JP2001140618A - ドライサンプ式エンジンの潤滑装置 - Google Patents

ドライサンプ式エンジンの潤滑装置

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JP2001140618A JP32946399A JP32946399A JP2001140618A JP 2001140618 A JP2001140618 A JP 2001140618A JP 32946399 A JP32946399 A JP 32946399A JP 32946399 A JP32946399 A JP 32946399A JP 2001140618 A JP2001140618 A JP 2001140618A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リリーフのレスポンスを早くし、エンジンの
高さを低くし、オイルに混入した異物を除去する。 【解決手段】 ドライサンプ式エンジン20の筒状のリ
リーフバルブ28を、クランクシャフト21と平行に配
置されたメインギャラリ26と平行に配置し、またはオ
イルタンク50内に設ける。オイルタンク内に、このタ
ンク内に回収されるオイルを濾過するストレーナ54を
設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドライサンプ式エ
ンジンの潤滑装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ドライサンプ式エンジンの潤滑装
置が開示されたものとして特開平9−301286号公
報が知られている。図8,図9は、同公報に開示された
ドライサンプ式エンジンを示している。このエンジン1
は小型滑走艇に搭載されている。エンジン1には、オイ
ルタンク4からのオイルをエンジン1内に供給する供給
ポンプ2(図9参照)と、エンジン1内を潤滑させたオ
イルをオイルタンク4に回収するための回収ポンプ3と
が設けられている。このようなドライサンプ式エンジン
の潤滑装置によれば、エンジン1のオイルパン1aを小
さくできるので、エンジンの高さを低く抑えることが可
能となる。同公報には、リリーフバルブについて何ら開
示されていないが、リリーフバルブはオイルポンプ(特
に供給ポンプ)にて発生した油圧を調整するためのもの
であり、従来は、筒状のリリーフバルブがエンジンのク
ランクシャフトと平行に配置されたメインギャラリに対
して垂直に配置されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】<課題1>従来のドラ
イサンプ式エンジンでは、上述したように、その筒状の
リリーフバルブが、クランクシャフトと平行に配置され
たメインギャラリに対して垂直に配置されていたので、
メインギャラリからリリーフバルブに至る経路が長くな
りがちであり、そのためリリーフのレスポンスが遅くな
ってしまうという難点があった。本発明の第1の目的
は、以上のような問題を解決し、リリーフのレスポンス
を早くすることのできるドライサンプ式エンジンの潤滑
装置を提供することにある。 <課題2>従来のドライサンプ式エンジンでは、上述し
たように、そのリリーフバルブが、クランクシャフトと
平行に配置されたメインギャラリに対して垂直に配置さ
れていたので、その分エンジンの高さが大きくなりがち
であった。本発明の第2の目的は、以上のような問題を
解決し、エンジンの高さを低くすることのできるドライ
サンプ式エンジンの潤滑装置を提供することにある。 <課題3>従来のドライサンプ式エンジンの潤滑装置に
おけるオイルタンクには、ストレーナが設けられていな
かった。このため、オイルに混入した異物を除去するこ
とができなかった。本発明の第3の目的は、以上のよう
な問題を解決し、オイルに混入した異物を除去すること
のできるドライサンプ式エンジンの潤滑装置を提供する
ことにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために請求項1記載のドライサンプ式エンジンの潤滑
装置は、ドライサンプ式エンジンの筒状のリリーフバル
ブが、エンジンのクランクシャフトと平行に配置された
メインギャラリと平行に配置されていることを特徴とす
る。上記第1および第2の目的を同時に達成するために
請求項2記載のドライサンプ式エンジンの潤滑装置は、
請求項1記載のドライサンプ式エンジンの潤滑装置にお
いて、前記リリーフバルブが水平に配置されていること
を特徴とする。上記第2の目的を達成するために請求項
