JP2001141409A - 位置検出装置 - Google Patents

位置検出装置

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JP2001141409A JP2000070303A JP2000070303A JP2001141409A JP 2001141409 A JP2001141409 A JP 2001141409A JP 2000070303 A JP2000070303 A JP 2000070303A JP 2000070303 A JP2000070303 A JP 2000070303A JP 2001141409 A JP2001141409 A JP 2001141409A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 検出装置の小型化、簡素化。 【解決手段】 コイル部50には所定交流で励磁される
コイルL1を配置し、2次コイルは持たない。コイルL
1に対して相対的に変位するよう磁気応答部材60を配
置し、所定範囲内での検出対象の変位に応じてコイルL
1のインピーダンスが増加又は減少変化し、これに応じ
たコイル端子間電圧Vxを出力する。交流の所定基準電
圧Va,Vbを発生し、コイル出力電圧Vxと演算する
ことで、第1及び第2の周期的振幅関数を振幅係数とし
て持つ第1及び第2の交流出力信号(典型的にはsin
θsinωtとcosθsinωtと表現できるもの)
を生成する。この振幅係数関数の位相成分θにより検出
対象位置を検出する。2つのコイルと1つの基準電圧を
使用してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、交流励磁される
コイルとこのコイルに対して相対的に変位する磁性体又
は導電体とを含んで構成される位置検出装置に関し、所
定範囲での直線位置または回転位置の検出に適したもの
であり、特に、1相の交流で励磁される1次コイルのみ
を使用して複数相の振幅関数特性を示す出力交流信号を
検出対象位置に応じて生成するものに関する。
【0002】
【従来の技術】LVDTといわれる誘導型直線位置検出
器が知られている。2ワイヤタイプLVDTは、1個の
1次コイルと1個の2次コイルとからなり、磁性体から
なる可動部のコイル部への侵入量に応じて1次2次コイ
ル間の誘導結合が変化し、それに応じた電圧レベルの誘
導出力信号を2次コイルに生成する。3ワイヤタイプL
VDTは、1個の1次コイルと逆相直列接続された2個
の2次コイルとからなる差動トランス構成であり、この
場合は、所定長の磁性体からなる可動部が逆相2次コイ
ルのどちらかへの侵入量に応じて1次2次コイル間の誘
導結合がバランス的に変化し、それに応じた電圧レベル
の誘導出力信号を2次コイルに生成する。このLVDT
の2次出力信号をアナログ的に加算または減算する演算
を行うことで、可動部の位置に応じたサイン特性の出力
信号とコサイン特性の出力信号とを生成し、これらのサ
イン特性の出力信号とコサイン特性の出力信号とをRD
コンバータで処理して、可動部の位置を検出したディジ
タルデータを生成する。また、別のタイプの位置検出器
として、励磁コイルのみを設け、可動磁性体コアの変位
に応じたその自己インダクタンスの変化をR−L回路に
よる移相量を測定することで検出するようにしたものも
知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来知られたLVDT
は、1次コイルと2次コイルが必要であるため、部品点
数が多くなり、製造コストを低廉にするのに限界があっ
た。また、小型化するにも限界があった。また、可動部
の位置に応じたサイン特性及びコサイン特性の出力信号
における利用可能な位相角範囲は、2ワイヤタイプLV
DTでは45度程度、3ワイヤタイプLVDTでは90
度程度と比較的狭く、検出可能位相角範囲を拡大するこ
とは困難であった。また、3ワイヤタイプLVDTで
は、可動部がコイル部の中央に位置する状態を基準にし
てその左右に変位する位置しか検出することができない
ため、応用の際に、使い勝手が悪いという問題があっ
た。また、検出対象の微小変位に対する検出分解能が悪
かった。一方、励磁コイルの自己インダクタンスを測定
するタイプの位置検出器では、コイル数を減らすことが
できるが、検出対象の変位に応じた移相量が狭い範囲で
しか得られないため、実際はその移相量の測定が困難で
あり、また、検出分解能が悪く、実用化には不向きであ
った。また、周辺環境温度の変化に付随してコイルのイ
ンピーダンスが変化すると、移相量も変化してしまうた
め、温度特性の補償を行うことができなかった。
【0004】本発明は上述の点に鑑みてなされたもの
で、小型かつシンプルな構造を持つと共に、利用可能な
位相角範囲を広くとることができ、また、検出対象の変
位が微小でも高分解能での検出が可能であり、温度特性
の補償も容易な、位置検出装置を提供しようとするもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る位置検出装
置は、交流信号で励磁される少なくとも1つのコイルを
配置してなるコイル部と、前記コイル部に対して相対的
に変位するよう配置された磁気応答部材であって、検出
対象の変位に応じて該部材と前記コイル部との相対的位
置が変化し、この相対的位置に応じて前記コイルのイン
ピーダンスを変化させ、このインピーダンス変化に基づ
き前記相対的位置が所定の範囲にわたって変化する間で
前記コイルに生じる電圧が変化するようにしたものと、
交流信号からなる所定の少なくとも1つの基準電圧を発
生する回路と、前記コイルに生じる電圧を取り出し、前
記基準電圧と演算することで、所定の周期的振幅関数を
振幅係数として持つ交流出力信号を少なくとも2つ生成
する演算回路であって、前記各交流出力信号の前記周期
的振幅関数はその周期特性において所定位相だけずれて
いるものとを具える。
【0006】磁気応答部材は、典型的には、磁性体及び
導電体の少なくとも一方を含んでなるものである。磁気
応答部材が磁性体からなる場合は、該部材のコイルに対
する近接の度合いが増すほど、該コイルのインダクタン
スが増加して、該コイルの電気的インピーダンスが増加
し、該コイルに生じる電圧、つまり端子間電圧(若しく
は電圧降下)、が増加する。反対に、該磁気応答部材の
コイルに対する近接の度合いが減少するほど、該コイル
のインダクタンスが減少して、該コイルの電気的インピ
ーダンスが減少し、該コイルに生じる電圧、つまり端子
間電圧、が減少する。こうして、検出対象の変位に伴
い、コイルに対する磁気応答部材の相対的位置が所定の
範囲にわたって変化する間で該コイルの端子間電圧は、
増加若しくは減少変化することになる。
【0007】例えば、典型的には、コイルに対する磁気
応答部材の相対的位置が所定の範囲にわたって変化する
間で該コイルの端子間電圧が示す漸増変化カーブは、サ
イン関数における0度から90度までの範囲の関数値変
化になぞらえることができる。ここで、交流信号成分を
sinωtで示し、コイルの端子間電圧が示す漸増変化
カーブにおける適当な区間の始まりの位置に対応して得
られるコイル出力電圧Vxの振幅係数レベル値をPaと
すると、該区間の始まりの位置に対応するコイル出力電
圧Vxは、Pa sinωtと表わせる。そして、該区間
の終わりの位置に対応して得られるコイル出力電圧Vx
の振幅係数レベル値をPbとすると、該区間の終わりの
位置に対応するコイル出力電圧は、Pb sinωtと表
わせる。ここで、始まりの位置に対応するコイル出力電
圧Vxの値Pa sinωtと同じ値の交流電圧を基準電
圧Vaと定めて、これをコイル出力電圧Vxから減算す
ると、コイル出力電圧Vxの振幅係数を関数A(x)で
示すと、 Vx−Va=A(x) sinωt−Pa sinωt ={A(x) −Pa }sinωt …式(1) となる。前記区間の始まりの位置では、A(x)=Pa
であることから、この演算結果の振幅係数「A(x) −
Pa 」は「0」となる。一方、前記区間の終わり位置で
は、A(x)=Pbであることから、この演算結果の振
幅係数「A(x)−Pa 」は「Pb −Pa 」となる。よっ
て、この演算結果の振幅係数「A(x)−Pa 」は、前記
区間の範囲内において、「0」から「Pb −Pa 」まで
漸増する関数特性を示す。ここで、「Pb −Pa 」は最
大値であるから、これを等価的に「1」と考えると、前
記式(1)に従う交流信号の振幅係数「A(x) −Pa」
は、前記区間の範囲内において、「0」から「1」まで
変化することになり、この振幅係数の関数特性は、サイ
ン関数の第1象限(つまり0度から90度の範囲)の特
性になぞらえることができる。よって、前記式(1)に
従う交流信号の振幅係数「A(x) −Pa 」は、等価的
にsinθ(ただし、大体、0°≦θ≦90°)と表わ
せる。
【0008】好ましい一実施形態は、前記コイル部は、
1つのコイルを配置してなり、前記所定の基準電圧を発
生する回路は、第1及び第2の基準電圧を発生し、前記
演算回路は、前記1つのコイルから取り出した電圧と前
記第1及び第2の基準電圧とを用いて所定の第1の演算
及び第2の演算をそれぞれ行うことで、第1の振幅関数
を振幅係数として持つ第1の交流出力信号と、第2の振
幅関数を振幅係数として持つ第2の交流出力信号とをそ
れぞれ生成するものである。この場合、コイル部は、た
だ1つのコイルを持つだけでよいので、構成を最小限に
簡略化することができる。上記第1の基準電圧として上
記Vaを使用することで、上記第1の振幅関数として、
サイン関数のほぼ第1象限(つまり0度から90度の範
囲)の特性を持つものを得ることができる。
【0009】また、前記区間の終わりの位置に対応する
コイル出力電圧Vxの値Pb sinωtと同じ値の交流
電圧を第2の基準電圧Vbと定め、これとコイル出力電
圧Vxとの差を求めると、 Vb−Vx=Pb sinωt−A(x) sinωt ={Pb −A(x) }sinωt …式(2) となる。前記区間の始まりの位置では、A(x)=Pa
であることから、この演算結果の振幅係数「Pb −A
