JP2001141733A - 窒素濃度自動分析装置および方法 - Google Patents
窒素濃度自動分析装置および方法Info
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Abstract
度で、しかも迅速に行う。 【解決手段】 分析試料水の希釈を、定流量の試料ポン
プ5および希釈ポンプ6を時間制御して行い、混合ルー
プ8を通過させて充分均一となるように混ぜ合せる。硝
酸性窒素の分析では、希釈試料に塩酸を添加して、UV
検出器16で紫外線吸光光度法に従って硝酸イオンの濃
度測定を迅速に行う。全窒素分析では、酸化剤ポンプ7
を作動させて、希釈試料に酸化剤20を添加し、いった
んルート遮断電磁弁22を閉じて、分析液を加熱分解器
24に送って120℃で30分の加熱を行う。加熱後
に、冷却器11で常温まで迅速に冷却し、UV検出器1
6で濃度測定を行う。
Description
場などからの排水中で窒素濃度を自動的に分析する窒素
濃度自動分析装置および方法に関する。
場から排出される工場排水中などには、窒素分が含まれ
ている。窒素分は、環境水域において富栄養化の原因と
なっている。工場排水については、富栄養化防止のため
に、窒素濃度についての排水基準が定められている。
れぞれアンモニア性窒素、亜硝酸性窒素、硝酸性窒素お
よび有機性窒素である。自然環境水中の各形態の窒素
は、バクテリアなどによって酸化分解され、最終的には
硝酸性窒素となる。
しては、JIS K 0102の規定が用いられてい
る。この規定では、4つの形態の全窒素の濃度を求める
方法を、総和法、紫外線吸光光度法、硫酸ヒドラジニウ
ム還元法、銅・カドミウムカラム還元法および熱分解法
として規定している。総和法では、亜硝酸イオンと硝酸
イオンとに相当する窒素と、アンモニウムイオンと、有
機体窒素に相当する窒素とを求めて合計する。紫外線吸
光光度法では、試料を加熱分解して、窒素化合物を硝酸
イオンに変え、波長220nmの紫外線に対する吸光度
を測定して定量する。硫酸ヒドラジニウム還元法では、
試料に酸化剤を加えて加熱分解し、窒素化合物を硝酸イ
オンに替えるとともに、硝酸イオンを銅を触媒として硫
酸ヒドラジニウムによって還元して亜硝酸イオンとし、
ナフチルエチレンジアミン吸光光度法によって定量す
る。銅・カドミウムカラム還元法では、試料に酸化剤を
加えて加熱分解させ、窒素化合物を硝酸イオンに変える
とともに、硝酸イオンを銅・カドミウムカラムによって
還元して亜硝酸イオンとし、ナフチルエチレンジアミン
吸光光度法によって定量する。熱分解法では、試料中の
窒素化合物を熱分解してアンモニアまたは窒素を生成さ
れ、それらを定量する。または一酸化窒素に変えた後、
化学発光法によって窒素を定量する。
を分析するような場合には、正確かつ迅速に分析するこ
とができ、しかも分析装置の設置に要するスペースが小
さくてすむことが重要である。従来からも、JISに規
定されている方式に従って、試料水中の窒素濃度を分析
する自動分析装置が用いられている。しかしながら、J
ISに規定する全窒素の分析を対象としているので、試
料水および希釈水の計量槽、液面計、電磁弁などを要
し、複雑な構成で装置が大きくなり、大きなスペースを
占めてしまう。特にJISで規定されている総和法で
は、多くの種類の薬液を必要とし、窒素濃度が得られる
までに必要となる操作も手順が複雑であり、時間の短縮
が困難である。紫外線吸光光度法、硫酸ヒドラジニウム
還元法および銅・カドミウムカラム還元法では、窒素化
合物の分解のために高圧条件下で一定時間加熱しなけれ
ばならず、冷却に要する時間も含めれば、必要な時間は
かなり大きくなり、1時間に1回程度の割合でしか窒素
濃度の測定を行うことができない。
法のうち、紫外線吸光光度法は、比較的必要な装置の構
成が簡単であるという利点がある。しかしながら、波長
220nmの吸光度で硝酸イオン濃度を計測する際に
は、測定可能な濃度範囲が定められ、濃度範囲を超えて
いる試料水の窒素濃度計測には、試料水の希釈を行う必
要がある。試料水を希釈するには、一定量の試料を計量
