JP2001138435A - 保護皮膜被覆金属板 - Google Patents

保護皮膜被覆金属板

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JP2001138435A
JP2001138435A JP32196699A JP32196699A JP2001138435A JP 2001138435 A JP2001138435 A JP 2001138435A JP 32196699 A JP32196699 A JP 32196699A JP 32196699 A JP32196699 A JP 32196699A JP 2001138435 A JP2001138435 A JP 2001138435A
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JP
Japan
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protective film
weight
urethane resin
resin
urethane
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JP32196699A
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English (en)
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Atsushi Kajimoto
淳 梶本
Koji Mori
浩治 森
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形加工で保護皮膜にカジリが発生しにくい
保護皮膜被覆金属板を提供する。 【解決手段】 100℃における弾性率が500〜10
000N/cm2である有機樹脂および粒径が200n
m以下のアナタ−ゼ型TiO2粒子を含有し、TiO2
子が5〜70重量%である樹脂組成物の保護皮膜を金属
板表面に0.2〜10μm形成する。有機樹脂は有機ポ
リイソシアネ−ト化合物とポリオ−ル化合物とを反応さ
せたウレタン樹脂であって、ウレタン結合含有量がイソ
シアネ−ト基(NCO)換算で5〜30重量%で、か
つ、前記有機ポリイソシアネ−ト化合物の40重量%以
上が脂環族ジイソシアネ−トのものにするのが好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形加工時の耐カジリ
性に優れ、成形加工後は自然崩壊性により除去される保
護皮膜を形成した金属板に関する。
【0002】
【従来技術】金属板を裸で使用する建材等の分野などに
おいては、金属板特有の美麗な外観を維持するため、表
面に透明もしくは半透明クリヤ−の保護皮膜を塗装やラ
ミネ−ト等により形成して、取り扱いや成形加工の際の
指紋付着や傷付きを防止している。この保護皮膜の形成
にはアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂またはエポキ
シ系樹脂等を含有する樹脂組成物が使用されていたが、
ロ−ル成形加工などで保護皮膜にカジリが発生して、金
属板表面が損傷され、また、保護皮膜が容易に剥離しな
いという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、成形加工で
カジリが発生しにくく、成形加工後は剥離しなくとも自
然崩壊性により除去される保護皮膜を形成した金属板を
提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の金属板は、10
0℃における弾性率が500〜10000N/cm2
ある有機樹脂および粒径が200nm以下のアナタ−ゼ
型TiO2粒子を含有し、TiO2粒子が5〜70重量%
である樹脂組成物の保護皮膜を金属板表面に0.2〜1
0μm形成したことを特徴としている。ここで、有機樹
脂としては、有機ポリイソシアネ−ト化合物とポリオ−
ル化合物とを反応させたウレタン樹脂であって、ウレタ
ン結合含有量がイソシアネ−ト基(NCO)換算で5〜
30重量%で、かつ、前記有機ポリイソシアネ−ト化合
物の40重量%以上が脂環族ジイソシアネ−トのもので
あるのが好ましい。
【0005】
【作用】本発明者らは、ロ−ル成形加工などでカジリが
発生しにくく、しかも、自然崩壊で除去できる保護皮膜
材料を開発すべく種々検討した結果、樹脂組成物とし
て、100℃における弾性率が500〜10000N/