3記載のドライサンプ式エンジンの潤滑装置は、ドライ
サンプ式エンジンのリリーフバルブが、オイルタンク内
に設けられていることを特徴とする。上記第3の目的を
達成するために請求項4記載のドライサンプ式エンジン
の潤滑装置は、ドライサンプ式エンジンのオイルタンク
内に、このタンク内に回収されるオイルを濾過するスト
レーナが設けられていることを特徴とする。
【0005】
【作用効果】請求項1記載のドライサンプ式エンジンの
潤滑装置によれば、筒状のリリーフバルブが、エンジン
のクランクシャフトと平行に配置されたメインギャラリ
と平行に配置されているので、筒状のリリーフバルブが
クランクシャフトと平行に配置されたメインギャラリに
対して垂直に配置されていた従来のものに比べて、メイ
ンギャラリからリリーフバルブに至る経路を短くするこ
とができる。したがって、リリーフのレスポンスを早く
することができ、適正油圧を速やかに保つことが可能と
なる。請求項2記載のドライサンプ式エンジンの潤滑装
置によれば、請求項1記載のドライサンプ式エンジンの
潤滑装置において、前記リリーフバルブが水平に配置さ
れているので、リリーフバルブを垂直に配置した場合に
比べてエンジンの高さを低くすることができ、重心を低
くすることが可能となる。請求項3記載のドライサンプ
式エンジンの潤滑装置によれば、ドライサンプ式エンジ
ンのリリーフバルブが、オイルタンク内に設けられてい
るので、エンジン内にリリーフ通路およびリリーフバル
ブが設けられていない分、エンジンの高さを低くするこ
とができ、重心を低くすることが可能となる。しかも、
リリーフされたオイルはオイルタンク内に直接吐出され
るので、次のような作用効果が得られる。すなわち、リ
リーフバルブがエンジン内に設けられていて、リリーフ
されたオイルがエンジン内に吐出される構成であると、
エンジン内における飛散オイルが増大してオイル回収率
が低下し、結果として循環させるオイルの全体量を多く
する必要が生じる。これに対し、この請求項3記載のド
ライサンプ式エンジンの潤滑装置によれば、リリーフバ
ルブがオイルタンク内に設けられていて、リリーフされ
たオイルがオイルタンク内に直接吐出されるので、オイ
ル回収率が向上し、結果として循環させるオイルの全体
量を少なくすることが可能となる。請求項4記載のドラ
イサンプ式エンジンの潤滑装置によれば、ドライサンプ
式エンジンのオイルタンク内に、このタンク内に回収さ
れるオイルを濾過するストレーナが設けられているの
で、オイルに混入した異物を除去することが可能とな
る。さらに、ストレーナによって、オイルとエアとの分
離作用も得られることとなる。しかも、エンジン内に設
けられたストレーナに比べて、そのメンテナンスも容易
になる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。 <第1の実施の形態>図1は本発明に係るドライサンプ
式エンジンの潤滑装置の第1の実施の形態が搭載された
船舶である鞍乗り型小型船艇の一例を示す部分省略概略
側面図、図2は同じく平面図である。
【0007】これらの図(主として図1)に示すよう
に、この鞍乗り型小型船艇10は、船体11上のシート
12に乗員が座り、スロットルレバー付きの操舵ハンド
ル13を握って操行可能である。船体11は、ロアハル
パネル14とアッパーハルパネル15とを接合して内部
に空間16を形成した浮体構造となっている。空間16
内において、ロアハルパネル14上には、エンジン20
が搭載され、このエンジン20で駆動される推進手段と
してのジェットポンプ30がロアハルパネル14後部に
設けられている。
【0008】ジェットポンプ30は、船底に開口した取
水口16aから船体後端に開口した噴流口31およびノ
ズル32に至る流路33と、この流路33内に配置され
たインペラ34とを有しており、インペラ34のシャフ
ト35がエンジン20のクランク軸21の後端に連結さ
れている。したがって、エンジン20によりインペラ3
4が回転駆動されると、取水口16aから取り入れられ
た水が噴流口31からノズル32を経て噴出され、これ
によって船体11が推進される。エンジン20の駆動回
転数、すなわちジェットポンプ30による推進力は、前
記操作ハンドル13のスロットルレバー13a(図2参
照)の回動操作によって操作される。ノズル32は、図
示しない操作ワイヤーで操作ハンドル13と連係されて
いて、ハンドル13の操作で回動操作され、これによっ
て進路を変更することができる。
【0009】図3はエンジン20の前部の横断面図、図
4はこの実施の形態のドライサンプ式エンジンの潤滑装
