JP2001138892A - ブレーキマスタシリンダ - Google Patents

ブレーキマスタシリンダ

Info

Publication number
JP2001138892A
JP2001138892A JP32391799A JP32391799A JP2001138892A JP 2001138892 A JP2001138892 A JP 2001138892A JP 32391799 A JP32391799 A JP 32391799A JP 32391799 A JP32391799 A JP 32391799A JP 2001138892 A JP2001138892 A JP 2001138892A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piston
sleeve
cap
annular groove
communication
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP32391799A
Other languages
English (en)
Inventor
Kaoru Tsubouchi
坪内  薫
Toshihiro Nakano
利博 中野
Akisuke Okada
亜希資 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Seiki Co Ltd filed Critical Aisin Seiki Co Ltd
Priority to JP32391799A priority Critical patent/JP2001138892A/ja
Publication of JP2001138892A publication Critical patent/JP2001138892A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Transmission Of Braking Force In Braking Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブレーキマスタシリンダにおいて、第1ピス
トンの前方に配置される第2ピストンの支持構造を改善
すること。 【解決手段】 ボディ11とキャップ12からなるシリ
ンダハウジング10に組付けられ内孔23cにて両ピス
トン31,32を軸方向へ摺動可能に支持するスリーブ
23が両ピストン31,32間に形成される第1圧力室
R1をボディ11に設けた送出ポート11dに連通させ
る連通路(連通溝23e,連通孔23i)を有してなる
ブレーキマスタシリンダにおいて、スリーブ23の内周
部に設けた環状溝23gに第2ピストン32とスリーブ
23間を液密的にシールするシールカップ27を組付
け、第2ピストン32を軸方向へ摺動可能にガイドしシ
ールカップ27の後方への移動を規制するカップ保持壁
23kに連通孔23jを設けて、同連通孔23jを通し
て環状溝23gと送出ポート11dを連通させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のブレーキ装
置に使用されるマスタシリンダすなわちブレーキマスタ
シリンダに関する。
【0002】
【従来の技術】ブレーキマスタシリンダの一つとして、
後端にて開口する内孔を有したボディと、このボディの
内孔開口部に組付けられて前記ボディとによってシリン
ダハウジングを構成するキャップと、このキャップを通
して前記シリンダハウジング内に嵌挿されて軸方向へ摺
動可能に支持される第1ピストンと、この第1ピストン
の前方に同軸的に配置されて前記シリンダハウジング内
にて軸方向へ摺動可能な第2ピストンと、前記シリンダ
ハウジング内に組付けられて内孔にて前記第1ピストン
と前記第2ピストンを軸方向へ摺動可能に支持するスリ
ーブとを備え、前記スリーブが前記両ピストン間に形成
される第1圧力室を前記ボディに設けた送出ポートに連
通させる連通路を有してなるもの(タンデム式マスタシ
リンダ)があり、例えば特開平6−305409号公報
に示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した公報に示され
ているブレーキマスタシリンダにおいては、第2ピスト
ンがスリーブとこれの前方に組付けたピストンガイドに
よって軸方向へ摺動可能に支持されていて、ピストンガ
イドがボディの内孔に嵌合され、スリーブがキャップの
内孔に嵌合されている。このため、第2ピストンを軸方
向へ摺動可能に支持するピストンガイドの内孔とスリー
ブの内孔との同軸度(組付精度)を高めることが難し
く、第2ピストンを円滑に軸方向へ移動させることがで
きないことがある。
【0004】また、このブレーキマスタシリンダにおい
ては、ピストンガイドの後端内周部に内周及び後方に向