cm2である有機樹脂を含有するものを使用すれば、保
護皮膜の耐カジリ性が向上し、また、この樹脂組成物に
粒径が200nm以下のアナタ−ゼ型TiO2粒子を5
〜70重量%含有させれば、保護皮膜が自然崩壊するこ
とを見いだしたのである。
【0006】すなわち、ロ−ル成形加工などで保護皮膜
被覆金属板にカジリが発生しないようにするには、保護
皮膜の強度をあまり低下させない範囲でその延性を大き
くして、保護皮膜が金属板変形に追従するようにすれば
よい。本発明者らは金属板にカジリの発生しにくくなる
保護皮膜の強度と延性を調和させる範囲を検討した結
果、使用有機樹脂を100℃における弾性率が500〜
10000N/cm2のものにすればよいことを見いだ
したのである。100℃での弾性率が500N/cm2
未満であると、保護皮膜が金属板変形に追従しにくく、
10000N/cm2を超えると、皮膜の凝集力が増加
し、カジリが発生し易くなる。ここで言う有機樹脂の弾
性率とは、樹脂を動的粘弾性測定装置(例えばORIE
NTEC社製、レオバイブロン DDV−01−FP)
で加振周波数=3.5Hz、測定温度=−50〜200
℃、昇温速度=5℃/分で測定した100℃におけるE
s(貯蔵弾性率)の値を言い、弾性率は分子量、架橋量
などにより調整する。
【0007】保護皮膜の自然崩壊については、TiO2
の公知酸化分解作用を利用するものである。TiO2
子は光触媒機能を有するので、水分存在下に有機樹脂と
共存させると、有機樹脂は次第に酸化分解されて、自然
崩壊する。しかし、この自然崩壊現象が保護皮膜被覆金
属板の製造から起こるまでの期間は使用有機樹脂の種類
や分子量などにより調整できるので、その期間内に金属
板を成型加工するようにすればよい。そして、加工後は
放置しておけば、保護皮膜は自然崩壊により除去され
る。なお、TiO2粒子をアナタ−ゼ型に限定したの
は、この型のものは他の型のものより光触媒作用が大き
いからである。
【0008】TiO2粒子は、粒径があまり大きいと、
比表面積が小さくなるため、含有量の割りには触媒作用
が弱くなる。このため、十分なる触媒作用を発揮させ
て、短期間に保護皮膜の自然崩壊が起こるようにするに
は、保護皮膜にTiO2粒子を多量に含有させなければ
ならない。しかし、これは保護皮膜の延性を低下させる
ことになる。そこで、本発明者らは含有量と粒径との関
係を種々検討したところ、保護皮膜延性を低下させない
70重量%以下にするには粒径は200nm以下のもの
にすればよいことを見いだしたのである。しかし、Ti
2粒子は粒径を小さくしても、5重量%以上含有させ
ないと、自然崩壊が容易に起こらない。
【0009】保護皮膜の有機樹脂としては、有機ポリイ
ソシアネ−ト化合物とポリオ−ル化合物とを反応させた
ウレタン樹脂で、その固形分当たりのウレタン結合含有
量がイソシアネ−ト基(以下NCOという)換算で5〜
30重量%のものを使用すると、ロ−ル成形加工などで
保護皮膜にカジリが発生しにくくなる。樹脂固形分当た
りのウレタン結合含有量がNCO換算で5重量%より少
ないと、皮膜強度が低下し、ロ−ル成形加工などでカジ
リが発生し、逆に、ウレタン結合含有量をNCO換算で
30重量%より多くしても、皮膜の凝集力が大きくな
り、延性が低下するため、カジリが発生し易くなる。こ
こで、ウレタン樹脂のウレタン結合含有量とは、ウレタ
ン樹脂固形分中のウレタン結合量を樹脂固形分中に添加
したイソシアネ−ト(NCO)基の含有量で表したもの
を言い、下記の計算方法で得ることができる。
【0010】
【数1】 A:有機ポリイソシアネ−ト化合物 B:ポリオ−ル化合物
【0011】ところで、有機ポリイソシアネ−ト化合物
とポリオ−ル化合物とを反応させたウレタン樹脂は、従
来より塗料に使用されているが、塗料に使用されている
ものは耐候性、耐熱性を高めるため、有機ポリイソシア
ネ−ト化合物として、イソシアネ−ト基が芳香環に結合
した芳香族ジイソシアネ−トのものが使用されている。
この芳香族ジイソシアネ−トを使用したウレタン樹脂の
塗料は塗料が通常の着色塗料であれば、不都合な欠点は
なかったが、クリヤ−塗料にして、直接塗装により金属
板に保護皮膜を形成すると、屋外に暴露した場合、保護
皮膜に黄変や白化が生じて、保護皮膜が自然崩壊により
完全に除去されるまでの期間に外観が損なわれてしまう
ことが判明した。
【0012】そこで、耐熱性は低下するが、芳香族ジイ
ソシアネ−トの一部を脂環族ジイソシアネ−トで置換し
たところ、偶然にも暴露による樹脂皮膜の黄変や白化が
