JP2001139697A - セルロース成形品の製造方法 - Google Patents

セルロース成形品の製造方法

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JP2001139697A
JP2001139697A JP32058399A JP32058399A JP2001139697A JP 2001139697 A JP2001139697 A JP 2001139697A JP 32058399 A JP32058399 A JP 32058399A JP 32058399 A JP32058399 A JP 32058399A JP 2001139697 A JP2001139697 A JP 2001139697A
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aqueous solution
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coagulation
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Chihiro Yamane
千弘 山根
Akiko Nakajima
章子 中島
Kunihiko Okajima
邦彦 岡島
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 セルロースを6.5〜11重量%の
苛性ソーダ水溶液中で、10℃以下の温度でせん断速度
9000/sec以下又は撹拌装置の先端速度500m
/分以下の低速で均一撹拌して、セルロース濃度4重量
%以上、セルロースの溶解分率99.0重量%以上のセ
ルロース/苛性ソーダ水溶液を調製し、凝固し成形品を
得るセルロース成形品の製造方法。 セルロースが粘
度平均重合度350以上、平均粒径30μm以下に粉砕
されたもの。 粉砕が6.5重量%以下の苛性ソーダ
水溶液または水中で湿式状態で行われる。 成形品が
繊維、平面上フィルム、チューブ状フィルム、粒子、ス
ポンジ状物、コーティング物である。 【効果】 機械的強度の高い成形品を得ることができ、
構造や機械的強度以外の物性を大幅にコントロールでき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゲル化せず安定な
セルロース/苛性ソーダ水溶液を用いた、繊維やフィル
ムや粒子やコーティング物等に代表される再生セルロー
ス成形品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在工業的に使用されている再生セルロ
ース成形品の製造方法は、主に二硫化炭素を用いるビス
コース法と銅アンモニア溶液に溶解する銅安法の二つの
方法に限られている。しかし、どちらの方法も溶液を調
整する過程や成形品を製造する過程で、毒性気体の発生
や重金属の排出を避けることができず、作業環境面や地
球環境的見地からも問題点がないとはいえない。一方、
これらの流れに対して環境に優しいプロセスでセルロー
ス成形品を製造しようという試みが行われてきた。例え
ば、特開昭62−240328号公報、特開昭62−6
20329号公報に示されているように、セルロースに
爆砕処理を施してアルカリ可溶化し、これをアルカリ水
溶液に溶解して湿式成形するものであり、二硫化炭素、
重金属、有機溶剤などの有害物質は全く用いられていな
い。しかし、この技術により調製されたセルロースの苛
性ソーダ水溶液は、後で詳細に説明する方法により溶解
性を評価すると、セルロースの溶解分率は99重量%以
下に留まり、セルロースの苛性ソーダ水溶液20リット
ル中に含まれる未溶解セルロース量(Rc)は10ミリ
リットル以上であり、セルロースの溶解性は優れたもの
ではなかった。
【0003】また、特開平9−316101号公報で
は、セルロースの溶解性を向上させる方法が例示されて
はいるものの、重合度やセルロース濃度は低い領域であ
る。例えば、この方法ではセルロース濃度8重量%でD
Pvが230、またはセルロース濃度が5重量%でDP
vが350、またはセルロース濃度が2重量%でDPv
が750の組み合わせの時溶解分率99%を得ることが
できるが、それぞれの組み合わせで示した値よりセルロ
ース濃度が高い場合やDPvが高い場合はセルロースの
溶解性やセルロース溶液の安定性は著しく悪化する。セ
ルロース成形品の製造方法については、特開平5−14
0332号公報で高度に脱水作用を有する特殊な媒体中
で凝固し繊維やフィルムを成形するセルロース成形品の
製造法、および特公平7−61239号公報では、セル
ロースの溶解分率が低くその使用に制限はあるものの、
セルロースに多糖やポリペプチドを混合したセルロース
系可食体とその製造方法が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記のようにセルロー
スを苛性ソーダ水溶液に溶解させ繊維、フィルムなど様
々な成形品を作る試みがなされてきた。しかし、セルロ
ースの溶解分率はセルロースの重合度およびセルロース
濃度と負の相関関係があり、セルロースの溶解分率を9
9.0wt%以上にするためには粘度平均重合度は35
0以下またはセルロース濃度は5重量%以下にしなけれ
ばならなかった。セルロース濃度5重量%で粘度平均重
合度350以上のセルロース/苛性ソーダ水溶液はセル
ロースの溶解分率が低いだけではなく、著しくゲル化し
やすく、実質的に繊維やフィルムなどのセルロース成形
品を調製することは困難であった。このように低重合
度、低セルロース濃度のセルロース/苛性ソーダ水溶液
から繊維やフィルムを製造する場合は、実用に耐え得る
だけの強度を付与するために、例えば、50〜80重量
%の濃厚硫酸のような高度に脱水作用を有する特殊な媒
体中で凝固する必要があったり、また繊維製造プロセス
においても凝固過程の繊維状物の強度が弱いために、凝
固初期過程においてネットを併用した特殊な紡糸プロセ
スを用いざるを得なかった。
【0005】また、セルロース/苛性ソーダ水溶液に多
糖やポリペプチドをブレンドしたセルロース系可食体に
おいても、製造プロセスにおいて同様の問題が生じるた
め、繊維状成形品の場合は繊維径を太くしたりフィルム
状成形品の場合は、フィルムを厚くせざるを得なかった
り、多糖やポリペプチドのブレンド比率も低くせざるを
得ず、可食性向上などの物性改良に限界があった。即
ち、本発明の目的はセルロースの粘度平均重合度が35
0以上、好ましくは400以上、セルロース濃度4重量
%以上、好ましくは5重量%以上でセルロースの溶解分
率が99.0重量%以上のゲル化し難い安定なセルロー
ス/苛性ソーダ水溶液から、工業的に合理的な凝固方法
によって、繊維、フィルム、粒子、スポンジ状物におい
ては物理的強度の高いセルロース成形品を、多糖やポリ
ペプチドなどを混合する場合は食感などの改良されたセ
ルロース成形品を工程上安定に特殊な成形装置を用いる
ことなく製造することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】セルロースがアルカリ水
溶液に溶解するためには、原理的にはセルロースの分子
内水素結合を切断すればよいが、セルロースのアルカリ
水溶液の溶解速度は、例えば銅アンモニア水溶液やカド
キセン水溶液などに比べて著しく遅いため、撹拌しない
で静置状態に放置したままでは、見かけ上溶解反応は停
