JP2001128700A - デンプン糖液精製法 - Google Patents

デンプン糖液精製法

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JP2001128700A JP31663899A JP31663899A JP2001128700A JP 2001128700 A JP2001128700 A JP 2001128700A JP 31663899 A JP31663899 A JP 31663899A JP 31663899 A JP31663899 A JP 31663899A JP 2001128700 A JP2001128700 A JP 2001128700A
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Tomoji Asakawa
友二 浅川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 イオン交換樹脂を用いたデンプン糖液の精製
法であって、脱塩性能、脱色性能及び処理糖液のpHの
安定性に優れ、かつブドウ糖の異性化率が低く、したが
って従来のシステムよりも安定した処理性能が得られる
とともに、通液処理時におけるイオン交換樹脂層中での
菌の増殖を抑制できる方法を提供する。 【解決手段】 塩形の強塩基性アニオン交換樹脂を用い
た脱色工程と、強酸性カチオン交換樹脂及び弱塩基性ア
ニオン交換樹脂を用いた脱塩工程とを行い、かつ、両工
程における通液温度を40〜90℃とする。例えば、デ
ンプン糖液22を、塩形の強塩基性アニオン交換樹脂を
用いたアニオン交換装置2からなる脱色システムと、強
酸性カチオン交換樹脂を用いたカチオン交換装置4及び
弱塩基性アニオン交換樹脂を用いたアニオン交換装置6
からなる脱塩システム8に通液温度40〜90℃で通液
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デンプン糖(デン
プンを原料として製造された糖類の総称)の製造におけ
るデンプン糖液の精製法に関し、さらに詳述すると、イ
オン交換樹脂を用いたデンプン糖液の精製法に関する。
【0002】
【従来の技術】デンプンを酸又は酵素で加水分解する
と、その分解条件によって種々の糖類が得られる。デン
プンの加水分解工程は、デンプンの分子をおおまかに切
断して水溶性のデキストリンにする液化と、デキストリ
ンを分解してグルコース等を生成させる糖化の2工程に
分けられ、現在では、デンプンの液化及び糖化には酵素
を用いることがほとんどである。上述したデンプンの糖
化によってデンプン糖液が得られるが、このデンプン糖
液中には様々な不純物が含まれている。そのため、これ
ら不純物除去を目的として、デンプンの糖化工程の後に
はデンプン糖液の精製が行われる。
【0003】従来、前述したデンプン糖液の精製は、活
性炭による脱色処理と、その後段でのイオン交換樹脂に
よる脱塩処理との組み合わせで行われている。この場
合、後段のイオン交換樹脂による精製システムは、一般
に、強酸性カチオン交換樹脂と弱塩基性アニオン交換樹
脂を用いた複床式の前脱塩システムと、強酸性カチオン
交換樹脂とII形強塩基性アニオン交換樹脂を用いた混
床式の仕上げ脱塩システムとによって構成され、前脱塩
システムで原液中の塩類、色素、その他の不純物の大部
分を除去し、仕上げ脱塩システムで仕上げの脱塩、脱
色、pH調整を行っている。
【0004】なお、上述の前脱塩システムと仕上げ脱塩
システムとからなる精製システムが開発される前は、強
酸性カチオン交換樹脂とII形強塩基性アニオン交換樹
脂を用いた混床式システムのみでデンプン糖液の脱塩処
理を行っていた。しかし、デンプンの糖化に酸に代わっ
て酵素が用いられることがほとんどとなり、その結果イ
オン交換樹脂の被処理糖液中の塩濃度が高くなったた