置におけるオイルの循環経路図である。図4に示すよう
に、このドライサンプ式エンジンの潤滑装置は、エンジ
ン20と、このエンジン20に設けられたオイルポンプ
40と、このオイルポンプ40に接続されたオイルタン
ク50と、このオイルタンク50に取り付けられたオイ
ルフィルタ60と、これらを接続するパイプとで構成さ
れている。
【0010】エンジン20はDOHC型で直列4気筒の
ドライサンプ式4サイクルエンジンであり、その前部
(船体11の進行方向であり、図1〜図3において左方
部分)において、クランク軸21の延長線上にオイルポ
ンプ40が配置されている。
【0011】図3,図4に示すように、オイルポンプ4
0は、オイル供給ポンプ41とオイル回収ポンプ42と
を有しており、これら両ポンプ41,42がクランク軸
21により共通の軸(ポンプ軸)43で回転駆動される
ようになっている。ポンプ軸43の後端部には、ジョイ
ント部材44がボルト45で固定されているとともに、
クランク軸21の前端部にもジョイント部材24がボル
ト22で固定されている。クランク軸21側のジョイン
ト部材24は、ボルト22で、クランク軸21の前端部
に設けられるACGロータ23と共締めされて固定され
ている。
【0012】図3に示すように、オイル回収ポンプ42
のケーシング42aは、エンジン20の前部カバー25
に一体に形成されており、オイル供給ポンプ41のケー
シング41aは、複数本のボルト46(図3において1
本のみ図示)でオイル回収ポンプ42のケーシング42
aに固定されている。なお、オイル供給ポンプ41のオ
イル回収ポンプ42との対向壁41bは、オイル回収ポ
ンプ42のケーシングの一部を形成するとともにオイル
供給ポンプ41とオイル回収ポンプ42との隔壁を形成
している。前部カバー25は、エンジン20の前部に複
数本のボルト25a(図3において1本のみ図示)で固
定されており、この前部カバー25がエンジン20前部
に固定される際に、ポンプ軸43側のジョイント部材4
4と、クランク軸21側のジョイント部材24とが前部
カバー25内において結合されるようになっている。
【0013】図1,図2,および図4に示すように、オ
イルタンク50は、オイルポンプ40の上方直近に配置
されており、このオイルタンク50の上面にオイルフィ
ルタ60が設けられている。
【0014】図4に示すように、オイルタンク50はオ
イル溜部51と、このオイル溜部51の上方に形成され
た、オイルフィルタ60へのオイルの供給路52と、オ
イルフィルタ60からのオイルの排出路53とを有して
いる。オイル溜部51には、オイルの入り口51iと出
口51oとが形成されており、入り口51iより下方
で、出口51oより上方に、入り口51iからこのタン
ク50内に回収されるオイルを濾過するストレーナ54
が設けられている。出口51oは、パイプ71でオイル
供給ポンプ41の吸入口41iに接続されている。オイ
ル供給ポンプ41の吐出口41oは、パイプ72でオイ
ルフィルタ60への供給路52に接続され、オイルフィ
ルタ60からの排出路53はパイプ73でエンジン20
のメインギャラリー26に接続されている。メインギャ
ラリー26からエンジン各部に供給されたオイルは、オ
イルパン27に回収され、このオイルパン27がパイプ
74でオイル回収ポンプ42の吸入口42iに接続さ
れ、オイル回収ポンプ42の吐出口42oが前記オイル
タンク50の入り口51iに接続されている。したがっ
て、オイルの全体的な循環経路は、オイルタンク50→
オイル供給ポンプ41→オイルフィルタ60→エンジン
20のメインギャラリー26→エンジン各部→エンジン
20のオイルパン27→オイル回収ポンプ42→オイル
タンク50、となる。
【0015】なお、エンジン20のメインギャラリー2
6からのオイル経路を簡単に説明すると、次の通りであ
る。メインギャラリー26からのオイル経路には第1〜
第4の4つの経路がある。第1の経路は、メインギャラ
リー26からクランク軸21の軸受部26aを潤滑さ
せ、クランクピンとコンロッドと連結部26bを潤滑さ
せるとともにピストンPの裏P1に噴射され、オイルパ
ン27に戻る経路である。第2の経路は、メインギャラ
リー26からサブギャラリー26cを経てバランサの軸
受部26dを潤滑させ、オイルパン27に戻る経路であ
る。第3の経路は、メインギャラリー26からカム軸内
流路26eへ向かいカム機構(動弁機構)を潤滑させ、
オイルパン27に戻る経路である。第4の経路は、メイ
ンギャラリー26からターボチャージャに向かい、その
軸部26fを潤滑させ、オイルパン27に戻る経路であ
る。