けて開口する環状溝が形成されていて、この環状溝に第
2ピストンの外周とピストンガイドの内周間を液密的に
シールするシールカップが組付けられ、このシールカッ
プがスリーブの前端にて後方への移動を規制されるよう
になっている。かかる構成では、第2ピストンを軸方向
へ摺動可能にガイドするとともにシールカップの後方へ
の移動を規制するために、ピストンガイドとスリーブが
必要であって、これらの製作管理が煩雑であり、生産面
で改善の余地がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した問題
に対処すべくなされたものであり、上記した形式のブレ
ーキマスタシリンダにおいて、前記スリーブの内周部に
内周に向けて開口する環状溝を設けて、同環状溝に第2
ピストンの外周とスリーブの内周間を液密的にシールす
るシールカップを組付け、また前記環状溝の後方にて前
記スリーブに形成されて前記第2ピストンを軸方向へ摺
動可能にガイドするとともに前記シールカップの後方へ
の移動を規制するカップ保持壁に第2連通路を設けて、
この第2連通路を通して前記環状溝と前記送出ポートを
連通させるようにしたこと(請求項1に係る発明)に特
徴がある。
【0006】また、本発明の実施に際しては、前記スリ
ーブを樹脂にて構成し、前記第2連通路を前記スリーブ
の成形時に成形型によって形成するとともに、前記環状
溝を前記スリーブの成形後に機械加工により形成して、
前記第2連通路と前記環状溝を連通させること(請求項
2に係る発明)が望ましい。
【0007】
【発明の作用・効果】本発明によるブレーキマスタシリ
ンダ(請求項1に係る発明)においては、スリーブの内
周部に内周に向けて開口する環状溝を設けて、同環状溝
に第2ピストンの外周とスリーブの内周間を液密的にシ
ールするシールカップを組付けるとともに、同環状溝の
後方に第2ピストンを軸方向へ摺動可能にガイドすると
ともにシールカップの後方への移動を規制するカップ保
持壁を設けたため、第2ピストンを軸方向へ摺動可能に
支持するピストンガイドが不要であり、スリーブ単体に
て第2ピストンを軸方向へ摺動可能に支持することがで
きる。したがって、スリーブ単体の製作精度を高めるだ
けで第2ピストンを円滑に軸方向へ移動させることがで
きる。
【0008】また、本発明によるブレーキマスタシリン
ダ(請求項1に係る発明)においては、スリーブに形成
されて第2ピストンを軸方向へ摺動可能にガイドするカ
ップ保持壁に第2連通路を設けて、この第2連通路を通
して前記環状溝とボディに設けた送出ポートを連通させ
るようにしたため、前記環状溝内のエアーを第2連通路
を通して送出ポートに向けて的確に抜くことができて、
当該ブレーキマスタシリンダの性能を確保することがで
きる。
【0009】また、本発明の実施に際して、前記スリー
ブを樹脂にて構成し、前記第2連通路を前記スリーブの
成形時に成形型によって形成するとともに、前記環状溝
を前記スリーブの成形後に機械加工によって形成して、
前記第2連通路と前記環状溝を連通させた場合(請求項
2に係る発明)においては、スリーブへの加工工数を少
なくすることができてコスト低減を図ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の一実施形態を図
面に基づいて説明する。図1に示した本発明によるブレ
ーキマスタシリンダは、ボディ11とキャップ12(カ
バーと言うこともある)によって構成されるシリンダハ
ウジング10と、このシリンダハウジング10に組付け
たシールカップ21、スペーサ22、スリーブ23、シ
ールカップ24、スペーサ25、ガイド26と、第1ピ
ストン31、第2ピストン32とを備えている。
【0011】ボディ11は、金属製で後端(図1の右
端)にて開口する段付の内孔11aを有するとともに、
リザーバ(図示省略)にコネクタ19を介して接続され
るリザーバ接続ポート11b,11cと、ブレーキ配管
を介してホイールシリンダ(共に図示省略)に接続され
る送出ポート11d,11eを有していて、内孔11a
の開口端部にはめねじ部11fが形成されている。ま
た、ボディ11の内孔11aには、ボディ11と第2ピ
ストン32間に形成されて送出ポート11eが連通する
第2圧力室R2を液密的にシールする環状のシールカッ
プ21がスペーサ22とともに同軸的に嵌合して組付け
られている。スペーサ22は、環状に形成されていて、
シールカップ21とスリーブ23間に介装されており、
内外周にて軸方向の液流通を許容するとともに、第2圧
力室R2に圧力が発生したときにシールカップ21の一
部が後述するスリーブ23の連通溝23dに食い込むこ
とを抑制する。
【0012】キャップ12は、金属製でボディ11のめ
ねじ部11fに螺合するおねじ部12aを中間部外周に
有するとともに、ボディ11の内孔11aに嵌合してス
