JP2000114047A - 薄膜トランス及び薄膜トランスの製造方法 - Google Patents

薄膜トランス及び薄膜トランスの製造方法

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JP2000114047A
JP2000114047A JP10285775A JP28577598A JP2000114047A JP 2000114047 A JP2000114047 A JP 2000114047A JP 10285775 A JP10285775 A JP 10285775A JP 28577598 A JP28577598 A JP 28577598A JP 2000114047 A JP2000114047 A JP 2000114047A
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soft magnetic
film transformer
insulating layer
thin film
thin
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JP10285775A
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English (en)
Inventor
Akira Nakabayashi
亮 中林
Yoshito Sasaki
義人 佐々木
Eiji Umetsu
英治 梅津
Sumuto Morita
澄人 森田
Takashi Hatauchi
隆史 畑内
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Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型で実装密度を高くすることが可能であ
り、特性も良好な薄膜トランスを提供する。 【解決手段】 基体2の外面に4つの電極4、5、6、
7が取り付けられ、基体2の内部に2つの渦巻き状のコ
イル8、9が互いに離間かつ対向するように設けられ、
基体2の内部の2つのコイル8、9の各々の外側に2つ
の軟磁性膜10、11が2つのコイル8、9とそれぞれ
離間かつ対向するように設けられ、基体2の内部にの2
つのコイル8、9の各両端8a、8b、9a、9bと4
つの電極4、5、6、7とをそれぞれ接続する導体1
2、13、14、15が設けられてなることを特徴とす
る薄膜トランス1を採用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜トランス及び
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型化、軽量化の要請
に対応するために、回路素子の小型化、回路基板に対す
る各種回路素子の実装密度の高密度化が進められてい
る。例えば、チップ型と呼ばれる抵抗またはコンデンサ
は、外部電極と抵抗素子またはコンデンサ素子とが直接
接続されてなるものであり、外部電極が回路基板上に直
接半田付けされて実装されるので、回路素子1個当たり
の実装面積を小さくして実装密度を高めることが可能で
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、磁気素子の分野
においては、薄膜トランスの開発が精力的に進められて
おり、抵抗等と同様に磁気素子自体の小型化、軽量化が
進められている。そこで、従来の例として、特開平6−
13249号公報に記載されている薄膜トランスを図9
0を参照して説明する。
【0004】図90に示す薄膜トランスは、基板10上
に絶縁層12a、12b、下部磁性層14、絶縁層12
c、下部導体15a、絶縁層12d、中心部磁性層1
6、絶縁層12e、上部導体17a、絶縁層12fを順
次積層し、更に絶縁層12fに上部磁性層18を積層し
て得られるものである。
【0005】しかし、上述の薄膜トランスは、多数の絶
縁層を積層する過程で、次第に絶縁層の平坦性が損なわ
れるので、上部磁性層18の平坦性も平坦性が損なわれ
て上部磁性層18の軟磁気特性が低下し、薄膜トランス
の特性が低下するという課題があった。
【0006】また、薄膜トランスの小型化の要請に伴
い、薄膜トランスに用いる軟磁性膜として数100MH
z以上の周波数における透磁率が高い軟磁性膜が求めら
れている。透磁率を高めるには軟磁性膜の渦電流損失の
抑制が有効であり、具体的には軟磁性膜の薄膜化、高比
抵抗化といった手段が有効である。しかし、軟磁性膜の
軟磁気特性を保ちつつ比抵抗を高くすることは困難であ
り、また、軟磁性膜を薄くすると磁歪の影響が大きくな
って良好な軟磁気特性を得ることが困難となり、特性が
良好な薄膜トランスを得ることができないという課題が
あった。
【0007】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであって、小型で実装密度を高くすることが
可能であり、特性が良好な薄膜トランスを提供し、小型
で特性が良好な薄膜トランスの製造方法を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は以下の構成を採用した。本発明の薄膜ト
ランスは、基体の外面に4つの電極が取り付けられ、該
基体の内部に2つの渦巻き状のコイルが互いに離間かつ
対向するように設けられ、前記基体の内部の前記2つの
コイルの各々の外側に2つの軟磁性膜が前記2つのコイ
ルとそれぞれ離間かつ対向するように設けられ、前記基
体の内部に前記の2つのコイルの各両端と前記の4つの
電極とをそれぞれ接続する導体が設けられてなることを
特徴とする。また、本発明の薄膜トランスは、先に記載
の薄膜トランスであって、前記基体は、基板に複数の絶
縁層と接着層が積層されてなり、前記複数の絶縁層が、
前記2つのコイルと前記2つの軟磁性膜の間及び前記2
つのコイル同士の間にそれぞれ配置されて、前記2つの
コイル及び前記2つの軟磁性膜をそれぞれ離間し、かつ
前記接着層が前記2つの軟磁性膜の間に配置されるよう
に構成されたことを特徴とする。
【0009】本発明の薄膜トランスは、先に記載の薄膜
トランスであって、前記2つの軟磁性膜のいずれか一方
が前記基板上に形成されたことを特徴とする。また、本
発明の薄膜トランスは、先に記載の薄膜トランスであっ
て、前記基体は、2つの基板に複数の絶縁層と接着層と
が挟まれてなり、前記2つの軟磁性膜が前記絶縁層を介
して前記2つの基板上に各々形成されるとともに、前記
複数の絶縁層が、前記2つのコイルと前記2つの軟磁性
膜の間及び前記2つのコイル同士の間にそれぞれ配置さ
れて、前記2つのコイル及び前記2つの軟磁性膜をそれ
ぞれ離間し、かつ前記接着層が前記2つの軟磁性膜の間
に配置されるように構成されたことを特徴とする。
【0010】本発明の薄膜トランスは、先に記載の薄膜
トランスであって、前記4つの電極が前記基体の一面に
取り付けられたことを特徴とする。また、本発明の薄膜
トランスは、先に記載の薄膜トランスであって、前記4
つの電極が前記基体の少なくとも1以上の側壁面に取り
付けられたことを特徴とする。更に、本発明の薄膜トラ
ンスは、先に記載の薄膜トランスであって、前記4つの
電極が前記基体の一面から側壁面に向けて延在するよう
に取り付けられたことを特徴とする。この場合、電極
は、基体の一面に露出する接続導体の先端に接続されて
いることが好ましい。更にまた、本発明の薄膜トランス
は、先に記載の薄膜トランスであって、前記4つの電極
にバンプメッキが形成されたことを特徴とする。
【0011】前記2つの軟磁性膜は、微細結晶質相と非
晶質相とが混在した組織を有する合金であり、前記微細
結晶質相は、平均結晶粒径が30nm以下のbcc構
造、hcp構造、fcc構造のうちの1種または2種以
上の混成構造から構成されてFe若しくはCoを主体と
してなり、前記非晶質相は、Zr、Hf、V、Nb、T
a、Mo、W、Al、Si、Cr、P、C、B、Ga、
Ge及び希土類元素のうちの少なくとも1種または2種
以上からなる元素M及び酸素を主体としてなることを特
徴とする。
【0012】また、前記2つの軟磁性膜は、下記の組成
式で表されるものであることを特徴とする。 (Fe1-aCoa100-y-z-wyzw 但しMは、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、W、A
l、Si、Cr、P、C、B、Ga、Ge及び希土類元
素のうちの少なくとも1種または2種以上の元素を表
し、Lは、Pt、Ru、Rh、Pd、Ir、Os、S
n、Ti、Au、Ag、Cuのうちの少なくとも1種ま
たは2種以上の元素を表し、Oは酸素を表し、組成比を
示すa、y、z、wは、0≦a≦0.5、5原子%≦y
≦30原子%、0原子%≦z≦20原子%、5原子%≦
y+z≦40原子%、10原子%≦w≦40原子%であ
る。
【0013】また、前記組成比を示すa、y、z、w
は、0≦a≦0.3、7原子%≦y≦15原子%、0原
子%≦z≦5原子%、20原子%≦w≦35原子%であ
るとより好ましい。また、前記元素Mは、Zr、Hfの
うちの1種または2種であることがより好ましい。更
に、組成比を示すaが0であり、zが0原子%であると
より好ましい。
【0014】また、前記軟磁性膜は、下記の組成式で表
されるものであっても良い。 (Co1-cc100-x-v-uxvu 但しTは、Fe、Niのうちのいずれか一方または両方
を含む元素であり、Eは、Ti、Zr、Hf、Nb、T
a、Mo、W、Al、Si、Cr、P、C、B、Ga、
Ge及び希土類元素のうちの少なくとも1種または2種
以上の元素を表し、Gは、Pt、Ru、Rh、Pd、I
r、Os、Au、Ag、Cuのうちの少なくとも1種ま
たは2種以上の元素を表し、Oは酸素を表し、組成比を
示すc、x、v、uは、0≦c≦0.7、3原子%≦x
≦30原子%、7原子%≦u≦40原子%、0原子%≦
v≦20原子%、20原子%≦x+u+v≦60原子%
である。
【0015】また、前記組成比を示すc、x、v、u
は、0≦c≦0.3、7原子%≦x≦15原子%、20
原子%≦u≦35原子%、0原子%≦v≦19原子%、
50原子%≦v≦70原子%であるとより好ましい。ま
た、前記元素Tは、Feであることがより好ましい。元
素TがFeである場合、0.2≦c≦0.7であるとよ
り好ましい。更に、前記軟磁性膜を構成する元素とし
て、Oの代わりにNが、あるいはOと共にNが含有され
るとより好ましい。前記軟磁性膜の比抵抗は、1000
〜3000μΩ・cmであることが好ましい。
【0016】前記下地層は、Si、SiO2、Al
23、Si34のうちの少なくとも1種または2種以上
からなることが好ましい。また、前記下地層は、前記軟
磁性膜がFeを主体としてなる場合には、Al23、S
34のうちの1種または2種からなることが好まし
い。更に、前記下地層は、前記軟磁性膜がCoを主体と
してなる場合には、Si、SiO2のうちの1種または
2種からなることが好ましい。
【0017】本発明の薄膜トランスは、前記軟磁性膜あ
るいは前記絶縁膜が形成される前記基板の少なくとも上
面が、絶縁材料からなることを特徴とする。また、本発
明の薄膜トランスは、前記基板が絶縁材料からなること
を特徴とする。前記絶縁材料は、ポリイミド系樹脂また
はノボラック系樹脂あるいはガラスであることが好まし
い。
【0018】本発明の薄膜トランスの製造方法は、基体
の外面に4つの電極が取り付けられ、該基体の内部に2
つの渦巻き状のコイルと2つの軟磁性膜とが設けられ、
かつ前記の2つのコイルの各両端と前記4つの電極とを
それぞれ接続する導体が設けられてなる薄膜トランスを
製造する際に、仮基板に少なくとも軟磁性膜と下部絶縁
層と渦巻き状の上部コイルと上部絶縁層を積層して上層
部品を形成し、基板に少なくとも軟磁性膜と下部絶縁層
と渦巻き状の下部コイルと上部絶縁層を積層して下層部
品を形成し、前記上層部品の上部絶縁層及び/または前
記下層部品の上部絶縁層に接着層を積層し、該接着層を
介して前記の各上部絶縁層が向き合うようにして前記上
層部品と前記下層部品とを接合し、前記仮基板を除去す
ることを特徴とする。また、本発明の薄膜トランスの製
造方法は、先に記載の薄膜トランスの製造方法であっ
て、前記下層部品に前記上部絶縁層を貫通して前記下部
コイルの両端を露出させる2つの第2連通孔を設け、前
記上層部品に前記上部絶縁層及び前記下部絶縁層を貫通
して前記仮基板を露出させる2つの第1連通孔を設け、
前記2つの第1連通孔と前記2つの第2連通孔とをそれ
ぞれ連通させるように前記上層部品と前記下層部品を接
合し、前記仮基板を除去し、前記第1連通孔と前記第2
連通孔が連通して形成された2つの孔に前記下部コイル
の両端とそれぞれ接続する2つの下部導体を形成し、該
2つの下部導体に2つの前記電極をそれぞれ取り付ける
ことを特徴とする。
【0019】本発明の薄膜トランスの製造方法は、先に
記載の薄膜トランスの製造方法であって、前記下部コイ
ルの一端に接続導体を取り付け、前記下層部品に前記上
部絶縁層を貫通して前記下部コイルの他端及び前記接続
導体の一端を露出させる2つの第2連通孔を設け、前記
上層部品に前記上部絶縁層及び前記下部絶縁層を貫通し
