JP2010016118A - 半導体レーザ装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体レーザ装置およびその製造方法 Download PDF

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徹 高山
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Shoichi Takasuka
祥一 高須賀
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Abstract

【課題】格子欠陥の発生とリーク電流の発生を防止し、発光効率の飽和が抑制され、安定した基本横モード発振を行うことが可能な半導体レーザ装置を提供する。
【解決手段】第1の半導体レーザ2と第2の半導体レーザ3とを備え、第1の半導体レーザは、第一クラッド層12と、第一拡散防止層13と、第二クラッド層14と、禁制帯幅がE1の第一量子井戸活性層15とが順に積層されて構成され、第2の半導体レーザは、第四クラッド層22と、第二拡散防止層23と、第五クラッド層24と、禁制帯幅がE2の第二量子井戸活性層25とが順に積層されて構成されている。窓領域における第一拡散防止層と第二クラッド層との間に立ち上がり電圧がV1のpn接合が形成され、窓領域における第二拡散防止層と第五クラッド層との間に立ち上がり電圧がV2のpn接合が形成され、E1とV1とがE1<e×V1を満たし、E2とV2とがE2<e×V2を満たす。
【選択図】図1

Description

本発明は、光ディスク装置のピックアップ用光源、その他の電子装置、情報処理装置などに必要な光源として用いられる赤色および赤外域の半導体レーザ装置に関する。
現在、高密度記録が可能で大容量のDVD(Digital Versatile Disc)およびDVD記録再生装置が市販されており、今後需要が益々伸びていく商品として注目されている。このDVDは高密度記録であるため、その記録再生用のレーザ光源としては発光波長650nmのAlGaInP系半導体レーザが用いられている。その中で、同一基板上に成長された半導体層により形成された互いに発光波長が異なる複数種類の半導体発光素子を有する集積型半導体発光装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
今後、再生のみならず記録機能を有する記録16倍速対応DVDや記録48倍速対応のCD−R(Compact Disc−Recordable)と言った高速書き込み可能な光ディスクシステム用の光源の需要が益々高まっていく。この場合、光源として用いられるレーザには80℃以上の高温動作時においても、少なくとも250mW以上の高出力動作が求められている。
そこで、高出力特性を得るために、図7に示すような半導体レーザ装置の構造が知られている(例えば、特許文献2参照)。すなわち、半導体レーザ装置101は、発振波長が630〜690nmで、パルス出力が50mW以上のリッジ型である。バッファ層112は、Siドープのn型GaAs基板111上に配設され、例えばSiドープのn型AlGaAsで構成されている。バッファ層112は、MQW(MultiQuantum Well)活性層114よりも大きなバンドギャップを有する材料で構成されている。この実施の形態では、バッファ層112としてAl組成比が0.3以上のn型AlGaAsが使用されている。また、AlGaAsは、AlGaInPに比較して、Znの拡散速度が小さい材料である。
下クラッド層113は、バッファ層112上に形成され、n型AlGaInPで構成されている。MQW活性層114は、下クラッド層113上に形成され、MQW活性層114には、GaInP/AlGaInPにより量子井戸構造が形成されている。
上クラッド層115は、MQW活性層114の上に形成され、p型AlGaInPで構成されている。コンタクト層116は、上クラッド層115上に形成され、p型GaAsで構成されている。上クラッド層115およびコンタクト層116は、ストライプメサ状に形成され、光導波路117を構成している。光導波路117の頂部のコンタクト層116を除いて、光導波路117の側面、光導波路117の形成により露呈した上クラッド層115およびコンタクト層116と同時に形成されたp型GaAs層118は、SiO2などで形成された絶縁膜119で覆われている。
コンタクト層116および絶縁膜119の表面上にはp側の表面電極120が配設され、コンタクト層116と接続され上クラッド層115を介してMQW活性層114への電流経路を形成している。
窓領域121(ドットで示した領域)は、光導波路117の両側の出射端面となるチップ両端面近傍に形成されている。窓領域121は、上クラッド層115の表面上から不純物としてのZnを拡散により導入することにより、MQW活性層114が無秩序化された領域である。窓領域121は、チップ両端面近傍の上クラッド層115、MQW活性層114および下クラッド層113を含む。Znの拡散速度がバッファ層112で小さくなるので、下クラッド層113とバッファ層112の境界でZnの拡散を停止させる制御が容易であるが、場合によってはZnの拡散がバッファ層112に及ぶこともある。窓領域121の表面上はコンタクト層116が除去され、絶縁膜119が配設されている。裏面電極122は、n型GaAs基板111の裏面側に配設されている。
半導体レーザ装置101における窓領域121の製造工程において、コンタクト層116としてのp型GaAs層をMOCVD等のエピタキシャル成長法により形成する。次に、チップに分割した際にレーザ出射端面となるチップ端面近傍のコンタクト層116を除去したウエハ表面にZnOを蒸着し、アニールすることにより、ウエハ上面からZnの拡散を行う。この工程を経ることにより、MQW活性層114が無秩序化し、バンドギャップが大きくなり、窓領域121がレーザ光に対して透明になる。
下クラッド層113はn型AlGaInP層で形成されているので、n型AlGaInP層ではZnの拡散速度が大きいが、バッファ層112としてのn型AlGaAs層はZnの拡散速度が小さい。このため、下クラッド層113とバッファ層112との境界でZnの拡散が停止するが、場合によってはバッファ層112中にZnが拡散して、バッファ層112中にpn接合が形成されることがある。