リーブ23の小径筒部23aを収容する筒部12bを有
している。また、キャップ12は、Oリング13,14
を介してボディ11に液密的に組付けられていて、ボデ
ィ11の内孔11aに同軸的に嵌合したシールカップ2
1,スペーサ22及びスリーブ23を筒部12bの端面
にて抜け止めするとともに、キャップ12の段付内孔1
2cに同軸的に嵌合した環状のシールカップ24,スペ
ーサ25及びガイド26を段付内孔12cの後方段部1
2c1にて抜け止めしている。スペーサ25は、環状に
形成されていて、シールカップ24とガイド26間に介
装されており、内外周にて軸方向の液流通を許容すると
ともに、両ピストン31,32間に形成される第1圧力
室R1に圧力が発生したときにシールカップ24の一部
が後述するガイド26の連通溝26aに食い込むことを
抑制する。
【0013】また、キャップ12の後端部内周には環状
のシールカップ15が組付けられ、キャップ12の後端
部外周にはOリング16が組付けられている。Oリング
13は、キャップ12の前端部外周に設けた環状溝に組
付けられていて、ボディ11の内周とキャップ12の外
周間を液密的にシールしている。Oリング14は、Oリ
ング13より後方にてボディ11の内孔11aに設けた
環状溝に組付けられていて、ボディ11の内周とキャッ
プ12の外周間を気密かつ液密的にシールしている。
【0014】シールカップ15は、ガイド26の後方に
てキャップ12に設けた環状溝に組付けられていて、キ
ャップ12の内周と第1ピストン31の外周間を気密か
つ液密的にシールしている。Oリング16は、キャップ
12の後方外周に設けた環状溝に組付けられていて、ブ
レーキブースタのハウジング(図示省略)とキャップ1
2間を気密的にシールするようになっている。なお、キ
ャップ12の後端外周は六角形状に形成されていて、こ
の部位を工具にて回転することにより、キャップ12が
ボディ11に脱着される。
【0015】スリーブ23は、中間部外周に段部を有し
た円筒状の樹脂成形品であり、後方の小径筒部23aと
前方の大径筒部23bによって構成されていて、小径筒
部23aにてキャップ12の段付内孔12cに同軸的に
嵌合され、大径筒部23bにてボディ11の内孔段部と
キャップ12の筒部12b端面によって挟持されてお
り、内孔23cにて両ピストン31,32を軸方向へ摺
動可能に支持している。また、スリーブ23には、連通
溝23d,23e,23fと環状溝23g,23hと連
通孔23i,23jが設けられている。
【0016】連通溝23dは、スリーブ23の大径筒部
23b前端に傾斜して形成されていて、周方向にて所定
の間隔で複数個設けられており、ボディ11とスリーブ
23間に形成される環状通路P1を通してリザーバ接続
ポート11cに常に連通するとともに、スペーサ22と
第2ピストン32間の隙間を通して第2ピストン32に
設けたピストンポート32aに連通している。連通溝2
3eは、図2の左右に示した4個の溝であり、スリーブ
23の内周に軸方向に沿って直線状に設けられていて、
両ピストン31,32間に形成される第1圧力室R1と
シールカップ24のカップ凹部を常に連通させている。
連通溝23fは、図2の上下に示した2個の溝であり、
スリーブ23の小径筒部23aの全部と大径筒部23b
の一部内周に軸方向に沿って直線状に設けられていて、
小径筒部23aにて径方向の内外周に開口するとともに
後端部(第1ピストン31側端部)にて軸方向にも開口
している。
【0017】環状溝23gは、大径筒部23bの前方内
周に設けられていて、スリーブ23の成形後に機械加工
により形成されており、環状のシールカップ27が組付
けられている。シールカップ27は、第2ピストン32
を軸方向へ摺動可能にガイドするカップ保持壁23kに
よって後方への移動を規制されており、スリーブ23の
内周と第2ピストン32の外周間を液密的にシールして
いる。環状溝23hは、大径筒部23bの前方外周に設
けられていて、Oリング28が組付けられている。Oリ
ング28は、スリーブ23の外周とボディ11の内周間
を液密的にシールしていて、Oリング13及び両シール
カップ24,27等とにより第1圧力室R1を画成して
いる。
【0018】連通孔23iは、スリーブ23の成形時に
成形型(図示省略)によって形成されるものであって、
両環状溝23g,23hより後方にて各連通溝23eに
対応して径方向に設けられており(図2参照)、連通溝
23eを通して第1圧力室R1に連通するとともにボデ
ィ11とキャップ12とスリーブ23によって形成され
る環状通路P2を通して送出ポート11dに連通して、
第1圧力室R1と送出ポート11dを常に連通させてい
る。連通孔23jは、図3にて概略的に示したように、
スリーブ23の成形時に成形型41(連通溝23eを形
成する型)のピン部41aによってカップ保持壁23k
に形成されるものであって、各連通溝23eの前端から