止し、セルロースの溶解分率は50%に満たない。ま
た、一般的な定常撹拌を行っても99%以上にするのは
困難である。溶解速度を上げるためには高速撹拌型のミ
キサーを用いるのが一般的であるが、セルロースのアル
カリ水溶液への溶解は、低温溶解型であるため高速撹拌
による発熱は平衡的にみて望ましくない。
【0007】そこで、本発明者らは、上記課題について
種々検討した結果、セルロース/苛性ソーダ水溶液を1
0℃以下の温度で特定のせん断速度又は攪拌装置の先端
速度の低速で該セルロースの溶解を均一攪拌・混合して
摩擦熱による昇温を避けることにより、再生セルロース
成形品の製造に適するゲル化せず安定なセルロース/苛
性ソーダ水溶液を調整できることを見出し、本発明を完
成するに至った。この場合、得られたセルロース/苛性
ソーダ水溶液はセルロース濃度4重量%以上、好ましく
は5重量%以上で、セルロースの溶解分率99.0重量
%以上を示す特徴を有する特徴を有する。更に、該セル
ロース/苛性ソーダ水溶液を乾燥凝固またはゲル化凝固
または中和凝固することにより、優れたセルロース成形
品を得ることができることを見出した。また、本発明の
場合、上記所定の粘度平均重合度と4重量%以上、好ま
しくは5重量%以上のセルロース濃度を有するので、製
造工程過程および最終成形品の機械物性が高い。
【0008】本発明のセルロースの溶解分率が99.0
重量%未満であると繊維製造やフィルム製造においてフ
ィルター詰まりが多発し工場規模の実施は実質的に不可
能である。これらセルロース濃度、セルロースの溶解分
率、(平均重合度)のいずれかの要件を欠き、ゲル化し
易いセルロース/苛性ソーダ水溶液をセルロース成形品
製造用原液に用いた場合も工場規模の実施は著しく困難
である。また、好適には、溶解前のセルロースとして
は、粘度平均重合度350以上、好ましくは400以上
有するセルロースを用いることができ、且つ湿式粉砕し
セルロースの平均粒径を30μm以下、好ましくは20
μm以下まで粉砕して、その表面積を上げ且つ見掛けの
反応速度を上げることが良い。
【0009】即ち、本発明は: セルロースを6.5〜11重量%の苛性ソーダ水溶
液中で、10℃以下の温度でせん断速度9000/se
c以下又は撹拌装置の先端速度500m/分以下の低速
で均一撹拌して、セルロース濃度4重量%以上で、セル
ロースの溶解分率99.0重量%以上のセルロース/苛
性ソーダ水溶液を調製し、その後に乾燥凝固またはゲル
化凝固または中和凝固またはこれらを組み合わせて凝固
し成形品を得るセルロース成形品の製造方法を提供す
る。また、 セルロースが粘度平均重合度350以上で、平均粒
径30μm以下に粉砕されたものである点に特徴を有す
る。また、 粉砕が6.5重量%以下の苛性ソーダ水溶液または
水中で湿式状態で行われる点に特徴を有する。また、 記載のセルロース/苛性ソーダ水溶液が多糖、ポ
リペプチドなどとの混合水溶液である点に特徴を有す
る。また、 成形品が繊維、平面上フィルム、チューブ状フィル
ム、粒子、スポンジ状物またはコーティング物である点
に特徴を有する。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
ついて、(セルロースの粘度平均重合度)、(セルロー
ス/苛性ソーダ水溶液の調製)、(凝固方法)、(様々
な成形品の製造方法)に項分けして詳細に説明する。 (セルロース/苛性ソーダ水溶液の調製)セルロースと
しては、パルプ、綿、綿リンター等の天然セルロースや
ビスコース溶液、キュプラアンモニウム溶液などのセル
ロース溶液から再生して得た再生セルロースなどが選択
できる。天然セルロース原料から高溶解性のセルロース
/苛性ソーダ水溶液を望むなら、セルロース原料は、サ
ルファイト法でパルプ化されたサルファイト法溶解パル
プが望ましい。このことは、サルファイト法溶解パルプ
以外の例えばクラフト法溶解パルプを原料セルロースに
使用した場合は溶解性が低い。サルファイト法溶解パル
プとクラフト法溶解パルプの固体構造を比べると、サル
ファイト法溶解パルプは分子内水素結合の解裂度がクラ
フト法溶解パルプよりも大きく、また爆砕による解裂の
大きさもクラフト法よりも大きい。これは分子内水素結
合の開裂度合が高いほど溶解性が高いという従来の知見
から見ても妥当である。
【0011】セルロースの粘度平均重合度DPvは、溶
解性をコントロールする上で重要なパラメーターであ
る。DPvの調整は、水蒸気処理法、爆砕法、酸加水分
解法、アルカリ加水分解法、電子線照射法、γ線照射
法、機械破壊法(湿式粉砕も含む)などの方法が適用で
きる。ただし、アルカリ加水分解の場合は、例えばアル
カリが苛性ソーダ(NaOH)の場合は、加水分解に使
用するアルカリの濃度が10重量%以上になると一部ア
ルカリセルロースが生成し溶解性は著しく悪くなる。セ
ルロースがサルファイト法溶解パルプやセルロース溶液
から再生して得た再生セルロースでDPvが著しく高く
ない場合は特にDPv調製の必要はない。望ましい粘度
平均重合度(DPv)の範囲は、目的とする成形品の要
求物性、製造における工程安定性などにもよるが、DP
vが350以上、好ましくは400以上で、セルロース
濃度が4重量%以上、好ましくは5重量%以上が望まし
い。いずれかがこれ以下になると得られる成形品の機械
的物性が低くなり好ましくない。
【0012】セルロース/苛性ソーダ水溶液に多糖やポ
リペプチド等をブレンドしたセルロース系可食体におい
ても、DPvが350以下またはセルロース濃度が4重
量%以下では、その強度が弱くなり製造における工程安
定性の確保から、繊維状成形品の場合は繊維径を太くし
たりフィルム状成形品の場合はフィルムを厚くせざるを
得なかったり、多糖やポリペプチドのブレンド比率も低
くせざるを得ず、可食性向上などの物性改良に限界があ
り好ましくない。
【0013】次に、湿式粉砕について説明する。湿式粉
砕は、DPv350以上、好ましくは400以上のセル
ロース(パルプ)を6.5重量%以下の苛性ソーダ水溶
液または水などの湿式溶媒中で行う。DPvの上限につ
いては特に制限されないが、通常セルロースの溶解性や
セルロース溶液の安定性に支障がなければ1000程
度、好ましくは1200あれば良い。また、6.5重量
%を超えた苛性ソーダ水溶液中で湿式粉砕を行うと部分
的な溶解反応が不均一に開始し最終的なセルロース溶解
分率が著しく低くなる。この湿式粉砕の目的は、前述の
ようにセルロースのアルカリ水溶液への溶解速度を上げ
るため、セルロースの表面積を大きくすることである。
この表面積を上げるには、粒状に粉砕させる場合とフィ
ブリル化させる場合がある。フィブリル化させる場合
は、例えばマントンゴーリンホモジナイザー等が可能で
あるが、フィブリル化されたセルローススラリーは、固
形分濃度が低くても粘度が著しく高く、ゲル状を呈して
いるため、溶解時に溶媒である苛性ソーダ水溶液との混
合が難しく、本発明の湿式粉砕法としては適していな
い。
【0014】それに対して、粒状に粉砕される場合では
フィブリル化された場合に比べ粘度が低いため、溶解時
に苛性ソーダ水溶液と効率よく均一に混合できるので、
本発明ではこの粒状に粉砕される方法を用いなければな
らない。この方法に適した装置としては、セルロースを
30μm以下、好ましくは20μm以下まで粉砕できる
ものならいずれの装置でもかまわないが、例えば特開平
3−163135号公報に示したようなメディア式湿式
