JP2001139627A - 高分子量スルホン酸塩の製造方法 - Google Patents

高分子量スルホン酸塩の製造方法

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JP2001139627A JP32720799A JP32720799A JP2001139627A JP 2001139627 A JP2001139627 A JP 2001139627A JP 32720799 A JP32720799 A JP 32720799A JP 32720799 A JP32720799 A JP 32720799A JP 2001139627 A JP2001139627 A JP 2001139627A
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Takeshi Yamada
剛 山田
Yoshiyuki Matsumoto
善行 松本
So Shigematsu
創 重松
Tetsuo Tano
哲雄 田野
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高品質の高分子量スルホン酸塩を効率良く製
造できる製造方法を提供する。 【解決手段】重量平均分子量5万〜5000万の芳香族
系ポリマースルホン酸にアルカリ水溶液を添加して中和
する高分子量スルホン酸塩の製造方法において、前記ア
ルカリ水溶液を、非水系溶媒中に分散した状態で添加す
る。これによれば、中和反応液の粘度上昇が防止され、
得られる中和物がゲル状や乳化状になることがない。ま
た、前記中和反応系において、前記芳香族系ポリマース
ルホン酸100重量部に対し水が20〜50重量部とな
るように、前記アルカリ水溶液の水分量を調整すること
が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分子量芳香族系
ポリマースルホン酸塩の製造方法に関する。高分子量芳
香族系ポリマースルホン酸塩は、例えば、水あるいは汚
泥処理用の凝集剤として好適に使用できる。
【0002】
【従来の技術】芳香族系ポリマースルホン酸やその塩
は、下水、下水汚泥、各種産業排水などの水処理用や汚
泥処理用の凝集剤として有用である。例えば、特開昭5
8−216707号公報や特開平2−298400号公
報には、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムを排水処理
剤として利用する技術が開示されている。
【0003】芳香族系ポリマースルホン酸塩の製造方法
としては、例えば、ライミングソーディション法がある
(特開昭52−33993号公報)。この方法は、高分
子量スルホン酸水溶液に、水酸化カルシウム又は炭酸カ
ルシウムを添加して中和し、生じた硫酸カルシウムをろ
過分別し、ろ液に炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウムな
どを加え、高分子量スルホン酸の中性塩を得る方法であ
る。また、高分子量スルホン酸水溶液に、高分子量スル
ホン酸中性塩とアルカリ剤とからなるスラリーを添加
し、中和する方法がある(特開平5−310875号公
報)。そして、高分子量スルホン酸スラリーを、6%ア
ルカリ水で中和し、水相(水溶性高分子を含む)と非水
系溶媒相とを分離し、前記水相を濃縮して高分子量スル
ホン酸塩を得る方法もある(特開平8−193104号
公報)。この他に、廃材となった発泡スチロールを用い
て高分子量スルホン酸塩を製造する方法もある(特開平
11−179400)。
【0004】しかしながら、これら従来の製造方法で
は、重量平均分子量5万以上の高分子量スルホン酸、特
に、架橋構造を有するような高分子量スルホン酸(重量
平均分子量1千万以上)を中和しようとすると、固形分
濃度が0.5重量%以上でゲル状となり溶液粘度が高く
なってしまう。これを回避するために低濃度で中和する
と生産性が低くなる。また、固形分濃度を高くして中和
すると、攪拌混合の効率が悪くなり、中和反応に時間が
かかって、これによって生産性が低くなる。
【0005】また、6%等のような低濃度のアルカリ水