前方に向けて軸方向に延びて環状溝23gに連通してお
り、連通溝23eと連通孔23iと環状通路P2とによ
り環状溝23gと送出ポート11dを常に連通させてい
る。
【0019】ガイド26は、フェノール樹脂製で円筒状
に形成されていて、キャップ12の段付内孔12cに嵌
合によって組付けられており、シールカップ15との間
に設けた環状のフランジ部12gとの当接によって後退
移動が規制されている。フランジ部12gは、キャップ
12に一体的に形成されていて、シールカップ15の外
径よりも内径方向に延びており、その内径はガイド26
の内径より僅かに大きくされている。また、フランジ部
12gには、図1及び図4に示したように、フランジ部
12gの後方にてシールカップ15によって形成される
液室Roの上部に後端にて連通する切欠12g1が設け
られている。
【0020】また、ガイド26には、外周から両端面に
まで延びるコ字状の連通溝26aが型成形によって形成
されている。連通溝26aは、図4にて詳細に示したよ
うに、ガイド26の前端面に径方向に沿って形成した前
方溝部26a1と、ガイド26の外周に軸方向に沿って
形成した外周溝部26a2と、ガイド26の後端面に径
方向に沿って形成した後方溝部26a3によって構成さ
れていて、周方向にて所定の間隔で複数個設けられてい
る。
【0021】連通溝26aの前方溝部26a1は、シー
ルカップ24の後方(背面)に近接してスペーサ25と
により連通路を形成していて、外周側にて、キャップ1
2に設けた環状溝12d及び連通孔12e(周方向にて
所定の間隔で複数個設けられている)と、ボディ11と
キャップ12間に形成される環状通路P3とを通して、
リザーバ接続ポート11bに常に連通し、内周側にてス
ペーサ25と第1ピストン31間の隙間を通して、第1
ピストン31に設けたピストンポート31aに連通して
いる。連通溝26aの外周溝部26a2は、連通溝26
aの後方溝部26a3とにより、フランジ部12gの切
欠12g1に連通していて、シールカップ15によって
形成される液室Roの上部を切欠12g1、後方溝部2
6a3等とによってガイド26の前方溝部26a1及び
キャップ12の環状溝12dに常に連通させている。
【0022】キャップ12に設けた環状溝12dは、シ
ールカップ24の外径より大径で、シールカップ24の
後方に近接して形成されていて、その外周壁の後方部位
が前方に向けて大径となるテーパー形状に形成されてお
り、キャップ12の内周に向けて開口してガイド26の
連通溝26aに連通している。また、連通孔12eは、
キャップ12の外周から環状溝12dの前方外周部位に
向けて穿設されていて、環状溝12dと環状通路P3を
連通させており、環状通路P3に向けて上方に傾斜して
いる。なお、連通孔12eは、リザーバ接続ポート11
bをガイド26より前方に配置させるために有効な構成
であり、かかる構成によれば当該ブレーキマスタシリン
ダの車両への搭載性が良好となる。
【0023】環状通路P3は、その前方にてキャップ1
2に組付けたOリング13によってボディ11とキャッ
プ12間を液密的にシールされて、第1圧力室R1との
連通を遮断され、その後方にてボディ11に組付けたO
リング14(Oリング13より大径である)によってボ
ディ11とキャップ12間を気密かつ液密的にシールさ
れて、大気との連通を遮断されている。
【0024】第1ピストン31は、金属製でキャップ1
2を通してシリンダハウジング10内に嵌挿されてい
て、スリーブ23とガイド26によって軸方向へ摺動可
能に支持されている。また、第1ピストン31は、第2
ピストン32との間に介装した第1スプリングS1によ
って図1の右方に向けて付勢されていて、第1ロッド3
3と第1リテーナ34と第1スプリングリテーナ35に
よって第2ピストン32に対する後退量(第1スプリン
グS1の取付長でもある)が規定されている。
【0025】第1ロッド33は、金属製で後端部にて第
1リテーナ34を介して第1ピストン31に一体的に組
付けられていて、第1ピストン31と一体的に軸方向へ
移動する。第1リテーナ34は、金属製で第1スプリン
グS1のスプリングリテーナを兼ねていて、第1ロッド
33の後端部に嵌着固定されるとともに、第1ピストン
31の内孔段部31bに圧入によって嵌合固定されてい
る。
【0026】第1スプリングリテーナ35は、金属製で
第1スプリングS1と第2ピストン32間に介装されて
いて、後端部にて第1ロッド33の頭部33aと前方に
向けて離脱可能に係合しており、前端に径外方に向けて
延びる突起35aを有している。突起35aは、スリー
ブ23に設けた連通溝23fを通してキャップ12の段
付内孔12cの大径部にまで延びていて、キャップ12
の段付内孔12cに設けた大径段部12c2に対して所
定の隙間で対向しており、両ピストン31,32の後退
方向にて大径段部12c2と係合可能となっている。
