JP2001139544A - プロスタグランジン誘導体 - Google Patents

プロスタグランジン誘導体

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JP2001139544A
JP2001139544A JP32288199A JP32288199A JP2001139544A JP 2001139544 A JP2001139544 A JP 2001139544A JP 32288199 A JP32288199 A JP 32288199A JP 32288199 A JP32288199 A JP 32288199A JP 2001139544 A JP2001139544 A JP 2001139544A
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cycloalkyl
compound
alkyl
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JP32288199A
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English (en)
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Fumie Satou
史衛 佐藤
Tooru Tanami
亨 田名見
Hideo Tanaka
英雄 田中
Naoya Ono
直哉 小野
Shin Yagi
慎 八木
Hitomi Hirano
仁美 平野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taisho Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Taisho Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、優れた血管平滑筋増殖抑制作
用を有する新規PG誘導体を提供することにある。 【解決手段】式 【化1】 (式中、Xはハロゲン原子を示し、YおよびZは同一又
は異なって、エチレン基、ビニレン基又はエチニレン基
を示し、R1は水素原子、C3-10のシクロアルキル基、
1-4のアルキル基で置換されたC3-10のシクロアルキ
ル基、C3-10のシクロアルキル基で置換されたC1-4
アルキル基、C1-10のアルキル基、C2-10のアルケニル
基、C2-10のアルキニル基を示し、R2は水素原子、C
1-10のアルキル基又はC3-10のシクロアルキル基を示
し、mは0〜5の整数を示す。)で表されるプロスタグ
ランジン誘導体、その製剤学的に許容される塩又はその
水和物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なプロスタグラ
ンジン誘導体、その製剤学的に許容される塩又はその水
和物に関する。
【0002】
【従来の技術】プロスタグランジン(以下PGと称す
る)は微量で種々の重要な生理作用を発揮することか
ら、医薬への応用を意図して夥しい数のPG誘導体の合
成および生物活性の検討が行われ、多数の文献をはじ
め、例えば特開昭52−100446号公報、米国特許
第4,131,738号などで報告されている。
【0003】PGおよびその誘導体の生理作用として
は、血管拡張作用、起炎作用、血小板凝集抑制作用、子
宮筋収縮作用、腸管収縮作用、眼圧下降作用などが挙げ
られ、心筋梗塞、狭心症、動脈硬化、高血圧症、十二指
腸潰瘍などの治療又は予防、さらには分娩誘発、中絶等
に有用である。
【0004】一方、経皮的冠動脈形成術(PTCA)
は、虚血性心疾患の治療法として、患者への侵襲度が低
く優秀な初期治療効果があることから、近年急速に進展
してきた術法である。しかしながら、PTCA後数カ月
のうちに冠動脈の再狭窄が30〜40%の頻度で出現す
る欠点が未解決のままである。
【0005】再狭窄発生に強く関与している血管平滑筋
細胞の内膜から中膜への遊走、中膜での増殖を抑制する
化合物が再狭窄防止の薬剤として強く期待されている
が、未だ臨床上有用な薬剤は見い出されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、PT
CA後の再狭窄等の疾患の予防又は治療薬として強く期
待される、優れた血管平滑筋増殖抑制作用を有する新規
なPG誘導体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
進めた結果、下記式(I)で表される新規プロスタグラ
ンジン誘導体が、上記目的を達成できることを見出し、
本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は、式(I)
【0009】
【化2】
【0010】(式中、Xはハロゲン原子を示し、Yおよ
びZは同一又は異なって、エチレン基、ビニレン基又は
