JP3040115B2 - 蔗糖液の精製方法及び処理設備 - Google Patents

蔗糖液の精製方法及び処理設備

Info

Publication number
JP3040115B2
JP3040115B2 JP1206387A JP20638789A JP3040115B2 JP 3040115 B2 JP3040115 B2 JP 3040115B2 JP 1206387 A JP1206387 A JP 1206387A JP 20638789 A JP20638789 A JP 20638789A JP 3040115 B2 JP3040115 B2 JP 3040115B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
activated carbon
granular activated
sugar
solution
contact
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1206387A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0372900A (ja
Inventor
勝久 長谷川
謹也 松本
信義 古藤
菊造 金子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Organo Corp
Original Assignee
Organo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Organo Corp filed Critical Organo Corp
Priority to JP1206387A priority Critical patent/JP3040115B2/ja
Publication of JPH0372900A publication Critical patent/JPH0372900A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3040115B2 publication Critical patent/JP3040115B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Treatment Of Liquids With Adsorbents In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、甘蔗糖精製において蔗糖型液糖を製造する
際の精製方法、並びに精製装置に関するものである。
(従来の技術) 一般に甘蔗糖精製工場においては、主にグラニュー糖
や白砂糖(上白糖)などの固形糖を製造しているが、こ
の固形糖製造ラインを利用して、一部、清涼飲料・食品
などの工業用向けに液状砂糖(以下「液糖」という)も
製造している。
固形糖の製造ラインは、原料粗糖を洗糖して溶解した
のち、炭酸飽充、活性炭脱色およびイオン交換脱色など
の脱色工程を経て清澄な糖液(通常「ファインリカー」
という)を得、これを濃縮結晶化して固形糖とするもの
である。
これに対して液糖は、固形糖製造ラインで得られるフ
ァインリカーを原料として、これを更に脱塩,脱色し、
精密濾過した後、糖濃度をBrix68(常温において蔗糖液
が結晶化しない上限濃度)程度に濃縮して製品とするも
のであり、製品はタンクローリーやガロン缶などで飲料
製造メーカー等に出荷される。
なお、上記ファインリカーを精製して液糖を製造する
脱塩,脱色のための装置としてはイオン交換装置が通常
用いられ、例えば蔗糖の転化を防止する目的から強塩基
性陰イオン交換樹脂(R−OH型)と弱酸性陽イオン交換
樹脂(R−H型)を使用し、これら樹脂を各々別の樹脂