(x) 」は「Pb −Pa 」となる。一方、前記区間の終
わり位置では、A(x)=Pbであることから、この演
算結果の振幅係数「Pb −A(x) 」は「0」となる。
よって、この演算結果の振幅係数「Pb −A(x) 」
は、前記区間の範囲内において、「Pb −Pa 」から
「0」まで漸減する関数特性を示す。前記と同様に、
「Pb −Pa 」を等価的に「1」と考えると、前記式
(2)に従う交流信号の振幅係数「Pb −A(x) 」
は、前記区間の範囲内において、「1」から「0」まで
変化することになり、この振幅係数の関数特性は、コサ
イン関数の第1象限(つまり0度から90度の範囲)の
特性になぞらえることができる。よって、前記式(2)
に従う交流信号の振幅係数「Pb −A(x) 」は、等価
的にcosθ(ただし、大体、0°≦θ≦90°)と表
わせる。なお、式(2)の減算は「Vx−Vb」であっ
てもよい。
【0010】こうして、1つのコイルと2つの基準電圧
を用いるだけで、検出対象位置に応じてサイン及びコサ
イン関数特性に従う振幅をそれぞれ示す2つの交流出力
信号を生成することができる。例えば、検出対象位置を
角度θに置き換えて示すと、概ね、サイン関数特性を示
す振幅を持つ交流出力信号は、sinθsinωtで示
すことができるものであり、コサイン関数特性を示す振
幅を持つ交流出力信号は、cosθsinωtで示すこ
とができるものである。これは、レゾルバといわれる位
置検出器の出力信号の形態と同様のものであり、極めて
有用なものである。例えば、前記演算回路で生成された
前記2つの交流出力信号を入力し、該2つの交流出力信
号における振幅値の相関関係から該振幅値を規定する前
記サイン及びコサイン関数における位相値を検出し、検
出した位相値に基づき前記検出対象の位置検出データを
生成する振幅位相変換部を具備するようにするとよい。
なお、上記サイン及びコサイン関数は、ほぼ1象限分
(90度)の範囲の特性を示すので、検出可能な位置範
囲がほぼ90度の範囲の位相角に換算されて検出される
ことになる。
【0011】ここで、基準電圧Va,VbのレベルP
a,Pbを可変設定することは、検出可能な位置範囲を
可変設定することにつながる。例えば、レベルPaとP
bの差が大きくなるようにこれらの値を設定すると、検
出可能な位置範囲が広がり、小さくなるようにこれらの
値を設定すると、検出可能な位置範囲が狭まる。検出可
能な位置範囲の変化にかかわらず、この範囲内での位置
が、常にほぼ90度の範囲の位相角に換算されて検出さ
れるので、基準電圧Va,Vbのレベルを可変設定する
ことで位置検出の分解能を可変設定できることになる。
このことは、例えば、微小変位を検出する場合であって
も、超高分解能での位置検出が可能であることを意味し
ている。
【0012】別の一実施形態は、前記コイル部は、2つ
のコイルを配置してなり、検出対象の変位に応じて前記
磁気応答部材に対する各コイルの相対的位置が逆特性で
変化し、これに応じて前記各コイルのインピーダンスが
逆特性で変化し、前記所定の基準電圧を発生する回路
は、1つの基準電圧を発生し、前記演算回路は、前記各
コイルから取り出した電圧と前記基準電圧とを用いて所
定の第1の演算及び第2の演算をそれぞれ行うことで、
第1の振幅関数を振幅係数として持つ第1の交流出力信
号と、第2の振幅関数を振幅係数として持つ第2の交流
出力信号とをそれぞれ生成するものである。
【0013】例えば、前述と同様に、磁気応答部材の相
対的位置が所定の範囲にわたって変化する間で第1のコ
イルの端子間電圧が示す漸増変化カーブは、サイン関数
における0度から90度までの範囲の関数値変化になぞ
らえることができる。すなわち、適当な区間の始まりの
位置に対応して得られるコイル出力電圧VxはPa si
nωtと表わすことができ、これは最小値に相当する。
この始まりの位置を基準電圧Vaで設定できる。基準電
圧Va=Pa sinωtを用いて上記(式1)と同じ演
算を行うことにより、 Vx−Va={A(x) −Pa }sinωt となり、前述と同様に、この振幅係数「A(x) −Pa
」の関数特性として、サイン関数の第1象限(つまり
0度から90度の範囲)の特性、つまり等価的にsin
θ(ただし、大体、0°≦θ≦90°)になぞらえるこ
とができる。
【0014】一方、第2のコイルの端子間電圧は、上記
とは逆特性の漸減変化カーブを示し、前記区間の始まり
の位置に対応して得られる第2のコイル出力電圧Vyを
仮りにPa' sinωtと表わすと、これは最大値に相
当する。上記基準電圧Vaを第2コイル出力電圧Vyか
ら減算すると、コイル出力電圧Vyの振幅係数を関数A
(y)で示すと、 Vy−Va=A(y) sinωt−Pa sinωt ={A(y) −Pa }sinωt …式(3) となる。前記区間の始まりの位置では、A(y)=Pa'
であることから、この演算結果の振幅係数「A(y) −
Pa 」は「Pa' −Pa 」であり、「最大値−最小値」
であるから、等価的に「1」とみなせる最大値、とな
る。一方、前記区間の終わり位置では、A(y)=Pa
であることから、この演算結果の振幅係数「A(y) −
Pa 」は「0」となる。よって、この演算結果の振幅係
数「A(y) −Pa 」は、前記区間の範囲内において、
最大値「Pa' −Pa 」(つまり「1」)から「0」ま
で漸減する関数特性を示し、この振幅係数の関数特性
は、コサイン関数の第1象限(つまり0度から90度の
範囲)の特性になぞらえることができる。よって、前記
式(3)に従う交流信号の振幅係数「A(y) −Pa 」
は、等価的にcosθ(ただし、大体、0°≦θ≦90
°)と表わせる。
【0015】こうして、2つのコイルと1つの基準電圧
を用いる場合も、検出対象位置に応じてサイン及びコサ
イン関数特性に従う振幅をそれぞれ示す2つの交流出力
信号(sinθsinωtとcosθsinωt)を生
成することができる。この場合も、上記サイン及びコサ
イン関数は、ほぼ1象限分(90度)の範囲の特性を示
すので、検出可能な位置範囲がほぼ90度の範囲の位相
角に換算されて検出されることになる。また、前述と同
様に、基準電圧Vaを可変することにより、検出可能な
位置範囲を可変設定することができ、検出分解能を調整
することができる。
【0016】なお、磁気応答部材として、銅のような良
導電体を使用した場合は、渦電流損によってコイルの自
己インダクタンスが減少し、磁気応答部材のコイルに対
する近接に伴い該コイルの端子間電圧が漸減することに
なる。この場合も、上記と同様に検出することが可能で
ある。また、磁気応答部材として、磁性体と導電体を組
合わせたハイブリッドタイプのものを用いてもよい。別
の実施形態として、磁気応答部材として永久磁石を含
み、コイルは磁性体コアを含むようにしてもよい。この
場合は、コイルの側の磁性体コアにおいて永久磁石の接
近に応じて対応する箇所が磁気飽和又は過飽和となり、
該磁気応答部材すなわち永久磁石のコイルに対する相対
的変位に応じて該コイルの端子間電圧が漸減することに
なる。
【0017】かくして、この発明によれば、1次コイル
のみを設ければよく、2次コイルは不要であるため、小
型かつシンプルな構造の位置検出装置を提供することが
できる。また、1つのコイルと2つの基準電圧を用いる
だけで、あるいは2つのコイルと1つの基準電圧を用い
ることにより、検出対象位置に応じて所定の周期関数特
性に従う振幅をそれぞれ示す複数の交流出力信号(例え
ばサイン及びコサイン関数特性に従う振幅をそれぞれ示
す2つの交流出力信号)を容易に生成することができ、
利用可能な位相角範囲として少なくともほぼ1象限(9
0度)分をとることができる。従って、少ないコイルで
ありながら比較的広い位相角範囲で検出を行うことがで
き、検出分解能を向上させることができる。また、検出
対象の変位が微小でも高分解能での位置検出が可能であ
る。更に、基準電圧を発生する回路として、検出用のコ
イルと同等の温度特性を示す回路(例えばコイル)を使
用すれば、演算回路におけ減算演算によって、温度ドリ
フト特性が自動的に補償されることとなり、温度変化の
影響を排除した位置検出を容易に行うことができる。勿
論、基準電圧を発生する回路は、コイルに限らず、抵抗
等、その他適宜の構成からなる電圧生成回路を使用して
よい。なお、コイルと基準電圧の数は1又は2に限定さ
れず、それ以上であってもよく、これに伴い、利用可能
な位相角範囲を、ほぼ1象限(90度)分に限らず、更
に拡大することも可能である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照してこの発
明の実施の形態を詳細に説明しよう。図1(A)は、こ
の発明の一実施例に係る位置検出装置におけるコイル部
50と磁気応答部材60との物理的配置関係の一例をコ
イル軸方向断面略図によって示すもの、同図(B)はそ
の平面略図、同図(C)は該コイル部50に関連する電
気回路の一例を示す図である。図1に示す位置検出装置
は、検出対象の直線位置を検出するものであり、例え
ば、コイル部50が相対的に固定されており、磁気応答
部材60が検出対象の変位に応じて相対的に直線変位す
る。この逆に、磁気応答部材60を相対的に固定し、コ
イル部50を検出対象の変位に応じて相対的に変位させ
てもよいのは勿論である。
【0019】コイル部50は、所定の交流信号によって
励磁される1つのコイルL1を含み、該コイルL1には
磁性体コア51が設けられている。磁気応答部材60
は、コイルL1の磁性体コア51の端部に対して空隙を
介して対向するフラットな面を成し、検出対象位置の変
化に連動して磁気応答部材60の面が矢印x方向又はそ
の逆向きに変位する。この空隙の変化によって、磁性体
コア51を通ってコイルL1を貫く磁束量が変化し、も
って、コイルL1の自己インダクタンスが変化する。こ
のインダクタンス変化は、コイルL1のインピーダンス
変化でもあり、該コイルL1の端子間電圧として測定で
きる。一例として、磁気応答部材60の材質は、鉄のよ
うな磁性体からなっているものとして説明を進める。こ
のような構造の位置検出装置は例えばダイヤフラムのよ
うな膜の微小な変位の検出に適している。その場合、検