エチニレン基を示し、R1は水素原子、C3-10のシクロ
アルキル基、C1-4のアルキル基で置換されたC3-10
シクロアルキル基、C3-10のシクロアルキル基で置換さ
れたC1-4のアルキル基、C1-10のアルキル基、C2-10
のアルケニル基、C2-10のアルキニル基を示し、R2
水素原子、C1-10のアルキル基又はC3-10のシクロアル
キル基を示し、mは0〜5の整数を示す。)で表される
プロスタグランジン誘導体、その製剤学的に許容される
塩又はその水和物である。また、本発明は一般式(I)
に示されるプロスタグランジン誘導体、その製剤学的に
許容される塩又はその水和物を含有することを特徴とす
る医薬組成物である。
【0011】本発明において、ビニレン基とはシス又は
トランスビニレン基である。
【0012】C1-10のアルキル基とは、直鎖又は分枝鎖
状のアルキル基を意味し、例えばメチル基、エチル基、
プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル
基、tert−ブチル基、ペンチル基、2−エチルプロ
ピル基、ヘキシル基、オクチル基、デカニル基などを挙
げることができる。
【0013】C2-10のアルケニル基とは、直鎖又は分枝
鎖状のアルケニル基を意味し、例えばビニル基、アリル
基、3−ペンテニル基、4−ヘキシニル基、5−ヘプテ
ニル基、4−メチル−3−ペンテニル基、2,4−ジメ
チルペンテニル基、6−メチル−5−ヘプテニル基、
2,6−ジメチル−5−ヘプテニル基などを挙げること
ができる。
【0014】C3-10のシクロアルキル基の例としては、
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル
基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などを挙げる
ことができる。
【0015】C1-4のアルキル基で置換されたC3-10
シクロアルキル基の例としては、メチルシクロプロピル
基、メチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基
などを挙げることができる。
【0016】C3-10のシクロアルキル基で置換されたC
1-4のアルキル基の例としては、シクロプロピルメチル
基、シクロブチルメチル基、シクロペンチルメチル基、
シクロペンチルエチル基、シクロヘキシルメチル基、シ
クロヘキシルエチル基、シクロへプチルメチル基などを
挙げることができる。
【0017】製剤学的に許容される塩の例としては、ナ
トリウム、カリウムなどのアルカリ金属との塩、カルシ
ウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属との塩、ア
ンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、シクロペン
チルアミン、ベンジルアミン、ピペリジン、モノエタノ
ールアミン、ジエタノールアミン、モノメチルモノエタ
ノールアミン、トロメタミン、リジン、テトラアルキル
アンモニウム、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタ
ンなどとの塩を挙げることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】式(I)の化合物は、例えば以下
の反応式に要約する方法により製造できる。
【0019】
【化3】
【0020】
【化4】
【0021】(反応式中、Y’はエチレン基又はビニレ
ン基を示し、Etはエチル基を示し、TBSはtert
−ブチルジメチルシリル基を示し、R3はC1-10のアル
キル基又はC3-10のシクロアルキル基を示し、X、Y、
Z、R1、mは前記と同意義である。) 上記反応式を説明すると、 (1)まず、佐藤らの方法[ジャーナル・オブ・オーガ
ニック・ケミストリー(J.Org.Chem.),第
53巻、第5590ページ(1988年)]により公知
の式(II)の化合物に、Skotnickiらの方法
[ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー
(J.Med.Chem.),第20巻、第1042ペ
ージ(1977)]に準じて得られる化合物を用いて調
製できる式(III)又は式(III’)で表される化
合物0.8〜2.0当量を−78〜30℃で不活性溶媒
(例えば、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、
ジエチルエーテル、塩化メチレン、n−ヘキサンなど)
中で反応させることにより立体特異的に式(IV)の化
合物を得る。ここで、Yがエチレン基又はビニレン基の
化合物(即ちYがY’である化合物)を得るには式(I
II)の化合物を用い−78〜0℃で、Yがエチニレン
基の化合物を得るには式(III’)の化合物を用い0
〜30℃で反応させる。
【0022】(2)式(IV)の化合物を式(V)で表
