JP2001126303A - 光ヘッドおよびその制御方法、光情報記録再生装置ならびにトラック判別方法 - Google Patents

光ヘッドおよびその制御方法、光情報記録再生装置ならびにトラック判別方法

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JP2001126303A
JP2001126303A JP30375899A JP30375899A JP2001126303A JP 2001126303 A JP2001126303 A JP 2001126303A JP 30375899 A JP30375899 A JP 30375899A JP 30375899 A JP30375899 A JP 30375899A JP 2001126303 A JP2001126303 A JP 2001126303A
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Noriaki Nishi
紀彰 西
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ランド・グルーブ記録方式においても、簡単
な構成によりトラック判別を行うことができる光ヘッ
ド、光情報記録再生装置およびトラック判別方法を提供
する。 【解決手段】 光ディスク記録面で反射され光検出素子
9の受光部92により受光される集光スポット96のう
ち、ランドおよびグルーブで発生する0次光および±1
次光の3者が重なる干渉領域51を含む第1の部分は、
受光部92の中間受光部92Mにより受光され、干渉領
域51を含まない第2の部分は、受光部92の周辺受光
部92Pにより受光される。トラック横断ノイズの主原
因となる第1の部分に対応して中間受光部92Mから出
力される信号を積極的に利用してトラック判別信号を求
め、干渉領域51を含まない第2の部分に対応して周辺
受光部92Pから出力される信号からフォーカスエラー
信号を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録媒体に対して
光による情報の記録または再生の少なくとも一方を行う
のに用いられる光ヘッドおよびその制御方法、そのよう
な光ヘッドを用いて構成される光情報記録再生装置、な
らびに光ヘッドによる集光スポットが記録媒体の記録面
におけるランドとグルーブのいずれに位置しているかを
判別するトラック判別方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光ディスク等の光情報記録媒体を
用いて、光学的に情報の記録と再生の少なくとも一方を
行う光情報記録再生装置が種々実用化されている。中で
も、光ディスクを記録媒体とする光ディスク装置の普及
が著しく、その高記録密度化が進められている。例え
ば、再生専用のディスクとしては、既に、記録容量約6
50MBのCD(Compact Disk)−ROM(Read Only
Memory)と同じサイズ( 直径120mm) でありなが
ら、記録容量を約7倍の4.7GBに高めた再生専用の
DVD−ROMが実用化されている。
【0003】これらの再生専用の光ディスクにおいて
は、透明基板に記録面が形成されており、対物レンズを
経て光ディスクに照射された再生用の光が透明基板を経
て記録面上で集光されるようになっている。記録面に
は、トラック案内構造と記録信号とを兼ねたピット列が
形成されており、これらを利用してトラッキングサーボ
制御が行われるようになっている。一方、対物レンズの
集光スポットを常に記録面上に合焦させるためにフォー
カスエラー検出が行われるが、その検出方法としては、
例えば非点収差法が採用されるようになっている。この
ような再生専用の光ディスクでは、再生信号出力からR
F変調成分(高周波再生信号成分)をLPF(ローパス
フィルタ)により除去した後の信号強度は、集光スポッ
トがピット列部分に位置している場合とピット列間領域
のミラー部分に位置している場合とで、明確に相違す
る。
【0004】このような信号出力の強度差は、MD(Min
i-Disk) 等の繰り返し書換可能なディスクにおいても見
られる。このMDは、記録面に、溝状のトラック案内構
造(以下グルーブという。)と稜線状のトラック案内構
造(以下、ランドという。)とが形成された記録媒体で
あり、情報の記録はグルーブにのみ行われるようになっ
ている。このようなMDの場合、上記した信号出力の強
度差は、記録に用いられるグルーブがランドよりも広い
ことによって発生している。一方、最近になって、上記
した各記録媒体に加えて、ユーザが情報を自由に書換可
能なDVD−RAM(Random Access Memory)が登場
し、実用化されつつある。この種の光ディスクでは、記
録密度を高くするために、ランドおよびグルーブの双方
に情報を記録するランド・グルーブ記録方式が採用され
る可能性が高い。このランド・グルーブ記録方式では、
ランドまたはグルーブのうち一方のみを記録に用いる方
式とは異なり、ランドおよびグルーブの双方にある程度
広い幅をもたせると共に、両者の幅をほぼ等しくするよ
うになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このラ
ンド・グルーブ記録方式を、例えば外部記憶装置や業務
用映像記録・編集装置に用いる場合には、ランドとグル
ーブの幅がほぼ等しく設定されていることに起因して、
次のような不具合点が生じる。以下、ランド・グルーブ
方式において問題となる点について、ランドまたはグル
ーブの一方にのみ情報を記録する記録方式(ここでは、
グルーブにのみ記録を行うグルーブ方式を例にとるもの
とする。)の場合と比較しながら説明する。
【0006】まず、グルーブ記録方式におけるトラッキ
ングエラー信号と和信号との関係について説明する。
【0007】図23は、グルーブ記録方式において光検
出素子の受光部から出力される戻り光(3スポット用い
る場合はメインスポット)の和信号SUMと、トラッキ
ングエラー信号TEとの関係を表すものである。この図
で、横軸は、光ディスク上における集光スポットの位置
を示し、縦軸は、信号出力を示す。なお、縦軸と横軸と
の関係は、以下の図24および図25においても同様で
ある。なお、ここで和信号SUMは、純粋な和信号か
ら、それに含まれるRF帯域成分をローパスフィルタに
より除去したものである。
【0008】トラッキングサーボ制御は、通常、トラッ
キングエラー信号TEが零となるように行われる。とこ
ろが、図23からわかるように、トラッキングエラー信
号TEが零となる位置は、対物レンズによる集光スポッ
トがランド上にある場合とグルーブ上にある場合の2つ
の場合がある。そこで、これを区別するため、通常、ト
ラック判別信号あるいはクロストラック信号CTSと呼
ばれる信号を用いる必要がある。
【0009】グルーブ記録方式の場合には、グルーブが
ランドよりも広いことから、和信号SUMは、図23に
示したように、ランド上とグルーブ上とで大きく異な
り、いわば明確な交流(AC)成分を含んでいる。した
がって、この場合には、例えば図24に示したように、
トラック判別信号CTSとして、和信号SUMの交流成
分を用いることが可能である。この図に示したように、
トラッキングエラー信号TEとトラック判別信号CTS
とは位相が90度異なることから、これらの2信号を用
いることにより、高速でシーク動作をしている場合で
も、トラックに対してスポットがどちらの方向に何トラ
ック動いたかを正確に知ることが可能である。したがっ
て、トラック横断数のカウントや、トラッキングサーボ
の引込動作を安定的に行うことができる。
【0010】これに対して、ランド・グルーブ記録方式
の場合には、上記したように、記録再生特性を最適にす
るために、通常、ランドとグルーブとは、ほぼ同じ幅に
なるように設定されている。このため、例えば図25に
示すように、和信号SUMは、集光スポットがランド上
にある場合とグルーブ上にある場合とでほぼ等しくなっ
て交流成分を殆ど含まないことから、この和信号SUM
から適切なトラック判別信号CTSを生成することがで
きない。その結果、特に、外部記憶装置や業務用映像記
録・編集装置等の用途において頻繁に行われる高速シー
ク動作時に、所定のトラックに一度でアクセスすること
が困難となり、アクセス速度が遅くなってしまう。
【0011】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、簡単な構成によりトラック判別を行