軽くなり、脂環族ジイソシアネ−トを有機ポリイソシア
ネ−ト化合物の40重量%以上にすれば、黄変や白化が
極めて少なくなることを見いだしたのである。なお、脂
肪族ジイソシアネ−トで置換したのでは黄変や白化は改
善されない。有機ポリイソシアネ−ト化合物は脂環族ジ
イソシアネ−トが40重量%以上であればよく、残部は
芳香族ジイソシアネ−ト、脂肪族ジイソシアネ−トの一
方または両方であってもよい。ここで、脂環族ジイソシ
アネ−トとはイソシアネ−ト基が脂環またはその側鎖に
結合したもので、例えば、シクロヘキサンジイソシアネ
−ト、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ−ト、キシ
リレンジイソシアネ−ト、テトラメチルキシリレンジイ
ソシアネ−ト等が挙げられる。
【0013】有機ポリイソシアネ−ト化合物の脂環族ジ
イソシアネ−トと反応させるポリオ−ル化合物として
は、例えば、ポリエステルポリオ−ル、ポリエ−テルポ
リオ−ル等のポリオレフィンポリオ−ル等が挙げられ
る。
【0014】保護皮膜は、厚みが0.2μm未満である
と、保護皮膜としての機能を発揮せず、10μmを超え
ると、金属板の光沢感の低下が著しくなるので、厚みは
0.2〜10μmにする。
【0015】保護皮膜は、普通鋼板、Zn系めっき、A
l系めっき、Zn−Al系合金めっき浴などの各種めっ
き鋼板、ステンレス鋼板、Al板、Cu板などを成型加
工する場合にも使用でき、保護皮膜の形成は、特に制限
はなく、例えば、有機樹脂とアナタ−ゼ型TiO2粒子
とを含有する樹脂組成物を刷毛、ロ−ラ−、ロ−ルコ−
タ−、スプレ−のような塗装方法から経済性と生産性を
考慮して塗装方法を選択し、その方法で金属板に塗装
後、乾燥すればよい。
【0016】
【実施例】(A)ウレタン樹脂処理液の調製 有機ポリイソシアネ−ト化合物として、フェニレンジイ
ソシアネ−ト(芳香族ジイソシアネ−ト)、ヘキサメチ
レンジイソシアネ−ト(脂肪族ジイソシアネ−ト)およ
びシクロヘキサンジイソシアネ−ト(脂環族ジイソシア
ネ−ト)を用いて、これらの配合割合を変化させたもの
とエチレングリコ−ル系ポリエステルポリオ−ルとを反
応させ、全有機ポリイソシアネ−ト化合物に占める脂環
族ジイソシアネ−トの割合、ウレタン結合含有量、10
0℃での弾性率を調整したウレタン樹脂のエマルジョン
処理液をまず準備した。そして、次に、それらの処理液
にアナタ−ゼ型TiO2粒子を添加した。
【0017】(B)アクリル樹脂処理液の調製 イソシアネ−トを架橋剤に用いてメタアクリル酸エステ
ルを重合させることによりアクリル樹脂を合成して、こ
の樹脂のエマルジョン溶液にアナタ−ゼ型TiO2粒子
を添加した。 (C)ポリエステル樹脂処理液の調製 メラミンを架橋剤に用いてグリコ−ル、無水フタル酸、
無水マレイン酸、スチレンを重合させることによりポリ
エステル樹脂を合成して、この樹脂のエマルジョン溶液
にアナタ−ゼ型TiO2粒子を添加した。 (D)エポキシ樹脂処理液の調製 イソシアネ−トを架橋剤に用いてビスフェノ−ルAとエ
ピクロルヒドリンを重合させることによりエポキシ樹脂
を合成して、この樹脂のエマルジョン溶液にアナタ−ゼ
型TiO2粒子を添加した。
【0018】実施例1 ウレタン樹脂処理液のウレタン樹脂をシクロヘキサンジ
イソシアネ−トが全有機ポリイソシアネ−ト化合物の6
3重量%、ウレタン樹脂固形分中のウレタン結合量がN
CO換算で13重量%、100℃での弾性率が5100
N/cm2のものにした。また、アナタ−ゼ型TiO2
子の添加は粒径が200nmのものが保護皮膜の5重量
%になるようにした。そして、この処理液を板厚0.5
mmのステンレス鋼帯(SUS304の2B仕上げ材)
表面にロ−ルコ−タ−で塗装して、オ−ブンで乾燥し、
厚さ2.1μmの保護皮膜を形成した。
【0019】実施例2 実施例1において、ウレタン樹脂処理液のウレタン樹脂
をシクロヘキサンジイソシアネ−トが全有機ポリイソシ
アネ−ト化合物の60重量%、ウレタン樹脂固形分中の
ウレタン結合量がNCO換算で20重量%、100℃で
の弾性率が9800N/cm2のものに変更して、この
ウレタン樹脂処理液を用いた。保護皮膜の厚さは2.5
μmであった。
【0020】実施例3 実施例1において、ウレタン樹脂処理液のウレタン樹脂
をシクロヘキサンジイソシアネ−トが全有機ポリイソシ
アネ−ト化合物の63重量%、ウレタン樹脂固形分中の
ウレタン結合量がNCO換算で5重量%、100℃での
弾性率が500N/cm2のものに変更して、このウレ
タン樹脂処理液を用いた。また、保護皮膜の厚さは2.