される有機銅化合物0.5〜4当量とトリメチルクロロ
シラン0.5〜4当量とを不活性溶媒(例えばベンゼ
ン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテ
ル、塩化メチレン、n−ヘキサン、n−ペンタンなど)
中、−78〜40℃で反応させ、さらに無機酸(例えば
塩酸、硫酸、硝酸など)又は有機酸(例えば酢酸、p−
トルエンスルホン酸など)もしくはそのアミン塩(例え
ばp−トルエンスルホン酸ピリジン塩など)を用い、有
機溶媒(例えばアセトン、メタノール、エタノール、イ
ソプロパノール、ジエチルエーテルあるいはこれらの混
合溶媒など)中、0〜40℃にて加水分解することによ
り、式(VI)の化合物を得る。
【0023】(3)式(VI)の化合物を水素化ホウ素
カリウム、水素化ホウ素ナトリウム、リチウム トリシ
アノボロヒドリド、リチウム トリsec−ブチルボロ
ヒドリドなどの還元剤0.5〜5当量を有機溶媒(例え
ば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチルア
ルコール、メチルアルコールなど)中、−78〜40℃
で反応させ、式(VII)および式(VII’)の化合
物を得る。これらの式(VII)および式(VII’)
の化合物はカラムクロマトグラフィーなど通常用いられ
る分離法にて精製することができる。
【0024】(4)式(VII)(又は式(VI
I’))の化合物を、例えばメタンスルホニルクロリド
あるいはp−トルエンスルホニルクロリド1〜6当量を
ピリジンなどの適当な溶媒中、必要に応じて0.8〜6
当量の4−ジメチルアミノピリジン存在下、−20〜4
0℃でメシル化あるいはトシル化した後、テトラ−n−
ブチルアンモニウムクロリド1〜16当量でクロル化し
式(VIII)(又は式(VIII’))の化合物(X
は塩素原子)を得る。ここでブロム化、フッ素化も通常
の方法で行うことができる。例えば、ブロム化は、1〜
10当量の四臭化炭素を用い、トリフェニルホスフィン
1〜10当量およびピリジン1〜10当量の存在下、ア
セトニトリル中反応させることにより得られる。フッ素
化は例えば、塩化メチレン中、ジエチルアミノサルファ
ートリフロリド(DAST)5〜20当量を反応させる
ことにより得られる。
【0025】(5)式(VIII)(又は式(VII
I’))の化合物をフッ化水素酸、ピリジニウム ポリ
(ハイドロゲンフロリド)、塩酸などを用い通常行われ
る条件にて、メタノール、エタノール、アセトニトリル
あるいはこれらの混合溶媒又は、これらと水との混合溶
媒中、水酸基の保護基であるtert−ブチルジメチル
シリル基をはずし、式(I)において、R1が水素原子
以外の基である本発明に係わるの式(Ia)(又は式
(Ia’))のPG誘導体を得る。
【0026】(6)式(Ia)(又は式(Ia’))の
化合物を1〜6当量の塩基を用い、通常加水分解に用い
られる溶媒中にて加水分解することにより、本発明に係
わる式(Ib)(又は式(Ib’))のPG誘導体を得
る。塩基としては、水酸化リチウム、炭酸カリウムなど
が例示され、溶媒としては、アセトニトリル、アセト
ン、メタノール、エタノール、水あるいはこれらの混合
溶媒などが例示される。
【0027】また、式(Ia)(又は式(Ia’))の
化合物をリン酸緩衝液、トリス−塩酸緩衝液などの緩衝
液中、必要に応じて有機溶媒(アセトン、メタノール、
エタノールなどの水と混和するもの)を用いて酵素と反
応させることにより加水分解することにより、本発明に
係わるPG誘導体、式(Ib)(又は式(Ib’))を
得る。酵素としては、微生物が生産する酵素(例えば、
キャンディダ属、シュードモナス属に属する微生物が生
産する酵素)、動物の臓器から調製される酵素(例え
ば、ブタ肝臓やブタ膵臓より調製される酵素)などであ
り、市販の酵素で具体例を挙げると、リパーゼVII
(シグマ社製、キャンディダ属の微生物由来)、リパー
ゼAY(天野製薬製、キャンディダ属の微生物由来)、
リパーゼPS(天野製薬製、シュードモナス属の微生物
由来)、リパーゼMF(天野製薬製、シュードモナス属
の微生物由来)、PLE(シグマ社製、ブタ肝臓より調
製)、リパーゼII(シグマ社製、ブタ膵臓より調
製)、リポプロテインリパーゼ(東京化成工業社製、ブ
タ膵臓より調製)などである。
【0028】酵素の使用量は、酵素の力価および基質
[式(Ia)の化合物]の量に応じて適宜選択すればよ
いが、通常は基質の0.1〜20倍重量部である。反応
温度は、25〜50℃、好ましくは30〜40℃であ
る。
【0029】Morisakiらの方法(Atherosclero
sis, 73,1988,P67)に準じてヒト血管平滑筋細胞に対
するDNA合成阻害活性を測定することにより血管平滑
筋細胞増殖抑制作用を調べたところ、本発明の化合物に
優れた血管平滑筋細胞の増殖抑制が認められた。
【0030】本発明の化合物は、全身的又は局所的に経
