JPH10289821A - 高周波帯域用磁気デバイス - Google Patents
高周波帯域用磁気デバイスInfo
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- JPH10289821A JPH10289821A JP9097486A JP9748697A JPH10289821A JP H10289821 A JPH10289821 A JP H10289821A JP 9097486 A JP9097486 A JP 9097486A JP 9748697 A JP9748697 A JP 9748697A JP H10289821 A JPH10289821 A JP H10289821A
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B82—NANOTECHNOLOGY
- B82Y—SPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
- B82Y25/00—Nanomagnetism, e.g. magnetoimpedance, anisotropic magnetoresistance, giant magnetoresistance or tunneling magnetoresistance
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- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
- H01F10/00—Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure
- H01F10/32—Spin-exchange-coupled multilayers, e.g. nanostructured superlattices
- H01F10/324—Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer
- H01F10/3254—Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer the spacer being semiconducting or insulating, e.g. for spin tunnel junction [STJ]
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 100MHz以上の動作周波数で使用される
トランス、インダクタ、磁気ヘッド、ノイズフィルタ素
子などの磁気デバイスに、フェライト系磁性体よりも飽
和磁束密度および透磁率の観点から優れた特性を有する
材料を磁気コアに用いることにより、高周波帯域で使用
し得る小型磁気デバイスを提供する。 【解決手段】 本質的に(Fe1-x Mx )1-y Ny の組
成を有する軟磁性膜を磁気コアに含む高周波帯域用磁気
デバイスとした。ただし、Mは、Zr、Hf、Nbおよ
びTaから選ばれる少なくとも一つの元素であり、0≦
x≦0.16、0.01≦y≦0.17である。
トランス、インダクタ、磁気ヘッド、ノイズフィルタ素
子などの磁気デバイスに、フェライト系磁性体よりも飽
和磁束密度および透磁率の観点から優れた特性を有する
材料を磁気コアに用いることにより、高周波帯域で使用
し得る小型磁気デバイスを提供する。 【解決手段】 本質的に(Fe1-x Mx )1-y Ny の組
成を有する軟磁性膜を磁気コアに含む高周波帯域用磁気
デバイスとした。ただし、Mは、Zr、Hf、Nbおよ
びTaから選ばれる少なくとも一つの元素であり、0≦
x≦0.16、0.01≦y≦0.17である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波帯域用磁気
デバイスに関するものであり、さらに詳しくは、100
MHz以上の高周波帯域に好適に用い得るノイズフィル
タ、薄膜トランス、薄膜インダクタ、薄膜磁気ヘッドな
どの高周波帯域用磁気デバイスに関するものである。
デバイスに関するものであり、さらに詳しくは、100
MHz以上の高周波帯域に好適に用い得るノイズフィル
タ、薄膜トランス、薄膜インダクタ、薄膜磁気ヘッドな
どの高周波帯域用磁気デバイスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、インダクタ、トランス、磁気ヘッ
ド、ノイズを削除するインピーダンス素子などの磁気デ
バイスの小型化・高周波化の要請に伴い、数百MHzか
ら数GHzの高周波帯域において使用可能な磁性材料が
要求されている。これらの磁気デバイスに使用される磁
気コア材料としては、高飽和磁束密度と高透磁率が要求
される。
ド、ノイズを削除するインピーダンス素子などの磁気デ
バイスの小型化・高周波化の要請に伴い、数百MHzか
ら数GHzの高周波帯域において使用可能な磁性材料が
要求されている。これらの磁気デバイスに使用される磁
気コア材料としては、高飽和磁束密度と高透磁率が要求
される。
【0003】ここで、透磁率μは、μ’を実数部分、
μ”を虚数部分として、 μ=μ’−i・μ” と表される。ただし、i=(−1)1/2 である。μ’は
実効的な透磁率、μ”は損失に対応するため、高周波帯
域において使用可能な磁気コア材料としては、高周波帯
域までμ’が高く、μ”が低いことが要求される。
μ”を虚数部分として、 μ=μ’−i・μ” と表される。ただし、i=(−1)1/2 である。μ’は
実効的な透磁率、μ”は損失に対応するため、高周波帯
域において使用可能な磁気コア材料としては、高周波帯
域までμ’が高く、μ”が低いことが要求される。
【0004】また、ここで、渦電流によるμ’、μ”は
それぞれ μ’=(sinhθ+sinθ)・μ/(coshθ−
cosθ)・θ μ”=(sinhθ−sinθ)・μ/(coshθ+
cosθ)・θ θ=2πδ(μf/ρ)1/2 と表される。ただし、δは磁性体の厚み、ρは電気抵抗
率、fは周波数である。
それぞれ μ’=(sinhθ+sinθ)・μ/(coshθ−
cosθ)・θ μ”=(sinhθ−sinθ)・μ/(coshθ+
cosθ)・θ θ=2πδ(μf/ρ)1/2 と表される。ただし、δは磁性体の厚み、ρは電気抵抗
率、fは周波数である。
【0005】これらの式は、電気抵抗率が大きいほど高
周波帯域における透磁率の低下が小さく、磁性体の厚み
が厚いほど高周波帯域における透磁率の減衰が大きくな
ることを意味している。これは、磁性体が厚くなると磁
性体全体に占める表皮深さ(s=δ/θ)の割合が減少
し、厚み全体が磁気回路として有効に動作しなくなるた
めである。
周波帯域における透磁率の低下が小さく、磁性体の厚み
が厚いほど高周波帯域における透磁率の減衰が大きくな
ることを意味している。これは、磁性体が厚くなると磁
性体全体に占める表皮深さ(s=δ/θ)の割合が減少
し、厚み全体が磁気回路として有効に動作しなくなるた
めである。
【0006】従来、高周波磁気デバイス用の磁気コア材
料としては、100MHz以下の周波数帯域において
は、電気抵抗率が高く渦電流損失が問題とならない、N
i−Znフェライト、フェロクスプレーナフェライトな
どのフェライト系磁性体が使用されてきた。
料としては、100MHz以下の周波数帯域において
は、電気抵抗率が高く渦電流損失が問題とならない、N
i−Znフェライト、フェロクスプレーナフェライトな
どのフェライト系磁性体が使用されてきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フェラ