この場合、半導体レーザ中には、不純物が拡散された窓領域121のバッファ層112にpn接合が形成される。このpn接合の立ち上がり電圧が、窓領域121以外のMQW活性層114で形成されるpn接合の立ち上がり電圧よりも小さくなると、半導体レーザに注入した電流は、立ち上がり電圧の低い窓領域121のバッファ層112で形成されるpn接合部を流れ、レーザ発振に寄与しないリーク電流成分が増大する。
そこで、半導体レーザ装置101では、バッファ層112としてAl組成比が0.3以上のn型AlGaAsを使用している。この場合、バッファ層112にはZnが拡散されにくくなる。さらに、たとえバッファ層112内にpn接合が形成されたとしても、バッファ層112はMQW活性層114よりも大きいバンドギャップを有する。このため、半導体レーザ装置101は、印加電圧が高くなると、バッファ層112内のpn接合よりも低い電圧で、MQW活性層114に電流が流れる。したがって、順方向立ち上がり電圧の低下が抑制され、リーク電流の発生が抑制される。
特開平11−186651号公報 特開平2003−31901号公報
上記図7に示した半導体レーザの構成を、同一基板上に形成された2波長半導体レーザに用いる場合、最初に成長を行うダブルへテロ構造は、結晶成長のために余分な熱履歴にさらされることになる。この場合、AlGaAs系のバッファ層112を使用すると、AlGaAsと基板材料であるGaAsとは熱膨張係数が異なるため格子欠陥が発生しやすくなり、2波長半導体レーザにおいて、窓領域121でのリーク電流を低減するために単純にAlGaAsバッファ層を用いても信頼性上支障をきたすことになる。
本発明は、COD(Catastrophic Optical Damage)レベルを高めるために量子井戸活性層の無秩序化を強めても、格子欠陥の発生とリーク電流の発生が抑制され、高出力動作状態における発光効率の飽和が回避され、安定した基本横モード発振を行うことが可能な半導体レーザ装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の半導体レーザ装置は、基板と、III−V族半導体からなり、前記基板上に形成された第一導電型の第一クラッド層と、III−V族半導体からなり、前記第一クラッド層上に形成された第一の導電型の拡散防止層と、III−V族半導体からなり、前記拡散防止層上に形成された第一導電型の第二クラッド層と、III−V族半導体からなり、前記第二クラッド層上に形成され、禁制帯幅がE1の量子井戸活性層と、III−V族半導体からなり、前記量子井戸活性層上に形成された第二の導電型の第三クラッド層とを備える。上記課題を解決するために、端面近傍における前記第三クラッド層、前記量子井戸活性層および前記第二クラッド層に不純物が拡散されて無秩序化された窓領域が形成され、前記窓領域における前記拡散防止層と前記第二クラッド層との間に立ち上がり電圧がVのpn接合が形成され、前記E1と前記VとがE1<e×V(eは素電荷の値)を満たすことを特徴とする。
本発明の第2の半導体レーザ装置は、同一基板上にIII−V族半導体からなる第1の半導体レーザと第2の半導体レーザとを備え、前記第1の半導体レーザは、前記基板上に形成された第一導電型の第一クラッド層と、前記第一クラッド層上に形成された第一の導電型の第一拡散防止層と、前記第一拡散防止層上に形成された第一導電型の第二クラッド層と、前記第二クラッド層上に形成され、禁制帯幅がE1の第一量子井戸活性層と、前記量子井戸活性層上に形成された第二の導電型の第三クラッド層とを有し、前記第2の半導体レーザは、前記基板上に形成された第一導電型の第四クラッド層と、前記第四クラッド層上に形成された第一の導電型の第二拡散防止層と、前記第二拡散防止層上に形成された第一導電型の第五クラッド層と、前記第五クラッド層上に形成され、禁制帯幅がE2の第二量子井戸活性層と、前記量子井戸活性層上に形成された第二の導電型の第六クラッド層とを有する。上記課題を解決するために、端面近傍における前記第三クラッド層、前記第一量子井戸活性層および前記第二クラッド層と、前記第六クラッド層、前記第二量子井戸活性層および前記第五クラッド層に不純物が拡散されて無秩序化された窓領域が形成され、前記窓領域における前記第一拡散防止層と前記第二クラッド層との間に立ち上がり電圧がV1のpn接合が形成され、前記窓領域における前記第二拡散防止層と前記第五クラッド層との間に立ち上がり電圧がV2のpn接合が形成され、前記E1と前記V1とがE1<e×V1(eは素電荷の値)を満たし、前記E2と前記V2とがE2<e×V2を満たすことを特徴とする。
このようにクラッド層中に拡散防止層を設けることにより、不純物拡散が基板とクラッド層の間のバッファ層近傍に到達することが抑制され、窓領域を通じて流れるレーザ発振に寄与しない無効電流の発生を、第1の半導体レーザ、第2の半導体レーザ共に抑制することが可能となる。
また、本発明の半導体レーザ装置の製造方法は、基板上に、第一導電型の第一クラッド層、第一導電型の第一拡散防止層、第一導電型の第二クラッド層、第一量子井戸活性層、および第二導電型の第三クラッド層を順次形成する工程(a)と、エッチングにより、前記第一クラッド層、前記第一拡散防止層、前記第二クラッド層、前記第一量子井戸活性層、および前記第三クラッド層を選択的に除去する工程(b)と、前記工程(b)の後、第一の導電型の第四クラッド層、前記第一拡散防止層よりも基板との格子定数差の大きい第一導電型の第二拡散防止層、第一の導電型の第五クラッド層、第二量子井戸活性層、および第二導電型の第六クラッド層を順次形成する工程(c)と、端面領域における前記第三クラッド層および前記第六クラッド層より不純物を拡散し、前記第一量子井戸活性層および、前記第二量子井戸活性層を無秩序化する工程(d)とを有することを特徴とする。
この構成により、レーザ作製工程の低減を図ることが可能となるため、窓部を通じて流れるレーザ発振に寄与しない無効電流の発生が抑制された2波長半導体レーザを低コストで得ることが可能となり、量子井戸活性層を無秩序化するための不純物の拡散を基板方向へ均一に行うことができる。