【0027】第2ピストン32は、金属製で第1ピスト
ン31に対して同軸的に配置されていて、シリンダハウ
ジング10内にてスリーブ23によって軸方向へ摺動可
能に支持されている。また、第2ピストン32は、ボデ
ィ11との間に介装した第2スプリングS2によって図
1の右方に向けて付勢されていて、第2ロッド36と第
2リテーナ37と第2スプリングリテーナ38によって
図1右方への後退量(第2スプリングS2の取付長でも
ある)が規定されている。
【0028】第2ロッド36は、金属製で後端部にて第
2リテーナ37を介して第2ピストン32に一体的に組
付けられていて、第2ピストン32と一体的に軸方向へ
移動する。第2リテーナ37は、金属製で第2スプリン
グS2のスプリングリテーナを兼ねていて、第2ロッド
36の後端部に嵌着固定されるとともに、第2ピストン
32の内孔段部32bに圧入によって嵌合固定されてい
る。
【0029】第2スプリングリテーナ38は、金属製で
第2スプリングS2とボディ11間に介装されていて、
後端部にて第2ロッド36の頭部36aに所定の隙間
(第1スプリングリテーナ35の突起35aとキャップ
12の大径段部12c2間の隙間より小さい隙間)で対
向している。このため、第2スプリングS2が第2ロッ
ド36と第2リテーナ37と第2スプリングリテーナ3
8によって規定される取付長にまで延びる間では、第1
スプリングリテーナ35の突起35aがキャップ12の
大径段部12c2に係合しないように設定されている。
【0030】第1スプリングリテーナ35の突起35a
がキャップ12の大径段部12c2に係合(当接)する
のは、図1に示したように、当該ブレーキマスタシリン
ダが組み立てられた状態で搬送される場合において、第
1ピストン31、第2ピストン32、第1ロッド33、
第1リテーナ34、第1スプリングリテーナ35、第2
ロッド36、第2リテーナ37及び第2スプリングリテ
ーナ38等が自重等により一体的に後方へ移動する場合
であって、当該ブレーキマスタシリンダが車両に組付け
られた状態では、第1ピストン31及び第2ピストン3
2が図1に示した位置を後退限とするように調整され
る。
【0031】上記のように構成した本実施形態において
は、スリーブ23の内周部に内周に向けて開口する環状
溝23gを設けて、同環状溝23gに第2ピストン32
の外周とスリーブ23の内周間を液密的にシールするシ
ールカップ27を組付けるとともに、同環状溝23gの
後方に第2ピストン32を軸方向へ摺動可能にガイドす
るとともにシールカップ27の後方への移動を規制する
カップ保持壁23kを設けたため、第2ピストン32を
軸方向へ摺動可能に支持するピストンガイドが不要であ
り、スリーブ23単体にて第2ピストン32を軸方向へ
摺動可能に支持することができる。したがって、スリー
ブ23単体の製作精度を高めるだけで第2ピストン32
を円滑に軸方向へ移動させることができる。
【0032】また、本実施形態においては、スリーブ2
3に形成されて第2ピストン32を軸方向へ摺動可能に
ガイドするカップ保持壁23kに連通孔23jを設け
て、この連通孔23jを通して環状溝23gとボディ1
1に設けた送出ポート11dを連通させるようにしたた
め、環状溝23g内のエアーを連通孔23jを通して送
出ポート11dに向けて的確に抜くことができて、当該
ブレーキマスタシリンダの性能を確保することができ
る。
【0033】また、本実施形態においては、スリーブ2
3を樹脂にて構成し、連通孔23jをスリーブ23の成
形時に成形型41のピン部41aによって形成するとと
もに、環状溝23gをスリーブ23の成形後に機械加工
によって形成して、連通孔23jと環状溝23gを連通
させるようにしたため、スリーブ23への加工工数を少
なくすることができてコスト低減を図ることができる。
【0034】また、上記のように構成した本実施形態に
おいては、キャップ12の段付内孔12cにガイド26
とシールカップ24を同軸的に嵌合して組付けるもので
あるため、ガイド26とシールカップ24の同軸度(組
付精度)を容易に高めることができて、ガイド26によ
って支持される第1ピストン31とシールカップ24の
同心度を高めることができ、第1ピストン31とシール
カップ24間のシール性を向上させることができる。特
に、本実施形態においては、キャップ12の段付内孔1
2cにおけるガイド26とシールカップ24の取付孔径
が同一であるため、キャップ12への孔加工が容易であ
ることは勿論のこと、ガイド26とシールカップ24の
キャップ内孔12cへの組付誤差を少なくすることがで
きて、第1ピストン31とシールカップ24の同心度を
高めることができる。
【0035】また、本実施形態においては、ガイド26
及びシールカップ24の前方にて、キャップ12の段付
内孔12cに、第1ピストン31及び第2ピストン32
