JP2001139324A - ベータ型バインダーレスゼオライト成型体およびその製造方法 - Google Patents
ベータ型バインダーレスゼオライト成型体およびその製造方法Info
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Abstract
インダーレスゼオライト成型体を提供することにある。 【解決手段】 下記式(1) Si1(TEA)xM1 yM2 z・・・(1) (式中、TEAはテトラエチルアンモニウム、M1はア
ルカリ金属、M2はメタロシリケート結晶骨格に組み込
まれる金属元素を表し、xは0.005〜1、yは0.
0001〜1、zは0.0005〜0.4の範囲を表わ
す。)で表されるゼオライト前駆体を、80〜260℃
の飽和水蒸気と接触させることを特徴とする。
Description
ーレスゼオライト成型体、およびベータ型バインダーレ
スゼオライト成型体の製造方法に関するものである。ベ
ータ型ゼオライトは、国際ゼオライト学会による構造を
示すコードで言う「BEA型」ゼオライトを意味するも
のである。
08,069号明細書で初めて開示された12員環細孔
を有する結晶性アルミノシリケートに代表される結晶性
メタロシリケートである。ゼオライト結晶骨格を構成す
る金属成分(以下T原子と呼ぶことがある)が、ケイ素
とアルミニウムとからなる結晶性アルミノシリケート
は、主にその酸性質を制御する目的で結晶格子内Al3+
カチオンを他の金属イオンで置換することが広く行われ
ており、一般に、同構造のアルミニウムを含まないシリ
カライトやアルミニウムが他の金属イオンに置換された
結晶性メタロシリケートを含めてベータ型ゼオライトと
言われているベータ型結晶性メタロシリケートを合成す
る方法としては、従来、テンプレート剤としてテトラエ
チルアンモニウムイオンを用いた水性反応スラリーを原
料としたいわゆる水熱反応法が知られている。しかしな
がら、従来の水熱合成法では加熱時に原料成分の一部は
水に溶解するため、結晶へ転化する成分の割合は必然的
に低下するため収率が低い。また、アルカリ成分が希釈
されるため結晶化時間が非常に長くなり、このような緩
慢な結晶化の方法では、大型の結晶が成長しやすい。し
かもケイ素(Si)以外の異質な金属成分(M)は結晶
格子外に排除されやすいため、水性スラリー中でのSi
/M(Mは、ケイ素以外のT原子を表す)の原子比と、
合成されたベータ型ゼオライトでのSi/Mの原子比と
が必ずしも一致しなくなる問題点を生じる。さらに、工
業的には、水性スラリーを加熱するため生成結晶の重量
に対して比較的大きな容積の密閉容器を必要とするこ
と、高価なテンプレート剤を多量に使用する必要がある
こと、多量の廃液の発生、ゼオライト粉体のロ過、焼成
工程が煩雑である等の問題点を有している。
合には、ゼオライト単独での成型性が悪いため、まず水
熱合成法によってゼオライト粉体を合成した後、無機バ
インダーを使用して成型する必要があった。この方法で
は、使用用途に悪影響を及ぼさないバインダーを選択す
る必要があり、また充分な強度を得るためには多量の無
機バインダーを必要とするため成型体中のゼオライト含
有率が低くなるだけでなく、バインダー内に埋没したゼ
オライトの有効利用ができなくなるという問題点があ
る。
イト成型体を製造する方法も提案されている。例えば、
特開平11−165074号明細書では、テトラエチル
オルトシリケート、テトラエチルオルトチタネートおよ
び水酸化テトラプロピルアンモニウムからなる水性ゲル
をシリカ担体に担持した後、加圧下水蒸気処理すること
によってMFI型結晶性チタノシリケートを担体上に結
晶化させている。この方法では、担体に担持できるほど