粉砕装置が好適に用いられる。粒状に粉砕される方法で
は、粘度平均重合度を350以上に調整したパルプを平
均粒径30μm以下、好ましくは20μm以下まで粒状
に粉砕した場合は、苛性ソーダ水溶液に溶解できるが、
平均粒径が30μmを超える場合は、溶解性が悪化する
ばかりでなく、セルロース/苛性ソーダ水溶液の安定性
は低下しゲル化し易くなる。湿式粉砕過程のセルロース
濃度は、特に限定しないが、セルロース濃度が15%を
越えると、粉砕後のスラリー粘度が著しく高くなり、取
り扱いが困難になるので、セルロース濃度は15重量%
未満が望ましい。
【0015】引き続き、湿式粉砕後のセルローススラリ
ーを10℃以下まで冷却し、所定濃度の苛性ソーダ水溶
液を添加して、セルローススラリーの苛性ソーダ濃度を
6.5〜11重量%、好ましくは7.0〜9.5重量%
の範囲に調製した後、10℃以下まで冷却し、低速で均
一に撹拌してセルロースを溶解する。この場合も、温度
が上昇すると溶解性は低下するので溶解過程の温度は1
0℃を越えてはならない。高速撹拌すると平均的には冷
却していても局所的に発熱するため、セルロース/苛性
ソーダ系水溶液は著しくゲル化し易くなり不安定にな
る。従って、溶解には高速撹拌または高剪断撹拌は行っ
てはならなく、低速攪拌が必要である。ここでいう低速
攪拌とは、せん断速度9000/sec以下または撹拌
装置の先端速度500m/分以下の攪拌をいう。好適に
は、せん断速度、撹拌装置の先端速度の両者が本発明で
規定した範囲であることが望ましい。この場合、両者が
この範囲を外れると、セルロース/苛性ソーダ系水溶液
著しくゲル化し易くなり不安定になる傾向がある。
【0016】例えば、重合度400、セルロース濃度5
重量%のセルロース/苛性ソーダ水溶液を調製する場
合、高速撹拌(特殊機化製、T.K.ホモジナイザー、
12000rpm)すると平均的な温度はー2℃以下に
保ったままでも溶解直後にゲル化する。これに対して、
低速撹拌(特殊機化製、T.K.ホモジナイザー、14
00rpm)では一週間以上ゲル化せず安定である。こ
のときのセルロースの溶解分率は99.0重量%以上で
ある。DPv800、セルロース濃度5重量%の場合で
も、溶解性及びドープ安定性は高く、本発明により得ら
れたセルロース/苛性ソーダ水溶液のセルロース溶解分
率は99.0重量%以上、安定性は1日以上であった。
セルロース濃度4重量%未満では、溶解性、安定性はい
ずれも向上するものの、そこから得られた繊維やフィル
ムなどの成形品の強度は低い。また成形品製造過程での
強度も当然低く、工業的規模での安定な生産は困難であ
る。
【0017】本発明では、多糖やポリペプチドなどが混
合したセルロース/苛性ソーダ水溶液を調製することも
できる。このためには、6.5〜11重量%の苛性ソー
ダ水溶液に多糖やポリペプチドなどを分散または溶解さ
せ、上記方法で得られたセルロース単独のセルロース/
苛性ソーダ水溶液と混合するか、予め多糖やポリペプチ
ドをセルロースに分散させた後上記方法で苛性ソーダ水
溶液に溶解させてもよい。多糖としては、例えばアラビ
ヤガム、アラビヤガラクタン、アルギン酸、ガディガ
ム、カラギーナン、カラヤガム、ザンタンガム、グアー
ガム、コンニャク粉、タマリンド、クラガム、トラカン
トガム、ファーセレラン、プルラン、ペクチン、キチ
ン、ローカストビーンガム、キシラン、マンナン、各種
デンプン類、ならびにこれらのNa,K,及びCa塩の
中から選ばれた少なくとも一種が用いられる。ポリペプ
チドとしては、例えば天然タンパク質及びその加水分解
物の中から選ばれた少なくとも一種、大豆蛋白、ガゼイ
ン、アルブミン、グロブリン、ゼラチン、及びそれらの
Na,K及び、Ca塩ならびにそれらの加水分解物から
選ばれた少なくとも一種が用いられる。当然これら多糖
やポリペプチドの混合物であっても良い。上記多糖やペ
プチドなどのセルロース/苛性ソーダ水溶液中への混合
割合は特に制限されないが、通常セルロースに対して5
〜1900重量%(即ちセルロース:ゲスト=95:5
〜5:95)、好ましくは10〜400重量%(即ちセ
ルロース:ゲスト=90:10〜20:80)である。
【0018】(凝固方法) (I) 乾燥凝固 乾燥凝固することにより、緻密な構造体を得ることがで
きる。該水溶液を乾燥せずに直接酸溶液などで凝固させ
ると、凝固条件に関わらず基本的には3次元の網目構造
が発現するが、完全に乾燥させることにより、3次元の
網目構造は出現せず緻密な構造体となる。この緻密な構
造体のため、強度が高いだけでなく通液性および通気性
は著しく低下する。例えば、乾燥凝固によりセルロース
/苛性ソーダ水溶液から得られたフィルムの通水性は
0.11/( m2 ・hr・atm)程度であり、この値
は通常市販されている逆浸透膜〔1〜5L/( m2 ・h
r・atm)程度〕より十分小さい値である。またこの
構造体は油の浸透性も非常に小さい。強度は重合度35
0以下、セルロース濃度4重量%以下のセルロース/苛
性ソーダ水溶液から乾燥凝固して得た成形品より十分高
い。
【0019】(2) ゲル化凝固 セルロース/苛性ソーダ水溶液からの成形品を得るには
該水溶液をゲル化凝固させる方法もある。ゲル化には温
度ゲル化と溶液中での湿式ゲル化がある。はじめに温度
ゲル化から説明する。セルロース/苛性ソーダ水溶液
は、保存温度を10〜20℃に維持しておけば(溶解に
おいては10℃以下が必須であるが、水溶液の安定性に
関してはやや高いほうがよい)、DPv500、セルロ
ース濃度5重量%の条件で1ヶ月程度安定であるが、こ
の温度を高温側でも低温側でも、外れると著しくゲル化
し易くなるため、工程上ゲル化させることは容易であ
る。低温でのゲル化(低温ゲル)と高温でのゲル化(高
温ゲル)ではメカニズムが異なる。低温ゲルは温度を上
昇させると元の溶液に戻る可逆ゲルで、弱い水素結合に
より形成していると推測される。高温ゲルは再度温度を
下げても元の溶液に戻らない不可逆型で、セルロースに
溶媒和したイオンの脱溶媒にともなう結晶化により形成
していると推測される。
【0020】このように、低温ゲルと高温ゲルでは異な
ったメカニズムで形成されるので得られる成形品の構造
や物性も異なる。低温でゲル凝固させて得た成形品は緻
密で強度も高い。高温でゲル化させて得た成形品は疎で
あり強度はやや低い。高温ゲルを用いるか低温ゲルを用
いるか要求される物性により決定すればよい。低温ゲル
を形成させるために温度は5℃以下が必要である。5℃
以上では低温ゲルが形成しない。高温ゲルは前述したよ
うに部分的な結晶化により生じる可能性があり、その微
結晶の生成のためか不透明である。高温ゲル化は温度が
上がると速やかに起こり、滞留時間は短くても良いが、
セルロース/苛性ソーダ溶液温度を20℃以上(好まし
くは25℃以上、さらに好ましくは50℃以上)にする
必要がある。この場合、温度の上限は特に設けないが、
200℃以上になると著しく乾燥速度が速くなり、乾燥
させることなくゲル化させることが困難になるので好ま
しくない。温度を上げるためには熱風、熱ロールなどが
使用でき、特に限定しないが、均一に加熱できるものが
望ましい。ゲル化凝固により得られた成形品の強度は、
重合度350以下、セルロース濃度4重量%以下の従来
の方法により得られたセルロース/苛性ソーダ水溶液か
らゲル化凝固して得られた成形品より十分高い。
【0021】(3) 湿式ゲル化 次に、湿式ゲル化について説明する。セルロースは6.