槽に計り取り、希釈槽に送って純水を加えて希釈する方
法が採られている。このような方法では、2つの計量
槽、液面計および電磁弁が必要で、複雑で大掛かりな機
構を必要とする。また、その希釈倍率が数十倍から百倍
程度になると、試料水の方の計り取りは微量となり、最
終的な分析測定精度が悪くなってしまう。
法で分析するには、全窒素化合物を硝酸イオンに熱分解
するために、酸化剤を用いる必要がある。酸化剤を用い
ると、酸化剤の補充のために、自動分析装置のメンテナ
ンス周期が短くなってしまうという問題も生じる。ま
た、酸化分解のために、高温高圧の酸化分解槽におい
て、約30分と比較的長時間が必要となり、冷却等に要
する時間も含めれば、1サイクルの分析時間が約40分
となる。たとえば工場排水の完了に自動分析装置を用い
る場合には、分析結果に基づくフィードバックを行うた
めに時間がかかり、リアルタイムに近い迅速な分析が可
能であることが要望されている。また、装置のうちでも
特に酸化分解槽に問題が多く、酸化剤が入った状態で1
20℃で0.12MPaという高温高圧下で30分間保
持する必要があるので、液漏れや腐食が生じやすいとい
う問題がある。
を高くすることができ、しかも迅速な分析が可能な窒素
濃度自動分析装置および方法を提供することである。
の窒素濃度を自動的に分析する装置であって、分析試料
水を定流量で採取する試料ポンプと、希釈液を定流量で
採取する希釈ポンプと、試料ポンプおよび希釈ポンプの
吐出側で混合された希釈試料を、紫外線吸光光度法に従
って分析し、窒素濃度を計測する紫外線検出器と、試料
ポンプおよび希釈ポンプの容量を組合せて制御し、紫外
線検出器で予め定める濃度範囲内の窒素濃度が検出され
るように、分析試料水の希釈倍率を調整し、該希釈倍率
に基づいて、紫外線検出器から得られる窒素濃度から分
析試料水の窒素濃度を算出する制御装置とを含むことを
特徴とする窒素濃度自動分析装置である。
は、試料ポンプおよび希釈ポンプによって、それぞれ定
流量で採取される。試料ポンプおよび希釈ポンプは、組
合せて制御され、たとえば適当な容量を選択することに
よって希釈倍率の異なる流量を設定するか、またはそれ
ぞれ時間的に制御される。試料ポンプおよび希釈ポンプ
の吐出側で混合された希釈試料は、紫外線吸光光度法に
従って紫外線検出器が窒素濃度を計測する。制御装置
は、試料ポンプおよび希釈ポンプをそれぞれ時間的に制
御し、紫外線検出器で予め定める濃度範囲内の窒素濃度
が検出されるように分析試料水の希釈倍率を調整し、紫
外線検出器から得られる窒素濃度から分析試料水の窒素
濃度を算出する。分析試料水の希釈には、定流量の試料
ポンプおよび希釈ポンプを用いて希釈倍率を調整するの
で、希釈のために計量槽や希釈槽などを用いる必要はな
く、しかも精度よく希釈倍率を設定して希釈試料を得る
ことができる。分析試料水中の窒素がほとんど硝酸イオ
ンの形態で含まれていることが判っていれば、希釈後直
ちに紫外線検出器で窒素濃度を計測することができ、酸
化剤液の混合や加熱分解などを行わずに、簡単な装置で
迅速に窒素濃度の計測を行うことができる。
試料水の濃度領域に従って定まるため、高濃度範囲まで
要求される環境の場合は、分析試料水および希釈液の合
流点以降の流路途中に比較的容量の大きい貯留槽を設け
て、それぞれのポンプの個別運転制御によって必要な希
釈倍率を設定して、希釈試料を得ることができる。ま
た、容量の異なるポンプをそれぞれ複数個設定し、これ
らの選択組合せによって必要な希釈倍率を設定して、希
釈試料を得ることができる。これらの選択は、扱う分析
試料水の濃度範囲、その水質、設定環境などに基づいて
行うことができる。
希釈ポンプの吐出側の希釈試料に、酸化剤液を定流量で
供給する酸化剤ポンプと、酸化剤液が混合された希釈試
料を、予め定める高圧条件下で加熱分解させる加熱分解
装置と、加熱分解装置で加熱分解された希釈試料を冷却
する冷却器と、冷却器で冷却された希釈試料から気泡を
除く気泡除去機構とを、さらに含むことを特徴とする。
料ポンプおよび希釈ポンプの吐出側で混合された希釈試