イト系磁性体は、初透磁率が低く、100MHz以上で
はμ’は数十以下であり、また、100MHz以上で
は、μ”の増加が急激に起こるため、100MHz以上
の動作周波数で使用する小型・高周波磁気デバイスの実
現が困難となっていた。
イト系磁性体は、初透磁率が低く、100MHz以上で
はμ’は数十以下であり、また、100MHz以上で
は、μ”の増加が急激に起こるため、100MHz以上
の動作周波数で使用する小型・高周波磁気デバイスの実
現が困難となっていた。
【0008】また、フェライト系磁性体は、飽和磁束密
度が約0.5Tと低いため、磁気ヘッド材料に用いた場
合は、高保磁力媒体に書き込むことが困難であった。特
に、ハードディスク装置などに使用される薄膜磁気ヘッ
ドは、大容量化のために1μm程度の狭トラック化が要
求されており、高周波帯域で駆動させるためには、還流
磁区の発生による透磁率の減少を回避する必要があっ
た。
度が約0.5Tと低いため、磁気ヘッド材料に用いた場
合は、高保磁力媒体に書き込むことが困難であった。特
に、ハードディスク装置などに使用される薄膜磁気ヘッ
ドは、大容量化のために1μm程度の狭トラック化が要
求されており、高周波帯域で駆動させるためには、還流
磁区の発生による透磁率の減少を回避する必要があっ
た。
【0009】また、ノイズフィルタ素子にフェライト系
磁性体を用いた場合、インピーダンスが低く、そのため
に材料の容積が大きくなり、IC基板などへの自動挿着
が困難であるなど大きさから派生する制約があった。
磁性体を用いた場合、インピーダンスが低く、そのため
に材料の容積が大きくなり、IC基板などへの自動挿着
が困難であるなど大きさから派生する制約があった。
【0010】本発明は、かかる事情に鑑み、特に100
MHz以上の動作周波数で好適に使用し得る高周波帯域
用磁気デバイスを提供することを目的とする。
MHz以上の動作周波数で好適に使用し得る高周波帯域
用磁気デバイスを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の高周波帯域用磁気デバイスは、本質的に
(Fe1-x Mx )1-y Ny の組成を有する軟磁性膜を磁
気コアに含むことを特徴とする。ただし、Mは、Zr、
Hf、NbおよびTaから選ばれる少なくとも一つの元
素であり、0≦x≦0.16、0.01≦y≦0.17
である。
に、本発明の高周波帯域用磁気デバイスは、本質的に
(Fe1-x Mx )1-y Ny の組成を有する軟磁性膜を磁
気コアに含むことを特徴とする。ただし、Mは、Zr、
Hf、NbおよびTaから選ばれる少なくとも一つの元
素であり、0≦x≦0.16、0.01≦y≦0.17
である。
【0012】x、yの範囲は、各々、0≦x≦0.1
4、0.02≦y≦0.15であることがさらに好まし
い。
4、0.02≦y≦0.15であることがさらに好まし
い。
【0013】この軟磁性膜は、100MHz以上の高周
波帯域においても高透磁率、高飽和磁束密度を示すた
め、この軟磁性膜を磁気コアに含む磁気デバイスは、数
百MHz以上の高周波帯域においても好適に使用するこ
とができ、小型化の要請に応え得るものとすることがで
きる。
波帯域においても高透磁率、高飽和磁束密度を示すた
め、この軟磁性膜を磁気コアに含む磁気デバイスは、数
百MHz以上の高周波帯域においても好適に使用するこ
とができ、小型化の要請に応え得るものとすることがで
きる。
【0014】前記高周波帯域用磁気デバイスにおいて
は、磁気コアが前記軟磁性膜と非磁性膜とを交互に積層
してなることが好ましい。渦電流損失が低減されるこ
と、軟磁性膜が非磁性膜を介して静磁的に結合すること
などにより、高周波特性がさらに向上するからである。
は、磁気コアが前記軟磁性膜と非磁性膜とを交互に積層
してなることが好ましい。渦電流損失が低減されるこ
と、軟磁性膜が非磁性膜を介して静磁的に結合すること
などにより、高周波特性がさらに向上するからである。
【0015】また、前記高周波帯域用磁気デバイスにお
いては、デバイスが、ノイズフィルタ、薄膜トランス、
薄膜インダクタおよび薄膜磁気ヘッドから選ばれるいず
れか一つであることが好ましい。前記軟磁性膜は、特に
これらデバイスの小型化、高性能化のために好適に使用
し得るからである。
いては、デバイスが、ノイズフィルタ、薄膜トランス、
薄膜インダクタおよび薄膜磁気ヘッドから選ばれるいず
れか一つであることが好ましい。前記軟磁性膜は、特に
これらデバイスの小型化、高性能化のために好適に使用
し得るからである。
【0016】また、前記高周波帯域用磁気デバイスは、
100MHz以上の高周波帯域で使用されることが好ま
しい。このような高周波帯域においても透磁率が高いな
どの前記軟磁性膜の特性が生かされるからである。
100MHz以上の高周波帯域で使用されることが好ま
しい。このような高周波帯域においても透磁率が高いな
どの前記軟磁性膜の特性が生かされるからである。
【0017】また、前記高周波帯域用磁気デバイスにお
いては、前記軟磁性膜が、α−Fe相とFe−N相とを
含むことが好ましく、また、前記軟磁性膜が前記金属M
を含む場合には、α−Fe相とM−N相とを含むことが
好ましい。これら各層の存在は、X線回折分析により確
認することができる。
いては、前記軟磁性膜が、α−Fe相とFe−N相とを
含むことが好ましく、また、前記軟磁性膜が前記金属M
を含む場合には、α−Fe相とM−N相とを含むことが
好ましい。これら各層の存在は、X線回折分析により確
認することができる。
【0018】また、前記高周波帯域用磁気デバイスにお
いては、前記非磁性膜が0.5〜300nmの膜厚を有
することが好ましい。非磁性膜の膜厚が0.5nm未満
の場合は、磁性層間が靜磁的に結合せず、非磁性膜が膜
厚が300nmを超える場合は、多層膜全体に占める磁
性膜の割合が減少し、軟磁性多層膜の飽和磁束密度が低
下するからである。
いては、前記非磁性膜が0.5〜300nmの膜厚を有
することが好ましい。非磁性膜の膜厚が0.5nm未満
の場合は、磁性層間が靜磁的に結合せず、非磁性膜が膜
厚が300nmを超える場合は、多層膜全体に占める磁
性膜の割合が減少し、軟磁性多層膜の飽和磁束密度が低
下するからである。
【0019】さらに、前記高周波帯域用磁気デバイス
は、0.5〜50nmの膜厚を有する非磁性膜と、50
〜300nmの膜厚を有する非磁性膜とを含むことが好
ましい。0.5〜50nm程度の薄い膜厚の非磁性膜
は、高い飽和磁束密度と高い透磁率を稼ぐとともに磁性
層間の靜磁結合を強める働きをし、50〜300nm程
度の厚い膜厚の非磁性膜は、磁性層間の電気的絶縁を確
保して渦電流損失を抑制する役割を果たす。したがっ
て、非磁性膜をこの2種の膜厚を含むものとすることに
より、各非磁性膜の効果の兼ね合いで高飽和磁束密度と
高透磁率を維持した状態で渦電流損失を低減することが
でき、高周波特性を改善することができる。
は、0.5〜50nmの膜厚を有する非磁性膜と、50
〜300nmの膜厚を有する非磁性膜とを含むことが好
ましい。0.5〜50nm程度の薄い膜厚の非磁性膜
は、高い飽和磁束密度と高い透磁率を稼ぐとともに磁性
層間の靜磁結合を強める働きをし、50〜300nm程
度の厚い膜厚の非磁性膜は、磁性層間の電気的絶縁を確
保して渦電流損失を抑制する役割を果たす。したがっ
て、非磁性膜をこの2種の膜厚を含むものとすることに
より、各非磁性膜の効果の兼ね合いで高飽和磁束密度と
高透磁率を維持した状態で渦電流損失を低減することが
でき、高周波特性を改善することができる。