5〜11重量%、好ましくは7.0〜9.5重量%の特
異的な濃度の苛性ソーダ水溶液にのみ溶解することか
ら、6.5〜11重量%の苛性ソーダ水溶液以外の液体
がゲル化剤として働く。液体としては水または水溶液が
好適に用いられる。水溶液が塩溶液の場合、塩濃度が高
く温度が低いほど緻密な構造となる。高温の水によりゲ
ル化され得られた成形品が最も疎な構造を持つが、この
場合でもセルロースの重合度が高いため強度は高い。
【0022】(4) 中和凝固 セルロース成形品を得るには、セルロース/苛性ソーダ
水溶液を乾燥したりゲル化すること無しに、酸性水溶液
で中和凝固することによっても可能である。中和凝固の
場合、高濃度の酸性水溶液で凝固させて得た成形品ほど
構造は緻密であり強度は高い。酸性水溶液の温度も構造
や物性に大きく影響を及ぼし、温度が低いほど構造は緻
密であり強度は高い。要求される構造や物性に応じて酸
性水溶液の濃度や温度を選択すればよいが、低濃度、高
温の酸性水溶液の凝固条件においても、強度は重合度3
50以下、セルロース濃度4重量%以下の従来の方法に
より中和凝固して得られた成形品より十分高い。上記酸
性水溶液としては、例えば硫酸、ハロゲン化硫酸、酢
酸、チオ硫酸、亜硫酸、塩酸、臭酸、フッ化水素酸、硝
酸、燐酸、ピロリン酸、メタリン酸、ポリリン酸、次亜
リン酸、トリフルオロ酢酸、チオシアン酸塩、ハロゲン
化金属塩等およびその混合物が使用できる。これらの酸
の塩が含まれていても良い。
【0023】(5) まとめ 以上のように、セルロース/苛性ソーダ水溶液を、乾燥
凝固させるか、ゲル化凝固させるか、酸性水溶液の濃度
と温度をコントロールして中和凝固させるか、或いはそ
のらの組合せて凝固させることにより、その構造と物性
を大幅に制御することが可能である。但し、いずれの場
合も粘度平均重合度が350以上、セルロース濃度が4
重量%以上のセルロース/苛性ソーダ水溶液を用いてい
るため従来の方法により得られた成形品より、強度は十
分高い。
【0024】(様々な成形品の製造方法)次ぎに、繊
維、平面上フィルム、チューブ状フィルム、粒子、スポ
ンジ等の様々な成形品の製造方法を述べる。 (i)繊維の製造方法 ・繊維を乾燥凝固させて得るためには、所定の紡糸ノズ
ルからセルロース/苛性ソーダ水溶液を気体中に吐出し
乾燥させる。次いで、乾燥した繊維状物は酸性浴でアル
カリ分を中和した後、洗浄し巻取られる。得られた繊維
は緻密で強度は高い。これに対して、従来のセルロース
の溶解方法(例えば特開平9−316101公報)によ
り得られたセルロース/苛性ソーダ水溶液は、重合度が
低くまた粘度や曳糸性が低いため、乾燥凝固自体不可能
である。
【0025】・ 繊維をゲル化凝固させて得るには、予
めセルロース/苛性ソーダ水溶液を紡糸ノズルから吐出
させる前に低温ゲル化または高温ゲル化させるか、ノズ
ルを出た後ヘキサンやシリコンオイルなどのようなセル
ロース/苛性ソーダ水溶液と非相溶性の媒体中で高温ゲ
ル化或いは低温ゲル化させるか、水または水溶液により
ゲル化させる。水溶液は主に塩水溶液が用いられる。直
径が10μm程度の微細な繊維を得る場合は紡糸ノズル
詰まりを防ぐためノズルを出た後ゲル化させる方法が好
ましい。ゲル化された繊維状物中のアルカリは中和した
後か或いはそのまま洗浄され除去される。低温ゲル化或
いは高濃度・低温の塩水溶液でゲル化し得られた繊維は
緻密で強度が高い。高温ゲル化あるいは低濃度・高温の
塩水溶液または高温水でゲル化して得られた繊維は、疎
な構造を持ち、物質吸着性などに優れる。 ・中和凝固させて繊維を得るには、酸性水溶液凝固槽中
に紡糸ノズルから該セルロース/苛性ソーダ水溶液を吐
出する。
【0026】従来の方法により得られたセルロース/苛
性ソーダ水溶液は、重合度が低いため、製造工程中の繊
維状物の強度が低く、紡糸速度60m/分以下の低速で
しか紡糸できなかった。紡糸速度を上げるためには、紡
糸過程の張力を低減できる特開平7−278941号公
報に記載されているような特殊な紡糸装置を使用しなけ
ればならなかった。これに対して、本発明のセルロース
成形品の製造方法によれば、中和凝固後の繊維状物の強
度が高いため、特殊な装置を用いないで、レギュラービ
スコースレーヨンフィラメント並の生産性で様々な物性
を有する繊維を製造できる。中和凝固に用いる酸性水溶
液の濃度や温度は、要求される構造、物性により決定さ
れるが、高重合度のセルロ−ス/苛性ソーダ水溶液を用
いているため従来の方法により得られる成形品より強度
は高い。
【0027】(ii) 平面状フィルムの製造方法 ・平面状フィルムを乾燥凝固させて得るには、スリット
ノズルから加熱気体中に吐出させても良いが、ポリエス
テルフィルムやガラス板などの支持体に塗布した後乾燥
凝固させるのがよい。乾燥凝固した平面状フィルムは支
持体から剥離され洗浄される。得られた平面状フィルム
は緻密で強度は高い。 ・平面状フィルムをゲル化凝固させて得るには、予めセ
ルロース/苛性ソーダ水溶液をスリット状ノズルから吐
出させる前に低温ゲル化または高温ゲル化させるか、ノ
ズルを出た後ヘキサンやシリコンオイルなどのようなセ
ルロース/苛性ソーダ水溶液と非相溶性の媒体中で低温
ゲル化または高温ゲル化させるか、或いは水または水溶
液によりゲル化させる。水溶液は主に塩水溶液が用いら
れる。乾燥凝固と同様、ポリエステルフィルムなどの支
持体に塗布した後、ゲル化させても良い。低温ゲル化或
いは高濃度・低温の塩水溶液でゲル化し得られた平面状
フィルムは緻密である。高温ゲル化或いは低濃度・高温
の塩水溶液または高温水でゲル化して得られた平面状フ
ィルムは、疎な構造を持ち、物質吸着性などに優れる。
【0028】・中和凝固させて平面状フィルムを得るに
は、酸性水溶液凝固槽中にスリット状ノズルから該セル