て前記仮基板を露出させる2つの第1連通孔を設け、前
記2つの第1連通孔と前記2つの第2連通孔とをそれぞ
れ連通させるように前記上層部品と前記下層部品を接合
し、前記仮基板を除去し、前記第1連通孔と前記第2連
通孔が連通して形成された2つの孔に前記下部コイルの
他端及び前記接続導体の一端とそれぞれ接続する2つの
下部導体を形成し、該2つの下部導体に2つの前記電極
をそれぞれ取り付けることを特徴とする。また、本発明
の薄膜トランスの製造方法は、先に記載の薄膜トランス
の製造方法であって、前記上層部品の前記下部絶縁層に
前記仮基板を露出させる2つの孔を設け、該2つの孔に
それぞれ上部導体を形成し、前記2つの上部導体に前記
上部コイルの両端がそれぞれ接続するように前記上部コ
イルを形成し、前記仮基板を除去し、前記2つの上部導
体に2つの前記電極を取り付けることを特徴とする。
【0020】本発明の薄膜トランスの製造方法は、基体
の外面に4つの電極が取り付けられ、該基体の内部に2
つの渦巻き状のコイルと2つの軟磁性膜とが設けられ、
前記の2つのコイルの各両端と前記4つの電極とをそれ
ぞれ接続する導体が設けられてなる薄膜トランスを製造
する際に、基板に少なくとも軟磁性膜と下部絶縁層と渦
巻き状のコイルと上部絶縁層を積層してなる構成部品を
2つ形成し、前記2つの構成部品のいずれか一方または
両方の前記上部絶縁層に接着層を積層し、該接着層を介
して前記の各上部絶縁層が向き合うようにして前記2つ
の構成部品を接合することを特徴とする。また、本発明
の薄膜トランスの製造方法は、先に記載の薄膜トランス
の製造方法であって、前記構成部品に、前記コイルの両
端から前記構成部品の側壁面に露出する2つの導体を形
成し、前記2つの構成部品を接合させた後に、前記の各
導体に接続する電極を取り付けることを特徴とする。
【0021】先に記載の薄膜トランスの製造方法におい
て、前記2つの軟磁性膜は、微細結晶質相と非晶質相と
が混在した組織を有する合金であり、前記微細結晶質相
は、平均結晶粒径が30nm以下のbcc構造、hcp
構造、fcc構造のうちの1種または2種以上の混成構
造から構成されてFe若しくはCoを主体としてなり、
前記非晶質相は、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、
W、Al、Si、Cr、P、C、B、Ga、Ge及び希
土類元素のうちの少なくとも1種または2種以上からな
る元素M及び酸素を主体としてなることを特徴とする。
【0022】先に記載の薄膜トランスの製造方法におい
て、前記2つの軟磁性膜は、下記の組成式で表されるも
のであることを特徴とする。 (Fe1-aCoa100-y-z-wyzw 但しMは、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、W、A
l、Si、Cr、P、C、B、Ga、Ge及び希土類元
素のうちの少なくとも1種または2種以上の元素を表
し、Lは、Pt、Ru、Rh、Pd、Ir、Os、S
n、Ti、Au、Ag、Cuのうちの少なくとも1種ま
たは2種以上の元素を表し、Oは酸素を表し、組成比を
示すa、y、z、wは、0≦a≦0.5、5原子%≦y
≦30原子%、0原子%≦z≦20原子%、5原子%≦
y+z≦40原子%、10原子%≦w≦40原子%であ
る。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施形態である薄
膜トランスを、図1〜図4を参照して説明する。図1に
示す薄膜トランス1には、基体2と、基体2の上面3
(一面)に取り付けられた4つの電極4、5、6、7と
が備えられている。電極4〜7は、略四角形の基体の上
面3の対角線上に沿って取り付けられている。
【0024】図4に示すように、基体2は、基板2a
と、基板2a上に積層された複数の絶縁層2b〜2eか
らなるものである。基板2aは、少なくとも絶縁層2
b、軟磁性膜11等が形成される上面が絶縁材料からな
るものであればよく、例えば、金属板上に絶縁材料から
なる膜を積層したものであってもよい。また、基板2a
の全体が絶縁材料からなるものであってもよい。上記の
絶縁材料としては、ポリイミド系樹脂、ノボラック系樹
脂、Si、アルミナ、ジルコニア、炭化珪素、窒化珪
素、窒化アルミニウム、ステアタイト、ムライト、コー
ジライト、フォルステライト、ガラス等を例示できる。
また、絶縁層2b〜2eは、ポリイミド系樹脂、ノボラ
ック系樹脂、SiO2、ガラス、硬質炭素膜等からなる
ことが好ましい。基板2a及び絶縁層2b〜2eは、優
れた絶縁性と優れた加工性を有するものであれば、先に
例示した材質のものに限定されるもではない。また、電
極4、5、6、7の表面には、バンプ状にされた半田メ
ッキ16…が形成されている。半田メッキ16…は、通
常の半導体素子の実装に用いられる半田材料が用いられ
る。
【0025】図2、図3及び図4に示すように、基体2
の内部には、2つの渦巻き状のコイル8、9が互いに離
間して対向するように設けられている。コイル8は、絶
縁層2dと絶縁層2eの間に設けられており、絶縁層2
eに沿ってその一端8aから他端8bに向けて渦巻き状
に巻回されてなるものである。コイル9は、絶縁層2b
と絶縁層2cの間に設けられており、絶縁層2bに沿っ
てその一端9aから他端9bに向けて渦巻き状に巻回さ
れてなるものである。また、コイル8、9は、基体2の
上面3と平行になるように巻回されている。このように
してコイル8、9は、互いに対向して設けられると共に
絶縁層2c、2dにより離間されて互いに絶縁されてい
る。コイル8、9の材質は、良好な導電性を有する金属
材料であるCu、Al、Ag、Auあるいはこれら金属
からなる合金等を例示できる。
【0026】また、基体2の内部の2つのコイル8、9
の対向する側の反対側(外側)には、2つの軟磁性膜1
0、11が設けられている。この軟磁性膜10、11
は、微細結晶質相と非晶質相とが混在した組織を有する
ものであってFeまたはCoを主体とする合金からなる
ものであり、高い比抵抗と高い透磁率を有するものであ
る。軟磁性膜10は、絶縁層2eに埋め込まれて基体2
の上面3(一面)から露出しており、絶縁層2eにより
コイル8と離間されて絶縁されている。また、軟磁性膜
10は、コイル8と対向するように設けられている。軟
磁性膜11は、基板2a上に形成されると共に絶縁層2
bに覆われており、絶縁層2bによりコイル9と離間さ
れて絶縁されている、また、軟磁性膜11は、コイル9
と対向するように設けられている。このようにして、軟
磁性膜10、11は、コイル8、9を挟んでコイル8、
9を覆うように形成されている。薄膜トランス1の作動
時においては、コイル8、9に交流電流が流れてコイル
8、9から発生する磁束の方向が逐次変化する。軟磁性
膜10、11は透磁率が高いので、この磁束の方向の変
化に十分に追従することが可能であり、コイル8、9の
インダクタンスを高く保つことが可能となる。また、こ
の軟磁性膜10、11により、コイル8、9から発生す
る磁束の薄膜トランス外部への漏出が防がれる。また、
軟磁性膜10、11は、絶縁層2b、2eによりコイル
8、9から絶縁されているので、コイル8、9に通電し
てもコイル8、9と軟磁性膜10、11が短絡すること
がない。
【0027】また、図2、図3及び図4に示すように、
基体2の内部には、コイル8の一端8a及び他端8bと
電極5、7をそれぞれ接続する導体13、15が設けら
れ、コイル9の一端9a及び他端9bと電極6、4をそ
れぞれ接続する導体14、12が設けられている。導体
13、15は、絶縁層2eに設けられた孔17、18に
埋められた金属からなるスルーホールとされ、導体1
2、14は絶縁層2c、2d、2eを貫通する孔19、
20に埋められた金属からなるスルーホールとされてい
る。
【0028】また図4に示すように、基体2には、絶縁
層2c、2dの間に位置して絶縁層2c、2d同士を接
合するための接着層21が設けられている。接着層21
は、絶縁層2c、2dの間に位置することにより、2つ
の軟磁性膜10、11の間に位置することになる。接着
層21の材質は、エポキシ樹脂、ノボラック樹脂、ポリ
イミド樹脂等を例示できる。
【0029】また、軟磁性膜11と基板2aとの間には
下地層22が形成されている。下地層22は、Si、S
iO2、Al23、Si34のうちの少なくとも1種ま
たは2種以上からなるものであって、軟磁性膜11がF
eを主体とする合金の場合には、下地層22がAl
23、Si34のうちの1種または2種からなることが
好ましく、軟磁性膜11がCoを主体とする合金の場合
には、下地層22がSi、SiO2のうちの1種または
2種からなることが好ましい。また、下地層22は省略
されても良い。
【0030】軟磁性膜10、11は、前述したように微
細結晶質相と非晶質相とが混在した組織を有するFe若
しくはCoを主体とする合金からなるものであり、高い
比抵抗と高い透磁率を有するものである。微細結晶質相
は、平均結晶粒径が30nm以下のbcc構造、hcp
構造、fcc構造のうちの1種または2種以上の混成構
造からなり、非晶質相は、Zr、Hf、V、Nb、T
a、Mo、W、Al、Si、Cr、P、C、B、Ga、
Ge及び希土類元素のうちの少なくとも1種または2種
以上からなる元素M及び酸素を主体としてなる。
【0031】合金組織中における微細結晶質相の割合が
増加し、かつ微細結晶質相の平均結晶粒径が30nmを
越えると、軟磁性膜の比抵抗が小さくなってしまうので
好ましくない。酸素を多量に含む非晶質相が合金組織の
大半を占めると、軟磁性膜の比抵抗が大きくなる傾向に
ある。
【0032】また軟磁性膜10、11は、下記の組成式
で表されるものであることが好ましい。 (Fe1-aCoa100-y-z-wyzw 但しMは、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、W、A
l、Si、Cr、P、C、B、Ga、Ge及び希土類元
素のうちの少なくとも1種または2種以上の元素を表
し、Lは、Pt、Ru、Rh、Pd、Ir、Os、S
n、Ti、Au、Ag、Cuのうちの少なくとも1種ま
たは2種以上の元素を表し、Oは酸素を表し、組成比を
示すa、y、z、wは、0≦a≦0.5、5原子%≦y
≦30原子%、0原子%≦z≦20原子%、5原子%≦
y+z≦40原子%、10原子%≦w≦40原子%であ
る。ここで希土類元素とは、周期表の3A族に属するS
c、YあるいはLa、CePr,Nd、Pm、Sm、E
u、Gd、Td、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu
などのランタノイドを指す。
【0033】Feは軟磁性膜の主成分であって磁性を担
う元素であり、主として微細結晶質相に含まれる。軟磁
性膜に高い飽和磁束密度を与えるためには、Feの含有
量が多いほど好ましいが、Feの含有量が過剰であると
軟磁性膜の組織に占める微細結晶相の割合が大きくなっ
て軟磁性膜の比抵抗が低下する。一方、Feの含有量が
少なすぎると微細結晶相の占める割合が少なくなって軟
磁性膜の比抵抗が高くなるが、飽和磁束密度が小さくな
るので好ましくない。CoはFeと同様に磁性を担う元
素であり、主として微細結晶質相に含まれてFeの一部
と置換する。軟磁性膜が良好の軟磁気特性を得るために
は、Feとの組成比を示すaが0.5以下であるのが好
ましく、0.3以下であるとより好ましい。
【0034】元素Mは、軟磁性膜の軟磁気特性を向上さ
せ、かつ比抵抗を高くするために必要な元素である。元
素Mは酸素と結合しやすい元素であって酸化物を形成
し、主に非晶質相中に分布して軟磁性膜の比抵抗を向上
させる。このような効果を得るために元素Mは、少なく
とも5原子%以上含まれるのが好ましく、7原子%以上
含まれるのがより好ましい。但し、元素Mの含有量が過
剰であると、軟磁性膜の軟磁気特性が低下し、更にFe
の含有量が相対的に減少して飽和磁束密度が低下するの
で、元素Mの含有量を30原子%以下とするのが好まし
く、15原子%以下とするとより好ましい。また、元素
Mが、Zr、Hfの一方または両方とすると、軟磁性膜
の磁歪を抑制して軟磁性膜の薄膜化が容易になる。
【0035】元素Lは、軟磁性膜の耐食性、周波数特性
及び磁歪を調整する元素である。但し、元素Lの添加量
が過剰であると、軟磁気特性が低下し、飽和磁束密度が
低下する。従って、元素Lの含有量は、20原子%以下
とするのが好ましく、5原子%以下とするとより好まし
い。また、元素Mと同時に添加する場合には、元素Mと
元素Lとの合計量が5原子%以上40原子%以下とする
のが好ましい。
【0036】酸素は、主として非晶質相中に存在して元
素Mと結合して元素Mの酸化物を形成し、軟磁性膜の軟
磁気特性を向上させ、飽和磁束密度を高めて、周波数特
性を向上させる。この様な効果を得るためには、酸素の
含有量が10原子%以上40原子%以下であることが好
ましく、20原子%以上35原子%以下であるとより好
ましい。
【0037】また、軟磁性膜は、下記の組成式で表され
るものであっても良い。 (Co1-cc100-x-v-uxvu 但しTは、Fe、Niのうちのいずれか一方または両方
を含む元素であり、Eは、Ti、Zr、Hf、Nb、T
a、Mo、W、Al、Si、Cr、P、C、B、Ga、