【0020】また、前記高周波帯域用磁気デバイスは、
非磁性膜を介して隣接する少なくとも一対の軟磁性膜の
膜面内における高透磁率を示す方向が相違することが好
ましい。このような構成にすることにより、磁気異方性
を最適化することができるからである。この非磁性膜を
介して隣接する一対の軟磁性膜においては、高透磁率を
示す方向が略直交することが好ましい。
非磁性膜を介して隣接する少なくとも一対の軟磁性膜の
膜面内における高透磁率を示す方向が相違することが好
ましい。このような構成にすることにより、磁気異方性
を最適化することができるからである。この非磁性膜を
介して隣接する一対の軟磁性膜においては、高透磁率を
示す方向が略直交することが好ましい。
【0021】また、前記高周波帯域用磁気デバイスは、
前記軟磁性膜が、Ti、V、Mo、W、Cr、Al、S
i、RuおよびRhから選ばれる少なくとも1つの元素
を0.5〜5原子%含むこととしてもよい。また、この
他の元素が微量含まれていても本発明の目的に反しない
程度であれば差し支えない。
前記軟磁性膜が、Ti、V、Mo、W、Cr、Al、S
i、RuおよびRhから選ばれる少なくとも1つの元素
を0.5〜5原子%含むこととしてもよい。また、この
他の元素が微量含まれていても本発明の目的に反しない
程度であれば差し支えない。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の高周波帯域用磁
気デバイスの磁気コアに用いる軟磁性多層膜の一実施態
様を示す断面図である。この軟磁性多層膜1は、基本的
に、非磁性基体2の表面上に軟磁性膜3と非磁性膜4と
が交互に積層されて構成されている。膜の積層数、各膜
の膜厚は、特に制限されるものではなく、適用されるデ
バイスおよびそのデバイスに要求される特性に応じて適
宜設定される。
気デバイスの磁気コアに用いる軟磁性多層膜の一実施態
様を示す断面図である。この軟磁性多層膜1は、基本的
に、非磁性基体2の表面上に軟磁性膜3と非磁性膜4と
が交互に積層されて構成されている。膜の積層数、各膜
の膜厚は、特に制限されるものではなく、適用されるデ
バイスおよびそのデバイスに要求される特性に応じて適
宜設定される。
【0023】軟磁性多層膜は、図2〜図4に示すよう
に、磁性膜3および/または非磁性膜4の膜厚を異厚に
して構成してもよい。図2は、非磁性膜が,0.5〜5
0nmの膜厚を有する非磁性膜4aと、50〜300n
mの膜厚を有する非磁性膜4bとの2種の膜厚を有する
態様を示したものである。また、図3は、磁性膜の膜厚
が異なる態様を示したものであり、図4は、磁性膜と非
磁性膜の双方がそれぞれ異なる膜厚のものを含む態様を
示したものである。なお、図2〜図4において、a、b
およびcの符号は、これが付された膜の膜厚が同一であ
ることを示すものである。また、これらの態様におい
て、磁性膜の好ましい膜厚は、10〜3000nmであ
る。
に、磁性膜3および/または非磁性膜4の膜厚を異厚に
して構成してもよい。図2は、非磁性膜が,0.5〜5
0nmの膜厚を有する非磁性膜4aと、50〜300n
mの膜厚を有する非磁性膜4bとの2種の膜厚を有する
態様を示したものである。また、図3は、磁性膜の膜厚
が異なる態様を示したものであり、図4は、磁性膜と非
磁性膜の双方がそれぞれ異なる膜厚のものを含む態様を
示したものである。なお、図2〜図4において、a、b
およびcの符号は、これが付された膜の膜厚が同一であ
ることを示すものである。また、これらの態様におい
て、磁性膜の好ましい膜厚は、10〜3000nmであ
る。
【0024】前記組成を有する磁性膜3は、特に制限さ
れるものではないが、窒素を含む雰囲気におけるスパッ
タリング法により形成することができる。具体的には、
アルゴンなどの不活性ガスと窒素とを含む雰囲気下にお
いて、FeターゲットまたはFeと前記Mとの合金から
なるターゲットを用いた高周波スパッタリング法(RF
スパッタリング法)により形成することができる。磁性
膜3に含まれる窒素は、雰囲気中の窒素の分圧を調整す
ることにより、磁性膜に含まれる前記Mは合金組成を調
整することにより、所望の範囲となるように適正化され
得る。一般に、窒素分圧は、5%以下とすることが好ま
しく、4%以下とすることがさらに好ましく、特に、
1.5〜4%の範囲とすることが好ましい。
れるものではないが、窒素を含む雰囲気におけるスパッ
タリング法により形成することができる。具体的には、
アルゴンなどの不活性ガスと窒素とを含む雰囲気下にお
いて、FeターゲットまたはFeと前記Mとの合金から
なるターゲットを用いた高周波スパッタリング法(RF
スパッタリング法)により形成することができる。磁性
膜3に含まれる窒素は、雰囲気中の窒素の分圧を調整す
ることにより、磁性膜に含まれる前記Mは合金組成を調
整することにより、所望の範囲となるように適正化され
得る。一般に、窒素分圧は、5%以下とすることが好ま
しく、4%以下とすることがさらに好ましく、特に、
1.5〜4%の範囲とすることが好ましい。
【0025】ここで、非磁性膜4としては、SiO2 、
Al2O3、AlN、BN、TiN、SiC、Cu、S
i、CもしくはTi、またはTa、Nb、Zrもしくは
Hfの窒化物、酸化物、炭化物などを使用することがで
きる。非磁性膜4は、磁性膜3と同様の高周波スパッタ
リング法などにより、磁性膜3と連続的に形成、積層す
ることが好ましい。
Al2O3、AlN、BN、TiN、SiC、Cu、S
i、CもしくはTi、またはTa、Nb、Zrもしくは
Hfの窒化物、酸化物、炭化物などを使用することがで
きる。非磁性膜4は、磁性膜3と同様の高周波スパッタ
リング法などにより、磁性膜3と連続的に形成、積層す
ることが好ましい。
【0026】次に、前述の軟磁性膜または軟磁性多層膜
を用いた本発明の高周波帯域用磁気デバイスの実施態様
を図を用いて説明する。
を用いた本発明の高周波帯域用磁気デバイスの実施態様
を図を用いて説明する。
【0027】図5は、高周波帯域において好適に用い得
るノイズフィルタの一実施態様を示したものである。こ
のノイズフィルタ10においては、Cu、Alなどの導
体により形成されている複数の棒状導体膜14が、互い
にほぼ等間隔を保つように、SiO2 などの絶縁体13
中に縦横に配列されて複合体を形成しており、この複合
体が、非磁性基体11の表面に形成され、絶縁体13の
下層面に接する下部軟磁性体膜12aと、絶縁体13の
上面と両側面とに接する上部軟磁性体膜12bとによっ
て囲まれている。下部軟磁性体膜12aと上部軟磁性体
膜12bとは、単層の軟磁性膜であっても軟磁性膜と非
磁性膜とが積層されてなる軟磁性多層膜膜であってもよ
い。
るノイズフィルタの一実施態様を示したものである。こ
のノイズフィルタ10においては、Cu、Alなどの導
体により形成されている複数の棒状導体膜14が、互い
にほぼ等間隔を保つように、SiO2 などの絶縁体13
中に縦横に配列されて複合体を形成しており、この複合
体が、非磁性基体11の表面に形成され、絶縁体13の
下層面に接する下部軟磁性体膜12aと、絶縁体13の
上面と両側面とに接する上部軟磁性体膜12bとによっ
て囲まれている。下部軟磁性体膜12aと上部軟磁性体
膜12bとは、単層の軟磁性膜であっても軟磁性膜と非
磁性膜とが積層されてなる軟磁性多層膜膜であってもよ
い。
【0028】図6〜図9は、ノイズフィルタの別の実施
態様を示したものである。図6は、一本の導体24を含
むノイズフィルタ20を示したものである。図7〜図9
に示されたノイズフィルタも導体は一本とされている
が、図7のノイズフィルタ30は、さらに上部軟磁性体