ロース/苛性ソーダ水溶液を吐出する。ポリエステルフ
ィルムやガラス板などに塗布して得ても良い。従来の方
法により得られたセルロース/苛性ソーダ水溶液は、重
合度が低くまた粘度も低いため、製造工程中の平面状フ
ィルムの強度が低く、製膜速度30m/min以下の低速で
しか運転できなかった。これに対して、本発明のセルロ
ース成形品の製造方法によれば、中和凝固後の平面状フ
ィルムの強度が高いため、特殊な装置を用いないで、レ
ギュラーセロファン並の生産性で様々な物性を有する繊
維を製造できる。中和凝固に用いる酸性水溶液の濃度や
温度は、要求される構造、物性により決定されるが、高
重合度のセルロ−ス/苛性ソーダ水溶液を用いているた
め従来の方法により得られる成形品より強度は高い。
【0029】(iii) 円筒状フィルムの製造方法 円筒状フィルムは円状のスリットノズルからセルロース
/苛性ソーダ水溶液を吐出た後、凝固して得られる。セ
ルロースの分子を等方的に配向させるため、回転ノズル
を使うこともある。回転ノズルを使用した場合、セルロ
ースはより等方的に配向し,いずれの方向においても引
き裂き強度が極端に低下することは無い。円筒状フィル
ムは乾燥凝固、ゲル化凝固、中和凝固のいずれの方法に
よっても製造できる。 ・乾燥凝固の場合、円状のスリットノズルの中心部から
気体を吹き込むことにより,フィルムを膨らませること
が可能で,より等方的にセルロース分子を配向させるこ
とが可能である。乾燥凝固によりもっとも緻密な構造が
形成される。従来法によるセルロース/苛性ソーダ水溶
液の場合重合度が低く水溶液の粘度が低いためフィルム
を膨らませることは困難であった。 ・中和凝固の場合、凝固過程の円筒状フィルムの内部の
液面を外部の液面より高くすることにより、より等方的
にセルロース分子を配向させることが可能である。高濃
度、低温度の酸性水溶液で中和ゲル化して得た円筒状フ
ィルムは、緻密で例えばハムやソーセージのケーシング
に使用した場合、燻煙や燻液の透過性は低い。これに対
して、低濃度、高温度の酸性水溶液で中和ゲル化して得
た円筒状フィルムは疎な構造を持ち燻煙や燻液の透過性
は高い。
【0030】・ゲル化凝固については湿式ゲル化凝固が
好適に用いられる。セルロースは6.5〜11重量%の
特異的な濃度の苛性ソーダ水溶液にのみ溶解することか
ら、6.5〜11重量%の苛性ソーダ水溶液以外の液体
がゲル化剤として働く。湿式ゲル化凝固の場合も中和凝
固の場合と同様、凝固過程の円筒状フィルムの内部の液
面を外部の液面より高くすることにより,より等方的に
セルロース分子を配向させることが可能である。液体は
水または水溶液が好適に用いられる。水溶液が塩水溶液
の場合、塩濃度が高く温度が低いほど緻密な構造とな
る。高温の水によりゲル化され得られた成形品が最も疎
な構造を持ち、燻煙や燻液の透過性は高い。構造は疎で
あるがセルロースの重合度が高いため,強度は高い。い
ずれの凝固法においても、本方法により得られた円筒状
フィルムは従来法の重合度の低いセルロース/苛性ソー
ダ水溶液から得た円筒状フィルムより強度は高く,例え
ばハム・ソーセージ用のケーシングに使用した場合その
製造工程が安定化する。
【0031】(iv)粒子の製造方法 ・粒子を乾燥凝固して得るには、噴霧器や振動式のノズ
ルから本発明によるセルロース/苛性ソーダ水溶液を加
熱状態の気体中に吐出させて得る。気体中で乾燥ゲル化
した粒子のアルカリは中和か或いはそのまま洗浄され除
去される。乾燥凝固して得た粒子は緻密で強度は高い。
アルカリ分を除去された粒子は乾燥しても良い。 ・粒子をゲル化凝固して得るには、セルロース/苛性ソ
ーダ水溶液を噴霧器や振動式のノズルからヘキサンやシ
リコンオイルなどのようなセルロース/苛性ソーダ水溶
液と非相溶性に投入し該媒体中で高温または低温ゲル化
させる。非相溶性の媒体やセルロース/苛性ソーダ水溶
液には界面活性剤が入っていても良い。また、セルロー
ス/苛性ソーダ水溶液とポリアクリル酸ソーダ、ポリメ
タクリル酸ソーダ、ポリスチレンスルホン酸ソーダなど
のアニオン性高分子化合物を混合して粒子化した後、高
温ゲル化または低温ゲル化させても良い。高温ゲル化さ
せるか低温ゲル化させるかは、要求される構造、物性に
より選択できるが、高温ゲル化させて得た粒子は疎な構
造を持ち、低温ゲル化させて得た粒子は緻密な構造を持
つ。
【0032】・温度ゲル化のほか湿式ゲル化も適用でき
る。セルロースは6.5〜11重量%の特異的な濃度の
苛性ソーダ水溶液にのみ溶解することから、6.5〜1
1重量%の苛性ソーダ水溶液以外の液体、例えば水或い
は塩水溶液などがゲル化剤として働く。いずれのゲル化
についても得られた粒子の強度は従来の方法で得られた
粒子よりも高い。ゲル化した粒子のアルカリは中和か或
いはそのまま洗浄され除去される。乾燥凝固して得た粒
子は緻密で強度は高い。アルカリ分を除去された粒子は
乾燥しても良い。 ・粒子を中和凝固して得るには、セルロース/苛性ソー
ダ水溶液を噴霧器や振動式のノズルから酸性水溶液中に
投入して得る。該酸性水溶液での凝固条件は要求される
構造、物性により決定されるが、濃度が高く温度が低い
ほど緻密な構造となる。強度はセルロース/苛性ソーダ
水溶液のセルロースの重合度が高いため高い。また、炭
酸カルシウムをセルロース/苛性ソーダ水溶液に混入し
た後、噴霧器や振動式のノズルから酸性水溶液中に投入
しても良い。この場合は酸性水溶液中でのゲル化過程
で、炭酸が発生し、疎な構造の多孔体粒子を得ることが
できる。この場合も従来法に対し強度は高い。
【0033】(v)スポンジの製造方法 セルローススポンジを得るには、セルロース/苛性ソー
ダ水溶液に補強繊維と結晶芒硝を混合し、所定の形に成
形し凝固させた後、芒硝やアルカリを除去して得る。凝