Ge及び希土類元素のうちの少なくとも1種または2種
以上の元素を表し、Gは、Pt、Ru、Rh、Pd、I
r、Os、Au、Ag、Cuのうちの少なくとも1種ま
たは2種以上の元素を表し、Oは酸素を表し、組成比を
示すc、x、v、uは、0≦c≦0.7、3原子%≦x
≦30原子%、7原子%≦u≦40原子%、0原子%≦
v≦20原子%、20原子%≦x+u+v≦60原子%
である。ここで希土類元素とは、前述と同様に、周期表
の3A族に属するSc、YあるいはLa、CePr,N
d、Pm、Sm、Eu、Gd、Td、Dy、Ho、E
r、Tm、Yb、Luなどのランタノイドを指す。
【0038】Coと元素Tは、軟磁性膜の主成分であっ
て主として微細結晶質相に含まれるものであり、軟磁性
膜の磁性を担う元素である。軟磁性膜に高い飽和磁束密
度を与えるためにはCoと元素Tの含有量が高い程良い
が、Coと元素Tの含有量が過剰であると軟磁性膜の比
抵抗が小さくなる。また、Coと元素Tの含有量が少な
いと飽和磁束密度が低下する。更に、Coには軟磁性膜
に一軸磁気異方性を高める効果がある。また、元素Tは
Feであるとより好ましい。Coと元素Tとの組成比を
示すcは、0.7以下であることが好ましく、元素Tが
Feである場合には、0.2以上0.7以下とするのが
好ましい。
【0039】元素Eは、軟磁性膜の軟磁気特性を向上さ
せ、かつ比抵抗を高くするために必要な元素である。元
素Eは、酸素と結合しやすい元素であって酸化物を容易
に形成し、主に非晶質相中に分布して軟磁性膜の比抵抗
を向上させる。例えば、元素MがHfである場合にはH
fO2を生成する。このような効果を得るために元素E
は、少なくとも3原子%以上含まれると好ましく、7原
子%以上含まれるとより好ましい。但し、元素Eの含有
量が過剰であると、軟磁性膜の軟磁気特性が低下し、更
にCo及び元素Tの含有量が相対的に減少して飽和磁束
密度が低下するので、30原子%以下とするのが好まし
く、15原子%以下とするとより好ましい。また、元素
Mが、Zr、Hfの一方または両方とすると、軟磁性膜
の磁歪を抑制して軟磁性膜を薄膜化する効果が得られ
る。
【0040】酸素は、主として非晶質相中に存在して元
素Eと結合して元素Eの酸化物を形成し、軟磁性膜の軟
磁気特性を向上させ、特に飽和磁束密度を高めて、周波
数特性を向上させる。従って酸素の含有量は、7原子%
以上40原子%以下とするのが好ましく、20原子%以
上35原子%以下とするのがより好ましい。更に、軟磁
性膜を構成する元素として、Oの代わりにNが、あるい
はOと共にNが含有されても良い。
【0041】元素Gは、軟磁性膜の耐食性、周波数特性
及び磁歪を調整する元素である。但し、元素Gの添加量
が過剰であると、軟磁気特性が低下し、飽和磁束密度が
低下する。従って、元素Gの含有量は、20原子%以下
とするのが好ましく、19原子%以下とするとより好ま
しい。また、元素Eと同時に添加する場合には、元素E
と元素Lと酸素との合計量が20原子%以上60原子%
以下とするのが好ましい。軟磁性膜の組成を上述の通り
とした場合、その比抵抗は、1000〜3000μΩ・
cmの範囲となる。
【0042】次に、本発明の薄膜トランスの製造方法を
図面を参照して説明する。この製造方法は、図5に示す
ように、仮基板31上に少なくとも軟磁性膜10、下部
絶縁層2d、上部コイル8、上部絶縁層2eを積層して
複数の上層部品32を製造し、基板2a上に軟磁性膜1
1、下部絶縁層2b、下部コイル9、上部絶縁層2cを
積層して複数の下層部品41を製造し、これら基板2a
と仮基板31を積層することにより上層部品32と下層
部品41を接合し、仮基板31を除去して上部絶縁層2
eを露出させ、上部絶縁層2e上に電極4〜7を取り付
け、最後に薄膜インダクタ1を切り出す工程を含むもの
である。
【0043】まず、上述の上層部品32を製造する方法
を図6〜図10Eを参照して説明する。図6において、
仮基板31の上面をCMP等の手段により十分に平坦化
し、更に十分に洗浄した後に、仮基板31上に軟磁性膜
10を形成する。軟磁性膜10は、中央に穴部10aを
有して穴部10aから仮基板31が露出するように略環
状に形成する。軟磁性膜10は、予め軟磁性層を仮基板
31の全面にスパッタリング、蒸着等の手段により形成
し、この軟磁性層上にフォトレジストを塗布し、更にフ
ォトレジスト上にマスクを載置してフォトレジストを露
光し、フォトレジストが残存した部分以外の軟磁性層を
エッチング等により除去し、最後に残存するフォトレジ
ストを除去する工程からなるいわゆるフォトリソグラフ
ィ技術により略環状に形成する。このようにして平坦な
仮基板31に軟磁性膜10を形成するので、軟磁性膜1
0の平坦性が高くなる。また、軟磁性膜10の形成は、
軟磁性膜10に十分な酸素を含有させるために、酸素を
含む雰囲気中で行うことが好ましく、例えばアルゴン−
酸素混合ガス中で行うことが好ましい。尚、仮基板31
の材質は、Al、Fe等の金属を例示できる。また、T
i、Zr、Ta、Cr、Mo、Co、Ni、Si、Cu
等の材料も例示できる。また、これらの材料からなる仮
基板31は、塩酸、硝酸、過塩素酸、硫酸、リン酸等を
使用してエッチングすることにより、容易に除去できる
ものである。
【0044】次に図7において、仮基板31と軟磁性膜
10を覆う絶縁層2d(下部絶縁層)を形成する。絶縁
層2dは、スパッタリング法、CVD法、蒸着法等の手
段により形成する。更に、CMP等の手段により絶縁層
2dの表面を研磨して、絶縁層2dの表面を平坦化する
ことが好ましい。更に、絶縁層2dに孔17、18を設
ける。これらの孔もフォトリソグラフィ技術により設け
られる。孔17は、軟磁性膜10の穴部10aを貫通し
て仮基板31を露出させるように設ける。また孔18
は、絶縁層2dの軟磁性膜10が形成されていない部分
に位置して仮基板31を露出させるように設ける。次に
図8において、導電性の金属をスパッタリング、蒸着ま
たはメッキ等の手段により孔17、18に埋めて導体1
3、15(上部導体)を形成する。
【0045】次に図9において、絶縁層2d(下部絶縁
層)上に渦巻き状のコイル8(上部コイル)を形成す
る。コイル8は、一端8aから他端8bに向けて渦巻き
状に巻回し、かつコイル8の一端8a及び他端8bが導
体13、15(上部導体)にそれぞれ接続するように形
成する。コイル8は、軟磁性膜10と同様にフォトリソ
グラフィ技術によって所定の線幅、所定の巻回回数を具
備するように形成する。またコイル8は、軟磁性膜10
が形成されている領域からはみ出さないように形成する
ことが好ましい。次に図10において、コイル8(上部
コイル)を埋めて絶縁層2d(下部絶縁層)を覆う絶縁
層2e(上部絶縁層)を形成する。更に絶縁層2eに、
2つの第1連通孔19a、20aを設ける。これらの第
1連通孔もフォトリソグラフィ技術により設ける。第1
連通孔20aは、軟磁性膜10の穴部10aを貫通して
仮基板31が露出するように設ける。このとき第1連通
孔20aは、上部導体13及びコイル8の一端8aを露
出させないように導体13及びコイル8と離間して設け
る。また第1連通孔19aは、絶縁層2dのコイル8及
び軟磁性膜10が形成されていない部分に位置して仮基
板31を露出させるように設ける。また、第1連通孔1
9aは、コイル8の他端8bから離れた位置に設ける。
このようにして、上層部品32が得られる。
【0046】次に、下層部品41を製造する方法を図1
1〜図15を参照して説明する。図11において、基板
2aの表面をCMP等の手段により十分に平坦化し、更
に十分に洗浄した後に、基板2a上に軟磁性膜11を形
成する。軟磁性膜11は、前述した軟磁性膜10と同様
にフォトリソグラフィ技術により所定の形状に形成す
る。このように、平坦な基板2a上に軟磁性膜11を形
成するので、軟磁性膜11の平坦性が高くなる。軟磁性
膜11の形成は、軟磁性膜10と同様に酸素を含む雰囲
気中で行うことが好ましく、例えばアルゴン−酸素混合
ガス中で行うことが好ましい。
【0047】次に図12において、基板2aと軟磁性膜
11を覆う絶縁層2b(下部絶縁層)を形成する。絶縁
層2bは、スパッタリング法等の手段により形成する。
更に、CMP等の手段により絶縁層2bの表面を研磨し
て、絶縁層2bの表面を平坦化することが好ましい。次
に図13において、絶縁層2b(下部絶縁層)上に渦巻
き状のコイル9(下部コイル)を形成する。コイル9
は、一端9aから他端9bに向けて渦巻き状に巻回する
ように形成する。またコイル9は、軟磁性膜11と同様
に、フォトリソグラフィ技術によって所定の線幅、所定
の巻回回数を具備するように形成する。またコイル9
は、軟磁性膜11が形成されている領域からはみ出さな
いように形成することが好ましい。
【0048】次に、図14において、コイル9(下部コ
イル)を埋めて絶縁層2b(下部絶縁層)を覆う絶縁層
2c(上部絶縁層)を形成する。更に、絶縁層2cに2
つの第2連通孔19b、20bを形成する。第2連通孔
20bは、コイル9(下部コイル)の一端9aを露出さ
せるように設け、第2連通孔19bは、コイル9(下部
コイル)の他端9bを露出させるように設ける。第2連
通孔19b、20bもフォトリソグラフィ技術により設
ける。このようにして下層部品41を得る。更に図15
において、絶縁層2cに接着層21を積層する。尚、接
着層21は上層部品32の絶縁層2e(上部絶縁層)に
積層しても良いし、上層部品32と下層部品41の双方
の上部絶縁層にそれぞれ積層しても良い。
【0049】次に、上層部品32と下層部品41を接合
し、仮基板31を除去し、更に電極を取り付けて薄膜ト
ランスを完成する方法を図16〜図20を参照して説明
する。まず、図16に示すように、上層部品32と下層
部品41を接合する。このとき、接着層21を介して上
層部品32の絶縁層2d(上部絶縁層)と下層部品41
の絶縁層2c(上部絶縁層)とが互いに向き合わせると
共に、上層部品32の第1連通孔19a、20aの位置
と下層部品41の第2連通孔19b、20bの位置とが
一致させるようにして上層部品32と下層部品41を接
合する。このようにして、第1連通孔19aと第2連通
孔19bとが連通して孔19を形成し、第1連通孔20
aと第2連通孔20bとが連通して孔20を形成する。
孔19は、絶縁層2c〜2eを貫通して仮基板31から
コイル9の他端9bに至るものであり、孔20は、絶縁
層2c〜2eを貫通して仮基板31からコイル9の一端
9aに至るものである。
【0050】次に図17に示すように、仮基板31をエ
ッチング等の手段により除去して軟磁性膜10及び絶縁
層2eを露出させる。また同時に下部導体13、15及
び孔19、20を露出させる。尚、上部部品32と下部
部品41を接合する際、接着層21の一部が孔19、2
0を塞ぐ場合があり、このときは有機溶剤等により接着
層21の一部を除去する。次に図18に示すように、導
電性の金属をスパッタリング、蒸着またはメッキ等の手
段により孔19、20に埋めて、導体12、14(下部
導体)を形成する。導体12、14は、コイル9の他端
9b及び一端9a(コイルの両端)にそれぞれ接続する
ように形成する。次に図19に示すように、導体12、
13、14、15に電極4、5、6、7をそれぞれ取り
付けて薄膜トランス1を得る。最後に、図20におい
て、薄膜トランス1を切り出す。
【0051】上述の薄膜トランス1は、基体2の内部に
コイル8、9と軟磁性膜10、11が設けられているの
で、薄膜トランス1の形状を小型化することができる。
また、軟磁性膜10、11がコイル8、9を挟み、かつ
コイル8、9と対向するように設けられているので、コ
イル8、9のインダクタンスを高くして薄膜トランス1
の特性を向上できると共に、コイル8、9から発生する
磁束が薄膜トランス1の外部に漏れることがない。更
に、基体2の上面3(一面)に電極4、5、6、7が取
り付けられているので、薄膜トランス1を回路基板等に
実装する際に、電極4、5、6、7を回路基板の端子等
に直接接触させて実装することが可能となり、薄膜トラ
ンス1の実装を容易に行えると共に、薄膜トランス1の
回路基板に対する実装面積を小さくすることができる。
更にまた、電極4、5、6、7は、導体12、13、1
4、15を介してコイル8、9に接続されており、コイ
ル8、9と電極4、5、6、7の電気抵抗が小さくなる
ので、薄膜トランス1の電力損失を小さくすることがで
きる。また、上述の薄膜トランス1は、コイル8、9が
渦巻き状に形成されているので、薄膜トランス1の総高
を低くすると共にコイル8、9の占める面積を小さくし
て、薄膜トランス1を小型化することができる。特に、
この薄膜トランス1においては、電極4、5、6、7
が、基体2の上面3(一面)から露出する導体12、1
3、14、15の先端に取り付けられているので、電極
4、5、6、7、と接続導体12、13、14、15の
接続部分における接触面積を大きくすることが可能にな
って、電極4、5、6、7と導体12、13、14、1
5の間の接触抵抗を低減できる。
【0052】また、上述の薄膜トランス1は、電極4、
5、6、7にバンプ状の半田メッキ16…が設けられて
いるので、薄膜トランス1を回路基板等の所定に位置に
配置して加熱することにより半田が溶解して薄膜トラン