以上のように本発明によれば、窓領域下のクラッド層と拡散防止層との間で形成されるpn接合の立ち上がり電圧を窓領域でない活性層部のpn接合の立ち上がり電圧よりも大きくすることにより、窓領域を通じて流れる無効電流の発生を抑制することが可能となる。その結果、CODレベルが高く、高温動作可能な温度特性に優れた半導体レーザ装置を提供することが可能となる。
本発明の半導体レーザ装置および半導体レーザ装置の製造方法は、上記形態を基本として種々の態様をとることができる。すなわち、第2の半導体レーザ装置において、前記第一拡散防止層におけるV族元素は、前記第一クラッド層、前記第二クラッド層および前記第三クラッド層におけるV族元素とは異なるV族元素を含み、前記第二拡散防止層は、前記第四クラッド層、前記第五クラッド層および前記第六クラッド層のV族元素とは異なるV族元素を含み、前記第一拡散防止層の禁制帯幅をEs1、前記第二拡散防止層の禁制帯幅をEs2として、E1<E2、E1<Es1、E2<Es2の関係を満たす構成にすることができる。
また、前記第一クラッド層、前記第二クラッド層、前記第三クラッド層、前記第四クラッド層、前記第五クラッド層および前記第六クラッド層は、燐(P)を含む材料からなり、前記第一拡散防止層および前記第二拡散防止層は、砒素(As)を含む材料からなる構成にすることができる。この構成により、V族にAsを含む第一拡散防止層および、第二拡散防止層により、不純物拡散がバッファ層近傍に到達することが高歩留に抑制され、窓領域を通じて流れるレーザ発振に寄与しない無効電流の発生を、第1半導体レーザ、第2半導体レーザ共に抑制することが可能となる。
また、前記第一量子井戸活性層は、GaAsまたはAlGaAsからなり、前記第二量子井戸活性層は、InGaPまたはAlGaInPからなる構成にすることができる。この構成により、赤外と赤色域で発光する2波長半導体レーザ装置を得ることが可能となる。
また、前記第一拡散防止層と前記第二拡散防止層とがともにAlGaAsからなる構成にすることができる。この構成により、拡散防止層の格子定数をGaAs基板とほぼ同一とすることができるため、拡散防止層での格子欠陥の発生を抑制しつつ、不純物拡散が活性層に到達することが高歩留に抑制され、窓領域を通じて流れるレーザ発振に寄与しない無効電流の発生を、第1半導体レーザ、第2半導体レーザ共に抑制することが可能となる。
また、前記第一拡散防止層のAl組成をx1、前記第二拡散防止層のAl組成をx2として、x1≧0、x2≧0.37、およびx2>x1を満たす構成にすることができる。この構成により、窓領域を通じて流れるレーザ発振に寄与しない無効電流の発生を抑制することが可能となる。
また、前記不純物がZnである構成にすることができる。この構成により、量子井戸活性層の無秩序化を容易に行うことが可能となり、2種のレーザに対して窓領域を確実に形成することができる。
また、前記第一拡散防止層または前記第二拡散防止層が量子井戸構造からなる構成にすることができる。この構成により、拡散防止層において、不純物の拡散を安定して防止することが可能となり、窓領域を通じて流れるレーザ発振に寄与しない無効電流の発生を、第1半導体レーザ、第2半導体レーザ共に抑制することが可能となる。
また、前記第一拡散防止層または前記第二拡散防止層の層厚が20nm以下かつキャリア濃度が5×1017cm-3以下である構成にすることができる。この構成により、電流注入時の拡散防止層でのフリーキャリア吸収損失を低減し、拡散防止層において、不純物の拡散を安定して防止することが可能となり、窓領域を通じて流れるレーザ発振に寄与しない無効電流の発生を、第1半導体レーザ、第2半導体レーザ共に抑制することが可能となる。
さらに、前記第一拡散防止層または前記第二拡散防止層のキャリア濃度が1×1017cm-3以下である構成にすることが好ましい。さらに、前記第一拡散防止層または前記第二拡散防止層のキャリア濃度が5×1016cm-3以下であることが好ましい。この構成により、電流注入時の拡散防止層でのフリーキャリア吸収損失と結晶中での点欠陥の発生を低減し、拡散防止層において、不純物の拡散を安定して防止することが可能となり、窓領域を通じて流れるレーザ発振に寄与しない無効電流の発生を、第1半導体レーザ、第2半導体レーザ共に抑制することが可能となる。
また、前記第一拡散防止層または前記第二拡散防止層のAlGaAs拡散防止層の膜厚は、0.5μm以下である構成にすることができる。この構成により、電流注入時の拡散防止層でのフリーキャリア吸収損失と結晶中での点欠陥の発生をさらに低減し、拡散防止層において、不純物の拡散を安定して防止することが可能となり、窓領域を通じて流れるレーザ発振に寄与しない無効電流の発生を、第1半導体レーザ、第2半導体レーザ共に抑制することが可能となる。
また、本発明の半導体レーザ装置の製造方法において、前記第三クラッド層と前記第六クラッド層とをエッチングして、電流注入のためのストライプを同時に形成する工程(e)をさらに有してもよい。この構成により、レーザ作製工程の低減を図ることが可能となるため、窓部を通じて流れるレーザ発振に寄与しない無効電流の発生が抑制された2波長半導体レーザを低コストで得ることが可能となり、さらにストライプ形成のためのエッチング工程後に不純物の拡散を行うため不純物の拡散距離が短くなり量子井戸活性層をより確実に無秩序化することができる。
また、前記工程(d)において、前記第一量子井戸活性層および、前記第二量子井戸活性層を同時に無秩序化してもよい。
また、前記第一クラッド層、前記第二クラッド層、前記第三クラッド層、前記第四クラッド層、前記第五クラッド層および前記第六クラッド層を、燐(P)を含む材料を用いて形成し、前記第一拡散防止層および前記第二拡散防止層を、砒素(As)を含む材料を用いて形成してもよい。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら、説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態における半導体レーザ装置1の断面構造を示す断面図である。半導体レーザ装置1は、(100)面から[011]方向に10°傾けた面を主面とするGaAs基板4上に赤外レーザ2と赤色レーザ3とが集積化されて構成されている。