溶液で中和した中和物は、ゲル状物を含む乳化状態にな
り、水相と非水系溶媒相の分離が困難である。したがっ
て、高純度の中和物を得るためには、前記中和物から両
溶媒(非水系溶媒および水)を同時に除去する必要があ
り(トッピング)、これには多大な熱エネルギーを必要
とするのでコスト的に不利である。
【0006】さらに、乾燥粉体として高分子量スルホン
酸塩を得ようとする場合、水と非水系溶媒とを含むゲル
状の中和物を汎用の攪拌乾燥機で乾燥しようとしても、
未乾燥の部分が生じ、製品中に非水系溶媒が残留し、製
品の品質に問題があった。また、乾燥機内部に、中和物
が付着して、歩留まりが低下するという問題もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高品
質の高分子量スルホン酸塩を効率良く製造できる製造方
法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の高分子量スルホン酸塩の製造方法は、重量
平均分子量5万〜5000万の芳香族系ポリマースルホ
ン酸にアルカリ水溶液を添加して中和する高分子量スル
ホン酸塩の製造方法において、前記アルカリ水溶液が、
非水系溶媒中に分散した状態で添加されることを特徴と
する製造方法である。
【0009】本発明の製造方法では、中和反応液の粘度
の上昇が防止でき、高分子量芳香族系ポリマースルホン
酸を高濃度で中和することができる。また、本発明の製
造方法では、得られる中和物が、ゲルを含む乳化状態に
なることがないので、中和物と非水系溶媒との分離を少
ない熱エネルギーで効率よく実施できる。さらに、本発
明の製造方法では、中和物がゲル状となることを防止で
きるため、汎用の乾燥機を用いて乾燥しても、未乾燥部
分を生じることなく充分に乾燥することができて製品の
品質が高くなり、また乾燥機内部への付着の問題も生じ
ず、歩留まりもよくなる。したがって、本発明の製造方
法によれば、高品質の高分子量芳香族系ポリマーのルホ
ン酸塩を効率よく製造することが可能となる。
【0010】前記中和反応系において、前記芳香族系ポ
リマースルホン酸100重量部に対し、水が20〜50
重量部となるように、前記アルカリ水溶液の水分量を調
整することが好ましく、特に好ましくは水が20〜35
重量部となるように前記アルカリ水溶液の水分量を調整
することである。前記芳香族ポリマースルホン酸は、固
形分として存在する。例えば、前記芳香族系ポリマース
ルホン酸が、非水系溶媒中等に存在する場合は、この非
水系溶媒や水、スルホン化処理の際に残留した未反応ス
ルホン化剤(例えばSO3)等を加熱等により除去した
残りが固形分であり、これが前記芳香族系ポリマースル
ホン酸である。
【0011】本発明の製造方法において、前記芳香族系
ポリマースルホン酸が非水系溶媒中に分散していること
が好ましく、その濃度は、その分散物全体の1〜20重
量%の範囲が好ましく、特に好ましくは1〜10重量%
の範囲である。
【0012】本発明において、前記非水系溶媒は、ハロ
ゲン系炭化水素が好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の製造方法の例に
ついて説明する。
【0014】まず、芳香族系ポリマーを、ハロゲン系炭
化水素溶媒に溶解し、このなかで、スルホン化剤を用い
てスルホン化する。なお、このスルホン化の際に、反応
物の凝集や反応器への付着を抑制するために、重量平均
分子量78〜400の芳香族系低分子量化合物、単素数
1〜20のアルキル基を有する重量平均分子量90〜3
60の芳香族系低分子量化合物および重量平均分子量5
00〜8000の芳香族系低分子量ポリマーを、共存さ
せてもよい。これらは、単独で使用してもよく、2種類
以上併用してもよい。また、これらの使用量は、例え
ば、0.5〜20重量%であり、好ましくは1〜10重
量%である。重量平均分子量78〜400の芳香族系低
分子量化合物としては、例えば、ベンゼン、ナフタレ
ン、アントラセン、フェナントレン等がある。炭素数1
〜20のアルキル基を有する重量平均分子量90〜36
0の芳香族系低分子量化合物としては、例えば、トルエ