料に、酸化剤液を定流量で供給して混合し、加熱分解槽
で、酸化剤液が混合された希釈試料を予め定める高圧条
件下で加熱分解させるので、分析試料水中に硝酸イオン
と異なる形態の窒素が含まれていても、加熱分解によっ
て硝酸イオンに替えて、紫外線検出器で窒素濃度を計測
することができる。加熱分解装置で加熱分解された希釈
試料を冷却器で冷却するので、加熱分解された希釈試料
を、迅速に分析することができる。また、冷却器で冷却
された希釈試料から気泡除去機構で気泡を除くので、気
泡によって吸光光度法による分析が阻害されることはな
く、窒素濃度の計測を行うことができる。
剤ポンプ、前記加熱分解装置、前記冷却器および前記気
泡除去装置を制御して、前記試料ポンプおよび前記希釈
ポンプの吐出側で混合された希釈試料に対して、酸化剤
液の混合および加熱分解を行わない第1のルートと、酸
化剤液の混合および加熱分解を行う第2のルートとに切
換えて、窒素濃度の計測を行うことが可能であることを
特徴とする。
熱分解を行わないで窒素濃度の分析を行うことができる
ので、たとえば分析試料中で大部分の窒素が硝酸イオン
として含まれているような場合には、迅速に窒素濃度を
計測して、計測値をフィードバックすることも可能にな
る。分析試料水中に含まれている窒素の形態が不明であ
ったり、硝酸イオンの形態以外の形態で含まれているこ
とが判っているときには、第2のルートに切換えて、酸
化剤液の混合および加熱分解を行い、全窒素を精度よく
計測することができる。
を、それぞれ定流量ポンプで採取して混合し、各定流量
ポンプの容量を組合せて制御し、紫外線吸光光度法によ
る窒素濃度計測に適切な窒素濃度範囲内となるような希
釈倍率の希釈試料を生成し、該希釈試料に塩酸を添加し
て、紫外線吸光光度法による窒素濃度計測を行う第1の
ルートと、該希釈試料に酸化剤液を混合し、予め定める
高圧条件下で加熱分解させ、冷却および気泡除去後に、
塩酸を添加して紫外線吸光光度法による窒素濃度計測を
行う第2のルートとのいずれか一方を選択し、紫外線吸
光光度法によって得られる窒素濃度の計測値を、該希釈
倍率に基づいて該分析試料水の窒素濃度に換算すること
を特徴とする窒素濃度自動分析方法である。
をそれぞれ定流量ポンプで採取して混合し、希釈倍率は
各定流量ポンプをそれぞれ適当な容量を選択することに
よって希釈倍率の異なる流量を設定するか、またはそれ
ぞれ時間的に制御して、紫外線吸光光度法による窒素濃
度計測に適切な窒素濃度範囲内となるように希釈試料を
生成するので、試料槽や希釈槽などを設ける必要はな
く、希釈倍率を精度よく設定することができる。第1の
ルートでは、希釈試料に塩酸を添加して、紫外線吸光光
度法による窒素濃度計測を行うので、分析試料水中に含
まれる窒素がほとんど硝酸イオンの形態であることが判
明しているときには、迅速に窒素濃度を計測することが
でき、計測結果をフィードバックして、分析試料水の窒
素濃度の調整を行うようなときには、ほとんどリアルタ
イムで時間遅れなく濃度の調整を行うことができる。ま
た、第2のルートとして、希釈試料に酸化剤液を混合
し、予め定める高圧条件下で加熱分解させ、冷却および
気泡除去後に塩酸を添加して紫外線吸光光度法による窒
素濃度計測を行うことも選択可能であるので、窒素が含
まれている形態が不明であったり、硝酸イオンの形態と
は異なる形態であることが判明しているときには、全窒
素についての正確な濃度を、加熱分解後の冷却時間を早
め、気泡を除去して、迅速に計測することが可能とな
る。紫外線吸光光度法による窒素濃度の計測値は、希釈
倍率に基づいて分析試料水の窒素濃度に換算されるの
で、分析試料水中の窒素濃度を正確かつ迅速に計測する
ことができる。
窒素濃度自動分析装置1の概略的なライン構成を示す。
分析試料水は、試料採取口1aから電磁弁2を経て採取
される。電磁弁3を経て、希釈液であるイオン交換水を
採取することもできる。また電磁弁4を経て、予め窒素
濃度が調整されている標準液を採取することもできる。
これら3つの電磁弁2,3,4は、定流量の試料ポンプ
5の吸入側に接続される。試料ポンプ5の吐出側には、