め、混床式システムの前段に前脱塩システムを設ける前
記システムが現在では主流になっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】イオン交換樹脂を用い
たデンプン糖液精製システムに要求される性能は、脱塩
性能、脱色性能及び処理糖液のpHの安定性に優れ、か
つブドウ糖の異性化反応を生じさせにくい(ブドウ糖の
異性化率が低い)とともに、使用するイオン交換樹脂の
安定性が高く、しかもイオン交換樹脂層での菌の発生が
少ないことである。
【0006】しかし、現在使用されている混床式システ
ムの前段に前脱塩システムを設けた前記システムは、従
前に単独でデンプン糖液の脱塩処理に使用されていた混
床式システムをそのまま仕上げ脱塩システムとして流用
し、その前段に前脱塩システムを設置したものであり、
そのため前述したデンプン糖液精製システムへの要求性
能やニーズを十分に満たしているか否かは特に検討され
ていなかった。
【0007】本発明は、前述した事情に鑑みてなされた
もので、脱塩性能、脱色性能及び処理糖液のpHの安定
性に優れ、かつブドウ糖の異性化率が低く、したがって
従来のシステムよりも安定した処理性能が得られるとと
もに、通液処理時におけるイオン交換樹脂層中での菌の
増殖を抑制できるデンプン糖液精製法を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意検討を行った結果、塩形の強塩基
性アニオン交換樹脂を用いてデンプン糖液の脱色処理、
強酸性カチオン交換樹脂及び弱塩基性アニオン交換樹脂
を用いてデンプン糖液の脱塩処理を行うとともに、これ
らの処理におけるデンプン糖液の通液温度を40〜90
℃とした場合、前述した目的が効果的に達成されること
を見出した。
【0009】すなわち、従来のイオン交換樹脂を用いた
デンプン糖液精製システムでは、後段の強酸性カチオン
交換樹脂とII形強塩基性アニオン交換樹脂を用いた混
床式システムで仕上げの脱塩、脱色、pH調整を行なっ
ているが、II形強塩基性アニオン交換樹脂は耐熱性が
低く、またこのイオン交換樹脂に高温のデンプン糖液を
通液とするとブドウ糖が果糖に異性化するため、従来は
通液温度を40℃未満とすることが通常であった。しか
し、40℃未満で通液を行うとイオン交換樹脂層中で菌
が増殖することが多く、この菌がデンプン糖液中に混入
して後段の濾過工程で濾材が目詰まりしやすくなり、濾
材の洗浄頻度が高くなる等の問題が生じていた。これに
対し、現状では、通液終了後の再生工程に色々な工程を
加えてイオン交換樹脂層の殺菌を行っているが、本発明
者らの検討では、通液処理時におけるイオン交換樹脂層
中での菌の増殖を抑えるには、樹脂の再生工程における
殺菌だけでは不十分であり、通液処理時に菌の増殖を抑
制することが重要であることが判明した。
【0010】そこで、本発明者は、上述した観点から、
デンプン糖液の通液処理時においてイオン交換樹脂層中
での菌の増殖を抑制する手段について種々検討を行った
結果、高温で通液することが可能で、かつ高温で通液し
てもブドウ糖の異性化反応を生じさせにくい塩形の強塩
基性アニオン交換樹脂、強酸性カチオン交換樹脂及び弱
塩基性アニオン交換樹脂を用いて、通液温度40〜90
℃で脱色処理及び脱塩処理を行った場合、通液処理時に
おける菌の増殖を効果的に抑制することができ、しかも
デンプン糖液の糖度を従来より上げても同等の粘性とな
るために処理が可能になる上、下記利点が得られること
を見出した。
【0011】すなわち、前述のように、従来のイオン交
換樹脂を用いたデンプン糖液精製システムでは、後段の
混床式システムで仕上げの脱塩、脱色、pH調整を行な
っていた。すなわち、脱色工程は活性炭によるもののみ
で、イオン交換樹脂による脱色工程は設けられておら
ず、活性炭による脱色後に残存する色素については脱塩
工程において除去していた。この場合、上記仕上げ脱塩