うことができる光ヘッド、光情報記録再生装置およびト
ラック判別方法、ならびに、ランド・グルーブ記録方式
においても目標トラックへの高速アクセスを可能とする
光ヘッドの制御方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の光ヘッドは、ト
ラック案内構造として形成されたランドおよびグルーブ
の双方に情報を記録可能に構成された記録媒体を含む少
なくとも1種類の記録媒体に対して、情報の記録または
再生の少なくとも一方を行うための光ヘッドであって、
光を出射する光源と、記録媒体の記録面に対して、光源
から出射された光を集光する対物レンズと、光源から出
射された光と記録媒体の記録面で反射された光とを分離
する光分離手段と、光分離手段により分離された記録媒
体の記録面からの反射光を受光する光検出手段と、記録
媒体の記録面で反射され光分離手段を経て光検出手段に
入射する光に非点収差を発生させる非点収差発生手段と
を備えると共に、光検出手段が、記録媒体の記録面から
の反射光のうち記録媒体のトラック案内構造によって発
生する0次光および2つの1次回折光がすべて重なり合
う重畳部分を含む第1の部分の光を受光する複数の部分
からなる第1の受光部群を有するように構成したもので
ある。
【0013】本発明の光情報記録再生装置は、トラック
案内構造として形成されたランドおよびグルーブの双方
に情報を記録可能に構成された記録媒体を含む少なくと
も1種類の記録媒体を駆動する記録媒体駆動手段と、記
録媒体駆動手段によって駆動される記録媒体から信号を
読み取るための光ヘッドと、光ヘッドを記録媒体に沿っ
て移動させる光ヘッド駆動手段と、光ヘッドにより読み
取られた信号に基づいて再生信号を生成する信号処理手
段と、光ヘッドにより読み取られた信号に基づいて、記
録媒体駆動手段、光ヘッド駆動手段および光ヘッドの動
作を制御するサーボ制御手段とを備え、記録媒体に対し
て情報の記録または再生の少なくとも一方を行う光情報
記録再生装置であって、上記の光ヘッドが、光を出射す
る光源と、記録媒体の記録面に対して、光源から出射さ
れた光を集光する対物レンズと、光源から出射された光
と記録媒体の記録面で反射された光とを分離する光分離
手段と、光分離手段により分離された記録媒体の記録面
からの反射光のうち記録媒体のトラック案内構造によっ
て発生する0次光および2つの1次回折光がすべて重な
り合う重畳部分を含む第1の部分の光を受光する複数の
部分からなる第1の受光部群を有する光検出手段と、記
録媒体の記録面で反射され光分離手段を経て光検出手段
に入射する光ビームに非点収差を発生させる非点収差発
生手段とを備えるようにしたものである。
【0014】本発明のトラック判別方法は、光を出射す
る光源と、トラック案内構造として形成されたランドお
よびグルーブの双方に情報を記録可能に構成された記録
媒体を含む少なくとも1種類の記録媒体の記録面に対し
て光源から出射された光を集光する対物レンズと、光源
から出射された光と記録媒体の記録面で反射された光と
を分離する光分離手段と、光分離手段により分離された
記録媒体からの反射光を受光する光検出手段と、記録媒
体の記録面で反射され光分離手段を経て光検出手段に入
射する光に非点収差を発生させる非点収差発生手段とを
備え、記録媒体の記録面に対して情報の記録または再生
の少なくとも一方を行う光ヘッドに適用されるトラック
判別方法であって、記録媒体からの反射光のうち記録媒
体のトラック案内構造によって発生する0次光および2
つの1次回折光がすべて重なり合う重畳部分を含む第1
の部分の光を受光する複数の部分からなる第1の受光部
群を光検出手段に備えさせ、第1の受光部群から出力さ
れる信号に基づいて、対物レンズによる集光スポット位
置がランドおよびグルーブのいずれの上にあるかを判別
するようにしたものである。
【0015】本発明の光ヘッドの制御方法は、光を出射
する光源と、トラック案内構造として形成されたランド
およびグルーブの双方に情報を記録可能に構成された記
録媒体を含む少なくとも1種類の記録媒体の記録面に対
して光源から出射された光を集光する対物レンズと、光
源から出射された光と記録媒体の記録面で反射された光
とを分離する光分離手段と、光分離手段により分離され
た記録媒体からの反射光を受光する光検出手段と、記録
媒体の記録面で反射され光分離手段を経て光検出手段に
入射する光に非点収差を発生させる非点収差発生手段と
を備えた光ヘッドの動作を制御する方法であって、記録
媒体からの反射光のうち記録媒体のトラック案内構造に
よって発生する0次光および2つの1次回折光がすべて
重なり合う重畳部分を含む第1の部分の光を受光する少
なくとも2以上の部分からなる第1の受光部群を光検出
手段に備えさせ、第1の受光部群から出力される信号に
基づいて、対物レンズによる集光スポット位置がランド
およびグルーブのいずれの上にあるかを判別し、対物レ
ンズによる集光スポット位置の、記録媒体の記録面のラ
ンドおよびグルーブの各中央部からのずれを示すトラッ
キングエラーを検出し、このトラッキングエラーの検出
結果と集光スポット位置の判別結果とに基づいて、記録
媒体に対する光ヘッドの動作を制御するようにしたもの
である。
【0016】本発明の光ヘッドまたは光情報記録再生装
置では、光源から出射された光は対物レンズによって記
録媒体の記録面に集光され、そこで反射される。この反
射の際、光は記録媒体のトラック案内構造によって回折
を受け、0次光と2つの1次光とが生成される。記録媒
体の記録面で反射された光は、光分離手段により光源か
ら出射された光と光路が分離されたのち、非点収差発生
手段によって非点収差を付与され、光検出手段に入射す
る。記録媒体の記録面からの反射光のうち0次光および
2つの1次回折光がすべて重なり合う重畳部分を含む第
1の部分の光は、光検出手段における複数の部分からな
る第1の受光部群により受光される。
【0017】本発明のトラック判別方法では、記録媒体
からの反射光のうち記録媒体のトラック案内構造によっ
て発生する0次光および2つの1次回折光がすべて重な
り合う重畳部分を含む第1の部分の光が、複数の部分か
らなる第1の受光部群により受光される。そして、この
第1の受光部群から出力される信号に基づいて、対物レ
ンズによる集光スポット位置がランドおよびグルーブの
いずれの上にあるかの判別が行われる。
【0018】本発明に係る光ヘッドの制御方法では、記
録媒体からの反射光のうち記録媒体のトラック案内構造
によって発生する0次光および2つの1次回折光がすべ
て重なり合う重畳部分を含む第1の部分の光が、複数の
部分からなる第1の受光部群により受光され、この第1
の受光部群から出力される信号に基づいて、対物レンズ
による集光スポット位置がランドおよびグルーブのいず
れの上にあるかの判別が行われる。また、対物レンズに
よる集光スポット位置の、記録媒体の記録面のランドお
よびグルーブの各中央部からのずれを示すトラッキング
エラーが検出される。そして、このトラッキングエラー
の検出結果と、集光スポット位置の判別結果とに基づい
て、記録媒体に対する光ヘッドの動作制御が行われる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して詳細に説明する。
【0020】図1は、本発明の一実施の形態に係る光情
報記録再生装置としての光ディスク装置の概略構成を表
すものである。なお、本発明の実施の形態に係る光ヘッ
ドおよびその制御方法ならびにトラック判別方法は、本
実施の形態に係る光情報記録再生装置によって具現化さ
れるので、以下、併せて説明する。
【0021】この光ディスク装置1は、光ディスク30
を回転駆動するためのスピンドルモータ11と、光ヘッ
ド12と、光ヘッド12を光ディスク30の半径方向に
移動させて所定の記録トラック位置まで搬送する送りモ
ータ13と、、送りモータ13および光ヘッド12の2
軸アクチュエータ29(本図では図示せず)を制御する
サーボ制御回路14とを備えている。ここで、スピンド
ルモータ11が本発明における「記録媒体駆動手段」の
一具体例に対応し、送りモータ13が本発明における
「光ヘッド駆動手段」の一具体例に対応し、サーボ制御
回路14が本発明における「サーボ制御手段」の一具体
例に対応する。
【0022】光ディスク装置1は、さらに、光ヘッド1
2に接続されたプリアンプ15と、プリアンプ15の出
力端に接続された信号変復調・エラー訂正部16と、こ
