JP2001143930A - 薄膜磁気素子 - Google Patents

薄膜磁気素子

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JP2001143930A
JP2001143930A JP32418699A JP32418699A JP2001143930A JP 2001143930 A JP2001143930 A JP 2001143930A JP 32418699 A JP32418699 A JP 32418699A JP 32418699 A JP32418699 A JP 32418699A JP 2001143930 A JP2001143930 A JP 2001143930A
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JP32418699A
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Eiichi Komai
栄一 駒井
Yoshito Sasaki
義人 佐々木
Kazuyuki Ogawa
和志 小川
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Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の薄膜磁気素子では、インダクタンスを
大きくすることと損失等価抵抗を小さくすることを両立
させることが困難であった。 【解決手段】 薄膜磁気素子の磁性層11,13を形成
するための磁性材料の比抵抗を1000μΩ・cm以上
とすることにより、薄膜磁気素子の性能係数Qを向上さ
せることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成膜プロセスを含
む工程で製造される薄膜インダクタや薄膜トランスなど
の薄膜磁気素子に係り、特に磁性層を比抵抗の高い磁性
材料を用いて形成することにより、薄膜磁気素子の損失
等価抵抗を低減して薄膜磁気素子の性能係数を向上させ
ることのできる薄膜磁気素子に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯電話に代表される情報通信電子機器
は、小型化軽量化により携帯性及び動作時間の長時間化
の実現により急速に普及している。電子機器の小型化軽
量化に伴い電力供給源である電源の小型化軽量化に対す
る要求も増しており、スイッチング電源のエネルギー蓄
積素子である薄膜インダクタをより小型化する必要が生
じている。
【0003】薄膜インダクタを小型化するためには、鎖
交磁束を増加させる必要があり、薄膜インダクタに高透
磁率の磁性膜を用いている。小型化された薄膜インダク
タの一形態として、コイル層の上下に絶縁層を介して磁
性薄膜を配置する内部コイル型薄膜インダクタが挙げら
れる。詳述すると、内部コイル型薄膜インダクタは、基
板上に第1の磁性層が形成され、第1の磁性層の上に絶
縁層を介してコイル層が形成され、さらに、コイル層の
上に絶縁層を介して、第2の磁性層が形成されて構成さ
れている。ここで、薄膜インダクタのインダクタンスの
値は鎖交磁束数とコイル層の導体長に依存するため、磁
性層のある薄膜インダクタの場合は、鎖交磁束の増加に
より、磁性層のない場合、いわゆる空心コイルと比較し
てコイル層の導体長を短くしても、同等のインダクタン
スが得られることになる。従って薄膜インダクタの小型
化が可能になる。
【0004】特に、前記磁性層の材料として比透磁率の
高い磁性材料を用い、さらに前記磁性層の厚さを厚く形
成すると、よりインダクタンスの大きい薄膜インダクタ
を得ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記コイル層
の上下に前記磁性層を形成すると、インダクタンスは大
きくなるが、前記磁性層内に渦電流が発生する。一般
に、薄膜インダクタの駆動周波数は数MHzという領域
であり、渦電流損失の影響が顕著に現れる。
【0006】薄膜インダクタの性能を示す性能係数Q
は、Q=ωL/Rで表される。ここで、ωは薄膜インダ
クタに与えられる信号の角周波数、Lは薄膜インダクタ
の等価インダクタンス、Rは薄膜インダクタの損失等価
抵抗である。
【0007】従って、前記コイル層の上下に前記磁性層
を形成することによるインダクタンスLの増加率よりも
損失等価抵抗Rの増加率の方が大きくなれば、薄膜イン
ダクタの性能係数Qの値は、空心コイルの性能係数Qよ
りも小さくなってしまう。
【0008】従来の薄膜インダクタでは、前記磁性層
は、比抵抗が約100μΩ・cm程度の磁性材料を用い
て形成されていた。
【0009】比抵抗が約100μΩ・cm程度の磁性材
料を用いて形成された前記磁性層を前記コイル層の上下
に形成した薄膜インダクタでは、前記磁性層における渦
電流損失が大きくなり、薄膜インダクタの損失等価抵抗