希釈ポンプ6の吐出側が接続される。希釈ポンプ6も定
流量ポンプであり、希釈液であるイオン交換水を試料ポ
ンプ5から吐出される分析試料水と混合して希釈するた
めに用いる。分析試料水を希釈液で希釈した希釈試料に
対しては、酸化剤ポンプ7から酸化剤液を混合すること
もできる。
ポンプ7の吐出側で混合された希釈試料は、導管が螺旋
状に巻かれた形で形成される試料用混合ループとしての
混合ループ8を通過する間に、相互に充分に混じり合
い、均一な希釈試料が得られる。混合ループ8で混合さ
れた希釈試料は、フィルタ9を通過して、夾雑物である
SSが除去される。フィルタ9の目詰まり防止のため
に、逆洗浄機構として逆洗ポンプ10が設けられる。フ
ィルタ9を出た希釈試料は、冷却器11を通るので、後
述する加熱分解後の希釈試料については、冷却すること
が可能である。また、気泡抜き機構として、気泡抜きポ
ンプ12も設けられる。
の反応液ポンプ13で吸引される。反応液ポンプ13の
吐出側は、塩酸ポンプ14の吐出側に接続される。反応
液ポンプ13および塩酸ポンプ14の吐出側で、希釈試
料は塩酸と混合され、塩酸用混合ループである混合ルー
プ15を通過する間に充分に混じり合う。混合ループ1
5を通過した希釈試料は、紫外線(以下、「UV」と略
称することがある)検出器16で、波長220nmの紫
外線を用いる吸光光度法による分析で、硝酸イオンの濃
度が計測される。分析液である希釈試料は100倍以上
に希釈されているので、UV検出器16によって計測さ
れた硝酸イオンの濃度値は、制御装置17で演算処理さ
れ、元の分析試料水に対する窒素濃度値が得られる。
装置であるイオン交換器18によって製造され、必要時
のみ定流量ポンプである希釈ポンプ6で計量されて、分
析試料水を希釈する。イオン交換水は、電磁弁3が開い
て、電磁弁2および電磁弁4が閉じているとき、試料ポ
ンプ5で吸引して、分析ラインの系全体の洗浄に用いる
ことができる。また、逆洗ポンプ10で吸引して、フィ
ルタ9の逆洗浄に用いることもできる。
検出器16による分析値の校正時に使用する。電磁弁
2,3を閉じ、電磁弁4を開いて試料ポンプ5を作動さ
せれば、標準液19を分析液として、窒素濃度の計測を
行うことができる。JIS K0102には、0.1mgN
/mlの窒素標準液として、1000mlにつきJIS K
8548に規定する硝酸カリウム0.722gを含む水
溶液と、それを5倍に希釈した水溶液とが規定されてい
る。
管チューブの中に分析液としての希釈試料を連続的に流
しながら、さらにその一部をサンプリングして分析に供
することができる。これを可能にしているのは、分析試
料水が希釈液や酸化剤液の添加後も偏在しないことが前
提である。試料用の混合ループ8および塩酸用の混合ル
ープ15では、細管チューブがループ状に巻かれてい
る。直管の長さを単に長くしたものとは異なり、ループ
状にすることによって、上下左右内外と全体が混合する
という、極めて効率的な連続混合を行うことが可能にな
る。
ンプ6、酸化剤ポンプ7、反応液ポンプ13および塩酸
ポンプ14は、流量について±2%程度の正確度を有す
る。分析にとって重要なのは、再現性の精度であるの
で、分析装置の系全体として学習しながら精度を保持す
るため、標準液19を使用する。標準液19による校正
は、たとえば2日に1回行い、分析値の精度を保証して
いる。
キソ二硫酸カリウムとの混合溶液である。希釈試料にペ
ルオキソ二硫酸カリウムのアルカリ性溶液を加え、約1
20℃に加熱すると、窒素化合物を硝酸イオンに変える
とともに、有機物を分解することができる。JIS K
0102の規定に準拠すると、酸化剤液は、水500m
lに対して窒素が0.0005%以下の水酸化ナトリウ
ムを20gの割合で溶かした後、窒素が0.0005%
以下のペルオキソ二硫酸カリウムを15gの割合で溶か
して生成される。
による波長220nmの吸光度を計測する際に、分析液
のpHを2〜3に調整するために用いられる。酸化剤2
0を使用したときは、塩酸21の使用量が多くなる。塩
酸21は、定流量ポンプ14によって吸引され、反応液