ス1を回路基板に容易に実装することができる。
【0053】上述の薄膜トランス1は、基体2が基板2
aと絶縁層2b〜2e及び接着層21からなるので、薄
膜トランス1の総高を小さくすることができる。また、
上述の薄膜トランス1においては、絶縁層2b〜2eが
コイル8、9及び軟磁性膜10、11の間に配置されて
いるので、コイル8、9及び軟磁性膜10、11をそれ
ぞれ絶縁することができる。また、接着層21がコイル
8、9との間、即ち2つの軟磁性膜10、11の間に配
置されているので、コイル8、9同士の絶縁を更に高め
ることができる。また、上述の薄膜トランス1において
は、軟磁性膜10が基板2a上に形成されているので、
軟磁性膜10の平坦性を高くすることが可能となり、軟
磁性膜10の比抵抗が高くなって透磁率が大きくなり、
薄膜トランス1の特性を向上できる。
【0054】上述の薄膜トランス1においては、軟磁性
膜10、11が微細結晶質相と非晶質相とが混在した組
織を有するFe若しくはCoを主体とする合金からな
り、軟磁性膜10、11の飽和磁束密度を高くし、かつ
比抵抗を高くすることができるので、渦電流の発生を抑
えて高周波数帯域における透磁率の低下を防止してコイ
ル8、9のインダクタンスを高めることが可能となり、
薄膜トランス1の特性を向上することができる。
【0055】また、軟磁性膜10と基板2aとの間に、
Si、SiO2、Al23、Si3 4のうちの少なくと
も1種または2種以上からなる下地層22が設けられて
いるので、基板2aの表面粗さや熱膨張の影響が軟磁性
膜10及ぶのを防ぐことができる。更に、基板2aは、
ポリイミド系樹脂またはノボラック系樹脂またはガラス
等からなるので、エッチングの際においてエッチング液
による浸食を防ぐことができる。
【0056】上述の薄膜トランスの製造方法は、基板2
aに磁性膜11、絶縁層2b、2c、コイル9を積層し
てなる上層部品32と、仮基板31に磁性膜10、絶縁
層2d、2e、コイル8を積層してなる下層部品41と
を予め製造し、これら上層部品32と下層部品41を接
合するので、軟磁性膜、絶縁層、コイルの平坦性が高く
なり、1つの基板上に多数の絶縁層を積層することによ
る各絶縁層の平坦性の低下という問題が生じないので、
薄膜トランス1の不良発生を低減することができる。ま
た、上層部品32及び下層部品41の形成時には、コイ
ル8、9上には上部絶縁層2c、2dを形成するのみな
ので、絶縁層の積層によるコイル8、9への応力の印加
が小さくなって製造中にコイル8、9が切断されること
がなく、薄膜トランス1の不良発生を低減することがで
きる。更に、上層部品32と下層部品41を接合した後
に上層部品32の仮基板31を除去するので、薄膜トラ
ンス1の総高を小さくできる。また、仮基板31及び基
板2aに軟磁性膜10及び軟磁性膜11を形成している
ので、軟磁性膜10、11の平坦性を高くすることが可
能となり、軟磁性膜10、11の軟磁気特性が向上して
特性が良好な薄膜トランス1を製造することができる。
また、軟磁性膜10、11は仮基板31、基板2a上に
形成されるので、その後の工程において軟磁性膜10、
11及び仮基板31、基板2aが加熱されても仮基板3
1及び基板2aから揮発成分が生じることなく、軟磁性
膜10、11が変質することがないので、軟磁性膜1
0、11の透磁率及び比抵抗の変動を抑えて、品質が安
定した薄膜トランス1を製造することができる。
【0057】更に、上述の薄膜トランスの製造方法にお
いては、下層部品41にコイル9の一端9aと他端9b
を露出させる第2連通孔20b、19bを設け、上層部
品32に第1連通孔20a、19aを設け、これら第1
連通孔と第2連通孔の位置を合わせて上層部品32と下
層部品41を接合して孔19、20とし、これら孔1
9、20にコイル9の一端9aと他端9bに接続する導
体14、12(下部導体)を形成し、更に電極6、4を
取り付けるので、コイル9と電極4、6との間の電気抵
抗を小さくして電力損失が小さい薄膜トランス1を製造
することができる。また、上述の薄膜トランスの製造方
法は、上層部品32の製造の際において、導体13、1
5(上部導体)の形成後にコイル8を形成してコイル8
の一端8aと他端8bを導体13、15にそれぞれ接続
し、更に上層部品32と下層部品41を接合し仮基板3
1を除去した後に、導体13、15(上部導体)に電極
5、7を取り付けるので、コイル8と電極5、7との間
の電気抵抗を小さくして電力損失が小さい薄膜トランス
1を製造することができる。
【0058】また、上述の薄膜トランス1の製造方法に
おいては、複数の上層部品32と複数の下層部品41と
を接合し、電極4、5、6、7を取り付けて複数の薄膜
トランス1を得た後に薄膜トランス1を切り出すので、
切り出し後の工程が不要になって薄膜トランス1の製造
工程を簡略にできる。
【0059】次に、本発明の第2の実施形態である薄膜
トランスを図面を参照して説明する。図21〜図23は
第2の実施形態である薄膜トランス61の斜視図であ
り、図24は図21のX−X’線の断面図であり、図2
5は図21のY−Y’線の断面図である。尚、これらの
図において、前述した図1〜図4に示す構成要素と同一
の構成要素には同一符号を付してその詳細な説明を省略
する。図21に示す薄膜トランス61には、基体62
と、基体62の上面63(一面)に取り付けられた4つ
の電極64、65、66、67とが備えられている。電
極64〜67は、略四角形の基体62の上面3の四隅に
それぞれ取り付けられている。また、電極64は、端子
部64aと、端子部64aから基体62の中央に向けて
延在する竿部64bとからなる。尚、電極64〜67に
はバンプ状の半田メッキを形成しても良い。
【0060】図24及び図25に示すように、基体62
は、基板62aと、基板62a上に積層された絶縁層6
2b〜62gからなるものである。基板62aは、前述
した基板2aと同様な構成からなり、絶縁層62b〜6
2gは、前述した絶縁層2b〜2eの材質と同様とされ
る。
【0061】図22〜図25に示すように、基体62の
内部には、2つの渦巻き状のコイル8、9が互いに離間
して対向するように設けられている。コイル8は、絶縁
層62eと絶縁層62fの間に設けられ、絶縁層62f
に沿ってその一端8aから他端8bに向けて渦巻き状に
巻回されてなる。コイル9は、絶縁層62cと絶縁層6
2dの間に設けられ、絶縁層62cに沿ってその一端9
aから他端9bに向けて渦巻き状に巻回されてなる。こ
のようにしてコイル8、9は、互いに対向して設けられ
ると共に絶縁層62d、62eにより離間されて互いに
絶縁されている。
【0062】また、基体62の内部の2つのコイル8、
9の対向する側の反対側(外側)には、2つの軟磁性膜
90、91が設けられている。軟磁性膜90は、絶縁層
62fと絶縁層62gの間に設けられており、絶縁層6
2fによりコイル8と離間されて絶縁されていると共
に、コイル8と対向するように設けられている。軟磁性
膜91は、絶縁層62b上に形成されると共に絶縁層6
2cに覆われており、絶縁層62cによりコイル9と離
間されて絶縁されていると共に、コイル9と対向するよ
うに設けられている。軟磁性膜90、91の材質は、前
述した軟磁性膜10、11と同様である。
【0063】また、基体62の内部には、コイル8の一
端8a及び他端8bと電極64、65を接続する導体6
8、69が設けられると共に、コイル9の一端9a及び
他端9bと電極66、67を接続する導体70、71が
設けられている。なお、導体68は、電極64の竿部6
4bに接続され、竿部64bは電極部64aに接続され
ている。導体68、69は、絶縁層62f、62gに設
けられた孔72、73に金属を埋めてなるスルーホール
とされている。導体71は絶縁層62d、62e、62
f、62gを貫通する孔74に金属を埋めてなるスルー
ホールとされている。導体70は、コイル9の一端9a
から基板62aに向けて延在する縦行導体70aと、電
極66から基板62aに向けて延在する取出導体70b
と、基板62a上に延在して縦行導体70aと取出導体
70bを連結する連結導体70cとからなる。縦行導体
70aは、絶縁層62b、62cに設けられた孔に金属
を埋めてなるスルーホールとされている。縦行導体70
aは、磁性膜91の穴部91aを貫通して磁性膜91と
接触しないように形成されている。取出導体70bは、
絶縁層62b〜62gに設けられた孔に金属を埋めてな
るスルーホールとされている。
【0064】また基体62には、絶縁層62d、62e
の間に位置してこれら絶縁層62d、62eを接合する
ための接着層21が設けられている。接着層21は、絶
縁層62d、62eの間に位置することによって、2つ
の軟磁性膜90、91の間に位置することになる。
【0065】次に、上述の薄膜トランス61の製造方法
を図面を参照して説明する。この製造方法は、図26に
示すように、仮基板31上に少なくとも軟磁性膜90、
下部絶縁層62f、上部コイル8、上部絶縁層62eを
積層して複数の上層部品80を製造し、基板62a上に
軟磁性膜91、下部絶縁層62c、下部コイル9、上部
絶縁層62dを積層して複数の下層部品100を製造
し、これら基板2aと仮基板31を積層することにより
上層部品80と下層部品100を接合し、仮基板31を
除去して上部絶縁層62fを露出させ、更に絶縁層62
gを積層して絶縁層62g上に電極64〜67を取り付
け、最後に薄膜トランス61を切り出す工程を含むもの
である。この製造方法は、前述した薄膜トランス1の場
合とほぼ同様であるが、下層部品100の下部導体を形
成する点において前述の薄膜トランス1の場合と異な
る。従って、前述の薄膜トランス1の製造方法と同様な
点については、簡略して説明する。
【0066】まず、上層部品80を製造する方法を図2
7〜図36を参照して説明する。図27〜図31は、図
24に対応するものであり、図32〜図36は、図25
に対応するものである。図27及び図32において、仮
基板31上に軟磁性膜90を形成する。軟磁性膜90
は、その中央に穴部90aを有してこの穴部90aから
仮基板31が露出するように略環状に形成される。この
ようにして平坦な仮基板31上に軟磁性膜90を形成す
るので、軟磁性膜90の平坦性が高くなる。
【0067】次に図28及び図33において、仮基板3
1と軟磁性膜90を覆う絶縁層62f(下部絶縁層)を
形成する。また、絶縁層62fの表面を研磨して、絶縁
層62fの表面を平坦化することが好ましい。更に絶縁
層62fに、孔72、73を設ける。孔72は、図28
及び図33に示すように、軟磁性膜90の穴部90aを
貫通して仮基板31が露出するように設ける。また孔7
3は、図33に示すように、絶縁層62fの軟磁性膜9
0が形成されていない部分に位置して仮基板31が露出
するように設ける。次に図29及び図34において、導
電性の金属を孔72、73に埋めて、導体68、69
(上部導体)を形成する。
【0068】次に図30及び図35において、絶縁層6
2f(下部絶縁層)上に渦巻き状のコイル8(上部コイ
ル)を形成する。このとき、コイル8の一端8a及び他
端8bが導体68、69(上部導体)に接続するように
形成する。次に図31及び図36において、コイル8
(上部コイル)を埋めて絶縁層62f(下部絶縁層)を
覆う絶縁層62e(上部絶縁層)を形成する。更に絶縁
層62e及び絶縁層62fを貫通する2つの第1連通孔
81a、82aを設ける。これらの第1連通孔81a、
82aは、絶縁層62eのコイル8及び軟磁性膜90が
形成されていない部分に位置して仮基板31を露出させ
るように設ける。このようにして、上層部品80が得ら
れる。
【0069】次に、下層部品100を製造する方法を図
37〜図52を参照して説明する。図37〜図44は、
図24に対応するものであり、図45〜図52は、図2
5に対応するものである。図37及び図45において、
基板62a上に略竿状の連結導体70cを形成する。次
に図38及び図46において、基板62a及び連結導体
70cを覆う絶縁層62bを形成する。絶縁層62bの
表面は、CMP等の手段により平坦化することが好まし
い。
【0070】次に図39及び図47において、絶縁層6
2b上に軟磁性膜91を形成する。軟磁性膜91は、そ
の中央に穴部91aを有してその穴部91aから絶縁層
62bが露出するように略環状に形成する。軟磁性膜9
1は、平坦な絶縁層62b上に形成されるので、軟磁性
膜91の平坦性が高くなる。
【0071】次に図40及び図48において、絶縁層6
2bと軟磁性膜91を覆う絶縁層62c(下部絶縁層)
を形成する。また、絶縁層62cの表面を研磨して絶縁
層62cの表面を平坦化することが好ましい。更に、絶
縁層62c及び絶縁層62bを貫通して連結導体70c
の一端170aを露出させる孔101を設ける。孔10
1は、軟磁性膜91の穴部91aを貫通して軟磁性膜9
1と接触しないように形成する。次に図41及び図49
において、孔101に金属を埋めて縦行導体70aを形
成する。また縦行導体70aは、連結導体70cの一端
170aと接続するように形成する。この連結導体70
c及び縦行導体70aにより、接続導体が形成される。
次に図42及び図50において、絶縁層62c(下部絶
