JP3203298B2 - 水溶性スルホン化ポリマーの一貫製造方法 - Google Patents

水溶性スルホン化ポリマーの一貫製造方法

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JP3203298B2 JP16085995A JP16085995A JP3203298B2 JP 3203298 B2 JP3203298 B2 JP 3203298B2 JP 16085995 A JP16085995 A JP 16085995A JP 16085995 A JP16085995 A JP 16085995A JP 3203298 B2 JP3203298 B2 JP 3203298B2
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリスチレンスルホン
酸やその塩などの水溶性スルホン化ポリマーを重合から
スルホン化まで一貫して製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ポリマーを重合する方法や重合したポリ
マーをスルホン化する方法は、多数知られている。例え
ば、ポリマーを重合する方法としては、ポリマーを溶媒
中で重合する方法(特開昭48−54189号、同53
−24382号、同54−38392号、同56−15
2814号等)又は無溶媒で熱重合する方法(特公昭4
9ー2340号、同49−2341号、特開昭48−1
2887号、同49−22494号、同54−1799
2号等)等があり、いずれも生成したポリマーをバルク
状態で取り出している。また、かかるポリマーをスルホ
ン化する方法としては、通常、ポリマーを溶媒中に溶解
しこれを所定のスルホン化剤でスルホン化した後、再度
回収した溶媒をスルホン化溶媒として使用する方法が採
られている(特開昭48−12895号、同50−11
2481号、同58−11506号、特開平2−294
305号)。従って、従来の方法では、ポリマーの製造
とポリマーのスルホン化を別個に行っていたため、効率
的な製造が不可能であり経済的にも不利益をもたらして
いた。
【0003】一方、スチレン等のモノマーから直接スル
ホン化スチレンオリゴマーを製造する方法も知られてい
る(特開昭48−12895号、同48−49745号
等)。しかし、この方法はスチレン等のモノマーを溶媒
中に仕込み、スルホン化と重合を同時進行させるため、
重量平均分子量1200〜5000のオリゴマーしか得
られないという問題点がある。さらに、ポリマーの製造
とスルホン化を同一の溶媒で行おうとすると、例えばト
ルエンはポリスチレンの重合には適する(特開昭53−
24382号)が溶媒自体がスルホン化されるためスル
ホン化溶媒として不適である。かかる事情から、ポリマ
ーの製造からスルホン化を同一溶媒で行い、かつ回収し
た溶媒を再度ポリマーの製造に使用するプロセスは、未
だ報告されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、溶媒中で重
合性単量体の重合を行った後、バルクとして溶媒から取
り出さずに溶媒中にポリマーを溶解したまま続けて溶媒
中の重合体のスルホン化を行うことができさらにその溶
媒を回収して、かつ品質の優れた水溶性スルホン化ポリ
マーを重合からスルホン化まで一貫して製造することが
できる方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、モノマーの重
合によるポリマーの製造、該ポリマーのスルホン化、ス
ルホン化ポリマーの分離と溶媒と分離を特定の方法によ
り連続して行い、かつ分離した溶媒を特定の条件下で蒸
留して得た後、モノマーの重合工程に供給して再利用す
ると、上記課題を有効に解決できるとの知見によりなさ
れたものである。すなわち、本発明は、(A) 重合性モノ
マーを、ハロゲン化炭化水素溶媒中で重合してポリマー
を製造した後、固形分を除去し又は除去せずにポリマー
が溶解した溶液を得る工程、(B) 得られたポリマー溶液
にスルホン化剤を接触させて溶液中のポリマーをスルホ
ン化する工程、(C) 得られたスルホン化ポリマー溶液を
中和し、または中和せずに、水を加えて静置し、スルホ
ン化ポリマー又はその塩を水相に移行させ、該水相とハ