ポンプ13から吐出される希釈試料と混合される。
は、希釈試料を約120℃に加熱しなければならない。
本実施形態の窒素自動分析装置1では、分析試料水中に
含まれている窒素の形態に応じて切換え可能なように、
分析ラインのルートを2種類設けている。すなわち、第
1のルートであるIルートと、第2のルートであるII
ルートとである。Iルートは、硝酸性窒素分析工程であ
り、分析試料水中に含まれる窒素がほぼ硝酸イオンの形
態であるときに使用される。金属の表面処理などの排水
中には、酸洗液などからの硝酸イオンが、主な窒素成分
として含まれているので、Iルートが使用される。分析
試料水中に含まれる窒素が硝酸イオンの形態でないと
き、または形態が不明なときは、第2のルートである全
窒素分析工程としてのIIルートが使用される。
断電磁弁22をいったん閉じて、電磁弁23を開き、分
析液を加熱分解器24側に流す。電磁弁25を開いてお
くと、分析液である希釈試料は貯水槽26に流れ込んで
貯留される。貯水槽26への貯留が一定時間内に所定量
に達しない場合、分析採取、送り込みに異常があると判
断してアラームを出す。この状態で電磁弁25を閉じて
加熱分解器24に必要量の分析液を取込む。その後電磁
弁23を閉じ、加熱分解器24に取込まれた分析液を加
熱分解する。加熱分解器24内は温調器で120℃に保
たれている。120℃で約30分間保持した後、電磁弁
23およびルート遮断電磁弁22を開き、反応ポンプ1
3を作動させて、加熱処理した分析液をIルートに戻し
てUV検出器16に送り込む。
は、15ml程度であるので、採取後、約5分程度で1
20℃まで昇温させることができる。加熱分解時間は3
0分保持が必要であるので、分析液の温度を検知し、温
度が120℃に達したことが検知されてから30分保持
する。30分保持後に、電磁弁23を介してIルートま
で戻る管路内で、加熱処理された分析液は約50℃程度
まで自然に冷却される。その後、冷却器11で常温まで
冷却される。冷却器11で冷却された分析液に対して
は、気泡抜きポンプ12を作動させて気泡抜きを行う。
呼ばれることが多い4フッ化フルオロエチレン製のエレ
メントを備え、耐熱温度は約300℃である。フィルタ
9のエレメントは、分析液を濾過して、分析液中のSS
と呼ばれる夾雑物を捕集し、分析液中から除去する。時
間の経過と共にフィルタ9のエレメントは目詰りするの
で、目詰りを解消するための逆洗ポンプ10を含む逆洗
浄機構が設けられる。逆洗浄の際には、逆洗ポンプ10
を作動させ、ルート遮断弁22、電磁弁23および電磁
弁25を開き、フィルタ9を洗浄したイオン交換水を貯
水槽26に導く。逆洗浄の際には、電磁弁3を開いて試
料ポンプ5も作動させ、混合ループ8などをイオン交換
水で洗浄し、洗浄後のイオン交換水を、貯水槽26に導
く。貯水槽26には液面計が設けられ、液面が所定の高
さに達すると、貯水槽26の底部の電磁弁27を開き、
洗浄水を外部に排出する。
に、試料ポンプ5は1.2ml/min、希釈ポンプ6は4
8.0ml/minの定流量で動作し、希釈試料は49.2m
l/minの流量となる。酸化剤ポンプ7は、9.6ml/mi
nの流量で動作するので、希釈試料と酸化剤液との比率
は、ほぼ5:1となる。実際に分析に使用するのは、採
取した分析試料水の後半の3/4付近の安定した領域で
ある。UV検出器16の前の反応液ポンプ13の流量は
6.3ml/minであり、塩酸ポンプ14の流量は1.2m
l/minに設定される。このため、希釈試料は実際に分析
に使用される分析液よりも多くなり、貯水槽26は、余
剰液の貯留にも使用される。希釈試料中の硝酸イオン濃
度が、UV検出器16で精度よく計測可能な濃度範囲、
たとえば0〜3mg/lになるように、学習しながら調整
する。
域を定めるため、その目的に合致させるべく自動分析装
置を設計する。極めて高濃度範囲まで分析が要求される
環境の場合は、その領域に対応するべく、設計すること
が可能である。この場合の希釈方法は、分析試料水およ
び希釈液の合流点以降の流路途中に比較的容量の大きい
