JP2000252121A - 高周波用Co基金属アモルファス磁性膜とそれを用いた磁気素子、インダクタ、トランス - Google Patents

高周波用Co基金属アモルファス磁性膜とそれを用いた磁気素子、インダクタ、トランス

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JP2000252121A
JP2000252121A JP11051889A JP5188999A JP2000252121A JP 2000252121 A JP2000252121 A JP 2000252121A JP 11051889 A JP11051889 A JP 11051889A JP 5188999 A JP5188999 A JP 5188999A JP 2000252121 A JP2000252121 A JP 2000252121A
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magnetic film
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Kazusato Igarashi
一聡 五十嵐
Takao Mizushima
隆夫 水嶋
Teruhiro Makino
彰宏 牧野
Akihisa Inoue
明久 井上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高周波用などの磁性材料として数100MH
z以上の周波数帯域、特に1GHz以上の高周波帯域で
透磁率が高く、製造が容易な金属アモルファス磁性膜を
提供すること、およびそれを用いた磁気素子、インダク
タ、トランスの提供。 【解決手段】 Coを主成分とし、Feと、Zr,H
f,Nb,Mo,Ta,W,V,Tiから選択される1
種または2種以上の元素を含む非晶質相を主体としてな
り、周波数100MHzでの複素透磁率の実数部が30
0以上で、かつ虚数部が20以下であり、周波数1GH
zでの複素透磁率の実数部が300以上で、かつ虚数部
が200以下を示すことを特徴とする高周波用Co基金
属アモルファス磁性膜4。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、数100MHz以
上の周波数帯域、特に1GHz以上の高周波帯域で高い
透磁率を示し、低損失の高周波用Co基金属アモルファ
ス磁性膜とそれを用いた磁気素子、インダクタ、トラン
スに関する。
【0002】
【従来の技術】磁気素子の小型化、高性能化に伴い、高
い飽和磁束密度を有する上に、数100MHz以上の周
波数帯域における透磁率が高く、高い比抵抗を有するも
のが求められている。従来、高い飽和磁束密度をもつ磁
性材料としてFeあるいはFeを主成分とする非晶質合
金が多く知られている。また、軟磁気特性が優れた材料
としてCo系非晶質合金が知られている。ところが、上
記のFe系非晶質合金の磁性膜をスパッタ法などの成膜
技術により作製すると、飽和磁束密度は高いものの、保
磁力が大きく、また比抵抗が小さくなってしまい良好な
軟磁気特性を得ることは困難であった。また、高周波数
における透磁率低下の原因の一つに渦電流の発生による
損失がある。この高周波における透磁率の低下の一因で
ある渦電流損失を防ぐために、薄膜化および薄膜の高抵
抗化を図ることが望まれている。
【0003】しかしながら、磁気特性を保ったまま比抵
抗を高めることは非常に難しく、センダスト等の合金系
の軟磁性薄膜の比抵抗は、数十〜百数十μΩ・cm程度と
小さく、少なくとも0.5T以上の飽和磁束密度を確保
しながら比抵抗を高めた軟磁性合金が求められている。
また、合金を薄膜として得る場合には、磁歪の発生など
の影響により良好な軟磁気特性を得ることはさらに困難
である。また、上記のFe系やCo系の非晶質合金は、
スパッタ法などにより製造できるため、製造が容易であ
るが、高周波帯域での損失が大きいため単層で用いるこ
とができないため、該非晶質合金薄膜と絶縁薄膜とを交
互に積層した多層構造にすることにより、高周波帯域で
の損失を低減しているが、この方法では磁気素子の厚み
が厚くなってしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような背景から本
発明者らは、Fe-M-O系(ただし元素Mは、IVA、
VA族元素、あるいは希土類元素のうちの少なくとも1
種またはそれらの混合物を示し、50≦Fe≦70、5
≦M≦30、10≦O≦30の組成を有する)の酸化物
ナノ結晶磁性膜を開発し、特開平6―316748号明
細書において特許出願している。この系の酸化物ナノ結
晶磁性膜によれば、比抵抗が高い(215.3〜133
709μΩ・cm)ので高周波領域における渦電流損失