ン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、ジエチル
ベンゼン、n−プロピルベンゼン、クメン、ブチルベン
ゼン、ドデシルベンゼン等がある。重量平均分子量50
0〜8000の芳香族系低分子量ポリマーとしては、例
えば、ポリスチレン、ポリα―メチルスチレン、スチレ
ン/マレイン酸コポリマー等がある。
【0015】前記芳香族系ポリマーとしては、ポリスチ
レン、ポリα−メチルスチレン、スチレン/α−メチル
スチレンコポリマー、スチレン/ブタジエンコポリマ
ー、スチレン/イソプレンコポリマー、スチレン/アク
リル酸またはアクリル酸エステルコポリマー、スチレン
/マレイン酸コポリマー等などがあげられる。このなか
で、好ましいのは、ポリスチレン、ポリα―メチルスチ
レン等である。特に、電子機器等の製品の梱包に使用さ
れて廃材となった発泡スチロールを使用すれば、資源の
有効利用に貢献でき好ましい。また、芳香族系ポリマー
の重量平均分子量は、例えば、5万〜200万であり、
好ましくは5万〜100万であり、特に好ましくは5万
〜30万である。
【0016】前記スルホン化剤としては、例えば、無水
硫酸、発煙硫酸、農硫酸などが使用できる。前記ハロゲ
ン系炭化水素溶媒としては、ジクロロメタン、1,2−
ジクロロエタン、メチレンジクロリド、塩化エチル、四
塩化炭素、1,1−ジクロロエタン、1,1,2,2−
テトラクロルエタン、クロロホルム、エチレンジブロミ
ドなどが使用できる。これらは単独で使用してもよい
し、2種類以上併用してもよい。このなかで好ましいの
は1,2−ジクロロエタン、1,1−ジクロロエタン、
ジクロロメタン等であり、特に好ましくは、1,2−ジ
クロロエタン、1,1−ジクロロエタンである。
【0017】スルホン化の方法は、特に制限されず、一
般的な手法が適用できる。例えば、スルホン化装置に、
ハロゲン系炭化水素溶媒に芳香族系ポリマーを溶解した
溶液を導入し、これにスルホン化剤を加え、攪拌しなが
ら、温度10〜80℃(好ましくは25〜50℃)で1
〜60分間(好ましくは1〜20分間)反応させること
により、スルホン化できる。スルホン化剤の使用量は、
芳香族ポリマーの芳香族モノマー単位あたり0.5〜
2.0倍モルの量であることが好ましく、特に好ましく
は1.0〜1.5倍モルの量である。スルホン化率は、
例えば、50〜100%であり、好ましくは75〜10
0%であり、特に好ましくは90〜100%である。な
お、前記スルホン化率とは、芳香族系ポリマーの全モノ
マー単位数に対するスルホン酸基が導入されたモノマー
単位数の割合であり、百分率(%)で表す。
【0018】得られた芳香族系ポリマーのスルホン酸の
重量平均分子量は、5万〜5000万であり、好ましく
は100万〜5000万である。また、前記芳香族系ポ
リマースルホン酸は、スルホン化の際に使用した非水系
溶媒に分散した分散物(液状若しくはスラリー状)とし
て得られ、この状態で、つぎの中和反応に供してもよ
い。中和工程に供する芳香族系ポリマースルホン酸の分
散物中の固形分濃度は、例えば、1〜20重量%であ
り、好ましくは1〜10重量%である。
【0019】前記高分子量芳香族系ポリマースルホン酸
として、さらに高分子のものを望む場合には、スルホン
化反応の際に、積極的にスルホン架橋を形成させること
により、分子量をより一層増大させることができる。こ
の場合、スルホン架橋の程度を制御することを目的とし
て、架橋抑制剤を使用してもよい。架橋抑制剤として
は、エーテル化合物およびカルボニル基含有化合物があ
げられる。前記エーテル化合物としては、例えば、ジエ
チルエーテル、ポリエチレングリコール類、アルキルエ
ーテル類、ポリオキシエーテルアルキルフェニルエーテ
ル類、ポリエチレングリコールジサルフェート類等があ
げられる。前記カルボニル基含有化合物としては、例え
ば、アセトン、アセトフェノン、シクロヘキサノン、安
息香酸、イソフタル酸等があげられる。これらは単独で
用いてもよく、2種類以上併用してもよい。これらの中
で好ましいのは、ポリエチレングリコール類、アセト
ン、アセトフェノンであり、特に好ましくはアセトフェ
ノンである。また、配合割合は、前記芳香族系ポリマー
100重量部に対し、例えば、架橋抑制剤が0.1〜2