ロゲン化炭化水素溶媒相とを分離する工程、分離した溶
媒相のpHを4〜10に調整した後、蒸留してハロゲン
化炭化水素溶媒を回収する工程、及び(E) 回収した溶媒
を工程(A) に供給して再使用する工程、を採用すること
を特徴とする水溶性スルホン化ポリマーの一貫製造方法
を提供する。
【0006】本発明では、先ず工程(A) において、重合
性モノマーをハロゲン化炭化水素溶媒中で重合してポリ
マーを製造する。ここで、重合性モノマーとしては、ス
チレン、α−メチルスチレン、p−ヒドロキシスチレ
ン、ビニルトルエンなどの炭素数が8〜12、好ましく
は8〜10の芳香属ビニルモノマーの単独又はこれらの
組み合わせがあげられる。又、これらの芳香属ビニルモ
ノマーと、イソプレン、ブタジエン、アクリル酸誘導体
などとの組み合わせがあげられる。
【0007】ハロゲン化炭化水素溶媒としては、1,2−
ジクロルエタンなどのジクロルエタン類、クロロホル
ム、四塩化炭素、ジクロルメタン、テトラクロルエタ
ン、テトラクロルエチレンなどの一種又は二種以上の混
合物があげられる。これらのうち、ジクロルエタン類が
好ましい。本発明では、重合性モノマーとハロゲン化炭
化水素溶媒との使用割合を任意とすることができるが、
重合性モノマー/ハロゲン化炭化水素溶媒の重量比を1
/99〜80/20とするのがよく、より好ましくは5
/95〜40/60である。又、重合系中の重合性モノ
マーの濃度も任意とすることができるが、好ましくは1
〜80重量%、より好ましくは10〜60重量%となる
ようにするのがよい。本発明における重合性モノマーの
重合は、従来公知のアニオン重合、カチオン重合又はラ
ジカル重合により行うことができるが、カチオン重合に
より行うのがよい。この際、触媒として、ルイス酸を用
いるのが好ましく、例えば、二塩化スズ、四塩化スズ、
塩化アルミニウム、四塩化チタンなどのハロゲン化金
属、特に塩化金属が好ましいものとしてあげられる。触
媒の使用量は限定されないが、重合性モノマー100重
量部あたり0.01〜1重量部とするのがよい。触媒は、
重量系に予め添加しておいてもよく、重合の進行に応じ
て徐々に添加してもよい。また、ルイス酸を用いる場
合、上記ハロゲン化炭化水素溶媒中には、50〜100
0ppm 、好ましくは100〜400ppm の水を存在させ
るのが好ましい。
【0008】本発明では、反応器に、ハロゲン化炭化水
素溶媒、所定量の水及び重合触媒を仕込み、所定の温度
に昇温させた後、ここに、重合性モノマーを滴下して重
合を行うのが好ましい。重合温度は、30〜150℃と
するのがよく、好ましくは40〜150℃、より好まし
くは50〜150℃である。本発明では、重合性モノマ
ーの重合が終了し、ポリマーが生成した後、1〜5時間
程度熟成させるのが好ましい。このようにして、最終反
応率が95%以上、好ましくは98%以上となるように
するのがよい。又,ポリマーとしては、平均分子量が2
00〜50,000、好ましくは2,000〜30,000の
ものを製造するのがよい。尚、重合性モノマーの重合に
当たっては、上記条件のほか、特開平3−52902号
公報、特開平3−56509号公報、特開平3−565
10号公報及び特開昭53−24382号公報に記載の
条件を採用することもできる。これらの公報に記載の内
容は、本明細書の記載に含まれるものとする。
【0009】本発明では、ポリマーが得られた後、水酸
化カルシウムなどのアルカリ剤を添加して重合触媒を不
溶性固形分に変えた後、濾過などにより系外へ除去する
のがよい。例えば、ポリマー100重量部あたりアルカ
リ剤を0.1〜2.0重量部添加し、0.5〜2.0時
間程度攪拌した後、常法により濾過するのがよい。この
際、パーライトやセライトなどの濾過助剤を使用するの
がよい。本発明では、このようにして得られたポリマー
溶液に、工程(B) において、スルホン化剤を接触させて
溶液中のポリマーをスルホン化する。該スルホン化は、
通常、重合反応器から取り出したポリマー溶液をスルホ
ン化装置に導入して行うのがよい。ポリマーのスルホン
化は、ポリマー溶液にスルホン化剤を接触させることが
できる任意の方法で行うことができるが、特開昭62−
174205号公報、特開昭63−172703号公
報、特開平4−264107号公報、特開平2−294