出対象たるダイヤフラムそれ自体が磁性体(若しくは導
電体)からなっている場合は、それ自体を磁気応答部材
60として機能させることができる。あるいは、検出対
象たるダイヤフラム等に膜状若しくは面状の磁気応答部
材60を貼り付ける若しくは塗布するようにしてもよ
い。
【0020】図1(A)において、磁気応答部材60の
最大移動範囲を点aとbで例示した。点aの位置がコイ
ルL1から最も離れる位置、点bが最も近づく位置であ
る。図2(A)は、検出対象位置(横軸x)に対するコ
イルL1のインピーダンス(たて軸z)を例示するグラ
フである。磁気応答部材60が点aのときのコイルL1
のインピーダンスをZaで示し、点bのときのそれをZ
bで示す。インピーダンスZaのときコイルL1の端子
間電圧つまり出力電圧は最小レベル(最小振幅係数)で
あり、インピーダンスZbのときのそれは最大レベル
(最大振幅係数)である。
【0021】コイルL1の端子間電圧は、磁気応答部材
60の相対的位置がaからbまで動く間で、前記インピ
ーダンスZaに対応する最小値からインピーダンスZb
に対応する最大値まで漸増変化する。このようなコイル
L1の端子間電圧がとり得る値の範囲内で第1及び第2
の基準電圧Va,Vbを適宜に設定する。すなわち、位
置aからbまでの最大移動範囲のうち、適当な区間を検
出対象区間Rとして選定し、この区間Rの始まりの位置
に対応して生じるコイルL1の端子間電圧の振幅係数レ
ベル値(すなわちインピーダンス)をPaとすると、該
区間Rの始まりの位置に対応するコイルL1の端子間電
圧すなわち出力電圧VxはPa sinωtであり、これ
を第1の基準電圧Vaとして設定する。すなわち、 Va=Pa sinωt である。また、該区間Rの終わりの位置に対応して生じ
るコイルL1の端子間電圧の振幅係数レベル値(すなわ
ちインピーダンス)をPbとすると、該区間Rの終わり
の位置に対応するコイルL1の端子間電圧すなわち出力
電圧VxはPb sinωtであり、これを第2の基準電
圧Vbとして設定する。すなわち、 Vb=Pb sinωt である。
【0022】図1(C)に示すように、検出用のコイル
L1は、交流発生源30から発生される所定の1相の交
流信号(仮にsinωtで示す)によって定電圧又は定
電流で励磁される。前述の通り、検出用のコイルL1の
インダクタンスは、検出対象位置に応じて可変であるた
め、図では等価的に可変インダクタンスとして図示して
ある。また、各基準電圧Va,Vbを発生するための回
路として、コイルLr1,Lr2が設けられており、こ
れらも交流発生源30からの交流信号によって駆動され
る。これらは、所望の検出対象区間Rを決定するために
一旦設定した後は、その設定値に固定される。
【0023】演算回路31Aは、検出用コイルL1の出
力電圧Vxから第1の基準電圧Vaを減算するもので、
前記式(1)のように、コイル出力電圧Vxの振幅係数
を関数A(x)で示すと、 なる演算を行う。第1基準電圧Vaによって設定した検
出対象区間Rの始まりの位置では、A(x)=Paであ
ることから、この演算結果の振幅係数「A(x)−Pa 」
は「0」となる。一方、該区間Rの終わり位置では、A
(x)=Pbであることから、この演算結果の振幅係数
「A(x) −Pa 」は「Pb −Pa 」となる。よって、
この演算結果の振幅係数「A(x) −Pa 」は、該区間
Rの範囲内において、「0」から「Pb −Pa 」まで漸
増する関数特性を示す。ここで、「Pb −Pa 」は最大
値であるから、これを等価的に「1」と考えると、前記
式に従う交流信号の振幅係数「A(x) −Pa 」は、区
間Rの範囲内において、「0」から「1」まで変化する
ことになり、この振幅係数の関数特性は、図2(B)に
示すように、サイン関数の第1象限(つまり0度から9
0度の範囲)の特性になぞらえることができる。よっ
て、前記式に従う交流信号の振幅係数「A(x)−Pa 」
は、等価的にsinθ(ただし、大体、0°≦θ≦90
°)を用いて表わせる。なお、図2(B)では、位置x
に対するサイン関数特性の振幅係数のカーブsinθの
みを示しているが、実際の演算回路31Aの出力はこの
振幅係数sinθに対応する振幅レベルを持つ交流信号
sinθsinωtである。
【0024】演算回路31Bは、検出用コイルL1の出
力電圧Vxと第2の基準電圧Vbとの差を求めるもの
で、前記式(2)のように、 なる演算を行う。検出対象区間Rの始まりの位置では、
A(x)=Paであることから、この演算結果の振幅係
数「Pb −A(x) 」は「Pb −Pa 」となる。一方、
第2の基準電圧Vbによって設定した該区間Rの終わり
位置では、A(x)=Pbであることから、この演算結
果の振幅係数「Pb −A(x) 」は「0」となる。よっ
て、この演算結果の振幅係数「Pb −A(x) 」は、該
区間Rの範囲内において、「Pb −Pa 」から「0」ま
で漸減する関数特性を示す。前記と同様に、「Pb −P
a 」を等価的に「1」と考えると、前記式に従う交流信
号の振幅係数「Pb −A(x) 」は、区間Rの範囲内に
おいて、「1」から「0」まで変化することになり、こ
の振幅係数の関数特性は、コサイン関数の第1象限(つ
まり0度から90度の範囲)の特性になぞらえることが
できる。よって、前記式に従う交流信号の振幅係数「P
b −A(x) 」は、等価的にcosθ(ただし、大体、
0°≦θ≦90°)を用いて表わせる。この場合も、図
2(B)では、位置xに対するコサイン関数特性の振幅
係数のカーブcosθのみを示しているが、実際の演算
回路31Bの出力はこの振幅係数cosθに対応する振
幅レベルを持つ交流信号cosθsinωtである。な
お、演算回路31Bでの減算は「Vx−Vb」であって
もよい。
【0025】こうして、検出対象位置xに応じてサイン
及びコサイン関数特性に従う振幅をそれぞれ示す2つの
交流出力信号sinθsinωtとcosθsinωt
を生成することができる。これは一般にレゾルバといわ
れる位置検出器の出力信号の形態と同様のものであり、
有効に活用することができる。例えば、演算回路31
A,31Bで生成されたレゾルバタイプの2つの交流出
力信号を位相検出回路(若しくは振幅位相変換手段)3
2に入力し、該2つの交流出力信号における振幅値の相
関関係から該振幅値を規定する前記サイン及びコサイン
関数sinθ及びcosθの位相値θを計測すること
で、検出対象位置をアブソリュートで検出することがで
きる。この位相検出回路32としては、例えば本出願人
の出願に係る特開平9−126809号公報に示された
技術を用いて構成するとよい。例えば、第1の交流出力
信号sinθsinωtを電気的に90度シフトするこ
とで、交流信号sinθcosωtを生成し、これと第
2の交流出力信号cosθsinωtを加減算合成する
ことで、sin(ωt+θ)およびsin(ωt−θ)
なる、θに応じて進相および遅相方向に位相シフトされ
た2つの交流信号(位相成分θを交流位相ずれに変換し
た信号)を生成し、その位相θを測定することで、スト
ローク位置検出データを得ることができる。位相検出回
路32は、専用回路(例えば集積回路装置)で構成して
もよいし、プログラム可能なプロセッサまたはコンピュ
ータを使用して所定のソフトウェアを実行することによ
り位相検出処理を行うようにしてもよい。あるいは、公
知のレゾルバ出力を処理するために使用されるR−Dコ
ンバータを、この位相検出回路32として使用するよう
にしてもよい。また、位相検出回路32における位相成
分θの検出処理は、ディジタル処理に限らず、積分回路
等を使用したアナログ処理で行ってもよい。また、ディ
ジタル位相検出処理によって回転位置θを示すディジタ
ル検出データを生成した後、これをアナログ変換して回
転位置θを示すアナログ検出データを得るようにしても
よい。勿論、位相検出回路32を設けずに、演算回路3
1A,31Bの出力信号sinθsinωt及びcos
θsinωtをそのまま出力するようにしてもよい。
【0026】なお、図2(B)に示すように、サイン及
びコサイン関数特性の交流出力信号sinθsinωt
及びcosθsinωtにおける振幅特性は、位相角θ
と検出対象位置xとの対応関係が線形性を持つものとす
ると、真のサイン及びコサイン関数特性を示していな
い。しかし、位相検出回路32では、見かけ上、この交
流出力信号sinθsinωt及びcosθsinωt
をそれぞれサイン及びコサイン関数の振幅特性を持つも
のとして位相検出処理する。その結果、検出した位相角
θは、検出対象位置xに対して、線形性を示さないこと
になる。しかし、位置検出にあたっては、そのように、
検出出力データ(検出した位相角θ)と実際の検出対象
位置との非直線性はあまり重要な問題とはならない。つ
まり、所定の反復再現性をもって位置検出を行なうこと
ができればよいのである。また、必要とあらば、位相検
出回路32の出力データを適宜のデータ変換テーブルを
用いてデータ変換することにより、検出出力データと実
際の検出対象位置との間に正確な線形性を持たせること
が容易に行なえる。よって、本発明でいうサイン及びコ
サイン関数の振幅特性とは、真のサイン及びコサイン関
数特性を示していなければならないものではなく、図2
(B)に示されるように、実際は三角波形状のようなも
のであってよいものであり、要するに、そのような傾向
を示していればよい。つまり、サイン等の三角関数に類
似した関数であればよい。なお、図2(B)の例では、
観点を変えて、その横軸の目盛をθと見立ててその目盛
が所要の非線形目盛からなっているとすれば、横軸の目
盛をxと見立てた場合には見かけ上三角波形状に見える
ものであっても、θに関してはサイン関数又はコサイン
関数ということができる。
【0027】ここで、温度ドリフト特性の補償について
説明する。温度に応じて検出用コイルL1のインピーダ
ンスが変化しても、基準電圧Va,Vbもこれと同様の
温度ドリフト特性を持つものとすれば、演算回路31
A,31Bにおける差演算によって、温度ドリフト分が
相殺されることになり、温度ドリフト特性が補償さるこ
とになる。そのためには、基準電圧発生用に、検出用コ
イルL1と同等の特性のコイルLr1,Lr2を使用