まず、赤外レーザ2の構造から説明する。GaAs基板4上には、厚さが0.5μmであり、n型のGaAsで構成されたバッファ層11が形成されている。n型のGaAsバッファ層11上には、n型の(Al0.7Ga0.30.51In0.49Pからなる第一クラッド層12が厚さ1.0μmに形成されている。第一クラッド層12上には、n型のAlGaAsからなる第一拡散防止層13が形成されている。第一拡散防止層13上には、n型の(Al0.7Ga0.30.51In0.49Pからなる第二クラッド層14が厚さ1.0μmに形成されている。
第二クラッド層14上には、量子井戸活性層15が形成されている。量子井戸活性層15は、Al0.5Ga0.5Asからなる第一ガイド層15a、AlGaAsからなるウェル層15b、Al0.5Ga0.5Asからなるバリア層15c、AlGaAsからなるウェル層15d、Al0.5Ga0.5Asからなる第二ガイド層15eが順に積層されている。
量子井戸活性層15上には、p型の(Al0.7Ga0.30.51In0.49Pからなる第三クラッド層16が形成されている。第三クラッド層16には、リッジが形成されている。リッジの上端から第三クラッド層16の下面までの距離が1.4μm、リッジが形成されていない領域における第三クラッド層16の厚さ(dp)が0.24μmである。
第三クラッド層16のリッジの上端に、p型のGa0.51In0.49Pからなる保護層17が形成されている。保護膜17の厚さは50nmである。保護膜17上には、p型のGaAsからなるコンタクト層18が厚さ0.4μmに形成されている。第三クラッド層16におけるリッジが形成されていない領域の上面およびリッジの側面には、誘電体膜であるSiNからなる電流ブロック層19が厚さが0.15μmに形成されている。
上記構造の赤外レーザ2において、p型GaAsコンタクト層18から注入された電流は、電流ブロック層19によりリッジ部のみに狭窄される。このため、リッジ底部下方に位置する量子井戸活性層15に集中して電流が注入され、レーザ発振に必要なキャリアの反転分布状態が数十mAの少ない注入電流により実現される。量子井戸活性層15へ注入されたキャリアの再結合により生じた光は、量子井戸活性層15に垂直な方向においては、クラッド層12、14、16により閉じ込められる。また、量子井戸活性層15に生じた光は、リッジの幅方向においては、SiN電流ブロック層19が第三クラッド層16よりも屈折率が低いため閉じ込められる。
また、電流ブロック層19は、レーザ発振光に対して透明であるため光吸収がなく、低損失の導波路を実現することができる。
また、導波路を伝播する光分布は、電流ブロック層19に大きくしみ出すことができるため、高出力動作に適した10-3のオーダのΔn(実効屈折率差)を容易に得ることができる。さらに、Δnの大きさをリッジが形成されていない領域における第三クラッド層16の厚さdpの大きさにより、10-3のオーダで精密に制御することができる。このため、光分布を精密に制御しつつ、低動作電流の高出力半導体レーザを得ることができる。
次に、赤色レーザ3の構造について説明する。GaAs基板4上には、厚さが0.5μmであり、n型のGaAsで構成されたバッファ層21が形成されている。n型のGaAsバッファ層21上には、n型の(Al0.7Ga0.30.51In0.49Pからなる第四クラッド層22が厚さ1.0μmに形成されている。第四クラッド層22上には、n型のAlGaAsからなる第二拡散防止層23が形成されている。第二拡散防止層23は、第一拡散防止層13よりも基板との格子定数差が大きい。第二拡散防止層23上には、n型の(Al0.7Ga0.30.51In0.49Pからなる第五クラッド層24が厚さ1.0μmに形成されている。
第五クラッド層24上には、歪量子井戸活性層25が形成されている。歪量子井戸活性層25は、AlGaInPからなる第一ガイド層25a、GaInPからなるウェル層25b、AlGaInPからなるバリア層25c、GaInPからなるウェル層25d、AlGaInPからなるバリア層25e、GaInPからなるウェル層25f、(Al0.5Ga0.50.51In0.49Pからなる第二ガイド層25gが順に積層されて形成されている。
歪量子井戸活性層25上には、p型の(Al0.7Ga0.30.51In0.49Pからなる第六クラッド層26が形成されている。第六クラッド層26には、リッジが形成されている。リッジの上面から第六クラッド層26の下面までの距離が1.4μm、リッジが形成されていない領域における第六クラッド層26の厚さ(dp)が0.2μmである。
第六クラッド層26のリッジの上端に、p型のGa0.51In0.49Pからなる保護層27が形成されている。保護膜27の厚さは50nmである。保護膜27上には、厚さ0.4μmであり、p型GaAsからなるコンタクト層28が形成されている。第六クラッド層26におけるリッジが形成されていない領域の上面およびリッジの側面には、誘電体膜であるSiNからなる電流ブロック層29が厚さ0.15μmに形成されている。
上記構造の赤色レーザ3において、p型GaAsコンタクト層28から注入された電流は、電流ブロック層29によりリッジ部のみに狭窄される。このため、リッジ底部下方に位置する歪量子活性層25に集中して電流注入され、レーザ発振に必要なキャリアの反転分布状態が数十mAの少ない注入電流により実現される。この時生じた、歪量子活性層25へ注入されたキャリアの再結合により生じた光は、歪量子活性層25に垂直な方向において、クラッド層22、24、26により垂直方向の光閉じ込めが行わる。また、歪量子活性層25に生じた光は、リッジの幅方向において、SiN電流ブロック層29は、第六クラッド層26よりも屈折率が低いため光閉じ込めが行われる。
また、電流ブロック層29はレーザ発振光に対して透明であるため光吸収がなく、低損失の導波路を実現することができる。
また、導波路を伝播する光分布は、SiN電流ブロック層29に大きくしみ出すことができるため、赤外レーザと同様に、高出力動作に適した10-3のオーダのΔnを容易に得ることができる。さらに、Δnの大きさをリッジが形成されていない領域における第六クラッド層26の厚さdpの大きさで、10-3のオーダで精密に制御することができる。このため、光分布を精密に制御しつつ、低動作電流の高出力半導体レーザを得ることができる。
赤外レーザ2および赤色レーザ3において、共振器長は、1750μmである。この構成により、レーザの80℃高温動作時において、動作電流密度が低下して放熱性が向上するため、350mW以上の高出力動作が可能となる。なお、共振器長が1500μm以上であれば、放熱効率向上の効果が得られる。