貯留槽を設けて、それぞれのポンプの個別運転制御によ
って必要な希釈倍率となる希釈倍率調整液を得る方法、
容量の異なるポンプをそれぞれ複数個設置しこれらの選
択組合せによって必要な希釈倍率を得る方法、または定
流量ポンプの回転数を制御して流量調整をし、必要な希
釈倍率を得る方法などがある。
常の濃度範囲、その水質、設定環境などによって選択さ
れるものである。
浄水栓から供給される浄水から連続的に純水を製造す
る。そのため、一般浄水供給側の圧力変動が窒素自動分
析装置1に影響するおそれがある。減圧弁29は、直接
外部の圧力変動を受けることがないように、設けられて
いる。標準液19、酸化剤20および塩酸21は、静置
の槽から試料ポンプ5、酸化剤ポンプ7および塩酸ポン
プ14でそれぞれ吸出す機構であるので、外部の圧力変
動を考慮する必要はない。
ラ30、操作パネル31、アナログ/デジタル変換回路
(以下、「A/D」と略称する)32およびデジタル/
アナログ変換回路(以下、「D/A」と略称する)33
などが含まれる。UV検出器16の検出値は、A/D3
2でデジタルデータに変換され、シーケンスコントロー
ラ30内の演算処理で、分析試料水中の窒素濃度に変換
される。操作パネル31からは、IルートとIIルート
との切換えや、洗浄の指示などの操作を行うことができ
る。
的な制御のための構成を示す。シーケンスコントローラ
30は、予め複雑な制御を可能にするプログラムが設定
され、内部のタイマや外部のリミットスイッチなどから
の入力信号に基づいて、分析の各工程を制御する。操作
パネル31では、分析ルートの設定やタイマの設定のた
めのヒューマンインターフェースとして、キーボードや
画面表示装置を備える。D/A33からは、シーケンス
コントローラ30の演算結果がアナログ信号に変換さ
れ、測定値信号として導出される。貯水槽26の液面制
御も、液面計からの液面信号を入力し、電磁弁28を開
閉制御して行われる。
6、酸化剤ポンプ7、反応液ポンプ13および塩酸ポン
プ14は定流量ポンプであるので、シーケンスコントロ
ーラ30内部のタイマに基づく時間制御によって、液の
計量を行うことができる。これによって、分析試料水と
希釈液とをそれぞれ計量するために計量槽などを用いる
必要はなく、希釈後の希釈試料を貯留する希釈槽などを
用いることも不要となる。分析試料水の希釈倍率が数1
0倍から100倍以上に達し、分析試料水があまり少量
だと採取の精度が悪化するので、希釈液の計量槽や希釈
槽はかなり大きな容積を必要とし、装置の大型化を招い
てしまう。本実施形態では、計量槽や希釈槽が不要であ
るので、装置をコンパクトに構成し、製造コストを低減
したり、設置スペースなどの制約を減らすことができ
る。
的な動作手順を示す。電源投入時や、操作パネル31の
リセットスイッチなどの操作時に、ステップs1のリセ
ット動作が開始される。ステップs2では、操作パネル
31に設けられる工程選択スイッチの操作状態に基づい
て、硝酸性窒素分析と全窒素分析、あるいは洗浄などの
工程選択が行われる。ステップs3では、ポンプや弁な
どの動作状態が初期化される。
洗浄工程であるか否かが判断される。洗浄工程でないと
判断されるときは、ステップs5で電磁弁2を開き、試
料ポンプ5を作動させて試料採取が行われる。ステップ
s5とほぼ平行して、希釈ポンプ6を作動させ、ステッ
プs6の希釈も行われる。ステップs7では、酸化と加
熱とを含む全窒素分析の工程が選択されているか否かが
判断される。全窒素分析が選択されているときは、ステ
ップs8で酸化剤ポンプ7を作動させ、酸化剤液が添加
される。ステップs9では、ルート遮断電磁弁22を閉
じ、酸化剤液が添加された希釈試料を、貯水槽26側に
送込む。ステップs7からステップs9までは、短時間
のうちに行う。
試料を加熱分解器24に採取し、所定の加熱を行う一
方、UV検出器16の吸光度の零調整を行い、硝酸イオ
ンの濃度計測を行う準備を整える。ステップs7で、酸
化と加熱とを含まない硝酸性窒素分析が選択されている
と判断されるときは、ステップs8からステップs10
までの手順を行わない。