膜32bが絶縁体33の上面に接するように形成されて
いて側方は絶縁体33が露出している。同様に、図8の
ノイズフィルタ40は、上部軟磁性体膜42bが絶縁体
43の側方にも設けられているが棒状導体膜44の延伸
方向に垂直な方向に分断されていて分断された部分では
絶縁体43の上面および側面が露出している。図9のノ
イズフィルタ50は、図7に示したノイズフィルタ30
が図8のノイズフィルタ40のように上部軟磁性体膜5
2bが分断された形態を示すものである。
態様を示したものである。図6は、一本の導体24を含
むノイズフィルタ20を示したものである。図7〜図9
に示されたノイズフィルタも導体は一本とされている
が、図7のノイズフィルタ30は、さらに上部軟磁性体
膜32bが絶縁体33の上面に接するように形成されて
いて側方は絶縁体33が露出している。同様に、図8の
ノイズフィルタ40は、上部軟磁性体膜42bが絶縁体
43の側方にも設けられているが棒状導体膜44の延伸
方向に垂直な方向に分断されていて分断された部分では
絶縁体43の上面および側面が露出している。図9のノ
イズフィルタ50は、図7に示したノイズフィルタ30
が図8のノイズフィルタ40のように上部軟磁性体膜5
2bが分断された形態を示すものである。
【0029】このように、本発明の一実施態様であるノ
イズフィルタは、棒状の導体膜と、この導体を被覆する
絶縁体と、この絶縁体を挟持するように絶縁体表面の一
部または全部を囲むように配置された軟磁性膜を含み、
この軟磁性膜は、本質的に(Fe1-x Mx )1-y Ny の
組成を有することが好ましい。
イズフィルタは、棒状の導体膜と、この導体を被覆する
絶縁体と、この絶縁体を挟持するように絶縁体表面の一
部または全部を囲むように配置された軟磁性膜を含み、
この軟磁性膜は、本質的に(Fe1-x Mx )1-y Ny の
組成を有することが好ましい。
【0030】この軟磁性膜は、ノイズフィルタの磁気コ
アを形成するものであって、前述のように、単層であっ
ても積層構造を有していてもよい。また、M、xおよび
yについては、前記と同様である。
アを形成するものであって、前述のように、単層であっ
ても積層構造を有していてもよい。また、M、xおよび
yについては、前記と同様である。
【0031】このノイズフィルタには、フェライト系磁
性体を軟磁性体膜として用いた場合よりも低容積化でき
るという利点がある。
性体を軟磁性体膜として用いた場合よりも低容積化でき
るという利点がある。
【0032】なお、このノイズフィルタは、図10に示
すように、複数個を縦横に配列した態様で用いてもよ
い。
すように、複数個を縦横に配列した態様で用いてもよ
い。
【0033】図11は、高周波帯域において好適に用い
得る薄膜トランスの一実施態様を示したものである。こ
の薄膜トランス60は、ガラス、Siウェハーなどの非
磁性基体61の表面の一部に、順に、下部軟磁性体膜6
2、絶縁体膜63、二次コイル64、絶縁体膜63、一
次コイル65、絶縁体膜63、導体66、絶縁体膜6
3、上部軟磁性体膜68が形成された積層構造を有して
いる。この積層構造は、上部軟磁性体膜68によりほぼ
被覆されており、上部軟磁性体膜68と非磁性体基板6
1との間からは、端子67が外に延伸している。なお、
二次コイル64、一次コイル65および導体66はCu
などからなり、絶縁体膜63はSiO2 などからなる。
また、図11に簡略化して示したように、一次コイル6
5と二次コイル64とは、水平方向(積層面と平行方
向)に捲回するように構成されており、その捲回比は所
定の比率となるように設定されている。
得る薄膜トランスの一実施態様を示したものである。こ
の薄膜トランス60は、ガラス、Siウェハーなどの非
磁性基体61の表面の一部に、順に、下部軟磁性体膜6
2、絶縁体膜63、二次コイル64、絶縁体膜63、一
次コイル65、絶縁体膜63、導体66、絶縁体膜6
3、上部軟磁性体膜68が形成された積層構造を有して
いる。この積層構造は、上部軟磁性体膜68によりほぼ
被覆されており、上部軟磁性体膜68と非磁性体基板6
1との間からは、端子67が外に延伸している。なお、
二次コイル64、一次コイル65および導体66はCu
などからなり、絶縁体膜63はSiO2 などからなる。
また、図11に簡略化して示したように、一次コイル6
5と二次コイル64とは、水平方向(積層面と平行方
向)に捲回するように構成されており、その捲回比は所
定の比率となるように設定されている。
【0034】このように、本発明の一実施態様である薄
膜トランスは、絶縁体膜を介して積層された積層面方向
に捲回する一次コイルおよび二次コイルと、これらコイ
ルを絶縁体薄膜を介して挟持するように配置された軟磁
性膜とを有し、この軟磁性膜は、本質的に(Fe1-x M
x )1-y Ny の組成を有することが好ましい。
膜トランスは、絶縁体膜を介して積層された積層面方向
に捲回する一次コイルおよび二次コイルと、これらコイ
ルを絶縁体薄膜を介して挟持するように配置された軟磁
性膜とを有し、この軟磁性膜は、本質的に(Fe1-x M
x )1-y Ny の組成を有することが好ましい。
【0035】この軟磁性膜は、薄膜トランスの磁気コア
を形成するものであって、前述のように、単層であって
も積層構造を有していてもよい。また、M、xおよびy
については、前記と同様である。
を形成するものであって、前述のように、単層であって
も積層構造を有していてもよい。また、M、xおよびy
については、前記と同様である。
【0036】図12および図13は、高周波帯域におい
て好適に用い得る薄膜インダクタの一実施態様を示した
ものである。この薄膜インダクタ70は、Siチップ搭
載型マイクロリアクトルにおけるSiチップ上の薄膜イ
ンダクタであって、図12はその平面図であり、図13
は図12の薄膜インダクタのa−a’の断面を示した図
である。この薄膜インダクタ70は、ICパッケージ7
1上のSiチップ75の上に、順に、SiO2 膜76、
下部軟磁性体膜72、SiO2 などの絶縁体膜73、C
uまたはAlなどの積層面方向に捲回したパターンを有
する導体膜74、上部軟磁性体膜78が形成された積層
構造を有している。
て好適に用い得る薄膜インダクタの一実施態様を示した
ものである。この薄膜インダクタ70は、Siチップ搭
載型マイクロリアクトルにおけるSiチップ上の薄膜イ
ンダクタであって、図12はその平面図であり、図13
は図12の薄膜インダクタのa−a’の断面を示した図
である。この薄膜インダクタ70は、ICパッケージ7
1上のSiチップ75の上に、順に、SiO2 膜76、
下部軟磁性体膜72、SiO2 などの絶縁体膜73、C
uまたはAlなどの積層面方向に捲回したパターンを有
する導体膜74、上部軟磁性体膜78が形成された積層
構造を有している。
【0037】このように、本発明の一実施態様である薄
膜インダクタは、積層面方向に捲回する薄膜コイルと、
これを挟持するように配置された軟磁性膜とを含む積層
構造を有し、この軟磁性膜は、本質的に(Fe
1-x Mx )1-y Ny の組成を有することが好ましい。
膜インダクタは、積層面方向に捲回する薄膜コイルと、
これを挟持するように配置された軟磁性膜とを含む積層
構造を有し、この軟磁性膜は、本質的に(Fe
1-x Mx )1-y Ny の組成を有することが好ましい。
【0038】この軟磁性膜は、薄膜インダクタの磁気コ
アを形成するものであって、前述のように、単層であっ
ても積層構造を有していてもよい。また、M、xおよび
yについては、前記と同様である。
アを形成するものであって、前述のように、単層であっ