また、赤外レーザ2において、共振器の前端面、後端面には、赤外レーザ光に対する反射率がそれぞれ7%、94%となるように誘電体膜(図示せず)がコーティングされている。同様に、赤色レーザ3において、共振器の前端面、後端面には、赤色レーザ光に対する反射率がそれぞれ7%、94%となるように誘電体膜(図示せず)がコーティングされている。この構成により、半導体レーザ装置の前面からレーザ光が出力される。
なお、本実施形態では、量子井戸活性層15が無歪の量子井戸構造であり、歪量子井戸活性層25が歪量子井戸構造である例を示した。しかし、量子井戸活性層15が歪量子井戸構造あるいはバルクを用いてもよく、歪量子井戸活性層25が無歪の量子井戸構造あるいはバルクを用いてもよい。また、活性層15、25の導電型は特に記載していないが、p型であっても、n型であっても、もちろんアンドープであっても構わない。
次に、赤外レーザ2のn型Alx1Ga1-x1As第一拡散防止層13のAl組成x1と、赤色レーザ3のn型Alx2Ga1-x2As第二拡散防止層23のAl組成x2の大きさについて説明する。以下、赤色レーザ3を例に説明する。
図2は、赤色レーザ3の構成を示す共振器方向に平行な断面図である。窓領域41形成のために、Znを拡散させる場合、拡散時間を長くするあるいは、温度を高めてZn拡散速度を速めるといった方法が用いられている。この場合、拡散領域は、赤色レーザ3を例にとって示すと図2に示すように、第二拡散防止層23とAlGaInPで構成された第五クラッド層24との界面で、境界面が形成される。これは、Znの拡散速度がAlGaInP系材料で構成された第五クラッド層24中よりもAlGaAs系材料で構成された第二拡散防止層23中の方が遅いため、第五クラッド層24と第二拡散防止層23との境界で実質的にZnの拡散が停止するためである。
この時、窓領域41下の不純物拡散によりp型化された第五クラッド層24と、n型AlGaAsで構成された第二拡散防止層23とにより、pn接合が形成される。このpn接合の立ち上がり電圧は、第二拡散防止層23のAl組成に大きく依存する。
ここで、p型(Al0.7Ga0.30.51In0.49P第五クラッド層24とn型AlGaAs第二拡散防止層23とで形成されるpn接合の立ち上がり電圧の計算結果を図3に示す。図3における横軸は、Al組成(x2)を示し、縦軸は立ち上がり電圧を示す。計算対象として、p型(Al0.7Ga0.30.51In0.49P第五クラッド層24のp型不純物濃度が、1×1017cm-3、5×1017cm-3、1×1018cm-3、1×1019cm-3のものを用いた。
立ち上がり電圧の計算において、Alx2Ga1-x2As第二拡散防止層23のAl組成(x2)を0から0.5まで変化させている。なお、AlGaAs第二拡散防止層23のキャリア濃度は2×1017cm-3としている。
図3に示すように、AlGaAs第二拡散防止層23のAl組成を大きくするとバンドギャップエネルギーが大きくなるため、立ち上がり電圧が増大する。また、p型(Al0.7Ga0.30.51In0.49Pクラッド層のp型不純物濃度を大きくしても、p型第五クラッド層24のフェルミエネルギーが価電子帯端に近づくため、立ち上がり電圧が増大する。
窓領域41を形成するためにZnを拡散させた場合、拡散領域の不純物濃度は、1×1018cm-3程度あるいはそれ以上の高濃度となっている。このため、不純物の第二拡散防止層23を用いずに不純物拡散を行った場合、バッファ層21がGaAsであるため、不純物拡散によりp型化された第四クラッド層22と、n型GaAsバッファ層21で形成されるpn接合の立ち上がり電圧は1.44V以上となる。
従って、不純物拡散がn型のバッファ層21まで進行した場合、窓領域41でない部分の利得領域のpn接合の立ち上がり電圧が1.44Vよりも高いと、p型GaAsコンタクト層28より注入された電流は、立ち上がり電圧の低い窓領域41を通過して流れることになる。この窓領域41を流れる電流は発光に寄与しないために、赤色レーザ3の発光効率が低下する。したがって、赤色レーザ3の発振しきい電流値、動作電流値が増大する。
赤外レーザ2においても、赤色レーザ3と同様に、発振しきい電流値、動作電流値が増大する。
図4は、(a)が赤外レーザ2、(b)が赤色レーザ3において、窓領域41でない歪量子井戸活性層25部分のpn接合の電圧−電流特性を示すグラフである。図4から立ち上がり電圧が、それぞれ1.7V、1.45Vであることがわかる。つまり、赤色レーザ3の禁制帯幅E1=e×1.45V(eは素電荷の値)であり、赤外レーザ2の禁制帯幅E2=e×1.7Vである。このことから、第二拡散防止層23がない場合には、不純物拡散がn型GaAsバッファ層21に到達し、立ち上がり電圧が相対的に低い窓領域で形成されたpn接合を通じて電流が流れることになる。
一方、AlGaAs第二拡散防止層23を用いると、不純物の拡散は拡散速度の遅いAlGaAs第二拡散防止層23とAlGaInP第五クラッド層24との界面まで進行することになる。この場合においても、AlGaAs第二拡散防止層23と窓領域41でp型化されたAlGaInP第五クラッド層24とにより形成されるpn接合の立ち上がり電圧が、窓領域41でない活性層の立ち上がり電圧よりも小さい場合、立ち上がり電圧が相対的に低い、窓領域41で形成されたpn接合を通じて電流が流れることになる。
赤色レーザ3のAlGaAs第二拡散防止層23のAl組成を0.37以上、赤外レーザ2のAlGaAs第一拡散防止層13のAl組成を0以上とし、窓領域41の不純物濃度が1×1018cm-3以上とすると、図3に示すように、活性層のpn接合の立ち上がり電圧が、窓領域41下の拡散防止層13、23と不純物拡散によりp型化されたAlGaInPクラッド層14、24で形成されるpn接合の立ち上がり電圧よりも小さくなる。このため、窓領域41を通じて流れる無効電流の発生を抑制することが可能となる。
基板上に拡散防止層としてAlGaAs拡散防止層を成長させる場合、Al組成を高くしすぎるとGaAs基板との熱膨張係数の差が大きくなり、結晶成長時の高温状態から、室温に温度を下げると、格子欠陥が発生する可能性が高くなる。したがって、拡散防止層に使用するAlGaAsのAl組成は可能な限り小さい方がよい。このため、立ち上がり電圧の低い赤外レーザ2の第一拡散防止層13のAl組成は、赤色レーザ3のAlGaAs第二拡散防止層23のAl組成と比較して低く設定した方が赤外レーザ2での格子欠陥の発生を抑制することが可能となる。
