JP2001133435A - 固体電解質型窒素酸化物ガスセンサ素子 - Google Patents

固体電解質型窒素酸化物ガスセンサ素子

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JP2001133435A
JP2001133435A JP31624999A JP31624999A JP2001133435A JP 2001133435 A JP2001133435 A JP 2001133435A JP 31624999 A JP31624999 A JP 31624999A JP 31624999 A JP31624999 A JP 31624999A JP 2001133435 A JP2001133435 A JP 2001133435A
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rare earth
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nitrogen oxide
earth metal
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Mitsuhiko Matsui
光彦 松井
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Tokuyama Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高湿度や結露などのように、水分濃度の高い雰
囲気中に非加熱の状態で長期間放置されても起電力の変
化が生じることがなく、また、作動開始から起電力が安
定化するまでの時間が短縮された固体電解質型窒素酸化
物ガスセンサ素子を提供する。 【解決手段】固体電解質層表面に電子伝導物質と補助電
極物質とを含む作用電極層及び電子伝導物質を含む参照
電極層が形成されてなる固体電解質型窒素酸化物ガスセ
ンサ素子において、該作用電極層が希土類金属酸化物及
び/又は希土類金属炭酸酸化物、好適には希土類元素が
ランタノイドである上記化合物を含むことを特徴とする
固体電解質型窒素酸化物ガスセンサ素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼制御設備や環
境計測設備などに組み込まれて、雰囲気中の窒素酸化物
ガス濃度を測定するための固体電解質を用いたガスセン
サ素子に関し、特に、高湿度環境下での安定性の向上、
並びに起電力の安定化時間の短縮が達成された固体電解
質型窒素酸化物ガスセンサ素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題に対する関心が高まって
おり、大気中に放出される窒素酸化物ガス濃度を計測制
御するためのセンサが注目されている。このようなセン
サのなかで、固体電解質の起電力変化を利用した固体電
解質型窒素酸化物ガスセンサ素子が、小型・簡便・安価
であることから、その実用化が熱望されている。
【0003】現在、実用化が検討されている固体電解質
型窒素酸化物ガスセンサ素子は、イオン伝導体である固
体電解質層、電子伝導物質および補助電極物質を含む作
用電極層、電子伝導物質を含む参照電極層、並びにこれ
らを加熱するためのヒータより構成されているのが一般
的である。
【0004】このセンサ素子は、通常100℃〜600
℃の一定温度に加熱されて作動し、窒素酸化物ガスを含
む雰囲気中に放置すると、固体電解質層を介して作用電
極層と参照電極層との間に窒素酸化物ガス濃度に応じた
ある一定の起電力が発生する。放置した雰囲気中の窒素
酸化物ガス濃度が変化すると、作用電極層に含まれる補
助電極物質と窒素酸化物ガスとの間で解離平衡反応が平
衡に達するまで進行し、作用電極層付近で固体電解質層
の可動イオン濃度に変化が生じる。
【0005】この濃度変化は起電力の変化として現れる
ため、その時の起電力を電圧計で測定し、予め作成して
おいた起電力と窒素酸化物ガス濃度との相関を示す検量
線を用いることで窒素酸化物ガス濃度を知ることができ
る。
【0006】このような窒素酸化物ガスセンサの固体電
解質層には、一般にNASICON(Na1+AZr2Si
A3-A12、但し0≦A≦3)、β−Al23などの陽
イオン伝導体が用いられている。
【0007】作用電極層に含まれる電子伝導物質は、起
電力を検出するために必要な物質であり、金や白金など
耐熱、耐酸化性に優れた貴金属材料が用いられる。
【0008】作用電極層に含まれる補助電極物質は、窒
素酸化物ガスが含まれる雰囲気中で、窒素酸化物ガスと
の平衡反応を引き起こすことができる物質であり、通
