JP2001129408A - 光触媒複合体、光触媒層形成用組成物及び光触媒担持構造体 - Google Patents

光触媒複合体、光触媒層形成用組成物及び光触媒担持構造体

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JP2001129408A
JP2001129408A JP31249699A JP31249699A JP2001129408A JP 2001129408 A JP2001129408 A JP 2001129408A JP 31249699 A JP31249699 A JP 31249699A JP 31249699 A JP31249699 A JP 31249699A JP 2001129408 A JP2001129408 A JP 2001129408A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】浄水、脱臭、防汚等に使用可能で、かつ耐アル
カリ性が良好な光触媒複合体、光触媒層形成用組成物及
び光触媒担持構造体を提供する。 【解決手段】酸化物に換算して50重量%〜95重量%
のアルミニウム化合物と金属酸化物に換算して5〜50
重量%の光触媒とからなる光触媒複合体、光触媒層形成
用組成物、及び、担体と、担体表面に、シリコン含有量
が酸化物に換算して2〜10重量%のシリコン変性樹
脂、コロイダルシリカを酸化物に換算して5〜10重量
%含有する樹脂、又は、SiCln1(OH)n213
(OR2)n4(R1,R2:炭素数1〜8のアルキル基
等、n1〜n3:0〜2の整数、n4:2〜4の整数、n1
+n2+n3+n4=4)で表される化合物の重縮合物で
あるポリシロキサンを酸化物に換算して3〜10重量%
含有する樹脂から形成された接着層と、接着層表面に前
記光触媒複合体からなる光触媒層とを有する光触媒担持
構造体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、浄水、脱臭、防汚、殺
菌、排水処理、藻の成育抑制及び各種化学反応等に用い
られる光触媒複合体、光触媒層形成用組成物、及び光触
媒担持構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、光触媒の作用により抗菌、防
黴性や有害物質の分解を意図して、光触媒を担体上に担
持させてなる光触媒担持構造体が知られている。かかる
光触媒担持構造体は、通常担体表面に光触媒成分を含有
する光触媒層形成用塗布液を塗布、硬化させることによ
り光触媒層を形成することにより製造されている。
【0003】光触媒層形成用塗布液は、二酸化チタン等
の金属酸化物からなる光触媒成分及びバインダー樹脂を
必須成分として含んでいるが、それ以外にも、目的、用
途に応じて種々のものが添加される場合がある。かかる
光触媒層形成用塗布液から形成される光触媒担持構造体
としては、例えば次のものが知られている。
【0004】(1)特開平4−174679号公報に
は、光触媒層中に、酸化チタンと金属(アルミニウム、
珪素、ジルコニム等)アルコキシドの加水分解生成物と
を含有する光触媒層を有する光触媒担持構造体が記載さ
れている。しかしながら、特開平4−174679号公
報には、耐薬品性、耐アルカリ性についての言及はな
く、密着性についても言及されていない。
【0005】(2)特開平9−40872号公報には、
光触媒層の層間密着性を高めるために、酸化チタン及び
水性溶媒の他に加水分解可能な有機金属化合物を添加せ
しめた組成物が記載されている。そして、加水分解可能
な有機金属化合物として、リチウム、マグネシウム、ア
ルミニウム等の金属アルコキシドが用いられている。
【0006】(3)特開平9−226040号公報に
は、複合材が光酸化劣化するのを防止し、表面を超親水
化可能とするために、光半導体に加えて光酸化還元反応
を阻害する物質を添加した光触媒層を有する複合材が記
載されている。そして、該光酸化還元反応を阻害する物
質として、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミ
ナ、ジルコニア、シリカ、酸化アンチモン、無定型酸化
チタン、アルミニウム、マンガンからなる群から選ばれ
る1種以上の物質が用いられている。
【0007】(4)特開平9−241037号公報に
は、基材表面上にチタニアを含む金属酸化物と、P
25、B23、ベーマイト、γ―Al2Cl3及びSiO
2-Al23系酸化物からなる群から選ばれる少なくとも
1種の金属酸化物とからなる被膜を設けた防曇性膜形成
基材が記載されている。この基材は防曇性が長く持続す
ることを特徴とするものである。
【0008】(5)特開平9−227156号公報に
は、基材表面に、光半導体以外にアルカリ金属、アルカ
リ土類金属、亜鉛、アルミニウム、白金、パラジウム、
ルテニウム、アルミナ、ジルコニア、セリア、イットリ
アのうちの少なくとも1種を含む層を形成した部材が記
載されている。この部材は、太陽光や室内照明光等の日
常よく使用されている光源によっても、表面が超親水性
化されることを特徴とするものである。
【0009】(6)特開平9−310039号公報に
は、シリコン化合物を0.001〜5重量%、金属の酸
化物及び/又は水酸化物のゾルを固形分として0.1〜
3重量%、並びに光触媒の粉末及び/又はゾルを固形分
として0.1〜30重量%含有してなる光触媒コーティ
ング剤が記載されている。このコーティング剤は、光触
媒層を形成した場合に、光触媒作用により担体が劣化し
たり、光触媒が脱離したりすることのないものである。
【0010】(7)特開平10−180118号公報に
は、Zr/Ti(モル比)が0.3未満となるように二
酸化ジルコニウムおよびジルコニウム塩のいずれか一方
または両方が添加したチタニアゾルを基材に塗布した
後、300〜1000℃で小生処理する固定化光触媒の
製造方法が記載されている。この製造方法によれば、比
較的安価な原料を用い、特別な設備及び操作を必要とせ
ず、短い焼成時間で低コストに固定化光触媒を製造する
ことができる。
【0011】(8)特開平10−337478号公報に
は、光触媒活性を高めるために、ポリビニルピロリド
ン、チタン化合物に加えて、ジルコニウム化合物、亜鉛
化合物、珪素化合物、ハフニウム化合物、アルミニウム
化合物及びホウ素化合物のうち少なくとも1種を含む酸
化チタン光触媒用ゾルが記載されている。
【0012】(9)特開平10−216528号公報に
おいては、バインダーとともに光触媒粒子を基体上に接
着させて前記基体上に触媒膜を形成してなる光触媒体に
おいて、シリカ及び/又はジルコニアをバインダーとし
て用いる光触媒からだが記載されている。この発明は、
シリカ及び/又はジルコニアをバインダーとして用いる
ことにより、高い光触媒活性と耐水性の皮膜を、350
℃以下の低温で形成する事ができることを特徴としてい
る。
【0013】(10)特開平11−146277号公報
には、基板上に、シリカ及び/又はアルミナの微粒子、
並びにチタニアと非晶質の金属酸化物を形成するゾル及