を軸方向へ摺動可能に支持するスリーブ23の小径筒部
23aが同軸的に嵌合されているため、ガイド26とシ
ールカップ24とスリーブ23の同軸度(組付精度)を
容易に高めることができて、ガイド26とスリーブ23
によって支持される第1ピストン31の摺動性能を容易
に高めることができる。
【0036】また、本実施形態においては、スリーブ2
3の大径筒部23bにて、キャップ12がボディ11に
ねじ結合されることにより、スリーブ23がボディ11
とキャップ12によって挟持される構成を採用している
ため、周囲温度の変化に応じてスリーブ23の軸長が変
化しても、その変化量が全てボディ11とキャップ12
のねじ結合部に影響するものではなくて、同ねじ結合部
での緩みを効果的に防止することができる。また、ガイ
ド26とスリーブ23の小径筒部23aは係合していな
いため、仮にキャップ12を過度に締め付けたとして
も、スリーブ23の小径筒部23a(スリーブ23にお
いて強度の低い部位)とガイド26には過度な荷重が加
わらず、スリーブ23及びガイド26の素材として低強
度で安価な素材を採用することができ、コスト低減を図
ることができる。
【0037】また、上記のように構成した本実施形態に
おいては、当該ブレーキマスタシリンダが車両に組付け
られ、シリンダハウジング10内にブレーキ液が充填さ
れた状態にて、第1ピストン31が図1の左方(前方)に
押し込まれて軸方向移動すると、第1ピストン31のピ
ストンポート31aがシールカップ24を通過すること
により、第1圧力室R1とリザーバ接続ポート11bと
の連通が遮断されて第1圧力室R1内に圧力が生じる。
【0038】また、このときには、第2ピストン32が
図1の左方に押し込まれて軸方向移動し、第2ピストン
32のピストンポート32aがシールカップ21を通過
することにより、第2圧力室R2とリザーバ接続ポート
11cとの連通が遮断されて第2圧力室R2内に圧力が
生じる。このため、第1圧力室R1から送出ポート11
d(ホイールシリンダに接続されるポート)に向けて圧液
が押し出されるとともに、第2圧力室R2から送出ポー
ト11e(ホイールシリンダに接続されるポート)に向け
て圧液が押し出されて制動作用が得られる。
【0039】また、このときには、第1圧力室R1の圧
力による荷重がガイド26に作用して、ガイド26の後
退移動がキャップ12のフランジ部12gによって規制
され、上記荷重がガイド26の後端からキャップ12の
フランジ部12gに作用してキャップ12にて受け止め
られる。
【0040】ところで、キャップ12のフランジ部12
gは、ガイド26の後方にてキャップ12に組付けられ
てキャップ12と第1ピストン31間を気密かつ液密的
にシールする環状のシールカップ15の外径より内径方
向に延びていて、ガイド26の後端との当接面積を十分
に確保することが可能である。このため、ガイド26の
後端が過度に圧縮されること及びガイド26の内周部が
過大に変形することを防ぐことができて、ガイド26の
強度確保が可能であり、ガイド26の素材として低強度
で安価な素材を採用することができ、コスト低減を図る
ことができる。
【0041】また、キャップ12のフランジ部12gが
環状であり、その内径はガイド26の内径より僅かに大
きくされているため、フランジ部12gの内周を第1ピ
ストン31の外周に非接触とすることができる。このた
め、フランジ部12gの内周を未加工として(高精度の
孔加工やピストン摺動に対する耐摩耗性の表面処理加工
等を不要として)実施することが可能であり、安価に実
施することができる。
【0042】また、ガイド26の後方にてシールカップ
15によって形成される液室Roの上部に連通する切欠
12g1をフランジ部12gに設けるとともに、この切
欠12g1をキャップ12の環状溝12d及びガイド2
6の前方溝部26a1に連通させる後方溝部26a3及
び外周溝部26a2をガイド26に設けたため、シール
カップ15によって形成される液室Roの上部に残留す
るエアーを切欠12g1と後方溝部26a3及び外周溝
部26a2を通してキャップ12の環状溝12d及びガ
イド26の前方溝部26a1に排出することができる。
【0043】また、ガイド26をフェノール樹脂にて形
成して、前方溝部26a1、外周溝部26a2及び後方
溝部26a3からなる連通溝26aを型成形によって同
時に形成したため、ガイド26に孔加工等の機械加工を
施して形成する場合に比して容易かつ安価に形成するこ
とができ、また樹脂素材の選定によりピストン摺動に対
する耐摩耗性の表面処理加工が不要であって、コスト低
減を図ることができる。
【0044】また、本実施形態においては、スペーサ2
5とガイド26の連通溝26aにより形成される連通路
をシールカップ24の後方に近接して設けるとともに、
この連通路を環状通路P3に連通させる環状溝12dと
連通孔12eをキャップ12に設けたため、当該ブレー