塔に充填して通液する二床式、あるいは両樹脂を混合し
た単塔に通液する混床式、さらには二床式の後段に弱塩
基性陰イオン交換樹脂(R−OH型)を充填した樹脂塔を
用いる三塔式のものが使用される。
ところで上記液糖を製造する場合には、上述のように
蔗糖液は飽和濃度の面から糖濃度Brix68程度まで濃縮さ
れて製品とされ、また取扱い時の液糖の流動性を高める
ために例えば40℃程度の温度で貯蔵、取扱いするのが普
通であるが、この濃度、温度では液糖貯蔵中での微生物
の繁殖を防止することが難しく、そのままでは液糖の腐
敗を招くという問題がある。そこでこの液糖の腐敗防止
という観点から、貯蔵タンク内を常に清潔に洗浄した
り、貯蔵中に流入する空気の清浄化を図ると共に、従
来、貯蔵タンク内部、または貯蔵タンクから外部循環パ
イプの間で液糖を常時循環させながら、紫外線殺菌灯で
紫外線を液糖に照射して微生物の繁殖を防止する方法が
採用されている。
(発明が解決しようとする課題) この紫外線照射によって微生物の繁殖を防止する効果
を十分に得るためには、例えば253.7nmの波長の紫外線
を液糖内部まで十分に到達させることが必要となるが、
蔗糖液においては高い紫外線透過率を確保することは容
易でないという問題がある。そしてこのために、例えば
上記したファインリカーの脱塩,脱色処理のみでは清涼
飲料・食品などの製造工場において貯蔵中の腐敗防止の
ために要求されている紫外線透過率80%程度以上の要求
を満足することができず、せいぜい70%前後程度の紫外
線透過率しか達成できない場合が多い。
液糖における紫外線透過率が低いという問題は、上記
波長の紫外線を吸収してその透過率を低下させる物質
(紫外線吸収物質)が液糖中に含有されていることに起
因すると考えられている。この物質は一般に有機性不純
物と総称されるものに包含され、その特定は必ずしも容
易でないが、本発明目的の達成のためにその特定が特に
意義をもつわけではない。
ところで、種々の問題が未解決であったり経済性を欠
く等の理由で現在工業的に実施されてはいないが、糖液
中から有機性不純物を除去する方法は従来からいくつか
知られている。
例えばファインリカーを製造する工程中で行なわれて
いる脱色処理において、使用している活性炭を多量とす
ることで、上記紫外線吸収物質を含む不純物をその活性
炭の使用量に応じて除去できることが経験的に知られて
いる。しかしこの方法は、本来紫外線吸収物質の除去を
必要としてない固形糖製造分のファインリカーについて
も不純物を除去しなければ目的が達成できないので、活
性炭使用量が著しく増大し、有機性不純物除去のため
に、固形糖製造のランニングコストまでが大幅に増大す
るという問題を招いてしまい、工業的な実施には適さな
い。
これを改良して、製造されたファインリカーのうちか
ら固形糖製造分を除外し、残った分のファインリカーに
ついて行なう精製処理、すなわちイオン交換樹脂を用い
た脱塩,脱色の処理に先立って、ファインリカーを活性
炭で処理する方法も考えられる。このようにすれば、上
記したような固形糖製造分に応じた活性炭使用量の増加
という問題は一定程度解消される。しかしながらこの液
糖精製工程での活性炭による先行処理の方式では、ファ
インリカー中に存在する色素等の有機性不純物もこの活
性炭で吸着することになるから、本来イオン交換樹脂で
除去できる分まで活性炭で吸着することになって、活性
炭使用量の削減が十分でない。
このようなことから、液糖内に含有されている紫外線
吸収物質の除去のための工業的に有効な方法はいまだ提
案されていないというのが現状である。
本発明者はこれらの問題点を種々考慮し、液糖精製の
工程において、ファインリカーをイオン交換樹脂で脱
塩,脱色処理する工程と、粒状活性炭を用いて紫外線吸