の信号変復調・エラー訂正部16に接続された作業用メ
モリとしてのRAM(ランダム・アクセス・メモリ)1
7と、サーボ制御回路14および信号変復調・エラー訂
正部16を制御するシステムコントローラ18とを備え
ている。ここで、信号変復調・エラー訂正部16が本発
明における「信号処理手段」の一具体例に対応する。
【0023】光ディスク装置1は、例えばデータストレ
ージ用に用いられる場合には、信号変復調・エラー訂正
部16と外部コンピュータ41とを接続するためのイン
タフェース42をさらに備えている。また、例えばオー
ディオ・ビデオ用に用いられる場合には、オーディオ・
ビデオ信号の入出力を行うオーディオ・ビデオ入出力部
43と、D/A・A/D変換部44とをさらに備えてい
る。このD/A・A/D変換部44は、信号変復調・エ
ラー訂正部16の出力信号をディジタルからアナログへ
変換(以下、D/A変換と記す。)してオーディオ・ビ
デオ入出力部43に送ると共に、オーディオ・ビデオ入
出力部43で入力したオーディオ・ビデオ信号をアナロ
グ−ディジタル(以下、A/Dと記す。)変換して信号
変復調・エラー訂正部16に送る機能を有している。
【0024】光ディスク30としては、複数の種類の光
ディスクが使用可能である。特に、ランドまたはグルー
ブのいずれか一方にのみ記録を行うランド記録方式また
はグルーブ記録方式の記録媒体(「CD−R」,「DV
D−R」,「MD」,「MO」,「CD−RW」,「D
VD−RW」,「DVD+RW」等)のほか、ランドと
グルーブの双方に記録を行うランド・グルーブ記録方式
の記録媒体(「DVD−RAM」,「PD」,「ASM
D」等)も使用可能である。これらの複数種類の光ディ
スクのうち、いずれかを選定して、記録または再生の少
なくとも一方を行うことができるようになっている。但
し、本実施の形態では、説明の簡略化および発明の趣旨
の明確化のため、ランド・グルーブ記録方式の記録媒体
である「DVD−RAM」を使用するものとして説明す
る。ここで、ランドおよびグルーブが本発明における
「トラック案内構造」の一具体例に対応する。
【0025】スピンドルモータ11は、システムコント
ローラ18からの指示に応じて、サーボ制御回路14に
より駆動制御され、所定の回転数で回転されるようにな
っている。
【0026】信号変復調・エラー訂正部16は、外部よ
り入力した信号を光ディスク30に記録するために変調
する信号変調部(図示せず)と、光ディスク30より再
生した信号を復調する信号復調部(図示せず)と、光デ
ィスク30に記録する信号に対してエラー訂正コードを
付加すると共に、このエラー訂正コードを用いて光ディ
スク30より再生した信号のエラー訂正を行うエラー訂
正部(図示せず)とを有している。
【0027】光ヘッド12は、信号変復調・エラー訂正
部16の指令に従って、記録信号による変調がなされた
光ビームを、回転する光ディスク30の信号記録面に照
射することにより、情報記録を行う。また、光ヘッド1
2は、光ディスク30に光を照射し、その信号記録面で
変調された反射光ビームを検出し、この反射光ビームに
対応する信号をプリアンプ15に供給するようになって
いる。
【0028】プリアンプ15は、光ヘッド12からの信
号に基づいて、再生信号であるRF信号と、再生対象の
光ディスクの種類に応じたサーボ信号とを生成するよう
になっている。RF信号は、信号変復調・エラー訂正部
16に供給され、この信号に基づく復調および誤り訂正
処理等の所定の処理が行われる。サーボ信号は、少なく
とも、フォーカス引込信号、フォーカスエラー信号およ
びトラッキングエラー信号を含んでおり、サーボ制御回
路14に供給される。サーボ制御回路14は、これらの
サーボ信号に基づき、光ヘッド12の動作を制御するよ
うになっている。具体的には、フォーカス引込信号およ
びフォーカスエラー信号に基づいて、光ヘッド12の対
物レンズ27(図2)を光軸方向に移動させるフォーカ
スサーボ制御が行われ、これにより、対物レンズ27に
より集光された光ビームが常に光ディスク30の信号記
録面に合焦する状態が維持される。また、トラッキング
エラー信号に基づいて、光ヘッド12の対物レンズ27
を光ディスク30の半径方向に移動させるトラッキング
サーボ制御が行われ、これにより、対物レンズ27によ
り集光された光ビームスポットが常に光ディスク30の
ランドまたはグルーブの中央を正確に照射する状態が維
持されるようになっている。
【0029】信号変復調・エラー訂正部16により復調
された再生信号は、例えばコンピュータのデータストレ
ージ用であれば、インターフェース42を介して外部コ
ンピュータ41に送出されるようになっている。
【0030】図2は、図1に示した光ヘッド12の構成
を表すものである。この図に示したように、光ヘッド1
2は、光ディスク30に対向するように配置された対物
レンズ27と、この対物レンズ27をフォーカス方向F
(光ディスク30の面に垂直な方向=対物レンズ27の
光軸21の方向)およびトラッキング方向T(トラック
横断方向=光ディスク30の半径方向=紙面に垂直な方
向)に駆動可能な2軸アクチュエータ29と、この光ヘ
ッド12の光軸21に沿って光ディスク30から離れる
方向に順次配列された、コリメータレンズ26、1/4
波長板25、プリズム状のビームスプリッタ24、マル
チレンズ28および光検出素子9とを備えている。
【0031】ここで、光検出素子9が本発明における
「光検出手段」の一具体例に対応し、ビームスプリッタ
24が本発明における「光分離手段」の一具体例に対応
し、マルチレンズ28が本発明における「非点収差発生
手段」の一具体例に対応する。
【0032】ビームスプリッタ24の内部には、光軸2
1とほぼ45度の角度をなす光分離面が形成されてい
る。この光分離面には、偏光分離膜24aが形成されて
いる。なお、ビームスプリッタ24は、例えば、複数の
光学プリズムと、これらの光学プリズムの間に蒸着やス
パッタリングによって形成された誘電体多層膜とによっ
て構成可能である。
【0033】光ヘッド12はまた、偏光分離膜24aが
形成された光分離面に対応した位置に配置されると共に
光軸21とほぼ直交する方向に例えば波長650nmの
レーザ光を発する半導体レーザ22を備えている。半導
体レーザ22は、半導体の再結合発光を利用した発光素
子であり、ビームスプリッタ24の偏光分離膜24aが
形成された光分離面に対してほぼS偏光(偏光方向が入
射面と垂直な直線偏光)となるレーザ光を出射するよう
になっている。偏光分離膜24aは、S偏光成分のほぼ
すべてを反射すると共に、P偏光成分のほぼすべてを透
過させるように機能するものである。
【0034】光ヘッド12は、さらに、送りモータ13
(図1)によって所定のガイド(図示せず)に沿って光
ディスク30の半径方向に移動可能に支持された図示し
ないベース部材を備えている。このベース部材に、対物
レンズ27を除く光ヘッド12の各構成部品が固定され
ている。
【0035】コリメータレンズ26は、ビームスプリッ
タ24からの光を平行光束に変換するためのものであ
る。対物レンズ27は、コリメータレンズ26からの光
を集光して、信号記録面上で収束させるためのものであ
る。光ディスク30からの戻り光は、対物レンズ27お
よびコリメータレンズ26を順に通過した後、ビームス
プリッタ24およびマルチレンズ28を順に通過して光
検出素子9に入射するようになっている。
【0036】マルチレンズ28は、シリンドリカル面と
凹面とを有する複合レンズであり、シリンドカルレンズ
機能と凹レンズ機能とを併せ持っている。このマルチレ
ンズ28は、シリンドリカル面の母線の方向がトラック
(ランドまたはグルーブ)による回折パターンの配列方
向と45度をなすような方向に配置されている。シリン
ドリカルレンズ機能によって、ビームスプリッタ24か
らの出射光にフォーカスエラー信号を得るための非点収
差を発生させ、凹レンズ機能によって、光ビームの光検
出素子9までの光路長を延長することができるようにな
っている。
【0037】1/4波長板25は、入射した光に対して
1/4波長分の位相差を付与することにより、そこを通
過する直線偏光を円偏光に変換すると共に、ディスクか
らの戻り光(円偏光光)を往路における偏光方向とほぼ
直交する方向の直線偏光へと変換するようになってい
る。
【0038】図3は、光検出素子9の平面構造を表すも
のである。この図において、光検出素子9の中央を通る
横方向の軸をX軸とし、光検出素子9の中央を通る縦方
向の軸をY軸とする。ここで、Y軸方向は、光ディスク