本実施例では、x2を0.45、x1を0.2として、赤外レーザ2のバッファ層11におけるAl組成を赤色レーザ3のバッファ層21におけるAl組成よりも低くしている。この場合、窓領域41下の不純物拡散によりp型化されたクラッド層14、24と、n型AlGaAs拡散防止層13、23とで形成されるpn接合の立ち上がり電圧は、赤色レーザ3、赤外レーザ2に対して、それぞれ、1.75V、1.57Vとなる。したがって、赤色レーザ3の窓領域における立ち上がり電圧V1(1.75)は、赤色レーザ3の禁制帯幅E1<e×V1を満たす。また、赤外レーザ2の窓領域における立ち上がり電圧V2(1.57)は、赤外レーザ2の禁制帯幅E2<e×V2を満たす。
この場合、窓領域41下の不純物拡散によりp型化されたクラッド層14、24と、n型AlGaAs拡散防止層13、23で形成されるpn接合の立ち上がり電圧は、窓領域41以外の領域の立ち上がり電圧よりも高いため、窓領域41を通じて流れる発光に寄与しない無効電流の発生を抑制することが可能となる。
ここで、AlGaAs拡散防止層13、23のキャリア濃度としては、1×1016cm-3以上、5×1017cm-3以下であることが必要となる。キャリア濃度が1×1016cm-3以下となると拡散防止層での抵抗が大きくなり、素子の動作電圧増大をもたらすからである。一方、5×1017cm-3以上となると結晶性が低下し、結晶成長での点欠陥が発生しやすくなるからである。
また、AlGaAs拡散防止層13、23のキャリア濃度として、1×1017cm-3以下とすることで結晶成長での点欠陥の発生をさらに抑制しつつ、拡散防止層での抵抗を小さくし、素子の動作電圧を低減することが可能となる。
さらに、AlGaAs拡散防止層13、23のキャリア濃度として、5×1016cm-3以下とすることで点欠陥の発生をほぼ完全に抑制することが可能となる。
また、AlGaAs拡散防止層13、23の膜厚としては、熱履歴方法での結晶成長による欠陥の発生を防止できるためと、光分布に影響を与えないために薄い方がよく、0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、さらに好ましくは0.1μm以下とすることがよい。本実施例では、赤色レーザ3、赤外レーザ2のAlGaAs拡散防止層13、23の膜厚を共に50nmとしている。
また、AlGaAs拡散防止層13、23の膜厚を20nm以下とすることで、GaAsとAlGaAs拡散防止層の格子不整合と熱膨張係数の差を考慮した臨界膜厚よりも十分薄くなるために、熱履歴方法での結晶成長による欠陥の発生をさらに抑制することが可能となる。
また、AlGaAs拡散防止層13、23の薄膜を複数積層された薄膜多層構造としても、不純物の拡散を抑制する効果を増大させることが可能となる。
また、薄膜多層構造を構成するウェル層15b、15d、25b、25d、25fの厚さはレーザの発振波長より薄い構成とする。
また、AlGaAs拡散防止層13、23について、Al組成を高くすると拡散防止層の禁制帯幅エネルギーが大きくなり、窓部での立ち上がり電圧を下げることが出来るが、AlGaAsとGaAsの熱膨張率の差によって欠陥が発生しやすくなる。
そこで拡散防止層を高Al組成のAlGaAsとGaAsの量子井戸構造多層薄膜とすることで、臨界膜厚以下の超薄膜(10nm以下)の構成となり、欠陥の発生を抑制しつつ、Al組成を高くすることが出来る。これにより拡散防止層の禁制帯幅エネルギーを大きくすることが出来、窓部での立ち上がり電圧を上げる効果をより増大させることが可能となる。第一拡散防止層13の禁制帯幅をEs1、第2拡散防止層23の禁制帯幅をEs2とすると、E1<Es1、E2<Es2を満たすことが好ましい。
図5(a)は本実施の形態における赤色レーザ3、(b)は本実施の形態における赤外レーザ2の温度80℃、パルス時間幅50ns、パルスデューティ比41%動作時における電流−光出力特性をそれぞれ示す。赤色レーザ3は光出力400mWまでキンクが発生せず、赤外レーザ2では、電流−光出力特性の線形はきわめて良好であり、500mW以上のキンクレベルであることがわかる。
次に、本発明の第1の実施形態における半導体レーザ装置1の製造方法について説明を行う。図6A〜Hは、本実施形態における半導体レーザ装置1の端面付近を示す製造工程図である。半導体レーザ装置1の製造では、赤外レーザ2を赤色レーザ3よりも先に作製する。このようにすると、赤色レーザ3および赤外レーザ2のAlGaAs拡散防止層において、相対的にAl組成の高いAlGaAs拡散防止層23を備えた赤色レーザ3の方が結晶成長時の熱履歴が少なくてすむため、AlGaAs拡散防止層23とGaAs基板4との熱膨張係数の差による格子欠陥の発生を抑えることができる。
まず、図6Aに示すように、MOCVD(Metalorganic Chemical Vapor Deposition)法あるいはMBE(Molecular Beam Epitaxy)法を用いた第1の結晶成長工程において、(100)面から[011]方向に10°傾けた面を主面とするn型GaAs基板4上に、n型GaAsバッファ層11(0.5μm)、n型(Al0.7Ga0.30.51In0.49P第一クラッド層12(1.0μm)、n型AlGaAs第一拡散防止層13、n型(Al0.7Ga0.30.51In0.49P第二クラッド層14(1.0μm)、量子井戸活性層15、p型(Al0.7Ga0.30.51In0.49P第三クラッド層16、p型Ga0.51In0.49P保護層17(50nm)、p型GaAsコンタクト層18(0.4μm)を順に形成する。
量子井戸活性層15は、Al0.5Ga0.5Asからなる第一ガイド層15a、AlGaAsからなるウェル層15b、Al0.5Ga0.5Asからなるバリア層15c、AlGaAsからなるウェル層15d、Al0.5Ga0.5Asからなる第二ガイド層15eを順に積層して形成される。
次に、図6Bに示すように、GaAs基板4をMOCVDあるいはMBE反応炉から取り出した後、フォトリソグラフィによりレジストパターン30を形成し、レジストパターン30をマスクとして硫酸系や塩酸系のエッチング液を用い、マスクの形成されていない部分を取り除く。