び/又は微粒子を所定割合で含有する溶液を塗布し、4
00〜850℃の温度で焼成する、親水性に優れ、かつ
耐久性に優れた親水性被膜形成基材及びその製造方法が
記載されている。
【0014】(11)特開平11−179211号公報
には、酸化チタン及び結晶質のチタンサンジルコニウム
を主体とし、ジルコニウムとチタンの原子%比(Zr/Ti)
が0.001以上0.5以下の酸化チタン系触媒、及び
チタン化合物とジルコニウム化合物との反応生成物を大
気雰囲気下で焼成すること酸化チタン系触媒の製造方法
が記載されている。そして、酸化チタン系触媒をかかる
構成とすることによって、光触媒活性を向上せしめるも
のである。
【0015】(12)特開平11−188270号公報
には、複合酸化チタン微粒子と、バインダーとが、水及
び/又は有機溶媒からなる溶媒に溶解又は分散してなる
透明被膜形成用塗布液であって、〔A〕前記複合酸化チ
タン微粒子が、Cu,Ag,Zn,Cd,V,Bi,C
r,Mo,Mn及びFeからなる群から選ばれる1種又
は2種以上の元素と、Tiとからなる複合酸化チタン微
粒子であり、〔B〕前記バインダーが、チタン過酸化
物、又は、Cu,Ag,Zn,Cd,Al,Zr,S
i,Sn,V,Nb,Sb,Bi,Cr,Mo、W、M
n及びFeからなる群から選ばれる1種又は2種以上の
元素と、Tiとからなる複合チタン過酸化物と、有機高
分子化合物とからなる透明被膜形成用塗布液が記載され
ている。この塗布液によれば、基材との密着性が強く、
より高い光触媒活性を有し、かつ透明性に優れた被膜を
低温処理で形成できるものである。
【0016】(13)さらに特開平11−199860
号公報には、全酸化物量に対し、アナターゼ型チタニア
粒子を1〜75重量%、チタニアゾルを15〜85重量
%、及びシリカゾル及び/又はアルミナゾルを10〜4
0重量%を含有する防曇性被膜形成用コーティング液が
記載されている。
【0017】以上のように、これまでにも光触媒活性や
親水性の向上、製法の簡略化、層間密着性や膜強度の向
上あるいは透明性を高める目的で、光触媒を含有する被
膜(層)中に光触媒以外に種々の金属化合物を添加する
試みが行われてきた。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例え
ば、担体(基材あるいは基板)表面に光触媒を含有する
被膜又は層(以下、「光触媒層」という。)を形成して
なる部材(以下、「光触媒担持構造体」という。)を屋
外で使用する場合には、次のような問題があった。
【0019】すなわち、光触媒担持構造体を屋外で使用
する場合、雨等によってモルタルやコンクリートから溶
出した成分を含む溶液にさらされる場合がある。この溶
液はしばしば強アルカリ溶液であり、このとき、耐アル
カリ性に劣る光触媒層が部分的にあるいは全面的に光触
媒層が担体から剥離して、十分な光触媒活性を発揮され
ない場合があった。
【0020】また、強アルカリにさらされた場合は、光
触媒層の透明性が悪くなることが知られている。従っ
て、ガラスや透明プラスチックス等透明な担体上に光触
媒膜(層)を形成する場合には、下地の色や模様を活か
すためにも特に耐アルカリ性に優れた光触媒層を形成す
ることが要求される。
【0021】このような高温多湿の環境で使用する場合
には、例えば、JIS K5400に規定されている5
重量%炭酸ナトリウム水溶液への浸漬後でも剥離しない
光触媒の担持構造体が必要である。
【0022】従来技術による担持体では300℃以上の
高温で焼き付けたものでない限り、こうした厳しい条件
を満足する高触媒活性の光触媒担持体が得られたという
報告はない。また、5w/v%炭酸ナトリウム水溶液や
1w/v%水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ水溶液
に耐えるという報告もない。
【0023】屋外環境で使用される場合の光触媒担持体
が解決しなくてはならない課題として、1)1w/v%
水酸化ナトリウム水溶液に24時間接触させた後でも、
光触媒と担体との接着性が良好であり、かつ光触媒塗膜
の透明性の変化が大きくないこと、2)光触媒活性が担
体上へ担持されることにより大きく低下しないこと、
3)屋外の紫外線照射によって担持した光触媒による担
体及び接着剤の劣化がおきず、長期にわたって接着強度
を維持し耐久性を保っていることの3点が挙げられる。
【0024】本発明はかかる実状に鑑みてなされもので
あり、浄水、脱臭、防汚、殺菌、排水処理、藻の成育抑
制、及び各種の化学反応に使用可能で、かつ耐アルカリ
性が良好な光触媒を担持した構造体を提供することを目
的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、後述する構成を有する光
触媒複合体、光触媒層形成用組成物及び光触媒担持構造
体を見い出し、本発明を完成するに至った。
【0026】即ち、本発明は、第1に光触媒とアルミニ
ウム化合物とからなる光触媒複合体であって、アルミニ
ウム化合物を光触媒複合体全体に対して酸化物に換算し
て50重量%〜95重量%、及び光触媒を光触媒全体に
対して金属酸化物に換算して5〜50重量%を含有して
なる光触媒複合体を提供する。
【0027】前記第1の発明において、光触媒複合体中
に含まれるアルミニウム化合物としては、アルミニウム
の酸化物、酸化水酸化物、水酸化物、オキシ硝酸塩、オ
キシ炭酸塩、炭素数1〜4のアルコキシド及び該アルコ
キシドの加水分解生成物からなる群から選ばれた1種ま
たは2種以上の混合物のゲルであるのが好ましい。
【0028】この場合において、前記アルミニウム化合
物のゲルは、150℃で乾燥後の比表面積が100m2
/g以上の多孔質ゲルであるのがより好ましい。
【0029】また本発明は第2に、アルミニウム化合物
を固形分として酸化物換算で5重量%〜9.5重量%、
及び光触媒粒子及び/又は光触媒ゾルを固形分として酸
化物換算で0.5重量%〜5重量%含有してなる光触媒
層形成用組成物を提供する。
【0030】前記第2の発明において、光触媒層形成用
組成物中に含まれるアルミニウム化合物としては、アル
ミニウムの酸化物、酸化水酸化物、水酸化物、オキシ硝
酸塩、オキシ炭酸塩、炭素数1〜4のアルコキシド及び
該アルコキシドの加水分解生成物からなる群から選ばれ
た1種又は2種以上の混合物及び/又はそれらのゾルで
あるのが好ましい。
【0031】この場合において、前記アルミニウム化合
物及び/又はそのゾルは、好ましくはその平均粒子径が
50nm以下であり、より好ましくはその平均粒子径が
20nm以下である。
【0032】さらに本発明は、第3に、担体と、担体表
面に形成された接着層と、接着層表面に形成された光触
媒層とを有する光触媒担持構造体であって、前記接着層
は、シリコン含有量が酸化物に換算して2〜10重量%
のシリコン変性樹脂、コロイダルシリカを酸化物に換算
して5〜10重量%含有する樹脂、又は一般式(I)
【0033】
【化2】
【0034】〔式中、R1は(アミノ基、カルボキシル
基又は塩素原子で置換されていてもよい)炭素数1〜8
のアルキル基を表し、R2は、炭素数1〜8のアルキル