し、これらのコイルLr1,Lr2と検出用コイルL1
と同様の温度環境に置く(つまり検出用コイルL1の比
較的近くに配置する)のがよい。勿論、基準電圧発生用
のコイルLr1,Lr2の特性を検出用コイルL1と同
等の特性とすることは好ましいが必須ではなく、付加抵
抗の調整等によって実質的に同等の温度ドリフト特性を
持たせるように構成することが可能である。また、基準
電圧発生用回路は、コイルLr1,Lr2に限らず、抵
抗その他の適当な定電圧発生回路を使用してもよい。
【0028】前述の通り、基準電圧Va,Vbのレベル
つまりインピーダンスPa,Pbを可変設定すること
は、検出可能な位置範囲つまり検出対象区間Rを可変設
定することにつながる。検出可能な位置範囲つまり検出
対象区間Rの長さがどれほどであるかにかかわらず、こ
の区間R内での位置が、常にほぼ90度の範囲の位相角
θに換算されて検出されるので、基準電圧Va,Vbの
レベルを可変設定することで位置検出の分解能を可変設
定できることになる。このことは、例えば、微小変位を
検出する場合であっても、超高分解能での位置検出が可
能であることを意味している。一例として、位相検出回
路32が12ビットバイナリカウンタを用いて一回転3
60度フルの位相角を「2の12乗」=4096の分解
能で検出する性能を持っている場合、90度の範囲の位
相角の検出分解能は「1024」であり、検出可能な位
置範囲つまり検出対象区間Rの長さを5ミリメートルに
設定したとすると、約5ミクロンの超高分解能での微小
位置検出が可能となる。
【0029】図3は、図1の変更例を示すものであり、
磁気応答部材61の変位の方向xが図1とは異なってお
り、コイル部50の構造は図1と同じであってよい。図
3(A)は断面略図、(B)は平面略図であり、コイル
部50に関連する電気回路は図1(C)と同様の構成を
使用できるので図示を省略する。図3(A)において、
磁気応答部材61の最大移動範囲を点aとbで例示し
た。点aの位置では磁気応答部材61はコイルL1の端
部をカバーしていない状態であり、コイルL1の出力レ
ベルは最小である。磁気応答部材61は、この位置から
矢印x方向にコイルL1の端部を横切るように直線変位
し、該磁気応答部材61の端部が一点鎖線61’で示す
ように点bに対応する位置まで来ると、磁気応答部材6
1がコイルL1の端部を完全にカバーした状態となり、
コイルL1の出力レベルは最大となる。図3の装置によ
る位置検出動作は、図1と同様である。
【0030】図4は、図1の更に別の変更例を示す一部
断面側面略図であり、コイル部50のコイルL1には磁
性体コア51が設けられておらず、検出対象の変位に応
じてロッド状の磁気応答部材62が、矢印x方向に相対
的に変位して、コイルL1の内部空間内に侵入していく
構造からなっている。この場合も、磁気応答部材62の
最大移動範囲を点aとbで例示するが、この範囲はほぼ
コイルL1の長さに対応する。図4の装置による位置検
出動作も、図1と同様である。
【0031】図5は、図1の更に別の変更例を示す一部
断面側面略図であり、コイル部50のコイルL1には磁
性体コア51が設けられており、検出対象の変位に応じ
て円筒スリーブ状の磁気応答部材63が、矢印x方向に
相対的に変位して、コイルL1をその円筒スリーブの空
間内に呑みこんでいく構造からなっている。この場合
も、磁気応答部材63の最大移動範囲を点aとbで例示
するが、この範囲はほぼコイルL1の長さに対応する。
ただし、図5では、磁気応答部材63は銅のような非磁
性良導電体からなり、該磁気応答部材63がコイルL1
に近接する(コイルL1が磁気応答部材63の円筒スリ
ーブ空間内に入り込む)ほど、渦電流損が生じて、該コ
イルL1のインピーダンスを減少させる。よって、点a
とbの位置が図4とは逆になるように図示してある。図
5の装置による位置検出動作も、図1と同様である。
【0032】図6は、図1の更に別の変更例を示す一部
断面側面略図であり、コイル部50のコイルL1には磁
性体コア51が設けられており、検出対象の変位に応じ
て円筒スリーブ状の磁気応答部材64は永久磁石からな
っていて、矢印x方向に相対的に変位して、コイルL1
をその円筒スリーブの空間内に呑みこんでいく構造から
なっている。永久磁石64が、コイルL1に接近すると
その近接箇所に対応する磁性体コア51が部分的に磁気
飽和ないし過飽和状態となり、該コイルL1の端子間電
圧が低下する。永久磁石64がコイルL1一端から他端
まで変位する間で該コイルL1の端子間電圧が漸減する
ように、該永久磁石64の長さは少なくともコイル長に
相当する長さを持つ。このように、磁気応答部材64と
して永久磁石を使用する場合も、上記非磁性良導電体6
3を用いる場合と同様に、磁気応答部材64つまり永久
磁石がコイルL1の一端から他端まで変位する間で該コ
イルの端子間電圧の漸減変化を引き起こさせることがで
きる。永久磁石64はリング状のものに限らず、棒状等
その他形状であってもよい。その場合、コイル軸心方向
に平行にその近傍を永久磁石からなる磁気応答部材64
が通過する配置構成を採用すればよい。なお、この場合
のコイルL1の磁性体コア51は磁気飽和を起こし易い
ように比較的細い形状等とするとよい。
【0033】図7は、この発明に係る位置検出装置の別
の実施例を示すもので、コイル部50において2つのコ
イルL1,L2を設け、1つの基準電圧Vaだけを使用
する例を示している。図7(A)は、コイル部50と磁
気応答部材60との物理的配置関係の一例をコイル軸方
向断面略図によって示すもの、同図(B)は該コイル部
50に関連する電気回路の一例を示す図である。図7で
は、コイル部50において、一方のコイルL1には図1
と同様に磁性体コア51が挿入されている。また、他方
のコイルL2にも同様に磁性体コア52が挿入されてい
る。これらのコイルL1,L2は、それぞれの磁性体コ
ア51,52の端部が向き合うように、同軸上に向き合
って配置され、その間に平板状の磁気応答部材60が配
置されている。
【0034】前述と同様に、磁気応答部材60の最大移
動範囲が点aとbで例示されており、点aの位置がコイ
ルL1から最も離れる位置、点bが最も近づく位置であ
る。逆に、コイルL2にとっては、点aの位置が磁気応
答部材60が最も近づく位置、点bが最も離れる位置で
ある。よって、検出対象の変位に応じて磁気応答部材6
0に対する各コイルL1,L2の相対的位置が逆特性で
変化し、これに応じて各コイルL1,L2のインピーダ
ンスが逆特性で変化する。図8(A)は、検出対象位置
(横軸x)に対するコイルL1及びL2のインピーダン
ス(たて軸z)を例示するグラフである。磁気応答部材
60が点aのときのコイルL1のインピーダンスをZa
で示し、点bのときのそれをZbで示すと、逆特性であ
るため、磁気応答部材60が点aのときのコイルL2の
インピーダンスはZb、点bのときのそれはZaとな
る。
【0035】コイルL1の端子間電圧は、磁気応答部材
60の相対的位置がaからbまで動く間で、前記インピ
ーダンスZaに対応する最小値からインピーダンスZb
に対応する最大値まで漸増変化する。一方、コイルL2
の端子間電圧は、磁気応答部材60の相対的位置がaか
らbまで動く間で、前記インピーダンスZbに対応する
最大値からインピーダンスZaに対応する最小値まで漸
減変化する。1つの基準電圧Vaは、位置aからbまで
の最大移動範囲のうちから選ばれた適当なを検出対象区
間Rの始まりの位置に対応して生じるコイルL1の端子
間電圧の振幅係数レベル値(すなわちインピーダンス)
Paに対応して設定される。すなわち、前述のように、 Va=Pa sinωt である。
【0036】図7(B)に示すように、検出用のコイル
L1及びL2は、交流発生源30から発生される所定の
1相の交流信号(仮にsinωtで示す)によって定電
圧又は定電流で励磁される。前述の通り、各コイルL
1,L2のインダクタンスは、検出対象位置に応じて可
変であるため、図では等価的に可変インダクタンスとし
て図示してある。また、基準電圧Vaを発生するための
回路として、コイルLr1が設けられており、これも交
流発生源30からの交流信号によって駆動される。
【0037】演算回路31Cは、図1の演算回路31A
と同様に、検出用コイルL1の出力電圧Vxから基準電
圧Vaを減算するもので、前記式(1)と同様に、 なる演算を行う。よって、前述と同様に、演算回路31
Cの出力交流信号における振幅係数の関数特性は、図8
(B)に示すように、サイン関数の第1象限(つまり0
度から90度の範囲)の特性になぞらえることができ
る。
【0038】演算回路31Dは、もう一方の検出用コイ
ルL2の出力電圧Vyと基準電圧Vaとの差を求めるも
ので、前記式(3)のように、 なる演算を行う。図8(A)から理解できるように、コ
イルL2の端子間電圧Vyは、コイルL1の端子間電圧
Vxとは逆特性の漸減変化カーブを示し、区間Rの始ま
りの位置に対応して得られる該コイル出力電圧Vyを仮
りにPa' sinωtと表わすと、これは最大値に相当
する。このように区間Rの始まりの位置では、A(y)
=Pa' であることから、演算回路31Dの出力交流信
号の振幅係数「A(y) −Pa 」は「Pa' −Pa 」であ
り、「最大値−最小値」であるから、等価的に「1」と
みなせる最大値、となる。一方、該区間Rの終わり位置
では、A(y)=Paであることから、この演算結果の
振幅係数「A(y) −Pa 」は「0」となる。よって、
演算回路31Dの出力交流信号の振幅係数「A(y)−P
a 」は、検出対象区間Rの範囲内において、最大値「P
a' −Pa 」(つまり「1」)から「0」まで漸減する
関数特性を示し、この振幅係数の関数特性は、コサイン
関数の第1象限(つまり0度から90度の範囲)の特性
になぞらえることができる。よって、演算回路31Dの
出力交流信号の振幅係数「A(y) −Pa 」は、図8
(B)に示すように、等価的にcosθ(ただし、大
体、0°≦θ≦90°)で表わせる。
【0039】こうして、2つの検出用コイルL1,L2
と1つの基準電圧Vaを用いる場合も、検出対象位置に
応じてサイン及びコサイン関数特性に従う振幅をそれぞ