収の原因物質を除去処理する工程を組み合わせつつ、高
品質の液糖を安定して製造することができ、しかも操作
が容易でラニングコストが少なく安価な製品を提供する
ことができる方法を検討して本発明を開発するに至った
のである。
すなわち本発明の目的は、紫外線を吸収して液糖に対
する紫外線透過率を低下させる物質を、液糖中から除去
し、紫外線透過率の向上、ひいては紫外線照射による微
生物の殺菌を有効化して、液糖の腐敗防止を効果的に達
成することができる新規な液糖の精製方法、及び装置を
提供することにある。
(課題を解決するための手段及び作用) 上記の目的を達成するためになされた本発明方法の特
徴は、原料粗糖を洗糖して溶解したのち、炭酸飽充,活
性炭脱色およびイオン交換脱色などの脱色工程を経て得
られたファインリカーを、更にイオン交換樹脂を用いて
脱塩,脱色処理した後、この脱塩,脱色処理した糖液を
粒状活性炭に接触させて紫外線吸収物質(以下不純物と
いう)を吸着除去処理する蔗糖液の精製工程と、上記粒
状活性炭をアルカリ再生液に接触させた後、酸でpH6〜
8に調整する再生工程とをサイクルとして繰返すように
したことにある。
粒状活性炭の再生は、一般には再生炉において燃焼す
ることが必要とされているが、粒状活性炭を燃焼再生し
て再使用する場合は、極めて高価な燃焼再生設備が必要
となり、また操作も複雑で処理に時間がかかるという問
題があるために本発明の目的には不向きである。
また仮に粒状活性炭の代りに粉末活性炭を使用する場
合は、粉末活性炭を液糖から回収する濾過工程が後段に
必要となるし、粉末活性炭は使捨てとなるためにそのコ
ストも小さくなく、かつ粉末活性炭に含まれる微量の無
機不純物の溶出により液糖の品質低下を招く虞れもあっ
てやはり工業的な液糖精製処理の方法としては不向きで
ある。
これに対して、粒状活性炭は、粉末活性炭に比べて無
機質の溶出が少なく、また塔への充填方式で使用できる
ために予め溶出する不純物を薬液によって洗浄除去して
おくことも可能であり、かつ液糖からの活性炭の分別に
濾過の必要がないという利点がある他、極めて注目すべ
きことに、本発明の糖液精製の目的で使用する場合に
は、アルカリ再生液との接触による再生を行なえば、こ
の粒状活性炭は繰り返し使用しても不純物除去能の低下
がないことが実験的に確認され、しかもアルカリ再生と
酸によるpH調整を併用することで、精製製品の品質低下
も全くなくすることができるという事実も知見された。
したがって本発明者はこのような知見に基づいて上記
本発明をなすに至ったのである。
本発明方法は、粒状活性炭を使用して、糖液と粒状活
性炭の接触処理をイオン交換樹脂による脱塩,脱色工程
の後段において行なわせることと、アルカリ再生液で再
生した粒状活性炭は酸でpH6〜8に調整することの操作
を組み合わせたことにその特徴があり、このような方法
によって初めて、精製糖液の高い品質を維持しかつ紫外
線吸収物質の充分な除去を実現しつつ、活性炭の再生使
用と、その再生使用のために通常の焼成法によらないア
ルカリ再生液での再生法の採用を可能とし、粉末活性炭
の使捨て方式に比べた使用活性炭の利用有効化、繰返し
使用による低コスト化、粒状活性炭使用による後段での
濾過工程の不要化を達成できる。
本発明方法は上述のように、焼成法によらないアルカ
リ再生液での活性炭再生法を採用出来るため、装置を密
閉化したクローズドシステムを実現することに適してい
るという優れた特徴があり、これによって工業的な実施
において極めて重視されている装置外部から異物混入
(所謂コンタミ)の虞れがない設備を構成できるという
利点があり、実際の工業的設備に本発明を適用した場合
の利益はきわめて大きいものがある。本発明におけるア
ルカリ再生法は、粒状活性炭をカ性ソーダ、カ性カリ、
炭酸ナトリウム等のアルカリ水溶液に浸漬し、あるいは