基又はアルコキシ基で置換された炭素数1〜8のアルキ
ル基を表し、n1、n2及びn3は0、1又は2を表し、
4は2〜4の整数を表し、かつn1+n2+n3+n4
4である。〕で表される化合物の重縮合反応生成物であ
るポリシロキサンを酸化物に換算して3〜10重量%含
有する樹脂から形成されてなり、かつ、光触媒層は、光
触媒及びアルミニウム化合物からなる光触媒複合体から
形成されてなる光触媒担持構造体を提供する。
【0035】前記第3の発明の光触媒担持構造体におい
ては、接着層を構成するポリシロキサンを含有する樹脂
の樹脂及びは、コロイダルシリカを含有する樹脂の樹脂
は、シリコン変性樹脂であるのがそれぞれ好ましい。
【0036】この場合において、前記接着層のシリコン
変性樹脂は、アクリル−シリコン樹脂、エポキシ−シリ
コン樹脂、ポリエステル−シリコン樹脂又はそれらの混
合物であるのがより好ましい。
【0037】また前記ポリシロキサンは、炭素数1〜4
のアルコキシ基を有するシリコンアルコキシドの加水分
解物又は該加水分解物の重縮合物から形成されてなるの
が好ましい。
【0038】さらに、前記接着層のコロイダルシリカを
含有する樹脂に含まれるコロイダルシリカの粒子径は、
50nm以下であり、前記接着層の厚さは0.1μm〜
20μmであるのが好ましい。
【0039】前記光触媒層は、アルミニウム化合物を光
触媒層全体に対して酸化物に換算して50〜95重量
%、及び光触媒を光触媒層全体に対して酸化物に換算し
て5〜50重量%からなる光触媒複合体からなるのが好
ましい。
【0040】前記光触媒層に含まれるアルミニウム化合
物としては、アルミニウムの酸化物、酸化水酸化物、水
酸化物からなる群から選ばれた1種又は2種以上の混合
物及び/又はそのゲルであるのが好ましい。
【0041】この場合において、前記ゲルは、150℃
で乾燥後の比表面積が100m2/g以上の多孔質ゲル
であるのがより好ましく、光触媒層の厚さは、0.1μ
m〜5μmであるのが好ましい。
【0042】また、本発明の光触媒担持構造体は、好適
には、光触媒媒層と接着層とを合わせた層のヘイズ率は
1%以下となっており、より好適には、紫外線強度3m
W/cm2のブラックライトの光を、温度40℃、相対
湿度90%の下で500時間照射した後での接着層と光
触媒層とを合わせた層のヘイズ率が1%以下となってい
る。
【0043】ここでヘイズ率とは、ヘイズ率=(全光透
過率−直線透過率)/全光透過率という関係式で求めら
れる値である。例えば、トイレの窓ガラスは、トイレ内
が明るいように全光透過率の高いもので、かつ、内部が
はっきりと見えてはいけないのでヘイズ率は低いもので
ある必要がある
【0044】さらに本発明の光触媒担持構造体において
は、紫外線強度3mW/cm2のブラックライトの光
を、温度40℃、相対湿度90%の下で500時間照射
した後でのJIS K5400に規定された碁盤目テー
プ法による付着性が、評価点数6点以上であるのが好ま
しい。
【0045】本発明の光触媒複合体は、5w/v%の炭
酸ナトリウム水溶液を用いる代わりに、1w/v%の水
酸化ナトリウム水溶液を用いる以外はJIS K540
0に規定する耐アルカリ性試験と同様の試験を行った後
において、JIS K5400に規定するアルカリに浸
しても異常が認められない。
【0046】すなわち、1w/v%の水酸化ナトリウム
水溶液を用いるJIS K5400に準拠した耐アルカ
リ性試験後においても、目視観察により、塗膜の膨れ、
割れ、はがれ、穴、軟化が認められず、更に、浸せき溶
液の着色や濁りがなく、原状試験片と比べて、つやの変
化や変色がほとんど見られず、優れた耐アルカリ性を有
する。
【0047】また、本発明の光触媒担持構造体は、担体
表面に特定の材料からなる接着層と、該接着層上に本発
明の光触媒層形成用組成物から形成されてなる光触媒層
を有する。かかる構成からなる本発明の光触媒担持構造
体は、紫外線強度3mW/cm2 のブラックライトの光
を、温度40℃、相対湿度90%の下で500時間照射
した後でも、JIS K5400の碁盤目テープ法によ
る付着性が、評価点数6点以上を維持するような高い耐
久性を示す。
【0048】従って本発明の光触媒構造体は、JIS
K5400に規定されたサンシャインカーボンアークウ
ェザーメーターによる促進耐候性試験において、500
時間経過後でも、表面の割れ、膨れ、ヒビ割れ、剥離、
白化等がなく、前述のような高温多湿の屋外において使
用された場合でも優れた特性を発揮するものとなってい
る。
【0049】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を説
明する。本発明の光触媒担持構造体は、光触媒層と担体
の間に接着層を設けた構造を有する。
【0050】(1)接着層 接着層は光触媒層と担体との間に設けられる。接着層
は、下地の担体を光触媒作用による劣化から保護する作
用と光触媒層を担体に強固に接着させる作用を有してお
り、また接着層自身が光触媒作用による劣化を受けにく
いという特徴を有している。
【0051】接着層の材質としては、シリコン含有量
が酸化物に換算して2〜10重量%の(アクリル−シリ
コン樹脂、エポキシ−シリコン樹脂、ポリエステル−シ
リコン樹脂等の)シリコン変性樹脂、ポリシロキサン
を酸化物に換算して3〜10重量%含有する樹脂、又
は、コロイダルシリカを酸化物に換算して5〜10重
量%含有した樹脂を好ましく使用することができる。こ
れらの樹脂は光触媒を強固に接着し、担体を光触媒から
保護するのに適当である。
【0052】シリコン含有量が酸化物に換算して2重量
%未満のシリコン変性樹脂やポリシロキサン含有量が酸
化物に換算して3重量%未満の樹脂、コロイダルシリカ
含有量が酸化物に換算して5重量%未満の樹脂を用いる
場合には、光触媒層との接着が悪くなり、また、接着層
が光触媒により劣化し、光触媒層が剥離し易くなる。
【0053】一方、シリコン含有量が酸化物に換算して
10重量%を超えるシリコン変性樹脂やポリシロキサン
含有量が酸化物に換算して10重量%を超える樹脂、コ
ロイダルシリカ含有量が酸化物に換算して10重量%を
超える樹脂を用いると、1重量%水酸化ナトリウム水溶
液のような強アルカリに対する耐久性が低下する。
【0054】かかるアクリル−シリコン樹脂、エポキシ
−シリコン樹脂及びポリエステル−シリコン樹脂等のシ
リコン変性樹脂へシリコンを導入する(シリコン変性)
方法としては、所定量のシリコン分を含有するシリコン
変性樹脂が得られるものであれば特に制限はない。例え
ば、エステル交換反応、シリコンマクロマーや反応性シ
リコンモノマーを用いたグラフト反応、ヒドロシリル化
反応、ブロック共重合法等が挙げられる。
【0055】シリコンが導入される樹脂としては、アク
リル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド
樹脂、ウレタン樹脂等を例示することができる。これら
の内、アクリル樹脂やエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂
が、成膜性、強靭性、担体との密着性の点で最も優れて