口又は直腸内、皮下、筋肉内、静脈内経皮等の非経口的
に投与されるが、好ましくは経口投与又は静脈内投与に
よるのが良い。これらは、例えば、通常の方法により製
造することができる錠剤、粉剤、顆粒剤、散剤、カプセ
ル剤、液剤、乳剤、懸濁剤等の形で経口投与することが
できる。静脈内投与の製剤としては、水性又は非水性溶
液剤、乳剤、懸濁剤、使用直前に注射溶媒に溶解して使
用する固形製剤等を用いることができる。また、本発明
の化合物は、α、βもしくはγ−シクロデキストリン又
はメチル化シクロデキストリン等と包接化合物を形成さ
せて製剤化することもできる。更に、その水性又は非水
性溶液剤、乳剤、懸濁剤等を注射等により投与すること
ができる。投与量は年齢、体重等により異なるが、成人
に対し1ng〜1mg/日であり、これを1日1回又は
数回に分けて投与する。
【0031】本発明に係る代表的な式(I)の化合物と
しては下記を挙げることができる。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】本発明により、優れた血管平滑筋細胞の
増殖抑制作用を示すPG誘導体の提供が可能となり、血
管の肥厚(例えば経皮的冠動脈形成術後の再狭窄の原
因)、閉塞の抑制剤あるいは血管肥厚、閉塞の予防、治
療剤として有用である。
【0035】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの記載によってなんら制限
されるものではない。
【0036】実施例1 (16RS)−9,15−ジデオキシ−9β−クロロ−
16−ヒドロキシ−17,17−トリメチレン−PGF
1α メチルエステル(化合物17) (1)アルゴン気流下、(1E,4RS)−1−ヨード
−4−(tert−ブチルジメチルシロキシ)−5,5
−トリメチレン−1−オクテン(11.94g)のジエ
チルエーテル(117ml)溶液に、−78℃でter
t−ブチルリチウム(2.13M、ペンタン溶液、2
7.5ml)を加え、同温度で30分間撹拌した。この
溶液に、−78℃でリチウム 2−チエニルシアノキュ
ープレート(0.25M、テトラヒドロフラン溶液、1
40.3ml)を加え、同温度で20分間撹拌した。こ
の溶液に、−78℃で(4R)−2−(N,N−ジエチ
ルアミノ)メチル−4−(tert−ブチルジメチルシ
ロキシ)シクロペント−2−エン−1−オン(0.25
M、ジエチルエーテル溶液、117ml)を滴下し、約
1時間かけて0℃まで昇温した。反応液をヘキサン(3
00ml)−飽和塩化アンモニウム水溶液(300m
l)の混合液に撹拌しながら注いだ後、有機層を分離
し、水層をヘキサン(150ml)で抽出した。得られ
た有機層を合わせて無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過
した。濾液を減圧下濃縮して得られた粗生成物をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:
酢酸エチル=49:1)で精製して、(3R,4R)−
2−メチレン−3−[(1E,4RS)−4−tert
−ブチルジメチルシロキシ−5,5−トリメチレンオク
ト−1−エニル]−4−(tert−ブチルジメチルシ
ロキシ)シクロペンタン−1−オン(9.28g)を得
た。
【0037】1H−NMR(CDCl3,200MHz)
δppm;0.05(s,9H),0.06(s,3
H),0.70−1.10(m,3H),0.87
(s,9H),0.91 and 0.92(2S,9
H),1.15−2.52(m,13H),2.63
(dd,J=17.9,6.3Hz,1H),3.18
−3.31(m,1H),3.52−3.62(m,1
H),3.98−4.12(m,1H),5.18−
5.38(m,2H),5.54−5.79(m,1
H),6.07−6.13(m,1H) IR(neat):2957,2930,2897,2
858,1734,1643,1472,1362,1
256,1090,1007,972,939,83
7,812,776,670 cm-1
【0038】(2)アルゴン気流下、−70℃におい
て、5−メトキシカルボニルペンチル亜鉛(II)ヨージ
ド(0.77M、テトラヒドロフラン溶液、33.6m
l)にシアン化銅(I)・2塩化リチウム(1.0M、
テトラヒドロフラン溶液、27.6ml)を加え、同温
度で20分間撹拌した。この溶液に−70℃で上記
(1)で得た化合物(0.25M、ジエチルエーテル溶
液、69.2ml)とクロロトリメチルシラン(3.8
ml)を加え、撹拌しながら約2時間かけて0℃まで昇
温した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、
ヘキサン抽出した。有機層を飽和重曹水および飽和食塩
水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した。
濾液を濃縮して得られた残渣をジエチルエーテル(3.