【0016】メインギャラリー26にはリリーフバルブ
28が設けられている。図5はエンジン20のメインギ
ャラリー26,オイルパン27,およびリリーフバルブ
28を示す拡大縦断面図である。図6はリリーフバルブ
28を示す図で、(a)は縦断面図、(b)はボディの
平面図、(c)は図(b)におけるc−c断面図、
(d)は図(b)におけるd−d断面図である。図6に
示すように、リリーフバルブ28は全体として水平方向
(図6において左右方向)に長い筒状であり、図4およ
び図5に示すように、エンジン20のクランクシャフト
21と平行に配置されたメインギャラリ26と平行にか
つ略水平に配置されている。
【0017】このリリーフバルブ28は、短管28a1
と長管28a2とからなる略L字型のボディ28aと、
このボディ28aの長管28a2内にスライド可能に挿
入された筒状の弁体28bと、この弁体28bの移動範
囲を規制するピン状のストッパ28cと、弁体28bを
ストッパ28cに向けて付勢しているバネ28dと、こ
のバネ28dを押さえているリング状のバネ止め28e
と、ボディ28aと一体に形成された、メインギャラリ
ー26の底壁部への取付部28fとを有している。
【0018】このようなリリーフバルブ28は、その取
付部28fで、図5に示すように、メインギャラリー2
6の底壁部26gに取り付けられ、取り付けられた状態
では、上述したようにメインギャラリ26と平行にかつ
略水平に配置されて、その短管28a1の流路がメイン
ギャラリー26と連通する。したがって、メインギャラ
リー26内のオイルは短管28a1および長管28a2
の左部を経て弁体28bに達する。弁体28bはその一
端28b1が閉塞されており、通常はバネ28dの付勢
力で前記一端すなわち閉塞端28b1がストッパ28c
に当接しているが、メインギャラリー26内の油圧が所
定圧以上になり、したがって、閉塞端28b1に所定圧
以上の油圧が作用すると、バネ28dの付勢力に抗して
図6(a)において右方にスライドする。ボディ28a
の長管28a2には図6(b)(c)(d)に示すよう
に吐出口28a3が形成されており、前記弁体28bが
右方にスライドして、その閉塞端28b1が吐出口28
a3を開口すると、この吐出口28a3からオイルが噴
出(リリーフ)してメインギャラリー26内の油圧が適
正に保たれるようになっている。
【0019】以上のようなドライサンプ式エンジンの潤
滑装置によれば次のような作用効果が得られる。 (a)筒状のリリーフバルブ28が、エンジン20のク
ランクシャフト21と平行に配置されたメインギャラリ
26と平行に配置されているので、筒状のリリーフバル
ブがクランクシャフトと平行に配置されたメインギャラ
リに対して垂直に配置されていた従来のものに比べて、
メインギャラリ26からリリーフバルブ28に至る経路
を短くすることができる。したがって、リリーフのレス
ポンスを早くすることができ、適正油圧を速やかに保つ
ことが可能となる。 (b)リリーフバルブ28が水平(略水平)に配置され
ているので、リリーフバルブ28を垂直に配置した場合
に比べてエンジン20の高さを低くすることができ、重
心を低くすることが可能となる。 (c)オイルタンク50内に、このタンク50内に回収
されるオイルO(図4参照)を濾過するストレーナ54
が設けられているので、オイルOに混入した異物を除去
することが可能となる。さらに、ストレーナ54によっ
て、オイルとエアとの分離作用も得られることとなる。
しかも、エンジン内に設けられたストレーナに比べて、
そのメンテナンスも容易になる。
【0020】(d)クランク軸21の延長線上にオイル
ポンプ40が配置され、クランク軸21の端部に設けら
れたジョイント部材24と、オイルポンプの軸43の端
部に設けられたジョイント部材44とを同一軸線上で結
合させる構造となっているので、このドライサンプ式エ
ンジンの潤滑装置によれば、従来必要とされた伝達歯車
が不要となり、簡単な構造でオイルポンプ40を駆動す
ることが可能になるとともに、部品点数も削減すること
が可能になる。また、エンジン20のカバー25内にお
いて前記両ジョイント部材24,44が結合される構造
となっているので、クランク軸21とポンプ軸43とを
結合させるための空間S(図3参照)が小さくて済むと
いう利点も得られる。 (e)クランク軸21側のジョイント部材24が、クラ
ンク軸21の端部に設けられるACGロータ23と共締
めされて固定されているので、ACGロータ23とジョ
イント部材24とを少ないスペースでかつ少ない部品点
数で効率よくクランク軸21の端部に設けることができ