いる。
【0056】接着層樹脂がポリシロキサンを含有する場
合、ポリシロキサンは、炭素数1〜5のアルコキシ基を
有するシリコンアルコキシドの加水分解物あるいは該加
水分解生成物であるときに、接着性及び耐久性がより向
上した光触媒担持構造体を得ることができる。シリコン
アルコキシドのアルコキシ基の炭素数が6を超えると、
高価であり、しかも加水分解速度が非常に遅いので、樹
脂中で硬化させるのが困難になり、接着性や耐久性が低
下する。
【0057】このようなポリシロキサンとしては、式
〔I〕で表される化合物を好ましく使用できる。
【0058】
【化3】
【0059】ここで、R1 は、メチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル、
ヘキシル、オクチル、アミノメチル、アミノエチル、カ
ルボキシメチル、カルボキシエチル、クロロメチル、ク
ロロエチル、クロロプロピル基等の(アミノ基、カルボ
キシル基又は塩素原子で置換されていてもよい)炭素数
1〜8のアルキル基を表し、
【0060】R2は、メチル、エチル、プロピル、イソ
プロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル
基等の炭素数1〜8のアルキル基、メトキシメチル、エ
トキシメチル、プロポキシメチル、イソプロポキシメチ
ル、ブトキシメチル、メトキシエチル、エトキシメチ
ル、プロポキシエチル、メトキシプロピル、メトキシブ
チル基等のアルコキシ基で置換された炭素数1〜8のア
ルキル基を表す。また、n1 、n2 及びn3 は、それぞ
れ独立して0、1又は2を表し、n4 は2〜4の整数を
表し、かつ、n1 +n2 +n3 +n4 =4である。
【0061】前記式〔I〕で表されるシリコンアルコキ
シドの好ましい具体例としては、Si(OCH3)4 ,S
i(OC25)4 ,Si(OC37)4 ,Si(OC4
9)4,Si(OC511)4 ,Si(OC613)4
SiCH3(OCH3)3 ,SiCH3 (OC25)3
SiCH3(OC37)3 ,SiCH3(OC37)3,S
iCH3(OC4 H9)3 , SiCl(OCH3)3 , Si
Cl(OC25)3,SiCl(OC37)3 , SiCl
(OC49)3 , SiCl(OC613)3 ,SiCl
(OH)(OCH3)2 , SiCl(OH)(OC25)
2 , SiCl(OH)(OC37)2 , SiCl(O
H)(OC492 , SiCl2(OCH3)2, SiCl
2(OC25)2等を挙げることができる。
【0062】ポリシロキサンを樹脂へ導入する方法とし
ては、シリコンアルコキシドモノマーの状態で樹脂溶
液へ混合し、接着層形成時に空気中の水分で加水分解さ
せる方法、予めシリコンアルコキシドの部分加水分解
物と樹脂と混合し、更に、接着層形成時に空気中の水分
で加水分解する方法等種々あるが、樹脂と均一に混合で
きる方法ならどのようなものでも良い。また、シリコン
アルコキシドの加水分解速度を変えるために、酸や塩基
触媒を少量添加することもできる。
【0063】また、部分的に塩素を含んだシリコンアル
コキシドを加水分解したポリシロキサンを使用すること
もできるが、塩素を多量に含有したポリシロキサンを使
用すると、不純物の塩素イオンにより、担体が腐食した
り、接着性が低下する場合がある。
【0064】ポリシロキサンの樹脂への添加量は、担体
に光触媒層を強固に接着させるためには酸化物に換算し
て3〜60重量%が好ましいが、耐アルカリ性の向上の
ためには3〜40重量%がより好ましく、1w/v%水
酸化ナトリウム水溶液のような強アルカリに対して耐久
性を持たせるには3〜10重量%が特に好ましい。
【0065】ポリシロキサンが導入される樹脂として
は、アクリル樹脂、アクリル−シリコン樹脂、エポキシ
−シリコン樹脂、ポリエステル−シリコン樹脂、シリコ
ン変性樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステ
ル樹脂、アルキド樹脂等どのような樹脂でも使用でき
る。これらの内、アクリル−シリコン樹脂、エポキシ−
シリコン樹脂、ポリエステル−シリコン樹脂又はそれら
の混合樹脂を含むシリコン変性樹脂が耐久性や耐アルカ
リ性の点で最も優れている。
【0066】接着層がコロイダルシリカを含有する樹脂
の場合、そのコロイダルシリカの粒子径は10nm以下
が好ましい。10nm以上になると、接着層中の樹脂は
光触媒により劣化し易くなるばかりか、光触媒層と接着
層との接着も悪くなる。
【0067】コロイダルシリカを樹脂に導入する方法と
しては、樹脂溶液とコロイダルシリカ溶液を混合後、塗
布・乾燥して接着層を形成する方法が最も簡便である。
その他、コロイダルシリカを分散した状態で、樹脂を重
合せしめたものを使用することもできる。また、コロイ
ダルシリカと樹脂との接着性及び分散性を向上せしめる
ために、シランカップリング剤でコロイダルシリカを処
理して用いることもできる。
【0068】コロイダルシリカの樹脂への添加量は、担
体に光触媒層を強固に接着させるためには酸化物に換算
して5〜40重量%が好ましいが、耐アルカリ性の向上
のためには5〜30重量%が好ましく、1w/v%水酸
化ナトリウム水溶液のような強アルカリに対して耐久性
を持たせるには5〜10重量%が特に好ましい。
【0069】コロイダルシリカが導入される樹脂として
は、アクリル樹脂、アクリル−シリコン樹脂、エポキシ
−シリコン樹脂、シリコン変性樹脂、ウレタン樹脂、エ
ポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂等どのよ
うものも使用できる。これらの内、アクリル−シリコン
樹脂、エポキシ−シリコン樹脂、ポリエステル−シリコ
ン樹脂を含むシリコン変性樹脂が耐久性や耐アルカリ性
の点で最も優れている。
【0070】またコロイダルシリカとしては、例えば、
珪酸ナトリウム水溶液を陽イオン交換することにより得
られるシリカゾルやシリコンアルコキシドを加水分解し
て得られるシリカゾル等、どのようなものでも使用する
ことができる。
【0071】本発明においては、ポリシロキサン及びコ
ロイダルシリカの両方を含有する樹脂が、接着層として
特に好ましく使用することができる。この場合、接着層
中のポリシロキサンおよびコロイダルシリカの含有量の
合計が酸化物に換算して前記耐アルカリ性向上を示す含
有量の範囲内であれば、優れた耐アルカリ性を示す接着
層を形成することができる
【0072】また接着層に使用する樹脂が、コロイダル
シリカを含有する樹脂若しくはポリシロキサンを含有す
る樹脂の場合、そのコロイダルシリカやポリシロキサン
の粒子径は10nm以下が望ましい。コロイダルシリカ
やポリシロキサンの粒子径が10nmを越えるものであ
ると、分散性が悪くなり、接着層の透光性が低下するた
め接着層と光触媒層の合計の波長550nmの全光線透
過率は70%以下となる場合が生ずる。
【0073】さらに接着層樹脂には、光触媒作用による
劣化を抑える目的で、光安定化剤及び/又は紫外線吸収
剤等を混合することができる。光安定化剤としてはヒン