れ示す2つの交流出力信号(sinθsinωtとco
sθsinωt)を生成することができる。この場合
も、上記サイン及びコサイン関数は、ほぼ1象限分(9
0度)の範囲の特性を示すので、検出可能な位置範囲つ
まり検出対象区間Rがほぼ90度の範囲の位相角θに換
算されて検出されることになる。また、前述と同様に、
基準電圧Vaを可変することにより、検出可能な位置範
囲つまり検出対象区間Rを可変設定することができ、検
出分解能を調整することができる。また、図1の実施例
と同様に、図7の実施例でも、温度ドリフト特性の補償
を行うことができる。
【0040】更に、図1の実施例に対して適用可能な図
3〜図6の変更例は、図7の実施例に対しても同様のや
り方で適用可能である。その変形の仕方の詳細は、図3
〜図6から容易に類推できるので、特に図示しない。な
お、上記各実施例において、磁気応答部材60、61、
62として、磁性体の代わりに、銅のような非磁性良導
電体を使用してもよい。その場合は、渦電流損によって
コイルのインダクタンスが減少し、磁気応答部材60、
61、62の近接に応じてコイルの端子間電圧が減少す
ることになる。この場合も、上記と同様に位置検出動作
することが可能である。また、磁気応答部材として、磁
性体と導電体を組合わせたハイブリッドタイプのものを
用いてもよい。
【0041】次に、更に別の実施例について説明する。
図9は、サイン及びコサイン関数特性を示す振幅をそれ
ぞれ持つ2つの交流出力信号において、電気角でほぼ0
度から180度までの範囲での振幅変化が得られるよう
にする実施例を示す。図9(A)は、この実施例に係る
位置検出装置におけるコイル部10と磁気応答部材11
との物理的配置関係の一例を外観略図によって示すも
の、同図(B)はそのコイル軸方向断面略図、同図
(C)は該コイル部10の電気回路の一例を示す図であ
る。図1に示す位置検出装置は、検出対象の直線位置を
検出するものであり、例えば、コイル部10が相対的に
固定されており、磁気応答部材11が検出対象の変位に
応じて相対的に直線変位する。この逆に、磁気応答部材
11を相対的に固定し、コイル部10を検出対象の変位
に応じて相対的に変位させてもよいのは勿論である。コ
イル部10は、所定の1相の交流信号によって励磁され
る複数のコイル区間(図示例では2個のコイル区間L
A,LB)を、検出対象の変位方向に沿って順次縦続的
に配列してなる。例えば、各コイル区間LA,LBは、
巻数、コイル長等の性質が同等であるとする。磁気応答
部材11は、例えば棒状の鉄のような磁性体からなり、
コイル部10のコイル空間内に侵入する。一例として、
図の右方向に磁気応答部材11が進行するとき、磁気応
答部材11の先端11aが、最初にコイル区間LAに侵
入し、次に、コイル区間LBの順に侵入する、というよ
うに順次に侵入する。2点鎖線11’は最後のコイル区
間LBに侵入した磁気応答部材11を示している。
【0042】各コイル区間LA,LBに対応する範囲が
有効検出範囲である。1つのコイル区間の長さをKとす
ると、図示のように2個のコイル区間LA,LBを縦続
的に設けた場合はその2倍の長さ2Kが有効検出範囲と
なる。図9(C)に示すように、各コイル区間Lα,L
A,LB,LC,LD,Lβは、交流電源30から発生
される所定の1相の交流信号(仮にsinωtで示す)
によって定電圧又は定電流で励磁される。各コイル区間
LA,LBの各端子間電圧をそれぞれVA,VBで示
す。これらの各コイル区間LA,LBの各端子間電圧V
A,VBは、アナログ演算回路315及び316に入力
され、所定の演算式に従って加算又は減算されること
で、各アナログ演算回路315及び316から検出対象
位置に応じたサイン及びコサイン関数特性を示す振幅を
それぞれ持つ2つの交流出力信号(つまりsinθsi
nωtとcosθsinωt)が生成される。
【0043】以上の構成により、磁気応答部材11の各
コイルに対する近接又は侵入の度合いが増すほど該コイ
ルの自己インダクタンスすなわちインピーダンスが増加
し、該部材の端部が1つのコイルの一端から他端まで変
位する間で該コイルの端子間電圧が漸増する。複数のコ
イルLA,LBが検出対象の変位方向に沿って順次配列
されてなることにより、これらコイルに対する磁気応答
部材の位置が、検出対象の変位に応じて相対的に変位す
るにつれ、図10(A)に例示するように、各コイルの
端子間電圧VA,VBの漸増変化が順番に起こる。図1
0(A)において、或るコイルの出力電圧が傾斜してい
る区間において、当該コイルの一端から他端に向かって
磁気応答部材11の端部が変位していることになる。典
型的には、磁気応答部材11の端部が或る1つのコイル
の一端から他端まで変位する間に生じる該コイルの両端
間電圧の漸増変化カーブは、サイン又はコサイン関数に
おける90度の範囲の関数値変化になぞらえることがで
きる。そこで、各コイルの出力電圧VA,VBを所定の
基準電圧とを適切に組み合わせて加算及び/又は減算す
ることにより、検出対象位置に応じたサイン及びコサイ
ン関数特性を示す振幅をそれぞれ持つ2つの交流出力信
号sinθsinωt及びcosθsinωtを生成す
ることができる。
【0044】図10(A)に例示するように、各コイル
の端子間電圧VA,VBの漸増変化が順番に起こる。こ
こで、コイル内に磁気応答部材11が全く入っていない
ときに得られる電圧がVo(最小電圧)であるとし、コ
イル内に磁気応答部材11がフルに入り込んだときに得
られる電圧をVN(最大電圧)とすると、該電圧Voと
VNの加算値「VN+Vo」に相当する交流(sinω
t)の定電圧を基準電圧として、適宜の定電圧発生回路
27から発生する。各コイルの出力電圧VAとVBの加
算値から該定電圧「VN+Vo」を減算すると、得られ
る電圧「VA+VB−VN−Vo」は、図10(B)に
示すように0度から180度の範囲でのコサイン関数特
性(若しくはマイナス・コサイン関数特性)を示す。一
方、電圧VAからVBを減算すると、得られる電圧「V
A−VB」は、図10(B)に示すように0度から18
0度の範囲でのサイン関数特性を示す。
【0045】従って、図9(C)において、コイルL
A,LBの出力電圧VA,VBを演算回路315で減算
することにより、その減算結果「VA−VB」として、
サイン関数特性の交流出力信号sinθsinωtを生
成することができる。また、コイルLA,LBの出力電
圧VA,VBを演算回路316で加算し、その加算結果
VA+VBから定電圧発生回路27から発生した基準電
圧「VN+Vo」を減算回路317で減算することによ
り、その減算結果「VA+VB−(VN+Vo)」(つ
まり「VA+VB−VN−Vo」)として、コサイン関
数特性の交流出力信号cosθsinωtを生成するこ
とができる。ここで、定電圧発生回路27から発生する
基準電圧「VN+Vo」が、コイルLA,LBの温度特
性変化と同じように温度特性を持って変化するようにす
るものとする。そのために、定電圧発生回路27は、コ
イルLA又はLBと同等の特性を持つダミーコイルを用
いて構成し、同じ励磁交流信号によって励磁するように
すればよい。例えば、そのようなダミーコイルに、磁気
応答部材11と同じ特性の磁性体コアを常時挿入してお
けば、コイル内に磁気応答部材11がフルに入り込んだ
ときに得られる最大電圧VNと同様の定電圧VNを、温
度特性をもたせながら常時発生することができる。ま
た、そのようなダミーコイルに磁性体コアを挿入しなけ
れば、最小電圧Voと同様の定電圧Voを得ることがで
きる。
【0046】上記のような定電圧発生回路27は、コイ
ル数が2個の場合に限らず、その他適宜の数のコイルを
使用する場合においても、適用できる。例えば、3個の
コイルLA,LB,LCを順次縦続接続して、3Kの有
効検出範囲につき、0度から270度までの範囲での位
相変化を生じさせることができるようにする場合は、定
電圧発生回路27から前記定電圧VNとVoを別々の基
準電圧として発生し、各コイルの出力電圧VA,VB,
VCと定電圧発生回路27からの基準電圧VN,Voと
を用いて、「VA−VB−VC+Vo」なる演算によっ
てサイン関数特性の交流出力信号sinθsinωtを
生成することができ、また、「VA+VB−VC−V
N」なる演算によってコサイン関数特性の交流出力信号
cosθsinωtを生成することができる。
【0047】図11は、有効検出範囲に対応して1個の
コイルLAのみを設け、かつ1つの基準電圧VNだけを
使用する実施例を示す。この場合、1個のコイルのコイ
ル長Kに対応する有効検出範囲の位相変化幅は、90度
未満となる。図11(A)の例では、ダミーコイルLN
は、磁気応答部材11の変位の影響を受ける検出用コイ
ルLAに直列に接続されているが、該磁気応答部材11
の変位の影響を受けないようになっており、コイルLA
内に磁気応答部材11がフルに入り込んだときに得られ
る最大電圧VNと同じ定電圧VNを基準電圧として常時
発生する。よって、コイルLAから出力される検出電圧
VAと基準電圧VNとは同等の温度特性をもつ。これに
より、磁気応答部材11の変位に応じたコイルLAの端
子間電圧VAとダミーコイルLNの端子間電圧VNと
は、図11(B)のように生成される。演算回路318
はこれら電圧VA,VNを所定の演算式に従って演算
し、例えば図11(C)に示すように、「VA+VN」
なる演算によってサイン関数特性の交流出力信号sin
θsinωtを生成し、「VA−VN」なる演算によっ
てコサイン関数特性の交流出力信号cosθsinωt
を生成する。これは、図11(D)に示すように或る9
0度未満の幅の角度範囲における特性に対応づけること
ができる。よって、これらの交流出力信号を位相検出回
路32に入力することにより、該当する90度未満の幅
の角度範囲における位相角θをアブソリュート検出する
ことができる。なお、図11(A)のような直列接続に
限らず、図11(E)のように、ダミーコイルLNを検
出用コイルLAに並列に接続するようにしてもよい。
【0048】図12は、図11の変形例であり、ダミー
コイルLNに代えて抵抗素子R1を用いたものである。
同図(A)に示すように、1個のコイルLAを設けてな