る。 (f)オイルポンプ40に接続されるオイルタンク50
が、オイルポンプ40の上方直近に配置されているの
で、オイルポンプ40上方の空間を有効に利用すること
ができ、エンジン20周りをコンパクトに構成すること
が可能となる。しかも、オイルポンプ40とオイルタン
ク50とを接続する配管71,72,75を短くするこ
とができるので、オイルを効率よく循環させることがで
きることとなる。 (g)オイルポンプ40は、オイル供給ポンプ41とオ
イル回収ポンプ42とが前記軸43を共通軸として回転
駆動される構成となっているので、図9に示した従来の
ドライサンプ式エンジンの潤滑装置のようにオイルポン
プ2,3を個別の軸2a、3a上に配置して回転駆動す
る構成のものに比べて、エンジンをコンパクトにするこ
とができる。ところで、このドライサンプ式エンジンの
潤滑装置20のように、オイル供給ポンプ41とオイル
回収ポンプ42とを共通軸43で回転駆動する構成とす
ると、そのポンプ40の軸線方向長さが比較的大きくな
るが、オイルタンク50をオイルポンプ40の上方直近
に配置することでオイルポンプ40上方の空間を有効に
利用することができ、エンジン周りをコンパクトに構成
することが可能となる。しかも、オイルポンプ40とオ
イルタンク50とを接続する配管71,72,75を短
くしてオイルの循環効率を向上させることができるばか
りでなく、オイル供給ポンプ41用の配管71,72と
オイル回収ポンプ42用の配管75とを集中化させるこ
とができ、配管構造をコンパクトにできると同時に配管
作業も容易になるという効果が得られる。
【0021】<第2の実施の形態>図7は本発明に係る
ドライサンプ式エンジンの潤滑装置の第2の実施の形態
の要部を示す図で、(a)はオイルタンク50の上ケー
ス50aを取り外した下ケース50bの概略平面図、
(b)はオイルタンク50の概略平面図、(c)はオイ
ルタンク50およびエンジン20の一部を示す概略縦断
面図、(d)は図(b)におけるd−d概略断面図であ
る。この図7において、上記第1の実施の形態と同一部
分ないし相当する部分には同一の符号を付してある。
【0022】この実施の形態が上記第1の実施の形態と
異なる点は、リリーフバルブ55が、オイルタンク50
内に設けられている点にあり、その他の点に変わりはな
い。したがって、この実施の形態におけるオイルパン2
7にはリリーフバルブは設けられていない。
【0023】この実施の形態におけるオイルタンク50
の、オイルフィルタ60への供給路52の内端部には、
オイルフィルタ60の取付部50cにおいて、平面視略
C字型の流路52aが連通しており、このC型流路52
aを介してオイルフィルタ60へオイルが供給されるよ
うになっているとともに、オイルフィルタ60からのオ
イルは、その出口管61から排出路53を経てパイプ7
3へと流れるようになっている。出口管61は、上記C
型流路52aにおける両端部52b、52bの間を通っ
ているので、出口管61とC型流路52aとは干渉して
いない。上記C型流路52aには、分岐路52cが設け
られており、この分岐路52cを形成する上ケース50
aと一体のパイプ52dにリリーフバルブ55が連結さ
れている。リリーフバルブ55は、オイルタンク50の
下ケース50bの内底面に垂直に設けられており、その
オイル導入管55aが前記パイプ52dと連結されてい
る。なお、オイル導入管55aとパイプ52は、下ケー
ス50bに上ケース50aを取り付けた際に連結される
ようになっている。
【0024】リリーフバルブ55の基本的な構造および
作動は前述したリリーフバルブ28と同じである。すな
わち、このリリーフバルブ55は、ボディに相当する導
入管55aと、この導入管55a内にスライド可能に挿
入された筒状の弁体28bと、この弁体28bの移動範
囲を規制するピン状のストッパ28cと、弁体28bを
ストッパ28cに向けて付勢しているバネ28dと、こ
のバネ28dを押さえているリング状のバネ止め28e
とを有しており、その導入管55aの流路が前記分岐路
52cおよびC型流路52aを介してオイルフィルタ6
0への供給路52と連通している。したがって、供給路
52内のオイルは導入管55aを経て弁体28bに達す
る。弁体28bはその一端28b1が閉塞されており、
通常はバネ28dの付勢力で閉塞端28b1がストッパ
28cに当接しているが、供給路52内の油圧が所定圧
以上になり、したがって、閉塞端28b1に所定圧以上
の油圧が作用すると、バネ28dの付勢力に抗して図7
(d)において左方にスライドし、その閉塞端28b1
が吐出口28a3を開口すると、この吐出口28a3か