ダードアミン系が好ましいが、その他の物でも使用可能
である。また、紫外線吸収剤としてはトリアゾール系紫
外線吸収剤等が使用できる。
【0074】これら光安定剤及び紫外線吸収剤の添加量
は、樹脂に対して0.005重量%以上10重量%以
下、好ましくは0.01重量%以上5重量%以下であ
る。
【0075】接着層を担体表面に形成する方法として
は、接着層形成用組成物を印刷法、シート成形法、スプ
レー吹き付け法、ディップコーティング法、スピンコー
ティング法等で、担体表面上に塗布、乾燥する方法等を
例示することができる。乾燥温度は溶媒や樹脂の種類に
よっても異なるが、一般的に50℃以上300℃以下が
好ましい。
【0076】また接着層形成用組成物は、樹脂が溶媒に
溶解した溶液タイプであっても、エマルジョンタイプで
あっても、どちらも好ましく用いることができる。
【0077】接着層形成用組成物に用いられる溶媒とし
ては、例えば、水、メタノール、エタノール、プロピル
アルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、t
−ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセト
ン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジエチルエーテ
ル、メチルセルソルブ、テトラヒドロフラン等のエーテ
ル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化
水素、サクサンエチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等の
エステル類、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン等の
飽和炭化水素等を挙げることができる。また、これらの
2種以上からなる混合溶媒も用いることができる。
【0078】接着層の厚さは、光触媒層との良好な接着
を得る目的のためには0.1μm以上20μm以下が望
ましい。接着層の厚みが0.1μm以下であると、光触
媒層を強固に接着させる働きが弱くなる。一方、厚みが
20μm以上の場合は特に問題はないものの、実際の塗
布加工を考慮すると20μm以上にするメリットは少な
い。
【0079】(2)光触媒層 光触媒層は、光触媒とアルミニウム化合物とを含有する
光触媒複合体からなる。本発明に使用される光触媒は、
粉末状、ゾル状、溶液状など、光触媒層の乾燥温度で乾
燥したときに接着層と固着して光触媒活性を示すもので
あればいずれも使用することができる。特にゾル状の光
触媒で、粒子径が50nm以下、好ましくは20nm以
下のものを使用する場合には、光触媒層の透明性が向上
し、直線透過率が高くなるため、透明性を要求されるガ
ラス基板やプラスチック成形体に塗布する場合に好まし
い。また、下地の担体に色や模様が印刷されたものの場
合に、透明な光触媒層を形成することができ、下地の色
や柄を損なうことがない。
【0080】前記光触媒としては、TiO2 、ZnO、
SrTiO3 、CdS、GaP、InP、GaAs、B
aTiO3 、KNbO3 、Fe23 、Ta25、WO
3 、SnO2 、Bi23 、NiO、Cu2O、Si
C、SiO2、MoS2 、InPb、RuO2 、CeO2
等、及びこれらの光触媒にPt、Rh、RuO2 、N
b、Cu、Sn、Ni、Feなどの金属もしくは金属酸
化物を添加したものを用いることができる。
【0081】これらの内、耐久性、コスト、光触媒活性
を考慮すると酸化チタンを主成分とするものが特に好ま
しい。光触媒層中の光触媒の含有量は、酸化物に換算し
て5重量%以下になると光触媒活性が著しく低下するた
め5重量%以上が望ましい。また、光触媒は多量なほど
光触媒活性が高くなるものの、接着層との接着性から酸
化物に換算して60重量%以下が好ましい。
【0082】光触媒層は、光触媒に加えてアルミニウム
の化合物を含有する。かかるアルミニウム化合物の内、
アルミニウムの酸化物、酸化水酸化物、水酸化物、硝酸
塩、オキシ硝酸塩、炭酸塩、オキシ炭酸塩、蓚酸塩、オ
キシ蓚酸塩、酢酸塩、オキシ酢酸塩、炭素数1〜6のア
ルコキシド、及び該アルコキシドの加水分解生成物から
なる群から選ばれた1種又は2種以上の混合物を用いる
のが、耐アルカリ性の向上のために好ましい。
【0083】かかるアルミニウムの化合物の好ましい具
体例としては、酸化アルミニウム、酸化水酸化アルミニ
ウム、水酸化アルミニウム、水和酸化アルミニウム、ベ
ーマイト、硝酸アルミニウム、オキシ硝酸アルミニウ
ム、炭酸アルミニウム、オキシ炭酸アルミニウム、蓚酸
アルミニウム、オキシ蓚酸アルミニウム、酢酸アルミニ
ウム、オキシ酢酸アルミニウム、アルミニウムトリイソ
プロポキシド、アルミニウムトリブトキシド、アルミニ
ウムブトキシドアセチルアセトナート、アルミニウムブ
トキシドラクテート、アルミニウムブトキシドの加水分
解生成物、アルミニウムイソプロポキシドの加水分解生
成物等を挙げることができる。
【0084】光触媒層形成用組成物の調製方法として
は、アルミニウムの酸化物、酸化水酸化物もしくは水
酸化物のゾル溶液と光触媒とを混合する方法、アルミ
ニウムの酸化物、酸化水酸化物もしくは水酸化物のゾル
の前駆体溶液の状態で光触媒とを混合する方法、アル
ミニウムの酸化物、酸化水酸化物、もしくはアルミニ
ウム水酸化物のゾル溶液と光触媒を形成させるためのゾ
ルや溶液と混合する方法等が挙げられるが、光触媒層中
に均一に混合される方法であればいずれの方法も採用で
きる。
【0085】光触媒層形成用組成物に用いるられる溶媒
としては、例えば、水、メタノール、エタノール、プロ
ピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノー
ル、t−ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルア
セトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジエチルエー
テル、メチルセルソルブ、テトラヒドロフラン等のエー
テル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化
水素、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭
化水素、サクサンエチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等
のエステル類、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン等
の飽和炭化水素等を挙げることができる。また、これら
の2種以上からなる混合溶媒を用いることもできる。
【0086】光触媒と共に用いられるアルミニウムの酸
化物、酸化水酸化物もしくは水酸化物のゾルは、粒子の
大きさが平均で50nm以下、好ましくは20nm以下
のものを使用するのが好ましい。かかる場合には、光触
媒層の透明性が向上し、直線透過率が高くなるため、透