システムにおいては、脱色を考慮した場合には、混床層
のアニオン交換樹脂としてI形強塩基性アニオン交換樹
脂を用いることが最も良いが、I形強塩基性アニオン交
換樹脂はII形強塩基性アニオン交換樹脂に比べて塩基
度が強く、ブドウ糖の果糖への異性化率がII形よりも
高いとされていることから、デンプン糖液の精製には使
用すべきでないとされてきた。また、ブドウ糖の異性化
率を考慮した場合には、混床層のアニオン交換樹脂に弱
塩基性アニオン交換樹脂を用いることが最も良いが、弱
塩基性アニオン交換樹脂は脱色性能が不十分であるとい
う問題があった。
【0012】しかしながら、本発明者らが鋭意検討を行
ったところ、塩形の強塩基性アニオン交換樹脂を用いて
仕上げの脱色を行い、強酸性カチオン交換樹脂及び弱塩
基性アニオン交換樹脂を用いて脱塩を行った場合、すな
わち、従前の脱塩システムにおける脱塩及び脱色という
機能を、脱色の部分と脱塩の部分とに分離した場合、下
記〜の利点が得られ、その結果、脱塩性能、脱色性
能及び処理糖液のpHの安定性に優れ、かつブドウ糖の
異性化率が低いデンプン糖液精製システムを構成できる
ことが判明した。
【0013】脱色性能が良く、ブドウ糖の異性化をほ
とんど起こさない塩形の強塩基性アニオン交換樹脂で仕
上げの脱色を行うことにより、従来システムと同様の低
色価の処理糖液を得つつ、ブドウ糖の異性化率を低くす
ることができるとともに、高温で通液することが可能に
なる。
【0014】塩形の強塩基性アニオン交換樹脂を用い
て仕上げの脱色を行うことで、脱塩工程では脱色を行う
必要がなくなる。そのため、脱塩工程のアニオン交換樹
脂として弱塩基性アニオン交換樹脂を用いることができ
るようになり、その結果、ブドウ糖の異性化率を低くす
ることができるとともに、高温で通液することが可能に
なる。
【0015】本発明は、上述した知見に基づいてなされ
たもので、塩形の強塩基性アニオン交換樹脂を用いた脱
色工程と、強酸性カチオン交換樹脂及び弱塩基性アニオ
ン交換樹脂を用いた脱塩工程とを行い、かつ、前記両工
程における通液温度を40〜90℃とすることを特徴と
するデンプン糖液精製法を提供する。
【0016】以下、本発明につきさらに詳しく説明す
る。本発明においては、前述した脱色工程と脱塩工程を
行うものであり、両工程はいずれを先に行ってもよく、
また両工程の間に別の工程を行ってもよいが、脱色率と
処理糖液のpHの安定性を考慮すると、特に好ましいの
は下記(1)及び(2)の態様である。これらの態様で
は、脱色工程の前段で、強酸性カチオン交換樹脂と弱塩
基性アニオン交換樹脂を用いた複床式又は混床式の前脱
塩システムでデンプン糖液の処理を行ってもよい。 (1)脱色工程と脱塩工程との間にH形の強酸性カチオ
ン交換樹脂を用いた予備脱塩工程を行うとともに、脱塩
工程をH形の強酸性カチオン交換樹脂及びOH形の弱塩
基性アニオン交換樹脂の混床を用いて行う態様。なお、
H形の強酸性カチオン交換樹脂及びOH形の弱塩基性ア
ニオン交換樹脂を用いた混床では、被処理液が酸性であ
ることがアニオン交換樹脂による処理が効率的に行われ
る点で好ましいが、本態様では、H形の強酸性カチオン
交換樹脂を用いた予備脱塩工程を行うことにより、後段
の混床による脱塩工程での被処理液を酸性にすることが
できる。 (2)脱色工程と脱塩工程をこの順で行うとともに、脱
塩工程をH形の強酸性カチオン交換樹脂及びOH形の弱
塩基性アニオン交換樹脂の混床を用いて行う態様。
【0017】また、前述した脱塩処理は、強酸性カチオ
ン交換樹脂と弱塩基性アニオン交換樹脂を用いた複床式
の脱塩システムにより行ってもよく、これらの樹脂を用
いた混床式の脱塩システムで行ってもよい。
【0018】本発明では、各イオン交換装置へのデンプ
ン糖液の通液温度を40〜90℃とするもので、このよ
うに高温で通液を行うことにより、通液処理時における