305号公報、特開平3−14803号公報及び特開平
3−66706号公報などに記載の方法で行うのがよ
い。これらの公報に記載の内容は、本明細書の記載に含
まれるものとする。
【0010】具体的には、スルホン化装置にポリマー溶
液を導入し、ここにスルホン化剤を加え、攪拌しなが
ら、温度10〜80℃(好ましくは25〜50℃)で1
〜60分間(好ましくは1〜20分間)反応させる。こ
の際、ポリマー溶液に、ハロゲン化炭化水素溶媒を加え
て、又は加えることなく、ポリマーの濃度5〜20重量
%の溶液に、ポリマーの構成モノマー単位当たりモル比
で0.5〜2.0モル量、好ましくは0.7〜1.5のスルホン
化剤を使用する。ここで、スルホン化剤としては、無水
硫酸(液体又は気体)、無水硫酸含有ガス、発煙硫酸、
クロルスルホン酸などを用いることができるが、無水硫
酸又は無水硫酸含有ガスを用いるのが好ましい。本発明
のスルホン化を行うに当たり、ベンゼンスルホン酸やア
ルキルベンゼンスルホン酸など種々のスルホン化助剤を
添加することもできる。このようなスルホン化助剤は、
特開昭61−250003号公報、特開昭50−112
480号公報や特開平3−59005号公報などに記載
されている。
【0011】本発明では、次いで、工程(C) において、
得られたスルホン化ポリマー溶液を中和した後、水を加
えて静置するか、又は中和せずに水を加えて静置し、ス
ルホン化ポリマー又はその塩を水相に移行させ、該水相
とハロゲン化炭化水素溶媒相とを分離する。スルホン化
ポリマー溶液の中和は、所望とする塩を形成できるアル
カリ剤を用いて行うことができる。アルカリ剤として
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムやアルカリ土類
金属化合物などがあげられ、これらは水溶液としてスル
ホン化ポリマー溶液に添加するのがよい。中和により、
スルホン化ポリマーの塩が形成する。中和は、例えば、
特開昭52−33993号公報、特開昭63−1894
05号公報、特開平2−240116号公報及び特開平
2−296804号公報などに記載の方法で行うことが
できる。具体的には、濃度5〜15%の水酸化ナトリウ
ム水溶液を添加し、1〜2時間程度攪拌して中和するの
がよい。
【0012】ハロゲン化炭化水素溶媒とスルホン化ポリ
マー又はその塩の分離は、特開昭63−189404号
公報、特開平2−258802号公報及び特願平5−8
7218号明細書に記載の方法により行うことができ
る。これらの公報又は明細書の記載内容は、本明細書の
記載に含まれるものとする。具体的には、中和したスル
ホン化ポリマー溶液又は中和していないスルホン化ポリ
マー溶液に水を加えて静置し、スルホン化ポリマー又は
その塩を水相に移行させる。ここで、移行後の水相中の
スルホン化ポリマー又はその塩の濃度が10〜30重量
%程度となるようにスルホン化ポリマー溶液に水を添加
するのがよい。静置は、スルホン化ポリマー又はその塩
が水相に移行する限り、任意の時間及び温度で行うこと
ができるが、20〜60℃で30分〜4時間、好ましく
は1〜2時間とするのがよい。ハロゲン化炭化水素溶媒
としてジクロルエタンを用い、スルホン化ポリマー又は
その塩が、スルホン化ポリスチレン又はその塩の場合、
下層にジクロルエタンが、上層にスルホン化ポリスチレ
ン又はその塩の水溶液相が形成される。本発明では、ス
ルホン化ポリスチレンの水溶液相を取り出した後、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウムやアルカリ土類金属化合
物などアルカリ剤を添加して、スルホン化ポリスチレン
の塩として得ることもできる。
【0013】本発明では、工程(D) において、分離した
溶媒相にアルカリ剤を添加してpHを4〜10、好まし
くは4〜8.0に調整した後、蒸留によりハロゲン化炭化
水素溶媒を回収する。ここで、アルカリ剤としては、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウムやアルカリ土類金属化
合物などがあげられ、これらは水溶液として使用するの
が好ましい。又、本発明では、水分含量が10〜150
ppm のハロゲン化炭化水素溶媒を常圧蒸留や減圧蒸留な