固は乾燥凝固、ゲル化凝固、中和凝固のいずれも適用可
能であるが、均一な構造のスポンジを得るためには高温
ゲル化凝固が好ましい。一般に、スポンジは体積が大き
いため乾燥凝固や中和凝固では表面と内部で凝固状態が
異なり構造的に不均一になるからである。スリットノズ
ルや円形ノズルなどからセルロース/苛性ソーダ水溶液
と補強繊維と結晶芒硝の混合液を吐出して得た、薄いシ
ート状スポンジや直径の細い円柱状スポンジでは乾燥凝
固や中和凝固も行われる。高温ゲル化の熱源はスチーム
が一般的でがあるが、形状が大きい場合は、電流を流し
てジュール熱を利用することができる。従来法の重合度
の低いセルロース/苛性ソーダ水溶液から得たスポンジ
は強度が低いため自動車や食器類等の洗浄具として使用
された場合、容易にちぎれるため実用的ではない。
【0034】(vi)コーティング物の製造方法 セルロース/アルカリ水溶液のコーティングは、溶液を
紙や不織布や織物にロールコーティングするか含浸した
後、ロールもしくはドクターナイフで厚み出しを行うか
或いはカレンダーコーティングするなど公知の方法で行
われる。コーティングしたセルロース/苛性ソーダ水溶
液の凝固は乾燥凝固、ゲル化凝固、中和凝固が適用でき
る。 ・乾燥凝固させると緻密な構造体となり、ガス透過性、
液体の透液性は著しく低下する。液体は水性液体だけで
はなく、油性液体についても透液性は著しく低い。この
ため、紙にコーティングしたコーティング物はポリエチ
レンやポリエステルフィルムなどとラミネートすること
なしに食品用紙製容器などに適用可能である。乾燥凝固
後水洗してアルカリを除去しても良いが、コーティング
量が少ない場合などは酸で中和するだけでも良い。
【0035】・ゲル化凝固の場合は、ガス透過性や液体
の透液性を大幅にコントロールすることが可能である。
低温ゲル化して得たコーティング物は緻密でガス透過
性、液体の透液性は低い。これに対して、高温ゲル化し
て得たコーティング物は疎な構造を持ちガス透過性、液
体の透液性は高い。 ・中和凝固の場合もガス透過性や液体の透液性を大幅に
コントロールすることが可能である。高濃度,低温度の
酸性水溶液で中和ゲル化して得たコーティング物は緻密
でガス透過性、液体の透液性は低い。これに対して、低
濃度、高温度の酸性水溶液で中和ゲル化して得たコーテ
ィング物は疎な構造を持ちガス透過性、液体の透液性は
高い。従来法の重合度の低いセルロース/苛性ソーダ水
溶液から得たコーティング物は強度が低いため水中など
で摩擦すると、容易に細片状に崩れて剥離する。
【0036】以下、本発明を実施例に基いて、さらに詳
細に説明する。なお、セルロースの溶解分率(Sc)、
粘度平均重合度(DPv)、セルロース粒子の平均粒度
(μm)の測定方法を以下に説明する。 (I) セルロース溶解分率(Sc) セルロース溶解分率は、まずセルロース/苛性ソーダ水
溶液中の未溶解セルロース量(Rc)を次のように測定
し下記式(2) から求めた。Rcの測定は次のように行っ
た。まず、溶解したセルロース溶液、すなわちセルロー
ス/苛性ソーダ水溶液を8重量%の苛性ソーダ水溶液で
80倍に希釈し、その希釈したセルロース/苛性ソーダ
水溶液2ml中に存在する未溶解セルロースの個数を、
米国コールターエレクトロニクス社(CoulterE
lectronicInc.,)製コールターカウンタ
ーZM80で計測した。
【0037】計測は3μmから100μmの範囲におい
て、10μm間隔で行った。計測した個数から、下記式
(I)を用いてセルロース/苛性ソーダ水溶液20リット
ル中に存在する未溶解物の体積(Rc)をmlで求め
た。
【数1】 (ここで、Nx 〜Ny は、コールターカウンターで計測
した80倍に希釈したドープ2mlに含まれる粒径xμ
mからyμmの粒子数である。) 次の式(2) からセルロース溶解分率(Sc)を求めた。
【数2】 (ここでS1 =セルロースの比重、1.4;S2 =セル
ロース/苛性ソーダ水溶液の比重、1.1:C=セルロ
ース/苛性ソーダ水溶液中のセルロース濃度(wt%)
である。)
【0038】(2) 粘度平均重合度(DPv) 粘度平均重合度は、まずセルロース/カドキセン溶液の
[η]を求め、次いで、下記のブラウン、ウイクストロ
ーム(Brown,Wikstrom)の粘度式(Eu
ro.Polym.J,1,1(1966)記載)に代
入して得た粘度平均分子量Mwを162で割って粘度平
均重合度とした。 [η]=3.85×10-2×Mw0.76・・・(3) (3) セルロース粒子の平均粒度(μm) まず、セルローススラリーを蒸留水でセルロース分率が
0.1重量%になるように希釈し、超音波発信機で粒子
を分散させた後、レーザー回折式粒度分布測定装置(S
ALD−1100、島津製作所製)を用いて、粉砕した
セルロースの粒度分布を測定し、分布から求めた粒子全
体の体積に対して積算体積が50%になるときの粒子の
球形換算直径を平均粒径とした(特開平3−16313
5号公報に詳細記載)。
【0039】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれになんら限定されるものではない。 (実施例1、2及び比較例1、2) <繊維の製造例>DPv750のサルファイト法溶解パ
ルプ(日本製紙製;樹種、ラジエーターパイン;α−セ
ルロース=90.1%;相対粘度=4.64))を蒸留水でセル
ロース固形分濃度7.5重量%に調製し、メディア式湿
式粉砕機(パールミルRL5−VS、アシザワ(株))
で15分間湿式粉砕し、平均粒径15μmのセルロース
スラリーを得た。粉砕媒体として2mmφの酸化ジルコ
ニアを使用した。得られたセルローススラリー100g
を0℃に冷却し、これに−10℃に調整した22.8重
量%の苛性ソーダ水溶液を50g添加し、撹拌機(T.
