50mW程度の高出力レーザ素子とを同一基板
の上に形成してもよい。
色レーザ構造を作製する際に結晶再成長の領域を従来よ
りも大きくとることができてエッチングの際にエッチャ
ントが十分に回り込み、赤外レーザ構造を形成した際の
半導体層を除去できて形状のよい凹部を形成でき、凹部
に結晶成長する赤色レーザ構造について歪や膜厚の不均
一および結晶成長時に現れる不安定な成長形状を防止す
ることができて特性のよい二波長半導体レーザ装置を得
ることができる。
れる二波長半導体レーザ装置の数を減らすことなく二波
長半導体レーザ装置を基板より分離することができる。
れた他の2つの発光領域に対し、二波長半導体レーザ装
置を基板より分離する際に与えるダメージを低減するこ
とができる。
さを浅くすることができてエッチングの際にエッチャン
トがさらに十分に回り込み、赤外レーザ構造を形成した
際の半導体層を除去できて形状のよい凹部を形成でき、
凹部に結晶成長する赤色レーザ構造について歪や膜厚の
不均一および結晶成長時に現れる不安定な成長形状を防
止することができて特性のよい二波長半導体レーザ装置
を得ることができる。
装置の製造方法を示す断面図
を示す断面図
装置の製造方法を示す断面図
を示す断面図
装置の製造方法を示す断面図
を示す断面図
装置の製造方法を示す断面図
を示す断面図
例の断面図
1例の断面図
す断面図
Claims (8)
- 【請求項1】 基板の上に複数の発光領域を有する第1
の半導体レーザ構造を形成する工程と、前記第1の半導
体レーザ構造に対し隣り合う少なくとも2つの発光領域
を含んでエッチングを施して凹部を形成する工程と、前
記凹部の上に複数の発光領域を有する第2の半導体レー
ザ構造を形成する工程とを有する半導体レーザ装置の製
造方法。 - 【請求項2】 前記第2の半導体レーザ構造を形成する
工程が、2つの発光領域を有する第2の半導体レーザ構
造を形成する工程である請求項1記載の半導体レーザ装
置の製造方法。 - 【請求項3】 前記第2の半導体レーザ構造を形成する
工程が、3つの発光領域を有する第2の半導体レーザ構
造を形成する工程である請求項1記載の半導体レーザ装
置の製造方法。 - 【請求項4】 前記第2の半導体レーザ構造を形成する
工程の後に、前記第1の半導体レーザ構造および前記第
2の半導体レーザ構造の各々が有する隣り合う2つの発
光領域の間を境界として、前記第1の半導体レーザ構造
と前記第2の半導体レーザ構造とを一体として分離する
工程を有する請求項1記載の半導体レーザ装置の製造方
法。 - 【請求項5】 前記第2の半導体レーザ構造を形成する
工程の後に、前記第1の半導体レーザ構造または前記第
2の半導体レーザ構造の各々が有する連続した3つの発
光領域のうち真ん中の発光領域上を境界の1つとして、
前記第1の半導体レーザ構造と前記第2の半導体レーザ
構造とを一体として分離する工程を有する請求項1記載
の半導体レーザ装置の製造方法。 - 【請求項6】 基板の上に第1の半導体レーザ構造を形
成する工程の前に、基板に段差部を設ける工程を有する
請求項1記載の半導体レーザ装置の製造方法。 - 【請求項7】 前記第1の半導体レーザ構造がAlGa
As系の材料からなり、前記第2の半導体レーザ構造が
AlGaInP系の材料からなる請求項1、4および5
のいずれかに記載の半導体レーザ装置の製造方法。 - 【請求項8】 前記基板として、(100)面から7°
以上20°以下傾斜させた基板を用いる請求項1または
6記載の半導体レーザ装置の製造方法。
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JP2006210510A (ja) * | 2005-01-26 | 2006-08-10 | Sony Corp | 発光装置の製造方法 |
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-
1999
- 1999-11-16 JP JP32511199A patent/JP3460648B2/ja not_active Expired - Fee Related
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