0重量部、好ましくは0.1〜15重量部、より好まし
くは0.1〜10重量部である。また、その添加形式
は、例えば、前記芳香族系ポリマーが溶解した前記ハロ
ゲン系炭化水素溶媒に前記架橋抑制剤を添加し、これに
スルホン化剤を導入する形式がある。
【0020】つぎに、この芳香族系ポリマーのスルホン
酸を中和する。この中和は、前記芳香族系ポリマースル
ホン酸に、アルカリ水溶液を添加して行うが、前記アル
カリ水溶液は、非水系溶媒に分散した状態で添加され
る。
【0021】中和に使用するアルカリ剤としては、例え
ば、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化
物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩、ア
ルカリ金属重炭酸塩、カルボン酸塩、アンモニウム、ア
ンモニウム塩、アンモニア、ポリマーのアルカリ金属塩
等が挙げられる。これらは、単独で使用してもよいし、
2種類以上併用してもよい。アルカリ金属水酸化物及び
アルカリ土類金属水酸化物としては、例えば、KOH、NaO
H、LiOH、Ba(OH)2、Ca(OH)2、Mg(OH)2等があげられる。
アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩及びアル
カリ金属重炭酸塩としては、例えば、K2CO3、Na2CO3、M
gCO3、Li2CO3、BaCO3、NaHCO3等があげられる。カルボ
ン酸塩としては、例えば、コハク酸ナトリウム、脂肪酸
石鹸等があげられる。アンモニウム塩としては、例え
ば、NH4HCO3等があげられる。ポリマーのアルカリ金属
塩としては、例えば、ポリアクリル酸のNa又はK塩等が
挙げられる。アルカリ剤として好ましいのは、KOH、
NaOH、K2CO3、Na2CO3、NaHCO3であ
り、特に好ましいのはKOH、NaOHである。
【0022】アルカリ剤の使用量は、芳香族ポリマース
ルホン酸の芳香族モノマー単位(スルホン酸基を有する
もの)と未反応スルホン化剤の合計量に対し、0.8〜
1.3倍モルとなる量が好ましく、特に好ましくは1.
0〜1.2倍モルとなる量である。また、水処理や汚泥
処理の凝集剤として高分子量芳香族系ポリマースルホン
酸塩を使用する場合は、中和後のpHが7.1〜11の
範囲になるように、アルカリ剤を添加することが好まし
い。
【0023】本発明において、アルカリ剤の添加は、ア
ルカリ水溶液を調製し、さらにこの水溶液を非水系溶媒
に分散させた状態で行う。前記アルカリ水溶液の水分含
量は、中和反応系において、芳香族系ポリマースルホン
酸100重量部に対し水が20〜50重量部の範囲とな
るように、調整することが好ましい。50重量部を超え
ると、中和物が粘性を有するダマになるおそれがあり、
反応器の壁へ付着するおそれがある。また、20重量部
未満では、アルカリ剤が析出し、中和反応が進行し難く
なるおそれがあり、好ましくない。アルカリ水溶液のア
ルカリ剤の濃度は、例えば、30〜48重量%であり、
好ましくは35〜48重量%であり、特に好ましくは4
0〜48重量%である。
【0024】また、前記非水系溶媒は、ハロゲン系炭化
水素溶媒が使用できる。ハロゲン系炭化水素溶媒として
は、例えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタ
ン、メチレンジクロリド、塩化エチル、四塩化炭素、
1,1−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロ
ルエタン、クロロホルム、エチレンジブロミドなどが使
用できる。これらは単独で使用してもよいし、2種類以
上併用してもよい。アルカリ水溶液の分散媒となる非水
系溶媒は、前記芳香族系ポリマーのスルホン化の際に使
用されたものと同一のものを使用することが好ましい。
この非水系溶媒中のアルカリ水溶液の濃度は、例えば、
1〜6重量%であり、このましくは1〜5重量%であ
り、特に好ましくは1〜4重量%である。
【0025】この中和工程は、例えば、攪拌機を備えた
混合槽に、予めアルカリ水溶液とハロゲン系炭化水素溶
剤を入れておき、これを攪拌しながら、芳香族系ポリマ