充分な流動性を持つ低濃度の水性ゲルを使用する必要が
あるため、担体への担持量が極めて低い。すなわち、こ
の方法で得られる担持型ゼオライト成型体は、ゼオライ
ト含有率が極めて低いという問題点を有している。
ルミノシリケート成型体を製造する方法がいくつか提案
されており、例えば、特開昭59−162952(TS
Z型アルミノシリケート)、特開昭61−72620
(MOR型アルミノシリケート)や特開昭62−138
320(FAU型アルミノシリケート)などの、限定さ
れた数種の結晶型バインダーレスアルミノシリケート成
型体が知られている。しかしながら、バインダーレスベ
ータ型アルミノシリケート成型体については全く知られ
ていなかった。
た結晶性アルミノシリケート粉体を二次原料として用
い、これを粘土系鉱物あるいはシリカアルミナゾル等の
無機バインダーで成型したものをアルカリ溶液と反応さ
せることによってバインダーを結晶性アルミノシリケー
トに転化させるため、実質的に二度の水熱合成を必要と
する。このため、工程が長くなる点や、廃液量が増大す
る等の点で問題がある。
実質的にケイ素のみからなるバインダーレスシリカライ
ト成型体や、アルミニウム以外の他のT原子からなるバ
インダーレス結晶性メタロシリケート成型体を合成する
方法は知られていなかった。
ないベータ型バインダーレスゼオライト成型体およびそ
の簡便で効率的な製法は知られていなかった。
は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、無機バ
インダーを含有することなく、実質的にゼオライト結晶
のみからなるベータ型バインダーレスゼオライト成型体
を提供することにある。
用しないベータ型ゼオライト成型体の簡便で効率良い製
造方法を提供することにある。
インダーレスゼオライト成型体について鋭意検討した結
果、例えば、シリカ成型体にテトラエチルアンモニウム
成分、アルカリ金属成分および他の金属成分を併せて担
持させた後に、特定の条件で飽和水蒸気と接触させる方
法により、シリカ成型体の形状を保ったまま全量のシリ
カ成分を結晶化させ、同時に該金属成分をT原子として
取り込んだ本質的にバインダーを含有しないベータ型バ
インダーレスゼオライト成型体が簡便に収率良く製造で
きることを見出し、本発明を完成するに至った。
イト成型体であって、該ゼオライトがベータ型結晶構造
を有することを特徴とするバインダーレスゼオライト成
型体に関する。
例えば、BET法による窒素吸着測定から求めた比表面
積が300m2/g〜950m2/gであるバインダーレ
スゼオライト成型体である。
例えば、水銀圧入法により求めた細孔径が4nm以上の
細孔を有し、該細孔の表面積が2m2/g〜200m2/
gであって、かつ前記細孔の細孔容積が0.10ml/
g〜1.5ml/gであるバインダーレスゼオライト成
型体である。
ルカリ金属、M2はメタロシリケート結晶骨格に組み込
まれる金属元素を表し、xは0.005〜1、yは0.
0001〜1、zは0.0005〜0.4の範囲を表わ
す。)で表されるゼオライト前駆体を、80〜260℃
の飽和水蒸気と接触させることを特徴とするバインダー
レスゼオライト成型体の製造方法に関する。
ンモニウム成分とアルカリ金属成分と、メタロシリケー
ト結晶骨格に組み込まれる金属成分とを含む原料物質
を、シリカ成型体に担持してなるゼオライト前駆体であ
ることが好ましいものである。
する。
の製造方法に用いられるゼオライト前駆体は、下記式
(1) Si1(TEA)xM1 yM2 z ・・・(1) (式中、TEAはテトラエチルアンモニウム、M1はア
ルカリ金属、M2はメタロシリケート結晶骨格に組み込
まれる金属元素を表し、xは0.005〜1、yは0.