イオン交換樹脂層中での菌の増殖を抑制する。通液温度
が40℃未満では通液処理時にイオン交換樹脂層中で菌
が増殖し、90℃を超えるとイオン交換樹脂に悪影響を
与える。より好ましい通液温度は50〜70℃である。
【0019】本発明において、デンプン糖液の脱色処理
に用いる塩形の強塩基性アニオン交換樹脂としては、C
l形のI形強塩基性アニオン交換樹脂が特に好ましい。
Cl形のI形強塩基性アニオン交換樹脂は脱色性能が高
く、また再生剤の食塩は他の薬品に比べ安価であるため
である。Cl形のI形強塩基性アニオン交換樹脂として
は、第四アンモニウム塩基を有する強塩基性アニオン交
換樹脂、例えば、クロロメチル化したスチレン−ジビニ
ルベンゼン共重合体(樹脂母体)をトリメチルアミン、
トリブチルアミン、トリエチルアミン等の第三アミンで
処理することにより得られるアニオン交換樹脂のCl形
が挙げられる。より具体的には、Cl形のI形強塩基性
アニオン交換樹脂として、アンバーライト(登録商標、
以下同じ)XT5007、IRA400、IRA440
B、IRA900、IRA904、ダイヤイオン(登録
商標、以下同じ)SA10A、SA11A、PA30
6、PA308等を用いることができる。
【0020】また、本発明において、デンプン糖液の脱
塩処理に用いる強酸性カチオン交換樹脂及び弱塩基性ア
ニオン交換樹脂の種類に特に限定はないが、具体的に
は、強酸性カチオン交換樹脂としてアンバーライト20
0CT、IR120B、IR124、IR118、ダイ
ヤイオンSK1B、SK102、PK208、PK21
2等、弱塩基性アニオン交換樹脂としてアンバーライト
XE583、IRA67、IRA96SB、ダイヤイオ
ンWA10、WA20、WA30等を用いることができ
る。
【0021】本発明では、前述したデンプン糖液の脱塩
処理及び脱色処理をこの順で行った場合、脱色処理の後
にさらにデンプン糖液の脱塩処理を行うこと好ましい。
すなわち、強酸性カチオン交換樹脂及び弱塩基性アニオ
ン交換樹脂を用いた脱塩処理、及び、塩形の強塩基性ア
ニオン交換樹脂を用いた脱色処理を順次行ったデンプン
糖液は、従来の強酸性カチオン交換樹脂及びII形強塩
基性アニオン交換樹脂を用いた混床式システムで仕上げ
処理を行ったものに比べて塩類が多く含まれ、かつpH
が安定していない。そのため、脱塩処理及び脱色処理の
後にさらに脱塩処理を行い、仕上げの塩類除去及びpH
調整を行なうことができる。この脱色処理及び脱塩処理
の後の脱塩処理は、塩類の除去とpH調整が行なえれば
よいので、強酸性カチオン交換樹脂とブドウ糖の異性化
率の低い弱塩基性アニオン交換樹脂を用いた複床式又は
混床式の脱塩システムにより行うことができる。また、
デンプン糖液のpH調整に重きを置く場合には、複床式
の脱塩システムを用いるよりも強酸性カチオン交換樹脂
と弱塩基性アニオン交換樹脂を用いた混床式の脱塩シス
テムにより行うことが好適である。
【0022】
【発明の実施の形態】図1〜図5はそれぞれ本発明を用
いたデンプン糖液精製システムの一例を示すフロー図で
ある。図1のシステムにおいて、2は塩形の強塩基性ア
ニオン交換樹脂(Cl形のI形強塩基性アニオン交換樹
脂)を用いたアニオン交換装置であり、このアニオン交
換装置2によって脱色システムが構成されている。ま
た、4はH形の強酸性カチオン交換樹脂を用いたカチオ
ン交換装置、6はOH形の弱塩基性アニオン交換樹脂を
用いたアニオン交換装置を示し、これらカチオン交換装
置4及びアニオン交換装置6によって複床式の脱塩シス
テム8が構成されている。なお、脱色システムを構成す
るアニオン交換装置2と脱塩システム8の順番は逆にし
てもよい。
【0023】図2のシステムは、図1のシステムにおい
て、複床式の脱塩システムに代えて、H形の強酸性カチ
オン交換樹脂とOH形の弱塩基性アニオン交換樹脂とを
混合して用いた混床式イオン交換装置10を脱塩システ
ムとしたものである。なお、アニオン交換装置2と脱塩
