JPH11221100A - 甜菜糖液精製方法 - Google Patents

甜菜糖液精製方法

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JPH11221100A
JPH11221100A JP3796598A JP3796598A JPH11221100A JP H11221100 A JPH11221100 A JP H11221100A JP 3796598 A JP3796598 A JP 3796598A JP 3796598 A JP3796598 A JP 3796598A JP H11221100 A JPH11221100 A JP H11221100A
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acidic cation
sucrose
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JP3796598A
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Hiroharu Tanigawa
弘治 谷川
Tomoji Asakawa
友二 浅川
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Organo Corp
Japan Organo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 甜菜糖液を特定の架橋度のポーラス型強酸性
陽イオン交換樹脂→弱塩基性陰イオン交換樹脂に通液す
ることにより、アミノ酸類やベタイン等のアミノカルボ
ン酸類を効果的に除去し、処理倍量が大きく、蔗糖の転
化率を低く抑えることができる甜菜糖液精製方法をを提
供する。 【解決手段】 甜菜糖液をジビニールベンゼン(DV
B)単位含有量10〜15重量%の架橋度のポーラス型
強酸性陽イオン交換樹脂と弱塩基性陰イオン交換樹脂に
この順で通液する。甜菜糖液としては、例えば、軟化や
クロマト分離脱塩後の糖液を挙げることができる。前処
理として、強塩基性陰イオン交換樹脂と弱酸性陽イオン
交換樹脂の順に通液した後の甜菜糖液を上記の両イオン
交換樹脂に通液するのが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、甜菜糖液精製方法
に関し、特にアミノ酸類やベタイン等のアミノカルボン
酸類の除去に好適な甜菜糖液精製方法に関する。ここ
で、「甜菜糖液」とは、甜菜からの蔗糖(甜菜糖)を精
製するプロセスにおける抽出工程後の或る段階の糖液で
あり、特に限定されないが、例えば、軟化やクロマト分
離脱塩後の糖液である。
【0002】
【従来の技術】従来の甜菜からの蔗糖(甜菜糖)の精製
方法には種々の方法があり、代表的には次のような方法
があり、それぞれ得失がある。甜菜の裁断、抽出までは
各方法に共通であり、得られる抽出糖液は、蔗糖以外に
多量の各種不純物を含んでいるので、一般的には各種脱
塩処理等を施して、煎糖を行い、品質の良い蔗糖結晶を
製造している。
【0003】第1の方法は、甜菜の裁断、抽出後、炭酸
飽充(石灰乳を加え、二酸化炭素を吹き込んで炭酸カル
シウムの沈澱を生成する際、この沈澱に不純物を吸着さ
せて除去する凝集沈澱)、濾過、軟化(ナトリウム形陽
イオン交換樹脂によるCa、Mg等の硬度成分の除
去)、濃縮、煎糖(結晶の晶出)を行う方法である。こ
の方法では、軟化は行うが脱塩を行わない点で簡略であ
るが、煎糖の対象である蔗糖含有濃縮液の蔗糖純度が不
充分で、煎糖時の結晶の晶出が悪く、糖蜜の量が多くな
るという欠点がある。
【0004】第2の方法は、上記第1の方法と同様に甜
菜の裁断、抽出、炭酸飽充、濾過を行った後に、イオン
交換処理による軟化・脱塩(Ca、Mg等の硬度成分及
びそれ以外の塩成分の除去)を行い、濃縮、煎糖すると
いう方法である。この方法におけるイオン交換処理とし
ては、強酸性陽イオン交換樹脂→弱塩基性陰イオン交換
樹脂の順で通液する方式や強塩基性陰イオン交換樹脂→
弱酸性陽イオン交換樹脂の順で通液する方式等の種々の
方式があるが、強酸性陽イオン交換樹脂→弱塩基性陰イ
オン交換樹脂→強塩基性陰イオン交換樹脂→弱酸性陽イ
オン交換樹脂の順で通液する方式が最も優れている。こ
の方法は、上記第1の方法の欠点は無いが、イオン交換
処理の対象である蔗糖含有濾液中の塩類等の不純物が多
いためイオン交換樹脂単位量当たりの処理量が少なく、
イオン交換樹脂の再生が頻繁に行われ、多量の再生剤を
使うことと再生廃液の処理にも色々と手間がかかる欠点
がある。また、上記のように塩類等の不純物が多いの
で、イオン交換処理の第1段階では陽イオン交換樹脂の
水素イオン形(H形)による蔗糖の分解(転化)を避け
るために、上記の蔗糖含有濾液を一旦10℃以下に冷却
して上記H形陽イオン交換樹脂で処理(冷脱塩)し、イ
オン交換処理の第2段階では仕上げ(脱塩、脱色、脱臭
等の仕上げ)のために温度を50〜55℃に上げなけれ
ばならず、煩雑さとエネルギーコストが大きいという欠
点もある。
【0005】ところで、上記のようなH形の強酸性陽イ
オン交換樹脂としては、ゲル型強酸性陽イオン交換樹脂
とポーラス(porous)型強酸性陽イオン交換樹脂とがあ
る。一般的に、ポーラス型強酸性陽イオン交換樹脂は汚
染され難く、従って、その再生を行う際の再生剤使用量
は少なくて済むという特徴があるが、蔗糖の転化を起こ
し易いという欠点がある。一方、ゲル型強酸性陽イオン
交換樹脂は、汚染され易いが蔗糖の転化は少ないという
特徴がある。蔗糖の転化で果糖と葡萄糖が生じ、これら
は煎糖では晶出せず、そのまま糖分のロスとなるため、
ゲル型強酸性陽イオン交換樹脂が用いられている。
【0006】また、最近提案された第3の方法として、
上記二法と同様に抽出後、炭酸飽充を行わず、濾過、軟
化、濃縮、クロマト分離(イオン排除法)により脱塩を
行い、濃縮、煎糖を行う方法がある(特表平9−506
513号公報)。この方法は、上記第2の方法の欠点は
無いが、クロマト分離装置の詰まりや圧力損失の増大を
避けるために濾過が必須であり(この特許文献中には濾
過の詳細は記載されていない)、炭酸飽充等の凝集沈澱
工程が無いので、植物由来の粘りの強いガム質と呼ばれ
る物質やコロイド物質の除去ができず、濾過が難しく、
濾過工程に大きなコストが掛かること、また、濾過で除
去できないコロイド物質によりクロマト分離での圧力損
失が大きくなり、甚だしい場合には通液不能になるこ
と、更には、クロマト分離での圧力損失を下げるために
はクロマト分離の対象である原液(クロマト原液)の供
給速度を低減せざるをえないこと、脱塩等の不純物除去
が不充分であるため上記の第2の方法ほど高品質の蔗糖
結晶が得られないことなどの欠点がある。
【0007】このようなイオン交換処理やクロマト分離
等の不純物除去工程は、その後の煎糖によって晶出され
る蔗糖結晶の品質向上を狙って行われる。また、煎糖後
の残液(糖蜜)をイオン交換処理やクロマト分離により
脱塩し、再度濃縮、煎糖を繰り返して蔗糖を可能な限り
回収することも行われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のイオン交換処理
で一定量以上の不純物を除去しようとすると、前述の強
酸性陽イオン交換樹脂→弱塩基性陰イオン交換樹脂の順
で通液する方式では、H形の強酸性陽イオン交換樹脂で
蔗糖の転化が起き、転化糖(果糖と葡萄糖の等量混合
物)を生じる。この転化を低減するため強酸性陽イオン
交換樹脂のジビニールベンゼン(DVB)単位含有量を
増やして架橋度を上げると(架橋度を上げると、樹脂の
分子間に蔗糖が入り込み難くなり、陽イオン交換基のH
+ との反応の確率が低くなり、蔗糖の転化が起こり難く
なると考えられる)、処理倍量(イオン交換樹脂が貫流
点〔ブレーク・スルー・ポイント〕に達するまでの甜菜
糖液の処理容量をイオン交換樹脂容量で割った倍数)が
減少し、また、多量の再生剤が必要となり、この再生時
に排出される再生廃液の処理も、色々と手間がかかり、
製品コストの上昇にも繋がる。一方、強塩基性陰イオン
交換樹脂→弱酸性陽イオン交換樹脂の順で通液する方式
では、アミノ酸類やベタイン等のアミノカルボン酸類の
不純物が充分に除去できない。
【0009】本発明は、上述の従来技術の問題点に鑑
み、アミノ酸類やベタイン等のアミノカルボン酸類の不
純物が除去でき、処理倍量が多く、且つ、蔗糖の転化の
少ない甜菜糖液精製方法を提供せんとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述の問
題点を解決するために種々検討した結果、H形の強酸性
陽イオン交換樹脂としてポーラス型陽イオン交換樹脂を
用いれば、汚染に耐えることができるだけでなく、効果
的にアミノ酸類やベタイン等のアミノカルボン酸類の不
純物を除去できること、該強酸性陽イオン交換樹脂の架
橋度をジビニールベンゼン(DVB)単位含有量で10
〜15重量%とすれば、処理倍量は大きいままに維持
し、効果的に蔗糖の転化率を低下させるができることを
知見し、本発明を完成するに到った。
【0011】即ち、本発明は、強酸性陽イオン交換樹
脂、弱塩基性陰イオン交換樹脂の順に甜菜糖液を通液し
て精製するに当たって、前記強酸性陽イオン交換樹脂と
してジビニールベンゼン(DVB)単位含有量が10〜
15重量%のポーラス型強酸性陽イオン交換樹脂を用い
ることを特徴とする甜菜糖液精製方法を提供するもので
ある。
【0012】強酸性陽イオン交換樹脂をポーラス型にす
れば、効果的にアミノ酸類やベタイン等のアミノカルボ
ン酸類を除去できる理由は、従来用いられてきたゲル型
強酸性陽イオン交換樹脂に比べてポーラス型強酸性陽イ
オン交換樹脂が汚染に強いので、上記のアミノカルボン
酸類の除去能力を高く維持することができるからであ
る。ここで、「ポーラス型」とは、強酸性陽イオン交換
樹脂の構造が多孔性(porous、macroreticular)である
ことを言う。
【0013】ポーラス型強酸性陽イオン交換樹脂のDV
B単位含有量は、10〜15重量%であるが、好ましく
は11〜14重量%である。DVB単位含有量を10重
量%より少なくすると、転化率は低く抑えられるが、汚
染に弱くなり、処理倍量が減少し、樹脂再生の再生剤量
が増え、不適当である。一方、DVB単位含有量が15
%を越えると、樹脂の酸性度の増加(架橋度の上昇によ
り、分子構造的に遊離のH+ の存在確率が高くなるため
と考えられる)により、蔗糖の転化率が上がってきてし
まうので、不適当である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
するが、本発明はその要旨を逸脱しない限り、以下の実
施の形態に限定されないことは言うまでも無い。
【0015】本発明の方法により精製することができる
原料液(甜菜糖液)としては、例えば、上述の従来の甜
菜糖の精製方法である上記第1の方法の軟化後の甜菜糖
液、第2の方法の炭酸飽充、濾過後の甜菜糖液又はイオ
ン交換処理後の甜菜糖液、第3の方法のクロマト分離工
程の前又は後の甜菜糖液などを挙げることができる。ま
た、本出願人は上記の第1〜3の方法の欠点を解消する
蔗糖の精製方法を提案しているが(特願平8−2233
04号)、この方法のイオン交換処理工程に供する甜菜
糖液や軟化後且つクロマト分離工程前の甜菜糖液を本発
明の方法により精製することもできる。なお、結晶状の
蔗糖を得る場合は、一連の甜菜糖液精製工程を経た精製
糖液を濃縮し、煎糖を行うのは当然のことであるが、液
糖としての蔗糖液を得る場合は、該精製糖液をそのまま
又は適当に蔗糖濃度調整を行って製品とすることもでき
る。
【0016】本出願人が提案した上記の蔗糖の精製方法
において、甜菜から蔗糖を精製する場合の代表例を簡単
且つ具体的に説明する。甜菜を裁断し、抽出して得られ
る蔗糖含有甜菜抽出液に石灰乳を加え、二酸化炭素を吹
き込んで炭酸カルシウムの沈澱を生成し、この沈澱に不
純物を吸着させて除去する所謂炭酸飽充により粘性の高
い物質などを除去する。次いで、濾過後、得られる蔗糖
含有濾液をナトリウム形又はカリウム形の陽イオン交換
樹脂により軟化する。この軟化は、濃縮器での硬度成分
の析出と伝熱効率の低下を防ぐため、並びに、クロマト
分離工程で分離剤として陽イオン交換樹脂を用いる場合
にそのイオン形が分離効率の悪い二価イオン形になるの
を防止するするために、主としてカルシウムである硬度
成分を除去することを目的とする。次いで、クロマト分
離の効率を上げるために、蔗糖含有軟化処理液を固形分
濃度が、例えば、60〜70重量%になるまで濃縮す
る。こうして得られる蔗糖含有濃縮液をクロマト分離工
程に供する。クロマト分離法としては、通常の回分式ク
ロマト分離法や循環式クロマト分離法などでもよいが、
工業的分離に適した擬似移動層式クロマト分離法が最適
である。分画された蔗糖画分は、イオン交換処理する。
次いで、イオン交換処理された蔗糖液を濃縮し、次に煎
糖により高純度の蔗糖結晶を高回収率で得ることができ
る。この方法における上記イオン交換処理は、上記クロ
マト分離工程で約80重量%前後の塩類が除去される
が、残りの約20重量%前後の塩類を除去しようとする
ものである。このイオン交換処理工程を本発明の方法で
行うのが好ましく、アミノ酸類やベタイン等のアミノカ
ルボン酸類を効果的に除去できる。
【0017】本発明の精製方法は、種々の態様を採るこ
とができ、例えば、次のようなイオン交換樹脂の配列順
序の態様を用い、シリーズ通液(その順序に通液)する
ことができる。 ポーラス型強酸性陽イオン交換樹脂→弱塩基性陰イ
オン交換樹脂 強塩基性陰イオン交換樹脂→弱酸性陽イオン交換樹
脂(以上、約70℃以下)→ポーラス型強酸性陽イオン
交換樹脂→弱塩基性陰イオン交換樹脂。 ポーラス型強酸性陽イオン交換樹脂→弱塩基性陰イ
オン交換樹脂→強塩基性陰イオン交換樹脂→弱酸性陽イ
オン交換樹脂(最後の2イオン交換樹脂は、仕上げのた
めのポリッシャーの役目を果たす)。 更に、最終的な仕上げとしての脱塩、脱色、脱臭等を行
うために、上記〜の各態様を実施するイオン交換処
理装置の後段に、更に種々のポリッシャーを付設して処
理してもよい。
【0018】上記〜の態様から分かるように、イオ
ン交換処理工程の何処かにポーラス型強酸性陽イオン交
換樹脂と弱塩基性陰イオン交換樹脂をこの順で含めれ
ば、本発明の実施となる。本発明に従って、ポーラス型
強酸性陽イオン交換樹脂と弱塩基性陰イオン交換樹脂に
この順で甜菜糖液を通液する際の通液流速は、通常、空
間速度(SV)で5〜20であるのが望ましく、また、
通液温度は、通常、糖液粘度と蔗糖転化の観点から0〜
15℃であるのが望ましく、好ましくは10℃前後であ
る。なお、の態様のように最初に強塩基性陰イオン交
換樹脂に通液する時、約70℃を越える温度で通液する
と、糖(蔗糖、葡萄糖、果糖等で、特に果糖)の一部が
分解して着色物質を生じ易いので、これに通液する際の
温度は約70℃以下とするのが通常である。
【0019】
【実施例】以下、比較例と対比しつつ実施例により本発
明を具体的に説明するが、本発明が実施例に限定される
もので無いことは言うまでも無い。
【0020】実施例及び比較例 図1に示す様な通液試験を行って、甜菜糖液精製用のH
形の強酸性陽イオン交換樹脂として、アンバーリスト1
6W(ローム・アンド・ハース社製ポーラス型強酸性陽
イオン交換樹脂、DVB単位含有量:12重量%)と、
糖液精製に従来から一般的に用いられてきたアンバーラ
イト200(ローム・アンド・ハース社製ゲル型強酸性
陽イオン交換樹脂、DVB単位含有量:20重量%)、
アンバーライトIR−120B(ローム・アンド・ハー
ス社製ゲル型強酸性陽イオン交換樹脂、DVB単位含有
量:8重量%)、アンバーライトIR−124(ローム
・アンド・ハース社製ゲル型強酸性陽イオン交換樹脂、
DVB単位含有量:10重量%)とを比較した。原料液
の甜菜糖液としては、甜菜を裁断、抽出、炭酸飽充、濃
縮し、クロマト分離で脱塩した蔗糖画分を用いた。この
原料液(蔗糖画分)の蔗糖濃度(Bx:ブリックス濃
度)38で、固形分当たりの組成は、蔗糖95.5%、
その他の糖分3.4%、非糖分(灰分)0.5%、アミ
ノ酸類やベタイン等のアミノカルボン酸類0.6%であ
った。なお、固形分当たりの組成は、ナトリウム形イオ
ン交換カラムと示差屈折率計を用いた高速液体クロマト
グラフィーの面積百分率によって示したものである。こ
の通液試験において、通液流速は空間速度(SV)で1
0、通液温度は10℃とした。
【0021】図1に示すように、前処理として、強塩基
性陰イオン交換樹脂(図1で「SA」と記す)であるア
ンバーライトIRA−420BL(ローム・アンド・ハ
ース社製)100mlを充填したカラムと弱酸性陽イオ
ン交換樹脂(図1で「WK」と記す)であるアンバーラ
イトIRC−76(ローム・アンド・ハース社製)50
mlを充填したカラムにこの順で原料液を通液し、ビー
カーをバッファーゾーンとして一旦貯留した。次に、得
られた前処理糖液をH形の陽イオン交換樹脂(図1で
「SK」と記す)50mlを充填したカラムと弱塩基性
陰イオン交換樹脂(図1で「WA」と記す)であるアン
バーライトIRA−478(ローム・アンド・ハース社
製)100mlを充填したカラムにこの順で通液した。
通液終了時点(この通液試験における貫流点)を、弱塩
基性陰イオン交換樹脂「WA」充填カラムの出口でサン
プリングされた糖液を分析して、アミノカルボン酸類の
一種であるベタインの該サンプリング糖液へのリーク量
が原料液に含まれていたベタイン量の10%を越えた時
点として、処理倍量(通液倍量)を求めた。
【0022】イオン交換樹脂類の再生は次のように行っ
た。先ず弱塩基性陰イオン交換樹脂「WA」充填カラム
に1規定の苛性ソーダ水溶液を150ml通液して、樹
脂洗浄し、WA再生廃液を得た。次に、強酸性陽イオン
交換樹脂「SK」充填カラムに上記WA再生廃液を通液
して、樹脂洗浄後、更に1規定の塩酸を105ml通液
してSK再生廃液を得たのに並行して、弱酸性陽イオン
交換樹脂「WK」充填カラムにも1規定の塩酸を60m
l通液してWK再生廃液を得た。次いで、強塩基性陰イ
オン交換樹脂「SA」充填カラムにWK再生廃液とSK
再生廃液を通液して、樹脂洗浄後、1規定の苛性ソーダ
水溶液を150ml通液して、樹脂の再生を行った。
【0023】原料液通液の通液試験とイオン交換樹脂類
の再生処理を10回繰り返し、蔗糖の転化率と処理倍量
の変化を調べた。その結果を表1に示す。なお、表1に
おいて、「転化率」は10サイクル目の転化率を示し、
また、「16W」はアンバーリスト16W、「120
B」はアンバーライトIR−120B、「200」はア
ンバーライト200、「124」はアンバーライトIR
−124をそれぞれ表す。
【0024】
【表1】 ────────────────────────────────── 1サイクル 5サイクル 10サイクル 転化率 樹脂名 処理倍量 処理倍量 処理倍量 (%) ────────────────────────────────── 16W 35 34 34 0.04 120B 35 29 14 0.03 200 35 35 34 0.1 124 35 25 11 0.02 ──────────────────────────────────
【0025】アンバーライト200の場合は、処理倍量
に殆ど変化はなく、汚染に強いことが分かったが、転化
率が高くなった。一方、アンバーライトIR−120B
の場合は、転化率は小さかったものの、通液を繰り返し
ていくと徐々に処理倍量が下がり、10サイクルも通液
すると処理倍量は当初の半分以下になった。また、アン
バーライトIR−124の場合は、転化率はアンバーラ
イトIR−120Bの場合より小さかったが、処理倍量
はより早く低下してしまった。これに対し、本発明に従
うアンバーリスト16Wの場合は、転化率はアンバーラ
イトIR−120Bの場合より若干高かったものの、処
理倍量は安定しており、10サイクル通液しても処理倍
量は殆ど下がらなかった。
【0026】以上の4種類の強酸性陽イオン交換樹脂類
の比較の結果、甜菜糖液の精製処理には、蔗糖の転化率
と汚染によるアミノカルボン酸類の除去能力の低下傾向
の双方の観点から満足な性能を示すアンバーリスト16
Wが最適であると言える。
【0027】
【発明の効果】本発明の甜菜糖液精製方法によれば、ア
ミノ酸類やベタイン等のアミノカルボン酸類を効果的に
除去でき、イオン交換樹脂類への糖液の通液とそれらの
再生のサイクルを繰り返しても処理倍量を高いレベルに
維持することができ、然も、蔗糖の転化率を低く抑える
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例及び比較例で行った通液試験の
フローチャート図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強酸性陽イオン交換樹脂、弱塩基性陰イ
    オン交換樹脂の順に甜菜糖液を通液して精製するに当た
    って、前記強酸性陽イオン交換樹脂としてジビニールベ
    ンゼン(DVB)単位含有量が10〜15重量%のポー
    ラス型強酸性陽イオン交換樹脂を用いることを特徴とす
    る甜菜糖液精製方法。
  2. 【請求項2】 前記甜菜糖液が、強塩基性陰イオン交換
    樹脂、弱酸性陽イオン交換樹脂の順に粗甜菜糖液を通液
    する前処理工程を経て得られる甜菜糖液であることを特
    徴とする請求項1に記載の甜菜糖液精製方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003080872A1 (en) * 2002-03-27 2003-10-02 Danisco Sweeteners Oy Separation of sugars, sugar alcohols, carbohydrates and mixtures thereof
CN110563797A (zh) * 2019-10-12 2019-12-13 山东奔月生物科技股份有限公司 纽甜中粘性成分的去除方法

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