0001〜1、zは0.0005〜0.4の範囲を表わ
す。)で表わされる組成であれば特に限定されない。前
記式(1)中、M1はリチウム、ナトリウム、カリウム
などのアルカリ金属を表し、M2はメタロシリケート結
晶骨格に組み込まれる金属元素、例えば、ホウ素、アル
ミニウム、チタン、鉄、亜鉛、ガリウムおよびインジウ
ムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を表わ
す。さらに前記式(1)において、xが0.001〜
1、yが0.0001〜1、zが0.0005〜0.3
の範囲の組成であることが好ましく、さらに前記式
(1)において、xが0.002〜0.8、yが0.0
002〜0.5、zが0.001〜0.2の範囲の組成
であることがさらに好ましい。
特に限定されないが、テトラエチルアンモニウム成分と
アルカリ金属成分と、所望に応じて担持するメタロシリ
ケート結晶骨格に組み込まれる1以上の金属成分とを含
む原料物質を、シリカ成型体に担持する方法が好適であ
る。
ンモニウム成分とアルカリ金属成分を担持した場合に
は、ケイ素のみのT原子からなるバインダーレスベータ
型シリカライト成型体を製造することができ、該二つの
成分に加えてホウ素、アルミニウム、チタン、鉄、亜
鉛、ガリウムおよびインジウムからなる群より選ばれる
少なくとも1種の金属成分を担持した場合には、これが
T原子として取り込まれたベータ型バインダーレス結晶
性メタロシリケート成型体を製造することができる。
るものではなく、市販品を使用することができる。シリ
カ成型体は比表面積の比較的大きい成型体が好適に用い
られ、通常BET法による窒素吸着測定から求めた比表
面積が、例えば5m2/g〜1000m2/g、好ましく
は20m2/g〜800m2/gの範囲の物が用いられ
る。比表面積が小さすぎると結晶化に長時間を必要と
し、また結晶化度が悪くなる場合があるからである。
入法により求めた細孔径が4nm以上の細孔を有し、該
細孔による表面積と細孔容積は、それぞれ5m2/g〜
1000m2/g、0.10ml/g〜1.5ml/g
であり、好ましくは20m2/g〜800m2/g、0.
15ml/g〜1.3ml/gの範囲である。
しては、テトラエチルアンモニウムのハロゲン化物、水
酸化物などを例示することができるが、通常は水酸化テ
トラエチルアンモニウムが用いられる。水酸化テトラエ
チルアンモニウムを用いることにより、ベータ型ゼオラ
イトを効率よく合成することができる。
ナトリウム、カリウムなどを例示することができ、それ
らの水酸化物やハロゲン化物あるいはシリカ成型体及び
/又は金属塩化合物中のアルカリ金属成分を用いること
もできる。
ケート成型体を合成する場合には、シリカ成型体上に前
記テトラエチルアンモニウム成分および前記アルカリ金
属成分と併せて、T原子となる金属の塩を担持する。こ
れら金属塩としては、ホウ素、アルミニウム、チタン、
鉄、亜鉛、ガリウム、インジウムなどの硝酸塩、硫酸
塩、ハロゲン化物、オキソ酸塩、水酸化物などを例示す
ることができ、これらの水溶液の形で使用することが好
ましい。また前記金属塩は、ホウ素、アルミニウム、
鉄、亜鉛およびガリウムからなる群より選ばれる少なく
とも1つの金属の金属塩を使用した場合には結晶化時間
を大幅に短縮化できる点で好ましい。これら金属成分
は、結晶化の際にゼオライト骨格内に取り込まれること
によってバインダーレスメタロシリケートに転化する。
ニウム成分とアルカリ金属成分と、所望に応じて担持す
るメタロシリケート結晶骨格に組み込まれる1以上の金
属成分とを含む原料物質を担持する方法は、特に限定さ
れるものではないが、シリカ成型体内に前記原料物質を
均質に担持することが望ましいため、通常、水溶液を含
浸した後に乾燥することによってなされる。一例を挙げ
れば、所定量の各成分を均一な水溶液とし、シリカ成型
体の吸水量に見合う水溶液量となるように調製して含浸
する。このとき、各成分は同時に担持しても良いし、各
成分毎あるいは均一な混合溶液を数回に分割して担持し