らオイルがタンク内に噴出(リリーフ)して供給路52
内の油圧が適正に保たれるようになっている。なお、図
7(a)(c)(d)において、56はオイルタンク5
0の下ケース50b内面底部を貫通している冷却水通路
である。
【0025】この実施の形態によれば、ドライサンプ式
エンジンのリリーフバルブ55が、オイルタンク50内
に設けられているので、エンジン20内にリリーフ通路
およびリリーフバルブが設けられていない分、エンジン
20の高さを低くすることができ、重心を低くすること
が可能となる。しかも、リリーフされたオイルはオイル
タンク50内に直接吐出されるので、次のような作用効
果が得られる。すなわち、リリーフバルブがエンジン内
に設けられていて、リリーフされたオイルがエンジン内
に吐出される構成であると、エンジン内における飛散オ
イルが増大してオイル回収率が低下し、結果として循環
させるオイルの全体量を多くする必要が生じる。これに
対し、この実施の形態によれば、リリーフバルブ55が
オイルタンク50内に設けられていて、リリーフされた
オイルがオイルタンク50内に直接吐出されるので、オ
イル回収率が向上し、結果として循環させるオイルの全
体量を少なくすることが可能となる。
【0026】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではな
く、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能で
ある。
【0027】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るドライサンプ式エンジンの潤滑装
置の第1の実施の形態が搭載された船舶である鞍乗り型
小型船艇の一例を示す部分省略概略側面図。
【図2】同じく平面図。
【図3】エンジン20の前部の断面図。
【図4】オイルの循環経路図。
【図5】エンジン20のメインギャラリー26,オイル
パン27,およびリリーフバルブ28を示す拡大縦断面
図。
【図6】リリーフバルブ28を示す図で、(a)は縦断
面図、(b)はボディの平面図、(c)は図(b)にお
けるc−c断面図、(d)は図(b)におけるd−d断
面図。
【図7】本発明に係るドライサンプ式エンジンの潤滑装
置の第2の実施の形態の要部を示す図で、(a)はオイ
ルタンク50の上ケース50aを取り外した下ケース5
0bの概略平面図、(b)はオイルタンク50の概略平
面図、(c)はオイルタンク50およびエンジン20の
一部を示す概略縦断面図、(d)は図(b)におけるd
−d概略断面図。
【図8】従来技術の説明図。
【図9】従来技術の説明図。
【符号の説明】
20 エンジン 21 クランク軸 23 ACGロータ 24 ジョイント部材 24a 凸部 24a1 傾斜面 24a2 動力伝達面 24b 凹部 25 カバー 40 オイルポンプ 41 オイル供給ポンプ 42 オイル回収ポンプ 43 オイルポンプの軸 44 ジョイント部材 44a 凸部 44a1 傾斜面 44a2 動力伝達面 44b 凹部 50 オイルタンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横谷 仁 埼玉県和光市中央1−4−1 株式会社本 田技術研究所内 (72)発明者 後閑 祥次 埼玉県和光市中央1−4−1 株式会社本 田技術研究所内 Fターム(参考) 3G013 AA06 AA07 AB00 BA02 BB03 BB19 BB25 BB28 BD46 BD47 CA11

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドライサンプ式エンジンの筒状のリリー
    フバルブが、エンジンのクランクシャフトと平行に配置
    されたメインギャラリと平行に配置されていることを特
    徴とするドライサンプ式エンジンの潤滑装置。
  2. 【請求項2】 前記リリーフバルブが水平に配置されて
    いることを特徴とする請求項1記載のドライサンプ式エ
    ンジンの潤滑装置。
  3. 【請求項3】 ドライサンプ式エンジンのリリーフバル
    ブが、オイルタンク内に設けられていることを特徴とす
    るドライサンプ式エンジンの潤滑装置。
  4. 【請求項4】 ドライサンプ式エンジンのオイルタンク
    内に、このタンク内に回収されるオイルを濾過するスト
    レーナが設けられていることを特徴とするドライサンプ
    式エンジンの潤滑装置。
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