ーのスルホン酸の分散物を滴下して行うことができる。
また、攪拌機を備えた混合槽に、予めハロゲン系炭化水
素溶媒を入れておき、攪拌しながら、これにアルカリ水
溶液と芳香族系ポリマーのスルホン酸の分散物を滴下し
て中和する方法がある。
【0026】前記攪拌機付き混合槽としては、パドル方
式でもよいが、アルカリ水溶液を細かく分散できる高剪
断力のものが好ましい。例えば、ホモミキサー、パイプ
ラインミキサー(特殊機化工業社製)、マイルダー(エ
バラ製作所社製)、キャビトロン(ユーロテック社
製)、スープラトン(クルップ社製)が好適に使用でき
る。また、中和温度は、例えば、0〜70℃の範囲であ
り、好ましくは25〜50℃の範囲である。
【0027】このようにして中和反応を行い、目的とす
る高分子量スルホン酸塩が得られるが、乾燥粉体にする
場合は、乾燥処理を行う。まず、乾燥処理に先立ち、必
要に応じ、遠心ろ過等により、固形分濃度を調整する。
この固形分濃度は、例えば、30〜60重量%であり、
好ましくは50〜60重量%である。そして、この中和
物を、攪拌混合できる乾燥機で乾燥する。このような乾
燥機としては、例えば、真空攪拌乾燥機、コニカルドラ
イヤーがある。乾燥条件は、例えば、60〜200℃で
1〜12時間、好ましくは、60〜150℃で1〜6時
間である。また、この乾燥工程を、例えば、絶対圧力1
〜500Torr、好ましくは、絶対圧力1〜50To
rrの減圧条件で実施してもよい。本発明の製造方法に
よれば、この乾燥工程において、中和物の付着や発泡が
なく、未乾燥部分が生じることがない。また、非水系溶
媒の回収、再使用も容易に行える。なお、この乾燥工程
およびろ過工程は、本発明に必須ではない。
【0028】なお、前記中和操作の例において、中和物
を乾燥して粉体にしたが、本発明はこれに限定されず、
非水系溶媒等に前記スルホン酸塩が分散したスラリー
(濃度:5〜50重量%程度)、このスラリーを濃縮し
た濃縮物(濃度:50〜60重量%程度)であってもよ
い。
【0029】本発明の製造方法により得られた高分子量
スルホン酸塩は、前述のように廃水処理や汚泥処理等に
有用な凝集剤としての用途があるが、これに限定されな
い。この他に、石炭−水スラリー用分散剤、コークス−
水スラリー用分散剤、カーボンブラック分散剤、顔料分
散剤、染料分散剤、染料の均染剤、塗料分散剤、顕色剤
分散剤、マイクロカプセル分散剤、乳化重合用乳化分散
剤、懸濁重合用分散安定剤、セメント分散剤、紙・プラ
スチック等の帯電防止剤等として、前記高分子量スルホ
ン酸塩を使用できる。
【0030】
【実施例】つぎに、実施例について比較例と併せて説明
する。
【0031】(ポリスチレンスルホン酸の製造)実施例
および比較例に供する3種類のポリスチレンスルホン酸
(A,B,C)を以下に示すようにして製造した。な
お、下記の重量平均分子量は、光散乱法により測定した
値である。また、実施例および比較例で使用したアルカ
リ剤は苛性ソーダである。
【0032】(ポリスチレンスルホン酸Aの製造)ポリ
スチレン(重量平均分子量:20万)を、1,2−ジク
ロロエタン(以下「ジクロロエタン」と略す)に5重量
%の濃度で溶解し、つぎに、ポリスチレンのモノマー単
位に対し1.3倍モル量の無水硫酸を反応させて、ポリ
スチレンスルホン酸スラリー(A)を得た(スルホン化
率:100%)。これは、架橋構造を有しており、その
重量平均分子量は1500万である。
【0033】(ポリスチレンスルホン酸Bの製造)廃材
となった発泡ポリスチレン(重量平均分子量:20万)
を、ジクロロエタンに5重量%の濃度で溶解し、アセト
フェノンを前記ポリスチレンに対して6重量%添加し
た。つぎに、ポリスチレンのモノマー単位に対し1.3
倍モル量の無水硫酸を反応させて、ポリスチレンスルホ
ン酸スラリー(B)を得た(スルホン化率:100
%)。これは、架橋構造を有しており、その重量平均分
子量は1200万である。
【0034】(ポリスチレンスルホン酸Cの製造)ポリ
スチレン(重量平均分子量:5千)を、ジクロロエタン
に10重量%の濃度で溶解し、つぎに、ポリスチレンの
モノマー単位に対し1.15倍モル量の無水硫酸を反応
させて、ポリスチレンスルホン酸スラリー(C)を得た