通液接触させることで行なうことができる。再生の操作
は、通常はカ性ソーダ等のアルカリ再生液を活性炭充填
塔に通液することで行なわれるが、充填塔からこれを取
出して行なうようにしてもよい。
本発明における粒状活性炭の再生は、通常の再生炉を
使用して燃焼方式の再生に比べ、作業性・操作性に優
れ、設備的にも有利な装置を提供できると共に、ランニ
ングコストが大幅に削減できるという利点があり、本発
明方法の特に優れた特徴の一つである。
アルカリ再生液と接触させた後の粒状活性炭は、例え
ば塩酸,硫酸等の酸に接触させることでpH調整される。
この酸接触によるpH調整も本発明方法の特徴の一つであ
り、pH調整は、酸接触させ次いで水洗した後、ファイン
リカーを通液した場合、その処理糖液のpHが通常6〜
8、好ましくは6.5〜7.5程度となるように行なわれ、こ
れによって初めて、次サイクルにおいて処理された精製
液糖の高い紫外線透過率を確保しつつ、精製液糖の高純
度を品質を達成することができる特徴がある。
なお以上のアルカリ再生処理、及び酸接触によるpH調
整の処理のための作業は、この粒状活性炭工程の前段に
設けられている脱塩処理装置で使用するイオン交換樹脂
の再生と同時に行なうことができ、しかも同イオン交換
樹脂の再生とほぼ同一の時間ですむため、処理の効率に
おいても優れているという特徴がある。
このような本発明方法の精製処理は、代表的には次の
設備によって好適に実現される。すなわち、脱色工程か
ら得られたファインリカーを通す脱塩,脱色処理装置
と、この脱塩,脱色処理装置で脱塩,脱色処理した糖液
を粒状活性炭に接触させる粒状活性炭を用いて不純物除
去処理装置と、不純物除去処理装置の粒状活性炭にアル
カリ再生液を接触させる再生処理手段と、アルカリ再生
後の粒状活性炭に酸を接触させるpH調整手段とを備えた
ところにあり、上記不純物除去装置を粒状活性炭を充填
した密閉型の塔として、上記再生処理手段であるアルカ
リ再生液の通液手段、及び上記pH調整手段である酸通液
手段をこの塔に接続した設備を例示することができる。
本発明において、原料であるファインリカーは従来と
同様に固形糖製造ラインから得られるものを用いること
ができる。このファインリカーを脱塩,脱色処理するた
めに用いられる脱塩,脱色処理装置としては、代表的に
はOH型の強塩基性陰イオン交換樹脂(例えばアンバーラ
イトIRA−402BL(商品名;ロームアンドハース社製:以
下同じ),IRA−411,XT−5007、ダイヤイオンPA−312
(商品名;三菱化成社製)等)を充填したA塔と、H型
の弱酸性陽イオン交換樹脂(例えばアンバーライトIRC
−76,IRC−50(以上、ロームアンドハース社製),レバ
チットCNP−80(商品名;バイエル社製)等)を充填し
たK塔とを直列に配置して、ファインリカーをA塔から
K塔に通液するリバース式と称される脱塩脱色精製装
置、上記両イオン交換樹脂を充填混合した単一の塔にフ
ァインリカーを通液する混床式の脱塩脱色精製装置、等
を特に好ましいものとして例示することができる。
この脱塩,脱色処理装置の後段に、粒状活性炭を充填
したC塔が配置され、上記K塔を通った糖液が通液され
る。
図面は本発明の実施態様の一例を示すフローの説明図
であり、1は強塩基性陰イオン交換樹脂2を充填したA
塔であり、3は弱酸性陽イオン交換樹脂4は充填したK
塔であり、5は粒状活性炭6を充填したC塔であり、ま
た太線は処理ラインを示し、細線はC塔の再生ラインを
示す。
また7はアルカリ再生液槽、8は酸再生液槽、9,10は
エゼクター、11ないし21はそれぞれ弁を示し、アルカリ
再生液槽7、エゼクター9、弁16ないし弁18および配管
でアルカリ再生液を接触させる再生処理手段を構成し、
また酸再生液槽8、エゼクター10、弁19ないし弁21およ