キマスタシリンダを車両に組付ける際に行われる周知の
エアー抜き作業においては、ブレーキ液が連通孔12e
と環状溝12d及びシールカップ24の後方に近接して
設けた連通溝26aを通して第1圧力室R1に向けて流
れる。
【0045】ところで、キャップ12に設けた環状溝1
2dはシールカップ24の外径より大径でキャップ12
の内周に向けて開口しガイド26の連通溝26aに連通
するものであり、またキャップ12に設けた連通孔12
eはキャップ12の外周から環状溝12dの前方外周部
位に向けて穿設されたものであるため、周知のエアー抜
き作業が行われるときには、ブレーキ液がキャップ12
の連通孔12e及び環状溝12dとガイド26の連通溝
26aにて澱みなく的確に流れる。したがって、周知の
エアー抜き作業によってキャップ12の連通孔12e及
び環状溝12dとガイド26の連通溝26aに残留する
エアーを的確に抜き取ることができる。
【0046】また、キャップ12に設けた連通孔12e
が環状通路P3(ボディ11の上部に設けたリザーバ接
続ポート11bに連通する通路)に向けて上方に傾斜し
ているため、仮にエアーがキャップ12の連通孔12e
及び環状溝12dとガイド26の連通溝26aのブレー
キ液中に混入していても、そのエアーはその浮力によっ
てガイド26の連通溝26aからキャップ12の環状溝
12dと連通孔12eを通して環状通路P3に至り、こ
の環状通路P3からリザーバ接続ポート11bを通して
リザーバ(図示省略)へと排出されて、当該ブレーキマス
タシリンダ内に残留することはない。したがって、当該
ブレーキマスタシリンダの性能が良好に維持される。
【0047】また、本実施形態においては、キャップ1
2に形成される通路が環状溝12dと連通孔12eによ
って構成されていて、環状溝12dは旋盤加工等によっ
て容易に加工でき、また連通孔12eはドリル加工等に
よって容易に加工できる。また、連通孔12eは環状溝
12dの前方外周部位に向けて穿設されるものであっ
て、周方向の加工精度は全く要求されないため、低コス
トにて生産することができる。
【0048】また、本実施形態の構成では、キャップ1
2に設けた環状溝12dの内周開口部からシールカップ
24の背面までの長さを短くし得る。したがって、当該
ブレーキマスタシリンダが車両に組付けられて使用され
る場合において、第1ピストン31が後退位置に向けて
急激に戻されて第1圧力室R1が負圧となるときの第1
圧力室R1へのブレーキ液の吸い込み性(主としてシー
ルカップ24のリップ部を通して第1圧力室R1にブレ
ーキ液が補充されるときの性能)を良好とすることがで
きて、当該ブレーキマスタシリンダの性能を向上させる
ことができる。
【0049】また、本実施形態においては、キャップ1
2に設けた環状溝12dの外周壁を前方に向けて大径と
なるテーパー形状としたため、環状溝12dにおけるテ
ーパー形状の外周壁が誘導機能を発揮し得て、キャップ
12の連通孔12eからガイド26の連通溝26aへの
ブレーキ液の流動性およびガイド26の連通溝26aと
キャップ12の環状溝12dからキャップ12の連通孔
12eへのエアーの排出性を良好とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるブレーキマスタシリンダの一実
施形態を示す断面図である。
【図2】 図1の2−2線に沿って切断したスリーブ単
体の断面図である。
【図3】 図1及び図2に示したスリーブの成形時にお
ける要部概略断面図である。
【図4】 図1に示したキャップ、ガイド、シールカッ
プ、第1ピストン等の関係を示す要部拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
10…シリンダハウジング、11…ボディ、11a…内
孔、11d…送出ポート、11f…めねじ部、12…キ
ャップ、12a…おねじ部、12c…段付内孔、23…
スリーブ、23a…小径筒部、23b大径筒部、23c
…内孔、23e,23i…連通溝,連通孔(連通路)、
23g…環状溝、23j…連通孔(第2連通路)、23
k…カップ保持壁、27…シールカップ、31…第1ピ
ストン、32…第2ピストン、R1…第1圧力室。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 亜希資 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 Fターム(参考) 3D047 BB38 CC13 CC17

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 後端にて開口する内孔を有したボディ
    と、このボディの内孔開口部に組付けられて前記ボディ
    とによってシリンダハウジングを構成するキャップと、
    このキャップを通して前記シリンダハウジング内に嵌挿