り、該コイルLAに直列に抵抗素子R1を接続してな
る。これにより、磁気応答部材11の変位に応じてコイ
ルLAの端子間電圧VAの振幅成分が図12(B)に示
すように漸増変化すると、これに応じて抵抗素子R1の
端子間の電圧降下VRの振幅成分が図12(B)に示す
ように漸減変化する。抵抗素子R1の端子間電圧VRを
サイン関数特性の交流出力信号sinθsinωtとみ
なし、コイルLAの端子間電圧VAをコサイン関数特性
の交流出力信号cosθsinωtとみなせば、図12
(C)に示すようにサイン関数とコサイン関数とがクロ
スする或る90度未満の幅の角度範囲における特性に対
応づけることができる。よって、これらの交流出力信号
を位相検出回路32に入力することにより、該当する9
0度未満の幅の角度範囲における位相角θをアブソリュ
ート検出することができる。
【0049】なお、図9の実施例では、コイル部10に
おいて各コイルの軸が略一致するように配置されてお
り、コイルの中心空間内に磁気応答部材11が侵入する
構成からなっているが、これに限らず、コイル部10と
磁気応答部材11との配置関係はどのようなものでもよ
い。例えば図13に例示するように、コイル部10にお
いて複数のコイルLA,LB,…の軸線が横並びに並列
するように配置し、該コイルの端部の近傍を磁気応答部
材11が通過する構成からなっていてもよい。その場
合、各コイルLA,LB,…は鉄心に巻かれたものを用
いるとよい。
【0050】また、図9の例のようにコイル部10にお
いて複数の各コイルの軸が略一致するようにした配置の
場合であっても、コイルの中心空間内に磁気応答部材1
1が侵入しないような構成としてもよい。図14(A)
は、その一例を示すもので、コイル部10の軸心方向に
平行にその近傍を磁気応答部材11が通過する構成から
なっている。その場合、各コイルLA,LB,…の軸心
空間に鉄心コア53を挿入しておくのがよい。これによ
って、コイルの外周への磁束の出方がよくなり、その外
周近傍に近接する磁気応答部材11に対する感度が良く
なり、検出精度が良好となる。図14(B)は、その別
の一例を示すもので、磁気応答部材11が中空の円筒形
状からなっており、コイル部10が該磁気応答部材11
の中空円筒空間内に入り込むようになっている。この場
合も、各コイルLA,LB,…の軸心空間に鉄心コア5
3を挿入しておき、コイルの外周への磁束の出方をよく
するとよい。
【0051】図15は、コイル部10及び磁気応答部材
11の別の構成例を示す側面及び断面図である。この場
合、各コイルLA,LB,…の相互の配置間隔は、図9
の例と同様に、Kであるが、各コイルの長さが短くなっ
ている。すなわち、隣接する各コイルLA,LB,…は
図9のように密接している必要はなく、適宜離隔してい
てもよい。磁気応答部材11の先端11aは、とがっ
た、先細りの形状をしている。例えば、ほぼKぐらいの
長さの先端部分が先細りの形状をしている。これによ
り、磁気応答部材11の先端11aの移動にともなうコ
イルのインダクタンス変化を滑らかな漸増(若しくは漸
減)変化特性とすることができる。勿論、図9のように
各コイルLA,LB,…が密接して配置されている場合
も、磁気応答部材11の先端11aを適宜先細りの形状
としてもよい。
【0052】更に別の例として、コイル部10の各コイ
ルは、分離配置された複数のコイル部分からなっていて
もよい。図16は、その一例として、1個のコイルLA
について、その分離配置例を示している。図16におい
ては、分離配置された4つのコイル部分LA1,LA
2,LA3,LA4によって、Kの範囲をカバーする1
個のコイルLAが構成されている。各コイル部分LA
1,LA2,LA3,LA4は直列接続され、コイルL
Aの端子間電圧VAが出力される。この場合、各コイル
部分LA1,LA2,LA3,LA4の巻数は、共通し
ていてもよいし、適宜異なっていてもよい。また、各コ
イル部分LA1,LA2,LA3,LA4の配置の離隔
間隔は均等であってもよいし、適宜異なっていてもよ
い。これら、コイル巻数や離隔間隔などを不均一(非線
形)にすることにより、サイン関数またはコサイン関数
のカーブにより近い特性の自己インピーダンス変化を引
き起こすことができる。そうすれば、前述した検出位相
角θと実際の検出対象距離(位置)との関係の非線形性
を改善することができる。同様に、図9のように隣接す
るコイルLA,LB,…を密接して配置する場合も、1
つのコイルの全長Kの範囲でその巻数を均一にせずに、
不均一にしてもよい。これによっても、サイン関数また
はコサイン関数のカーブにより近い特性の自己インピー
ダンス変化を引き起こすことができ、前述した検出位相
角θと実際の検出対象距離(位置)との関係の非線形性
を改善することができる。
【0053】また、本発明に係る位置検出装置は、完全
にまっすぐな直線位置の検出に限らず、所定の範囲で円
弧状または曲線状に変位する検出対象の位置検出にも適
用することができる。図17はその一例を示すもので、
コイル部10の各コイルLA,LB,…が所定の角度範
囲ψにおいて円弧状に順次配置されており、磁気応答部
材11が軸Cを中心にして該角度範囲ψにわたって揺動
するように配置されている。さらに、回転における所定
範囲の角度を検出する検出装置として本発明の位置検出
装置を構成することも可能である。
【0054】また、前述と同様に、上記各実施例におい
て、磁気応答部材11としては、磁性体に限らず、銅や
アルミニウムのような非磁性良導電体を使用してもよ
い。その場合は、磁気応答部材11の近接につれて渦電
流損によりコイル端子間電圧が漸減することとなる。ま
た、磁性体と導電体とを組み合わせたハイブリッドタイ
プとしてもよい。その場合、例えば、図18に示すよう
に、磁気応答部材11の先端部分11aにおいて、非磁
性良導電体11bの先細り形状を構成し、先細りによる
非磁性良導電体11bの減少を補うように磁性体11c
を配置するとよい。
【0055】図9のように複数のコイルを順次縦続配置
する場合も、前記図6と同様に、磁気応答部材11とし
て永久磁石を含み、コイル部10の各コイルには鉄心コ
アを含むようにしてもよい。図19は、その一例を示す
もので、磁気応答部材11として機能する永久磁石11
Mは、例えば中空リング状をなしており、このリング空
間内にコイル部10が入り込むようになっている。コイ
ル部10の各コイルLA,LB,…の軸心空間には鉄心
コア54が挿入されている。永久磁石11Mが、いずれ
かのコイルに接近するとその近接箇所に対応する鉄心コ
ア31が部分的に磁気飽和ないし過飽和状態となり、該
コイルの端子間電圧が低下する。永久磁石11Mが1つ
のコイルの一端から他端まで変位する間で該コイルの両
端間電圧が漸減するように、該永久磁石11Mの長さは
少なくともコイル長Kに相当する長さを持つ。このよう
に、磁気応答部材11として永久磁石11Mを使用する
場合も、上記非磁性良導電体11bを用いる場合と同様
に、磁気応答部材11つまり永久磁石11Mが1つのコ
イルの一端から他端まで変位する間で該コイルの両端間
電圧の漸減変化を引き起こさせることができる。ただ
し、図19の例では、或るコイルの箇所を永久磁石11
Mが通り過ぎてしまうと、また非飽和状態に戻るが、後
段のアナログ演算を適切に行なうことで所望のサイン及
びコサイン関数特性の出力振幅レベル変化が得られるよ
うにすればよい。あるいは、磁気応答部材11として永
久磁石11Mを連続的に複数配置することにより、磁気
飽和ないし過飽和状態が持続するようにしてもよい。永
久磁石11Mはリング状のものに限らず、棒状等その他
形状であってもよい。その場合、図14(A)の例と同
様に、軸心方向に平行にその近傍を永久磁石11Mから
なる磁気応答部材11が通過する配置構成からなる。な
お、鉄心コア54は磁気飽和を起こし易いように比較的
細い形状等とするとよい。
【0056】図20は、図14(B)におけるコイル部
10の各コイルの配置の変形例であり、隣接コイル間で
のクロストークを防いで検出精度を向上させることがで
きるようにしたものである。図20(A)においては、
各コイルLA,LB,…の間に磁性体スペーサ69が配
置されている。これにより、個々のコイルで発生した磁
束の通り道が拡散されずに、個々のコイルの内部から直
近端部(磁性体スペーサ69の箇所)を通り、外周を通
り、直近端部(磁性体スペーサ69の箇所)を通り、内
部に戻るという、図示のΦに示すようなルートを通るこ
とになる。よって、クロストークを防ぎ、各コイルの外
周に対して近接する磁気応答物質11の存在に対する個
々のコイルの応答性(インピーダンス変化)を極めて良
好にし、検出精度を向上させることができる。図20
(A)では隣接コイル間に設ける磁性体スペーサ69は
1個であるが、図20(B)のように、隣接コイル間に
2個の磁性体スペーサ69a,69bを幾分分離させて
配置するようにしてもよい。この場合、コイルのボビン
として鉄心コア53に代えて非磁性体を用いてもよい。
図20に示された変形のように、磁性体スペーサ69,
69a,69bによって各コイルを区画することは、図
19の実施例においても適用可能である。
【0057】図21は、本発明に係る位置検出装置の別
の実施例を示す断面図である。磁気応答部材11がコイ
ル部10に侵入していくにつれて、コイルのインダクタ
ンスが漸減するようになっている。図21において、コ
イル部10は、ボビン部70に1又は複数のコイル(図
示例では便宜上4個のコイルLA,LB,LC,LDを
示したが1又は2個でもよいことは前述の通りであ
る。)を順次巻設してなり、その外周を非磁性および非
導電性の保護チューブ(若しくはコーテングあるいはモ
ールド)71によってカバーしてなるものである。保護
チューブ71としてはいかなる材質のものを用いてもよ
いが、例えば、絶縁性樹脂からなる熱収縮チューブを用
いると安価である。
【0058】ボビン部70は、非磁性の中空筒からな
り、その内部に1又は複数の磁性体棒72が収納されて
いる。磁性体棒72は、コイル部10の全長にわたって
延びており、該コイル部10の全長にわたるインダクタ
ンス値を設定する。ボビン部70内に収納する磁性体棒