明性を要求されるガラス基板やプラスチック成形体に塗
布する場合に好ましい。
【0087】光触媒層中のアルミニウムの酸化物、酸化
水酸化物もしくは水酸化物のゾルは多孔質であることか
ら吸着性を有しており、光触媒活性を高める効果を有す
る。
【0088】光触媒層中のアルミニウムの酸化物、酸化
水酸化物もしくは水酸化物のゾル含有量は合計で酸化物
に換算して40〜95重量%が好ましい。40重量%未
満では、耐久性試験後の接着が不十分となり、95重量
%を越えると、添加できる光触媒の量が減少するため光
触媒活性の低下が著しい。
【0089】ゾルを使用する場合には、安定化のため
に、光触媒塗布液中へ酸やアルカリの解膠剤を添加する
こともできる。またゾル懸濁液中に、接着性や操作性を
良くする目的で、光触媒に対して5重量%以下の界面活
性剤などを添加することもできる。
【0090】光触媒層の厚みは、厚い方が光触媒活性は
高いといえるが、5μm以上になると光触媒活性は飽和
する一方で、光触媒層の直線光透過率が低下し、ヘイズ
率が高くなる。一方、光触媒層の厚さが0.1μm未満
になると透光性は極めて高くなるものの、光触媒が利用
する紫外線をも透過してしまうために高い活性は望めな
くなる。
【0091】光触媒層の厚さを0.1μm以上5μm以
下にし、しかも、粒子の大きさが平均で50nm以下、
好ましくは20nmの光触媒ゾル、及びアルミニウムの
酸化物、酸化水酸化物もしくは水酸化物のゾルを用いる
と、光触媒層と接着層の合計の波長550nmの全光線
透過率は80%以上で、ヘイズ率が1%以下の光触媒層
を形成することができる。
【0092】ヘイズ率が1%以下である本発明の光触媒
担持構造体は、担体が透明な場合、透過した可視光線を
照明として利用でき、また、担体が不透明な場合でも、
担体上の柄を損なうことがないので装飾性の上でも有用
となる。
【0093】光触媒層を接着層上へ形成するには、例え
ばアルミニウムの酸化物、酸化水酸化物もしくは水酸化
物のゾル溶液中に、光触媒を分散させた懸濁液を、接着
層を形成するのと同様の方法でコートする。また、アル
ミニウムの酸化物、酸化水酸化物もしくは水酸化物のゾ
ルの前駆体溶液の状態で光触媒を分散し、コート時に加
水分解や中和分解してゾル化させても良い。
【0094】光触媒層形成時の好ましい乾燥温度は、担
体材質及び接着層中の樹脂材質によっても異なるが、通
常50℃以上300℃以下が好ましい。
【0095】また、接着層上をシラン系もしくはチタン
系カップリング剤で処理したり、接着層表面をコロナ放
電処理等の易接着処理を施すと、光触媒層と接着層との
接着性が向上する場合があり好ましい。
【0096】(3)担体 本発明の光触媒担持構造体に用いられる担体としては、
接着剤層を介して光触媒を担持可能なものであれば特に
限定されない。例えば、セラミックス、無機質材料、担
体材質が熱をかけられない有機高分子体や熱や水等によ
り酸化腐食し易い金属であっても、この接着層と光触媒
層を設けた構造体を得ることができる。
【0097】また、担体形状としては、フィルム状、シ
ート状、板状、管状、繊維状、網状等どのような複雑な
形状のものも使用可能である。
【0098】担体の厚みとしては10μm以上のもので
あれば、表面に接着層及び光触媒層を強固に担持するこ
とができるので好ましい。
【0099】本発明の光触媒担持構造体は、建築用塗
料、壁紙、窓ガラス、ブラインド、カーテン、カーペッ
ト、照明器具、照明灯、道路灯、トンネル照明灯、高速
道や新幹線の遮音壁、ブラックライト、船底・漁網防汚
塗料、水処理用充填剤、農ビフィルム、防草シート、包
装資材等に使用できる。特に高温多湿の環境下や屋外の
環境下で使用される場合に、その優れた耐久性や耐アル
カリ性等の特性を発揮する。
【0100】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。 1.光触媒担持構造体の製造 (1)担体 担体の材料として、次のものを用いた。 (TA)ソーダライム製ガラス板 (TB)プライマー処理ポリエステル製フィルム (TC)硬質塩化ビニル製シート (TD)透明アクリル板 (TE)アルミ板
【0101】(2)接着層の形成 ポリシロキサン 接着層中に含有するポリシロキサンは、次のものを使用
した。 (PS−1)シリコンテトラメトキシドモノマー〔信越
化学(株)製〕 (PS−2)ポリメトキシシロキサン〔コルコート
(株)製、商品名:メチルシリケート51〕 (PS−3)ポリエトキシシロキサン〔コルコート
(株)製、商品名:エチルシリケート40〕
【0102】コロイダルシリカ 接着層中に含有するコロイダルシリカとして、次のもの
を使用した。 (KS−1)触媒化成(株)製、商品名:カタロイドS
I−350(粒子径7〜9nm) (KS−2)日産化学(株)製、商品名:スノーテック
スST−XS(粒子径4〜6nm)
【0103】樹脂 ポリシロキサンもしくはコロイダルシリカを導入する樹
脂溶液としては次のものを使用した。尚、シリコン含有
量は樹脂固形分中のSiO2に換算して表示した。
【0104】(J−1)シリコン含有量3重量%のアク
リル−シリコン樹脂のキシレン溶液 (J−2)シリコン含有量10重量%のアクリル−シリ
コン樹脂のキシレン−イソプロパノール混合溶液 (J−3)シリコン含有量3重量%のアクリル−シリコ
ン樹脂の水エマルジョン液 (J−4)シリコン含有量3重量%のエポキシ−シリコ
ン樹脂のメチルエチルケトン溶液 (J−5)シリコン含有量3重量%のポリエステル−シ
リコン樹脂の酢酸エチル溶液 (J−6)アクリル樹脂の水エマルジョン液
【0105】接着層の形成 ポリシロキサン又はコロイダルシリカとを樹脂溶液と混
合し、濃度を調製して、接着層形成用溶液を得た。接着
層は、厚さが2μm以下の場合や担体形状が平板以外の
場合にはディッピング法により、担体が平板で厚さが2
μm以上の場合には、ベーカーアプリケーター法により
形成した。なお、接着層の乾燥は、担体の材質が、(T
D)、(TE)の場合には、80℃、それ以外は120
℃でそれぞれ行った。
【0106】(3)光触媒層の形成 光触媒 光触媒は次のものを使用した。 (C−1)硝酸酸性酸化チタンゾル(結晶粒子径8n
m)
【0107】アルミニウム化合物 光触媒層に含まれるアルミニウムの化合物には次のゾル
溶液又は化合物液を使用した。 (A−1)酸化水酸化アルミニウム(ベーマイト)ゾル
(結晶粒子経2〜20nm)
【0108】光触媒層形成用組成物の調製 上記ゾル溶液、化合物液又はシリコンアルコキシド溶液
中に、酸化チタン光触媒を、使用原料や添加物の種類に
応じてpH1.5〜9の適当な範囲に調節して分散さ
せ、所定量の界面活性剤を加えて光触媒層形成用溶液と
した。
【0109】光触媒層の形成 光触媒層は、厚さが2μm以下の場合や担体形状が平板
以外の場合には、ディッピング法により、担体が平板で
厚さが2μm以上のときは、バーコーターを用いて形成
した。また、光触媒層の乾燥は、接着層を乾燥するのと
同じ温度で行った。
【0110】以上のようにして作製した本発明及び比較
例の光触媒担持構造体の各材料の種類や量、各層の厚