5ml)−イソプロピルアルコール(13.8ml)に
溶解し、ピリジニウム p−トルエンスルホネート(1
00mg)を加え、室温で一夜撹拌した。反応液にヘキ
サン(150ml)を加え、飽和重曹水および飽和食塩
水で洗浄後、乾燥、濾過、濃縮して得られた粗生成物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキ
サン:酢酸エチル=49:1〜9:1)で精製して、
(16RS)−15−デオキシ−16−ヒドロキシ−1
7,17−トリメチレン−PGE1 メチルエステル1
1,16−ビス(tert−ブチルジメチルシリル エ
ーテル)(7.56g)を得た。
【0039】1H−NMR(CDCl3,200MHz)
δppm;0.02(s,3H),0.05(s,3
H),0.06(s,3H),0.07(s,3H),
0.70−1.00(m,3H),0.89(s,9
H),0.92 and 0.93(2s,9H),
1.10−2.50(m,27H),2.51−2.6
8(m,1H),3.55−3.64(m,1H),
3.68(s,3H),3.92−4.06(m,1
H),5.23−5.39(m,1H),5.53−
5.74(m,1H) IR(neat):2955,2931,2857,1
746,1606,1464,1436,1361,1
256,1159,1098,1007,973,93
9,837,775,670 cm-1
【0040】(3)(2)で得た化合物(3.0g)の
テトラヒドロフラン(24ml)溶液に、−78℃でト
リsec-ブチルボロヒド(1.0M、テトラヒドロフラン
溶液、5.7ml)を滴下し、同温度で20分間撹拌し
た後、過酸化水素水(30%水溶液、5.7ml)を同
温度で加えた。反応液を飽和塩化アンモニウム水溶液に
加え、酢酸エチル抽出した。有機層を塩化アンモニウム
水溶液、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥、濾過した。濾液を減圧濃縮し、得られた粗生
成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶
媒;n−ヘキサン:酢酸エチル=9:1〜3:2)で精
製して、(16RS)−15−デオキシ−16−ヒドロ
キシ−17,17−トリメチレン−PGF1α メチル
エステル 11,16−ビス(tert−ブチルジメチ
ルシリル エーテル)(1.19g)を得た。
【0041】1H−NMR(CDCl3,200MHz)
δppm;0.05(2s,9H),0.06(s,3
H),0.82−1.02(m,3H),1.17−
2.36(m,26H),2.30(t,J=7.5H
z,2H),2.64(d,J=9.7Hz,1H),
3.51−3.60(m,1H),3.66(s,3
H),3.94−4.19(m,2H),5.11−
5.59(m,2H) IR(neat);3523,2954,2930,2
856,1743,1463,1435,1361,1
255,1171,1084,1006,971,93
8,836,774,666 cm-1
【0042】(4)(3)で得た化合物(1.19g)
のピリジン(9.3ml)溶液に、0℃でメタンスルホ
ニルクロリド(0.63ml)を加え、室温にて2時間
撹拌した。この溶液にテトラn−ブチルアンモニウムク
ロリド(2.07g)のトルエン(9.3ml)溶液を
加え、50℃で一夜撹拌した。これに水を加え、n−ヘ
キサン抽出し、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥、濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた粗
生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶
媒;n−ヘキサン:酢酸エチル=15:1)で精製し
て、(16RS)−9,15−ジデオキシ−9β−クロ
ロ−16−ヒドロキシ−17,17−トリメチレン−P
GF1α メチルエステル 11,16−ビス(ter
t−ブチルジメチルシリル エーテル)(1.03g)
を得た。
【0043】1H−NMR(CDCl3,200MHz)
δppm;0.02 and 0.03(2s,6
H),0.05(s,3H),0.06(s,3H),
0.78−0.99(m,3H),0.86(s,9
H),0.91(s,9H),1.14−2.36
(m,26H),2.30(t,J=7.6Hz,2
H),3.56(t,J=5.1Hz,1H),3.6
7(s,3H),3.91−4.15(m,2H),
5.06−5.67(m,2H) IR(neat);2954,2930,2856,1
745,1463,1436,1361,1255,1
196,1170,1084,1006,972,93
8,836,774,670 cm-1
【0044】(5)(4)で得た化合物(1.03g)
のメチルアルコール(31ml)溶液に、室温で濃塩酸
(0.16ml)を加え、5時間撹拌した。反応液を酢
酸エチルと飽和重曹水に加え、有機層を分離した。水層
を酢酸エチル抽出し、有機層を合わせて、飽和重曹水で
洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した。濾液を