6μmであった。
【0021】実施例4 実施例1において、ウレタン樹脂処理液のウレタン樹脂
をシクロヘキサンジイソシアネ−トが全有機ポリイソシ
アネ−ト化合物の81重量%、ウレタン樹脂固形分中の
ウレタン結合量がNCO換算で29重量%、100℃で
の弾性率が3900N/cm2のものに変更して、この
ウレタン樹脂処理液を用いた。保護皮膜の厚さは2.0
μmであった。
【0022】実施例5 実施例1において、ウレタン樹脂処理液のウレタン樹脂
をシクロヘキサンジイソシアネ−トが全有機ポリイソシ
アネ−ト化合物の88重量%、ウレタン樹脂固形分中の
ウレタン結合量がNCO換算で3重量%、100℃での
弾性率が600N/cm2のものに変更して、このウレ
タン樹脂処理液を用いた。保護皮膜の厚さは2.3μm
であった。
【0023】実施例6 実施例1において、ウレタン樹脂処理液のウレタン樹脂
をシクロヘキサンジイソシアネ−トが全有機ポリイソシ
アネ−ト化合物の76重量%、ウレタン樹脂固形分中の
ウレタン結合量がNCO換算で34重量%、100℃で
の弾性率が1000N/cm2のものに変更して、この
ウレタン樹脂処理液を用いた。保護皮膜の厚さは2.1
μmであった。
【0024】実施例7 実施例1において、ウレタン樹脂処理液のウレタン樹脂
をシクロヘキサンジイソシアネ−トが全有機ポリイソシ
アネ−ト化合物の41重量%、ウレタン樹脂固形分中の
ウレタン結合量がNCO換算で16重量%、100℃で
の弾性率が5700N/cm2のものに変更して、この
ウレタン樹脂処理液を用いた。保護皮膜の厚さは2.2
μmであった。
【0025】実施例8 実施例1において、ウレタン樹脂処理液のウレタン樹脂
をシクロヘキサンジイソシアネ−トが全有機ポリイソシ
アネ−ト化合物の31重量%、ウレタン樹脂固形分中の
ウレタン結合量がNCO換算で14重量%、100℃で
の弾性率が6200N/cm2のものに変更して、この
ウレタン樹脂処理液を用いた。保護皮膜の厚さは2.1
μmであった。
【0026】実施例9 実施例1において、ウレタン樹脂処理液のウレタン樹脂
をシクロヘキサンジイソシアネ−トが全有機ポリイソシ
アネ−ト化合物の65重量%、ウレタン樹脂固形分中の
ウレタン結合量がNCO換算で11重量%、100℃で
の弾性率が4900N/cm2のものに変更して、この
ウレタン樹脂処理液を用いた。保護皮膜の厚さは0.2
μmであった。
【0027】実施例10 実施例1において、ウレタン樹脂処理液のウレタン樹脂
をシクロヘキサンジイソシアネ−トが全有機ポリイソシ
アネ−ト化合物の47重量%、ウレタン樹脂固形分中の
ウレタン結合量がNCO換算で9重量%、100℃での
弾性率が4400N/cm2のものに変更して、このウ
レタン樹脂処理液を用いた。保護皮膜の厚さは9.8μ
mであった。
【0028】実施例11 実施例1において、ウレタン樹脂処理液のウレタン樹脂
をシクロヘキサンジイソシアネ−トが全有機ポリイソシ
アネ−ト化合物の51重量%、ウレタン樹脂固形分中の
ウレタン結合量がNCO換算で12重量%、100℃で
の弾性率が2200N/cm2のものに変更するととも
に、アナタ−ゼ型TiO2粒子を粒径が7nmのものに
して、添加量を保護皮膜の70重量%に変更し、ウレタ
ン樹脂処理液を用いた。保護皮膜の厚さは2.2μmで
あった。
【0029】実施例12 実施例1において、ウレタン樹脂処理液をイソシアネ−
ト量が20重量%で、100℃での弾性率が5400N
/cm2のアクリル樹脂処理液に変更した。保護皮膜の
厚さは2.0μmであった。
【0030】実施例13 実施例1において、ウレタン樹脂処理液をメラミン量が
20重量%で、100℃での弾性率が6000N/cm
2のポリエステル樹脂処理液に変更した。保護皮膜の厚
さは2.5μmであった。
【0031】実施例14 実施例1において、ウレタン樹脂処理液をイソシアネ−
ト量が20重量%で、100℃での弾性率が3500N