縁層)上に渦巻き状のコイル9(下部コイル)を形成す
る。コイル9は、一端9aから他端9bに向けて渦巻き
状に巻回するように形成すると共に、コイル9の一端9
aが縦行導体70aと接続するように形成する。
【0072】次に、図43及び図51において、コイル
9(下部コイル)を埋めて絶縁層62c(下部絶縁層)
を覆う絶縁層62d(上部絶縁層)を形成する。更に、
絶縁層62dに第2連通孔81b、82bを設ける。第
2連通孔81bは、図43に示すように、絶縁層62b
〜62dを貫通して連結導体70cの他端170bを露
出させるように設け、第2連通孔82bは、図51に示
すように、コイル9(下部コイル)の他端9bを露出さ
せるように設ける。このようにして下層部品100を製
造する。更に図44及び図52において、絶縁層62d
に接着層21を積層する。尚、接着層21は上層部品8
0の絶縁層62e(上部絶縁層)に積層しても良いし、
上層部品80と下層部品100の双方の上部絶縁層62
d、62eに積層しても良い。
【0073】次に、上層部品80と下層部品100を接
合し、仮基板31を除去し、電極を取り付けて薄膜トラ
ンスを完成する方法を図53〜図64を参照して説明す
る。図53〜図58は、図24に対応するものであり、
図59〜図64は、図25に対応するものである。ま
ず、図53及び図59に示すように、上層部品80と下
層部品100を接合する。このとき、接着層21を介し
て上層部品80の絶縁層62e(上部絶縁層)と下層部
品100の絶縁層62d(上部絶縁層)とを互いに向き
合わせると共に、上層部品80の第1連通孔81a、8
2aの位置と下層部品100の第2連通孔81b、82
bの位置とを一致させるようにして上層部品80と下層
部品100を接合する。このようにして、第1連通孔8
1aと第2連通孔81bとが連通して孔81を形成し、
第1連通孔82aと第2連通孔82bとが連通して孔8
2を形成する。孔81は、絶縁層62b〜62fを貫通
して仮基板31から連結導体70cの他端170bに至
るものであり、孔82は、絶縁層62d〜62fを貫通
して仮基板31からコイル9の他端9bに至るものであ
る。
【0074】次に図54及び図60に示すように、仮基
板31をエッチング等の手段により除去して軟磁性膜9
0及び絶縁層62fを露出させる。また同時に導体6
8、69(上部導体)及び孔81、82を露出させる。
次に図55及び図61に示すように、軟磁性膜90及び
絶縁層62fを覆う絶縁層62gを形成する。絶縁層6
2gを形成する際には、孔81、82を絶縁層62gで
塞がないように、絶縁層62gを形成した後に絶縁層6
2gをエッチングして孔81、82を開口する。更に、
導体68、69(上部導体)を絶縁層62gで覆わない
ように、絶縁層62gを形成した後に絶縁層62gをエ
ッチングして孔68a、69aを開口する。
【0075】次に図56及び図62に示すように、導電
性の金属を孔81、82に埋めて、導体71、取出導体
70b(下部導体)をそれぞれ形成する。導体71は、
コイル9の他端9bと接続するように形成し、取出導体
70bは、連結導体70cの他端170bと接続するよ
うに形成する。更に、孔68a、69aに金属を埋めて
導体68、69を継ぎ足して導体68、69(上部導
体)を絶縁層62g上に露出させる。次に図57及び図
63に示すように、導体68、69、71及び取出導体
70bに電極64、65、67、66をそれぞれ取り付
けて薄膜トランス61を得る。最後に、図58及び図6
4に示すように、薄膜トランス61を切り出す。
【0076】上述の薄膜トランス61及び上述の薄膜ト
ランスの製造方法は、前述した薄膜トランス1の場合と
ほぼ同様の効果が得られる。
【0077】また、上述の薄膜トランス61において
は、軟磁性膜90が絶縁層62bを介して基板62a上
に形成されているので、軟磁性膜90の平坦性を高くす
ることが可能となり、軟磁性膜90の 比抵抗及び透磁
率が高くなって薄膜トランス61の特性を向上できる。
【0078】また、上述の薄膜トランス61において
は、基体62(絶縁層62f)の中央から露出する導体
68と基体62の一隅にある電極部64aが竿部64b
により接続され、コイル9の一端9aが導体70を介し
て基体62の一隅にある電極67に接続されて、電極6
3〜67が基体62の四隅に位置することになるので、
薄膜トランス61を回路基板上に安定して実装すること
ができる。
【0079】また、上述の薄膜トランスの製造方法にお
いては、仮基板31に軟磁性膜90を形成し、基板62
aに絶縁層62bを介して軟磁性膜91を形成している
ので、軟磁性膜90、91の平坦性を高くすることが可
能となり、軟磁性膜90、91の比抵抗及び透磁率が高
くなってて特性が向上した薄膜トランス61を製造する
ことができる。
【0080】次に、本発明の第3の実施形態である薄膜
トランスを図65〜69を参照して説明する。尚、これ
らの図において、図1〜図4及び図21〜図25に示す
構成要素と同一の構成要素には同一符号を付してその説
明を省略する。
【0081】図65〜69に示す薄膜インダクタ301
には、基体62の四隅に位置して一面63から側壁面3
02、303を経て他面322に向けて延在する断面が
略コ字状の電極364、365、366、367が設け
られている。電極364は、基体62の上面63から露
出する導体68に接続され、電極365は、上面21か
ら露出する導体69に接続され、電極366、367
は、上面63から露出する導体70、71にそれぞれ接
続されている。また、電極364は、端子部364a
と、端子部364aから基体62の中央に向けて延在す
る竿部364bとからなり、導体68は、電極364の
竿部364bに接続されている。
【0082】この薄膜トランス301は、断面が略コ字
状の電極364、365、366、367を取り付ける
こと以外は、前述の薄膜トランス61と同様の製造方法
により得られる。即ち、図27〜図57の各工程を経た
後に、図57に示す積層物を切り出し、電極364、3
65、366、367を取り付けることにより製造され
る。
【0083】上述の薄膜トランス301は、前述した薄
膜インダクタ61の効果と同様な効果に加えて、以下の
効果が得られる。即ち、上述の薄膜トランス301に
は、基体62の一面63から側壁面302、303を経
て他面322に向けて延在する断面が略コ字状の電極3
64、365、366、367が設けられているので、
薄膜トランス301を回路基板等に実装する際に、電極
364、365、366、367を回路基板の端子等に
直接接触させて実装することが可能となり、薄膜トラン
ス301の回路基板に対する実装面積を小さくすること
ができる。従って、上述の薄膜トランス301は、従来
のチップ型回路素子の実装技術をそのまま用いて回路基
板等に実装することができる。また、電極364、36
5、366、367は、導体68、69、70、71を
介してコイル8、9に接続されているので、コイル8、
9と電極364、365、366、367の間の電気抵
抗を小さくして薄膜トランス301の電力損失を小さく
することができる。
【0084】次に、本発明の第4の実施形態である薄膜
トランスを図面を参照して説明する。図70〜図72は
第4の実施形態である薄膜トランス141を示す斜視図
であり、図73は図70のX−X’線の断面図である。
尚、これらの図において、前述した図1〜図4及び図2
1〜図25に示す構成要素と同一の構成要素には同一符
号を付してその詳細な説明を省略する。図70に示す薄
膜トランス141には、基体142と、基体142の四
隅に位置して一面162から側壁面160、161を経
て他面162に向けて延在する断面が略コ字状の4つの
電極143、144、145、146とが備えられてい
る。電極143、144は側壁面160の長手方向に沿
って並んで取り付けられ、かつそれぞれ上面162、下
面163に沿って折り曲げられて断面が略コ字状とされ
ている。電極145、146は側壁面161の長手方向
に沿って並んで取り付けられ、かつそれぞれ上面16
2、下面163に沿って折り曲げられて断面が略コ字状
とされている。
【0085】図73に示すように、基体142は、2つ
の基板142a、142hと、これら基板142a、1
42fに挟まれて積層された絶縁層142b〜142g
からなるものである。基板142a、142h及び絶縁
層142b〜142gの材質は、前述した基板2a及び
絶縁層2b〜2eと同様である。
【0086】図71〜図73に示すように、基体142
の内部には、2つの渦巻き状のコイル148、149が
互いに離間して対向するように設けられている。コイル
148は、絶縁層142eと絶縁層142fの間に設け
られ、絶縁層142fに沿ってその一端148aから他
端148bに向けて渦巻き状に巻回されてなる。コイル
149は、絶縁層142cと絶縁層142dの間に設け
られ、絶縁層142cに沿ってその一端149aから他
端149bに向けて渦巻き状に巻回されている。また、
コイル148、149は、基体142の上面162と平
行になるように巻回されている。なる。このようにして
コイル148、149は、互いに対向して設けられると
共に絶縁層142d、142eにより離間されて互いに
絶縁されている。コイル148、149の材質は、前述
したコイル8、9と同様である。
【0087】また、基体142の内部の2つのコイル1
48、149の対向する側の反対側(外側)には、2つ
の軟磁性膜150、151が設けられている。軟磁性膜
150は、絶縁層142fと絶縁層142gの間に設け
られており、絶縁層142fによりコイル148と離間
されて絶縁されていると共に、コイル148と対向する
ように形成されている。軟磁性膜151は、絶縁層14
2b上に形成されると共に絶縁層142cに覆われてお
り、絶縁層142cによりコイル149と離間されて絶
縁されていると共に、コイル149と対向するように形
成されている。軟磁性膜150、151の材質は、前述
の軟磁性膜10、11と同様である。
【0088】また、基体142の内部には、コイル14
8の一端148a及び他端148bと電極145、14
3とを接続する導体152、158が設けられ、コイル
149の一端149a及び他端149bと電極146、
144とをそれぞれ接続する導体153、159が設け
られている。導体152は、基体142のほぼ中央に位
置するコイル148の一端148aから、基板142h
に向けて延在する縦行導体155と、縦行導体155か
ら基体142の側壁面161に向けて延在する連結導体
154とからなる。連結導体154は側壁面161から
露出するように形成されている。導体158は、コイル
148の他端148bから基体142の側壁面160に
向けて延在し、かつ側壁面160に露出するように形成
されている。また、導体153は、基体142のほぼ中
央に位置するコイル149の一端149aから基板14
2aに向けて延在する縦行導体157と、縦行導体15
7から基体142の側壁面161に向けて延在する連結
導体156からなる。連結導体156は側壁面161か
ら露出するように形成されている。更に、導体159
は、コイル149の他端149bから基体142の側壁
面160に向けて延在し、かつ側壁面161に露出する
ように形成されている。
【0089】また基体142には、絶縁層142d、1
42eの間に位置してこれら絶縁層142d、142e
を接合するための接着層21が設けられている。接着層
21は、絶縁層142d、142eの間に位置すること
によって、2つの軟磁性膜150、151の間に位置す
ることになる。
【0090】次に、上述の薄膜トランス141の製造方
法を図面を参照して説明する。この製造方法は、図74
に示すように、基板142a(142h)上に少なくと
も軟磁性膜151(150)、下部絶縁層142c(1
42f)、コイル149(148)、上部絶縁層142
d(142e)を積層して構成部品200を製造し、こ
れら基板142a、142hを積層することにより2つ
の構成部品200、200を接合して薄膜トランス素子
141aとし、この薄膜トランス素子141aを切り出
して薄膜トランス素子141aの側壁面に電極143〜
146を取り付けて薄膜トランス141を得るものであ
る。
【0091】まず、構成部品200を製造する方法を図
75〜図81を参照して説明する。図75において、基
板142a(142h)上に略竿状の連結導体156
(154)を形成する。次に図76において、基板14
2a(142h)と連結導体156(154)とを覆う
絶縁層142b(142g)を形成する。絶縁層142
b(142g)の表面は、CMP等の手段により平坦化
することが好ましい。
【0092】次に図77において、絶縁層142b(1
42g)上に軟磁性膜151(150)を形成する。軟
磁性膜151は、その中央に穴部151a(150a)
を有してその穴部151a(150a)から絶縁層14
2b(142g)が露出するように略環状に形成する。
軟磁性膜151(150)は、平坦な絶縁層142b
(142g)上に形成されるので、軟磁性膜151(1
50)の平坦性が高くなる。
【0093】次に図78において、絶縁層142b(1
42g)と軟磁性膜151(150)を覆う絶縁層14
2c(142f)(下部絶縁層)を形成する。また、絶