常、窒素酸化物ガスとの間で解離平衡を有する金属硝酸
塩が用いられている。
【0009】さらに、参照電極層に含まれる電子伝導物
質には、作用電極層に含まれる電子伝導物質と同様のも
のが用いられている。
【0010】上記の構成で作動する固体電解質型窒素酸
化物ガスセンサは、雰囲気中に含まれる窒素酸化物ガス
濃度を正確に測定し、さらに、小型で安価に作製できる
利点を有しているため、汎用性の高いセンサ素子として
受け入れられている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
補助電極物質としてアルカリ金属硝酸塩やアルカリ土類
金属硝酸塩を用いた固体電解質型窒素酸化物ガスセンサ
は、加熱を中断して作動を止めた状態で、高湿度雰囲気
や結露雰囲気などのように水分濃度の高い雰囲気中に放
置されると、その後、再び作動を開始した時に、起電力
が放置前の値に比べて著しく低下しているという問題点
を有していた。
【0012】さらに、作動開始から起電力が安定するま
での時間が、通常時で6〜8時間であるのに対して、上
記の雰囲気中に非加熱の状態で放置されたものは20〜
40時間かかるという問題点も有していた。
【0013】これらの問題点は、固体電解質型窒素酸化
物ガスセンサの実用化を妨げる要因ともなっている。従
って、高湿度や結露などのように水分濃度の高い雰囲気
中に非加熱の状態で長時間放置されても起電力の変化を
生じることがなく、また、作動開始から起電力が安定化
するまでの時間が短縮された固体電解質型窒素酸化物ガ
スセンサの開発が望まれていた。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる特
性を有する固体電解質型窒素酸化物ガスセンサを開発す
べく研究を重ねた結果、固体電解質層表面に形成される
作用電極層が希土類金属酸化物及び/又は希土類金属炭
酸酸化物を含むことにより、高湿度や結露などのように
水分濃度の高い雰囲気中に非加熱で放置されても、起電
力の値が放置前と変わらず、しかも、作動開始から起電
力が安定化するまでの時間が、通常、2時間以内である
固体電解質型窒素酸化物ガスセンサが得られることを見
い出し、本発明を提案するに至った。
【0015】即ち、本発明は、固体電解質層表面に電子
伝導物質と補助電極物質とを含む作用電極層及び電子伝
導物質を含む参照電極層が形成されてなる固体電解質型
窒素酸化物ガスセンサ素子において、該作用電極層が希
土類金属酸化物及び/又は希土類金属炭酸酸化物を含む
ことを特徴とする固体電解質型窒素酸化物ガスセンサ素
子である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の固体電解質型窒
素酸化物ガスセンサ素子の構成について詳細に説明す
る。
【0017】本発明の固体電解質型窒素酸化物ガスセン
サ素子の測定対象ガスは、窒素酸化物ガスである。かか
る窒素酸化物ガスは、公知のものが特に制限なく測定さ
れるが、通常は、一酸化窒素ガス、二酸化窒素ガス、及
びこれらの混合ガスが対象になる。
【0018】本発明においては、作用電極層が希土類金
属酸化物及び/又は希土類金属炭酸酸化物を含むことが
重要である。補助電極物質が希土類金属の酸化物や炭酸
酸化物を含まない場合、高湿度環境下で放置されると起
電力の値が放置前と比較して著しく低下し、かつ作動開
始から起電力が安定化するまでの時間が長くなる。
【0019】希土類金属酸化物としては、RO、R
2、R23等の一般式で表される希土類金属酸化物を
挙げることができる。ここで、Rは希土類元素であり、
Sc;Y;及びLa、Ce、Pr、Nd、Pm等原子番
号57〜71のランタノイドを挙げることができる。ま
た、希土類金属酸化物は複合酸化物でも良く、RM
2、RMO3等の一般式で表される酸化物も挙げること
ができる。ここで、Mは希土類元素以外の一般の金属元
素であり、Al、Sb、Co、Cr、Cu、Dy、F
e、Ho、Li、Mn、Ni、Inなどを挙げることが
できる。
【0020】上記一般式で表される希土類金属酸化物の
中でも、RO2、R23で表される希土類金属酸化物
が、固体電解質型窒素酸化物ガスセンサ素子の作動開始
から起電力が安定化するまでの時間短縮の点で好まし
い。
【0021】他方、希土類金属炭酸酸化物としては、R
22CO3、R2O(CO32及びその水和物(R2
(CO32・xH2O(xは0より大きい任意の
数))、R2CO5、RAL(CO3M(OH)T(A、
L、M、Tは任意の整数)等の一般式で表される炭酸酸
化物を挙げることができる。ここで、Rは、前記と同様
に希土類元素である。
【0022】上記一般式で表される希土類金属炭酸酸化