72の太さあるいは数を適宜調節することにより、コイ
ル部10の全長にわたるインダクタンス値の設定変更を
行うことができる。なお、磁性体棒72として、その周
囲に銅めっき等を施して導電性被膜を形成したものを用
いるとよい。そうすれば、温度ドリフト特性の補償に役
立つ。ボビン部70は、非磁性であればよく、金属ある
いは樹脂等からなっていてもよい。この位置検出装置を
適用する装置が大型建設機械等大きな荷重が加わる用途
に使用される場合は、十分な強度を確保するために金属
を用いるのがよい。例えば、ボビン部70は非磁性のス
テンレス等を用いて構成する。そうでない小型の装置の
場合は、樹脂を用いるのが安価で軽量である。
【0059】図21の実施例において、コイル部10と
磁気応答部材11との相対的位置関係の変化は、図9の
実施例と同様である。すなわち、検出対象の変位に応じ
て、図の右方向に磁気応答部材11が進行するとき、磁
気応答部材11の先端11aが、最初にコイルLAの磁
場に侵入し、次に、コイルLB,LC,LDの順にその
磁場に侵入していく。
【0060】各コイルLA,LB,LC,LDはその芯
部に全長にわたって1又は数本の磁性体棒72が挿入さ
れた状態となっており、磁気応答部材11が近接してい
ない限り、そのインダクタンス値は最大である。磁気応
答部材11の各コイルの磁場に対する近接又は侵入の度
合いが増すほど該コイルの自己インダクタンスが減少
し、該磁気応答部材11の端部11aが1つのコイルの
一端から他端まで変位する間で該コイルの両端間電圧が
漸減する。すなわち、磁気応答部材11が磁性体である
場合は、磁性体がコイル外周にかぶさる格好になるた
め、コイル芯部の磁性体コアつまり72にのみ集中して
いた磁束が外側にかぶさった磁気応答部材11の方に漏
洩し、コイルの自己インダクタンスが減少する。また、
磁気応答部材11が導電体である場合は、導電体がコイ
ル外周にかぶさる格好になり、磁界によるうず電流損が
生じ、コイルの自己インダクタンスが減少する。このよ
うに、磁気応答部材11として磁性体と導電体のどちら
を用いても、コイル部10に対する磁気応答部材11の
近接に応じて、コイルの自己インダクタンスが減少す
る。外周の導電体のうず電流損によるインダクタンス減
少率の方が、外周の磁性体による磁束漏洩によるインダ
クタンス減少率よりも大であるので、より好ましい実施
態様は磁気応答部材11として導電体を使用することで
ある。なお、磁気応答部材11として導電体は、表皮効
果を生ずるものであればよいので、薄い層であってよ
い。その場合は、例えば、中空の円筒形状の適宜のベー
ス部材(可動体)の円筒空間周壁に、導電体を配置する
(銅めっき等であってもよい)ことで磁気応答部材11
を形成するとよい。
【0061】図13〜図21の各実施例において、特に
図示していないが、図1〜図12の実施例と同様に、適
宜の基準電圧発生手段を併設し、コイル出力電圧と基準
電圧とを演算することで、検出対象位置に応じてサイン
及びコサイン関数特性に従う振幅をそれぞれ示す2つの
交流出力信号(sinθsinωtとcosθsinω
t)を生成することができる。
【0062】上記各実施例において、磁気応答部材は、
ロッドや板等の基材の表面にめっき等の表面加工技術に
よって、所定のパターンで形成されたものであってもよ
い。図22は、その一例を略示するもので、(A)は概
略斜視図、(B)コイルを断面にて示す側面図、(C)
はロッド基材の表面に形成された磁気応答部材のパター
ンの一例を示す展開図、である。この図22に示した例
では、図1の実施例と同様に、コイル部50に1個のコ
イルL1を有し、このコイルL1の出力電圧Vxと2つ
の基準電圧Va,Vbとを用いて検出信号を発生する。
磁気応答部材65は、例えばシリンダピストンロッドの
ような、ロッド状の基材66の表面において漸増又は漸
減する三角形のような所定形状のパターンを形成してな
るものである。磁気応答部材65と基材66の材質の磁
気的性質は異なる。例えば、基材66が鉄のような磁性
体の場合、磁気応答部材65は銅のような非磁性の良導
電体からなる。あるいは磁気応答部材65が鉄のような
磁性体の場合、基材66は非磁性体からなるか、あるい
は磁性体であっても凸部として形成された磁気応答部材
65に対して、凹みとして形成されたものからなる。
【0063】図22(B)に示すように、コイルL1
は、断面U字状であってリング状を成した磁性体コア5
2の断面U字空間内に挿入されてなり、コイルL1のリ
ング状空間内に、磁気応答部材65を具えたロッド状の
基材66がその軸方向に直線移動可能に挿入されてい
る。コイルL1の磁路Φは、ロッド状の基材66の比較
的表面において多く通過する。この実施例において、コ
イルL1の長さは、検出可能範囲Kに無関係であり、短
いシンプルなものであってよい。基材66に設けられた
磁気応答部材65の漸増又は漸減のパターンの範囲Kが
検出可能範囲Kに対応する。すなわち、検出対象の変位
に応じてロッド状の基材66が変位すると、コイルL1
に対応する磁気応答部材65の位置が変化し、該コイル
L1に対応している(横切っている)磁気応答部材65
の面積に応じた自己インダクタンスすなわちインピーダ
ンスがコイルL1に生じ、検出対象位置に対応する出力
電圧VxがコイルL1から得られる。図22(C)は、
ロッド状の基材66の表面に形成された磁気応答部材6
5のパターンの一例を示す展開図で、このパターンは1
個のみであってもよいし、同じ形状のものが図示のよう
に複数併設されていてもよい。
【0064】図23は図22の変形例を示し、(A)に
示すように、面積が漸減する三角形状の磁気応答部材6
5のパターンが、ロッド状の基材66の表面で螺旋を描
くように配置されてなるものである。この磁気応答部材
65の螺旋パターンは、検出対象位置の変位方向xに沿
って面積が漸増又は漸減するもので、これは展開する
と、図23(B)に示すような、図で左から右に向かっ
て面積が漸減する三角形状の1つのパターンと等価であ
り、実質的には1パターンからなっている。磁気応答部
材65のパターンが螺旋状になっていること及び、コイ
ル部50のコイルL1はロッド状基材66の全周を覆っ
ていることから、仮りにロッド状基材66の回転や軸芯
ずれなどがあっても、それによる検出誤差が生じないよ
うにすることができる。よって、1パターンだけであっ
ても、回転及び軸芯ずれによる検出誤差のない位置検出
が可能である。また、このような螺旋形状の磁気応答部
パターンは、ロッド状基材66に対する形成加工が非常
に容易であるので、有利である。更に、コイル部50の
コイルL1は1個でよいため、構成が簡単である。勿
論、超小型、微小変位の検出にも適している。
【0065】図22及び図23の実施例に適用される電
気回路は図1(C)と同様の構成であってよく、その動
作説明も基本的には図2と同様のものが適用できる。ま
た、図22及び図23の実施例に関して、図7,図9の
ような複数のコイルを用いる変形や、図11のように1
つの基準電圧VNを使用する変形、あるいは図12のよ
うに抵抗要素を用いて変位xに連動して可変する基準電
圧VRを使用する変形が適用可能である。
【0066】上記図22及び図23の実施例のように基
材66の表面に磁気応答部材65を配置形成する例にお
いて、基材66は、ロッド状のものに限らず、平板状で
あってもい。その場合は、板面上に形成された磁気応答
部材65に対向するようにコイルL1が配置される。な
お、図22(c)に例示したように同一パターンの磁気
応答部材65を複数併設する場合は、コイル部50にお
いては各磁気応答部材65のパターン毎に対応するよう
に複数のコイルを併設し、各コイルの出力電圧を合計若
しくは平均することで、検出対象位置に対応する前記1
つのコイルL1の出力電圧Vx(図1)と同等の出力電
圧を得るようにするとよい。
【0067】図24は、本発明をスライド式位置センサ
に応用した実施例の概略斜視図である。この例では、基
部80上に配置されたフラット状のコイルL1のリング
形状が丸ではなく三角形を成しており、2本のガイド棒
81、82に沿ってx方向にスライド可能なブレード状
の磁気応答部材67が、フラット状のコイルL1に対し
て非接触で対峙し、この磁気応答部材67のスライド位
置に対応して三角形のコイルL1に対応する該磁気応答
部材67の面積が変化し、該コイルL1のインダクタン
ス即ちインピーダンスを漸増的に(または漸減的に)変
化させる。この図24の実施例においては、図1(C)
と同様の検出回路を適用することができ、図2と同様の
検出動作を行う。さらに、この変形例として、点線で示
すように、基部80上において第2のコイルL2をコイ
ルL1とは逆三角形状に並列配置するようにしてもよ
く、その場合は図7(B)と同様の検出回路を適用する
ことができ、図8と同様の検出動作を行う。磁気応答部
材67は、図示しない検出対象の動きに連動してスライ
ドするようになっていればよく、あるいは人手によるス
ライド操作に応じて任意にスライドできるようにするこ
とで入力操作装置として応用することも可能である。
【0068】上記各実施例では、出力交流信号の数(相
数)はサインとコサインの2相(つまりレゾルバタイ
プ)であるが、これに限らないのは勿論である。例え
ば、3相(各相の振幅関数が例えばsinθ,sin
(θ+120),sin(θ+240)のようなもの)
であってもよい。なお、この発明において、コイルに生
じる電圧若しくはコイルの端子間電圧とは、必ずしも電
圧検出タイプの回路構成に限定されるものではなく、広
義に解釈されるべきであり、電流検出タイプの回路構成
を採用するものも範囲に含まれる。要するにコイルのイ
ンピーダンス変化に応じたアナログ電圧または電流を生
じ、これを検出することのできる回路構成であればよ
い。
【0069】
【発明の効果】以上のとおり、この発明によれば、1次
コイルのみを設ければよく、2次コイルは不要であるた
め、小型かつシンプルな構造の位置検出装置を提供する
ことができる。また、1つのコイルと2つの基準電圧を
用いるだけで、あるいは2つのコイルと1つの基準電圧
を用いることにより、検出対象位置に応じて所定の周期
関数特性に従う振幅をそれぞれ示す複数の交流出力信号