縁層142c(142f)の表面を研磨してこれらの表
面を平坦化することが好ましい。更に、絶縁層142c
(142f)及び絶縁層142b(142g)を貫通し
て連結導体156(154)の一端270a(280
a)を露出させる孔201(211)を設ける。孔20
1(211)は、軟磁性膜151(150)の穴部15
1a(150a)を貫通して軟磁性膜151(150)
と接触しないように形成する。次に図79において、金
属を孔201(211)に埋めて縦行導体157(15
5)を形成する。縦行導体157(155)は、連結導
体156(154)の一端270a(280a)と接続
するように形成する。次に図80おいて、絶縁層142
c(142f)(下部絶縁層)上に渦巻き状のコイル1
49(148)を形成する。コイル149(148)
は、一端149a(148a)から他端149b(14
8b)に向けて渦巻き状に巻回するように形成する。コ
イル149(148)は、一端149a(148a)が
縦行導体157(155)に接続するように形成する。
また、コイルの他端149b(148b)に接続する略
竿状の導体159(158)を形成する。
【0094】次に、図81において、コイル149(1
48)及び導体159(158)を埋めて絶縁層142
c(142f)(下部絶縁層)を覆う絶縁層142d
(142e)(上部絶縁層)を形成する。このようにし
て構成部品200を製造する。
【0095】次に、2つの構成部品200、200を接
合し、更に電極を取り付けて薄膜トランスを完成する方
法を図82〜図84を参照して説明する。まず、接着層
21を、構成部品200、200の一方若しくは両方の
絶縁層142d(142e)に予め積層しておく。次
に、図82に示すように、2つの構成部品200、20
0を接合する。このとき、各構成部品200、200の
絶縁層142d、142e(上部絶縁層)が接着層21
を介して互いに向き合うように接合する。このようにし
て薄膜トランス素子141aを形成する。
【0096】次に、図83に示すように、薄膜トランス
素子141aを切り出す。このとき、薄膜トランス素子
141a(基体142)の側壁面160から導体15
8、159が露出し、側壁面161から連結導体15
4、156が露出するように薄膜トランス素子141a
を切り出す。最後に図84に示すように、薄膜トランス
素子141a(基体142)の側壁面161から露出す
る連結導体154、156に電極145、146をそれ
ぞれ取り付け、側壁面160に露出する導体158、1
59に電極143、144をそれぞれ取り付けて薄膜ト
ランス141を得る。
【0097】上述の薄膜トランス141は、前述した薄
膜トランス1、61の効果と同様な効果に加えて、以下
の効果が得られる。即ち上述の薄膜トランス141は、
基体142の側壁面160、161に電極143〜14
6が取り付けられているので、薄膜トランス141を回
路基板等に実装する際に、電極143〜146を回路基
板の端子等に直接接触させて実装することが可能とな
り、薄膜トランス41の回路基板に対する実装面積を小
さくすることができる。従って、上述の薄膜トランス1
41は、従来のチップ型回路素子の実装技術をそのまま
用いて回路基板等に実装することができる。また、電極
143〜146は、導体152、153、158、15
9を介してコイル148、149に接続されるので、コ
イル148、149と電極143〜146の間の電気抵
抗が小さくなって電力損失を小さくすることができる。
【0098】上述の薄膜トランスの製造方法は、2つの
構成部品200を形成し、これらを接合することにより
薄膜トランス141が得られるので、前述した薄膜トラ
ンス1、61のように2つの異なる部品(上層部品、下
層部品)を製造する必要がなく、製造工程を簡略化して
薄膜トランス141の生産効率を高めることができる。
【0099】
【実施例】(実験例1)ガラス基板板上に種々の組成の
軟磁性膜を成膜し、これらの軟磁性膜の飽和磁束密度、
比抵抗、保磁力及び透磁率を測定した。軟磁性膜の成膜
は、次のようにして行った。まず、RFマグネトロンス
パッタ装置を用いて、Feターゲット上に本発明におけ
る元素Mの各種ペレットを配置した複合ターゲットを用
い、Ar+O2(O2濃度0.1〜1.0%)の雰囲気中で
スパッタを行ない、膜厚が約2μmになるようにスパッ
タ時間を調整した。主なスパッタ条件を以下に示す。 予備排気:1×10-6Torr以下 高周波電力:400W Arガス圧:6〜8×10-3Torr 基板:結晶化ガラス基板(間接水冷) 電極間距離:72mm 成膜後、軟磁性膜の軟磁気特性を改善するため、真空加
熱炉中で、無磁場あるいは磁場中で300〜600℃の
温度範囲で60〜360分間保持し徐冷するアニール処
理を行なった。得られた軟磁性膜の組成は、不活性ガス
融解赤外線吸収法により求めた。また、軟磁性膜の飽和
磁束密度(Bs)と保磁力(Hc)をVSMにより測定
した。比抵抗(ρ)を4端子法により測定した。また、
10MHzにおける透磁率(μeff)を測定した。結果
を表1に示す。
【0100】
【表1】
【0101】表1から、Feの含有量が少ないと比抵抗
が増加することがわかる。また、Feの含有量が多くと
も、例えばHfが5原子%未満のもの又は酸素が10原
子%未満のものは、比抵抗が小さくなることがわかる。
なお、表1に示したFe46.2Hf18.235.6の試料の比
抵抗の値は、熱処理前においては194000μΩ・c
mであり、組成、熱処理温度を最適化することにより
2.0×105μΩ・cm程度の比抵抗が得られることが
期待できる。
【0102】(実験例2)外部磁界の周波数を変化させ
て軟磁性膜の透磁率(μeff)を測定した。試験に供し
た軟磁性膜は、Fe54.9Hf1134.1、センダスト膜、
Co系アモルファスリボンを使用し、回転磁場中で40
0℃で6時間の熱処理を施した。なお、Fe54.9Hf11
34.1なる組成の軟磁性膜は、実験例1で得られたもの
を用いた。測定結果を図80に示す。尚、図80中、F
54.9Hf1134.1は実線、センダスト膜は点線、Co
系アモルファスリボンは一点鎖線で示した。図85か
ら、センダスト膜やCo系アモルファスリボンは高周波
帯域になるにつれて透磁率が低下してしまっている。し
かしながら、Fe54.9Hf1134.1なる組成の軟磁性合
金は、高周波帯域であっても高い透磁率を維持している
ことが明白であり、高周波用磁性材料として非常に優れ
ていることがわかる。
【0103】(実験例3)実験例1で得られたFe54.9
Hf1134.1 、Fe46.2Hf18.235.6なる組成の軟
磁性膜について、これらの軟磁性膜の金属組織を、透過
型電子顕微鏡(TEM)にて観察し、金属組織の微小領
域の組成比をエネルギー分散型X線分析装置(EDS)
にて測定した。結果を図86〜図89に示す。
【0104】図86には、Fe54.9Hf1134.1なる組
成の軟磁性膜の成膜後における金属組織写真の模式図を
示す。この図において斜線を施した領域は、bcc構造
のFeの微結晶質相が析出し、他の非晶質組織と異なっ
た組織になっている。図86に示すように斜線部分の面
積を計算したところ、総面積の約50%となり、この例
の軟磁性膜においては、Feの微結晶質相の割合が約5
0%、非晶質相の割合が約50%になっていることが明
らかになった。また、図86に示した5nmの大きさの
目盛りから判断すると、いずれの結晶粒子も充分に小さ
な結晶粒径を示していることが判明し、平均結晶粒径を
計算したところその値は7nmとなった。
【0105】図87は、Fe46.2Hf18.235.6なる組
成の軟磁性膜の成膜後における金属組織写真の模式図を
示す。この図において斜線を施した領域は、bcc構造
のFeの微結晶質相が析出し、他の非晶質組織と異なっ
た組織になっている。図87に示すように斜線部分の面
積を計算したところ、総面積の約10%となり、この例
の軟磁性膜においては、Feの微結晶相の割合が約10
%になっていることが明らかになった。また、図87に
示した5nmの大きさの目盛りから判断すると、いずれ
の結晶粒子も更に小さな結晶粒径を示していることが判
明し、平均結晶粒径を計算したところその値は4nmと
なった。
【0106】次に、図88には、図87の模式図に示し
た軟磁性膜の結晶質相のEDSによる分析結果を示し、
図89に同じ軟磁性膜の非晶質相の分析結果を示す。こ
れらの結果から、結晶質相の部分は主にbcc構造のF
eが多く含まれ、非晶質相の部分はHfとOとが高濃度
に含まれていることがわかる。なお、図中において、C
uのピークが出ているのは、EDSの試料ホルダによる
ものである。
【0107】図86と図87から得られた結果と、先に
示した表1に示す特性値を対照してみると、図86に示
す金属組織の試料よりも図87に示す金属組織の試料の
方が非晶質相の割合が大きいが、この非晶質相の割合が
大きいことにより表1に示すように比抵抗の値が大幅に
増加し、保磁力は殆ど変化していない。よって、Fe微
結晶相の割合を減少させて非晶質相の割合を増やすこと
により保磁力を変化させることなく比抵抗を大幅に増加
できることが判明した。
【0108】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
薄膜トランスは、基体の内部に2つのコイルと2つの軟
磁性膜が設けられているので、薄膜トランスの形状を小
型化することができる。また、2つの軟磁性膜が、2つ
のコイルを挟んで2つのコイルと対向するように設けら
れているので、各コイルのインダクタンスを高くして薄
膜トランスの特性を向上できると共に、各コイルから発
生する磁束が薄膜トランスの外部に漏れることがない。
また、本発明の薄膜トランスは、コイルが渦巻き状に形
成されているので、薄膜トランスの総高を低くすると共
にコイルの占める面積を小さくして、薄膜トランスを小
型化することができる。更にまた、4つの電極は、導体
を介して2つのコイルの両端にそれぞれ接続されてお
り、コイルと電極の接触抵抗が小さくなるので、薄膜ト
ランスの電力損失を小さくすることができる。
【0109】本発明の薄膜トランスにおいては、基体が
基板と複数の絶縁層及び接着層からなるので、薄膜トラ
ンスの総高を小さくできる。また、本発明の薄膜トラン
スにおいては、複数の絶縁層が2つのコイル及び2つの
軟磁性膜の間に配置されているので、2つのコイル及び
2つの軟磁性膜をそれぞれ絶縁することができる。ま
た、接着層が2つの軟磁性膜の間に配置されているの
で、2つのコイル同士の絶縁を更に高めることができ
る。また、本発明の上述の薄膜トランスにおいては、軟
磁性膜が基板上に形成されているので、軟磁性膜の平坦
性を高くすることが可能となり、軟磁性膜の比抵抗が高
くなって透磁率が大きくなり、薄膜トランスの特性を向
上できる。
【0110】また、本発明の薄膜トランスにおいては、
基体が2つの基板とこれらの基板に挟まれた複数の絶縁
層及び接着層からなり、2つの軟磁性膜が絶縁層を介し
てこれらの基板上に形成されているので、軟磁性膜の平
坦性を高くすることが可能となり、軟磁性膜の比抵抗が
高くなって透磁率が大きくなり、薄膜トランスの特性を
向上できる。
【0111】更に、基体の一面に4つの電極が取り付け
られているので、薄膜トランスを回路基板等に実装する
際に、4つの電極を回路基板の端子等に直接接触させて
実装することが可能となり、薄膜トランスの実装が容易
になると共に、薄膜トランスの回路基板に対する実装面
積を小さくすることができる。
【0112】本発明の薄膜トランスは、基体の側壁面に
4つの電極が取り付けられているので、薄膜トランスを
回路基板等に実装する際に、電極を回路基板の端子等に
直接接触させて実装することが可能となり、薄膜トラン
スの実装が容易になると共に、薄膜トランスの回路基板
に対する実装面積を小さくすることができる。従って、
本発明の薄膜トランスは、従来のチップ型回路素子の実
装技術をそのまま用いて回路基板等に実装することがで
きる。更に、本発明の薄膜トランスは、基体の一面から
側壁面に向けて延在する電極が備えられており、この電
極は、基体の一面から露出する導体に取り付けられてい
るので、電極と導体の接続部分における接触面積を大き
くすることが可能になって、電極と導体の間の接触抵抗
を低減でき、薄膜トランスの電力損失をより低減できる
と共に、電極を回路基板の端子等に直接接触させて実装
することが可能となり、薄膜トランスの回路基板に対す
る実装面積を小さくすることができる。
【0113】また、本発明の薄膜トランスは、電極にバ
ンプ状の半田メッキが形成されているので、薄膜トラン
スを回路基板等の所定に位置に配置して加熱することに
より半田が溶解して薄膜トランスを回路基板に容易に実
装することができる。
【0114】本発明の薄膜トランスにおいては、2つの
軟磁性膜が微細結晶質相と非晶質相とが混在した組織を
有するFe若しくはCoを主体とする合金からなり、軟
磁性膜の飽和磁束密度を高くし、かつ比抵抗を高くする
ことができるので、渦電流の発生を抑えて高周波数帯域
における透磁率の低下を防止してコイルのインダクタン
スを高めることが可能となり、薄膜トランスの特性を向
上することができる。
【0115】また、軟磁性膜と基板との間に、Si、S