30上でのトラッキング方向Tに直交する方向(すなわ
ち、トラックの接線方向)に対応する方向であり、光デ
ィスク30のランドおよびグルーブによって反射光ビー
ムに発生する複数の回折パターン(0次光,±1次光
等)の反射直後における配列方向に対応した方向とも直
交している。
【0039】図3に示したように、光検出素子9は、基
板91と、基板91の中央領域に配置され全体として矩
形形状を有する受光部92とを備えている。受光部92
は、4つの小受光部92Mw,92Mx,92My,9
2Mzからなる中間受光部92Mと、中間受光部92M
を囲むように配置された4つの小受光部92A,92
B,92C,92Dからなる周辺受光部92Pとを備え
ている。中間受光部92Mは、光ディスク30の記録面
からの反射光により生ずる集光スポット96のうち、主
として、ランドおよびグルーブによって発生する0次光
および2つの1次回折光がすべて重なり合う重畳部分
(図7(B)の干渉領域51)を含む第1の部分の光を
受光するよう配置されたもので、本発明における「第1
の受光部群」の一具体例に対応する。一方、周辺受光部
92Pは、集光スポット96のうち、上記の重畳部分を
含まない第2の部分の光を受光するよう配置されたもの
で、本発明における「第2の受光部群」の一具体例に対
応する。また、小受光部92Mw,92Mx,92M
y,92Mzが本発明における「4つの小受光部」の一
具体例に対応する。
【0040】周辺受光部92Pの4つの小受光部92
A,92B,92C,92Dは、Y軸およびX軸に関し
てそれぞれほぼ対称に配置され、ほぼ同形同大の形状を
有している。中間受光部92Mは、周辺受光部92Pの
4つの受光部92A〜92Dの配列のうちX軸に平行な
2つの列(受光部92A,92Dからなる列と、受光部
92B,92Cからなる列)により挟まれた中間領域に
配置されている。この中間受光部92Mの4つの小受光
部92Mw,92Mx,92My,92Mzは、Y軸お
よびX軸についてほぼ対称に配置され、ほぼ同形同大の
形状を有している。受光部92は、中間受光部92Mの
中心位置(すなわち、X軸とY軸との交点位置)が集光
スポット96の中心とほぼ一致するように配置されてい
る。
【0041】受光部92における分割された各小受光部
からの出力信号は、例えば光検出素子9の基板91上に
形成された図示しないアンプにより電流−電圧変換され
た後、後述する演算回路40(図4)に入力され、そこ
で、再生信号としてのRF信号のほか、フォーカス引込
信号FPI、フォーカスエラー信号FE、トラッキング
エラー信号TEおよびトラック判別信号CTS等の制御
用のサーボ信号が演算されるようになっている。
【0042】本実施の形態では、RF信号、フォーカス
引込信号FPI、フォーカスエラー信号FE、トラッキ
ングエラー信号TEおよびトラック判別信号CTSは、
それぞれ、次の(1)〜(4)式によって演算される。
【0043】 RF=FPI =(a+b+c+d)+(mw+my+mx+mz) …(1) FE=(a+c)−(b+d) …(2) TE=(a+d)−(b+c) …(3) CTS=(mw+my)−(mx+mz) …(4)
【0044】ここで、a,b,c,dは、それぞれ、周
辺受光部92Pの小受光部92A〜92Dからの出力信
号を示し、mw,my,mx,mzは、それぞれ、中間
受光部92Mの小受光部92Mw,92Mx,92M
y,92Mzからの出力信号を示す。
【0045】(1)式のフォーカス引込信号FPIは、
ローパスフィルタによってRF信号の高周波成分を除去
することで得られる。(2)式のフォーカスエラー信号
FEは、従来の非点収差法による検出を行う場合に用い
られるフォーカスエラーエラー信号から、中間受光部9
2Mの小受光部92Mw,92Mx,92My,92M
zからの出力信号mw,mx,my,mzを除いたもの
である。(3)式のトラッキングエラー信号TEは、従
来のプッシュプル法に用いられるトラッキングエラー信
号から、中間受光部92Mの小受光部92Mw,92M
x,92My,92Mzの出力信号mw,mx,my,
mzを除いたものである。
【0046】(4)式のトラック判別信号CTSは、中
間受光部92Mの小受光部92Mw,92Mx,92M
y,92Mzの配列における一方の対角線の方向に沿っ
た2つの小受光部92Mw,92Myからそれぞれ出力
される信号w,yの和と、他方の対角線の方向に沿った
2つの小受光部92Mx,92Mzからそれぞれ出力さ
れる信号x,zの和との差分(mw+my)−(mx+
mz)として表されるものである。
【0047】図4は、光検出素子9の各小受光部から出
力される信号を基に演算処理を行う演算回路40の一例
を表すものである。この演算回路40は、例えば基板9
1上に配設されるが、基板91の外部に配設してもよ
い。
【0048】この図に示したように、演算回路40は、
周辺受光部92A,92Cの各出力信号a,cを加算す
るための加算器41と、周辺受光部92B,92Dの各
出力信号b,dを加算するための加算器42と、加算器
41,42の各出力信号の差分をとり、これをフォーカ
スエラー信号FEとして出力する差分器43とを備えて
いる。
【0049】この演算回路40はまた、中間受光部92
Mの小受光部92Mw,92Myの各出力信号w,yを
加算するための加算器44と、中間受光部92Mの小受
光部92Mx,92Mzの各出力信号x,zを加算する
ための加算器45と、加算器44,45の各出力信号の
差分をとり、これをトラック判別信号CTSとして出力
する差分器46とを備えている。
【0050】演算回路40はさらに、周辺受光部92P
の小受光部92A,92Dの各出力信号a,dを加算す
るための加算器47と、周辺受光部92Pの受光部92
B,92Cの各出力信号b,cを加算するための加算器
48と、加算器47,48の各出力信号の差分をとり、
これをトラッキングエラー信号TEとして出力する差分
器49とを備えている。
【0051】演算回路40はさらに、加算器41,42
の各出力信号を加算する加算器50と、加算器44,4
5の各出力信号を加算する加算器51と、加算器50,
51の各出力信号を加算して、RF信号として出力する
加算器52と、加算器52の出力信号(RF信号)から
高周波成分を除去してフォーカス引込信号FPIを得る
ためのローパスフィルタ(LPF)53とを備えてい
る。
【0052】ここで、演算回路40がサーボ制御回路1
4(図1)と共に本発明における「判別手段」および
「焦点誤差検出手段」の一具体例に対応する。
【0053】次に、以上のような構成の光ヘッド12お
よびこれを含む光ディスク装置1の動作および作用につ
いて説明する。ここでは、光ディスク30としてDVD
−RAMを使用し、このDVD−RAMに記録された情
報を再生する場合について説明するものとする。
【0054】まず、光ディスク装置1の全体の動作を説
明する。スピンドルモータ11は、システムコントロー
ラ18およびサーボ制御回路14によって制御されて、
所定の回転数で回転する。光ヘッド12は、再生用のレ
ーザ光を光ディスク30の信号記録面に照射し、戻り光
を検出することによって情報を再生する。光ヘッド12
より出力される再生信号は、プリアンプ15を介して信
号変復調・エラー訂正部16のエラー訂正部によってエ
ラー訂正処理が施されると共に、信号復調部によって復
調され、インタフェース42を介して外部コンピュータ
41に送られ、あるいは、D/A・A/D変換部44に
よってD/A変換されてオーディオ・ビデオ入出力部4
3より出力される。一方、サーボ制御回路14は、シス
テムコントローラ18からの指示に基づき、スピンドル
モータ11の回転動作や、送りモータ13による光ヘッ
ド12自体のトラック間移動動作を制御すると共に、光
ヘッド12における対物レンズ27のフォーカシング動
作やトラッキング動作を制御する。その制御は、光ヘッ
ド12の演算回路40から出力され、プリアンプ14を
介して入力される各種のサーボ信号(フォーカス引込信
号FPI、フォーカスエラー信号FE、トラッキングエ
ラー信号TE、トラック判別信号CTS等)に基づいて
行われる。
【0055】次に、図2を参照して、光ヘッド12の動
作および作用を説明する。
【0056】半導体レーザ22から出射された波長65
0nmの光ビームは、ビームスプリッタ24に入射す
る。この入射光は、偏光分離膜24aに対してほぼS偏
光となっているため、偏光分離膜24aによってほぼす
べての光量が反射されて、1/4波長板25に入射され