(例えばサイン及びコサイン関数特性に従う振幅をそれ
ぞれ示す2つの交流出力信号)を容易に生成することが
でき、利用可能な位相角範囲として少なくともほぼ1象
限(90度)分をとることができる。従って、少ないコ
イルでありながら比較的広い位相角範囲で検出を行うこ
とができ、検出分解能を向上させることができる。ま
た、検出対象の変位が微小でも高分解能での位置検出が
可能である。更に、基準電圧を発生する回路として、検
出用のコイルと同等の温度特性を示す回路(例えばコイ
ル)を使用すれば、演算回路におけ減算演算によって、
温度ドリフト特性が自動的に補償されることとなり、温
度変化の影響を排除した位置検出を容易に行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る位置検出装置の一実施例を示す
もので、(A)はその軸方向断面略図、(B)はその平
面略図、(C)はコイル部に関連する回路の一例を示す
ブロック図。
【図2】 図1の実施例の検出動作を説明するグラフ。
【図3】 図1の実施例に係る位置検出装置の変更例を
示すもので、(A)は軸方向断面略図、(B)はその平
面略図。
【図4】 図1の実施例に係る位置検出装置の別の変更
例を示す軸方向断面略図。
【図5】 図1の実施例に係る位置検出装置の更に別の
変更例を示す軸方向断面略図。
【図6】 図1の実施例に係る位置検出装置の更に他の
変更例を示す軸方向断面略図。
【図7】 本発明に係る位置検出装置の別の実施例を示
すもので、(A)はその軸方向断面略図、(B)はコイ
ル部に関連する回路の一例を示すブロック図。
【図8】 図7の実施例の検出動作を説明するグラフ。
【図9】 本発明に係る位置検出装置の更に別の実施例
を示すもので、(A)は外観略図、(B)はコイル軸方
向の断面図、(C)はコイル部に関連する電気回路図。
【図10】 図9の位置検出装置の検出動作説明図。
【図11】 本発明に係る位置検出装置の更に他の実施
例を示すもので、(A)はコイル部に関連する電気回路
図、(B)は各コイルの出力例を示す図、(C)は各コ
イル出力の演算合成例を示す図、(D)は演算合成出力
に基づく検出原理を説明するための図、(E)はコイル
接続の変更例を示す回路図。
【図12】 本発明に係る位置検出装置の更に他の実施
例を示すもので、(A)はコイル部に関連する電気回路
図、(B)はコイルの出力例を示す図、(C)はコイル
出力に基づく検出原理を説明する図。
【図13】 本発明各実施例におけるコイル配置の変形
例を示す略図。
【図14】 (A)は、本発明における磁気応答部材と
コイルとの配置の変形例を示す断面略図、(B)は、同
じく磁気応答部材とコイルとの配置の別の変形例を略示
する斜視図。
【図15】 本発明各実施例におけるコイル配置の更に
別の変形例及び磁気応答部材の先端形状の変形例を示す
断面略図。
【図16】 本発明各実施例におけるコイル配置の更に
他の変形例を示す断面略図。
【図17】 円弧状または曲線状に変位する位置検出に
適用する場合の本発明の実施例を略示する側面図。
【図18】 本発明各実施例において磁気応答部材を磁
性体と導電体によりハイブリッド構成する一例を略示す
る平面図。
【図19】 本発明各実施例において磁気応答部材とし
て永久磁石を含んで構成する一例を略示する斜視図。
【図20】 図14(B)におけるコイル部のコイルの
配置の変形例を示す断面略図。
【図21】 本発明に係る位置検出装置の更に他の実施
例を示す軸方向断面略図。
【図22】 本発明に係る位置検出装置の更に別の実施
例を示すもので、(A)は概略斜視図、(B)コイルを
断面にて示す側面図、(C)はロッド基材の表面に形成
された磁気応答部材のパターンの一例を示す展開図。
【図23】 図22の変形例を示すもので、(A)は概
略側面図、(C)はロッド基材の表面に形成された磁気
応答部材の螺旋状パターンを展開して示す図。
【図24】 本発明に係る位置検出装置の更に他の実施
例を示す概略斜視図。
【符号の説明】
L1,L2 検出用のコイル Lr1,Lr2 基準電圧発生用のコイル 50 コイル部 51,52 磁性体コア 60,61,62,63,64,65,67 磁気応答
部材 66 基材 30 交流発生源 31A〜31D 演算回路 32 位相検出回路 10 コイル部 11 磁気応答部材 11a 先端部分 11b 導電体 11M 永久磁石 70 ホビン部 71 保護チューブ 72 磁性体棒 80 基部 81、82 スライド用ガイド棒
【手続補正書】
【提出日】平成12年4月21日(2000.4.2
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F063 AA02 AA35 DA05 GA04 GA08 GA29 KA01 2F077 CC02 FF02 FF03 FF12 FF13 FF16 FF31 FF39 TT21 VV01

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流信号で励磁される少なくとも1つの
    コイルを配置してなるコイル部と、 前記コイル部に対して相対的に変位するよう配置された
    磁気応答部材であって、検出対象の変位に応じて該部材
    と前記コイル部との相対的位置が変化し、この相対的位
    置に応じて前記コイルのインピーダンスを変化させ、こ
    のインピーダンス変化に基づき前記相対的位置が所定の
    範囲にわたって変化する間で前記コイルに生じる電圧が
    変化するようにしたものと、 交流信号からなる所定の少なくとも1つの基準電圧を発
    生する回路と、 前記コイルに生じる電圧を取り出し、前記基準電圧と演
    算することで、所定の周期的振幅関数を振幅係数として
    持つ交流出力信号を少なくとも2つ生成する演算回路で
    あって、前記各交流出力信号の前記周期的振幅関数はそ
    の周期特性において所定位相だけずれているものとを具
    えた位置検出装置。
  2. 【請求項2】 前記コイル部は、1つのコイルを配置し
    てなり、 前記所定の基準電圧を発生する回路は、第1及び第2の
    基準電圧を発生し、 前記演算回路は、前記1つのコイルから取り出した電圧
    と前記第1及び第2の基準電圧とを用いて所定の第1の
    演算及び第2の演算をそれぞれ行うことで、第1の振幅
    関数を振幅係数として持つ第1の交流出力信号と、第2
    の振幅関数を振幅係数として持つ第2の交流出力信号と
    をそれぞれ生成するものである請求項1に記載の位置検
    出装置。
  3. 【請求項3】 前記第1及び第2の基準電圧は、前記第
    1及び第2の交流出力信号における前記第1及び第2の
    振幅関数の周期特性における特定の位相区間を定めるも
    のであり、この第1及び第2の基準電圧を可変すること
    で、該特定の位相区間と前記相対的位置の変化範囲との
    対応関係を可変できることを特徴とする請求項2に記載
    の位置検出装置。
  4. 【請求項4】 前記コイル部は、2つのコイルを配置し
    てなり、検出対象の変位に応じて前記磁気応答部材に対
    する各コイルの相対的位置が逆特性で変化し、これに応
    じて前記各コイルのインピーダンスが逆特性で変化し、 前記所定の基準電圧を発生する回路は、1つの基準電圧
    を発生し、 前記演算回路は、前記各コイルから取り出した電圧と前
    記基準電圧とを用いて所定の第1の演算及び第2の演算
    をそれぞれ行うことで、第1の振幅関数を振幅係数とし
    て持つ第1の交流出力信号と、第2の振幅関数を振幅係
    数として持つ第2の交流出力信号とをそれぞれ生成する
    ものである請求項1に記載の位置検出装置。
  5. 【請求項5】 前記基準電圧を発生する回路は、前記磁
    気応答部材の変位の影響を受けないように配置された所
    定インピーダンスのコイルを含む請求項1乃至4のいず
    れかに記載の位置検出装置。
  6. 【請求項6】 前記基準電圧を発生する回路は、設定さ
    れた定電圧で基準電圧を発生する請求項1乃至5のいず
    れかに記載の位置検出装置。
  7. 【請求項7】 前記基準電圧を発生する回路は、前記コ
    イルに電気的に接続された電気的インピーダンス要素を
    含み、該コイルに生じる電圧の変化に応じて変化する電
    圧を基準電圧として発生する請求項1乃至4のいずれか
    に記載の位置検出装置。
  8. 【請求項8】 前記コイルは磁性体コアを含み、前記磁
    気応答部材は前記コイルの磁性体コアに対して空隙を介
    して対向するフラットな面を成し、前記検出対象の位置
    に応じて前記磁気応答部材の面が変位することで前記空
    隙が変化して、該コイルのインピーダンス変化が生ぜし
    められる請求項1乃至7のいずれかに記載の位置検出装
    置。
  9. 【請求項9】 前記コイルに対する前記磁気応答部材の
    間隔又は面積が前記検出対象の位置に応じて変化するこ
    とで、該コイルのインピーダンス変化が生ぜしめられる
    請求項1乃至7のいずれかに記載の位置検出装置。
  10. 【請求項10】 前記磁気応答部材は、所定の基材上に
    おいて検出対象位置の変位方向に沿って面積が漸増又は
    漸減する区間を有する所定のパターンで配置されてなる
    ものである請求項1乃至9のいずれかに記載の位置検出
    装置。
  11. 【請求項11】 前記所定の周期的振幅関数は、サイン
    関数とコサイン関数である請求項1乃至10のいずれか
    記載の位置検出装置。
  12. 【請求項12】 前記磁気応答部材は、磁性体又は導電
    体の少なくとも一方を含む請求項1乃至11のいずれか
    に記載の位置検出装置。
  13. 【請求項13】 前記磁気応答部材は永久磁石を含み、
    前記コイル部は磁性体コアを含む請求項1乃至11のい
    ずれかに記載の位置検出装置。
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