び配管でpH調整手段を構成する。
ファインリカーを処理するにあたっては、弁11とK塔
1およびA塔3廻りの弁(図示せず)を開口し、太線の
処理ラインを用いて、ファインリカーをK塔1、A塔
3、C塔5の順に直列に通液する。
規定の通液が終了した後、弁11と、K塔1およびA塔
3廻りの弁を閉じ、K塔1およびA塔3を常法により再
生する。
一方C塔5の再生は以下の通りとする。
まず弁12、弁13を開口して再生水管22から純水などの
再生水を供給し、C塔5内のファインリカーを押出し、
洗浄する。
次いで弁12,弁13を閉じて、必要であれば弁14および
弁15を開口して、C塔下部から再生水を流入し、粒状活
性炭6を逆洗する。規定時間逆洗した後、弁14,15を閉
じ粒状活性炭6を沈整する。
次に、弁16,弁17,弁18,弁13を開口し、アルカリ再生
液槽7内のカ性ソーダ溶液をエゼクター9を用いて希釈
しながら、ディストリビュータ23から供給し、カ性ソー
ダ溶液を粒状活性炭6に接触させる。粒状活性炭6に接
触させるカ性ソーダ溶液としては、濃度が0.4N〜1.0Nの
もので、使用量は3〜5倍量(3〜5BV)が適当で、通
薬の流速としてはSV2〜SV4程度とする。規定量のカ性ソ
ーダ溶液を通薬した後、弁17のみを閉じ、1BV程度の再
生用水のみを同じ経路で流して、カ性ソーダ溶液を押出
した後、弁16,弁18,弁13を閉じる。
次いで弁12および弁13を開口して、再生用水を下降流
で通水し、粒状活性炭6を洗浄する。洗浄水量としては
5BV程度が適当である。
次に弁12を閉じ、弁13を開口したまま弁19,弁20,弁21
を開口して、酸再生液槽8内の塩酸をエゼクター10を用
いて希釈しながら、ディストリビュータ23から供給し、
塩酸を粒状活性炭6に接触させる。粒状活性炭6に接触
させる塩酸としては、濃度が0.4N〜1.0のもので、使用
量としては0.2〜1BVが適当で、通薬の流速としてはSV2
〜4程度とする。なおカ性ソーダ溶液を通薬した後の洗
浄の度合によって塩酸の使用量は相違し、充分に洗浄し
た場合は塩酸の使用量が少なくて済む。
規定量の塩酸を通薬した後、弁20のみを閉じ、1BV程
度の再生用水のみを同じ経路で流して、塩酸を押出した
後、弁19,弁21,弁13を閉じる。
次いで弁12および13を開口して、再生用水を下降流で
通水し、粒状活性炭6を洗浄する。洗浄水量としては5B
V程度が適当である。
なお本発明において用いる粒状活性炭とは、上記目的
に従って使用できるものであれば特に制限されるもので
はないが、一般的には粒径150〜2380μm程度,好まし
くは425〜1680μm程度のものが好適に用いられ、例え
ばダイヤホープS−80(商品名;三菱化成社製),クレ
ハビーズBAC−MP(商品名;クレハ化学社製)等を例示
することができる。
本発明は前記の構成をなすことによって、少ない活性
炭の使用量で効率のよい糖液精製を行なうことができ、
また使用した活性炭はアルカリ再生液との接触により再
生できるので、粒状活性炭を用いてクローズドシステム
として精製装置を構成することができるという利点とあ
いまって、従来にない極めて優れて液糖精製装置を提供
できる。
(実施例) 以下本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。
実施例1 図面に示したように、強塩基性陰イオン交換樹脂(ア
ンバーライトIRA−402BL(OH型))500mlを充填したA
塔1と、弱酸性陽イオン交換樹脂アンバーライトIRC−5
0(H型))200mlを充填したK塔3とからなるリバース
式の液糖精製装置の後段に、粒状活性炭(クレハBAC−M
P)200mlを充填した活性炭充填塔(C塔)5を配置し、
ファインリカーをこれらの各塔に順次に温度50℃、SV5.