ても積層構造を有していてもよい。また、M、xおよび
yについては、前記と同様である。
【0039】図14および図15は、高周波帯域におい
て好適に用い得る薄膜磁気ヘッドの一実施態様を示した
ものであって、図14はその平面図であり、図15は、
図14に示した薄膜磁気ヘッドのa−a’の断面を示す
図である。この薄膜磁気ヘッド80は、Al2O3−Ti
Cなどの絶縁基板81の表面に、順に、下部軟磁性体膜
82、Al2O3、SiO2 などからなるギャップ層8
5、SiO2 などの絶縁体層83、銅などからなるコイ
ル層84、上部軟磁性体膜88、Al2O3などからなる
保護層86を形成したものである。
て好適に用い得る薄膜磁気ヘッドの一実施態様を示した
ものであって、図14はその平面図であり、図15は、
図14に示した薄膜磁気ヘッドのa−a’の断面を示す
図である。この薄膜磁気ヘッド80は、Al2O3−Ti
Cなどの絶縁基板81の表面に、順に、下部軟磁性体膜
82、Al2O3、SiO2 などからなるギャップ層8
5、SiO2 などの絶縁体層83、銅などからなるコイ
ル層84、上部軟磁性体膜88、Al2O3などからなる
保護層86を形成したものである。
【0040】また、図16は、薄膜磁気ヘッドの別の実
施態様を示したものである。この薄膜磁気ヘッド90
は、下部軟磁性体膜92と磁気シールドコア層97との
間に、絶縁体層を挟み込み、この絶縁体層の一部に磁気
抵抗効果素子99が挟持されている点において、図15
に示した薄膜磁気ヘッド80と相違する。この薄膜磁気
ヘッド90は、シールド型の磁気抵抗効果型ヘッド(以
下、「MRヘッド」という。)を再生専用ヘッドとして
搭載した実施態様であって、下部軟磁性体膜92と磁気
シールドコア97とによって、磁気抵抗効果素子39を
磁気シールドすることとしている。磁気抵抗効果素子3
9は、パーマロイ薄膜や、CoO/NiFe/Cu/N
iFeなどの巨大磁気抵抗素子からなる。なお、ここで
は、シールド型のMRヘッドについて説明したが、ヨー
ク型のMRヘッドであってもよい。
施態様を示したものである。この薄膜磁気ヘッド90
は、下部軟磁性体膜92と磁気シールドコア層97との
間に、絶縁体層を挟み込み、この絶縁体層の一部に磁気
抵抗効果素子99が挟持されている点において、図15
に示した薄膜磁気ヘッド80と相違する。この薄膜磁気
ヘッド90は、シールド型の磁気抵抗効果型ヘッド(以
下、「MRヘッド」という。)を再生専用ヘッドとして
搭載した実施態様であって、下部軟磁性体膜92と磁気
シールドコア97とによって、磁気抵抗効果素子39を
磁気シールドすることとしている。磁気抵抗効果素子3
9は、パーマロイ薄膜や、CoO/NiFe/Cu/N
iFeなどの巨大磁気抵抗素子からなる。なお、ここで
は、シールド型のMRヘッドについて説明したが、ヨー
ク型のMRヘッドであってもよい。
【0041】このように、本発明の一実施態様である薄
膜磁気ヘッドは、積層面方向に捲回する薄膜コイルと、
絶縁体層を介してこの薄膜コイルを挟持するように配置
された軟磁性膜とを有し、この軟磁性膜は、本質的に
(Fe1-x Mx )1-y Ny の組成を有することが好まし
い。
膜磁気ヘッドは、積層面方向に捲回する薄膜コイルと、
絶縁体層を介してこの薄膜コイルを挟持するように配置
された軟磁性膜とを有し、この軟磁性膜は、本質的に
(Fe1-x Mx )1-y Ny の組成を有することが好まし
い。
【0042】この軟磁性膜は、薄膜磁気ヘッドの磁気コ
アを形成するものであって、前述のように、単層であっ
ても積層構造を有していてもよい。また、M、xおよび
yについては、前記と同様である。
アを形成するものであって、前述のように、単層であっ
ても積層構造を有していてもよい。また、M、xおよび
yについては、前記と同様である。
【0043】
(実施例1)RF2極スパッタ装置を用いて、純鉄をタ
ーゲットにして、Arガス中にN2ガスを導入した反応
性スパッタリング法により、非磁性セラミックス基板上
に、窒素分圧比(窒素分圧対全圧比)を変化させ、膜厚
2μmのFe−N系軟磁性膜を作製した。作製した膜
は、真空中で300℃の温度で1時間の熱処理を行っ
た。
ーゲットにして、Arガス中にN2ガスを導入した反応
性スパッタリング法により、非磁性セラミックス基板上
に、窒素分圧比(窒素分圧対全圧比)を変化させ、膜厚
2μmのFe−N系軟磁性膜を作製した。作製した膜
は、真空中で300℃の温度で1時間の熱処理を行っ
た。
【0044】図17に窒素分圧比を0〜5%の範囲で変
化させて作製したFe−N系薄膜の熱処理後のX線回折
図を示す。図17に示すように、窒素分圧比が0%(窒
素無添加)で作製された純鉄はα−Feの単相である
が、ArとN2 の混合ガス中で作製されたFe−N系薄
膜はα−Fe相とFe−N相の共存状態であることがわ
かる。また、窒素分圧比が増加して膜中窒素含有量が増
加するとともに、γ’−Fe4N のX線回折強度が強く
なり、α−FeのX線回折強度が弱くなっていることが
わかる。
化させて作製したFe−N系薄膜の熱処理後のX線回折
図を示す。図17に示すように、窒素分圧比が0%(窒
素無添加)で作製された純鉄はα−Feの単相である
が、ArとN2 の混合ガス中で作製されたFe−N系薄
膜はα−Fe相とFe−N相の共存状態であることがわ
かる。また、窒素分圧比が増加して膜中窒素含有量が増
加するとともに、γ’−Fe4N のX線回折強度が強く
なり、α−FeのX線回折強度が弱くなっていることが
わかる。
【0045】図18に窒素分圧比を0〜5%の範囲で変
化させて作製したFe−N系薄膜の熱処理後のFe−N
系薄膜の窒素分圧比と飽和磁束密度との関係を示す。図
18に示すように、窒素分圧比が3.3%以下で作製さ
れたFe−N系薄膜は飽和磁束密度が約2T以上と大き
な値を示すが、窒素分圧比が3.3%よりも大きくなる
と、飽和磁束密度の値が減少していることが分かる。
化させて作製したFe−N系薄膜の熱処理後のFe−N
系薄膜の窒素分圧比と飽和磁束密度との関係を示す。図
18に示すように、窒素分圧比が3.3%以下で作製さ
れたFe−N系薄膜は飽和磁束密度が約2T以上と大き
な値を示すが、窒素分圧比が3.3%よりも大きくなる
と、飽和磁束密度の値が減少していることが分かる。
【0046】図19に窒素分圧比を0〜5%の範囲で変
化させて作製したFe−N系薄膜の300℃、1時間熱
処理後のFe−N系薄膜の窒素分圧比と保磁力との関係
を示す。図19に示すように、窒素分圧比が0%(窒素
無添加)で作製された純鉄、および窒素分圧比が5%程
度の条件で作製されたFe−N系薄膜は保磁力が大きく
軟磁性が損なわれれているが、窒素分圧比が1.5〜4
%程度の条件で作製されたFe−N系薄膜は保磁力が1
00A/m以下の良好な軟磁気特性を示すことがわか
る。
化させて作製したFe−N系薄膜の300℃、1時間熱
処理後のFe−N系薄膜の窒素分圧比と保磁力との関係
を示す。図19に示すように、窒素分圧比が0%(窒素
無添加)で作製された純鉄、および窒素分圧比が5%程
度の条件で作製されたFe−N系薄膜は保磁力が大きく
軟磁性が損なわれれているが、窒素分圧比が1.5〜4
%程度の条件で作製されたFe−N系薄膜は保磁力が1
00A/m以下の良好な軟磁気特性を示すことがわか
る。
【0047】図20に窒素分圧比を2.5%として作製
したFe−N系薄膜(Fe96.5原子%、N3.5原
子%)の10MHz〜500MHzの高周波帯域で測定
した磁化困難軸方向の透磁率の周波数特性を示す。この
測定は、1ターンコイル法により行った。また、このF
e−N系薄膜の飽和磁束密度は2Tで保持力は35A/