/cm2のエポキシ樹脂処理液に変更した。保護皮膜の
厚さは2.2μmであった。
【0032】比較例1 実施例1において、ウレタン樹脂処理液のウレタン樹脂
をシクロヘキサンジイソシアネ−トが全有機ポリイソシ
アネ−ト化合物の75重量%、ウレタン樹脂固形分中の
ウレタン結合量がNCO換算で7重量%、100℃での
弾性率が300N/cm2のものに変更して、このウレ
タン樹脂処理液を用いた。保護皮膜の厚さは2.4μm
であった。
【0033】比較例2 実施例1において、ウレタン樹脂処理液のウレタン樹脂
をシクロヘキサンジイソシアネ−トが全有機ポリイソシ
アネ−ト化合物の79重量%、ウレタン樹脂固形分中の
ウレタン結合量がNCO換算で22重量%、100℃で
の弾性率が11000N/cm2のものに変更して、こ
のウレタン樹脂処理液を用いた。保護皮膜の厚さは2.
3μmであった。
【0034】比較例3 実施例1において、ウレタン樹脂処理液のウレタン樹脂
をシクロヘキサンジイソシアネ−トが全有機ポリイソシ
アネ−ト化合物の49重量%、ウレタン樹脂固形分中の
ウレタン結合量がNCO換算で15重量%、100℃で
の弾性率が5200N/cm2のものに変更して、この
ウレタン樹脂処理液を用いた。保護皮膜の厚さは0.1
μmであった。
【0035】比較例4 実施例1において、ウレタン樹脂処理液のウレタン樹脂
をシクロヘキサンジイソシアネ−トが全有機ポリイソシ
アネ−ト化合物の63重量%、ウレタン樹脂固形分中の
ウレタン結合量がNCO換算で14重量%、100℃で
の弾性率が3900N/cm2のものに変更して、この
ウレタン樹脂処理液を用いた。保護皮膜の厚さは12.
5μmであった。
【0036】比較例5 実施例1において、ウレタン樹脂処理液のウレタン樹脂
をシクロヘキサンジイソシアネ−トが全有機ポリイソシ
アネ−ト化合物の55重量%、ウレタン樹脂固形分中の
ウレタン結合量がNCO換算で14重量%、100℃で
の弾性率が900N/cm2のものに変更するととも
に、アナタ−ゼ型TiO2粒子を粒径が7nmのものに
して、添加量を保護皮膜の80重量%に変更し、このウ
レタン樹脂処理液を用いた。保護皮膜の厚さは2.3μ
mであった。
【0037】比較例6 実施例1において、ウレタン樹脂処理液のウレタン樹脂
をシクロヘキサンジイソシアネ−トが全有機ポリイソシ
アネ−ト化合物の58重量%、ウレタン樹脂固形分中の
ウレタン結合量がNCO換算で10重量%、100℃で
の弾性率が4400N/cm2のものに変更するととも
に、アナタ−ゼ型TiO2粒子の添加量を保護皮膜の3
重量%に変更して、このウレタン樹脂処理液を用いた。
保護皮膜の厚さは2.1μmであった。
【0038】比較例7 実施例12において、アクリル樹脂処理液のアクリル樹
脂を、架橋剤のイソシアネ−トを使用せずに合成し、1
00℃での弾性率が100N/cm2のものに変更し
た。保護皮膜の厚さは2.1μmであった。
【0039】比較例8 実施例13において、ポリエステル樹脂処理液のポリエ
ステル樹脂を、架橋剤のメラミンを使用せずに合成した
もので、100℃での弾性率が300N/cm 2のもの
に変更した。保護皮膜の厚さは2.3μmであった。
【0040】比較例9 実施例14において、エポキシ樹脂処理液のエポキシ樹
脂を、架橋剤のイソシアネ−トを使用せずに合成したも
ので、100℃での弾性率が200N/cm2のものに
変更した。保護皮膜の厚さは2.2μmであった。表1
に得られた保護皮膜被覆ステンレス鋼板の保護皮膜をま
とめて示す。また、表2にこの鋼板について下記の特性
を調査した結果を示す。
【0041】(1)耐カジリ性試験 ロ−ルフォ−ミングで90゜曲げ加工(曲げコ−ナ−
部;1R)を施して、加工部外側の保護皮膜残存状態を
目視観察し、保護皮膜にカジリのないものを記号○、若
干のカジリが認められるもの(下地金属のカジリなし)
を記号△、カジリの著しいもの(下地金属に僅かでもカ
ジリの認められる)を記号×で評価した。耐カジリ性と