どの蒸留又は/および精留塔による精留等により回収す
るのが好ましい。pHが4より低くなると溶媒を蒸留に
より回収する際、重合触媒や低スルホン化物等の酸性物
質が若干回収溶媒中に混入し、これを重合に再使用する
と一定の分子量の重合体が得られないという問題点が生
じる。一方、pHが10より高くなるとジクロエタン類
の分解が著しくなり好ましくない。本発明では、このよ
うにして回収したハロゲン化炭化水素溶媒を工程(A) の
モノマー重合工程に供給して、再度ハロゲン化炭化水素
溶媒として使用することができる。この際、回収するハ
ロゲン化炭化水素溶媒中の水分含量を重合時に存在させ
る水の量より少なく設定し、ハロゲン化炭化水素溶媒中
の水分含量が50〜1,000ppm となるように、適宜水
を添加するのがよい。一方、工程(C) において分離した
スルホン化ポリマー又はその塩の水溶液は、そのまま、
又は常法により濃縮して製品とすることができる。又、
フラッシングなどにより揮発分を除いて粉体とすること
もできる。
【0014】
【発明の効果】本発明の方法によれば、溶媒中で重合性
単量体の重合を行った後、バルクとして溶媒から取り出
さずに溶媒中にポリマーを溶解したまま続けて溶媒中の
重合体のスルホン化を行うので、作業効率が高いといっ
た工業上大きな利点がある。又、本発明の方法によれ
ば、ハロゲン化炭化水素溶媒を有効に再利用するととも
に、品質が一定で純度の高い水溶性スルホン化ポリマー
を高収率で製造することができる。次に本発明を実施例
により説明する。
【0015】
【実施例】
実施例1 (A)容量5リットルの四つ口フラスコに撹拌装置、温
度計、滴下漏斗、及びコンデンサを取り付けた。この反
応器に、1,2−ジクロルエタン(EDC)2Kgを仕
込み、さらに触媒として四塩化錫2g及び純水0.7g
を添加した。反応器内を撹拌しながらEDCの沸点まで
昇温し、滴下ロートを用いてスチレン2Kgを5時間か
けて滴下して重合を行った。さらに、四塩化錫4gを添
加し、さらに2時間撹拌し得られた重合液に2KgのE
DCを加え、さらに20gの水酸化カルシウムを加えて
1時間撹拌したのち、濾過することにより固形分を取り
除き、ポリスチレン溶液を得た。 (B)このポリスチレン溶液にEDCを8Kg加えて希
釈した。この原料溶液を無水硫酸とともにスルホン化反
応器に供給して、原料に対するスルホン化剤モル比1.
16、反応滞留時間10分、反応温度40℃の条件でス
ルホン化反応を行った。
【0016】(C)得られたスルホン化物にさらに水相
中のスルホン化物の濃度が20重量%になるように水を
加えて、スルホン化物を溶解し、分液漏斗に移して2時
間静置し、水相とハロゲン化炭化水素溶媒相に分離させ
た。 (D)次に、分離した下相であるハロゲン化炭化水素溶
媒相を抜き出し、5%NaOH水溶液1.7gを加えて
中和し、蒸留により40%、60%又は80%に濃縮し
たボトム液を得た。次にそれぞれに濃縮したボトム液を
さらに蒸留して蒸留EDCを生成した。 (E)得られた溶媒を反応溶媒として用い、上記と同様
の重合反応及びスルホン化反応を行い、分液漏斗の上相
部より取り出したスルホン化物を10%NaOH水溶液
で中和してポリスチレンスルホン酸Naを得た。溶媒回
収時の溶媒pH、スルホン化条件及び得られたポリスチ
レンスルホン酸Na(PSS−Na)の性状を表1に示
す(No1〜3)。また、工程(C)で分離した水相に含
まれるスルホン化物を10%NaOH水溶液で中和した
ときのポリスチレンスルホン酸Naの重量平均分子量は
13,200であった。
【0017】比較例1 実施例1において分離した下相を抜き出し、中和せずに
それぞれ60%、80%に濃縮したボトムの蒸留EDC
を用いた以外は、実施例と同様にしてポリスチレンスル
ホン酸Naを得た(No4及び5)。
【0018】
【表1】 表−1 ポリスチレンスルホン酸
Naの性状 NO. 1 2 3 4* * 溶媒pH ボトムEDC 7.0 5.0 4.0 2.9 2.4 回収EDC 6.5 6.1 5.1 3.5 3.0 スルホン化条件 SO3 モル比 1.16 1.15 1.10 1.15 1.10 温度(℃) 40 40 41 40 41 反応滞留時間(分) 10 5 15 5 15 PSS−Na 重量平均分子量 13000 13300 12900 8500 7000 収率(%) 99.9 99.9 99.9 99.9 99.9 No.4* と No.5* は、比較例である。