(スルホン化率:100%)。これは、架橋構造を有し
ており、その重量平均分子量は15000である。
【0035】(実施例1)攪拌機付き反応槽(容量1リ
ットル)に、ジクロロエタン314gを仕込み、ホモミ
キサーによる攪拌を行いながら、48重量%アルカリ水
溶液43.4gを添加し、均一に分散させた。この状態
で、固形分9.5%のポリスチレンスルホン酸スラリー
(A)711gを1時間かけて添加し、中和を行った。
この時、中和反応系において、ポリスチレンスルホン酸
(固形分)100重量部に対するアルカリ水溶液中の水
分量は33重量部である。得られた中和物は、前記溶媒
中に、ポリスチレンスルホン酸塩が均一に分散したスラ
リー状であった。この中和物において、その固形分濃度
は17.2重量%であった。この中和物を、遠心ろ過機
でろ過し、固形分濃度51重量%のろ過物167.4g
を得た。つぎに、このろ過物を、真空攪拌乾燥機によ
り、温度100℃、絶対圧力30〜50Torrの条件
で、6時間乾燥した。この結果、前記乾燥機内部への付
着なく、凝集もない白色粉体のポリスチレンスルホン酸
塩83.6g(収率98%)が得られた。これに残存す
るジクロロエタン濃度は150ppmであった。これの
0.5重量%水溶液のpHは9.0であった。また、回
収されたジクロロエタンは919.0gであり、回収率
は96%であった。
【0036】(実施例2)ポリスチレンスルホン酸スラ
リー(A)に代えて(B)を使用した以外は、実施例1
と同様に、中和、ろ過、乾燥を行った。その結果、真空
攪拌乾燥機内部への付着なく、凝集もない白色粉体のポ
リスチレンスルホン酸塩83.3g(収率98%)が得
られた。これに残存するジクロロエタン濃度は140p
pmであった。これの0.5重量%水溶液のpHは9.
2であった。また、回収されたジクロロエタンは93
8.1gであり、回収率は98%であった。
【0037】(実施例3)実施例1と同様に、攪拌機付
き反応槽(容量1リットル)に、ジクロロエタン314
gを仕込み、ホモミキサーによる攪拌を行いながら、4
8重量%アルカリ水溶液40.7gを添加し、均一に分
散させた。この状態で、固形分17.3重量%のポリス
チレンスルホン酸スラリー(C)426gを1時間かけ
て添加し、中和を行った。この時、中和反応系におい
て、ポリスチレンスルホン酸(固形分)100重量部に
対する前記アルカリ水溶液中の水分量は28.7重量部
である。得られた中和物は、前記溶媒中に、ポリスチレ
ンスルホン酸塩が均一に分散したスラリー状であった。
この中和物において、その固形分濃度は17.3重量%
であった。この中和物を、遠心ろ過機でろ過し、固形分
濃度53重量%のろ過物164.2gを得た。つぎに、
このろ過物を、真空攪拌乾燥機により、温度120℃、
絶対圧力30〜50Torrの条件で、6時間乾燥し
た。この結果、前記乾燥機内部への付着なく、凝集もな
い白色粉体のポリスチレンスルホン酸塩86.2g(収
率99%)が得られた。これに残存するジクロロエタン
濃度は300ppmであった。これの0.5重量%水溶
液のpHは9.3であった。また、回収されたジクロロ
エタンは646.3gであり、回収率は97%であっ
た。
【0038】(実施例4)攪拌機付き反応槽(容量1リ
ットル)に、ジクロロエタン228gを仕込み、ホモミ
キサーによる攪拌を行いながら、38重量%アルカリ水
溶液46gを添加し、均一に分散させた。この状態で、
デカンテーションにより濃縮して固形分50重量%にし
たポリスチレンスルホン酸スラリー(B)114gを連
続的に1時間かけて添加し、中和を行った。この時、中
和反応系において、ポリスチレンスルホン酸(固形分)
100重量部に対するアルカリ水溶液中の水分量は50
重量部である。得られた中和物は、前記溶媒中に、ポリ
スチレンスルホン酸塩が均一に分散したスラリー状であ
った。この中和物において、その固形分濃度は18.4
重量%であった。この中和物を、コニカルドライヤーに
より、温度120℃、絶対圧力30〜50Torrの条
件で、6時間乾燥した。この結果、コニカルドライヤー
内部への付着なく、凝集もない白色粉体のポリスチレン
スルホン酸塩70.5g(収率98%)が得られた。こ