が少なく、高周波領域において高い透磁率を得ることが
でき、飽和磁束密度が0.5T(テスラ)以上の高い値
(0.7〜1.5T前後)を得ることができ、保磁力も低
い(0.8〜4.0 Oe)ものであった。
【0005】ところが、一般的に透磁率を表すには、複
素透磁率の実数部(μ’)と虚数部(μ'')の2つの値
があり、トランス、インダクタやアンテナの用途には実
数部の値が高く、虚数部の値は低いことが望まれるが、
Fe-M-O系の軟磁性合金薄膜にあっては数百MHz以
上の高周波帯域では複素透磁率の実数部(μ’)の値を
高い値にすることができるものの、複素透磁率の虚数部
が実数部の値を超えるように大きくなり、(複素透磁率
の実数部)/(複素透磁率の虚数部)の値、即ち、
(μ’)/(μ'')で表される性能係数(Q)の値が1
を下回るようになり、損失が大きくなる問題がある。上
記Qは、磁心材の損失特性を示すものであり、この値が
大きいほど、高周波用材料として優れるということがで
きる。また、上記の酸化物ナノ結晶磁性膜においては、
製造時に磁性膜中に酸素を添加するので通常は反応性ス
パッタを採用するため、特性の再現性が難しく、製造が
困難で、得られる磁気素子の特性にバラツキが生じてし
まうという問題があった。
【0006】これに対して、通信関係の分野などにおい
ては、パーソナルハンディフォン(PHS)などの移動
体通信端末機器の高周波化が急速に進展しており、GH
z帯域がより一層利用される傾向にある。また、現在の
ところ部品として空芯のインダクタが利用されている
が、占有面積が大きく、磁性薄膜をコアに用いることに
よって小型化する要求があり、また、将来的にはさらに
高いQ値を持つ材料に対する要求が高まっていくと考え
られる。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、高周波用などの磁性材料として数100MHz以上
の周波数帯域、特に1GHz以上の高周波帯域で透磁率
が高く、製造が容易な金属アモルファス磁性膜を提供す
ること、およびそれを用いた磁気素子、インダクタ、ト
ランスを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、Coを主成分
とし、Feと、Zr,Hf,Nb,Mo,Ta,W,
V,Tiから選択される1種または2種以上の元素を含
む非晶質相を主体としてなり、周波数100MHzでの
複素透磁率の実数部が300以上で、かつ虚数部が20
以下であり、周波数1GHzでの複素透磁率の実数部が
300以上で、かつ虚数部が200以下を示すことを特
徴とする高周波用Co基金属アモルファス磁性膜を上記
課題の解決手段とした。
【0009】本発明は、上記高周波用Co基金属アモル
ファス磁性膜を下記の組成からなるものとしたものであ
る。 Co100-x-y-zFexyz ただし、MはZr,Hf,Nb,Mo,Ta,W,V,
Tiから選択される1種または2種以上の元素であり、
QはB,P,Cから選択される1種または2種以上の元
素であり、組成比を示すx,y,zはat%で、x≦2
0、5≦y≦20、z≦12の関係を満足する。本発明
は、上記組成において、前記組成比x,y,zはat%
で、5≦x≦10、10≦y≦20、z≦7とすること
が好ましい。
【0010】本発明は、上記高周波用Co基金属アモル
ファス磁性膜を単層膜としたものであってもよい。ま
た、本発明は、上記のいずれかに記載の高周波用Co基
金属アモルファス磁性膜を有することを特徴とする磁気
素子を上記課題の解決手段とした。また、本発明は、上
記のいずれかに記載の高周波用Co基金属アモルファス
磁性膜から磁心が構成されてなることを特徴とする平面
型磁気素子を上記課題の解決手段とした。また、本発明
は、上記の平面型磁気素子を用いたインダクタを上記課
題の解決手段とした。また、本発明は、上記の平面型磁
気素子を用いたトランスを上記課題の解決手段とした。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明についてさらに詳細
に説明する。本発明の高周波用Co基金属アモルファス
磁性膜(以下、高周波用アモルファス磁性膜と略す)
は、Coを主成分とし、Feと、Zr,Hf,Nb,M
o,Ta,W,V,Tiから選択される1種または2種
以上の元素Mを含む非晶質相を主体としてなり、周波数
100MHzでの複素透磁率の実数部が300以上で、
かつ虚数部が20以下であり、周波数1GHzでの複素
透磁率の実数部が300以上で、かつ虚数部が200以
下を示すものである。
【0012】本発明の高周波用アモルファス磁性膜膜
は、下記の組成式で示すことができる。 Co
100-x-y-zFexyz ただし、MはZr,Hf,Nb,Mo,Ta,W,V,
Tiから選択される1種または2種以上の元素であり、
QはB,P,Cから選択される1種または2種以上の元