レジストパターン30を取り除いた後、次に、図6Cに示すように、MOCVD法あるいはMBE法を用いて、n型GaAsバッファ層21(0.5μm)、n型(Al0.7Ga0.30.51In0.49P第四クラッド層22(1.0μm)、n型AlGaAs第二拡散防止層23、n型(Al0.7Ga0.30.51In0.49P第五クラッド層24(1.0μm)、歪量子井戸活性層25、p型(Al0.7Ga0.30.51In0.49P第六クラッド層26、p型Ga0.51In0.49P保護層27(50nm)、p型GaAsコンタクト層28(0.4μm)を順に形成する。
歪量子井戸活性層25は、AlGaInPからなる第一ガイド層25a、GaInPからなるウェル層25b、AlGaInPからなるバリア層25c、GaInPからなるウェル層25d、AlGaInPからなるバリア層25e、GaInPからなるウェル層25f、(Al0.5Ga0.50.51In0.49Pからなる第二ガイド層25gを順に積層して形成される。
次に、図6Dに示すように、フォトリソグラフィによりレジストパターン31を形成し、レジストパターン31をマスクとして硫酸系や塩酸系のエッチング液を用い、マスクの形成されていない部分をエッチング除去し、赤色レーザ部のみを残す。
次に、レジストパターン31を取り除いた後、図6Eに示すように、熱CVD法(370℃)を用いてp型GaAsコンタクト層(0.4μm)18、28上に拡散源32とキャップ膜(図示せず)を堆積させ、フォトリソグラフィとドライエッチング技術により設定した窓領域になるようパターニングを行い、その後アニールを行い、Znを活性層15、25へ拡散させ無秩序化させる事で窓領域41を含む拡散領域42を形成する。
次に、図6Fに示すように、熱CVD法(370℃)を用いてp型GaAsコンタクト層18、28上に0.3μmの厚さとなるように堆積させた酸化シリコン膜33をさらにフォトリソグラフィとドライエッチング技術とによりパターニングし、ストライプマスクを形成する。次に、ストライプ形状の酸化シリコン膜33をマスクとして、p型GaAsコンタクト層18、28、p型GaInP保護層17、27、p型AlGaInPクラッド層16、26を、順次選択的にエッチングして、ヘテロ構造基板にメサ状のリッジを同時に形成する。
エッチング後、図6Gに示すように、酸化シリコン膜33を除去し、プラズマCVDにより、SiN電流ブロック層19、29(0.15μm)を同時に形成する。次に、図6Hに示すように、レジストパターン(図示せず)を形成し、リッジ上部のSiN電流ブロック層19、29をフッ酸系の薬液エッチングにより除去する。尚、電流ブロック層19、29は、クラッド層との屈折率差をつけるために、SiO2、TiO2、Al23、水素化アモルファスSiまたはそれらの多層構造からなる材料であってもよい。
また、電流ブロック層19、29は、AlInPを含むAlGaInP系の材料であってもよい。この場合、図6Fに示す工程の後、酸化シリコン膜33をマスクとして酸化シリコン膜33の無い部分に選択成長を行うことにより電流ブロック層19、29を形成することができる。
また、窓構造を形成するにあたり、赤色レーザ、赤外レーザ共に同じ熱履歴により形成させている。そのため、素子作製工程数を低減させることが可能となり素子製造コストを削減することが出来る。
本実施の形態では窓構造形成後に横モード制御のためのストライプ構造を形成した場合について説明したが、ストライプ構造形成後に窓構造を形成してもよい。
本実施の形態では2つのレーザから成る半導体レーザについて説明したが、1または3個以上のレーザから構成される半導体レーザも本発明に含有される。
本発明は、CODレベルが高く、高温動作可能な温度特性に優れているので、高速書き込み可能な光ディスクシステム用の光源として大変有用である。
本発明の第1の実施形態における半導体レーザ装置の断面構造を示す断面図 第1の実施形態における赤色レーザの構成を示す共振器方向に平行な断面図 第1の実施形態における第五クラッド層と第二拡散防止層とで形成されるpn接合の立ち上がり電圧の計算結果 (a)が第1の実施形態における赤外レーザ、(b)が第1の実施形態における赤色レーザにおいて、歪量子井戸活性層部分のpn接合の電圧−電流特性を示すグラフ (a)は第1の実施形態における赤色レーザ、(b)は第1の実施形態における赤外レーザの温度80℃、パルス時間幅50ns、パルスデューティ比41%動作時における電流−光出力特性図 本発明の第1の実施形態における半導体レーザ装置の製造工程図 図6Aの次の工程を示す工程図 図6Bの次の工程を示す工程図 図6Cの次の工程を示す工程図 図6Dの次の工程を示す工程図 図6Eの次の工程を示す工程図 図6Fの次の工程を示す工程図 図6Gの次の工程を示す工程図 従来の半導体レーザ装置の構造を示す斜視図
符号の説明
1 半導体レーザ装置
2 赤外レーザ
3 赤色レーザ
4 GaAs基板
11、21 バッファ層
12 第一クラッド層
13 第一拡散防止層
14 第二クラッド層
15 量子井戸活性層
15a、25a 第一ガイド層
15b、15d、25b、25d、25f ウェル層
15c、25c、25e バリア層
15e、25g 第二ガイド層
16 第三クラッド層
17、27 保護層
18、28 コンタクト層
19、29 SiN電流ブロック層
22 第四クラッド層
23 第二拡散防止層
24 第五クラッド層
25 歪量子井戸活性層
26 第六クラッド層
30、31 レジストパターン
32 拡散源
33 酸化シリコン膜
41 窓領域
42 拡散領域

Claims (17)

  1. 基板と、
    III−V族半導体からなり、前記基板上に形成された第一導電型の第一クラッド層と、
    III−V族半導体からなり、前記第一クラッド層上に形成された第一の導電型の拡散防止層と、
    III−V族半導体からなり、前記拡散防止層上に形成された第一導電型の第二クラッド層と、
    III−V族半導体からなり、前記第二クラッド層上に形成され、禁制帯幅がE1の量子井戸活性層と、
    III−V族半導体からなり、前記量子井戸活性層上に形成された第二の導電型の第三クラッド層とを備えた半導体レーザ装置において、