減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(展開溶媒;n−ヘキサン:酢酸エチル
=3:1〜2:1)で精製して、標記化合物(537m
g)を得た。
【0045】1H−NMR(CDCl3,200MHz)
δppm;0.94(t,J=6.8Hz,3H),
1.21−2.38(m,28H),2.31(t,J
=7.4Hz,2H),3.46−3.62(m,1
H),3.67(s,3H),3.93−4.23
(m,2H),5.26−5.72(m,2H) IR(neat);3368,2930,2857,1
740,1436,1200,1173,1071,9
68,870,728 cm-1
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 英雄 東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正製 薬株式会社内 (72)発明者 小野 直哉 東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正製 薬株式会社内 (72)発明者 八木 慎 東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正製 薬株式会社内 (72)発明者 平野 仁美 東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正製 薬株式会社内 Fターム(参考) 4C086 AA03 DA02 NA14 ZC20 4H006 AA01 AB23 UE14 UE31 UE32 UE52 UE58

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式 【化1】 (式中、Xはハロゲン原子を示し、YおよびZは同一又
    は異なって、エチレン基、ビニレン基又はエチニレン基
    を示し、R1は水素原子、C3-10のシクロアルキル基、
    1-4のアルキル基で置換されたC3-10のシクロアルキ
    ル基、C3-10のシクロアルキル基で置換されたC1-4
    アルキル基、C1-10のアルキル基、C2-10のアルケニル
    基、C2-10のアルキニル基を示し、R2は水素原子、C
    1-10のアルキル基又はC3-10のシクロアルキル基を示
    し、mは0〜5の整数を示す。)で表されるプロスタグ
    ランジン誘導体、その製剤学的に許容される塩又はその
    水和物。
  2. 【請求項2】式(I)において、Xがフッ素原子、塩素
    原子又は臭素原子である請求項1に記載のプロスタグラ
    ンジン誘導体、その製剤学的に許容される塩又はその水
    和物。
  3. 【請求項3】式(I)において、mが1〜3の整数であ
    る請求項1又は2に記載のプロスタグランジン誘導体、
    その製剤学的に許容される塩又はその水和物。
  4. 【請求項4】式(I)において、Yがビニレン基である
    請求項1〜3のいずれかに記載のプロスタグランジン誘
    導体、その製剤学的に許容される塩又はその水和物。
  5. 【請求項5】式(I)において、Yがエチニレン基であ
    る請求項1〜3のいずれかに記載のプロスタグランジン
    誘導体、その製剤学的に許容される塩又はその水和物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6710072B2 (en) * 2001-11-05 2004-03-23 Allergan, Inc. Ω-cycloalkyl 17-heteroaryl prostaglandin E2 analogs as EP2-receptor agonists

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6710072B2 (en) * 2001-11-05 2004-03-23 Allergan, Inc. Ω-cycloalkyl 17-heteroaryl prostaglandin E2 analogs as EP2-receptor agonists
US7022726B2 (en) 2001-11-05 2006-04-04 Allergan, Inc. ω-cycloalkyl 17-heteroaryl prostaglandin E2 analogs as EP2-receptor agonists
US7223746B2 (en) 2001-11-05 2007-05-29 Allergan, Inc. Omega cycloalkyl 17-heteroaryl prostaglandin E2 analogs as EP2-receptor agonists
US7514462B2 (en) 2001-11-05 2009-04-07 Allergan, Inc. ω-Cycloalkyl 17-heteroaryl prostaglandin E2 analogs as EP2-receptor agonists

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