素であり、組成比を示すx,y,zはat%で、x≦2
0、5≦y≦20、z≦12の関係を満足する。上記C
100-x-y-zFexyzなる組成式において、Coの組
成比を示す100−x−y−zは、at%で、48≦1
00−x−y−z≦95とすることが好ましい。上記C
100-x-y-zFexyzなる組成式において、上記組成
比x,y,zはat%で、5≦x≦10、10≦y≦2
0、z≦7とすることが好ましい。
【0013】本発明の高周波用アモルファス磁性膜にお
いて、Coは磁性を担う元素である。特に高飽和磁束密
度を得るためには、Coの含有量は多いほど好ましい
が、Coを少なくし過ぎると飽和磁束密度が小さくなっ
てしまう。次に、Feは、磁性を担う元素であるが、F
eの含有量の増加に伴って飽和磁化(Is)が増加して
複素透磁率の実数部(μ’)を上げることができるが、
Feの過剰な置換は結晶化を招くため、Feの含有量は
20at%以下が良い。Feの含有量が増加すると、こ
れに伴って異方性磁界(Hk)が小さくなり、共鳴周波
数が下がり、複素透磁率の実数部(μ”)が増加するた
め、Feの含有量としては、5at%以上10at%以
下が好ましい。
【0014】上記元素Mは、非晶質相(アモルファス
相)を形成するために必要なものである。また、元素M
は、比抵抗(ρ)並びに異方性磁界(Hk)を大きく
し、共鳴周波数を上げて高周波におけるμ”を小さくす
るが、多すぎると飽和磁化が低下し、これに伴ってμ’
が低下するため、元素Mの含有量は、5at%以上20
at%以下が良く、好ましくは10at%以上20at
%以下が良い。上記元素Mの含有量を上述した本願発明
の範囲とするならば、比抵抗(ρ)を高め並びに異方性
磁界(Hk)を大きくすることでμ”を小さくし、渦電
流損失を低減することができ、高周波帯域での複素透磁
率の実数部(μ’)の低下を抑制でき、高周波特性を改
善できる。なお、上記の元素Mのなかでも特にHfには
磁歪を抑制する作用があるものと考えられる。また、上
記の元素Mのなかでも特にZrとTaの複合添加が好ま
しい。Co−Zr系では飽和磁化を高くすることができ
るが、正磁歪が発生してしまう。上記元素MとしてZr
とTaの複合添加とすることで、零磁歪とし、かつ比抵
抗を高くすることができる。
【0015】上記元素Qは、アモルファスを安定化する
ため、磁場中熱処理を行うことで、高周波特性を向上さ
せるのに有効であるが、一方、この元素Qの添加は、飽
和磁化(Is)を小さくし、μ’を劣化させるので、1
2at%以下が良く、好ましくは2at%以上7at%
以下が良い。なお、元素Qは、必ずしも添加されていな
くてもよい。
【0016】本発明の高周波用アモルファス磁性膜を作
製するには、合金膜をスパッタ、蒸着等の薄膜形成技術
により作成する。スパッタ装置としてはRF2極スパッ
タ、DCスパッタ、マグネトロンスパッタ、3極スパッ
タ、イオンビームスパッタ、対向ターゲット式スパッタ
等の既存のものを使用することができる。また、Coの
ターゲット上にFe、Zr等の元素Mまたはこれらの元
素に加えてBなどの元素Qの各種ペレットを配置した複
合ターゲットを用いてAr等の不活性ガス中で製作する
こともできる。また、本発明の高周波用金属アモルファ
ス磁性膜を製造するに際して、Co、Feと、上記元素
Mと、上記元素Qの添加量を本発明の範囲内で変更し、
さらに、上記元素Mと上記元素Qについては、選択する
元素を本発明の範囲内で変更することにより、飽和磁化
(Is)、比抵抗(ρ)、異方性磁界(Hk)を制御し
て、単層であっても高周波用などの磁性材料として数1
00MHz以上の周波数帯域、特に1GHz以上の高周
波帯域で透磁率が高いものが得られる。
【0017】また、本発明の高周波用金属アモルファス
磁性膜は、スパッタ法により、上述のような高周波特性
が優れた磁性膜を再現性良く製造できるので、製造が容
易である。また、本発明の高周波用金属アモルファス磁
性膜は、単層であっても、上述のように高周波特性が優
れているので、本発明の金属アモルファス磁性膜を用い
て磁気素子を作製すると、厚みの薄い磁気素子を提供で
きる。なお、本発明の高周波用金属アモルファス磁性膜
は、単層に限らず、多層のものであってもよい。
【0018】次に、本発明の平面型磁気素子をインダク
タに適用した第1の実施形態を示す。 図1、図2は、
本発明の高周波用金属アモルファス磁性膜を用いて作成
された平面型磁気素子(インダクタ)の第1の実施形態
を示す図である。第1の実施形態のインダクタBにおい
ては、基板1aの両面にスパイラル状の平面コイル2、
2が形成され、各コイル2、2と基板面を覆って絶縁膜
3が設けられ、各絶縁膜3の上に本発明の高周波用金属
アモルファス磁性膜4が被覆され、基板1aの中央部分
に形成したスルーホール5を介してコイル2、2の中心