ても良く、分割して担持する場合には、担持する順番は
生成物に何ら影響を与えない。
限定されないが、テトラエチルアンモニウム塩の分解が
少なく、効率的で含水量が抑えられる点で、好ましくは
20℃〜150℃、より好ましくは50℃〜120℃で
実施される。前記前駆体の含水量としては、結晶化の際
に担持成分が溶出せず、収率が良い点で、30%以下、
さらには20%〜0.1%の範囲が好ましい。
圧、常圧何れの条件でも実施することができる。常圧で
の空気気流下で乾燥することが簡便なため好ましい。
を、飽和水蒸気と接触させることを特徴とする。
ず、結晶化速度が速く、含有するテトラエチルアンモニ
ウム成分の分解が少なく結晶化度の高いベータ型バイン
ダーレスゼオライト成型体が得られる点で、80〜26
0℃の範囲が好ましく、100℃〜230℃がさらに好
ましい。結晶化温度が高すぎると、MFI型ゼオライト
などの他の鉱物との混晶が生成する場合がある。
く、通常は2〜300時間、好ましくは3〜150時間
の範囲である。結晶化時間が短すぎると結晶化度が低下
し、長すぎると他の鉱物との混晶になる場合がある。
させて加熱する方法および装置は特に限定されるもので
はない。例えば、耐圧容器の中空に前駆体を設置し容器
下部に反応温度と容器の容積によって定まる飽和水蒸気
量に相当する水を封入したのち、恒温槽内で加熱するこ
とによって実施することができるが、実施態様はこれに
限定されない。この前駆体を容器内に入れ、その外側に
水を入れた密閉容器を用いてもよいし、前駆体を飽和水
蒸気と接触させる固定床式反応器、あるいは移動床式反
応器によって連続的に合成することもできる。
ゼオライト前駆体を、水中に分散させて水熱反応させる
ことなく、飽和水蒸気と接触させることによって結晶化
を行なうことができ、ほぼ全量のシリカと所望に応じて
担持された前記金属成分とをT原子とするベータ型ゼオ
ライトに転化させることができる。これにより原料であ
るシリカ成型体がその形状を保ったまま全量がゼオライ
トに転化するため、生成するゼオライトには本質的にバ
インダーが含まれず、簡便にベータ型バインダーレスゼ
オライト成型体が製造できると推察される。
いため、本発明による製法で合成されたベータ型ゼオラ
イト成型体は、ゼオライトの含有率がほぼ100%の、
極めて高い結晶化度を有している。適当な前駆体の組成
比、結晶化温度ならびに結晶化時間を前記条件内から選
択することによって、成型体の結晶化度を制御すること
ができ、例えば95%以上、好ましくは98%以上であ
る。結晶化度によって圧壊強度を制御することができ
る。
法により、球状、シリンダー型、リング型などの任意の
形状に成型した後、本発明による方法でゼオライトに転
化することにより、球状、シリンダー型、リング型など
の任意の形状のバインダーレスゼオライト成型体を製造
することができる。原料としたシリカ担体自体がゼオラ
イトにそのままの形状で転化するため、シリカ成型体の
形状を保ったバインダーレスゼオライト成型体が得られ
るのである。
の外観を保持しているだけでなく、圧壊強度やマクロ細
孔分布等も反映する。このため、原料に使用するシリカ
成型体の物性を常法により制御することによって、容易
にバインダーレスゼオライト成型体の物性を制御するこ
とができる。
型体は、(1)ゼオライトがBEA型結晶構造を有する
こと、および(2)ゼオライト結晶構造を構成するケイ
素と前記金属との組成比(原子比)が、ケイ素1に対し
て、前記金属が0.0005〜0.4の範囲であること
を特徴とする。
型結晶構造を有する。これは、粉末X線回折測定等で確
認できる。BEA型ゼオライトの構造は、T原子を中心
として4個の酸素原子が頂点に配位したTO4四面体
が、3次元的に結合することによりゼオライト結晶骨格
を形成している。このため、T原子がケイ素のみからな
るシリカライトは電気的に中性であるため固体酸性は発
現しない。Si4+を他の原子価金属に置換すると、TO
4陰イオンを電気的に中和するために結晶内にプロトン
等の陽イオンが存在し、これにより固体酸性が発現する