mであった。図10に示すように、α−Fe相とFe−
N相の共存状態にあるこのFe−N系薄膜は、膜厚を2
μmと厚くしても、100MHz〜500MHzの高周
波帯域で100以上のμ’を示すことがわかる。
したFe−N系薄膜(Fe96.5原子%、N3.5原
子%)の10MHz〜500MHzの高周波帯域で測定
した磁化困難軸方向の透磁率の周波数特性を示す。この
測定は、1ターンコイル法により行った。また、このF
e−N系薄膜の飽和磁束密度は2Tで保持力は35A/
mであった。図10に示すように、α−Fe相とFe−
N相の共存状態にあるこのFe−N系薄膜は、膜厚を2
μmと厚くしても、100MHz〜500MHzの高周
波帯域で100以上のμ’を示すことがわかる。
【0048】(実施例2)純鉄に代えてFe−Hf(F
e88原子%、Hf12原子%)の合金ターゲットを用
いたことを除いては実施例1と同様にして、厚さ2μm
のFe−Hf−N系薄膜を作製した。このときの窒素分
圧比は2.5%とした。作製した膜は、実施例1と同
様、真空中、300℃で1時間の熱処理を行った。膜の
組成は、Hfが8.8原子%、Nが13.5原子%、残
余がFeであり、α−Fe相とHf−N相の共存状態に
ある薄膜で、飽和磁束密度は1.5Tであった。
e88原子%、Hf12原子%)の合金ターゲットを用
いたことを除いては実施例1と同様にして、厚さ2μm
のFe−Hf−N系薄膜を作製した。このときの窒素分
圧比は2.5%とした。作製した膜は、実施例1と同
様、真空中、300℃で1時間の熱処理を行った。膜の
組成は、Hfが8.8原子%、Nが13.5原子%、残
余がFeであり、α−Fe相とHf−N相の共存状態に
ある薄膜で、飽和磁束密度は1.5Tであった。
【0049】図21に、このFe−Hf−N系薄膜の1
0MHz〜500MHzの高周波帯域において、磁化困
難軸方向で測定した透磁率の周波数特性を示す。図21
に示すように、α−Fe相とHf−N相の共存状態にあ
るこのFe−Hf−N系薄膜は、膜厚を2μmと厚くし
ても、100MHz〜500MHzの高周波帯域で10
0以上のμ’を示すことがわかる。
0MHz〜500MHzの高周波帯域において、磁化困
難軸方向で測定した透磁率の周波数特性を示す。図21
に示すように、α−Fe相とHf−N相の共存状態にあ
るこのFe−Hf−N系薄膜は、膜厚を2μmと厚くし
ても、100MHz〜500MHzの高周波帯域で10
0以上のμ’を示すことがわかる。
【0050】なお、本実施例においては、Fe−N系軟
磁性膜およびFe−Hf−N系軟磁性膜の場合について
説明したが、Fe−M−N系軟磁性膜(ただし、Mは、
Zr、NbおよびTaから選ばれる少なくとも1種以上
の元素)においても、同様に高周波帯域で優れた高透磁
率が得られる。
磁性膜およびFe−Hf−N系軟磁性膜の場合について
説明したが、Fe−M−N系軟磁性膜(ただし、Mは、
Zr、NbおよびTaから選ばれる少なくとも1種以上
の元素)においても、同様に高周波帯域で優れた高透磁
率が得られる。
【0051】また、本実施例で説明した、Fe−N系軟
磁性膜またはFe−M−N系軟磁性膜に、Ti、V、M
o、W、Cr、Al、Si、RuおよびRhから選ばれ
る少なくとも1種の元素を、0.5〜5原子%の範囲で
添加した軟磁性膜としてもよい。
磁性膜またはFe−M−N系軟磁性膜に、Ti、V、M
o、W、Cr、Al、Si、RuおよびRhから選ばれ
る少なくとも1種の元素を、0.5〜5原子%の範囲で
添加した軟磁性膜としてもよい。
【0052】(実施例3)基板にRFバイアスを印加し
ながら成膜できる方式のRFスパッタ装置を用いて、F
e−Ta(Fe87原子%、Ta13原子%)の合金タ
ーゲットとSiO 2 のターゲットを用い、非磁性基板上
に、反応性スパッタリング法により、図1に示した構成
と同様の膜構成となるように、軟磁性膜3としてFe−
Ta−N系軟磁性膜層(膜厚:0.4μm)を、非磁性
膜4としてSiO2 薄膜層(膜厚:5nm)を交互に6
層ずつ積層することにより、Fe−Ta−N/SiO2
軟磁性多層膜を作製した。作製した膜は、真空中、55
0℃で1時間の熱処理を行った。Fe−Ta−N系軟磁
性膜の組成は、Taが10.5原子%、Nが14原子
%、残余がFeであり、α−Fe相とTa−N相とが共
存している薄膜で、飽和磁束密度は1.6Tであった。
ながら成膜できる方式のRFスパッタ装置を用いて、F
e−Ta(Fe87原子%、Ta13原子%)の合金タ
ーゲットとSiO 2 のターゲットを用い、非磁性基板上
に、反応性スパッタリング法により、図1に示した構成
と同様の膜構成となるように、軟磁性膜3としてFe−
Ta−N系軟磁性膜層(膜厚:0.4μm)を、非磁性
膜4としてSiO2 薄膜層(膜厚:5nm)を交互に6
層ずつ積層することにより、Fe−Ta−N/SiO2
軟磁性多層膜を作製した。作製した膜は、真空中、55
0℃で1時間の熱処理を行った。Fe−Ta−N系軟磁
性膜の組成は、Taが10.5原子%、Nが14原子
%、残余がFeであり、α−Fe相とTa−N相とが共
存している薄膜で、飽和磁束密度は1.6Tであった。
【0053】図22に無バイアスで作製した上述のFe
−Ta−N/SiO2 軟磁性多層膜について、10MH
z〜500MHzの高周波帯域において磁化困難軸方向
および磁化容易軸方向で測定した透磁率の周波数特性を
示す。図22に示すように無バイアスで作製したFe−
Ta−N/SiO2 軟磁性多層膜は一軸異方性を有する
が、磁化困難軸方向では200MHzの高周波帯域で1
00以上のμ’が得られることがわかる。
−Ta−N/SiO2 軟磁性多層膜について、10MH
z〜500MHzの高周波帯域において磁化困難軸方向
および磁化容易軸方向で測定した透磁率の周波数特性を
示す。図22に示すように無バイアスで作製したFe−
Ta−N/SiO2 軟磁性多層膜は一軸異方性を有する
が、磁化困難軸方向では200MHzの高周波帯域で1
00以上のμ’が得られることがわかる。
【0054】(実施例4)基板にRFバイアスを印加し
ながらFe−Ta−N系軟磁性膜を作製することによ
り、一軸異方性の方向と大きさを変化させることが可能
であり、その一軸異方性の方向と大きさは、基板に印加
するRFバイアスの大きさで変化させることができる。
ながらFe−Ta−N系軟磁性膜を作製することによ
り、一軸異方性の方向と大きさを変化させることが可能
であり、その一軸異方性の方向と大きさは、基板に印加
するRFバイアスの大きさで変化させることができる。
【0055】実施例3において作製したFe−Ta−N
/SiO2 軟磁性多層膜において、Fe−Ta−N系軟
磁性膜として、無バイアスで作製したFe−Ta−N系
軟磁性薄膜と、一軸異方性の方向を90°回転させる大
きさのRFバイアスを印加して作製したFe−Ta−N
系軟磁性薄膜とを交互に用いることとした以外は、実施
例3と同様にして、Fe−Ta−N/SiO2 軟磁性多
層膜を作製した。作製した膜は、実施例3と同様、真空
中、550℃で1時間の熱処理を行った。Fe−Ta−
N系軟磁性膜の組成は、Taが10.5原子%、Nが1
4原子%、残余がFeであり、α−Fe相とTa−N相
とが共存している薄膜で、飽和磁束密度は1.6Tであ
った。
/SiO2 軟磁性多層膜において、Fe−Ta−N系軟
磁性膜として、無バイアスで作製したFe−Ta−N系
軟磁性薄膜と、一軸異方性の方向を90°回転させる大
きさのRFバイアスを印加して作製したFe−Ta−N
系軟磁性薄膜とを交互に用いることとした以外は、実施
例3と同様にして、Fe−Ta−N/SiO2 軟磁性多
層膜を作製した。作製した膜は、実施例3と同様、真空