K.ホモミキサー:特殊機化製)を用いてせん断速度2
000/sec、撹拌機の先端速度120m/分、−4
℃で10分間低速撹拌し、セルロース濃度5重量%、苛
性ソーダ濃度7.6重量%のDPv700のセルロース
/苛性ソーダ水溶液を得た。得られたセルロース/苛性
ソーダ水溶液におけるセルロースの溶解分率は99.9
2%であった。
【0040】得られたセルロース/苛性ソーダ水溶液を
真空脱泡後0.08mmφの孔が100個空いたノズル
から25重量%の硫酸水溶液に吐出量30.2ml/分
(吐出速度60m/分)で吐出させた。60m/分の速
度で引き取りながらー5℃、25cmの同水溶液槽で凝
固させた後、水洗工程を経て120℃の熱ロール上で乾
燥させて、60m/minの速度で巻き取った。これを実施
例1とする。また、吐出量を50.3ml/分(吐出速
度100m/分)に変え100m/分の速度で同上の凝
固、水洗、乾燥を行った。これを実施例2とする。ま
た、比較として、8.5Kg/cm2 の飽和水蒸気で4
分処理したDPv330の水蒸気処理パルプから同上条
件で湿式粉砕しDPv310のセルローススラリーを
得、さらに溶解、紡糸を行った。これを比較例1および
2とする。得られた繊維の強伸度を表1に示す。
【0041】
【表1】 実施例1および2の高重合度セルロース/苛性ソーダ水
溶液から得た繊維は2g/d以上の強度があるのに対
し、従来法の重合度が低い水溶液から得た繊維の強度は
低かった。この値はレギュラービスコースレーヨンより
も低い値である。また、比較例2では凝固過程のゲル繊
維の強度が低いため、巻取速度100m/分では糸切れ
のため紡糸できなかった。レギュラービスコースフィラ
メントの生産では巻取速度100m/分が最低速度レベ
ルでありこれより低い紡糸速度は生産性から見て現実的
ではない。
【0042】(実施例3〜6及び比較例3、4) <平面状フィルムの製造例>実施例1、2と同じサルフ
ァイト法溶解パルプを8.5kg/cm2 Gの飽和水蒸
気で0.5分〜2分間処理してDPv440〜660の
水蒸気処理パルプを得た。これら水蒸気処理パルプをセ
ルロース固形分7.5重量%に調製してメディア式湿式
粉砕機(アペックスミルAM−1、コトブキ技研(株)
製)で11分間湿式粉砕し、セルローススラリーを得
た。湿式粉砕処理によってDPvはもとの水蒸気処理パ
ルプより僅かに低下し、得られたスラリーのDPv40
0〜610であった。またいずれのセルローススラリー
もその平均粒径は15μm以下であった。これらのセル
ローススラリー100gを0℃に冷却し、これに−10
℃に調整した22.8重量%の苛性ソーダ水溶液を50
g添加し、撹拌機(T.K.ホモミキサー:特殊機化
製)を用いてせん断速度2000/sec、撹拌機の先
端速度120m/分、−4℃で10分間低速撹拌し、セ
ルロース濃度5重量%、苛性ソーダ濃度7.6重量%の
DPv610、500、400のセルロース/苛性ソー
ダ水溶液を得た。得られたセルロース/苛性ソーダ水溶
液のセルロース溶解分率はいずれも99.0%以上であ
った。
【0043】得られたセルロース/苛性ソーダ水溶液を
真空脱泡後、ガラス板上に500μmの厚さにキャスト
し、25重量%濃度、−5℃の硫酸水溶液で5分間凝固
した後、十分水洗しゲルフィルムを得た。得られたゲル
フィルムの強度を測定した。これらを実施例3、4、5
とする。比較として8.5kg/cm2 Gの飽和水蒸気
で8分および4分間処理してDPv220およびDPv
330の水蒸気処理パルプを得た。これを実施例3〜5
と同条件で湿式粉砕を行いDPv200,DPv310
のセルローススラリーを得た。平均粒径はいずれも15
μm以下であった。これらのスラリーから実施例と同様
の方法でゲルフィルムを得た。これらをそれぞれ比較例
3、4とする。実施例3〜5及び比較例3,4により得
られた結果を図1に示す。
【0044】DPv200とDPv310の比較例はい
ずれも強度40kg/cm2以下で低強度であった。こ
のゲル強度レベルでは、工業的規模で生産性良く繊維や
フィルムを製造することは困難である。或いは特開平7
−278941号公報に開示されているような製造工程
における発生張力を著しく低減できうる特殊な装置が必
要であった。DPvを400にすることで急激にゲル強
度は上昇しDPv310の約2倍となりった。また、D
Pv610ではゲル強度はDPv310の3.5倍にな
った。実施例3の方法で得たDPv610のセルロース
/苛性ソーダ水溶液を脱泡後、ガラス板上に500μm
の厚さにキャストし、加熱し水分率5重量%以下まで乾
燥し、乾燥凝固させた。該フィルムを水洗、乾燥しフィ
ルムを得た。これを実施例6とする。該フィルムの伸度
ー強度曲線を図2に示す。本発明の方法で得た高重合度
のセルロース/苛性ソーダ水溶液から得たフィルムはの
強度は1500kg/cm2 を越え、レギュラーセロフ
ァンフィルムよりはるかに高い値であった。
【0045】(実施例7、比較例5) <筒状フィルムの製造例>サルファイト法溶解パルプ
(ALAPUL−T、アラスカパルプ社製)を4重量%
の硫酸水溶液で、90℃、30分間加水分解してDPv
660の加水分解パルプを得た。この加水分解パルプを
セルロース固形分7.5重量%に調製してメディア式湿
式粉砕機(アペックスミルAM−1、コトブキ技研
(株)製)で11分間湿式粉砕し、セルローススラリー
を得た。湿式粉砕処理によってDPvはもとの加水分解
パルプより僅かに低下し、得られたスラリーのDPvは
610であった。また平均粒径は15μm以下であっ
た。得られたスラリーを実施例3〜6と同じ方法で溶解
しセルロース/苛性ソーダ水溶液を得た。得られたセル
ロース/苛性ソーダ水溶液の溶解分率は99.0%以上
であった。得られたセルロース/苛性ソーダ水溶液を図
3に示す円状スリットノズルから凝固液中に吐出線速度
15m/分で吐出し、30m/分の速度で引き取った。
【0046】円状スリットノズルの直径は20mm、ス
リット幅は500μmである。凝固液は25重量%、−
5℃の硫酸である。円筒スリットノズルには内管が設置
してある。凝固液は筒状フィルムの内側に導入され内管
内側にオーバーフローするので、内管の高さを調節する
ことにより、筒状フィルムの内側の凝固液面の高さを調
節できる。筒状フィルム内側の凝固液面を外側の凝固液
面より高くすることにより、凝固過程の筒状フィルムは
外側に膨れ配向はより等方的になる。中和凝固した筒状
フィルムは水洗後乾燥するが、乾燥過程では筒状フィル
ム内部に空気が加圧状態で入った状態で乾燥する。この
操作により,より等方的な配向を持ったフィルムが得ら
れる。これを実施例7とする。実施例7では製膜方向で
1350kg/cm2 、円周方向で1210kg/cm
2 の筒状フィルムが得られた。比較として4重量%の硫
酸水溶液で、90℃、180分間加水分解してDPv3
30の水蒸気処理パルプを得た。これを実施例7と同条
件で湿式粉砕及び溶解を行いDPv310のセルロース
/苛性ソーダ水溶液を得た。これを比較例5とする。こ
のDPv310のセルロース/苛性ソーダ水溶液を同じ
方法で製膜を試みたが凝固過程のゲルフィルム強度が低
いため、安定に製膜できなかった。
【0047】(実施例8〜10) <粒子の製造例> (i) 乾燥凝固法 実施例1、2と同様の方法で得たセルロース/苛性ソー
ダ水溶液を2重量%に希釈し、噴霧器付き付きドライヤ
ー(SPRAY DRYERSD−1000)を用いて
加熱空気中に1リットル/時間の流量で噴霧し、乾燥ゲ
ル粒子を得た。得られた乾燥ゲル粒子を25重量%の硫
酸で中和後水洗して、粒子を得た。得られた粒子の平均
粒径は15μmであった。これを実施例8とする。 (ii)ゲル化凝固法 実施例1、2と同様の方法で得たセルロース/苛性ソー
ダ水溶液10gとポリアクリル酸ソーダ(分子量50