4で通液した。なおC塔の処理の前後における糖液の濃
度、pH、色、電気伝導率、紫外線透過率を測定してその
結果を下記表1に示した。
この表1の結果から分るように、C塔によって処理し
た液糖は、リバース式の精製装置で処理した直後の糖液
に比べて紫外線透過率(253.7nmの透過率)が大幅に向
上(透過率を18%向上)しており、本発明の目的である
紫外線吸収物質の除去が効率的に達成されていることが
分った。既に述べたように液糖の紫外線殺菌のために
は、紫外線透過率80%以上が実用上求められる一つの基
準とされており、本実施例の結果である液糖の紫外線透
過率84.9%はこの基準を十分満足している。
またこの効果に加えて、本実施例の処理で得られた液
糖は、pH7の中性で得られ、高い脱色率が認められると
共に、また還元糖の増加は全くなく、電気伝導率も向上
した。
実施例2 糖液の処理量40BVの処理と、下記に従った粒状活性炭
の再生処理とを1サイクルとして、計5サイクル(サイ
クルNo1〜5)の処理を繰返した。そして各サイクルの
糖液処理で得られた液糖の紫外線透過率およびpHを測定
してその結果を下記表2に示した。
粒状活性炭の再生処理 温水をC塔に通すことより粒状活性炭に付着している
糖液を押出し洗浄した後、0.5規定カ性ソーダ溶液4BVを
SV2で通薬して活性炭の再生を行ない、次に5BVの水洗浄
を行なった後0.5規定塩酸溶液を0.5BV通薬してpH調整を
行ない、更に5BVの水洗浄を行なう。
なお再生時のpH調整はpH7.3とした。
この表2の結果から分るように、活性炭の再生処理を
行なった後の糖液処理においても、得られた液糖の紫外
線透過率は全て80%以上の値を示しており、また活性炭
再生処理による所謂サイクリングアップによる能力低下
も認められなかった。
なお液糖のpHも略中性を示し、活性炭再生による影響
は特に認められなかった。
比較例 実施例2における活性炭の再生処理において塩酸溶液
による活性炭のpH調整を行なわなかった他は、実施例2
と同様に活性炭の再生処理を行なった。そしてこの再生
処理後のC塔を用いて糖液処理を行なって実施例1と同
様の測定をした結果を下記表3に示した。
この表3の結果から分るように、得られた液糖の紫外
線透過率は80%以上を達成したものの、上記実施例に比
べてその向上率は6〜7%程度と小さかった。また得ら
れた液糖のpHがpH8.9と高いために濃縮工程の適正pHに
適合できず、液糖濃縮工程において着色を起こす問題を
招いた。
(発明の効果) 以上述べた如く、本発明の蔗糖液の精製方法及び処理
設備は、液糖精製処理における脱塩処理の後段におい
て、粒状活性炭を用いた有機性不純物である紫外線吸収
物質の除去処理を行なうものであり、アルカリ再生とpH
調整を組み合わせることによって初めて、従来にない優
れた不純物除去ひいては得られた液糖の高い紫外線透過
率を達成でき、また粒状活性炭の繰り返し使用、液糖の
高品質、安価で操作性に優れた設備を提供できるという
効果があり、しかも工業的に特に要求される外部からの
異物混入の虞れが、装置のクローズド化によって完全に
防止できるという効果もある等その有用性は極めて大き
いものがある。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の実施態様の一例を示すフローの説明図で
ある。 1……A塔、3……K塔 5……C塔、7……アルカリ再生液槽 8……酸再生液槽、9,10……エゼクター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金子 菊造 東京都文京区本郷5丁目5番16号 オル ガノ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭50−8368(JP,A) 特開 昭60−9499(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C13D 3/00 - 3/16 WPI(DIALOG)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原料粗糖を洗糖して溶解したのち、炭酸飽
    充,活性炭脱色およびイオン交換脱色などの脱色工程を
    経て得られたファインリカーを、更にイオン交換樹脂を
    用いて脱塩,脱色処理した後、この脱塩,脱色処理した
    糖液を粒状活性炭に接触させて紫外線吸収物質を吸着除
    去処理する蔗糖液の精製工程と、上記粒状活性炭をアル
    カリ再生液に接触させた後、酸でpH6〜8に調整する再
    生工程とを繰り返すことを特徴とする蔗糖液の精製方
    法。
  2. 【請求項2】脱色工程から得られたファインリカーをイ
    オン交換樹脂に接触させる脱塩,脱色処理装置と、この
    脱塩,脱色処理装置で脱塩,脱色処理した糖液を粒状活
    性炭に接触させる粒状活性炭を用いた紫外線吸収物質除
    去処理装置と、紫外線吸収物質除去処理装置の粒状活性
    炭にアルカリ再生液を接触させる再生処理手段と、アル
    カリ再生後の粒状活性炭に酸を接触させるpH調整手段と
    を備えたことを特徴とする蔗糖液の精製処理設備。
  3. 【請求項3】上記紫外線吸収物質除去処理装置が、密閉
    容器内に粒状活性炭を充填した装置であることを特徴と
    する請求項2に記載した蔗糖液の精製処理設備。
  4. 【請求項4】上記再生処理手段及びpH調整手段が、粒状
    活性炭の充填塔に薬液を通液する手段であることを特徴