しては、除去を自然崩壊による場合、記号△以上の評価
を必要とする。 (2)自然崩壊性試験 63℃のサンシャインウエザ−促進試験機で50時間試
験した後、保護皮膜の残存状態を評価した。評価は保護
皮膜の全てが崩壊除去されたものを記号○で、保護皮膜
が一部残存しているものを記号△で、全面残存している
ものを記号×で行った。自然崩壊性は実用上記号○以上
の評価を必要とする。
【0042】(3)耐黄変性試験 上記自然崩壊性試験を行う前と後の試験片色調を色差計
によりLab法で測定して、試験前後のb値の差Δbが
1以下のものを記号○、1超、3以下のものを記号△、
3超のものを記号×で評価した。耐黄変性は実用上記号
△以上の評価を必要とする。 (4)耐指紋性試験 人工指紋液(塩化ナトリウム:7g/L、尿素:1g/
L、乳酸:4g/L、残り1:1メタノ−ル)に浸漬し
たゴム栓を試験片に押し付けて、試験前後の明度差をL
ab法によるL値から測定し、試験前後の差ΔLが2以
下のものを記号○で、2超、4以下のものを記号△で、
4超のものを記号×で評価した。耐指紋性は実用上記号
○以上の評価を必要とする。
【0043】
【表1】 (注1)脂環族ジイソシアネ−ト含有量は、芳香族、脂
肪族および脂環族ジイソシアネ−トの合計量に対する脂
環族ジイソシアネ−トの重量%である。 (注2)ウレタン結合含有量は、(数1)により算出し
た。 (注3)弾性率は、ORIENTEC社製のレオバイブロン D
DV−01−FPを用いて、加振周波数3.5Hzで測
定した。なお、弾性率は貯蔵弾性率の値を示している。
【0044】
【表2】
【0045】
【発明の効果】以上のように、保護皮膜の有機樹脂成分
を100℃における弾性率が500〜10000N/c
2であるものにすると、保護皮膜被覆金属板は成形加
工でカジリが発生しにくくなる。また、粒径が200n
m以下のアナタ−ゼ型TiO2粒子を保護皮膜に5〜7
0重量%含有させると、保護皮膜を自然崩壊により除去
することができ、剥離の必要がない。さらに、有機樹脂
を有機ポリイソシアネ−ト化合物とポリオ−ル化合物と
を反応させたウレタン樹脂であって、ウレタン結合含有
量がイソシアネ−ト基(NCO)換算で5〜30重量%
で、かつ、前記有機ポリイソシアネ−ト化合物の40重
量%以上が脂環族ジイソシアネ−トのものにすると、保
護皮膜をクリヤ−にした場合の黄変や白化を減少させる
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA21B AA21H AB01A AB04 AK01B AK51A AK51K BA02 CA23B DE01B DE01H GB32 GB48 JK07B JL00 JL01 JN28 YY00B YY00H 4K044 AA02 AB02 BA10 BA21 BB03 BC02 BC05 CA11 CA18 CA53

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 100℃における弾性率が500〜1
    0000N/cm 2である有機樹脂および粒径が200
    nm以下のアナタ−ゼ型TiO2粒子を含有し、TiO2
    粒子が5〜70重量%である樹脂組成物の保護皮膜を金
    属板表面に0.2〜10μm形成したことを特徴とする
    保護皮膜被覆金属板。
  2. 【請求項2】 有機樹脂が有機ポリイソシアネ−ト化
    合物とポリオ−ル化合物とを反応させたウレタン樹脂で
    あって、ウレタン結合含有量がイソシアネ−ト基(NC
    O)換算で5〜30重量%で、かつ、前記有機ポリイソ
    シアネ−ト化合物の40重量%以上が脂環族ジイソシア
    ネ−トのものであることを特徴とする請求項1に記載の
    保護皮膜被覆金属板。
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