る。1/4波長板25は、入射した光ビームの常光線と
異常光線との間に1/4波長分の位相差を発生させるこ
とにより、S偏光をほぼ円偏光に変換する。1/4波長
板25から円偏光となって出射した光は、さらに、コリ
メータレンズ26に入射し、ここで、平行な光ビームに
変換されて、対物レンズ27に入射する。
【0057】対物レンズ27は、入射した光を光ディス
ク30における信号記録面の一点に収束させる。この対
物レンズ27は、サーボ制御回路(図1)からの指示に
基づき、2軸アクチュエータ29により、図2のフォー
カス方向Fおよびトラッキング方向Tに駆動される。
【0058】光ディスク30の信号記録面では、ランド
およびグルーブによって入射光が回折され、0次光およ
び±1次回折光を含む反射光となる。この反射光は、再
び対物レンズ27およびコリメータレンズ26を介して
1/4波長板25に入射される。ここに入射した反射光
(円偏光)は、1/4波長板25によって常光線と異常
光線との間に1/4波長分の位相差を付与され、往路に
対して偏光方向が90度変化した直線偏光(すなわち、
P偏光)に変換されて、ビームスプリッタ24に入射す
る。この光は、ビームスプリッタ24の偏光分離膜24
aをほぼそのまま透過して往路と分離され、マルチレン
ズ28に入射する。マルチレンズ28に入射した光ディ
スク30からの反射光は、ここで、非点収差(非点隔
差)を付与され、光検出素子29に入射する。
【0059】マルチレンズ28により非点収差を付加さ
れた光は、光検出素子9の受光部92に入射し、そこに
ビームスポットを形成する。このビームスポットのう
ち、主として、ランドおよびグルーブによって発生する
0次光および2つの1次回折光がすべて重なり合う重畳
部分(図7(B)の干渉領域51)を含む第1の部分の
光は、中間受光部92Mの4つの小受光部92A,92
B,92C,92Dにより受光され、それ以外の部分
(すなわち、上記の重畳部分を含まない第2の部分)の
光は、周辺受光部92Pにより受光される。これらの各
小受光部は、それぞれ、各照射光量に応じた信号を出力
し、図4に示した演算回路40に入力する。
【0060】演算回路40は、(1)式〜(4)式に示
した演算処理を行うことにより、フォーカスエラー信号
FE、トラッキングエラー信号TEおよびトラック判別
信号CTS等のサーボ信号、ならびにRF信号を演算し
て出力する。RF信号はLPF53を経て、フォーカス
引込信号FPIとなる。
【0061】ここで、集光スポット96の中心は、受光
部92の中心(すなわち、4つの小受光部92Mw,9
2Mx,92My,92Mzが交わる点)とほぼ一致す
るように調整されている。
【0062】図3においては、集光スポット96がほぼ
円形となっている状態、すなわち、光ヘッドが合焦状態
にある場合を示している。これに対して、対物レンズ2
7が合焦位置からはずれると、集光スポット96は、例
えば図5(A)に示したように、受光部92の左上45
度から右下45度の方向を長軸とする楕円形、または図
5(B)に示したように、右上45度から左下45度の
方向を長軸とする楕円形に変化する。したがって、対物
レンズ27が合焦状態にあるか否かによって、周辺受光
部92Pの小受光部92A〜92Dおよび中間受光部9
2Mの小受光部92Mw,92Mx,92My,92M
zからそれぞれ出力される信号の大きさが変化する。
【0063】また、対物レンズ27による光ディスク3
0の記録面上でのスポット位置の中心がランドまたはグ
ルーブの幅方向の中央にあるか(オントラック状態)、
中央にないか(オフトラック状態)によって、光検出素
子9の受光部92上の集光スポット96の強度分布が変
化する。したがって、対物レンズ27がオントラック状
態かオフトラック状態にあるかによって、周辺受光部9
2Pおよび中間受光部92Mの各小受光部からそれぞれ
出力される信号の大きさが変化する。
【0064】フォーカスエラー信号FE、トラッキング
エラー信号TE、フォーカス引込信号FPIおよびRF
信号は、プリアンプ15に入力され、ここで増幅され
る。増幅されたフォーカスエラー信号FE、トラッキン
グエラー信号TEおよびフォーカス引込信号FPIは、
サーボ制御回路14(図1)に入力され、増幅されたR
F信号は信号変復調・エラー訂正部16に入力される。
これ以降の信号変復調・エラー訂正部16の動作は、上
記したとおりであり、その説明を省略する。
【0065】サーボ制御回路14は、フォーカス引込信
号FPIが、フォーカス引込範囲Sppに対応した範囲
内に入ると、フォーカスエラー信号FEが零を保つよう
に、対物レンズ27を2軸アクチュエータ29によりフ
ォーカス方向Fに駆動する制御を行う。このとき、光デ
ィスク30の信号記録面を照射する光ビームスポットが
ランド上にあるかグルーブ上にあるかによってフォーカ
スエラー信号FEが異なる値をとることはない。その理
由については後に詳述する。なお、このように引き込み
信号FPIを設け、そのレベルが一定以上となる範囲内
でのみフォーカスサーボを行うようにしているのは、フ
ォーカスエラー信号FEは、対物レンズ27の位置が合
焦位置から大きくずれている場合においても零になり得
るものであり、このような焦点はずれ状態が合焦状態と
して検出されてしまうことを回避する必要があるからで
ある。
【0066】サーボ制御回路14はまた、トラッキング
エラー信号TEとトラック判別信号CTSとに基づい
て、後述するようなトラッキング引込制御を行う。トラ
ッキング引込処理が終了すると、サーボ制御回路14
は、トラッキングエラー信号TEが零を保つように、対
物レンズ27を2軸アクチュエータ29によりトラッキ
ング方向Tに駆動する制御を行う。
【0067】《トラック判別信号CTSおよびフォーカ
スエラー信号FEの検出原理》次に、図6〜図17を参
照して、本実施の形態において用いられるトラック判別
信号CTSおよびフォーカスエラー信号FEの検出原理
について、比較例と対比しながら説明する。
【0068】(比較例)まず、例えばDVD−RAM等
のランド・グルーブ記録方式の記録媒体に対して、例え
ば図11(B)に示したような構成の受光部192を有
する光検出素子用いて非点収差法によってフォーカスエ
ラー検出を行った場合の例を比較例として説明する。な
お、この受光部192は、直交する2つの分割線DL
1,DL2によってほぼ同形同大の4つの小受光部19
2A〜192Dに分割されたものである。
【0069】この比較例においては、フォーカスエラー
信号に「トラック横断ノイズ」が発生する。その原因
は、主として、ランド・グルーブ記録方式に特有のディ
スク構造に起因するものであり、通常のランド・グルー
ブ記録方式のディスクと従来の非点収差法とを組合せた
場合に常に発生するものである。これは、トラック周期
と対物レンズのNAとの関係、およびフォーカスエラー
引込範囲によって寄与度が変化する。
【0070】一般に、対物レンズにより集光された光ビ
ームは、光ディスクのランドまたはグルーブを照射し、
そこで反射による回折を受ける。ランド・グルーブ記録
方式の場合には、ランドおよびグルーブの双方に記録す
るようにしているため、対物レンズにより集光された光
ビームスポットの径に対するトラック周期(ランド−ラ
ンド間またはグルーブ−グルーブ間の距離)は相対的に
大きくなる。この結果、図6および図7に示したよう
に、光ディスクからの回折光の対物レンズ瞳上での重な
り方が、ランドまたはグルーブ記録方式(以下では、簡
単のためグルーブ記録方式として説明する。)の場合と
比べて大きく異なってくる。
【0071】図6(A)は、例えばグルーブ記録方式に
おける光ディスクの信号記録面と各回折光との関係を表
し、図6(B)は、例えばグルーブ記録方式における対
物レンズの瞳上での各回折光の重なり具合を表すもので
ある。また、図7(A)は、ランド・グルーブ記録方式
における光ディスクの信号記録面と各回折光との関係を
表し、図7(B)は、ランド・グルーブ記録方式におけ
る対物レンズの瞳上での各回折光の重なり具合を表すも
のである。なお、本明細書では、図6(A)および図7
(A)において、光照射側から見た信号記録面の凸部を
グルーブGと呼び、凹部をランドLと呼ぶものとする。
【0072】例えばMD(Mini Disc) のようなグルーブ
記録方式の光ディスクからの再生時には、図6(A),
(B)に示したように、通常、+1次光S(+1)と−
1次光S(−1)とが重なることはない。これに対し
て、DVD−RAMのようなランド・グルーブ記録方式