Rの増加率がインダクタンスLの増加率を越えてしま
い、結果として、性能係数Qの値が、空心コイルの性能
係数Qの値よりも低くなってしまっていた。
【0010】本発明は、上記従来の課題を解決するため
のものであり、コイル層の上及び/又は下に絶縁層を介
して少なくとも一つの磁性層が形成された薄膜磁気素子
において、性能係数Qを向上させることのできる薄膜磁
気素子を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、コイル層の上
及び/又は下に絶縁層を介して少なくとも一つの磁性層
が形成されて成る薄膜磁気素子において、前記磁性層は
比抵抗が1000μΩ・cm以上の磁性材料を用いて形
成されていることを特徴とするものである。
【0012】前記磁性層内に発生する渦電流による損失
を抑えるためには、前記磁性層を形成するために用いる
磁性材料の比抵抗を大きくすればよい。ただし、一般に
磁性材料の比抵抗を大きくすると、磁性材料の比透磁率
が小さくなり、薄膜磁気素子のインダクタンスが小さく
なってしまう。従って、薄膜磁気素子のインダクタンス
の大きさを十分に大きく保ちつつ、渦電流損失を抑える
ためには、前記磁性材料の比抵抗の大きさをどのように
設定するかが問題になる。
【0013】本発明の発明者は、前記磁性層の材料とし
て比抵抗が1000μΩ・cm以上の磁性材料を用いる
と、渦電流損失を抑えて薄膜磁気素子の損失等価抵抗を
小さくでき、薄膜磁気素子の性能係数を向上させること
ができることを見出した。
【0014】また、本発明では、前記薄膜磁気素子の性
能係数Q=ωL/Rの値が、前記コイル層と同一の材料
によって同一の形状で形成された空心コイルの性能係数
0=ωL0/R0より大きい値を示すようにすることが
できる。
【0015】ただし、ωは薄膜磁気素子または空心コイ
ルに与えられる信号の角周波数、Lは薄膜磁気素子の等
価インダクタンス、L0は空心コイルの等価インダクタ
ンス、Rは薄膜磁気素子の損失等価抵抗、R0は空心コ
イルの損失等価抵抗である。
【0016】従って、本発明の薄膜磁気素子を、スイッ
チング電源などを構成するために用いたときに、回路全
体の効率を向上させることができる。
【0017】また、前記薄膜磁気素子のインダクタンス
を十分大きくするために、前記磁性層の磁化困難軸方向
の比透磁率μ’の値は100以上であることが好まし
い。また、前記磁性層の磁化困難軸方向の比透磁率μ’
の値は300以上であることがより好ましく、さらに好
ましくは600以上である。
【0018】また、前記磁性層が前記コイル層の上下に
絶縁層を介して形成されている構成の薄膜磁気素子であ
ると、前記薄膜磁気素子内で前記コイル層に鎖交する磁
束数が増加し、薄膜磁気素子のインダクタンスを向上さ
せると共に小型化を図ることができる。
【0019】なお、前記磁性層は、以下に示す軟磁性材
料を用いて形成することができる。Fe及び/またはC
oを主体とする微結晶相と、Ti,Zr,Hf,V,N
b,Ta,Mo,W,Al,Si,Cr,P,C,B,
Ga,Geと希土類元素から選ばれる1種または2種以
上の元素Mと、元素O及び/またはNを多量に含むアモ
ルファス相とが混在した構造を有する磁性材料。
【0020】また、前記微結晶相の結晶構造は、bcc
構造、hcp構造、fcc構造のうち1種あるいは2種
以上の混成構造から成ることが好ましく、より好ましく
は、前記微結晶相の結晶構造が、主にbcc構造から成
ることである。また、前記微結晶相の平均結晶粒径は、
30nm以下であることが好ましい。
【0021】なお、この磁性材料は、例えば下記の組成
で形成されている。 (Fe1-aCoaxyzw
【0022】ただし、Mは、Zr,Hf,V,Nb,T
a,Mo,W,Al,Si,Cr,P,C,B,Ga,
Geと希土類元素から選ばれる1種または2種以上の元
素であり、Lは、Pt,Ru,Rh,Pd,Ir,O
s,Sn,Ti,Au,Ag,Cuから選ばれる1種ま
たは2種以上の元素であり、組成比を示すaは、0≦a
≦0.5、x,y,z,wはat%で、5≦y≦30、
0≦z≦20、5≦w≦40、10≦y+z≦40であ
り、残部はxである。
【0023】より好ましくは、前記軟磁性膜の組成比を
示すaは、0≦a≦0.3、x,y,z,wはat%
で、7≦y≦15、0≦z≦5、20≦w≦35であ
り、残部がxである。
【0024】また、前記元素Mは、Zr,Hfのうち一
方あるいは両方を含む元素であることが好ましい。
【0025】さらに、前記軟磁性膜の組成aは0であ
り、組成Zは0at%である、すなわち、前記磁性材料
は、Fe-M-O系の磁性材料であることが好ましい。
【0026】前記磁性材料は下記の組成で形成されてい
てもよい。 (Co1-aaxyzw
【0027】ただし、TはFe,Niのうちどちらか一
方あるいは両方を含む元素であり、Mは、Ti,Zr,
Hf,Nb,Ta,Cr,Mo,Si,P,C,W,
B,Al,Ga,Geと希土類元素から選ばれる1種ま