断されるとき、またはステップs10が終了した後、ス
テップs11で反応液ポンプ13および塩酸ポンプ14
を作動させ、希釈試料をUV検出器16に移送し、塩酸
を混合する。ステップs12では、塩酸の混合によって
pHが整えられた希釈試料を分析液として、UV検出器
16による吸光度測定を行う。測定値は、ステップs1
3の計算処理で、元の分析試料水中の窒素濃度などに換
算され、ステップs14でプリントアウトされる。デー
タとして、記録媒体などに記録して保存しておいたり、
通信ネットワークなどを介して外部に転送することもで
きる。
と判断されるとき、またはステップs14が終了したと
き、ステップs15では前述のような逆洗浄を行う。ス
テップs16では電磁弁3を開き、試料ポンプ5を作動
させてライン洗浄を行う。さらに、ステップs17で再
び工程選択の判断を行い、ステップs3に戻る。以下ス
テップs3からステップs17までの手順を繰返す。
動分析装置41の概略的な構成を示す。本実施形態で、
図1の実施形態に対応する部分には同一の参照符を付
し、重複する説明は省略する。本実施形態では、図1の
実施形態のように2つのルートを選択可能にするのでは
なく、硝酸性窒素分析のみに限って構成の簡略化を図っ
ている。これによって、図1の酸化剤ポンプ7、冷却器
11、気泡抜きポンプ12、酸化剤20、ルート遮断電
磁弁22、電磁弁23,25,27,28、加熱分解器
24および貯水槽26などを省略することができる。金
属製造工場などでは、酸洗やめっきなどの表面処理で硝
酸や硝酸塩を多く使用し、排水中に含まれる窒素は硝酸
性であることが多い。そのような場合に、本実施形態の
窒素自動分析装置41は、構成が簡略化されているの
で、設備費用の低減や、設置スペースの節約を図ること
ができる。さらに、加熱分解を行う必要がないので、1
サイクルの分析に要する時間が約10分程度となり、全
窒素分析を行う場合に比較して所要時間を約1/4に短
縮することができる。また、酸化剤20を用いないの
で、装置のメンテナンス周期を2倍以上に延長すること
ができる。
く分析精度を、JIS K 0102の規定に従った公定
法での分析結果と比較して示す。次の表1は、Iルート
を使用するときの結果を示す。ここで、Xは平均値、S
Dは標準偏差である。図4の実施形態でも、同様の結果
が得られるはずである。UV検出器16では、希釈の必
要がない測定範囲が0〜3mg/lである。130高希釈
倍率を必要とする300mg/lのNo.2廃酸でも、充
分満足することができる分析結果が得られていることが
判る。
結果を次の表2に公定法と比較して示す。希釈倍率は1
30倍であり、低濃度から高濃度まで充分満足すること
ができる結果が得られている。
水と希釈液とをそれぞれ定流量のポンプで採取して分析
試料水を希釈するので、一定流量の分析試料水および希
釈液をそれぞれ計量する計量槽、特に、計量槽中の分析
試料水に対して、希釈倍率だけ大きい希釈液用の計量槽
や希釈後の試料を貯留する希釈槽などを設ける必要はな
く、定流量ポンプの時間制御に従って分析試料水を希釈
することができる。希釈倍率は、紫外線検出器で紫外線
吸光光度法に従って希釈試料の窒素濃度を計測するのに
適切な濃度範囲となるように設定するので、紫外線検出
器で精度が高い濃度範囲で窒素濃度を計測し、希釈倍率
に基づいて元の分析試料水中の窒素濃度に換算すること
ができる。分析試料水中で窒素が大部分硝酸イオンの形
態で含まれていることが判明しているようなときには、
酸化によって窒素を硝酸イオンに変化させる必要はない
ので、酸化剤液の混合や加熱分解などを行う必要はな
く、装置の構成を簡略化し、しかも迅速な窒素濃度の計
測を行うことができる。
釈ポンプの吐出側で希釈された希釈試料に酸化剤液を混
合して、予め定める高温条件下で加熱分解させ、分析試
料水中に含まれる窒素を全部硝酸イオンに変換して、全
窒素として濃度を計測することができる。加熱分解装置
で加熱分解された希釈試料は、冷却器で冷却されるの
で、加熱分解を行ったあとの冷却に要する時間を短縮す
ることができる。また、冷却器で冷却された希釈試料か
ら気泡を除く気泡除去機構が含まれるので、気泡が除去
された希釈試料に対して正確な紫外線吸光光度法による
窒素濃度の分析を行うことができる。
混合して加熱分解を行わない第1のルートと、希釈試料
に酸化剤を混合して加熱分解を行う第2のルートとのう
ちで、いずれか一方を選択して分析試料水の窒素濃度の
計測を行うことができる。分析試料水中にほとんど硝酸
イオンの形態で窒素が含まれていることが判明している
ときには第1のルートを選択して迅速に窒素濃度の計測
を行い、分析試料水中に含まれている窒素の形態が不明
なときや、硝酸イオンでないと判明しているときには、
第2のルートを選択して、窒素化合物を硝酸イオンに全
部変換したあとで、窒素濃度の計測を行うことができ
る。
釈液とを定流量ポンプで採取するので、計量槽や希釈槽
などを設けなくても、精度よく分析用試料水を希釈し、
窒素濃度の計測を行うことができる。希釈試料に対して
は、酸化剤液を混合して高温高圧下で加熱分解するよう
に第2のルートに切換えることもできるので、分析試料
水中に硝酸イオンの形態で窒素が含まれていると判明し
ているときには、第1のルートを選択して迅速に窒素濃
度の測定を行い、窒素の存在している形態が不明であっ
たり、硝酸イオンとは異なる形態で含まれているときに
は、第2のルートを選択して、全窒素について正確な計
測を行うことができる。
概略的な構成を示す配管系統図である。
的構成を示すブロック図である。
を示すフローチャートである。
1の概略的な構成を示す配管系統図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 分析試料水中の窒素濃度を自動的に分析
する装置であって、分析試料水を定流量で採取する試料
ポンプと、 希釈液を定流量で採取する希釈ポンプと、 試料ポンプおよび希釈ポンプの吐出側で混合された希釈
試料を、紫外線吸光光度法に従って分析し、窒素濃度を
計測する紫外線検出器と、 試料ポンプおよび希釈ポンプの容量を組合せて制御し、
紫外線検出器で予め定める濃度範囲内の窒素濃度が検出
されるように、分析試料水の希釈倍率を調整し、該希釈
倍率に基づいて、紫外線検出器から得られる窒素濃度か
ら分析試料水の窒素濃度を算出する制御装置とを含むこ
とを特徴とする窒素濃度自動分析装置。 - 【請求項2】 前記試料ポンプおよび前記希釈ポンプの
吐出側の希釈試料に、酸化剤液を定流量で供給する酸化
剤ポンプと、 酸化剤液が混合された希釈試料を、予め定める高圧条件
下で加熱分解させる加熱分解装置と、 加熱分解装置で加熱分解された希釈試料を冷却する冷却
器と、 冷却器で冷却された希釈試料から気泡を除く気泡除去機
構とを、さらに含むことを特徴とする請求項1記載の窒
素濃度自動分析装置。 - 【請求項3】 前記制御装置は、前記酸化剤ポンプ、前
記加熱分解装置、前記冷却器および前記気泡除去装置を
制御して、前記試料ポンプおよび前記希釈ポンプの吐出
側で混合された希釈試料に対して、酸化剤液の混合およ
び加熱分解を行わない第1のルートと、酸化剤液の混合
および加熱分解を行う第2のルートとに切換えて、窒素
濃度の計測を行うことが可能であることを特徴とする請
求項2記載の窒素濃度自動分析装置。 - 【請求項4】 分析試料水および希釈液を、それぞれ定
流量ポンプで採取して混合し、各定流量ポンプの容量を
組合せて制御して、紫外線吸光光度法による窒素濃度計
測に適切な窒素濃度範囲内となるような希釈倍率の希釈
試料を生成し、該希釈試料に塩酸を添加して、紫外線吸
光光度法による窒素濃度計測を行う第1のルートと、 該希釈試料に酸化剤液を混合し、予め定める高圧条件下
で加熱分解させ、冷却および気泡除去後に、塩酸を添加
して紫外線吸光光度法による窒素濃度計測を行う第2の
ルートとのいずれか一方を選択し、 紫外線吸光光度法によって得られる窒素濃度の計測値
を、該希釈倍率に基づいて該分析試料水の窒素濃度に換
算することを特徴とする窒素濃度自動分析方法。
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