【0019】なお、溶媒のpHは、溶媒と同量の純水を
加え十分に撹拌して酸成分を水相に抽出し、水相のpH
を測定して求めた値である。PSS−Naの分子量の測
定は次の方法により行った。標準物質として、標準ポリ
スチレンスルホン酸ナトリウムを用い、分離カラムとし
て東ソー(株)製TSK G3000SW(7.5mm
ID×30cm)とTSK G4000SW(7.5m
mID×30cm)を使用し、紫外線検出器(測定波長
238nm)を用いてGPC法により求めた。なお、試
料中にスチレンスルホン酸塩が検出された場合は、スチ
レンスルホン酸塩を除外して、重量平均分子量を求め
た。
【0020】実施例2 (A)実施例1と同様の反応器に、1,2−ジクロルエ
タン(EDC)2Kgを仕込み、さらに触媒として四塩
化錫4g及び純水0.7gを添加した。反応器内を撹拌
しながら65℃まで昇温し、温度が65℃になるように
コントロールしながら滴下ロートを用いてスチレン2K
gを5時間かけて滴下して重合を行った。さらに、4時
間撹拌し得られた重合液に2KgのEDCを加え、さら
に10gの水酸化カルシウムを加えて1時間撹拌したの
ち、濾過することにより固形分を取り除き、ポリスチレ
ン溶液を得た。 (B)このポリスチレン溶液にEDCを12Kg加えて
希釈した。この原料溶液を無水硫酸とともにスルホン化
反応器に供給して、原料に対するスルホン化剤モル比
1.10、反応滞留時間5分、反応温度45℃の条件で
スルホン化反応を行った。
【0021】(C)得られたスルホン化物を5%NaO
H水溶液で水相のpHが中性になるように中和し、分液
漏斗に移して1時間静置し、水相とハロゲン化炭化水素
溶媒相に分離させた。 (D)次に、分離した下相であるハロゲン化炭化水素溶
媒相を抜き出し、5%NaOH水溶液1.2gを加えて
中和し、蒸留により各々40%、60%、80%に濃縮
したボトム液を得た。次にそれぞれに濃縮したボトム液
をさらに蒸留して蒸留EDCを生成した。 (E)得られた溶媒を反応溶媒として用い、上記と同様
の重合反応及びスルホン化反応を行い、分液漏斗の上相
部より取り出したスルホン化物を10%NaOH水溶液
で中和してポリスチレンスルホン酸Naを得た。溶媒回
収時の溶媒pH、スルホン化条件及び得られたポリスチ
レンスルホン酸Na(PSS−Na)の性状を表2に示
す(No6〜8)。また、工程(C)で分離した水相に含
まれるスルホン化物を10%NaOH水溶液で中和した
ときのポリスチレンスルホン酸Naの重量平均分子量は
26,000であった。
【0022】比較例2 実施例2において分離した下相を抜き出し、中和せずに
それぞれ60%、80%に濃縮したボトムの蒸留EDC
を用いた以外は、実施例2と同様にしてポリスチレンス
ルホン酸Naを得た(No9及び10)。
【0023】
【表2】 表−2 ポリスチレンスルホン酸
Naの性状 ───────────────────────────────────NO. 6 7 8 9* 10* 溶媒pH ボトムEDC 9.2 7.4 5.5 2.9 2.4 回収EDC 6.8 6.8 6.5 3.5 3.0 PSS−Na 重量平均分子量 26000 25600 25500 18200 14500 収率(%) 99.9 99.9 99.9 99.9 99.9 No.9*と No.10* は、比較例である。
【0024】実施例3 (A)実施例1と同様の反応器にEDCを2kg仕込
み、更に、スチレンモノマー1.0kgを添加した。更
に開始剤として過酸化ベンゾイル(BPO)を40g添
加し直ちに溶媒の沸点まで昇温し10時間かけて重合を
行った。重合終了後、減圧蒸留により未反応モノマーを
取り除き、EDCを加えてポリスチレンの濃度が8%に
なるようにポリスチレン溶液を調製した。 (B)原料に対するスルホン化剤のモル比を1.10、
反応滞留時間を5分、反応温度35℃の条件でスルホン
化反応を行った後、反応物を撹拌翼の付いた撹拌槽に滞
留時間30分になるように連続的に供給し、スルホン化
物を得た。
【0025】(C)得られたスルホン化物にさらに水相
中のスルホン化物の濃度が20重量%になるように水を