れに残存するジクロロエタン濃度は40ppmであっ
た。これの0.5重量%水溶液のpHは9.5であっ
た。また、回収されたジクロロエタンは273.6gで
あり、回収率は96%であった。
【0039】(比較例1)ジクロロエタンに代えて水を
攪拌機付き反応槽に入れた以外は、実施例と同一の条件
および同一の操作を行い、中和反応を行った。しかし、
ポリスチレンスルホン酸スラリー(A)の滴下中に反応
液の粘度が上昇し、攪拌混合の効率が悪くなり、中和反
応に12時間を要した。この中和物の固形分濃度は8.
7重量%であった。また、この中和物は、乳化状態であ
り、水とジクロロエチレンの静置分離はできなかった。
また、この中和物を、真空攪拌乾燥機により、温度10
0℃、絶対圧力30Torrの条件で、6時間乾燥し
た。しかし、前記乾燥機内部への付着がひどく、未乾燥
部分が生じ、残存ジクロロエタン量は20重量%以上で
あった。
【0040】(比較例2)攪拌機付き反応槽(容量1.
0リットル)に水340gを仕込み、ホモミキサーによ
る攪拌を行いながら、40重量%アルカリ水溶液44.
4gを添加し、これを均一に分散させた。そして、攪拌
しながら、固形分33重量%のポリスチレンスラリー
(B)175gを連続的に添加して中和した。しかし、
この中和反応において、反応液の粘度が上昇し、攪拌混
合が困難になった。また、この中和物において、その固
形分濃度は14.5重量%であった。得られた中和物
は、塊状ゲルを含む不均一なものであった。
【0041】
【発明の効果】以上のように、本発明の製造方法によれ
ば、高分子量芳香族系ポリマースルホン酸を高濃度で中
和することができ、この中和物と非水系溶媒との分離を
少ない熱エネルギーで効率よく実施でき、さらに歩留ま
りよく高品質の高分子量芳香族系ポリマースルホン酸塩
を製造できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 重松 創 東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 (72)発明者 田野 哲雄 東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 Fターム(参考) 4D015 BA05 BA09 BA10 CA11 CA14 DB18 DB30 EA02 EA32 4D059 AA03 BE56 BE57 DB11 4D062 BA05 BA09 BA10 CA11 CA14 DB18 DB30 EA02 EA32 4J100 AB02P AB03P AB03Q AJ02Q AJ09Q AL02Q AS02Q AS03Q BA56H CA01 CA04 CA31 HA31 HA61 HB37 HB39 HB42 HB43 HB52 HB54 HC13 HC25 HC27 HE06 HE13 JA18

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量平均分子量5万〜5000万の芳香
    族系ポリマースルホン酸にアルカリ水溶液を添加して中
    和する高分子量スルホン酸塩の製造方法において、前記
    アルカリ水溶液が、非水系溶媒中に分散した状態で添加
    されることを特徴とする製造方法。
  2. 【請求項2】 中和反応系において、前記芳香族系ポリ
    マースルホン酸100重量部に対し水が20〜50重量
    部となるように、前記アルカリ水溶液中の水分量を調整
    する請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記芳香族系ポリマーのスルホン酸が非
    水系溶媒中に分散しており、その濃度が、その分散物全
    体の1〜20重量%である請求項1又は2記載の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 非水系溶媒が、ハロゲン系炭化水素であ
    る請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
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