さ、成膜方法等を下記第1表にまとめて示す。
【0111】
【表1】
【0112】2.光触媒担持構造体の性能評価試験 (1)光触媒活性の評価試験 上記で作製した光触媒担持構造体を、大きさ70mm×
70mmの試験片に切り取り、このものを、容積4リッ
トルのパイレックス製ガラス容器中に設置した。この容
器中に空気とアルデヒドの混合ガスを、アルデヒド濃度
が500ppmになるように加えた。担持試料に紫外線
強度2mW/cm2 のブラックライト〔FL 15BL
−B 松下電器(株)製〕の光を2時間照射後、容器内
部のアルデヒドガス濃度をガスクロマトグラフにより測
定し、その減少量より光触媒活性を評価した。
【0113】評価基準は下記の通りである。
【0114】(2)付着性評価 JIS K5400に規定する碁盤目テープ法試験によ
り付着性の評価を行った。すなわち、上記で作製した光
触媒担持構造体の表面に2mm間隔で切り傷をつくっ
て、ます目の数を25コとした。評価点数は、JISー
K5400に記載の基準で行った。
【0115】(3)耐アルカリ性試験 前記で作製した光触媒担持構造体を、大きさ70mm×
150mmの試験片に切り取り、各試料の裏面及び表面
の端部から5mmの周囲を市販のタールエポキシ塗料を
塗布し、所定条件で十分乾燥させた。得られた試験片各
2枚を、1w/v%の水酸化ナトリウム水溶液を入れたポ
リエチレン製ビーカーに下端から120mmまで浸漬
し、室温で24時間放置した。試料を取り出し、付着し
ている水酸化ナトリウム水溶液を蒸留水で十分洗浄し、
脱脂綿で軽く拭き取って2時間室温で乾燥させた。
【0116】水酸化ナトリウム水溶液と接していた箇所
について、JIS K5400に記載の基準で、目視に
て、原状試験片1枚と比較観察を行った。試験片2枚の
いずれにも膨れ、割れ、剥がれ、ピンホール、白化を認
めず、浸漬溶液の濁りや変色もなく、かつ耐アルカリ試
験片の光沢や変色が原状試験片と比較して少ないものを
耐アルカリ性合格とした。
【0117】(4)全光線透過率の測定 接着層及び光触媒層を担持する前の担体をリファレンス
として、担持した試料の波長550nmの全光線透過
率、及びヘイズ率を自記分光光度計〔日立製作所(株)
製 U−4000型〕で測定した。
【0118】(5)耐久性評価試験 上記で作製した光触媒担持構造体の表面(光触媒層側)
に、ブラックライトで紫外線強度3mW/cm2の光
を、温度40℃、相対湿度90%の恒温恒湿槽内で50
0時間照射後、JIS K5400に規定の碁盤目テー
プ法による付着性を測定し、耐久性の評価とした。評価
点数は、付着性評価と同じである。
【0119】光触媒担持構造体の性能評価試験結果を、
下記第2表にまとめて示す。
【0120】
【表2】
【0121】比較例1は、接着層を設けないで光触媒層
を担持した場合である。光触媒層の付着性がほとんど無
く、簡単に剥離してしまうばかりか、耐久性試験後のポ
リエステルフィルムの表面は、光触媒作用により劣化
し、穴や亀裂が実体顕微鏡により観察された。
【0122】比較例2は、酸化チタンゾルの割合が多す
ぎる場合である。耐久性試験後の光触媒層の付着性が弱
い。比較例3は、接着層中にポリシロキサンやコロイダ
ルシリカが含まれない場合で、耐久性試験後の光触媒層
の付着性がほとんど無く、簡単に剥離してしまった。
【0123】比較例4、5は、接着層中のポリシロキサ
ンやコロイダルシリカ量が多すぎる場合であり、いずれ
も耐アルカリ性試験後には塗膜の大部分が消失してい
た。
【0124】実施例1〜4は、接着層にアクリル−シリ
コン樹脂を使用し、光触媒層として(C−1)に示す酸
化チタンゾルを5〜60重量%、(A−1)に示す酸化
水酸化アルミニウムゾルを40〜95重量%の組成にな
るよう原料粉末及びゾル溶液を調製して得られる複合体
を使用した例である。いずれの場合も、耐アルカリ性試
験による評価は良好であり、耐久性、促進耐候性も良好
であった。
【0125】ポリシロキサンを導入した樹脂がシリコン
含有量3%のアクリル−シリコン樹脂(実施例1、
2)、もしくはシリコン含有量10%のアクリル−シリ
コン樹脂(実施例3、4)のいずれにおいても、耐アル
カリ性試験による評価、耐久性、促進耐候性は良好であ
った。
【0126】実施例5〜7は、接着層にポリシロキサン
を含有したアクリル−シリコン樹脂を使用し、光触媒層
には実施例1と同じ原料粉末を使用し、複合化するゲル
を形成させるためのゾル溶液の種類と量を変えて使用し
た場合である。触媒活性は良好で、耐アルカリ性、耐久
性、促進耐候性がいずれも良好であった。
【0127】実施例8、11は硬質塩化ビニルシートま
たは透明アクリル板に担持した場合であり、光触媒活
性、付着性、耐アルカリ性、耐久性の良好な物が得られ
た。
【0128】ポリシロキサンを導入した樹脂が、エポキ
シ−シリコン樹脂(実施例9)、もしくはポリエステル
−シリコン樹脂(実施例10)、アクリル樹脂(実施例
11)でも良好なものが得られた。
【0129】これに対し、接着層にポリシロキサンを含
有したアクリル−シリコン樹脂を使用しても、ポリシロ
キサンの含有量が20重量%となると(比較例4)、耐
アルカリ性試験後には塗膜の大部分が剥離消失してい
た。
【0130】実施例12、13は、接着層にコロイダル
シリカを含有した樹脂を使用した例である。いずれの場
合も、触媒活性、耐アルカリ性、耐久性、促進耐候性共
に良好であった。特にコロイダルシリカに粒子径の微細
な物(KS−2)を使用し、更にコロイダルシリカを導
入した樹脂が、アクリル−シリコンエマルジョン樹脂の
場合(実施例13)においては、非常に良好なものが得
られている。
【0131】これに対し、接着層中のコロイダルシリカ
の含有量が、20重量%と多くした場合(比較例5)
は、耐アルカリ性試験後には塗膜の大部分が消失してい
た。
【0132】実施例1〜13で得られた試料で、高温高
湿下のブラックライトによる耐久性試験、耐アルカリ性
試験、サンシャインカーボンアークウェザーメーターに
よる促進耐候性試験に掛けたものを、再度光触媒活性を
初期と同様の方法によりアセトアルデヒドの光分解量を
測定した。いずれの試料についても初期のアセトアルデ
ヒド分解量と全く同一の値を示し、初期の光触媒活性を
完全に維持していることが分かった。
【0133】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光触媒複
合体は、耐アルカリ性試験の評価も良好で、サンシャイ
ンカーボンアークウェザーメーターによる促進耐候性試
験後においても高い付着性を保っていることから、高温
多湿の環境下や屋外の環境下で使用可能な光触媒層を得
ることができる。
【0134】また、本発明の光触媒担持構造体は、紫外
線強度3mW/cm2 のブラックライトの光を、温度4
0℃、相対湿度90%の下で500時間照射した後で
も、JIS K5400の碁盤目テープ法による付着性
が、評価点数6点以上を維持するような高い耐久性を示
す。
【0135】本発明の光触媒構造体は、JIS K54
00に規定されたサンシャインカーボンアークウェザー
メーターによる促進耐候性試験において、500時間経