物の中でも、R22CO3、R2O(CO32、R2CO5
で表される炭酸酸化物が、固体電解質型窒素酸化物ガス
センサ素子の作動開始から起電力が安定化するまでの時
間短縮の点で好ましく、特にR22CO3で表される炭
酸酸化物が好ましい。
【0023】上記の希土類金属酸化物及び希土類金属炭
酸酸化物は、両者を混合して用いても良い。
【0024】これらの希土類金属酸化物及び希土類金属
炭酸酸化物のうち、特に、希土類金属酸化物が、高湿度
環境下での固体電解質型窒素酸化物ガスセンサ素子の作
動開始から起電力が安定化するまでの時間短縮の点で好
ましい。また、希土類金属酸化物及び希土類金属炭酸酸
化物は、希土類元素がランタノイドであるものが、同様
の起電力安定化時間短縮の点で好ましく、特に、希土類
元素がLa、Ndであるものが好ましい。
【0025】作用電極層中の希土類金属酸化物及び/又
は希土類金属炭酸酸化物の含有量は特に制限されない
が、作用電極の全重量100重量%中に占める割合で
0.5〜80重量%であることが好ましく、特に1〜6
0重量%であることが好ましい。
【0026】本発明において、作用電極層に含まれる補
助電極物質は、窒素酸化物ガスが含まれる雰囲気中で、
窒素酸化物ガスとの平衡反応を引き起こすことができる
物質であり、公知の材料が制限なく使用される。例え
ば、硝酸ナトリウム、硝酸リチウムなどのアルカリ金属
硝酸塩、硝酸バリウム、硝酸マグネシウム、硝酸ストロ
ンチウムなどのアルカリ土類金属硝酸塩等の金属硝酸塩
又はこれらの混合物が採用される。300℃以下の低温
で分解しないことからアルカリ土類金属硝酸塩、特に、
硝酸バリウム、硝酸ストロンチウムを用いることが好ま
しい。
【0027】希土類金属酸化物及び/又は希土類金属炭
酸酸化物と補助電極物質との組み合わせは特に制限され
ないが、希土類元素がランタノイドである希土類金属酸
化物または希土類金属炭酸酸化物と、アルカリ土類金属
硝酸塩との組み合わせが、高湿度環境下での作動開始か
ら起電力が安定化するまでの時間短縮の点で好ましく、
特に、希土類金属酸化物の場合、酸化ランタン、酸化ネ
オジムを用い、また、希土類金属炭酸酸化物の場合、炭
酸酸化ランタン、炭酸酸化ネオジムを用い、これらと硝
酸バリウム、硝酸ストロンチウムを組み合わせて用いる
のが好ましい。
【0028】作用電極層中の補助電極物質の含有量は特
に制限されないが、作用電極の全重量100重量%中に
占める割合で1〜70重量%であることが好ましく、特
に3〜50重量%であることがセンサ素子の起電力を安
定に出力させやすいことから好ましい。
【0029】本発明において、作用電極層に含まれる電
子伝導物質は、後述する参照電極層に含まれる電子伝導
物質と同様に、センサ素子の起電力を出力するために必
要な物質であり、公知の材料が制限なく使用される。例
えば、白金、金、パラジウム、銀などの貴金属元素およ
びこれらの合金、もしくは上記の貴金属元素の2種類以
上を混合したものが採用されるが、特に、白金、金およ
びこれらの混合物や合金が耐腐食性に優れていることか
ら好適である。
【0030】作用電極層中の電子伝導物質の含有量は特
に制限されないが、作用電極の全重量100重量%中に
占める割合で10〜95重量%であることが好ましく、
特に25〜90重量%であることが好ましい。
【0031】本発明において、電子伝導物質、補助電極
物質、並びに希土類金属酸化物及び/又は希土類金属炭
酸酸化物(以下、希土類金属酸化物及び/又は希土類金
属炭酸酸化物を、希土類金属化合物とも略する)を含む
作用電極層の構造は、特に制限されるものではない。代
表的な構造を例示すると、電子伝導物質、補助電極物質
及び希土類金属化合物が固体電解質層表面に層状に積み
重なる構造、作用電極層の電子伝導物質中に、補助電極
物質及び希土類金属化合物が分散して存在する構造、固
体電解質層表面に形成された補助電極物質及び希土類金
属化合物の混合物層の一部又は全部を電子伝導物質が被
覆する構造などが挙げられるが、特に、電子伝導物質中
に補助電極物質及び希土類金属化合物が分散して存在す
る構造が作用電極層を簡便に形成できることから好まし
い。
【0032】上記の作用電極層の形成方法としては、公
知の方法が特に制限なく使用される。例えば、上記の電
子伝導物質、補助電極物質及び希土類金属化合物を単独
で、もしくは混合した後に溶媒およびバインダーと混練
してペースト化し、該ペーストをスクリーン印刷法など
によって固体電解質表面に焼き付ける方法、電子伝導物
質、補助電極物質及び希土類金属化合物をスパッタリン
グや蒸着などの薄膜形成技術によって形成する方法が好
適に採用される。
【0033】作用電極層の厚みは特に制限されないが、