    されて軸方向へ摺動可能に支持される第1ピストンと、
    この第1ピストンの前方に同軸的に配置されて前記シリ
    ンダハウジング内にて軸方向へ摺動可能な第2ピストン
    と、前記シリンダハウジング内に組付けられて内孔にて
    前記第1ピストンと前記第2ピストンを軸方向へ摺動可
    能に支持するスリーブとを備え、前記スリーブが前記両
    ピストン間に形成される第1圧力室を前記ボディに設け
    た送出ポートに連通させる連通路を有してなるブレーキ
    マスタシリンダにおいて、前記スリーブの内周部に内周
    に向けて開口する環状溝を設けて、同環状溝に前記第2
    ピストンの外周と前記スリーブの内周間を液密的にシー
    ルするシールカップを組付け、また前記環状溝の後方に
    て前記スリーブに形成されて前記第2ピストンを軸方向
    へ摺動可能にガイドするとともに前記シールカップの後
    方への移動を規制するカップ保持壁に第2連通路を設け
    て、この第2連通路を通して前記環状溝と前記送出ポー
    トを連通させるようにしたことを特徴とするブレーキマ
    スタシリンダ。
  2. 【請求項2】 前記スリーブを樹脂にて構成し、前記第
    2連通路を前記スリーブの成形時に成形型によって形成
    するとともに、前記環状溝を前記スリーブの成形後に機
    械加工により形成して、前記第2連通路と前記環状溝を
    連通させたことを特徴とする請求項1に記載のブレーキ
    マスタシリンダ。
JP32391799A 1999-11-15 1999-11-15 ブレーキマスタシリンダ Pending JP2001138892A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32391799A JP2001138892A (ja) 1999-11-15 1999-11-15 ブレーキマスタシリンダ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32391799A JP2001138892A (ja) 1999-11-15 1999-11-15 ブレーキマスタシリンダ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001138892A true JP2001138892A (ja) 2001-05-22

Family

ID=18160074

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32391799A Pending JP2001138892A (ja) 1999-11-15 1999-11-15 ブレーキマスタシリンダ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001138892A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20060064978A1 (en) Master cylinder
JPH0649243U (ja) 流体圧力発生装置
JPH01145256A (ja) 液圧ブレーキ装置のタンデムマスタシリンダ
US8578711B2 (en) Master cylinder
US6935112B2 (en) Master cylinder
JP2001138893A (ja) ブレーキマスタシリンダ
US6796125B2 (en) Master cylinder
JP2001138892A (ja) ブレーキマスタシリンダ
JP4629063B2 (ja) マスタシリンダ
JP2001138891A (ja) ブレーキマスタシリンダ
JP2522487B2 (ja) 液圧倍力装置
JPH06298072A (ja) マスタシリンダ
JP2001138890A (ja) ブレーキマスタシリンダ
JP2003220941A (ja) マスタシリンダ
JP2001130398A (ja) ブレーキマスタシリンダ
US6430926B1 (en) Brake master cylinder
JP2011136602A (ja) マスタシリンダ
JP2002104162A (ja) ブレーキマスタシリンダ
JP2001138889A (ja) ブレーキマスタシリンダ
JP2001191910A (ja) ブレーキマスタシリンダ
US5544485A (en) Master cylinder having restriction means with piston
JP2001039293A (ja) プランジャ型マスタシリンダ
JP2002037049A (ja) ブレーキマスタシリンダ
JP2000185643A (ja) マスタシリンダ
JPH0542944Y2 (ja)