加えて、スルホン化物を溶解し、分液漏斗に移して2時
間静置し、水相とハロゲン化炭化水素溶媒相に分離させ
た。 (D)次に、分離した下相であるハロゲン化炭化水素溶
媒相を抜き出し、5%NaOH水溶液0.6gを加えて
中和し、蒸留により各々40%、60%、80%に濃縮
したボトム液を得た。次にそれぞれに濃縮したボトム液
をさらに蒸留して蒸留EDCを生成した。 (E)得られた溶媒を反応溶媒として用い、上記と同様
の重合反応及びスルホン化反応を行い、分液漏斗の上相
部より取り出したスルホン化物を10%NaOH水溶液
で中和してポリスチレンスルホン酸Naを得た。溶媒回
収時の溶媒pH、スルホン化条件及び得られたポリスチ
レンスルホン酸Na(PSS−Na)の性状を表3に示
す(No11〜13)。また、工程(C)で分離した水相に含
まれるスルホン化物を10%NaOH水溶液で中和した
ときのポリスチレンスルホン酸Naの重量平均分子量は
28,000であった。
【0026】比較例3 実施例3において分離した下相を抜き出し、中和せずに
それぞれ60%、80%に濃縮したボトムの蒸留EDC
を用いた以外は、実施例3と同様にしてポリスチレンス
ルホン酸Naを得た(No14及び15)。
【0027】
【表3】 表−3 ポリスチレンスルホン酸
Naの性状 ───────────────────────────────────NO. 11 12 13 14* 15* 溶媒pH ボトムEDC 7.0 5.0 4.0 2.8 2.3 回収EDC 6.6 6.1 5.0 3.4 2.9 PSS−Na 重量平均分子量 28000 27000 27000 19000 13000 収率(%) 99.8 99.8 99.9 99.9 99.9 No.14* と No.15* は、比較例である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 剛 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライ オン株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−264107(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 8/34 - 8/38 C08F 12/30

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A) 重合性モノマーをハロゲン化炭化水
    素溶媒中で重合してポリマーを製造した後、固形分を除
    去し又は除去せずにポリマーが溶解した溶液を得る工
    程、(B) 得られたポリマー溶液にスルホン化剤を接触さ
    せて溶液中のポリマーをスルホン化する工程、(C) 得ら
    れたスルホン化ポリマー溶液を中和し、または中和せず
    に、水を加えて静置し、スルホン化ポリマー又はその塩
    を水相に移行させ、該水相とハロゲン化炭化水素溶媒相
    とを分離する工程、(D) 分離した溶媒相のpHを4〜1
    0に調整した後、蒸留してハロゲン化炭化水素溶媒を回
    収する工程、及び(E) 回収した溶媒を工程(A) に供給し
    て再使用する工程、を採用することを特徴とする水溶性
    スルホン化ポリマーの一貫製造方法。
  2. 【請求項2】 ハロゲン化炭化水素溶媒が、ジクロルエ
    タンである請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 重合性モノマーが芳香族ビニルモノマー
    である請求項1又は2記載の方法。
  4. 【請求項4】 重合性モノマーがスチレンである請求項
    3記載の方法。
  5. 【請求項5】 工程(A) におけるモノマーの重合が、触
    媒としてルイス酸を用いるカチオン重合であり、工程
    (A) におけるハロゲン化炭化水素溶媒に存在する水が5
    0〜1000ppm であり、かつ工程(D) で回収される同
    溶媒に含有される水が、工程(A) で存在する水の量より
    も少ないことを特徴とする請求項1記載の方法。
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