部分が電気的に接続されている。また、基板1aの両面
のコイル2、2からそれぞれ端子6が基板1aの外方に
出されている。この構成のインダクタBにおいては、平
面コイル2、2をそれぞれ絶縁膜3を介して磁性膜4、
4で挟むことにより、端子6、6間にインダクタが構成
されるようになっている。
【0019】前記基板1aは、セラミック材料からなる
基板、Siウェハの基板あるいは樹脂基板などからな
る。セラミック材料で基板1aを構成する場合は、アル
ミナ、ジルコニア、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニ
ウム、ステアタイト、ムライト、コージライト、フォル
ステライト、スピネルなどの各種のものを適宜選択して
用いることができるが、熱膨張率をSiの熱膨張率に近
づけるために、熱電導率が大きく、曲げ強度も大きい窒
化アルミニウムなどを用いることが好ましい。
【0020】平面コイル2は、銅、銀、金、アルミニウ
ムあるいはこれらの合金などの良導電性金属材料からな
り、インダクタンス、直流重畳特性、サイズ等に応じ
て、電気的に直列に、縦にあるいは横に絶縁膜を介して
適宜配置することができる。更に、平面コイル2は、導
電層を基板上に形成後、フォトエッチングすることによ
り各種の形状に作成できる。導電層の製膜方法として
は、プレス圧着、メッキ、金属溶射、真空蒸着、スパッ
タリング、イオンプレーティング、スクリーン印刷焼成
法等の適宜の方法を用いれば良い。
【0021】絶縁膜3は、平面コイル2への通電時にお
いて、磁性膜4と導通してショートすることを防止する
ために設けられている。絶縁膜3は、ポリイミド等の高
分子フィルム、SiO2、ガラス、硬質炭素膜等の無機
質膜からなるものを用いることが好ましい。この絶縁膜
3は、ペースト印刷後に焼成する方法、溶融メッキ法、
溶射、気相メッキ、真空蒸着、スパッタリング、イオン
プレーティングなどの方法により形成される。高周波用
金属アモルファス磁性膜4は、先に説明した組成から構
成されている。ここでの高周波用金属アモルファス磁性
膜4の厚みとしては、0.5〜10μm程度、好ましく
は1〜5μm程度とされる。本発明の高周波用金属アモ
ルファス磁性膜4は、高周波特性に優れているので、単
層で厚く成膜しても損失を少なくすることができる。
【0022】上記の如く構成されたインダクタBは、小
型かつ薄型で軽量であり、優れた高周波特性を有する高
周波用金属アモルファス磁性膜4を有しているので、平
面型磁気素子の小型軽量化に寄与するとともに、数10
0MHz以上の周波数帯域、特に1GHz以上の高周波
帯域で優れたインダクタンスを示す。なお、第1の実施
形態では、インダクタについて説明したが、平面コイル
2を並列的に複数設けることでトランスを構成できる。
【0023】次に、本発明の平面型磁気素子をインダク
タに適用した第2の実施形態を示す。 図3は、本発明
の高周波用金属アモルファス磁性膜を用いて作成された
平面型磁気素子(インダクタ)の第2の実施形態を示す
図である。この第2の実施形態のインダクタCにおいて
は、基板10の上に酸化膜11と本発明の高周波用金属
アモルファス磁性膜12と絶縁膜13とが順次積層さ
れ、絶縁膜13上に平面コイル14が形成され、平面コ
イル14と絶縁膜13を覆って絶縁膜15が形成され、
絶縁膜15上に本発明の高周波用金属アモルファス磁性
膜16が形成されている。
【0024】基板10は先の例の基板1aと同等の材料
からなり、高周波用金属アモルファス磁性膜12,16
は、先の例の磁性膜4と同等の材料からなり、絶縁膜1
3は先の例の絶縁膜3と同等の材料からなる。酸化膜1
1は、基板10に例えばSiウェハの基板を用いた場合
に、Siウェハを加熱して熱酸化することにより形成で
きる。ただし、この酸化膜11は必須のものではなく、
省略しても差し支えない。第2の実施形態のインダクタ
Cにおいても先に説明した例のインダクタBと同様に、
数100MHz以上の周波数帯域、特に1GHz以上の
高周波帯域で優れたインダクタンスを示し、小型かつ軽
量であり、平面型磁気素子の小型軽量化に寄与する。ま
た、上述した例においては、平面型磁気素子(インダク
タ)の例を示したが、平面コイルを2つ有する構成とし
たトランスとして用いることも可能である。
【0025】
【実施例】(1)成膜 高周波スパッタ装置を用いて、Coターゲット上に本発
明のFe、元素M、またはこれらの元素に加えて元素Q
などの各元素の各種ペレットを配置した複合ターゲット
を用い、Arガス雰囲気中で、かつ膜面内に一方向磁場
8kA/mを印加した状態でスパッタを行い、膜厚が約
1μmの合金膜(単層膜)を作製した。ここでの膜厚
は、スパッタ時間をコントロールすることにより調整し
た。主なスパッタ条件を以下に示す。 予備排気:1×10-6Torr以下 高周波電力:200W Arガス圧:6mTorr 基板:ガラス基板(間接水冷)
【0026】(試験1)種々のFeの組成比率における
Co−Fe−Zr−Ta系の合金膜の成膜直後(as−
depo.)の組織の状態をX線回折により調べた。そ
の結果を図4に示す。図4は、Co88-xFexZr2Ta
10(x=20,25)で示される合金膜におけるX線回
折の結果を示すグラフである。図4に示した結果からC
63Fe25Zr2Ta10膜は、2θ=53゜付近に結晶
の析出を示すピークが観察され、結晶相とアモルファス
相からなることがわかる。これに対してFeの含有量を
減らしたCo68Fe20Zr2Ta10膜の回折線は、ブロ
ードであり、アモルファス相からなることがわかる。こ
れらのことから、Co88-xFexZr2Ta10で示される
合金膜では、Feの含有量を20at%以下とすれば、
アモルファス状態の合金膜が得られることがわかる。
【0027】次に、成膜直後(as−depo.)のC
88-xFexZr2Ta10で示される合金膜について、1
GHzにおける複素透磁率の実数部(μ’)と虚数部
(μ”)のFe含有量依存性を調べた。その結果を図5
に示す。また、Co88-xFexZ r2Ta10で示される
合金膜について、飽和磁化(Is )のFe含有量依存性
を 調べた。その結果を図6に示す。なお、ここでのF
eの含有量は、結晶が析出しない20at%以下の範囲
とした。
【0028】図5に示した結果からCo88-xFexZr2
Ta10で示される合金膜においてCoをFeで置換する
とき、1GHzにおけるμ’については、Feの含有量
が8at%まではFeの含有量の増加に伴ってμ’も大
きくなるが、8at%を超えると小さくなっていること
がわかる。また、1GHzにおけるμ”については、F
eの含有量の増加に伴ってμ”も大きくなっていること
がわかる。これは、CoをFeで置換するとき、図6に
示した結果からもわかるようにFeの含有量の増加に伴
って飽和磁化(Is)が増加してμ’が上がるが、先に
述べたようにFeの含有量が増えると異方性磁界(H
k)が小さくなり、共鳴周波数が下がり、μ”が増加す
るためであると考えられる。従って、図4に示した結果
から、Co88-xFexZr2Ta10で示される合金膜にお
いては、Feの過剰な添加は、結晶化を招くため、Fe
の含有量は、20at%以下である必要があり、さらに
図5に示した結果から、μ’の値が大きく、かつ、μ”
の値があまり大きくならないFeの含有量は、5at%
以上、10at%以下とすることが好ましいことがわか
る。
【0029】次に、成膜直後(as−depo.)のC
80-yFe8(Zr0.17Ta0.83yで示される合金膜に
ついて、1GHzにおける複素透磁率の実数部(μ’)
と虚数部(μ”)の元素Mの含有量依存性を調べた。そ
の結果を図7に示す。また、Co80-yFe8(Zr0.17
Ta0.83yで示される合金膜について、飽和磁化(I
s)の元素Mの含有量依存性を調べた。その結果を図8
に示す。なお、ここでの元素Mとしては、ZrとTaを
用い、ZrとTaの比率は一定とした。
【0030】図7に示した結果から元素Mの含有量の増
加に伴ってμ’およびμ”が小さくなっており、1GH
zにおけるμ’が大きく、かつ、μ”が小さい(実用上
問題のない程度の大きさ)範囲としては、10at%以
上であることがわかる。これは、Coを元素Mで置換す
るとき、図8に示した結果からもわかるように元素Mの
含有量の増加するとCoの含有量が減少し、飽和磁化が
低下し、これに伴ってμ’が低下し、また、元素Mの含
有量の増加に伴って比抵抗(ρ)並びに異方性磁界(H
k)が大きくなり、共鳴周波数が上がり高周波における
μ”が小さくなるからである。従って、成膜直後のCo
80-yFe8(Zr0.17Ta0.83yで示される合金膜にお
いて、元素Mの含有量は、先に述べた理由から5at%
以上20at%以下が好ましく、さらに図7に示した結
果を考慮すると、10at%以上、20at%以下とす
るのがより好ましいことがわかる。
【0031】次に、Co80-zFe8Zr2Ta10zで示
される合金膜を成膜後、真空加熱炉中で、磁場中で45
0゜Cの温度範囲で120分間保持し徐冷するアニール
処理を行ったものについて、1GHzにおける複素透磁
率の実数部(μ’)と虚数部(μ”)のBの含有量依存
性を調べた。その結果を図9に示す。
【0032】図9に示した結果からCo80-zFe8Zr2
Ta10zで示される合金膜において1GHzにおける
μ’については元素QとしてのBの含有量が7at%ま
ではBの含有量を増加しても殆ど変化しないが、7at
%を超えると急激に低下している。また、1GHzにお
けるμ”については、Bの含有量2at%まではBの含
有量の増加に伴って徐々に低下しているが、2at%を
超えるとBの含有量の増加に伴って上昇していることが
わかる。これは、CoをBで置換するとき、Bの含有量
が増加するとCoの含有量が減少するので、飽和磁化が
低下し、これに伴ってμ’が低下する。また、アニール
処理することにより、アニール処理しない場合に比べて
μ’は低下するが、アニール処理により異方性磁界(H
k)が大きくなり、共鳴周波数が上がり高周波における
μ”が小さくなるからである。
【0033】次に、種々のBの組成比率におけるCo−
Fe−Zr−Ta−B系の合金膜の磁場中でアモルファ
スを安定化するためのアニール処理(熱処理)を行った
後の組織の状態をX線回折により調べた。その結果を図
10に示す。図10は、Co 80-zFe8Zr2Ta10z
で示される合金膜(z=0、2)で示される合金膜にお
けるX線回折の結果を示すグラフである。
【0034】図10に示した結果からCo80Fe8Zr2
Ta10で示される合金膜は、2θ=゜付近に結晶の析出
を示すピークが観察され、結晶相とアモルファス相から
なることがわかる。これに対してBの含有量を2at%
としたCo78Fe8Zr2Ta102膜の回折線は、ブロ
ードであり、アモルファス相からなることがわかる。こ
れらのことからCo80Fe8Zr2Ta10で示される合金
膜のCoをBで置換することにより、磁場中アニール処
理しても、組織の状態をアモルファス状態のままで維持
することができることがわかる。従って図9乃至図10
に示した結果からCo80Fe8Zr2Ta10で示される合
金膜にBを添加すると、アニール処理してもアモルファ
ス状態のままで磁気特性を損なうことなく、異方性磁界
(Hk)を増大でき、高周波におけるμ’を大きくし
て、μ”を小さくできる。また、Co80-zFe8Zr2
10zで示される合金膜において、Bの過剰な添加
は、飽和磁化が小さくなり、μ’を劣化させるので、7
at%以下とするのがより好ましい。
【0035】次に、Co79Fe9Zr2Ta10で示される
合金膜の高周波特性を、これまで知られている主な非晶
質合金膜であるCo89Zr6Ta5膜、Co90Hf5Ta5
膜、Co85Zr6Nb9膜、酸化物ナノ結晶磁性膜である
Fe61Hf1326膜と比較した結果を下記表1に示す。
ここでFe61Hf1326膜は無磁界中成膜後に静磁界中
熱処理したものであり、磁化困難軸方向の測定結果であ
る。
【0036】
【表1】
【0037】表1に示した結果から従来のCo89Zr6
Ta5膜、Co90Hf5Ta5膜、Co 85Zr6Nb9
は、比抵抗が101〜122μΩcmであり、飽和磁化
が1.1〜1.3Tであり、異方性磁界が1.0〜1.
6kAm-1であり、共鳴周波数が1.0〜1.4GHz
である。また、100MHzにおける複素透磁率の実数
部は、612〜872と高く、虚数部は12から35と
低いため、100MHzにおける性能係数は25〜50
と高くなっており、1GHzにおける複素透磁率の実数
部は、89〜346であり、虚数部は492から866
と実数部よりも高くなっているため、1GHzにおける
性能係数は0.1〜0.7と低くなっていることがわか
る。
【0038】また、従来のFe61Hf1326膜は、比抵
抗が630μΩcmと高く、飽和磁化が1.3Tであ
り、異方性磁界が1.2kAm-1であり、共鳴周波数が
1.2GHzである。また、100MHzにおける複素
透磁率の実数部は、700と高く、虚数部は27と低い
ため、100MHzにおける性能係数は26と高くなっ
ており、1GHzにおける複素透磁率の実数部は866
であり、虚数部は1162と実数部よりも高くなってい
るため、1GHzにおける性能係数は0.7と低くなっ
ていることがわかる。
【0039】これに対して本発明の実施例のCo79Fe
9Zr2Ta10で示される合金膜は、比抵抗が125μΩ
cmであり、Fe61Hf1326膜よりは低いが、Co89
Zr 6Ta5膜、Co90Hf5Ta5膜、Co85Zr6Nb9
膜よりは高い比抵抗が得られている。また、本実施例の
合金膜は、飽和磁化が1.1Tであり、上記のCo89
6Ta5膜やFe61Hf1326膜等の従来のものと同等
の飽和磁化が得られている。また、本実施例の合金膜
は、異方性磁界が2.9kAm-1であり、また、共鳴周
波数も1.8GHzであり、上記の従来のものに比べて
異方性磁界ならびに共鳴周波数が高いことがわかる。ま
た、本実施例の合金膜は、100MHzにおける複素透
磁率の実数部は、314であり、虚数部は24と低いた
め、100MHzにおける性能係数は24であり、上記
の従来のものと同等あるいはやや低い程度となっている
が、1GHzにおける複素透磁率の実数部は、327で
あり、虚数部は191と実数部よりも低くなっているた
め、1GHzにおける性能係数は1.7であり、上記の
従来のものより2.4倍から17倍の値が得られてお
り、高周波特性が優れていることがわかる。
【0040】また、Co80Fe8Zr2Ta10で示される
合金膜の複素透磁率の実数部(μ’)と性能係数(Q)
の周波数特性を、これまで知られている主な合金系軟磁
性薄膜としてのFe−Si−Al−Hf−C、Fe−A
l−Si、Ni−Fe、酸化物ナノ結晶磁性膜としての
Fe61Hf1326膜、Fe62Hf1127膜と比較した結
果を図11に示す。ここでFe61Hf1326膜は無磁界
中成膜後に静磁界中熱処理したものであり、Fe62Hf
1127膜は静磁界を印加しながら成膜した直後の状態で
あり、いずれも磁化困難軸方向の測定結果である。
【0041】図11に示した結果から従来の合金系軟磁
性薄膜は、1MHz付近のμ’は高いが、比抵抗が小さ
いため、渦電流による損失により、μ’は周波数の増加
とともに低下する。また、Q値は、数十MHz以上の高
周波領域において低い値を示していることがわかる。ま
た、従来のFe61Hf1326膜、Fe62Hf1127
は、1MHz付近のμ’は従来の合金系軟磁性薄膜と同
等以下であり、Fe61Hf1326膜のμ’は100MH
zを超えると急激に低下しており、Fe62Hf1127
のμ’は数百MHzを超えると急激に低下している。ま
た、Fe62Hf1127膜のQ値は数十MHz付近の領域
において高い値を示しているが、100MHz以上の高
周波数領域において低い値を示していることがわかる。
【0042】これに対して本実施例のCo80Fe8Zr2
Ta10で示される合金膜のμ’は、数百MHz以上で
は、従来の合金系軟磁性薄膜やFe62Hf1127膜より
高く、また、μ’は10MHz〜1000MHzまで殆
ど一定であることから、1000MHz以上の高周波領
域においてもμ’は急激には低下せず、高い値を示すこ
とが考えられ、1000MHz以上では従来のFe61
1326膜よりも高い値を示すと考えられる。また、本
実施例の合金膜のQ値は、数十MHz以上では、従来の
合金系軟磁性薄膜やFe62Hf1127膜より高く、数百
MHz以上、特に1000MHz以上では従来のFe61
Hf1326膜より高いQ値を示しており、高周波特性が
優れていることがわかる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように本発明の高周波用C
o基金属アモルファス磁性膜にあっては、Coを主成分
とし、Feと、Zr,Hf,Nb,Mo,Ta,W,
V,Tiから選択される1種または2種以上の元素を含
み、さらに好ましくはQはB,P,Cから選択される1
種または2種以上の元素を含む非晶質相を主体としてな
るものであるので、Co、Feと、上記元素Mと、上記
元素Qの添加量を変更し、さらに、上記元素Mと上記元
素Qについては、選択する元素を変更することにより、
飽和磁化(Is)、比抵抗(ρ)、異方性磁界(Hk)を
制御して、周波数100MHzでの複素透磁率の実数部
が300以上で、かつ虚数部が20以下であり、周波数
1GHzでの複素透磁率の実数部が300以上で、かつ
虚数部が200以下を示すことができ、高周波用などの
磁性材料として数100MHz以上の周波数帯域、特に
1GHz以上の高周波帯域で透磁率が高いものが得られ
る。また、本発明の高周波用Co基金属アモルファス磁
性膜を用いれば、1GHz以上の高周波帯域でのQの値
が大きく、損失の少ない磁心を提供できるので、トラン
ス、磁気ヘッド用のコア、インダクタ、スイッチング素
子などの磁気素子の小型軽量化、高性能化に大きく寄与
するものである。
【0044】また、本発明の高周波用Co基金属アモル
ファス磁性膜は、スパッタ法により、上述のような高周
波特性が優れた磁性膜を再現性良く製造できるので、製
造が容易である。また、本発明の高周波用Co基金属ア
モルファス磁性膜は、単層であっても、上述のように高
周波特性が優れているので、本発明のCo基金属アモル
ファス磁性膜を用いて磁気素子を作製すると、厚みの薄
い磁気素子を提供できる。
【0045】本発明の高周波用Co基金属アモルファス
磁性膜を備えた磁気素子、平面型磁気素子、インダク
タ、トランスであれば、GHz帯域での使用も可能であ
り、本発明の磁気素子をアンテナに適用したものや本発
明のインダクタにおいてはGHz帯域での損失の少ない
特性の優れたものを提供でき、また、本発明の磁気素子
を電波吸収体に用いたものにあってはGHz帯域におい
て吸収特性の良好なものを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の高周波用金属アモルファス磁性膜を
用いて作成された平面型磁気素子(インダクタ)の第1
の実施形態を示す平面図である。
【図2】 図1の1−1線断面図である。
【図3】 本発明の高周波用金属アモルファス磁性膜を
用いて作成された平面型磁気素子(インダクタ)の第2