の光ディスクからの再生時には、図7(A),(B)に
示したように、0次光S(0)、+1次光S(+1)お
よび−1次光S(−1)の3つの回折光がすべて重なり
合った干渉領域51が生ずる。さらにこの場合には、0
次光S(0)と+2次光S(+2)とが重なり合った干
渉領域52や、0次光S(0)と−2次光S(−2)と
が重なり合った干渉領域53も生ずる。
【0073】図8ないし図10は、DVD用の光ヘッド
によって例えば記録容量4.7GBのDVD−RAMを
再生するとした場合のディスク回折光の対物レンズ瞳上
における強度分布および位相分布を計算した結果を表す
ものである。具体的には、図8は対物レンズの瞳上の位
相分布を3次元的に表したものであり、図9は同位置で
の強度分布を3次元的に表したものである。また、図1
0は同位置での強度分布を3次の非点収差(およびデフ
ォーカス,ピストン)でフィッティングした位相分布を
3次元的に表したものである。これらの図で、(A)は
集光スポットがランド上にある場合を示し、(B)は集
光スポットがグルーブ上にある場合を示している。
【0074】なお、計算条件としては、次の値を用い
た。簡単のため、ランドおよびグルーブはともに等しい
幅の矩形として計算した。なお、下記の条件中のRim
強度とは、対物レンズの瞳の中心の光強度に対する瞳周
縁部の光強度の割合を意味する。
【0075】 光ヘッド :光源の波長=660nm、対物レンズのNA=0.60 トラックの接線(Tangential)方向のRim強度=0.55 ディスクの半径(Radial)方向のRim強度=0.45 光ディスク:トラック周期=1.23μm(=0.615×2) 往復位相深さ=λ/6
【0076】図8(A)および図10(A)、ならびに
図8(B)および図10(B)から明らかなように、ラ
ンドおよびグルーブで回折した光束には、干渉によっ
て、互いに逆符号の非点収差が発生していることがわか
る。
【0077】また、図9(A),(B)からわかるよう
に、集光スポットがランド上にある場合とグルーブ上に
ある場合とで、光強度分布は等しく、3つの回折光が重
なる干渉領域51が特に強い強度分布となっていること
がわかる。
【0078】なお、フィッティングによる非点収差量
は、次の(5)式により表され、また、NAを考慮して
光ディスク上における非点隔差に換算すると、ランド上
およびグルーブ上のそれぞれの場合で、次の(6)式の
ように見積もられる。 WL,G =±0.046[λrms] …(5) △L,G=W×λ×4×61/2 /NA2 =0.83[μm] …(6)
【0079】一方、非点収差法の引込範囲をSpp,戻
り系の倍率をβとすると、戻り系において、マルチレン
ズによって生成される非点隔差は、次の(7)式により
表され、戻り系のNA(NAbackと記す。)は、次の
(8)式により表される。 △back=Spp×2×β2 …(7) NAback=NA/β …(8)
【0080】したがって、戻り系のマルチレンズによっ
て生成された非点収差量は、次の(9)式により表され
る。 Wback=△back×NAback 2 /λ/4/61/2 =Spp×NA2 /λ/2/61/2 [λrms] …(9)
【0081】ここで、例えば、引込範囲Spp=6[μ
m]とすると、Wback=0.67[λrms]となる。
【0082】一般に、非点収差法においては、図11
(A)に示したように、戻り光路中の位置P1にあるマ
ルチレンズ28のシリンドリカル面の母線方向D1は、
光ディスクのトラック(ランドまたはグルーブ)による
回折パターンの配列方向D2に対して45度をなす方向
に設定される。このため、マルチレンズ28によって、
母線方向D1と直交する方向D2に非点収差が与えられ
る。ここで、光検出素子の受光部を、非点収差を付加さ
れた方向における焦点位置F1と、これと直交する、非
点収差を付加されない方向(マルチレンズ28のシリン
ドリカル面の母線に平行な方向)における焦点位置F2
のほぼ中間位置P2に配置したとすると、受光部面上の
スポットは、合焦時にはほぼ円になり、フォーカス引込
範囲Spp(図13)に対応する領域の両端では焦線と
なる。このため、光検出素子9から得られるフォーカス
エラー信号は、対物レンズ位置に対して後述する図13
に示したようなS字型の曲線を描くことになる。
【0083】ここで、合焦時における、対物レンズの瞳
上における回折パターンと、受光部上における回折パタ
ーンとを考えると、マルチレンズ28のシリンドリカル
面の母線に平行な方向と直交する方向のうち、受光部面
の手前で合焦する方向のみ、パターンが反転するため、
理想的には、図11(B)のように受光部面上にスポッ
トが形成される。
【0084】受光部面上の理想的な光強度分布は、図9
(A),(B)に示したように、スポットがランド上に
ある場合とグルーブ上にある場合とでほぼ等しい分布に
なるため、受光部面上の集光スポットが図11(B)に
示した通りであれば、従来どおりの非点収差法の演算を
行っても、ランドとグルーブとでフォーカスエラー信号
FEの演算結果には差が出ない。なお、ここでいう従来
どおりの演算とは、図11(B)において、受光部19
2を構成する4つの分割受光部192A〜192Dの各
出力信号を、それぞれ、a1,b1,c1,d1とした
ときに、次の(10)式により表される演算である。
【0085】 FE=(a1+c1)−(b1+d1) …(10)
【0086】ところが、上述したように、実際には、ラ
ンドおよびグルーブによる回折によって、戻り光には非
点収差によって近似できるような位相分布が生じてお
り、マルチレンズ28による非点収差とランド/グルー
ブ回折によって発生する非点収差とを合成した非点収差
の方向は、受光部の分割線に対して45度の方向にはな
らず、ランドとグルーブとで、それぞれ逆の方向に数度
ずつずれることになる。その結果、図12(A),
(B)に示したように、3つの回折光が重なる干渉領域
51は、スポット196がランド上にあるかグルーブ上
にあるかによって、分割線DL1,DL2をまたいでパ
タパタと数度ずつ回転を繰り返すことになる。干渉領域
51の強度は、図9に示したように、それ以外の領域に
比べて極めて大きな強度を有しており、その挙動は、光
検出素子9の出力を基に非点収差法による演算をした場
合の演算結果に大きな変動を与えることになる。具体的
には、スポットがランド上にあるときとグルーブ上にあ
るときで、フォーカスエラー信号FEに大きな差異が発
生することになる。
【0087】図13は、本比較例において得られるフォ
ーカスエラー信号を表すものである。この図において、
横軸は、ディスクと直交する方向における対物レンズ位
置を示し、縦軸は、フォーカスエラー信号の出力レベル
を示す。また、実線で示した曲線FELは、ビームスポ
ットがランド上にある場合の対物レンズ位置とフォーカ
スエラー信号FEとの関係を示すフォーカスエラー曲線
であり、破線で示した曲線FEGは、ビームスポットが
グルーブ上にある場合の対物レンズ位置とフォーカスエ
ラー信号FEとの関係を示すフォーカスエラー曲線であ
る。
【0088】この図に示したように、ビームスポットが
記録媒体のランド上にあるかグルーブ上にあるかによっ
て、フォーカスエラー信号FEは異なる値をとる。この
ため、フォーカスエラー信号FEが零になる位置は、ビ
ームスポットがランド上にある場合の対物レンズ位置X
Lと、ビームスポットがグルーブ上にある場合の対物レ
ンズ位置XGの2か所存在する。一方、光ヘッドの動作
を制御する制御部(図示せず)は、レンズ駆動用コイル
(図示せず)に流す電流を制御して、フォーカスエラー
信号FEが零になるように対物レンズをディスクと直交
する方向に駆動する。このため、ビームスポットがラン
ドからグルーブへ移動したりグルーブからランドへと移
動するたびに、対物レンズは位置XLと位置XGとの間
を行き来しようとするため、これがトラック横断ノイズ
として現れることになる。このノイズは、デフォーカ
ス、フォーカスサーボやトラッキングサーボにおける伝
達特性の劣化、およびレンズ駆動用コイルの焼付きや破
損等の不具合を生じさせる。
【0089】(非点収差の計算例)ここで、フォーカス
引込範囲が6μmの場合について、マルチレンズ28に
よる非点収差とランド・グルーブ回折によって発生する
非点収差との合成の結果生ずる、±1次光の回転角度を
見積もると、以下のようになる。
【0090】図14のように収差の方向を定め、例えば
先に合焦する方向が方向軸D3であるとすると、マルチ