システム10の順番は逆にしてもよい。
【0024】図3のシステムは、図2のシステムにおい
て、アニオン交換装置2と混床式イオン交換装置10と
の間に、H形の強酸性カチオン交換樹脂を用いたカチオ
ン交換装置12を設置したもので、このカチオン交換装
置12によって予備脱塩システムが構成されている。
【0025】図4のシステムは、図1のシステムにおい
て、アニオン交換装置2と脱塩システム8の順番を逆に
するとともに、アニオン交換装置2の後段に、H形の強
酸性カチオン交換樹脂を用いたカチオン交換装置14と
OH形の弱塩基性塩基性アニオン交換樹脂を用いたアニ
オン交換装置16とからなる複床式の仕上げ脱塩システ
ム18を設置したものである。
【0026】図5のシステムは、図4のシステムにおい
て、複床式の仕上げ脱塩システムに代えて、H形の強酸
性カチオン交換樹脂とOH形の弱塩基性アニオン交換樹
脂とを混合して用いた混床式イオン交換装置20を仕上
げ脱塩システムとしたものである。
【0027】上述した図1〜図5のデンプン糖液精製シ
ステムは、通常、活性炭による脱色処理工程を終了した
デンプン糖液22を各イオン交換装置に順次通液してデ
ンプン糖液22の精製を行うものであり、各イオン交換
装置における通液温度を40〜90℃とするものであ
る。なお、活性炭による脱色処理工程を終了した直後の
デンプン糖液はかなり高温であるため、通液温度を上記
範囲とするためには、必要に応じてデンプン糖液を加熱
すればよい。
【0028】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて具体的に示
す。 (実施例1)デンプン糖工場にて活性炭による脱色処理
工程を終了した後の脱塩処理をしていないブドウ糖液を
用いて実験を行なった。ブドウ糖液の性状を表1に示
す。このブドウ糖液を、Cl形のI形強塩基性アニオ
ン交換樹脂(アンバーライトXT5007)100ml
を用いたイオン交換装置、H形強酸性カチオン交換樹
脂(アンバーライトIR120B)75mlを用いたイ
オン交換装置、及び、H形強酸性カチオン交換樹脂
(アンバーライトIR120B)50mlとOH形弱塩
基性アニオン交換樹脂(アンバーライトXE583)2
00mlとの混床を用いたイオン交換装置にこの順で通
液した(図1参照)。通液温度は60℃、通液量は50
0ml/hとした。4時間通液した時の処理糖液の性状
を表1に示す。
【0029】(実施例2)実施例1で用いたのと同じブ
ドウ糖液を、H形強酸性カチオン交換樹脂(アンバー
ライトIR120B)100mlを用いたイオン交換装
置、OH形弱塩基性アニオン交換樹脂(アンバーライ
トXE583)150mlを用いたイオン交換装置、
Cl形のI形強塩基性アニオン交換樹脂(アンバーライ
トXT5007)100mlを用いたイオン交換装置、
及び、H形強酸性カチオン交換樹脂(アンバーライト
IR120B)50mlとOH形弱塩基性アニオン交換
樹脂(アンバーライトXE583)100mlの混床を
用いたイオン交換装置にこの順で通液した(図5参
照)。通液温度は60℃、通液量は500ml/hとし
た。4時間通液した時の処理糖液の性状を表1に示す。
【0030】(比較例1)実施例1で用いたのと同じブ
ドウ糖液を、H形強酸性カチオン交換樹脂(アンバー
ライトIR120B)100mlを用いたイオン交換装
置、OH形弱塩基性アニオン交換樹脂(アンバーライ
トXE583)150mlを用いたイオン交換装置、及
び、H形強酸性カチオン交換樹脂(アンバーライト2
00CT)50mlとOH形のII形強塩基性アニオン
交換樹脂(アンバーライトIRA411S)100ml
との混床を用いたイオン交換装置にこの順で通液した
(従来例)。通液温度は60℃、通液量は500ml/
hとした。4時間通液した時の処理糖液の性状を表1に
示す。
【0031】なお、表1におけるBxはブリックス糖濃