ことが良く知られている。これら陽イオンは通常の操作
によって容易にイオン交換することができる。また、T
原子として導入する元素の量と種類によって、発現する
固体酸性の酸量及び酸強度を制御することができる。固
体酸性は、アンモニアの昇温脱離(TPD)法等により
評価することができる。
ト結晶構造を構成する金属成分の組成比(原子比)が、
ケイ素1に対して0.0005〜0.4の範囲、好まし
くは0.001〜0.2の範囲であることを特徴とす
る。
による窒素吸着測定から求めた比表面積は300m2/
g〜950m2/gであり、好ましくは320m2/g〜
850m2/gの範囲である。
法により求めた細孔径が4nm以上の二次細孔を有し、
該細孔による表面積と細孔容積は、それぞれ2m2/g
〜200m2/g、0.10ml/g〜1.5ml/g
であり、好ましくは3m2/g〜170m2/g、0.1
3ml/g〜1.3ml/gの範囲である。
ダーレスゼオライト成型体の製造方法により、簡便に効
率よく製造できる。
リンダー型、リング型などを例示することができるが、
特に限定されない。
細孔分布等を容易に制御可能なため、種々の化学プロセ
スにおいて、吸着剤や化学反応用の触媒、あるいは触媒
担体として利用することができ、アルキル化反応触媒、
異性化反応触媒、エステル交換反応触媒、クラッキング
反応触媒、ベックマン転位反応触媒、水和反応触媒、ア
ルコール付加反応触媒、液安法アルカノールアミン類合
成触媒等に好適に用いられる。
するが、本発明は、これらの実施例により何等限定され
るものではない。
液(TEAと略記する)13.82gとアルミン酸ナト
リウム0.32gとを蒸留水に溶解させて14mlとし
た。120℃で1昼夜乾燥させたシリカビーズ(富士シ
リシア化学製「キャリアクトQ−10」,10〜20メ
ッシュ)9.87gを、前記の水溶液全量に1時間含浸
させた後、80℃湯浴上で乾燥させてシリカビーズ上に
TEAとアルミン酸ナトリウムを担持した。組成比は、
Si1TEA0.20Na0.026Al0.02である。
したかごに入れ、容積100mlのテフロンルツボの中
空に設置した。ルツボの底に1gの蒸留水を入れ、17
0℃で144時間加熱した。ルツボを室温まで冷却後取
り出した生成物を、1mol/l濃度の硝酸アンモニウ
ム水溶液300mlで洗浄後、空気気流中550℃で6
時間焼成してTEA由来の有機成分を除くことにより、
白色の生成物9.72gを得た。これを生成物Aとす
る。
カビーズの外観を保持して10〜20メッシュサイズの
ビーズであった。生成物Aを粉砕した後に粉末X線回折
測定した結果、図1に示したとおりベータ型結晶性アル
ミノシリケートであった。
P0=0.015,0.06,0.10)により算出さ
れた比表面積は693m2/gであった。また、水銀圧
入法で細孔分布を測定した結果、図2に示した細孔分布
曲線を与え、4nm以上の全マクロ細孔容積は0.33
ml/gであり、同マクロ細孔の表面積は65m2/g
であった。細孔径10〜80nm(平均細孔径30n
m)の範囲にある細孔容積が0.22ml/gであり、
4nm以上の全マクロ細孔容積の約68%を占めるシャ
ープな細孔分布を有することがわかる。
液(TEAと略記する)14.01gにアルミン酸ナト
リウム0.53gを溶解させた。120℃で1昼夜乾燥
させたシリカビーズ(富士シリシア化学製「キャリアク
トQ−30」,10〜20メッシュ)10.0gを、前
記の水溶液全量に1時間含浸させた後、80℃で乾燥さ
せて、シリカビーズ上にTEAとアルミン酸ナトリウム
とを担持した。組成比は、Si1TEA0.20Na0.043A
l0.033である。
170℃、20時間結晶化させた。冷却後取り出した生
成物を空気気流中550℃で6時間焼成してTEA由来
の有機成分を除くことにより、白色の生成物10.5g
を得た。これを生成物Bとする。
カビーズの外観を保持して10〜20メッシュサイズの
ビーズであった。生成物Bを粉砕した後に粉末X線回折
測定した結果、図1に示した生成物Aと本質的に同一の