万、東亞合成株式会社製)/苛性ソーダ水溶液(ポリア
クリル酸濃度=5重量%、苛性ソーダ濃度=7.6重量
%)200gをそれぞれ10℃に調製し混合した。この
混合液を高速撹拌してセルロース/苛性ソーダ水溶液を
微分散させた。高速撹拌を続けながら、温度を10℃か
ら60℃に昇温し高温ゲル化させた。該ゲル化粒子を中
和水洗し粒子を得た。これを実施例9とする。 (iii) 中和凝固法 実施例1、2と同様の方法で得たセルロース/苛性ソー
ダ水溶液を10℃に調製し、該水溶液10部に対し炭酸
カルシウム1部を混合し、十分に混練した。この混合液
を注射針より液滴状に吐出して硫酸水溶液で中和凝固し
た。次いで水洗し多孔質の粒子を得た。これを実施例1
0とする。実施例8〜10のいずれも湿潤状態で十分な
強度を有していた。
【0048】(実施例11、比較例6) <スポンジの製造例>実施例1、2と同様の方法で得た
セルロース/苛性ソーダ水溶液300gを10℃に調製
し、該水溶液に平均繊維長5mm太さ1デニールのポリエ
ステル繊維を4g、平均粒径3mmの結晶芒硝500gを
添加し混練した。該混練液をブロック状に成形し、90
℃で2時間高温ゲル化させた後、硫酸水溶液で中和し、
水洗、乾燥を経てスポンジを得た。これを実施例11と
する。比較例6として、比較例1と同様にして得たDP
v310のセルロース/苛性ソーダ水溶液からスポンジ
を得た。実施例11はDPvが高いため湿潤状態でも十
分な強度を保持していたが、比較例6では湿潤状態で容
易に引きちぎれ実用的ではなかった。
【0049】(実施例12、13、比較例7) <コーティング物の製造例>実施例1と同じ方法でDP
v700のセルロース/苛性ソーダ水溶液を得た。得ら
れたセルロース/苛性ソーダ水溶液を、坪量250g/
2の高密度紙に、セルロース換算で5重量%(対紙)
付着するようにロール塗工した。塗工した高密度紙を温
度90℃の熱ロールで乾燥凝固した。その後20℃、2
0重量%の硫酸水溶液で中和した後、水洗し、90℃の
熱ロールで乾燥し塗工成形物を得た。これを実施例12
とする。結果を表2に示した。実施例12の透水性は原
料高密度紙の1/10000程度まで大幅に低下した。
また食用油の染込みはまったく認められなかった。また
酸素透過度は100ml/m2/24hr/atmであ
り、塩化ビニリデンフィルムの略1/2程度の酸素バリ
ア性であった。実施例12のコーティング物からコップ
を形成し、熱湯を注いだが、異臭は全く感じられなかっ
た。透水性が低く、食用油の染込みがなく、酸素バリア
性を有し、異臭がまったくないことなどから、このコー
ティング物は食品用包装材料、トレーなどに適用可能で
ある。
【0050】比較として、比較例5と同様のDPv31
0のセルロース/苛性ソーダ水溶液を実施例12と同じ
方法でコーティングして得たコーティング物を比較例7
とする。比較例7は透水性、耐油性及び酸素バリア性は
実施例12と同程度ながら、DPvが低く強度が低いた
め水中などで摩擦すると、細片状に崩れて剥離するため
実用的ではない。
【0051】同じ、DPv700のセルロース/苛性ソ
ーダ水溶液を、坪量250g/m2の高密度紙に、セル
ロース換算で0.2重量%(対紙)付着するようにグラ
ビア塗工機で塗工した。塗工した高密度紙を温度90℃
の熱ロールで乾燥凝固した後、クエン酸水溶液でアルカ
リ分を中和した後再度乾燥した。水洗は行わなかった。
これを実施例13とする。実施例13は付着量が少ない
ため、透水性はやや多いものの、油はまったく浸透せ
ず、食品用包装紙、トレーとしての適用の可能性があ
る。また付着量が少なく,水洗の必要もないため,通常
のグラビア塗工機が使用できる利点もある。
【表2】
【0052】
【発明の効果】本発明は、セルロース/苛性ソーダ水溶
液からセルロース成形品を製造する方法であり、本発明
により機械的強度の高い成形品を得ることが可能となっ
た。また構造や機械的強度以外の物性を大幅にコントロ
ールすることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3〜5及び比較例4によるゲルフィルム
の粘度平均重合度と強度との関係を示すグラフである。
【図2】実施例6によるゲルフィルムの伸度−強度曲線
を示すグラフである。
【図3】筒状フィルムの製造方法を説明する模式図であ
る。
フロントページの続き (72)発明者 岡島 邦彦 静岡県富士市鮫島2番地の1 旭化成工業 株式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA08 AA09 AA70 AA81 AB18 AD02 AE19 AF14 AG32 AG36 AH19 BA02 BB02 BC01 BC07 4L035 AA04 BB06 BB08 BB15 BB16 EE08 HH10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロースを6.5〜11重量%の苛性
    ソーダ水溶液中で、10℃以下の温度でせん断速度90
    00/sec以下又は撹拌装置の先端速度500m/分
    以下の低速で均一撹拌して、セルロース濃度4重量%以
    上で、セルロースの溶解分率99.0重量%以上のセル
    ロース/苛性ソーダ水溶液を調製し、その後に乾燥凝固
    またはゲル化凝固または中和凝固またはこれらを組み合
    わせて凝固し成形品を得ることを特徴とするセルロース
    成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】 セルロースが粘度平均重合度350以上
    で、平均粒径30μm以下に粉砕されたものである請求
    項1記載のセルロース成形品の製造方法。
  3. 【請求項3】 粉砕が6.5重量%以下の苛性ソーダ水
    溶液または水中で湿式状態で行われることを特徴とする
    請求項2記載のセルロース成形品の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のセルロース/苛性ソーダ
    水溶液が多糖、ポリペプチドなどとの混合水溶液である
    ことを特徴とする、請求項1記載のセルロース成形品の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 成形品が繊維、平面上フィルム、チュー
    ブ状フィルム、粒子、スポンジ状物またはコーティング
    物であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに
    記載のセルロース成形品の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009508015A (ja) * 2006-04-21 2009-02-26 ジャングー ロンマ グリーン ファイバーズ カンパニー リミテッド パイロット規模でのセルロース製品の製造における水酸化ナトリウム/チオ尿素水溶液の使用
JP2015508109A (ja) * 2012-10-10 2015-03-16 湖北天思科技股▲ふん▼有限公司 セルロースの溶解方法
JP2019513915A (ja) * 2016-04-14 2019-05-30 トリートテクスタイル・エービー 紡糸原液組成物の製造方法及び製造装置

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US11299556B2 (en) 2016-04-14 2022-04-12 Treetotextile Ab Method for the production of a spinning dope composition
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