たは2種以上の元素であり、Lは、Au,Ag,Cu,
Ru,Rh,Os,Ir,Pt,Pdから選ばれる1種
あるいは2種以上の元素であり、組成比を示すaは、0
≦a≦0.7、x,y,z,wはat%で、3≦y≦3
0、0≦z≦20、7≦w≦40、20≦y+z+w≦
60の関係を満足し、残部はxである。
【0028】また、前記軟磁性膜の組成比を示すaは、
0≦a≦0.3、x,y,z,wはat%で、7≦y≦
15、0≦z≦19、20≦w≦35、30≦y+z+
w≦50の関係を満足し、残部はxであることがより好
ましい。
【0029】また、前記元素TはFeであることが好ま
しく、この場合、CoとFeの濃度比は、0.3≦{C
o/(Co+Fe)}≦0.8であることが好ましい。
【0030】さらに本発明では、前述した前記磁性材料
を構成する一元素として、Oの代わりにNが、あるいは
Oと共にNが用いられてもよい。
【0031】
【発明の実施の形態】図1は、本発明における薄膜イン
ダクタ(薄膜磁気素子)の構造を示す部分斜視図、図2
は図1の切断線2−2をa方向から切断した際の部分断
面図である。
【0032】図2に示すように、本発明における薄膜イ
ンダクタ10は、基板上に第1の磁性層11と、前記第
1の磁性層11の上に、例えばSiO2等の絶縁材料で
形成された絶縁層(図示しない)を介して形成されたコ
イル層12と、このコイル層12の上に絶縁層(図示し
ない)を介して形成された第2の磁性層13とを有して
構成されている。なお図1では、コイル層12の上に絶
縁層を介して形成される第2の磁性層13は図面上省略
されている。
【0033】図1に示すように、前記第1の磁性層11
上に形成されるコイル層12は平面的に正方形螺旋状に
形成されており、前記コイル層12は例えば銅などの電
気抵抗の低い導電性材料でパターン形成される。
【0034】図1に示すように前記コイル層12の巻き
中心12aは、例えば第1の磁性層11の中央に開けら
れたスルーホール11aを通って、外部に通じる取り出
し電極(図示しない)に電気的に接続されている。また
図1に示すコイル層12の巻き外端12bも、他の取り
出し電極に電気的に接続された状態になっている。
【0035】本実施の形態では、磁性層11,13を例
えば、組成式が、Fe47.2Hf16.836.0で表される軟
磁性材料を用いて形成することができる。
【0036】組成式が、Fe47.2Hf16.836.0で表さ
れる軟磁性材料を用いて形成された磁性層11、13の
磁気特性を測定すると、静磁場中で400℃のアニール
後の比抵抗は1167μΩ・cmであり、100MHz
までの比透磁率は926、飽和磁化は0.97Tであっ
た。
【0037】また、磁性層11、13は、上記組成式で
表される軟磁性材料のみでなく以下に示す軟磁性材料を
用いて形成することができる。
【0038】Fe及び/またはCoを主体とする微結晶
相と、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,W,
Al,Si,Cr,P,C,B,Ga,Geと希土類元
素から選ばれる1種または2種以上の元素Mと、元素O
及び/またはNを多量に含むアモルファス相とが混在し
た構造を有する磁性材料。
【0039】また、前記微結晶相の結晶構造は、bcc
構造、hcp構造、fcc構造のうち1種あるいは2種
以上の混成構造から成ることが好ましく、より好ましく
は、前記微結晶相の結晶構造が、主にbcc構造から成
ることである。また、前記微結晶相の平均結晶粒径は、
30nm以下であることが好ましい。
【0040】なお、この磁性材料は、例えば下記の組成
で形成されている。 (Fe1-aCoaxyzw
【0041】ただし、Mは、Zr,Hf,V,Nb,T
a,Mo,W,Al,Si,Cr,P,C,B,Ga,
Geと希土類元素から選ばれる1種または2種以上の元
素であり、Lは、Pt,Ru,Rh,Pd,Ir,O
s,Sn,Ti,Au,Ag,Cuから選ばれる1種ま
たは2種以上の元素であり、組成比を示すaは、0≦a
≦0.5、x,y,z,wはat%で、5≦y≦30、
0≦z≦20、5≦w≦40、10≦y+z≦40であ
り、残部はxである。
【0042】より好ましくは、前記軟磁性膜の組成比を
示すaは、0≦a≦0.3、x,y,z,wはat%
で、7≦y≦15、0≦z≦5、20≦w≦35であ
り、残部がxである。
【0043】また、前記元素Mは、Zr,Hfのうち一
方あるいは両方を含む元素であることが好ましい。
【0044】さらに、前記軟磁性膜の組成aは0であ
り、組成Zは0at%である、すなわち、前記磁性材料
は、Fe-M-O系の磁性材料であることが好ましい。
【0045】前記磁性材料は下記の組成で形成されてい
てもよい。 (Co1-aaxyzw
【0046】ただし、TはFe,Niのうちどちらか一
方あるいは両方を含む元素であり、Mは、Ti,Zr,
Hf,Nb,Ta,Cr,Mo,Si,P,C,W,
B,Al,Ga,Geと希土類元素から選ばれる1種ま