レンズによる非点収差MAs、ランドによる非点収差L
As、グルーブによる非点収差GAsは、それぞれ、次
の(11)〜(13)式により表される。これらの式
で、A,Bは定数を示し、θは光ディスクの半径方向を
基準としたときの光束瞳断面内における方向角を示し、
ρは光軸を中心とする瞳座標系における原点からの距離
(瞳の半径を1とする。)を示す。
【0091】 MAs=A×ρ2 ×Sin2θ …(11) LAs=−B×ρ2 ×Cos2θ …(12) GAs=+B×ρ2 ×Cos2θ …(13)
【0092】(11)〜(13)式より、スポットがラ
ンド上にある場合の合成非点収差TAsは次の(14)
式により表され、グルーブ上にある場合の合成非点収差
TAsは次の(15)式により表される。 TAs=(A2 +B2 1/2 ×ρ2 ×Sin2(θ−α/2) …(14) TAs=(A2 +B2 1/2 ×ρ2 ×Sin2(θ+α/2) …(15)
【0093】但し、角度αは次の(16),(17)式
を満たす値である。 Cosα=A/(A2 +B2 1/2 …(16) Sinα=B/(A2 +B2 1/2 …(17)
【0094】受光部上では、回折パターンが図14にお
ける方向軸D4の付近を境に反転するので、回折パター
ンの配列方向は元の方向から90度回転したようになる
が、その反転軸の方向が、ランドとグルーブとで、それ
ぞれ、方向軸D4に対して+α/2,−α/2だけずれ
ることになる。その結果、3つの回折光が重なる干渉領
域51は、図12に示したように、ランドとグルーブと
で、それぞれ、分割線DXに対して+α,−αだけ角度
がずれることになる。
【0095】実際に、値を入れて計算してみると、A∝
0.67[λrms],B∝0.046[λrms]よ
り、α=3.9[deg]となる。
【0096】なお、以上の考察は、光ヘッドにより集光
されて光ディスクに照射される光ビームの収差(主に非
点収差)がそれほど大きくない場合を前提としたもので
ある。
【0097】(本実施の形態の光検出素子9の場合)こ
れに対して、本実施の形態では、光検出素子9のメイン
スポット用受光部92を図3および図15に示したよう
なパターンに分割すると共に、例えば、3つの回折光が
重なる干渉領域51が位置している中間受光部92Mか
らの出力信号を使用せず周辺受光部92Pからの出力信
号のみを用いた(2)式によりフォーカスエラー信号F
Eを演算するようにしている。
【0098】図15から明らかなようにフォーカスエラ
ー信号FEは、3つの回折光が重なる干渉領域51の位
置がランド上とグルーブ上とで変化することによる影響
をほとんど受けることがないため、「トラック横断ノイ
ズ」のない良好なフォーカス制御が可能となる。すなわ
ち、図16に示したように、フォーカスエラー信号のレ
ベルが零となる位置の近傍(符号200で示した円内)
においては、ランド上でのフォーカスエラー信号FEL
とグルーブ上でのフォーカスエラー信号FEGとの間に
隔差がなくなり、フォーカス引込範囲Spp内において
信号レベルが零になるような対物レンズの位置が一義的
に定まる。したがって、光ビームスポットがランド上と
グルーブ上との間を移動するごとに対物レンズが小刻み
に移動するという現象が抑制される。
【0099】また、本実施の形態では、受光部面の集光
スポットのうち、3つの回折光が重なる干渉領域51を
含む部分を中間受光部92Mのみで受光すると共に、こ
の中間受光部92Mの小受光部92Mw,92Mx,9
2My,92Mからの出力信号を用いて、(4)式によ
り、一方の対角線方向の加算値(mw+my)と、他方
の対角線方向の加算値(mx+mz)との差分を求め、
これをトラック判別信号CTSとして用いるようにして
いる。上記したように、集光スポット96のうち干渉領
域51の強度は十分大きいことから(図9参照)、この
干渉領域51を含む部分(第1の部分)における強度分
布は、図17(B)に示したように、光ビームスポット
がランド上とグルーブ上のいずれにあるかによって大き
く変化する。なお、図17(B)は、光検出素子9の受
光部92における集光スポット96の強度分布が光ビー
ムスポットの位置によってどのように変化するかを表す
ものである。
【0100】図17(B)から判るように、第1の部分
の光を受光する小受光部92Mw,92Mx,92M
y,92Mzの各出力値mw,mx,my,mzは、そ
れぞれ、光ビームスポットがランド上とグルーブ上のい
ずれにあるかによって大きく変化し、これにより、
(4)式の値は大きく変化して、例えば図17(A)に
示したようになる。したがって、この値をトラック判別
信号CTSとして用いれば、光ビームスポットがランド
上とグルーブ上のいずれにあるかを正しく知ることがで
きる。なお、図17(A)は、光ディスク30の記録面
上のトラッキング方向Tにおける光ビームスポットの位
置(横軸)と、トラッキングエラー信号TEおよびトラ
ック判別信号CTSの出力レベル(縦軸)との関係を表
すものである。この図17(A)に示したように、本実
施の形態によるトラック判別信号CTSは、トラッキン
グエラー信号TEに対して位相が90度異なる信号とし
て得られると共に、図25で示した従来方式によるほぼ
フラットなトラック判別信号CTSと比べると、十分に
起伏のある信号となっている。したがって、トラッキン
グエラー信号TEおよびトラック判別信号CTSの2つ
を参照することにより、光ビームスポットがランド上と
グルーブ上のいずれにあるかを明確に判別することが可
能である。
【0101】なお、本実施の形態において使用した光検
出素子9における受光部パターンは、フォーカスエラー
検出に非点収差法を用いると共にトラッキングエラー検
出に差動位相差法および3ビーム法を用いる従来の光ヘ
ッドの光検出素子19(図24)における受光部パター
ンと比べて、分割数が増えた点が異なるのみである。こ
のため、図6に示した演算回路40において、従来のフ
ォーカスエラー信号FEを生成することも容易であり、
従来のシステムとの互換性を確保することが容易であ
る。
【0102】以上のように、本実施の形態によれば、光
ディスク30の記録面で反射されて光検出素子9の受光
部92により受光される集光スポット96のうち、記録
面のランドおよびグルーブにおいて発生する0次光およ
び±1次光の3者が重なる干渉領域51を含む第1の部
分を、受光部92の中央部の中間受光部92Mにより受
光すると共に、干渉領域51を含まない第2の部分を、
受光部92の周辺部の周辺受光部92Pにより受光する
ようにしている。そして、光ディスク30の記録面上に
おける光ビームスポットの位置によって強度分布が大き
く変動する結果フォーカスエラー信号FEの検出精度を
著しく低下させる主要因となる第1の部分に対応して中
間受光部92Mから出力される信号を積極的に利用し
て、トラック判別信号CTSを求めると共に、干渉領域
51を含まない結果強度分布の変動が少ない第2の部分
に対応して周辺受光部92Pから出力される信号を利用
して、フォーカスエラー信号FEを求めることとしてい
る。
【0103】したがって、光ディスク30の記録面上に
おける光ビームスポットの位置の判別をトラック判別信
号CTSを用いて正しく行うことができると共に、光ビ
ームスポットがランドやグルーブを横断する際にトラッ
ク横断ノイズを効果的に抑制することができる。トラッ
ク判別信号CTSは、後述するように、トラック横断数
や横断方向を求めるためのいわゆるトラバースカウント
動作に用いられるほか、光ヘッド12をトラッキングサ
ーボ状態に移行させるためのトラッキングサーボ引込制
御にも使用可能である。また、トラック横断ノイズを効
果的に抑制できる結果、フォーカスサーボ制御を高精度
に行うことも可能となる。なお、トラッキングサーボ引
込制御は、光ヘッドがトラックをトレースしていない状
態(非トラッキングサーボ状態)からトレース状態(ト
ラッキングサーボ状態)に移行させるための制御動作で
ある。
【0104】なお、本実施の形態では、中間受光部92
Mを4つの小受光部92Mw,92Mx,92My,9
2Mzに分割し、それぞれからの出力信号mw,mx,
my,mzに基づいて(4)式による演算を行ってトラ
ック判別信号CTSを求める方法(以下、4信号法とい
う。)によることとしたが、本発明はこれに限定されな
い。例えば、中間受光部92Mを、例えば図18に示し
たように、小受光部92My,92Mzを一体化した受
光部92Myzと小受光部92Mw,92Mxの3つの