過後でも、表面の割れ、膨れ、ヒビ割れ、剥離、白化等
が認められず、優れた耐候性を有する。
【0136】従って、本発明の光触媒担持構造体は、高
温多湿の屋外において使用された場合でも優れた特性を
発揮するものとなっている。
フロントページの続き Fターム(参考) 4G069 AA03 AA08 AA09 AA12 BA01A BA04B BA22A BA22B BA38 BA48A BA48C BB05A BB12A BB16A BC16A BD05A BD12A BE06A BE32A BE33A CA05 CA17 DA05 EB15X EB15Y EB18X EC01X EC28 FB09 FC05

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光触媒とアルミニウム化合物とからなる光
    触媒複合体であって、 アルミニウム化合物を光触媒複合体全体に対して酸化物
    に換算して50重量%〜95重量%、及び光触媒を光触
    媒全体に対して金属酸化物に換算して5〜50重量%を
    含有してなる光触媒複合体。
  2. 【請求項2】前記アルミニウム化合物は、アルミニウム
    の酸化物、酸化水酸化物、水酸化物、オキシ硝酸塩、オ
    キシ炭酸塩、炭素数1〜4のアルコキシド及び該アルコ
    キシドの加水分解生成物からなる群から選ばれた1種ま
    たは2種以上の混合物のゲルである、 請求項1に記載の光触媒複合体。
  3. 【請求項3】前記ゲルは、150℃で乾燥後の比表面積
    が100m2/g以上の多孔質ゲルである、 請求項2に記載の光触媒複合体。
  4. 【請求項4】アルミニウム化合物を固形分として酸化物
    換算で5重量%〜9.5重量%、及び光触媒粒子及び/
    又は光触媒ゾルを固形分として酸化物換算で0.5重量
    %〜5重量%含有してなる光触媒層形成用組成物。
  5. 【請求項5】前記アルミニウム化合物は、アルミニウム
    の酸化物、酸化水酸化物、水酸化物、オキシ硝酸塩、オ
    キシ炭酸塩、炭素数1〜4のアルコキシド及び該アルコ
    キシドの加水分解生成物からなる群から選ばれた1種ま
    たは2種以上の混合物及び/又はそれらのゾルである、 請求項4に記載の光触媒層形成用組成物。
  6. 【請求項6】前記アルミニウム化合物及び/又はそのゲ
    ルの平均粒子径は50nm以下である、請求項5に記載
    の光触媒層形成用組成物。
  7. 【請求項7】前記アルミニウム化合物及び/又はそのゾ
    ルの平均粒子径は20nm以下である、請求項5に記載
    の光触媒層形成用組成物。
  8. 【請求項8】担体と、担体表面に形成された接着層と、
    接着層表面に形成された光触媒層とを有する光触媒担持
    構造体であって、前記接着層は、シリコン含有量が酸化
    物に換算して2〜10重量%のシリコン変性樹脂、コロ
    イダルシリカを酸化物に換算して5〜10重量%含有す
    る樹脂、又は一般式(I) 【化1】 〔式中、R1は(アミノ基、カルボキシル基又は塩素原
    子で置換されていてもよい)炭素数1〜8のアルキル基
    を表し、 R2は、炭素数1〜8のアルキル基又はアルコキシ基で
    置換された炭素数1〜8のアルキル基を表し、 n1、n2及びn3は、それぞれ独立して0、1又は2を
    表し、n4は2〜4の整数を表し、かつn1+n2+n3
    4=4である。〕で表される化合物の重縮合反応生成
    物であるポリシロキサンを酸化物に換算して3〜10重
    量%含有する樹脂から形成されてなり、かつ、 前記光触媒層は、光触媒及びアルミニウム化合物からな
    る光触媒複合体から形成されている光触媒坦持構造体。
  9. 【請求項9】前記ポリシロキサンを含有する樹脂の樹脂
    は、シリコン変性樹脂である請求項8に記載の光触媒担
    持構造体。
  10. 【請求項10】前記コロイダルシリカを含有する樹脂の
    樹脂は、シリコン変性樹脂である請求項8に記載の光触
    媒担持構造体。
  11. 【請求項11】前記接着層のシリコン変性樹脂は、アク
    リル−シリコン樹脂、エポキシ−シリコン樹脂、ポリエ
    ステル−シリコン樹脂又はそれらの混合物である、請求
    項8に記載の光触媒担持構造体。
  12. 【請求項12】前記ポリシロキサンは、炭素数1〜4の
    アルコキシ基を有するシリコンアルコキシドの加水分解
    物又は該加水分解物の重縮合物から形成されてなる、請
    求項8に記載の光触媒担持構造体。
  13. 【請求項13】前記コロイダルシリカの平均粒子径は5
    0nm以下である、請求項8に記載の光触媒担持構造
    体。
  14. 【請求項14】前記接着層の厚さは0.1μm〜20μ
    mである、請求項8に記載の光触媒担持構造体。
  15. 【請求項15】前記光触媒層は、アルミニウム化合物を
    光触媒層全体に対して酸化物に換算して50〜95重量
    %、及び光触媒を光触媒層全体に対して酸化物に換算し
    て5〜50重量%含有する光触媒複合体からなる、請求
    項8に記載の光触媒担持構造体。
  16. 【請求項16】前記アルミニウム化合物は、アルミニウ
    ムの酸化物、酸化水酸化物、水酸化物からなる群から選
    ばれた1種又は2種以上の混合物及び/又はそのゲルで
    ある、請求項8に記載の光触媒坦持構造体。
  17. 【請求項17】前記ゲルは、150℃で乾燥後の比表面
    積が100m2/g以上の多孔質ゲル請求項16に記載
    の光触媒坦持構造体。
  18. 【請求項18】前記光触媒層の厚さは0.1μm〜5μ
    mである、請求項8に記載の光触媒担持構造体。
  19. 【請求項19】前記接着層と光触媒層とを合わせた層の
    ヘイズ率が1%以下である、請求項8に記載の光触媒担
    持構造体。
  20. 【請求項20】紫外線強度3mW/cm2のブラックラ
    イトの光を、温度40℃、相対湿度90%の下で500
    時間照射した後での接着層と光触媒層とを合わせた層の
    ヘイズ率が1%以下である、請求項8に記載の光触媒担
    持構造体。
  21. 【請求項21】紫外線強度3mW/cm2のブラックラ
    イトの光を、温度40℃、相対湿度90%の下で500
    時間照射した後でのJIS K5400に規定された碁
    盤目テープ法による付着性が評価点数6点以上である、
    請求項8に記載の光触媒担持構造体。
  22. 【請求項22】5w/v%の炭酸ナトリウム水溶液を用
    いる代わりに、1w/v%の水酸化ナトリウム水溶液を
    用いる以外はJIS K5400に規定する耐アルカリ
    性試験と同様の試験を行った後において、JIS K5
    400に規定するアリカリに浸しても異常がないもので
    ある、 請求項8に記載の光触媒担持構造体。
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