    端面近傍における前記第三クラッド層、前記量子井戸活性層および前記第二クラッド層に不純物が拡散されて無秩序化された窓領域が形成され、
    前記窓領域における前記拡散防止層と前記第二クラッド層との間に立ち上がり電圧がVのpn接合が形成され、
    前記E1と前記VとがE1<e×V(eは素電荷の値)を満たすことを特徴とする半導体レーザ装置。
  2. 同一基板上にIII−V族半導体からなる第1の半導体レーザと第2の半導体レーザとを備え、
    前記第1の半導体レーザは、
    前記基板上に形成された第一導電型の第一クラッド層と、
    前記第一クラッド層上に形成された第一の導電型の第一拡散防止層と、
    前記第一拡散防止層上に形成された第一導電型の第二クラッド層と、
    前記第二クラッド層上に形成され、禁制帯幅がE1の第一量子井戸活性層と、
    前記量子井戸活性層上に形成された第二の導電型の第三クラッド層とを有し、
    前記第2の半導体レーザは、
    前記基板上に形成された第一導電型の第四クラッド層と、
    前記第四クラッド層上に形成された第一の導電型の第二拡散防止層と、
    前記第二拡散防止層上に形成された第一導電型の第五クラッド層と、
    前記第五クラッド層上に形成され、禁制帯幅がE2の第二量子井戸活性層と、
    前記量子井戸活性層上に形成された第二の導電型の第六クラッド層とを有した半導体レーザ装置において、
    端面近傍における前記第三クラッド層、前記第一量子井戸活性層および前記第二クラッド層と、前記第六クラッド層、前記第二量子井戸活性層および前記第五クラッド層に不純物が拡散されて無秩序化された窓領域が形成され、
    前記窓領域における前記第一拡散防止層と前記第二クラッド層との間に立ち上がり電圧がV1のpn接合が形成され、
    前記窓領域における前記第二拡散防止層と前記第五クラッド層との間に立ち上がり電圧がV2のpn接合が形成され、
    前記E1と前記V1とがE1<e×V1(eは素電荷の値)を満たし、前記E2と前記V2とがE2<e×V2を満たすことを特徴とする半導体レーザ装置。
  3. 前記第一拡散防止層におけるV族元素は、前記第一クラッド層、前記第二クラッド層および前記第三クラッド層におけるV族元素とは異なるV族元素を含み、
    前記第二拡散防止層は、前記第四クラッド層、前記第五クラッド層および前記第六クラッド層のV族元素とは異なるV族元素を含み、
    前記第一拡散防止層の禁制帯幅をEs1、前記第二拡散防止層の禁制帯幅をEs2として、E1<E2、E1<Es1、E2<Es2の関係を満たす請求項2記載の半導体レーザ装置。
  4. 前記第一クラッド層、前記第二クラッド層、前記第三クラッド層、前記第四クラッド層、前記第五クラッド層および前記第六クラッド層は、燐(P)を含む材料からなり、
    前記第一拡散防止層および前記第二拡散防止層は、砒素(As)を含む材料からなる請求項2または3に記載の半導体レーザ装置。
  5. 前記第一量子井戸活性層は、GaAsまたはAlGaAsからなり、
    前記第二量子井戸活性層は、InGaPまたはAlGaInPからなる請求項2〜4のいずれか一項に記載の半導体レーザ装置。
  6. 前記第一拡散防止層と前記第二拡散防止層とがともにAlGaAsからなる請求項2〜5のいずれか一項に記載の半導体レーザ装置。
  7. 前記第一拡散防止層のAl組成をx1、前記第二拡散防止層のAl組成をx2として、x1≧0、x2≧0.37、およびx2>x1を満たす請求項2〜6のいずれか一項に記載の半導体レーザ装置。
  8. 前記不純物がZnである請求項2〜7のいずれか一項に記載の半導体レーザ装置。
  9. 前記第一拡散防止層または前記第二拡散防止層が量子井戸構造からなる請求項2〜8のいずれか一項に記載の半導体レーザ装置。
  10. 前記第一拡散防止層または前記第二拡散防止層の層厚が20nm以下かつキャリア濃度が5×1017cm-3以下である請求項2〜9のいずれか一項に記載の半導体レーザ装置。
  11. 前記第一拡散防止層または前記第二拡散防止層のキャリア濃度が1×1017cm-3以下である請求項10記載の半導体レーザ装置。
  12. 前記第一拡散防止層または前記第二拡散防止層のキャリア濃度が5×1016cm-3以下である請求項11記載の半導体レーザ装置。
  13. 前記第一拡散防止層または前記第二拡散防止層のAlGaAs拡散防止層の膜厚は、0.5μm以下である請求項2〜12のいずれか一項に記載の半導体レーザ装置。
  14. 基板上に、第一導電型の第一クラッド層、第一導電型の第一拡散防止層、第一導電型の第二クラッド層、第一量子井戸活性層、および第二導電型の第三クラッド層を順次形成する工程(a)と、
    エッチングにより、前記第一クラッド層、前記第一拡散防止層、前記第二クラッド層、前記第一量子井戸活性層、および前記第三クラッド層を選択的に除去する工程(b)と、
    前記工程(b)の後、第一の導電型の第四クラッド層、前記第一拡散防止層よりも基板との格子定数差の大きい第一導電型の第二拡散防止層、第一の導電型の第五クラッド層、第二量子井戸活性層、および第二導電型の第六クラッド層を順次形成する工程(c)と、
    端面領域における前記第三クラッド層および前記第六クラッド層より不純物を拡散し、前記第一量子井戸活性層および、前記第二量子井戸活性層を無秩序化する工程(d)とを有することを特徴とする半導体レーザ装置の製造方法。
  15. 前記第三クラッド層と前記第六クラッド層とをエッチングして、電流注入のためのストライプを同時に形成する工程(e)をさらに有する請求項14記載の半導体レーザ装置の製造方法。
  16. 前記工程(d)において、前記第一量子井戸活性層および、前記第二量子井戸活性層を同時に無秩序化する請求項14または15に記載の半導体レーザ装置の製造方法。
  17. 前記第一クラッド層、前記第二クラッド層、前記第三クラッド層、前記第四クラッド層、前記第五クラッド層および前記第六クラッド層を、燐(P)を含む材料を用いて形成し、
    前記第一拡散防止層および前記第二拡散防止層を、砒素(As)を含む材料を用いて形成する請求項14〜16のいずれか一項に記載の半導体レーザ装置の製造方法。
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