たは2種以上の元素であり、Lは、Au,Ag,Cu,
Ru,Rh,Os,Ir,Pt,Pdから選ばれる1種
あるいは2種以上の元素であり、組成比を示すaは、0
≦a≦0.7、x,y,z,wはat%で、3≦y≦3
0、0≦z≦20、7≦w≦40、20≦y+z+w≦
60の関係を満足し、残部はxである。
【0047】また、前記軟磁性膜の組成比を示すaは、
0≦a≦0.3、x,y,z,wはat%で、7≦y≦
15、0≦z≦19、20≦w≦35、30≦y+z+
w≦50の関係を満足し、残部はxであることがより好
ましい。
【0048】また、前記元素TはFeであることが好ま
しく、この場合、CoとFeの濃度比は、0.3≦{C
o/(Co+Fe)}≦0.8であることが好ましい。
【0049】さらに本発明では、前述した前記磁性材料
を構成する一元素として、Oの代わりにNが、あるいは
Oと共にNが用いられてもよい。
【0050】なお本発明では、磁性層11,13を、例
えばマグネトロンスパッタ、RF2極スパッタ、RF3
極スパッタ、イオンビームスパッタ、対向ターゲット式
スパッタ等の既存するスパッタ装置を用いたスパッタ法
によって形成することができる。
【0051】また本発明では、スパッタ法の他、蒸着法
やMBE(モレキュラー−ビーム−エピタキシー)法、
ICB(イオン−クラスター−ビーム)法などの成膜プ
ロセスが使用可能である。
【0052】従って、本実施の形態の薄膜インダクタ1
0は、磁性層11,13を上述したような比透磁率の高
い磁性材料を用いて形成し、さらに、磁性層11,13
の膜厚を大きくして、インダクタンスLを大きくした場
合でも、数MHz帯の駆動周波数領域において渦電流損
失を抑えて薄膜磁気素子の損失等価抵抗Rの増加率を、
インダクタンスLの増加率より小さくすることができ
る。
【0053】従って、ωを薄膜インダクタまたは空心コ
イルに与えられる信号の角周波数、Lを薄膜インダクタ
の等価インダクタンス、L0を空心コイルの等価インダ
クタンス、Rを薄膜インダクタの損失等価抵抗、R0
空心コイルの損失等価抵抗としたとき、薄膜インダクタ
の性能係数Q=ωL/Rの値を、薄膜インダクタ10の
コイル層12と同一の材料によって同一の形状で形成さ
れた空心コイルの性能係数Q0=ωL0/R0より大きい
値を示すようにすることができる。
【0054】また、本発明では、薄膜インダクタの駆動
周波数を2MHz以上、電源用として好ましくは2〜1
0MHzの間に設定しても、磁性層11,13における
渦電流損失及び、薄膜インダクタ10の損失等価抵抗を
抑えることができ、薄膜インダクタ10の性能係数Qを
向上させることができる。
【0055】一般的に、インダクタンスLの値が異なる
薄膜インダクタをスイッチング電源などの用途で用いて
比較した場合、インダクタンスLの値の大きな薄膜イン
ダクタの方が薄膜インダクタ内でのリップル電流が小さ
くなるので電力の充放電に関する損失は低減される。
【0056】一方、インダクタンスLの値が等しく、か
つ性能係数Qの値が異なる薄膜インダクタをスイッチン
グ電源などの用途で用いて比較した場合、性能係数Qの
値が小さくなるほど薄膜インダクタのエネルギーの充放
電に際して発生する損失が大きくなり、回路全体の効率
を低下させる。
【0057】本発明の薄膜磁気素子では、インダクタン
スLを大きくすることと性能係数Qの値を空心コイルの
性能係数Q0よりも大きくすることとの両方を容易に達
成させることができる。
【0058】つまり、本発明の薄膜磁気素子をスイッチ
ング電源等の用途で用いた場合、回路全体として電力の
充放電に関する損失を低減し、かつ回路全体の効率を向
上させることができる。
【0059】
【実施例】図2に示す薄膜インダクタの磁性層11,1
3を形成するために用いた磁性材料の比抵抗並びに磁性
層11,13の磁化困難軸方向の比透磁率及び膜厚を変
化させたときの、薄膜インダクタの等価インダクタンス
L、等価損失抵抗R及び性能係数Qを三次元有限要素法
(FEM)を用いた磁界解析にて計算した。まず実験の
諸条件について以下に説明する。
【0060】薄膜インダクタを構成するコイル層の導体
幅lwを60μm、導体間隔lsを25μm、導体厚tco
を40μm、さらに巻き数を6ターンで形成した。また
磁性層間の間隔tgapを70μmとした。
【0061】磁性層を形成するために用いた磁性材料の
比抵抗を350μΩ・cm、1000μΩ・cm、20
00μΩ・cmと変化させ、それぞれについて、磁性層
の比透磁率がμhard=600かつμeasy=100、μ
hard=900かつμeasy=150、μhard=1200か
つμeasy=200、さらにμhard=1800かつμeasy
=300の場合について計算した。なお、以下の記載に
おいて単に比透磁率としたときには、磁化困難軸方向の
比透磁率μhardを示すこととする。
【0062】さらに、上述の磁性材料を用いて、膜厚t
magが0.0μm、1.0μm、3.0μm、4.5μ