度(%)を示す。また、異性化糖量は、全糖量(=固形
物量)中の異性化糖(=果糖)の量の百分率量である。
【0032】
【表1】
【0033】表1の結果より、本発明によれば、ブドウ
糖の異性化を抑えつつ、かつ、処理糖液のpHを5.5
〜6.0の間で安定させつつ、高い通液温度でデンプン
糖液の脱色処理及び脱塩処理を行うことができることが
確認された。これに対し、前脱塩システムと仕上げ脱塩
システムとからなる従来の精製システム(比較例)は、
通液温度を高くすると処理が不安定になるものであっ
た。
【0034】(実験例)実施例1で用いたのと同じブド
ウ糖液を80℃、60℃、45℃、30℃の条件でそれ
ぞれ3日間放置し、3日後における各ブドウ糖液の72
0nmにおける吸光度を測定した。720nmにおける
吸光度の値は糖液の濁度を示し、濁度の増加は菌の増加
を示すものである。結果を表2に示す。なお、吸光度の
測定にはセル長10mmのセルを用いた。
【0035】
【表2】
【0036】表2の結果からわかるように、本発明の通
液温度(40〜90℃)では720nmにおける吸光度
の上昇が抑えられており、したがって本発明によれば通
液処理時におけるイオン交換樹脂層中での菌の増殖を抑
制できることが確認された。
【0037】
【発明の効果】以上のように、本発明を使用したデンプ
ン糖液精製システムは、脱塩性能、脱色性能及び処理糖
液のpHの安定性に優れ、かつブドウ糖の異性化率が低
く、したがって従来のシステムよりも安定した処理性能
が得られるとともに、通液処理時におけるイオン交換樹
脂層中での菌の増殖を抑制できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を用いたデンプン糖液精製システムの一
例を示すフロー図である。
【図2】本発明を用いたデンプン糖液精製システムの一
例を示すフロー図である。
【図3】本発明を用いたデンプン糖液精製システムの一
例を示すフロー図である。
【図4】本発明を用いたデンプン糖液精製システムの一
例を示すフロー図である。
【図5】本発明を用いたデンプン糖液精製システムの一
例を示すフロー図である。
【符号の説明】
2 アニオン交換装置(脱色システム) 4 強酸性カチオン交換樹脂を用いたカチオン交換装置 6 アニオン交換装置 8 複床式の脱塩システム 10 混床式イオン交換装置 12 カチオン交換装置(予備脱塩システム) 14 カチオン交換装置 16 アニオン交換装置 18 複床式の仕上げ脱塩システム 20 混床式イオン交換装置(仕上げ脱塩システム) 22 デンプン糖液

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩形の強塩基性アニオン交換樹脂を用い
    た脱色工程と、強酸性カチオン交換樹脂及び弱塩基性ア
    ニオン交換樹脂を用いた脱塩工程とを行い、かつ、前記
    両工程における通液温度を40〜90℃とすることを特
    徴とするデンプン糖液精製法。
  2. 【請求項2】 脱色工程の塩形の強塩基性アニオン交換
    樹脂としてCl形のI形強塩基性アニオン交換樹脂を用
    いる請求項1に記載のデンプン糖液精製法。
  3. 【請求項3】 脱色工程と脱塩工程との間にH形の強酸
    性カチオン交換樹脂を用いた予備脱塩工程を行うととも
    に、脱塩工程をH形の強酸性カチオン交換樹脂及びOH
    形の弱塩基性アニオン交換樹脂の混床を用いて行う請求
    項1又は2に記載のデンプン糖液精製法。
  4. 【請求項4】 脱色工程と脱塩工程をこの順で行うとと
    もに、脱塩工程をH形の強酸性カチオン交換樹脂及びO
    H形の弱塩基性アニオン交換樹脂の混床を用いて行う請
    求項1又は2に記載のデンプン糖液精製法。
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