中、550℃で1時間の熱処理を行った。Fe−Ta−
N系軟磁性膜の組成は、Taが10.5原子%、Nが1
4原子%、残余がFeであり、α−Fe相とTa−N相
とが共存している薄膜で、飽和磁束密度は1.6Tであ
った。
【0056】図23にこのFe−Ta−N/SiO2 軟
磁性多層膜について、10MHz〜500MHzの高周
波帯域において磁化困難軸方向および磁化容易軸方向で
測定した透磁率の周波数特性を示す。図23に示すよう
に、このFe−Ta−N/SiO2 軟磁性多層膜は、等
方的な高透磁率を示し、磁化困難軸方向、磁化容易軸方
向ともに、200MHzの高周波帯域で100以上の
μ’が得られることがわかる。
磁性多層膜について、10MHz〜500MHzの高周
波帯域において磁化困難軸方向および磁化容易軸方向で
測定した透磁率の周波数特性を示す。図23に示すよう
に、このFe−Ta−N/SiO2 軟磁性多層膜は、等
方的な高透磁率を示し、磁化困難軸方向、磁化容易軸方
向ともに、200MHzの高周波帯域で100以上の
μ’が得られることがわかる。
【0057】このように、非磁性膜を介して隣り合う軟
磁性膜を作製する際に異なった大きさのバイアス(無バ
イアスも含む)を印加することにより、少なくとも一対
の非磁性膜を介して隣接する軟磁性膜の膜面内における
高透磁率を示す方向が相違する軟磁性多層膜とすること
ができる。この軟磁性多層膜は、各種高周波帯域用磁気
デバイスの磁気コアに要求される磁気異方性を最適なも
のに調整することができる。
磁性膜を作製する際に異なった大きさのバイアス(無バ
イアスも含む)を印加することにより、少なくとも一対
の非磁性膜を介して隣接する軟磁性膜の膜面内における
高透磁率を示す方向が相違する軟磁性多層膜とすること
ができる。この軟磁性多層膜は、各種高周波帯域用磁気
デバイスの磁気コアに要求される磁気異方性を最適なも
のに調整することができる。
【0058】なお、本実施例では、磁性膜の高透磁率を
示す方向を変化させる手段として基板へのバイアス印加
を行ったが、これに代えて、斜め蒸着などの方法を用い
て同様の効果を得ることとしてもよい。
示す方向を変化させる手段として基板へのバイアス印加
を行ったが、これに代えて、斜め蒸着などの方法を用い
て同様の効果を得ることとしてもよい。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高周波帯域用磁気デバイスにおいて、本質的に、(Fe
1-x Mx )1-y Ny (ただし、Mは、Zr、Hf、Nb
およびTaから選ばれる少なくとも一つの元素であり、
0≦x≦0.16、0.01≦y≦0.17である。)
の組成を有する軟磁性膜を磁気コアに含むこととするこ
とにより、この軟磁性膜が有する高周波帯域における磁
気特性を生かした優れた高周波帯域用磁気デバイスを提
供することができる。
高周波帯域用磁気デバイスにおいて、本質的に、(Fe
1-x Mx )1-y Ny (ただし、Mは、Zr、Hf、Nb
およびTaから選ばれる少なくとも一つの元素であり、
0≦x≦0.16、0.01≦y≦0.17である。)
の組成を有する軟磁性膜を磁気コアに含むこととするこ
とにより、この軟磁性膜が有する高周波帯域における磁
気特性を生かした優れた高周波帯域用磁気デバイスを提
供することができる。
【図1】 軟磁性多層膜の一実施態様(第1の実施態
様)を示す断面図である。
様)を示す断面図である。
【図2】 軟磁性多層膜の別の実施態様(第2の実施態
様)を示す断面図である。
様)を示す断面図である。
【図3】 軟磁性多層膜の別の実施態様(第3の実施態
様)を示す断面図である。
様)を示す断面図である。
【図4】 軟磁性多層膜の別の実施態様(第4の実施態
様)を示す断面図である。
様)を示す断面図である。
【図5】 ノイズフィルタの一実施態様(第1の実施態
様)を示す斜視図である。
様)を示す斜視図である。
【図6】 ノイズフィルタの別の実施態様(第2の実施
態様)を示す斜視図である。
態様)を示す斜視図である。
【図7】 ノイズフィルタの別の実施態様(第3の実施
態様)を示す斜視図である。
態様)を示す斜視図である。
【図8】 ノイズフィルタの別の実施態様(第4の実施
態様)を示す斜視図である。
態様)を示す斜視図である。
【図9】 ノイズフィルタの別の実施態様(第5の実施
態様)を示す斜視図である。
態様)を示す斜視図である。
【図10】 図5に示したノイズフィルタの使用状態の
一例を示す斜視図である。
一例を示す斜視図である。
【図11】 薄膜トランスの一実施態様を示す斜視図で
ある。
ある。
【図12】 薄膜インダクタの一実施態様を示す斜視図
である。
である。
【図13】 図12に示した薄膜インダクタの部分断面
図である。
図である。
【図14】 薄膜磁気ヘッドの一実施態様を示す平面図
である。
である。
【図15】 図14に示した薄膜磁気ヘッドの部分断面
図である。
図である。
【図16】 薄膜磁気ヘッドの別の実施態様の部分断面
図である。
図である。
【図17】 本発明の実施例で窒素分圧比を変化させて
作製したFe−N系軟磁性膜のX線回折図である。
作製したFe−N系軟磁性膜のX線回折図である。
【図18】 本発明の実施例で作製したFe−N系軟磁
性膜の窒素分圧比と飽和磁束密度の関係を示す図であ
る。
性膜の窒素分圧比と飽和磁束密度の関係を示す図であ
る。
【図19】 本発明の実施例で作製したFe−N系軟磁
性膜の窒素分圧比と保磁力の関係を示す図である。
性膜の窒素分圧比と保磁力の関係を示す図である。
【図20】 本発明の実施例で窒素分圧比を2.5%と
して作製したFe−N系軟磁性膜の透磁率の高周波帯域
における周波数特性を示す図である。
して作製したFe−N系軟磁性膜の透磁率の高周波帯域
における周波数特性を示す図である。
【図21】 本発明の実施例で窒素分圧比を2.5%と
して作製したFe−Hf−N系軟磁性膜の高周波帯域に
おける透磁率の周波数特性を示す図である。
して作製したFe−Hf−N系軟磁性膜の高周波帯域に
おける透磁率の周波数特性を示す図である。
【図22】 本発明の実施例で無バイアスで成膜したF
e−Ta−N系軟磁性膜とSiO2 非磁性膜とを交互に
積層して作製した軟磁性多層膜の高周波帯域における磁
化困難軸方向の透磁率の周波数特性を示す図である。
e−Ta−N系軟磁性膜とSiO2 非磁性膜とを交互に
積層して作製した軟磁性多層膜の高周波帯域における磁
化困難軸方向の透磁率の周波数特性を示す図である。
【図23】 本発明の実施例で無バイアスで成膜したF
e−Ta−N系軟磁性膜とSiO2 非磁性膜とを交互に
積層して作製した軟磁性多層膜の高周波帯域における磁
化容易軸方向の透磁率の周波数特性を示す図である。
e−Ta−N系軟磁性膜とSiO2 非磁性膜とを交互に
積層して作製した軟磁性多層膜の高周波帯域における磁
化容易軸方向の透磁率の周波数特性を示す図である。
【図24】 本発明の実施例でRFバイアスを印加しな
がら成膜したFe−Ta−N系軟磁性膜とSiO2 非磁
性膜とを交互に積層して作製した軟磁性多層膜の高周波
帯域における磁化困難軸方向の透磁率の周波数特性を示
す図である。
がら成膜したFe−Ta−N系軟磁性膜とSiO2 非磁
性膜とを交互に積層して作製した軟磁性多層膜の高周波
帯域における磁化困難軸方向の透磁率の周波数特性を示
す図である。
【図25】 本発明の実施例でRFバイアスを印加しな
がら成膜したFe−Ta−N系軟磁性膜とSiO2 非磁
性膜とを交互に積層して作製した軟磁性多層膜の高周波
帯域における磁化容易軸方向の透磁率の周波数特性を示
す図である。
がら成膜したFe−Ta−N系軟磁性膜とSiO2 非磁
性膜とを交互に積層して作製した軟磁性多層膜の高周波
帯域における磁化容易軸方向の透磁率の周波数特性を示
す図である。
1、6、7、8 軟磁性多層膜 2、11 非磁性体基板 3 軟磁性膜 4 非磁性膜 10、20、30、40、50 ノイズフィ
ルタ 12a、22a、32a、42a、52a 下部軟磁性
体膜 12b、22b、32b、42b、52b 上部軟磁性
体膜 14、24、34、44、54 棒状導体膜 60 薄膜トランス 62 下部軟磁性体膜 64 一次コイル 65 二次コイル 68 上部軟磁性体膜 70 薄膜インダクタ 72 下部軟磁性体膜 74 薄膜コイル 78 上部軟磁性体膜 80、90 薄膜磁気ヘッド 82、92 下部軟磁性体膜 84、94 薄膜コイル 85 ギャップ層 88、98 上部軟磁性体膜 97 磁気シールドコア層 99 磁気抵抗効果素子
ルタ 12a、22a、32a、42a、52a 下部軟磁性
体膜 12b、22b、32b、42b、52b 上部軟磁性
体膜 14、24、34、44、54 棒状導体膜 60 薄膜トランス 62 下部軟磁性体膜 64 一次コイル 65 二次コイル 68 上部軟磁性体膜 70 薄膜インダクタ 72 下部軟磁性体膜 74 薄膜コイル 78 上部軟磁性体膜 80、90 薄膜磁気ヘッド 82、92 下部軟磁性体膜 84、94 薄膜コイル 85 ギャップ層 88、98 上部軟磁性体膜 97 磁気シールドコア層 99 磁気抵抗効果素子
Claims (10)
- 【請求項1】 本質的に(Fe1-x Mx )1-y Ny の組
成を有する軟磁性膜を磁気コアに含む高周波帯域用磁気
デバイス。ただし、Mは、Zr、Hf、NbおよびTa
から選ばれる少なくとも一つの元素であり、0≦x≦
0.16、0.01≦y≦0.17である。 - 【請求項2】 磁気コアが前記軟磁性膜と非磁性膜とを
交互に積層してなる請求項1に記載の高周波帯域用磁気
デバイス。 - 【請求項3】 デバイスが、ノイズフィルタ、薄膜トラ
ンス、薄膜インダクタおよび薄膜磁気ヘッドから選ばれ
るいずれか一つである請求項1または2に記載の高周波
帯域用磁気デバイス。 - 【請求項4】 100MHz以上の高周波帯域で使用さ
れる請求項1〜3のいずれかに記載の高周波帯域用磁気
デバイス。 - 【請求項5】 前記軟磁性膜が、α−Fe相とFe−N
相とを含む請求項1〜4のいずれかに記載の高周波帯域
用磁気デバイス。 - 【請求項6】 前記軟磁性膜が、α−Fe相とM−N相
とを含む請求項1〜4のいずれかに記載の高周波帯域用
磁気デバイス。 - 【請求項7】 前記非磁性膜が0.5〜300nmの膜
厚を有する請求項2〜6のいずれかに記載の高周波帯域
用磁気デバイス。 - 【請求項8】 0.5〜50nmの膜厚を有する非磁性
膜と、50〜300nmの膜厚を有する非磁性膜とを含
む請求項7に記載の高周波帯域用磁気デバイス。 - 【請求項9】 非磁性膜を介して隣接する少なくとも一
対の軟磁性膜の膜面内における高透磁率を示す方向が相
違する請求項2〜8のいずれかに記載の高周波帯域用磁
気デバイス。 - 【請求項10】 前記軟磁性膜が、Ti、V、Mo、
W、Cr、Al、Si、RuおよびRhから選ばれる少
なくとも1つの元素を0.5〜5原子%含む請求項1〜
9のいずれかに記載の高周波帯域用磁気デバイス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9097486A JPH10289821A (ja) | 1997-04-15 | 1997-04-15 | 高周波帯域用磁気デバイス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9097486A JPH10289821A (ja) | 1997-04-15 | 1997-04-15 | 高周波帯域用磁気デバイス |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10289821A true JPH10289821A (ja) | 1998-10-27 |
Family
ID=14193613
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9097486A Pending JPH10289821A (ja) | 1997-04-15 | 1997-04-15 | 高周波帯域用磁気デバイス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10289821A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005116666A (ja) * | 2003-10-06 | 2005-04-28 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 磁性素子 |
JP2007006466A (ja) * | 2005-05-27 | 2007-01-11 | Commissariat A L'energie Atomique | 電磁ノイズをフィルタするための集積型マイクロエレクトロニクス構成要素、およびそれを備える無線周波数伝送回路 |
KR100998962B1 (ko) * | 2003-07-21 | 2010-12-09 | 매그나칩 반도체 유한회사 | 코어부를 삽입한 인덕터 제조방법 |
CN109075210A (zh) * | 2016-09-14 | 2018-12-21 | Tdk株式会社 | 磁阻效应装置以及磁阻效应模块 |
CN112216469A (zh) * | 2019-07-12 | 2021-01-12 | 株式会社村田制作所 | 磁性层叠体和含其的磁性结构体、含该层叠体或结构体的电子部件和磁性层叠体的制造方法 |
-
1997
- 1997-04-15 JP JP9097486A patent/JPH10289821A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100998962B1 (ko) * | 2003-07-21 | 2010-12-09 | 매그나칩 반도체 유한회사 | 코어부를 삽입한 인덕터 제조방법 |
JP2005116666A (ja) * | 2003-10-06 | 2005-04-28 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 磁性素子 |
JP2007006466A (ja) * | 2005-05-27 | 2007-01-11 | Commissariat A L'energie Atomique | 電磁ノイズをフィルタするための集積型マイクロエレクトロニクス構成要素、およびそれを備える無線周波数伝送回路 |
CN109075210A (zh) * | 2016-09-14 | 2018-12-21 | Tdk株式会社 | 磁阻效应装置以及磁阻效应模块 |
CN112216469A (zh) * | 2019-07-12 | 2021-01-12 | 株式会社村田制作所 | 磁性层叠体和含其的磁性结构体、含该层叠体或结构体的电子部件和磁性层叠体的制造方法 |
CN112216469B (zh) * | 2019-07-12 | 2023-01-17 | 株式会社村田制作所 | 磁性层叠体和含其的磁性结构体、含该层叠体或结构体的电子部件和磁性层叠体的制造方法 |
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