iO2、Al23、Si34のうちの少なくとも1種ま
たは2種以上からなる下地層が設けられているので、基
板2aの表面粗さや熱膨張の影響が軟磁性膜10及ぶの
を防ぐことができる。更に、基板は、ポリイミド系樹脂
またはノボラック系樹脂等からなるので、エッチングの
際においてエッチング液による浸食を防ぐことができ
る。
【0116】本発明の薄膜トランスの製造方法は、基板
に少なくとも軟磁性膜、下部絶縁層、上部コイル、上部
絶縁層を積層してなる上層部品と、仮基板に少なくとも
磁性膜、下部絶縁層、下部コイル、上部絶縁層を積層し
てなる下層部品とを予め製造し、これら上層部品と下層
部品を接合するので、軟磁性膜、下部絶縁層、コイル、
上部絶縁層の平坦性が高くなり、1つの基板上に多数の
絶縁層を積層することによる各層の平坦性の低下という
問題が生じないので、薄膜トランスの不良発生を低減す
ることができる。また、上層部品及び下層部品の形成時
には、コイル上には上部絶縁層を形成するだけなので、
絶縁層の積層によるコイルへの応力の印加を小さくする
ことが可能となって製造中にコイルが切断されることが
なく、薄膜トランスの製造工程における不良発生を低減
することができる。更に、上層部品と下層部品を接合
し、上層部品の仮基板を除去するので、総高が小さい薄
膜トランスを製造できる。また、仮基板及び基板にそれ
ぞれ軟磁性膜を形成しているので、2つの軟磁性膜の平
坦性を高くすることが可能となり、軟磁性膜の軟磁気特
性が向上して特性が良好な薄膜トランスを製造できる。
また、2つの軟磁性膜は仮基板、基板にそれぞれ形成さ
れるので、その後の工程において軟磁性膜、仮基板及び
基板が加熱されても仮基板及び基板から揮発成分が生じ
ることなく、軟磁性膜が変質することがないので、軟磁
性膜の軟磁気特性及び比抵抗の変動を抑えて、品質が安
定した薄膜トランスを製造することができる。
【0117】本発明の薄膜トランスの製造方法において
は、下層部品に下部コイルの一端と他端を露出させる2
つの第2連通孔を設け、上層部品に2つの第1連通孔を
設け、これら第1連通孔と第2連通孔の位置を合わせて
上層部品と下層部品を接合することにより、第2連通孔
と第1連通孔が連通して2つの孔が形成され、これらの
孔に下部導体が形成されるので、上層部品と下層部品を
接合した後に孔を形成する場合と比較して孔の形状にゆ
がみ等が発生することなく、上部導体の形状がゆがむこ
となく下部導体の導電性を高くできるので、電力損失が
小さい薄膜トランスを製造できる。
【0118】また、本発明の薄膜トランスの製造方法に
おいては、下部コイルの一端に接続導体を取り付け、下
層部品に下部コイルの他端及び接続導体の一端を露出さ
せる2つの第2連通孔を設け、上層部品に2つの第1連
通孔を設け、これら第1連通孔と第2連通孔との位置を
合わせて上層部品と下層部品を接合し、第2連通孔と第
1連通孔が連通して2つの孔が形成され、これらの孔に
下部導体が形成されるので、接続導体の形成位置を変え
ることによって下部コイルの他端に繋がる電極の位置を
自由に変更することが可能となり、薄膜トランスの設計
の自由度を高くすることができる。更に、本発明の薄膜
トランスの製造方法においては、上層部品の下部絶縁層
に2つの上部導体を形成し、この上部導体にコイルの一
端と他端が接続するように上部コイルを形成し、更に上
層部品と下層部品を接合し仮基板を除去した後に、上部
導体に電極を取り付けるので、コイルと電極との接触抵
抗を小さくして電力損失が小さい薄膜トランスを製造す
ることができる。
【0119】本発明の薄膜トランスの製造方法は、2つ
の構成部品を形成し、これらを接合することにより薄膜
トランスが得られるので、製造工程を簡略化して薄膜ト
ランスの生産効率を高めることができる。また、本発明
の薄膜トランスの製造方法においては、電極とコイルと
を接続する接続導体を形成するので、コイルと電極の接
触抵抗が小さくなって電力損失が小さい薄膜トランスを
製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態である薄膜トランス
の斜視図である。
【図2】 本発明の第1の実施形態である薄膜トランス
の斜視透視図である。
【図3】 本発明の第1の実施形態である薄膜トランス
の斜視透視図である。
【図4】 本発明の第1の実施形態である薄膜トランス
を示す図であって、図1に示す薄膜トランスのX−X’
線の断面図である。
【図5】 本発明の第1の実施形態である薄膜トランス
の製造方法を説明する工程図である。
【図6】 本発明の第1の実施形態である薄膜トランス
の上層部品の製造方法を説明する断面図である。
【図7】 本発明の第1の実施形態である薄膜トランス
の上層部品の製造方法を説明する断面図である。
【図8】 本発明の第1の実施形態である薄膜トランス
の上層部品の製造方法を説明する断面図である。
【図9】 本発明の第1の実施形態である薄膜トランス
の上層部品の製造方法を説明する断面図である。
【図10】 本発明の第1の実施形態である薄膜トラン
スの上層部品の製造方法を説明する断面図である。
【図11】 本発明の第1の実施形態である薄膜トラン
スの下層部品の製造方法を説明する断面図である。
【図12】 本発明の第1の実施形態である薄膜トラン
スの下層部品の製造方法を説明する断面図である。
【図13】 本発明の第1の実施形態である薄膜トラン
スの下層部品の製造方法を説明する断面図である。
【図14】 本発明の第1の実施形態である薄膜トラン
スの下層部品の製造方法を説明する断面図である。
【図15】 本発明の第1の実施形態である薄膜トラン
スの下層部品の製造方法を説明する断面図である。
【図16】 本発明の第1の実施形態である薄膜トラン
スの製造方法を説明する断面図である。
【図17】 本発明の第1の実施形態である薄膜トラン
スの製造方法を説明する断面図である。
【図18】 本発明の第1の実施形態である薄膜トラン
スの製造方法を説明する断面図である。
【図19】 本発明の第1の実施形態である薄膜トラン
スの製造方法を説明する断面図である。
【図20】 本発明の第1の実施形態である薄膜トラン
スの製造方法を説明する断面図である。
【図21】 本発明の第2の実施形態である薄膜トラン
スの斜視図である。
【図22】 本発明の第2の実施形態である薄膜トラン
スの斜視透視図である。
【図23】 本発明の第2の実施形態である薄膜トラン
スの斜視透視図である。
【図24】 本発明の第2の実施形態である薄膜トラン
スを示す図であって、図21に示す薄膜トランスのX−
X’線の断面図である。
【図25】 本発明の第2の実施形態である薄膜トラン
スを示す図であって、図21に示す薄膜トランスのY−
Y’線の断面図である。
【図26】 本発明の第2の実施形態である薄膜トラン
スの製造方法を説明する工程図である。
【図27】 本発明の第2の実施形態である薄膜トラン
スの上層部品の製造方法を説明する断面図である。
【図28】 本発明の第2の実施形態である薄膜トラン
スの上層部品の製造方法を説明する断面図である。
【図29】 本発明の第2の実施形態である薄膜トラン
スの上層部品の製造方法を説明する断面図である。
【図30】 本発明の第2の実施形態である薄膜トラン
スの上層部品の製造方法を説明する断面図である。
【図31】 本発明の第2の実施形態である薄膜トラン
スの上層部品の製造方法を説明する断面図である。
【図32】 本発明の第2の実施形態である薄膜トラン
スの上層部品の製造方法を説明する断面図である。
【図33】 本発明の第2の実施形態である薄膜トラン
スの上層部品の製造方法を説明する断面図である。
【図34】 本発明の第2の実施形態である薄膜トラン
スの上層部品の製造方法を説明する断面図である。
【図35】 本発明の第2の実施形態である薄膜トラン
スの上層部品の製造方法を説明する断面図である。
【図36】 本発明の第2の実施形態である薄膜トラン
スの上層部品の製造方法を説明する断面図である。
【図37】 本発明の第2の実施形態である薄膜トラン
スの下層部品の製造方法を説明する断面図である。
【図38】 本発明の第2の実施形態である薄膜トラン
スの下層部品の製造方法を説明する断面図である。
【図39】 本発明の第2の実施形態である薄膜トラン
スの下層部品の製造方法を説明する断面図である。
【図40】 本発明の第2の実施形態である薄膜トラン
スの下層部品の製造方法を説明する断面図である。
【図41】 本発明の第2の実施形態である薄膜トラン
スの下層部品の製造方法を説明する断面図である。
【図42】 本発明の第2の実施形態である薄膜トラン
スの下層部品の製造方法を説明する断面図である。
【図43】 本発明の第2の実施形態である薄膜トラン
スの下層部品の製造方法を説明する断面図である。
【図44】 本発明の第2の実施形態である薄膜トラン
スの下層部品の製造方法を説明する断面図である。
【図45】 本発明の第2の実施形態である薄膜トラン
スの下層部品の製造方法を説明する断面図である。
【図46】 本発明の第2の実施形態である薄膜トラン
スの下層部品の製造方法を説明する断面図である。
【図47】 本発明の第2の実施形態である薄膜トラン
スの下層部品の製造方法を説明する断面図である。
【図48】 本発明の第2の実施形態である薄膜トラン
スの下層部品の製造方法を説明する断面図である。
【図49】 本発明の第2の実施形態である薄膜トラン
スの下層部品の製造方法を説明する断面図である。
【図50】 本発明の第2の実施形態である薄膜トラン
スの下層部品の製造方法を説明する断面図である。
【図51】 本発明の第2の実施形態である薄膜トラン
スの下層部品の製造方法を説明する断面図である。
【図52】 本発明の第2の実施形態である薄膜トラン
スの下層部品の製造方法を説明する断面図である。
【図53】 本発明の第2の実施形態である薄膜トラン
スの製造方法を説明する断面図である。
【図54】 本発明の第2の実施形態である薄膜トラン
スの製造方法を説明する断面図である。
【図55】 本発明の第2の実施形態である薄膜トラン
スの製造方法を説明する断面図である。
【図56】 本発明の第2の実施形態である薄膜トラン
スの製造方法を説明する断面図である。
【図57】 本発明の第2の実施形態である薄膜トラン
スの製造方法を説明する断面図である。
【図58】 本発明の第2の実施形態である薄膜トラン
スの製造方法を説明する断面図である。
【図59】 本発明の第2の実施形態である薄膜トラン
スの製造方法を説明する断面図である。
【図60】 本発明の第2の実施形態である薄膜トラン
スの製造方法を説明する断面図である。
【図61】 本発明の第2の実施形態である薄膜トラン
スの製造方法を説明する断面図である。
【図62】 本発明の第2の実施形態である薄膜トラン
スの製造方法を説明する断面図である。
【図63】 本発明の第2の実施形態である薄膜トラン
スの製造方法を説明する断面図である。
【図64】 本発明の第2の実施形態である薄膜トラン
スの製造方法を説明する断面図である。
【図65】 本発明の第3の実施形態である薄膜トラン
スの斜視図である。
【図66】 本発明の第3の実施形態である薄膜トラン
スの斜視透視図である。
【図67】 本発明の第3の実施形態である薄膜トラン
スの斜視透視図である。
【図68】 本発明の第3の実施形態である薄膜トラン
スを示す図であって、図65に示す薄膜トランスのX−
X’線の断面図である。
【図69】 本発明の第3の実施形態である薄膜トラン
スを示す図であって、図65に示す薄膜トランスのY−
Y’線の断面図である。
【図70】 本発明の第4の実施形態である薄膜トラン
スの斜視図である。
【図71】 本発明の第4の実施形態である薄膜トラン
スの斜視透視図である。
【図72】 本発明の第4の実施形態である薄膜トラン
スの斜視透視図である。
【図73】 本発明の第4の実施形態である薄膜トラン
スを示す図であって、図70に示す薄膜トランスのX−
X’線の断面図である。
【図74】 本発明の第4の実施形態である薄膜トラン
スの製造方法を説明する工程図である。
【図75】 本発明の第4の実施形態である薄膜トラン
スの構成部品の製造方法を説明する断面図である。
【図76】 本発明の第4の実施形態である薄膜トラン
スの構成部品の製造方法を説明する断面図である。
【図77】 本発明の第4の実施形態である薄膜トラン
スの構成部品の製造方法を説明する断面図である。
【図78】 本発明の第4の実施形態である薄膜トラン
スの構成部品の製造方法を説明する断面図である。
【図79】 本発明の第4の実施形態である薄膜トラン
スの構成部品の製造方法を説明する断面図である。
【図80】 本発明の第4の実施形態である薄膜トラン
スの構成部品の製造方法を説明する断面図である。
【図81】 本発明の第4の実施形態である薄膜トラン
スの構成部品の製造方法を説明する断面図である。
【図82】 本発明の第4の実施形態である薄膜トラン
スの製造方法を説明する断面図である。
【図83】 本発明の第4の実施形態である薄膜トラン
スの製造方法を説明する断面図である。
【図84】 本発明の第4の実施形態である薄膜トラン
スの製造方法を説明する断面図である。
【図85】 本発明に係るFe54.9Hf1134.1なる組
成の軟磁性膜とセンダスト膜とCo系アモルファスリボ