    とする請求項2又は3に記載した蔗糖液の精製処理設
    備。
JP1206387A 1989-08-09 1989-08-09 蔗糖液の精製方法及び処理設備 Expired - Fee Related JP3040115B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1206387A JP3040115B2 (ja) 1989-08-09 1989-08-09 蔗糖液の精製方法及び処理設備

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1206387A JP3040115B2 (ja) 1989-08-09 1989-08-09 蔗糖液の精製方法及び処理設備

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0372900A JPH0372900A (ja) 1991-03-28
JP3040115B2 true JP3040115B2 (ja) 2000-05-08

Family

ID=16522504

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1206387A Expired - Fee Related JP3040115B2 (ja) 1989-08-09 1989-08-09 蔗糖液の精製方法及び処理設備

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3040115B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004108969A1 (en) * 2003-06-06 2004-12-16 Cargill, Incorporated Method of refining sucrose
MX2008005854A (es) * 2008-05-06 2009-09-09 Com Izadora De Productos Basic Proceso de purificacion de azucar liquida preparada a partir de azucar granulada de caña??.
CN102102135A (zh) * 2010-12-03 2011-06-22 黄强 一种注射级蔗糖生产方法
CN108203739A (zh) * 2016-12-19 2018-06-26 湖南尔康制药股份有限公司 一种药用蔗糖的精制方法
JP6942603B2 (ja) * 2017-10-19 2021-09-29 オルガノ株式会社 精製糖の製造装置および製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0372900A (ja) 1991-03-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4968353A (en) Method for refining sugar liquor
US4753681A (en) Method for defouling electrodeionization apparatus
JPS60132693A (ja) 脱イオン装置
CN1049666A (zh) 用普通树脂提取甜菊甙的新工艺
LU505449B1 (en) Sucrose decoloring method and system
JP6265750B2 (ja) 蔗糖溶液の精製方法および精製装置
JP3040115B2 (ja) 蔗糖液の精製方法及び処理設備
KR20010062380A (ko) 혼상식(混床式) 당액 정제장치 및 그의 재생법
US2926110A (en) Process for the purification of beet sugar juice by means of ion exchange resins
JPS63188632A (ja) 有機酸の精製方法およびその装置
JP4800931B2 (ja) 糖液の精製方法および精製装置
CN107417514B (zh) 一种从柠檬酸液中纯化柠檬酸的方法
WO2019111490A1 (ja) 糖液の精製方法及び糖液精製装置
JPH11165168A (ja) 純水製造装置
JP4210408B2 (ja) 糖液精製装置の強酸性カチオン交換樹脂塔の再生法
JPH04271848A (ja) アニオン交換樹脂の再生方法
JPH11221100A (ja) 甜菜糖液精製方法
JPS621307B2 (ja)
JP6942603B2 (ja) 精製糖の製造装置および製造方法
JP2006254794A (ja) 糖液精製システムにおけるフェノール系吸着樹脂の再生方法および糖液精製装置
JPH1175899A (ja) 蔗糖液精製法
JP4216985B2 (ja) デンプン糖液精製法
JPH0520075B2 (ja)
JP2782115B2 (ja) 液糖の製造装置
JPS5924663B2 (ja) 溶液処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080303

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090303

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees