JP3567638B2 - 甜菜浸出液からの製糖方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は甜菜浸出液から高品質の砂糖と共にラフィノースを含む含ラフィノース糖を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
甜菜からの砂糖の製造は、寒冷地において大規模に行われている。最も一般的な製法では、甜菜を温水で浸出してシュクロースを含む浸出液を取得する。この浸出液には多量の懸濁物、着色成分、灰分などが含まれているので、浸出液からこれらの不純物を除去して精製された糖液とする。その方法はいくつか知られているが、従来から広く行われてきたのは、浸出液に水酸化カルシウムを添加し、且つ炭酸ガスを吹込んで、生成する炭酸カルシウムと一緒に懸濁物を濾過、沈降分離などの固液分離操作により除去する方法である。この方法によれば懸濁物以外に着色成分の一部も除去できるが、この処理を経た浸出液中には、依然として相当量の着色成分や灰分が残存している。従って、この浸出液を更に吸着剤で処理して脱色したり、イオン交換体で処理して軟化することが必要とされている。改良された精製法の一つでは、この処理を経た浸出液を更にイオン交換樹脂で処理して、着色成分、アミノ酸及び灰分等を除去している。しかしイオン交換樹脂処理により、灰分及び着色成分、アミノ酸等を完全に除去するのは相当の費用を要する。また、イオン交換樹脂による処理の過程では液性が酸性となって還元糖が生成し易いので、イオン交換樹脂による処理はできるだけ短時間で終了させるのが好ましい。更にイオン交換樹脂による処理では、還元糖や晶出工程において砂糖の晶出を妨害するラフィノースは除去できない。
【0003】
精製された糖液は次いで濃縮して砂糖を結晶として晶出させて取得する。この晶出は3〜4回反復され、最後の晶出工程で砂糖を分離した後の母液は、シュクロース以外の成分が相当量含まれていて、これから砂糖を晶出させるのは、経済的でないので、廃糖蜜として工程から排出される。最近では、この廃糖蜜からクロマトグラフィーにより砂糖を回収することが行われつつある。
【0004】
また、最近、この廃糖蜜をシュクロースに富む画分と不純物に富む画分とに分離して砂糖を回収するために開発されたクロマトグラフィーの技術を、甜菜浸出液からの不純物の除去に転用することが、WO95/16794号で提案されている。この方法では、甜菜浸出液について、水酸化カルシウムの添加を行わずに懸濁物の除去及び軟化処理を行い、次いで固形分濃度が50〜70重量%となるように濃縮したのち、約80℃でクロマト装置に供給し、水を溶離剤としてクロマトグラフィーを行い、非糖分の70〜80%とアルカリ金属の80%以上が除去された糖液を得る。この糖液は所望により更にイオン交換樹脂で処理したのち常法による砂糖の晶出に付される。この方法によれば糖蜜の副生量が著しく減少するとされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
甜菜浸出液からの砂糖の製造では、浸出液の精製工程を更に改良することが望まれている。また、浸出液中のラフィノースは、晶出工程において砂糖の晶出を妨害する不純物であるが、他方においては健康食品として注目されている物質でもある。ラフィノースは廃糖蜜中に濃縮されているので、廃糖蜜からラフィノースを回収することが検討されている。しかし、その需要量はあまり多くはないので、甜菜浸出液から砂糖を製造する工程において、需要量に応じてラフィノースを製品化することが望まれている。本発明はこのような要望に応えようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、下記の工程を順次経ることにより、甜菜浸出液から高品質の砂糖とラフィノースを含む砂糖との両者を同時に製造することができる。
(1)甜菜浸出液から懸濁物及び多価陽イオンを除去して、実質的にこれらを含まない予備精製糖液とする予備精製工程。
(2)予備精製糖液を濃縮したのち60℃以上の温度でクロマト装置に供給し、水を溶離剤として、アニオン200〜1500mg−CaCO3 /l、カチオン500〜2500mg−CaCO3 /lを含み、420nmの色価が17以下であり、且つシュクロースに対するラフィノースの比が低下したクロマト精製糖液を取得するクロマト分離工程。
(3)クロマト精製糖液を10℃以下に冷却して、少なくとも強酸性陽イオン交換樹脂床と塩基性陰イオン交換樹脂床とを順次通過させて脱塩された糖液とする脱塩工程。
(4)脱塩された糖液を少なくとも50℃以上の温度でポーラス型の強塩基性陰イオン交換樹脂床を通過させて着色成分の除去された精製糖液とする脱色工程。
(5)精製糖液を濃縮して砂糖結晶を晶出させて分離する晶出工程。
(6)晶出工程から排出された結晶分離後の母液を濃縮固化させて、ラフィノースを含む含ラフィノース糖とする工程。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明について詳細に説明すると、本発明は、クロマト分離による灰分、着色成分、アミノ酸、ラフィノース、還元糖等の除去と、イオン交換樹脂処理による灰分及び着色成分、アミノ酸等の除去とを組合せて、不純物を十分に除去すると共にシュクロースに対するラフィノースの比を低下させ、且つこの過程における還元糖の生成を抑制することにより、砂糖の晶出工程に供給される糖液中の固形分が実質的にシュクロースとラフィノースから成り、且つそのシュクロースに対するラフィノースの比が所望の値になるようにするものである。これにより糖液の精製工程が改良されると共に、砂糖の晶出工程において砂糖を分離後の母液中には不純物が殆ど存在しなくなるので、母液をそのまま濃縮固化させることにより健康食品として有用なラフィノースを含有する砂糖を生産することができる。かつその生産量は、糖液中のシュクロースに対するラフィノースの比を調節することにより、所望の量に調節できる。
【0008】
本発明では、先ず常法により得られた甜菜浸出液を、懸濁物及び多価陽イオンを除去し、実質的にこれらを含まない糖液とする予備精製工程に供給する。後続するクロマト分離工程では、供給される糖液中に懸濁物が含まれていると、これが充填床の上面や床内に堆積して操作に支障をきたす。また多価陽イオンが含まれていると、充填剤に結合している一価陽イオンを置換して充填剤の分離性能を低下させる。従って予備精製では、懸濁物及び多価陽イオンを、後続するクロマト分離工程に支障をきたさないように除去する。予備精製は精密濾過とイオン交換体を用いた軟化との組合せなど任意の方法で行い得るが、好ましくは、従来から行われている水酸化カルシウムの添加−炭酸ガスの吹込みによる懸濁物の除去と、塩型の弱酸性陽イオン交換樹脂を用いた軟化との組合せが用いられる。
【0009】
予備精製を経た糖液は、次いで濃縮したのちクロマト装置に供給し、水を溶離剤として糖液画分と非糖液画分とに分離する。クロマト装置の充填剤としては、廃糖蜜を糖液画分とその他の画分とに分離する場合と同じく、アルカリ金属塩型の強酸性陽イオン交換樹脂を用いるのが有利である。
図1は、水酸化カルシウムの添加−炭酸ガスの吹込みにより懸濁物を除去し、次いでナトリウム塩型の弱酸性陽イオン交換樹脂床を通過させて軟化した甜菜浸出液を濃縮したものにつき、水を溶離剤とするカラムクロマトグラフィーを行った場合のクロマトグラムの1例である。カラムの充填剤には、ナトリウム塩型のゲル型スチレン−ジビニルベンゼン系強酸性陽イオン交換樹脂を用いた。クロマトグラフィーに供した甜菜浸出液は、Brix35、色価54.5、アニオン含有量は4130mg−CaCO3 /l、カチオン含有量は6390mg−CaCO3 /lである。図1における各ピークの示す物質と、ピーク面積から計算されるその濃度は表1の通りである。
【0010】
【表1】
【0011】
図1では灰分、ラフィノース、シュクロース、還元糖、ベタインの順でピークが出現している。着色成分のピークは灰分とほぼ同じ位置に出現する。すなわちカラム内において、灰分、着色成分、ラフィノースはシュクロースより早く移動し、還元糖、ベタインはシュクロースより遅く移動するので、この移動速度の差を利用して、灰分、着色成分、ラフィノース、更には還元糖やベタインをシュクロースから分離できる。
【0012】
クロマト装置としては、効率のよい、疑似移動床を用いるのが好ましいが、より簡単な装置、例えば特公平6−69521号公報に記載されているような系内液を循環し、且つ原料液と溶離剤とを交互に供給する半連続方式のクロマト装置を用いることもできる。充填床に原料液と溶離剤とを交互に供給するが系内液を循環しない回分方式は、工業的には有利ではない。図2は、図1の糖液を、実験用の疑似移動床型のクロマト分離装置(充填剤:ナトリウム型のゲル型スチレン−ジビニルベンゼン系強酸性陽イオン交換樹脂、溶離剤:水)を用いて、シュクロース画分と不純物画分とに分画した場合における、シュクロース画分のクロマトグラムの1例である。シュクロースの回収率は99%である。図2における各ピークの面積から計算される各成分の濃度は表2の通りである。
【0013】
【表2】
【0014】
図2の糖液は、Brixは35.2、色価8.8、アニオン含有量は430mg−CaCO3 /l、カオチン含有量は1280mg−CaCO3 /lである。この糖液の精製度は、クロマト分離における溶離水の比率を上げるか又はシュクロースの回収率を下げることにより、容易にさらに向上させることができる。
【0015】
クロマト装置に供給する糖液の濃度は、装置の効率及び全蒸発水量を少くする点からして、Brixで60〜70が好ましい。温度は、糖液の粘度を低下させて床内における偏流等を避けるためにも、60℃以上、好ましくは70℃以上とすべきである。また、クロマト装置に供給する糖液に対する溶離剤である水の比率は、通常2.5〜5好ましくは2.7〜4.0(容積比)である。この比率が大きいほど、一般にクロマト装置から得られる糖液の濃度は低下するが、糖液の色価は小さくなり且つ灰分の含有量は低下する。すなわちクロマト装置に供給される糖液の濃度が一定であれば、クロマト装置から得られる糖液をより精製されたものとするほど、その濃度は低下することになる。
【0016】
本発明では、不純物の除去は、クロマト分離と後続するイオン交換樹脂処理という、精製原理の異なる2つの手段の組合せで達成されるので、不純物の除去が全体として最も有利に行われるように、それぞれの操作条件を設定することが重要である。クロマト分離においては、前述の如く、供給する糖液に対する溶離水の比率を大きくするほど不純物の除去は良好に行われるが、そのためにはクロマト装置に対する糖液の供給速度を小さくせざるを得ず、生産性が大きく低下する。また前述の如く、得られる糖液の濃度が低下し、蒸発水量が増加するという問題もある。
【0017】
クロマト分離においては、得られる糖液の精製度を或る値以上に向上させることは、それにより達成される精製度の向上による利益よりも、生産性の低下や糖液濃度の低下による不利益が加速度的に大きくなるという特徴がある。これに対し、イオン交換樹脂処理による不純物の除去では、不純物の除去量と除去に要する費用とはほぼ比例する。また、クロマト装置から得られた糖液は、濃縮・希釈することなく、そのままの濃度で冷却して次のイオン交換樹脂処理に供するのが好ましい。これらの点を総合すると、クロマト分離においては、アニオン200〜1500mg−CaCO3 /l、カチオン500〜2500mg−CaCO3 /lを含み、着色成分の指標である420nmの色価が17以下である糖液をクロマト精製糖液として取得するのが有利である。特に好ましいのは、アニオン200〜800mg−CaCO3 /l、カチオン500〜1500mg−CaCO3 /lを含み、420nmの色価が8以下のクロマト精製糖液を取得することである。取得する糖液の濃度はBrixで25〜38、特に30〜36が好ましい。なお、糖液のアニオン含有量は、糖液をOH型の強塩基性陰イオン交換樹脂のカラムに通液し、流出液のOH− 濃度を測定してCaCO3 の濃度に換算することにより算出される。同様にカチオン含有量は、糖液をH型の強酸性陽イオン交換樹脂のカラムに通液し、流出液のH+ 濃度を測定してCaCO3 の濃度に換算することにより算出される。糖液の色価は下記式により算出される。
【0018】
【数1】
色価=(−logI/I0 )×890/a×b×c
I:420nmにおいて糖液の測定セルを通過する光量
I0 :420nmにおいて純水の測定セルを通過する光量
a:糖液の濃度(Brix)
b:糖液の比重
c:測定セルの光路長(cm)
【0019】
また、ラフィノースは前述の如く晶出工程において砂糖の晶出を妨害するので、その一部を非糖液画分として除去し、予備精製糖液に比してクロマト精製糖液におけるシュクロースに対するラフィノースの比率を低下させ、砂糖の晶出に際しての妨害を少なくする。クロマト精製糖液中にラフィノースをいくら残存させるかは、ラフィノースを含有する砂糖の生産計画により決定される事項であるが、クロマト精製糖液中のラフィノースの残存量が多くなるようにクロマトグラフィーを行うと、クロマト精製糖液中の他の不純物の残存量も増加するので、通常はシュクロースに対するラフィノースの比率が15%以上低下するようにする。好ましくはシュクロースに対するラフィノースの比率を25%以上低下させる。
【0020】
クロマト精製糖液は、次いで10℃以下、好ましくは4〜8℃に冷却して脱塩工程に供給し、少なくとも強酸性陽イオン交換樹脂床と塩基性陰イオン交換樹脂床とを順次通過させる。イオン交換樹脂床内の流速(S.V)は通常4〜8である。好ましくは、いずれのイオン交換樹脂もポーラス型のものを用い、脱塩と同時に着色成分の除去も促進されるようにする。通常は先ずダイヤイオン(登録商標)PK220のような強酸性陽イオン交換樹脂床を通過させてアルカリ金属イオンを主とする陽イオンを完全に除去し、次いで強酸性陽イオン交換樹脂床から流出する糖液をダイヤイオン(登録商標)WA30のような弱塩基性陰イオン交換樹脂床を通過させることにより陰イオンを除去する。このようにすることにより、再生の容易な弱塩基性陰イオン交換樹脂を用いて陰イオンを効率よく除去できる。なお、糖液は前述の如く10℃以下、好ましくは4〜8℃という低温で強酸性陽イオン交換樹脂床に導入されるので、陽イオンの除去により液性が酸性となっても、還元糖は殆ど生成しない。脱塩工程を経た糖液には通常は着色成分が残存しているので、ポーラス型の強塩基性陰イオン交換樹脂で更に処理して着色成分を除去する。この脱色工程は、着色成分が吸着され易いように、糖液を50℃以上に加温してポーラス型の強塩基性陰イオン交換樹脂床を通過させる。床内の流速(S.V)は、吸着が良好に行われるように2〜6が好ましい。なお、脱塩工程から流出する糖液のPHは弱アルカリ性ないし中性なので、脱色を加温下に行っても還元糖が生成する恐れはない。脱色工程を経た精製糖液は、常法により蒸発濃縮して砂糖結晶を晶出させ、遠心分離機等を用いて結晶と母液とを分離する。なお、脱色工程から得られた精製糖液が弱アルカリ性の場合には、これをそのまま加熱して蒸発濃縮すると糖液が着色し易いので、予め弱酸性陽イオン交換樹脂床を通過させて液のPHを中性にしてから蒸発濃縮するのが好ましい。また糖液のPHを中性にして蒸発濃縮しても若干着色することがある。従って、糖液は予めBrix60以上に濃縮し、ポーラス型の強塩基性陰イオン交換樹脂床を通過させて着色成分を除去したのち、晶出工程に供給するのが好ましい。砂糖の晶出操作は、母液中のシュクロースに対するラフィノースの比が所望の値に達するまで、通常3〜4回反復する。次いで母液は蒸発濃縮してそのまま固化させ、ラフィノースを含む含ラフィノース糖とする。含ラフィノース糖のラフィノース含有量は通常4〜6(重量)%である。本発明によればクロマト分離とイオン交換樹脂処理との組合せにより、甜菜浸出液中の着色成分、灰分その他の不純物を十分に除去して、事実上シュクロースとラフィノースのみから成る糖液を晶出工程に供することができるので、砂糖結晶を分離後の母液をそのまま濃縮固化させて得られる含ラフィノース糖には、不純物は殆ど含まれていない。このように本発明によれば、従来は廃糖蜜として処理されていたシュクロース及び一部のラフィノースを、価値ある含ラフィノース糖として回収できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】甜菜浸出液に、水酸化カルシウム添加−炭酸ガス吹込みによる懸濁物の除去と、イオン交換樹脂による軟化処理とを施して予備精製した糖液の分析用カラムを用いて得たクロマトグラムの1例である。カラム充填剤にはナトリウム塩型のゲル型スチレン−ジビニルベンゼン系強酸性陽イオン交換樹脂を用い、溶離液としては水を用いた。
【図2】図1で用いた予備精製した糖液から、ナトリウム塩型のゲル型スチレン−ジビニルベンゼン系強酸性陽イオン交換樹脂を充填剤とする実験用の疑似移動床型のクロマトグラフにより得たシュクロースを主体とする画分につき、図1の場合と全く同様にして得たクロマトグラムの1例である。
【符号の説明】
1 灰分
2 ラフィノース
3 シュクロース
4 還元糖など
5 アミノ酸(ベタインなど)
Claims (9)
- 下記の工程を順次経ることを特徴とする甜菜浸出液からの製糖方法。
(1)甜菜浸出液から懸濁物及び多価陽イオンを除去して、実質的にこれらを含まない予備精製糖液とする予備精製工程。
(2)予備精製糖液を濃縮したのち60℃以上の温度でクロマト装置に供給し、水を溶離剤として、アニオン200〜1500mg−CaCO3 /l、カチオン500〜2500mg−CaCO3 /lを含み、420nmの色価が17以下であり、且つシュクロースに対するラフィノースの比が低下したクロマト精製糖液を取得するクロマト分離工程。
(3)クロマト精製糖液を10℃以下に冷却して、少なくとも強酸性陽イオン交換樹脂床と塩基性陰イオン交換樹脂床とを順次通過させて、脱塩された糖液とする脱塩工程。
(4)脱塩された糖液を、少なくとも50℃の温度でポーラス型の強塩基性陰イオン交換樹脂床を通過させて、着色成分の除去された精製糖液とする脱色工程。
(5)精製糖液を濃縮して砂糖結晶を晶出させて分離する晶出工程。
(6)晶出工程から排出された結晶分離後の母液を濃縮固化させて、ラフィノースを含む含ラフィノース糖とする工程。 - 予備精製工程が、甜菜浸出液に水酸化カルシウムを添加し炭酸ガスを吹込んで、生成した炭酸カルシウムと一緒に懸濁物を除去する工程と、この工程を経た浸出液をイオン交換樹脂と接触させて軟化する工程とを含んでいることを特徴とする請求項1記載の製糖方法。
- クロマト装置に供給する糖液の濃度がBrixで60〜70であることを特徴とする請求項1又は2記載の製糖方法。
- クロマト精製糖液がアニオン200〜800mg−CaCO3 /l、カチオン500〜1500mg−CaCO3 /lを含み、420nmの色価が8以下であり、且つシュクロースに対するラフィノースの比が少なくとも25%低下したものであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の製糖方法。
- クロマト精製糖液を希釈又は濃縮することなく脱塩工程に供給することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の製糖方法。
- 脱塩工程が、クロマト精製糖液を、少なくともポーラス型の強酸性陽イオン交換樹脂床とポーラス型の塩基性陰イオン交換樹脂床とを順次通過させるものであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の製糖方法。
- 脱塩工程において、強酸性陽イオン交換樹脂床を通過したクロマト精製糖液を、次いで弱塩基性陰イオン交換樹脂床を通過させることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の製糖方法。
- 精製糖液を少なくともBrix60に濃縮してポーラス型強塩基性陰イオン交換樹脂床を通過させたのち晶出工程に供給することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の製糖方法。
- クロマト分離工程から取得されるクロマト精製糖液の濃度がBrixで25〜38であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の製糖方法。
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