の実施形態を示す断面図である。
【図4】 Co88-xFexZr2Ta10(x=20,2
5)で示される合金膜におけるX線回折の結果を示すグ
ラフである。
【図5】 Co88-xFexZr2Ta10で示される合金膜
の1GHzにおける複素透磁率の実数部と虚数部のFe
含有量依存性を示すグラフである。
【図6】 Co88-xFexZr2Ta10で示される合金膜
の飽和磁化のFe含有量依存性を示すグラフである。
【図7】 Co80-yFe8(Zr0.17Ta0.83yで示さ
れる合金膜の1GHzにおける複素透磁率の実数部と虚
数部の元素Mの含有量依存性を示すグラフである。
【図8】 Co80-yFe8(Zr0.17Ta0.83yで示さ
れる合金膜の飽和磁化の元素Mの含有量依存性を示すグ
ラフである。
【図9】 磁場中アニール処理後のCo80-zFe8Zr2
Ta10zで示される合金膜の1GHzにおける複素透
磁率の実数部と虚数部のBの含有量依存性を示すグラフ
である。
【図10】 磁場中アニール処理後のCo80-zFe8
2Ta10zで示される合金膜(z=0、2)で示され
る合金膜のX線回折の結果を示すグラフである。
【図11】 Co80Fe8Zr2Ta10で示される合金膜
の複素透磁率の実数部と性能係数の周波数特性を、これ
までの報告されている主な合金系軟磁性薄膜、酸化物ナ
ノ結晶磁性膜と比較した結果を示すグラフである。
【符号の説明】
B,C・・・平面型磁気素子(インダクタ)、1a,10・
・・基板、2,14・・・平面コイル、3,13・・・絶縁膜、
4,12,16・・・高周波用金属アモルファス磁性膜
(高周波用Co基金属アモルファス磁性膜)、5・・・ス
ルーホール、6・・・端子、11・・・酸化膜。
フロントページの続き (72)発明者 水嶋 隆夫 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 (72)発明者 牧野 彰宏 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 (72)発明者 井上 明久 宮城県仙台市青葉区川内元支倉35番地 川 内住宅11−806 Fターム(参考) 5E049 AA04 AA09 AC01 BA14 5E070 AA01 AB07 BA20 BB02 CB12

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Coを主成分とし、Feと、Zr,H
    f,Nb,Mo,Ta,W,V,Tiから選択される1
    種または2種以上の元素を含む非晶質相を主体としてな
    り、周波数100MHzでの複素透磁率の実数部が30
    0以上で、かつ虚数部が20以下であり、周波数1GH
    zでの複素透磁率の実数部が300以上で、かつ虚数部
    が200以下を示すことを特徴とする高周波用Co基金
    属アモルファス磁性膜。
  2. 【請求項2】 下記の組成からなることを特徴とする請
    求項1記載の高周波用Co基金属アモルファス磁性膜。 Co100-x-y-zFexyz ただし、MはZr,Hf,Nb,Mo,Ta,W,V,
    Tiから選択される1種または2種以上の元素であり、
    QはB,P,Cから選択される1種または2種以上の元
    素であり、組成比を示すx,y,zはat%で、x≦2
    0、5≦y≦20、z≦12の関係を満足する。
  3. 【請求項3】 前記組成比x,y,zはat%で、5≦
    x≦10、10≦y≦20、z≦7であることを特徴と
    する請求項2記載の高周波用Co基金属アモルファス磁
    性膜。
  4. 【請求項4】 単層膜であることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれかに記載の高周波用Co基金属アモルファ
    ス磁性膜。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の高周波
    用Co基金属アモルファス磁性膜を有することを特徴と
    する磁気素子。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載の高周波
    用Co基金属アモルファス磁性膜から磁心が構成されて
    なることを特徴とする平面型磁気素子。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の平面型磁気素子を用いた
    インダクタ。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の平面型磁気素子を用いた
    トランス。
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