一般には0.001〜0.03mmの範囲から採用され
る。
【0034】本発明において、参照電極層に含まれる電
子伝導物質は、前述の作用電極層に含まれる電子伝導物
質と同様に、センサ素子の起電力を出力するために必要
な物質であり、公知の材料が制限なく使用される。例え
ば、白金、金、パラジウム、銀などの貴金属元素および
これらの合金、もしくは上記の貴金属元素の2種類以上
を混合したものが採用されるが、特に、白金、金および
これらの混合物や合金が耐腐食性に優れていることから
好適である。
【0035】上記の参照電極層の形成方法としては、公
知の方法が特に制限なく使用される。例えば、既述の作
用電極層の製造方法で示したような方法を用いることが
できる。
【0036】参照電極層の厚みは特に制限されないが、
一般には0.001〜0.03mmの範囲から採用され
る。
【0037】本発明において、上記作用電極層および参
照電極層の配置は、作用電極層および参照電極層が固体
電解質層に接触していれば、特に制限されない。例え
ば、固体電解質層の片方の表面に作用電極層、他方の面
に参照電極層が形成されている構造を有するもの、固体
電解質の片方の表面に作用電極層と参照電極層の両層が
一定の距離をおいて形成されている構造を有するもので
も良い。
【0038】本発明において、固体電解質層には、公知
の固体電解質が制限なく使用される。例えば、前述のN
ASICON、β―Al23、Li4SiO4などが挙げ
られる。
【0039】固体電解質層の形成方法は、公知の方法が
特に制限なく採用される。代表的な形成方法としては、
固体電解質の合成原料を焼成し、成形した後加熱する方
法、固体電解質の合成原料を成型した後、焼結する方
法、及び、固体電解質の合成原料を溶媒およびバインダ
ーと混練してペースト化し、該ペーストをスクリーン印
刷法などによってセラミックスやガラスの基板上に印刷
して焼き付ける方法などが挙げられる。
【0040】固体電解質層の厚みは特に制限されない
が、一般には0.02mm〜2.0mmの範囲から採用
される。
【0041】固体電解質型窒素酸化物ガスセンサ素子
は、補助電極物質と窒素酸化物ガスとの間で解離平衡反
応を起こさせるため、通常100℃〜600℃の一定温
度に加熱して使用される。上記センサ素子を加熱する方
法としては、センサ素子の外部の熱源からの加熱によっ
ても良いし、ヒータが形成されたセラミックスやガラス
基板をセンサ素子に接合し、該ヒータに直流または交流
電圧を印加して加熱してもよい。センサ素子に接合する
ヒータの装着位置は、参照電極層の上のように、センサ
素子の作動を阻害しない位置であれば特に制限されな
い。
【0042】
【発明の効果】本発明の固体電解質型窒素酸化物ガスセ
ンサ素子は、作用電極層に希土類金属酸化物及び/又は
希土類金属炭酸酸化物を含むことにより、非加熱の状態
で結露や高湿度の雰囲気中に長時間放置されても起電力
の値が放置前と変わらず、しかも、作動開始から起電力
が安定化するまでの時間を、2時間以内とすることが可
能である。このような安定化時間は、従来の固体電解質
型窒素酸化物ガスセンサ素子の通常時の安定化時間であ
る6〜8時間よりも短いものとなっている。
【0043】従って、本発明は、どのような環境下にお
いても、窒素酸化物ガスを長期間にわたって信頼性良
く、しかも素早く測定することが可能になった点におい
て技術的な意義は大きい。例えば、大気中の窒素酸化物
測定や自動車などの排ガス分析などにおいて、濃度計測
設備に組み込まれて、有効に使用される。
【0044】
【実施例】本発明を具体的に説明するために以下の実施
例を挙げて説明するが、本発明は、これら実施例に制限
されるものではない。 (1)耐水性試験 実施例および比較例の固体電解質型窒素酸化物ガスセン
サ素子を作製直後、二酸化窒素ガス濃度を自由に制御で
きるチャンバー内に入れ、電源よりヒータに直流電圧を
印加して、センサ素子を150℃に加熱した。
【0045】センサ素子の温度を150℃に保持したま
ま、チャンバー内の二酸化窒素ガス濃度を10ppmお
よび100ppmとし、それぞれの濃度での起電力を測
定して、これを初期の起電力とした。また、10ppm
の時の起電力値と100ppmの時の起電力値との差を
求め、これを初期の感度とした。
【0046】初期の起電力および感度を測定後、センサ
素子をチャンバーから取り出し、これを温度60℃、湿
度90%に保持された恒温槽内に入れて、非加熱の状態
で7日間連続で放置した。
【0047】放置後、恒温槽から取り出し、初期の起電
力および感度を測定した方法と同様の方法で起電力およ
び感度を測定し、これを耐水試験後の起電力および感度
とした。
【0048】耐水試験後と初期の起電力の差、および感
度の差を求め、非加熱の状態で結露や高湿度の雰囲気中
に長時間放置された後の起電力および感度の変化を見
た。 (2)起電力安定化時間の測定 センサ素子を温度60℃、湿度90%に保持された恒温
槽内に入れて、非加熱のまま7日間連続で放置した。
【0049】センサ素子を恒温槽から取り出した後、直
ちに二酸化窒素ガス濃度が100ppmに保たれたチャ
ンバー内に入れ、電源よりヒータに直流電圧を印加し
て、センサ素子を150℃に加熱した。加熱開始から、
センサ素子の起電力の値が±4mVの範囲で安定になる
までの時間を測定し、これをセンサ素子の安定化時間と
した。
【0050】実施例1〜18 固体電解質型窒素酸化物ガスセンサとして、図1に示さ
れるような断面構造を有する素子を作製した。この固体
電解質型窒素酸化物ガスセンサ素子は、固体電解質層2
の片面に作用電極層1が、反対面に参照電極層3が形成
され、参照電極層3の上にはセラミックス板4が接着剤
5によって接合されている。さらに、参照電極層3が接
合している面とは反対側のセラミックス板4の表面には
ヒータ6が形成されおり、電源7から電気の供給を受け
ている。また、作用電極層1および参照電極層3からは
リード線が引き出されており、電圧計8に接続して起電
力が測定されている。
【0051】固体電解質層を形成するための固体電解質
粉末は、ケイ酸ジルコニウムとリン酸ナトリウムをNa
3Zr2SiPO12の組成になるように混合し、1100
℃の大気雰囲気で6時間、焼成することによって得た。
【0052】固体電解質層2は、上記固体電解質粉末を
一軸成形後、1200℃の大気雰囲気で10時間焼結し
て厚さ0.4mmの円盤状のペレットとした。
【0053】作用電極層は、5重量%エチルセルロース
を溶解したテルピネオールに、電子伝導物質としての金
粉末、補助電極物質および希土類金属酸化物又は希土類
金属炭酸酸化物を表1に示す割合で混練してペーストと
し、これを上記固体電解質層の片面にスクリーン印刷、
乾燥、500℃の大気中で30分焼成して形成した。こ
のようにして、膜厚が0.015mmの作用電極層を得
た。
【0054】参照電極層は、電子伝導物質としての金粉
末と、5重量%エチルセルロースを溶解したテルピネオ
ールとを混練してペーストとし、これを上記固体電解質
層の作用電極層を形成した面とは反対の表面にスクリー
ン印刷、乾燥、500℃の大気中で30分焼成して形成
した。このようにして、膜厚が0.015mmの参照電
極層を得た。
【0055】上記の参照電極層の上には、市販の白金ペ
ーストでスクリーン印刷法によって形成した白金ヒータ
を搭載するアルミナ基板を、ヒータが形成されていない
面が接合面になるようにガラスよりなる接着剤で接合し
た。
【0056】以上の方法によって作製した固体電解質型
窒素酸化物ガスセンサ素子に対し、耐水性試験および起
電力安定化時間の測定を行った。
【0057】その結果を表2に示した。 比較例1〜5 比較例1〜5の固体電解質型窒素酸化物ガスセンサ素子
は、作用電極層を除いたすべての部分を、実施例1〜1
8と同様の方法で作製した。
【0058】比較例1〜5の作用電極層は、希土類金属
酸化物及び希土類金属炭酸酸化物を含まない。即ち、5
重量%エチルセルロースを溶解したテルピネオールに、
電子伝導物質としての金粉末および表1に示した補助電
極物質を混練してペーストとし、これを固体電解質層の
片面にスクリーン印刷、乾燥、500℃の大気中で30
分焼成して形成した。
【0059】作製したセンサ素子に対し、耐水性試験お
よび起電力安定化時間の測定を行い、その結果を表2に
示した。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、固体電解質型窒素酸化物ガスセンサ素
子の代表的な態様を示す断面図である。
【符号の説明】
1.作用電極層 2.固体電解質層 3.参照電極層 4.セラミックス板 5.接着剤 6.ヒータ 7.電源 8.電圧計

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固体電解質層表面に電子伝導物質と補助電
    極物質とを含む作用電極層及び電子伝導物質を含む参照
    電極層が形成されてなる固体電解質型窒素酸化物ガスセ
    ンサ素子において、該作用電極層が希土類金属酸化物及
    び/又は希土類金属炭酸酸化物を含むことを特徴とする
    固体電解質型窒素酸化物ガスセンサ素子。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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