m、6.0μmである磁性層を形成した場合について計
算した。なお、膜厚tmagが0.0μmの磁性層を形成
した場合とは、磁性層がない状態であり、磁心のないコ
イル(以下空心コイルという)の状態(以下空心状態と
いう)となっている。
【0063】また、駆動周波数を5MHzとし、コイル
層に流す励磁電流を0.3A(peakto peak:表記は
(p−p))とした。
【0064】なお、磁性層のオーバーハング量lo(磁
性層の側端部が、コイル層の端部から延出する幅寸法)
は、150μmである。
【0065】図3から図5は、比較例として、比抵抗が
350μΩ・cmである磁性材料によって磁性層が形成
された薄膜インダクタの等価インダクタンスL、損失等
価抵抗R及び性能係数Qを測定した結果を示すグラフで
ある。
【0066】磁性層の比透磁率及び膜厚を大きくするこ
とにより、等価インダクタンスLは大きくなる(図
3)。これは、磁性層の内部の磁束密度が高くなり、コ
イル層に鎖交する磁束数が増加するためである。
【0067】しかし、磁性層の比透磁率及び膜厚を大き
くして磁性層内の磁束密度を高くすると、渦電流損失が
増大し薄膜インダクタの損失等価抵抗Rも増加する(図
4)。
【0068】図5に薄膜インダクタの性能係数Qのグラ
フを示す。磁性材料の比抵抗が350μΩ・cmである
と、性能係数Qは、磁性層の比透磁率が600であり膜
厚が2.3μm以下の場合を除いて、空心状態の性能係
数Q0=10を下回っている。
【0069】なお、性能係数Qは、Q=ωL/Rの値で
ある。ただし、ωは薄膜インダクタに与えられる信号の
角周波数であり本実施例ではω=2π×5(MHz)、
Lは薄膜インダクタの等価インダクタンス、Rは薄膜イ
ンダクタの損失等価抵抗である。
【0070】次に、本発明の実施例として、比抵抗10
00μΩ・cmである磁性材料によって磁性層が形成さ
れた薄膜インダクタの等価インダクタンスL、損失等価
抵抗R及び性能係数Qを測定した結果を示すグラフを図
6から図8に示す。
【0071】磁性層の比透磁率及び膜厚を大きくするこ
とにより、等価インダクタンスLは大きくなる(図
6)。磁性層の比透磁率及び膜厚の増加の度合いに対す
るインダクタンスLの増加の度合いは、図3のグラフと
ほぼ同じである。すなわち、インダクタンスLは、磁性
層の比透磁率及び膜厚の増加にともなって大きくなる
が、磁性層を形成する磁性材料の比抵抗の大きさには依
存しない。
【0072】一方、図7をみると、磁性層の比透磁率及
び膜厚を大きくしたときの、薄膜インダクタの損失等価
抵抗Rの増加率は図4のグラフより小さくなっている。
つまり、磁性層を形成する磁性材料の比抵抗が1000
μΩ・cmであると、磁性層の比透磁率及び膜厚を大き
くして磁性層内の磁束密度を高くした場合でも、渦電流
損失の増大を抑えて、薄膜インダクタの損失等価抵抗R
の増大を抑えることができることがわかる。
【0073】図8は薄膜インダクタの性能係数Qのグラ
フである。図8をみると、磁性材料の比抵抗が1000
μΩ・cmである場合、薄膜磁気素子の性能係数Qの大
きさを空心コイルの性能係数Q0=10より大きくする
ことができることが分かる。
【0074】また、磁性材料の比抵抗が1000μΩ・
cmであるときには、薄膜磁気素子の性能係数Qの大き
さは、比透磁率が小さいほど大きくなることがわかる
が、比透磁率が100以下であると、インダクタンスL
の低下が著しくなる。従って、磁性材料の比透磁率は1
00以上、より好ましくは300以上、さらに好ましく
は600以上にすることが好ましい。
【0075】さらに、本発明の他の実施例として、比抵
抗2000μΩ・cmである磁性材料によって磁性層が
形成された薄膜インダクタの等価インダクタンスL、損
失等価抵抗R及び性能係数Qを測定した結果を示すグラ
フを図9から図11に示す。
【0076】磁性層の比透磁率及び膜厚を大きくするこ
とにより、等価インダクタンスLは大きくなる(図
9)。磁性層の比透磁率及び膜厚の増加の度合いに対す
るインダクタンスLの増加の度合いは、図3及び図6の
グラフとほぼ同じである。すなわち、インダクタンスL
は、磁性層の比透磁率及び膜厚の増加にともなって大き
くなるが、磁性層を形成する磁性材料の比抵抗の大きさ
には依存しない。
【0077】一方、図10をみると、磁性層の比透磁率
及び膜厚を大きくしたときの、薄膜インダクタの損失等
価抵抗Rの増加率は図4及び図7のグラフより小さくな
っている。つまり、磁性層を形成する磁性材料の比抵抗
を大きくして2000μΩ・cmにすると、磁性層の比
透磁率及び膜厚を大きくして磁性層内の磁束密度を高く
した場合、渦電流損失の増大を、磁性層を形成する磁性
材料の比抵抗が1000μΩ・cmのときよりも、抑え
ることができ、薄膜インダクタの損失等価抵抗Rの増大
を抑えることができることがわかる。
【0078】図11は薄膜インダクタの性能係数Qのグ
ラフである。図11をみると、磁性材料の比抵抗が20
00μΩ・cmである場合、薄膜磁気素子の性能係数Q
の大きさを空心コイルの性能係数Q0=10より大きく
することができることがわかる。
【0079】また、図8と図11をみると、所望の比透
磁率と膜厚を有する薄膜磁気素子の磁性層を形成するた
めに用いる磁性材料の比抵抗を1000μΩ・cm以上
に増加させることによって、薄膜磁気素子の性能係数Q
の大きさを空心コイルの性能係数Q0=10より大きく
することができることがわかる。
【0080】図12から図14は、磁性層の比透磁率を
900に固定したときの、磁性層を形成する磁性材料の
比抵抗(抵抗率)と、等価インダクタンスL、損失等価
抵抗R及び性能係数Qとの間の関係を示すグラフであ
る。
【0081】図12をみると、インダクタンスLは、磁
性層を形成する磁性材料の比抵抗の大きさには依存しな
いことがわかる。また、磁性層の膜厚が大きくなるとイ
ンダクタンスLも大きくなる。
【0082】一方、図13をみると、磁性層を形成する
磁性材料の比抵抗が大きくなると、薄膜インダクタの損
失等価抵抗Rは小さくなることがわかる。特に、磁性材
料の比抵抗が1000μΩ・cm以上になると、損失等
価抵抗Rの減少率も小さくなりグラフの形状もほぼ平ら
になる。
【0083】さらに、図14をみると、磁性層を形成す
る磁性材料の比抵抗が大きくなると、薄膜インダクタの
性能係数Qは大きくなることがわかる。図14のグラフ
でも、磁性材料の比抵抗が1000μΩ・cm以上にな
ると、性能係数Qの増加率は小さくなりグラフの形状も
平らに近くなる。また、磁性材料の比抵抗が1000μ
Ω・cm以上であると、磁性層の厚さが6.0μm以下
であれば、性能係数Qは空心状態の性能係数Q0=10
を上回ることがわかる。
【0084】前述のとおり、性能係数QはQ=ωL/R
の値である。ここで、ωは薄膜インダクタに与えられる
信号の角周波数であり本実施例ではω=2π×5(MH
z)、Lは薄膜インダクタの等価インダクタンス、Rは
薄膜インダクタの損失等価抵抗である。
【0085】磁性層の膜厚が一定であれば、薄膜インダ
クタの等価インダクタンスLの値はほぼ一定であるの
で、性能係数Qの値は、薄膜インダクタの損失等価抵抗
Rの値に依存する。損失等価抵抗Rの変化率が磁性材料
の比抵抗1000μΩ・cm以上で変わるために、性能
係数Qの変化率は磁性材料の比抵抗が1000μΩ・c
m以上になると変化するのである。
【0086】なお、薄膜インダクタの損失等価抵抗R
は、コイル層の損失等価抵抗Rcoと磁性層の損失等価抵
抗Rmagの和である。
【0087】図15は、薄膜インダクタの損失等価抵抗
Rから磁性層の損失等価抵抗Rmagを抽出して、磁性層
を形成する磁性材料の比抵抗の大きさとの関係を示した
グラフである。
【0088】磁性材料の比抵抗が1000μΩ・cm以
上になると、磁性層の損失等価抵抗Rmagの減少率も小
さくなりグラフの形状もほぼ平らになる。
【0089】図16は、薄膜インダクタの損失等価抵抗
Rからコイル層の損失等価抵抗Rcoを抽出して、磁性層
を形成する磁性材料の比抵抗の大きさとの関係を示した
グラフである。
【0090】図16から、コイル層の損失等価抵抗Rco
は、磁性層の膜厚が一定であれば、磁性層を形成する磁
性材料の比抵抗の大きさには依存せず一定であることが
わかる。
【0091】磁性層の膜厚が大きくなると、コイル層の
損失等価抵抗Rcoが大きくなるのは、磁性層の膜厚が大
きくなることによって、磁性層内の磁束密度が高くな
り、その結果コイル層に鎖交する磁束(渡り磁束)が増
加するためである。
【0092】図15及び図16から、薄膜インダクタの
磁性層を形成する磁性材料の比抵抗の大きさを変化させ
たときに、薄膜インダクタの損失等価抵抗Rが減少する
のは、コイル層の損失等価抵抗Rcoが減少するためでは
なく、磁性層の損失等価抵抗Rmagが減少するためであ
ることが分かる。
【0093】つまり、磁性層の膜厚が一定であり、薄膜
インダクタの等価インダクタンスLの値がほぼ一定であ
るときには、磁性層を形成するために用いる磁性材料の
比抵抗を大きくすることにより磁性層内の渦電流損失を
抑えることができるために、磁性層の損失等価抵抗Rを
低減し、薄膜インダクタの性能係数Qを向上させること
ができることがわかる。
【0094】なお、図15からは、磁性層の膜厚が大き
いほど磁性層を形成する磁性材料の比抵抗を大きくした
ときの磁性層の損失等価抵抗Rmagの減少率が大きくな
ることがわかる。すなわち、磁性層の膜厚を大きくし
て、薄膜インダクタの等価インダクタンスLを大きくし
た場合に、本発明は特に有効であることがわかる。
【0095】図17から図20は、薄膜インダクタの駆
動周波数を3MHzにして、磁性層を形成するために用
いた磁性材料の比抵抗並びに磁性層の比透磁率及び膜厚
を変化させたときの、薄膜インダクタの性能係数Qを三
次元有限要素法(FEM)による磁界解析にて計算した
結果を示すグラフである。薄膜インダクタの形状や材料
など実験の諸条件は、薄膜インダクタの駆動周波数を5
MHzから3MHzに変更した以外は、上述の条件と同
じである。
【0096】図17から図20は、薄膜インダクタの磁
性層の比透磁率をそれぞれ600、900、1200、
1800に固定したときの、磁性層を形成するために用
いた磁性材料の比抵抗及び磁性層の膜厚と、性能係数Q
との関係を示すグラフである。
【0097】なお、薄膜インダクタの駆動周波数が3M
Hzのとき、空心状態の性能係数Q 0はQ0=6.5であ
る。
【0098】図17から図20のグラフを見ると、磁性
層の比透磁率が600、900、1200、又は180
0のいずれであっても、或いは磁性層の膜厚が1μm、
3μm、4.5μm、又は6μmのいずれであっても、
磁性層を形成するために用いた磁性材料の比抵抗が10
00μΩ・cm以上であるとき、薄膜インダクタの性能
係数Qは空心状態の性能係数Q0=6.5を上回ること
がわかる。
【0099】図21は、組成がFe−Zr−Oである磁
性材料の組成比と比抵抗との関係を示す3元図である。
【0100】図21からOの組成比が大きくなり、Fe
の組成比が小さくなるにつれて、比抵抗ρは大きくなる
ことがわかる。
【0101】特に、Oの含有量がat%で、30%を越
えると比抵抗が1000μΩ・cmを越えることが分か
る。
【0102】実際に薄膜インダクタの磁性層を形成する
ときには、単に比抵抗が高いだけでなく、比透磁率も一
定の値以上、100以上、好ましくは300以上更に好
ましくは600以上であるとよい。
【0103】このような、高い比抵抗と高い比透磁率を
両立し得る磁性材料として、上述のFe47.2Hf16.8
36.0以外に、Fe47.8Hf16.335.9やFe58.2Zr
10.9 30.9などがある。
【0104】また、組成式が、Fe47.8Hf16.335.9
で表される軟磁性材料を用いて形成された磁性層の磁気
特性を測定すると、静磁場中で400℃のアニール後の
比抵抗は1200μΩ・cmであり、100MHzまで
の比透磁率は929、飽和磁化は1.02(T)であっ
た。
【0105】さらに、組成式が、Fe58.2Zr10.9
30.9で表される軟磁性材料を用いて形成された磁性層の
磁気特性を測定すると、静磁場中で400℃のアニール
後の比抵抗は1164μΩ・cmであり、100MHz
までの比透磁率は1032、飽和磁化は1.16(T)
であった。
【0106】以上、本発明の実施の形態及び実施例とし
て薄膜インダクタについて詳述したが、本発明はコイル
層に1次コイルと2次コイルの機能を有する導体を備え
た薄膜トランスのような他の薄膜磁気素子についても適
用できる。
【0107】
【発明の効果】以上詳細に説明した本発明によれば薄膜
磁気素子の磁性層の材料として比抵抗が1000μΩ・
cm以上の磁性材料を用いると、渦電流損失を抑えて薄
膜磁気素子の損失等価抵抗を小さくでき、薄膜磁気素子
の性能係数を向上させることができる。
【0108】また、本発明では、前記薄膜磁気素子の性
能係数Q=ωL/Rの値が、前記コイル層と同一の材料
によって同一の形状で形成された空心コイルの性能係数
0=ωL0/R0より大きい値を示すようにすることが
できる。
【0109】特に、本発明では、前記磁性層の比透磁率
を100以上、好ましくは300以上、さらに好ましく
は600以上にして薄膜インダクタのインダクタンスL
を十分に大きくすることができる。
【0110】従って、本発明の薄膜磁気素子を、スイッ
チング電源などを構成するために用いたときに、回路全
体の効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における薄膜インダクタ(薄膜磁気素
子)の構造を示す部分斜視図、
【図2】図1の切断線2−2をa方向から切断した際の
部分断面図、
【図3】本発明の比較例として、比抵抗が350μΩ・
cmの磁性材料を用いて磁性層が形成された薄膜インダ
クタの磁性層の膜厚及び比透磁率と等価インダクタンス
との関係を示すグラフ、
【図4】本発明の比較例として、比抵抗が350μΩ・
cmの磁性材料を用いて磁性層が形成された薄膜インダ
クタの磁性層の膜厚及び比透磁率と損失等価抵抗との関
係を示すグラフ、
【図5】本発明の比較例として、比抵抗が350μΩ・
cmの磁性材料を用いて磁性層が形成された薄膜インダ
クタの磁性層の膜厚及び比透磁率と性能係数Qとの関係
を示すグラフ、
【図6】本発明の実施例として、比抵抗が1000μΩ
・cmの磁性材料を用いて磁性層が形成された薄膜イン
ダクタの磁性層の膜厚及び比透磁率と等価インダクタン
スとの関係を示すグラフ、
【図7】本発明の実施例として、比抵抗が1000μΩ
・cmの磁性材料を用いて磁性層が形成された薄膜イン
ダクタの磁性層の膜厚及び比透磁率と損失等価抵抗との
関係を示すグラフ、
【図8】本発明の実施例として、比抵抗が1000μΩ
・cmの磁性材料を用いて磁性層が形成された薄膜イン
ダクタの磁性層の膜厚及び比透磁率と性能係数Qとの関
係を示すグラフ、
【図9】本発明の実施例として、比抵抗が2000μΩ
・cmの磁性材料を用いて磁性層が形成された薄膜イン
ダクタの磁性層の膜厚及び比透磁率と等価インダクタン
スとの関係を示すグラフ、
【図10】本発明の実施例として、比抵抗が2000μ
Ω・cmの磁性材料を用いて磁性層が形成された薄膜イ
ンダクタの磁性層の膜厚及び比透磁率と損失等価抵抗と
の関係を示すグラフ、
【図11】本発明の実施例として、比抵抗が2000μ
Ω・cmの磁性材料を用いて磁性層が形成された薄膜イ
ンダクタの磁性層の膜厚及び比透磁率と性能係数Qとの
関係を示すグラフ、
【図12】比透磁率が900の磁性層が形成された薄膜
インダクタの、前記磁性材料の比抵抗及び前記磁性層の
膜厚と、等価インダクタンスとの関係を示すグラフ、
【図13】比透磁率が900の磁性層が形成された薄膜
インダクタの、前記磁性材料の比抵抗及び前記磁性層の
膜厚と、損失等価抵抗との関係を示すグラフ、
【図14】比透磁率が900の磁性層が形成された薄膜
インダクタの、前記磁性材料の比抵抗及び前記磁性層の
膜厚と、性能係数Qとの関係を示すグラフ、
【図15】比透磁率が900の磁性層が形成された薄膜
インダクタの、前記磁性材料の比抵抗及び前記磁性層の
膜厚と、前記磁性層の損失等価抵抗との関係を示すグラ
フ、
【図16】比透磁率が900の磁性層が形成された薄膜
インダクタの、前記磁性材料の比抵抗及び前記磁性層の
膜厚と、薄膜インダクタのコイル層の損失等価抵抗との
関係を示すグラフ、
【図17】薄膜インダクタの駆動周波数を3MHzにし
たときの、磁性層を形成するために用いた磁性材料の比
抵抗及び前記磁性層の膜厚と、性能係数Qとの関係を示
すグラフ、
【図18】薄膜インダクタの駆動周波数を3MHzにし
たときの、磁性層を形成するために用いた磁性材料の比
抵抗及び前記磁性層の膜厚と、性能係数Qとの関係を示
すグラフ、
【図19】薄膜インダクタの駆動周波数を3MHzにし
たときの、磁性層を形成するために用いた磁性材料の比
抵抗及び前記磁性層の膜厚と、性能係数Qとの関係を示
すグラフ、
【図20】薄膜インダクタの駆動周波数を3MHzにし
たときの、磁性層を形成するために用いた磁性材料の比
抵抗及び前記磁性層の膜厚と、性能係数Qとの関係を示
すグラフ、
【図21】組成がFe−Zr−Oである磁性材料の組成
比と比抵抗との関係を示す3元図、
【符号の説明】
10 薄膜インダクタ 11、13 磁性層 12 コイル層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 和志 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 Fターム(参考) 5E049 AB07 BA11 CB01 5E070 AA01 AB06 BA11 CB01 CB12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コイル層の上及び/又は下に絶縁層を介
    して少なくとも一つの磁性層が形成されて成る薄膜磁気
    素子において、前記磁性層は比抵抗が1000μΩ・c
    m以上の磁性材料を用いて形成されていることを特徴と
    する薄膜磁気素子。
  2. 【請求項2】 前記薄膜磁気素子の性能係数Q=ωL/
    Rの値が、前記コイル層と同一の材料によって同一の形
    状で形成された空心コイルの性能係数Q0=ωL0/R0
    より大きい値を示す請求項1に記載の薄膜磁気素子。た
    だし、ωは薄膜磁気素子または空心コイルに与えられる
    信号の角周波数、Lは薄膜磁気素子の等価インダクタン
    ス、L0は空心コイルの等価インダクタンス、Rは薄膜
    磁気素子の損失等価抵抗、R0は空心コイルの損失等価
    抵抗である。
  3. 【請求項3】 前記磁性層の磁化困難軸方向の比透磁率
    μ’の値が100以上である請求項1または2に記載の
    薄膜磁気素子。
  4. 【請求項4】 前記磁性層は、前記コイル層の上下に絶
    縁層を介して形成されている請求項1ないし3のいずれ
    かに記載の薄膜磁気素子。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8284010B2 (en) 2009-08-31 2012-10-09 Murata Manufacturing Co., Ltd. Inductor and DC-DC converter

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US8284010B2 (en) 2009-08-31 2012-10-09 Murata Manufacturing Co., Ltd. Inductor and DC-DC converter

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