ンの外部磁界の周波数と透磁率の関係を示すグラフであ
る。
【図86】 本発明に係るFe54.9Hf1134.1なる組
成の軟磁性膜の金属組織の模式図である。
【図87】 本発明に係るFe46.2Hf18.235.6なる
組成の軟磁性膜の金属組織の模式図である。
【図88】 本発明に係るFe46.2Hf18.235.6なる
組成の軟磁性膜の結晶質相におけるエネルギー分散型X
線分析装置(EDS)による分析結果を示す図である。
【図89】 本発明に係るFe46.2Hf18.235.6なる
組成の軟磁性膜の非晶質相におけるエネルギー分散型X
線分析装置(EDS)による分析結果を示す図である。
【図90】 従来の薄膜トランスを示す断面図である。
【符号の説明】
1 薄膜トランス 2 基体 2a 基板 2b、2c、2d、2e 絶縁層 3 上面 4、5、6、7 電極 8、9 コイル 10、11 軟磁性膜 12、13、14、15 導体 21 接着層 22 下地層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 41/10 H01F 41/10 C (72)発明者 梅津 英治 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 (72)発明者 森田 澄人 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 (72)発明者 畑内 隆史 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 Fターム(参考) 5E043 AA07 AB09 EA03 EA05 EA06 EB01 5E044 AA06 AA09 CA03 CA04 CA05 CA07 CA08 CA09 CB10 5E049 AA01 AA09 AC00 BA14 5E062 DD01 FG01 FG07 FG12 5E070 AA11 AB01 BA20 BB02 CB12 CB17 CB18 CC10 EA01 EA10

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体の外面に4つの電極が取り付けら
    れ、該基体の内部に2つの渦巻き状のコイルが互いに離
    間かつ対向するように設けられ、前記基体の内部の前記
    2つのコイルの各々の外側に2つの軟磁性膜が前記2つ
    のコイルとそれぞれ離間かつ対向するように設けられ、 前記基体の内部に前記の2つのコイルの各両端と前記の
    4つの電極とをそれぞれ接続する導体が設けられてなる
    ことを特徴とする薄膜トランス。
  2. 【請求項2】 前記基体は、基板に複数の絶縁層と接着
    層が積層されてなり、 前記複数の絶縁層が、前記2つのコイルと前記2つの軟
    磁性膜の間及び前記2つのコイル同士の間にそれぞれ配
    置されて、前記2つのコイル及び前記2つの軟磁性膜を
    それぞれ離間し、 かつ前記接着層が前記2つの軟磁性膜の間に配置される
    ように構成されたことを特徴とする請求項1記載の薄膜
    トランス。
  3. 【請求項3】 前記2つの軟磁性膜のいずれか一方が前
    記基板上に形成されたことを特徴とする請求項2記載の
    薄膜トランス。
  4. 【請求項4】 前記基体は、2つの基板に複数の絶縁層
    と接着層とが挟まれてなり、 前記2つの軟磁性膜が前記絶縁層を介して前記2つの基
    板上に各々形成されるとともに、 前記複数の絶縁層が、前記2つのコイルと前記2つの軟
    磁性膜の間及び前記2つのコイル同士の間にそれぞれ配
    置されて、前記2つのコイル及び前記2つの軟磁性膜を
    それぞれ離間し、 かつ前記接着層が前記2つの軟磁性膜の間に配置される
    ように構成されたことを特徴とする請求項1記載の薄膜
    トランス。
  5. 【請求項5】 前記4つの電極が前記基体の一面に取り
    付けられたことを特徴とする請求項1記載の薄膜トラン
    ス。
  6. 【請求項6】 前記4つの電極が前記基体の少なくとも
    1以上の側壁面に取り付けられたことを特徴とする請求
    項1記載の薄膜トランス。
  7. 【請求項7】 前記4つの電極が前記基体の一面から側
    壁面に向けて延在するように取り付けられたことを特徴
    とする請求項1記載の薄膜トランス。
  8. 【請求項8】 前記4つの電極にバンプ状の半田メッキ
    が形成されたことを特徴とする請求項1または請求項5
    記載の薄膜トランス。
  9. 【請求項9】 前記2つの軟磁性膜は、微細結晶質相と
    非晶質相とが混在した組織を有する合金であり、 前記微細結晶質相は、平均結晶粒径が30nm以下のb
    cc構造、hcp構造、fcc構造のうちの1種または
    2種以上の混成構造から構成されてFe若しくはCoを
    主体としてなり、 前記非晶質相は、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、
    W、Al、Si、Cr、P、C、B、Ga、Ge及び希
    土類元素のうちの少なくとも1種または2種以上からな
    る元素M及び酸素を主体としてなることを特徴とする請
    求項1〜4のいずれかに記載の薄膜トランス。
  10. 【請求項10】 前記2つの軟磁性膜は、下記の組成式
    で表されるものであることを特徴とする請求項1、2、
    3、4、9のいずれかに記載の薄膜トランス。 (Fe1-aCoa100-y-z-wyzw 但しMは、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、W、A
    l、Si、Cr、P、C、B、Ga、Ge及び希土類元
    素のうちの少なくとも1種または2種以上の元素を表
    し、Lは、Pt、Ru、Rh、Pd、Ir、Os、S
    n、Ti、Au、Ag、Cuのうちの少なくとも1種ま
    たは2種以上の元素を表し、Oは酸素を表し、組成比を
    示すa、y、z、wは、0≦a≦0.5、5原子%≦y
    ≦30原子%、0原子%≦z≦20原子%、5原子%≦
    y+z≦40原子%、10原子%≦w≦40原子%であ
    る。
  11. 【請求項11】 前記軟磁性膜と前記基板との間に下地
    層が形成され、該下地層は、Si、SiO2、Al
    23、Si34のうちの少なくとも1種または2種以上
    からなることを特徴とする請求項3記載の薄膜トラン
    ス。
  12. 【請求項12】 少なくとも前記軟磁性膜あるいは前記
    絶縁層が積層される前記基板の上面が、絶縁材料からな
    ることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の薄
    膜トランス。
  13. 【請求項13】 前記基板が絶縁材料からなることを特
    徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の薄膜トラン
    ス。
  14. 【請求項14】 前記絶縁材料は、ポリイミド系樹脂ま
    たはノボラック系樹脂あるいはガラスからなることを特
    徴とする請求項12ないし請求項13記載の薄膜トラン
    ス。
  15. 【請求項15】 基体の外面に4つの電極が取り付けら
    れ、該基体の内部に2つの渦巻き状のコイルと2つの軟
    磁性膜とが設けられ、かつ前記の2つのコイルの各両端
    と前記4つの電極とをそれぞれ接続する導体が設けられ
    てなる薄膜トランスを製造する際に、 仮基板に少なくとも軟磁性膜と下部絶縁層と渦巻き状の
    上部コイルと上部絶縁層を積層して上層部品を形成し、 基板に少なくとも軟磁性膜と下部絶縁層と渦巻き状の下
    部コイルと上部絶縁層を積層して下層部品を形成し、 前記上層部品の上部絶縁層及び/または前記下層部品の
    上部絶縁層に接着層を積層し、該接着層を介して前記の
    各上部絶縁層が向き合うようにして前記上層部品と前記
    下層部品とを接合し、 前記仮基板を除去することを特徴とする薄膜トランスの
    製造方法。
  16. 【請求項16】 前記下層部品に前記上部絶縁層を貫通
    して前記下部コイルの両端を露出させる2つの第2連通
    孔を設け、前記上層部品に前記上部絶縁層及び前記下部
    絶縁層を貫通して前記仮基板を露出させる2つの第1連
    通孔を設け、 前記2つの第1連通孔と前記2つの第2連通孔とをそれ
    ぞれ連通させるように前記上層部品と前記下層部品を接
    合し、 前記仮基板を除去し、前記第1連通孔と前記第2連通孔
    が連通して形成された2つの孔に前記下部コイルの両端
    とそれぞれ接続する2つの下部導体を形成し、該2つの
    下部導体に2つの前記電極をそれぞれ取り付けることを
    特徴とする請求項15記載の薄膜トランスの製造方法。
  17. 【請求項17】 前記下部コイルの一端に接続導体を取
    り付け、前記下層部品に前記上部絶縁層を貫通して前記
    下部コイルの他端及び前記接続導体の一端を露出させる
    2つの第2連通孔を設け、前記上層部品に前記上部絶縁
    層及び前記下部絶縁層を貫通して前記仮基板を露出させ
    る2つの第1連通孔を設け、 前記2つの第1連通孔と前記2つの第2連通孔とをそれ
    ぞれ連通させるように前記上層部品と前記下層部品を接
    合し、 前記仮基板を除去し、前記第1連通孔と前記第2連通孔
    が連通して形成された2つの孔に前記下部コイルの他端
    及び前記接続導体の一端とそれぞれ接続する2つの下部
    導体を形成し、該2つの下部導体に2つの前記電極をそ
    れぞれ取り付けることを特徴とする請求項15記載の薄
    膜トランスの製造方法。
  18. 【請求項18】 前記上層部品の前記下部絶縁層に前記
    仮基板を露出させる2つの孔を設け、該2つの孔にそれ
    ぞれ上部導体を形成し、前記2つの上部導体に前記上部
    コイルの両端がそれぞれ接続するように前記上部コイル
    を形成し、 前記仮基板を除去し、前記2つの上部導体に2つの前記
    電極を取り付けることを特徴とする請求項15記載の薄
    膜トランスの製造方法。
  19. 【請求項19】 基体の外面に4つの電極が取り付けら
    れ、該基体の内部に2つの渦巻き状のコイルと2つの軟
    磁性膜とが設けられ、前記の2つのコイルの各両端と前
    記4つの電極とをそれぞれ接続する導体が設けられてな
    る薄膜トランスを製造する際に、 基板に少なくとも軟磁性膜と下部絶縁層と渦巻き状のコ
    イルと上部絶縁層を積層してなる構成部品を2つ形成
    し、 前記2つの構成部品のいずれか一方または両方の前記上
    部絶縁層に接着層を積層し、該接着層を介して前記の各
    上部絶縁層が向き合うようにして前記2つの構成部品を
    接合することを特徴とする薄膜トランスの製造方法。
  20. 【請求項20】 前記構成部品に、前記コイルの両端か
    ら前記構成部品の側壁面に露出する2つの導体を形成
    し、 前記2つの構成部品を接合させた後に、前記の各導体に
    接続する電極を取り付けることを特徴とする請求項19
    記載の薄膜トランスの製造方法。
  21. 【請求項21】 前記2つの軟磁性膜は、微細結晶質相
    と非晶質相とが混在した組織を有する合金であり、前記
    微細結晶質相は、平均結晶粒径が30nm以下のbcc
    構造、hcp構造、fcc構造のうちの1種または2種
    以上の混成構造から構成されてFe若しくはCoを主体
    としてなり、前記非晶質相は、Zr、Hf、V、Nb、
    Ta、Mo、W、Al、Si、Cr、P、C、B、G
    a、Ge及び希土類元素のうちの少なくとも1種または
    2種以上からなる元素M及び酸素を主体としてなること
    を特徴とする請求項15または請求項19記載の薄膜ト
    ランスの製造方法。
  22. 【請求項22】 前記2つの軟磁性膜は、下記の組成式
    で表されるものであることを特徴とする請求項15、1
    9、21のいずれかに記載の薄膜トランスの製造方法。 (Fe1-aCoa100-y-z-wyzw 但しMは、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、W、A
    l、Si、Cr、P、C、B、Ga、Ge及び希土類元
    素のうちの少なくとも1種または2種以上の元素を表
    し、Lは、Pt、Ru、Rh、Pd、Ir、Os、S
    n、Ti、Au、Ag、Cuのうちの少なくとも1種ま
    たは2種以上の元素を表し、Oは酸素を表し、組成比を
    示すa、y、z、wは、0≦a≦0.5、5原子%≦y
    ≦30原子%、0原子%≦z≦20原子%、5原子%≦
    y+z≦40原子%、10原子%≦w≦40原子%であ
    る。
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