回折パターンを与え、ベータ型結晶性アルミノシリケー
トであった。
P0=0.01,0.06,0.10)により算出され
た比表面積は630m2/gであった。また、水銀圧入
法で細孔分布を測定した結果、図3に示した細孔分布曲
線を与え、4nm以上の全マクロ細孔容積は0.43m
l/gであり、同マクロ細孔の表面積は59m2/gで
あった。細孔径10〜80nm(平均細孔径30nm)
の範囲にある細孔容積が0.28ml/gであり、4n
m以上の全マクロ細孔容積の約66%を占めるシャープ
な細孔分布を有することがわかる。
イト成型体は、本質的にバインダーを含有しないため成
型体中のゼオライト含有率が極めて高く、なおかつ無機
バインダー内にゼオライトが埋没することがない。この
ためゼオライトを効率的に利用でき、また無機バインダ
ー等の不純物に起因する悪影響がない特徴がある。
駆体と飽和水蒸気とを接触させて結晶化を行なうため、
簡便にベータ型バインダーレスゼオライト成型体を製造
することができる。
る時間が短時間であり、なおかつ原料成分が水中に溶出
することがないので、金属成分が結晶格子内に効率よく
取り込まれ、この結果、原料仕込み組成とほぼ一致した
組成を持つベータ型結晶性メタロシリケートを収率良く
製造することができる。
ータ型バインダーレスゼオライト成型体は、原料シリカ
成型体の性質をそのまま反映するため、二次細孔構造な
どの物性を制御しやすい。また、高価なテトラアルキル
アンモニウムの使用量を低減でき、なおかつ廃液がほと
んど発生しないため、回収、廃液処理の必要がなく経済
的である。
40°)を示す。
示す。
示す。
Claims (5)
- 【請求項1】 バインダーレスゼオライト成型体であっ
て、該ゼオライトがベータ型結晶構造を有するメタロシ
リケートであるバインダーレスゼオライト成型体。 - 【請求項2】 BET法による窒素吸着測定から求めた
比表面積が300m2/g〜950m2/gである請求項
1記載のバインダーレスゼオライト成型体。 - 【請求項3】 水銀圧入法により求めた細孔径が4nm
以上の細孔を有し、該細孔の表面積が2m2/g〜20
0m2/gであって、かつ前記細孔の細孔容積が0.1
0ml/g〜1.5ml/gである請求項1または2に
記載のバインダーレスゼオライト成型体。 - 【請求項4】 下記式(1) Si1(TEA)xM1 yM2 z ・・・(1) (式中、TEAはテトラエチルアンモニウム、M1はア
ルカリ金属、M2はメタロシリケート結晶骨格に組み込
まれる金属元素を表し、xは0.005〜1、yは0.
0001〜1、zは0.0005〜0.4の範囲を表わ
す。)で表されるゼオライト前駆体を、飽和水蒸気と接
触させることを特徴とするベータ型バインダーレスゼオ
ライト成型体の製造方法。 - 【請求項5】 前記ゼオライト前駆体が、テトラエチル
アンモニウム成分と、アルカリ金属成分と、所望によ
り、前記式(1)のM2で表される金属元素成分とを含
む原料物質を、シリカ成型体に担持してなるゼオライト
前駆体である請求項4記載の製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009062270A (ja) * | 2007-09-04 | 2009-03-26 | Ifp | Eu−1ゼオライトをベースとする多孔質複合材料の調製およびc8芳香族化合物の異性化におけるその実施 |
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-
1999
- 1999-11-11 JP JP32072899A patent/JP4812149B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (6)
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JP4812149B2 (ja) | 2011-11-09 |
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