部分に分割し、小受光部92Mw,92Mxからの各出
力信号mw,mxの差分をトラック判別信号CTSとし
て用いる方法(以下、2信号法という。)を用いるよう
にしてもよい。4信号法では、より良好な感度での判別
が可能である一方、2信号法では、信号処理回路をより
簡略化することができる。ここで、小受光部92Mw,
92Mxが本発明における「重畳部分のほぼ中央を通
り、かつ記録媒体のトラック案内構造によって発生する
複数の回折パターンの配列方向と平行な第1の軸に関し
て、いずれか一方の側に配設されると共に、第1の軸の
方向に沿って配列された2つの小受光部」の一具体例に
対応する。
【0105】(シーク動作制御およびトラッキングサー
ボ引込制御)次に、図19〜図22を参照して、トラバ
ースカウント動作を通じて行われるシーク動作制御およ
びトラッキングサーボ引込制御について説明する。な
お、シーク動作制御とは、光ヘッド12によるビームス
ポットをトラッキング方向Tに沿って目標のトラックま
で移動させる動作である。
【0106】図19は図1に示したサーボ制御回路14
の要部を表すものである。このサーボ制御回路14は、
光ヘッド12の動作制御に必要な制御信号を得るための
ディジタル信号処理を行うディジタル処理回路140
と、光ヘッド12の光検出素子9から出力されるアナロ
グ信号としてのトラッキングエラー信号TEをディジタ
ル信号に変換するアナログ・ディジタル(A/D)変換
器141と、光検出素子9から出力されるアナログ信号
としての和信号SUMをディジタル信号に変換するA/
D変換器142と、光検出素子9から出力されるアナロ
グ信号としてのトラック判別信号CTSをディジタル信
号に変換するA/D変換器143とを備えている。ここ
で、和信号SUMは、純粋な和信号から、それに含まれ
るRF帯域成分をローパスフィルタにより除去したもの
である。
【0107】サーボ制御回路14はまた、ディジタル処
理回路140から出力されたディジタル信号をアナログ
信号に変換するディジタル・アナログ(D/A)変換器
144,145と、D/A変換器144から出力された
アナログ信号を増幅してトラッキング駆動信号DRV1
として出力するドライブアンプ146と、D/A変換器
145から出力されたアナログ信号を増幅してモータ駆
動信号DRV2として出力するドライブアンプ147と
を備えている。
【0108】ディジタル処理回路140は、正規化処理
回路61A,61Bと、位相補償フィルタ62と、トラ
バースカウンタ63とを備えている。
【0109】正規化処理回路61Aは、A/D変換器1
41から出力されるディジタル化されたトラッキングエ
ラー信号TEとA/D変換器142から出力されるディ
ジタル化された和信号SUMとに基づき、トラッキング
エラー信号TEが光量変化による影響を受けないように
するための信号正規化処理を行うためのものである。正
規化処理回路61Bは、A/D変換器143から出力さ
れるディジタル化されたトラック判別信号CTSとA/
D変換器142から出力されるディジタル化された和信
号SUMとに基づき、トラック判別信号CTSが光量変
化による影響を受けないようにするための信号正規化処
理を行うためのものである。
【0110】位相補償フィルタ62は、正規化処理回路
61により正規化されたトラッキングエラー信号NTE
に対して、フィールドバックループを安定化するための
位相補償処理を行うためのものである。ここで、位相補
償とは、低域ゲイン向上のための位相遅れ処理や、位相
余裕を拡大するための位相進み処理を、帯域に分けて施
すことでサーボを安定化させる処理である。
【0111】トラバースカウンタ63は、正規化された
トラッキングエラー信号NTEとA/D変換器143か
らディジタル化されて出力されたトラック判別信号CT
Sdとに基づいて、後述するトラバースカウント処理を
行い、光ディスク30の記録面上での光ビームスポット
の速度を示す速度信号VSと、ビームスポットの位置を
示す位置信号PSA,PSBとを出力するようになって
いる。ここで、位置信号PSAは、ビームスポットがト
ラッキングサーボ引込位置からどれだけどちらの方向
(内周方向か外周方向か)にシフトしているかを示す相
対位置信号であり、位置信号PSBは、ビームスポット
がトラックからトラックへどれだけ移動したかを示す絶
対位置信号である。
【0112】ディジタル処理回路140はまた、速度信
号VSと位置信号PSAとを加算するための加算器64
と、位置信号PSAを加算器64に供給するか否かを切
り換えるスイッチ回路65と、速度信号VSを監視し、
その値に応じてスイッチ回路65のオンオフを制御する
切換判断回路66と、加算器64から出力された加算信
号に対する位相補償処理を行う位相補償フィルタ67
と、位相補償フィルタ62の出力信号と位相補償フィル
タ67の出力信号のうちのいずれか一方を選択して出力
するスイッチ回路68と、速度信号VSおよび位置信号
PSAを監視し、これらの値に応じてスイッチ回路68
のオンオフを制御する切換判断回路69とを備えてい
る。スイッチ回路68からの出力信号はD/A変換器1
44に入力されるようになっている。
【0113】ディジタル処理回路140はさらに、光デ
ィスク30の記録面上をトラッキング方向Tに移動する
光ビームスポットの基準の速度変化パターンである基準
速度プロファイル(図21(A)参照)を生成する基準
速度生成部71と、光ディスク30の記録面上のトラッ
キング方向Tにおける光ビームスポットの基準の位置変
化パターンである基準位置プロファイル(図21(B)
参照)を生成する基準位置生成部72と、トラバースカ
ウンタ63から出力される速度信号VSと基準速度生成
部71から出力される基準速度プロファイル信号VPと
の差分をとる差分器73と、トラバースカウンタ63か
ら出力される位置信号PSBと基準位置生成部72から
出力される基準位置プロファイル信号PPとの差分をと
る差分器74と、差分器73,74の各出力信号をそれ
ぞれ増幅するアンプ75,76と、アンプ75,76の
各出力信号を加算する加算器77とを備えている。加算
器77からの出力信号はD/A変換器145に入力され
るようになっている。
【0114】図20はトラバースカウンタ63の構成を
表すものである。この図に示したように、トラバースカ
ウンタ63は、正規化処理回路61により正規化された
トラッキングエラー信号NTEを2値化するための2値
化回路631と、A/D変換器143によりディジタル
化されたトラック判別信号CTSdを2値化するための
2値化回路632と、2値化回路631,632の各出
力信号に基づいて、ビームスポットが移動したトラック
数をカウントする2相アップダウンカウンタ(以下、2
相U/Dカウンタという。)633と、2相U/Dカウ
ンタ633から出力されたカウント値に基づいてビーム
スポットのトラッキング方向における移動速度を計測し
速度信号VSとして出力する速度検出部634と、2相
U/Dカウンタ633から出力されたカウント値に基づ
いて移動したトラック数を計測し位置信号PSA,PS
Bとして出力する位置検出部635とを備えている。速
度検出部634は、一定時間内に移動したトラック数を
基に移動速度を演算するようになっている。
【0115】図21は、基準速度生成部71および基準
位置生成部72によりそれぞれ生成される基準速度プロ
ファイルおよび基準位置プロファイル信号の一例を表す
ものである。図21(A)は基準速度プロファイルを表
し、横軸は時間、縦軸はトラッキング方向Tにおけるビ
ームスポット速度を示す。図21(B)は基準位置プロ
ファイルを表し、横軸は時間、縦軸はトラッキング方向
Tにおけるビームスポット位置を示す。上記したよう
に、基準速度プロファイルは、ビームスポットがトラッ
キング方向に移動する際に基準となる速度変化パターン
を表すものであり、基準位置プロファイルは、ビームス
ポットがトラッキング方向に移動する際に基準となる位
置変化パターンを表すものである。いずれのプロファイ
ルも、移動すべきトラック数が決定された場合にそのト
ラック数に応じてその都度決定されるようになってい
る。
【0116】次に、図22を参照して、以上のような構
成のサーボ制御回路14の動作を説明する。なお、図2
2は、ディジタル処理回路140におけるトラバースカ
ウンタ63の動作を表すものである。この図で、(A)
はトラッキングエラー信号TEを示し、(B)はトラッ
ク判別信号CTSを示す。(C)はトラバースカウンタ
63の2値化回路631により2値化されたトラッキン
グエラー信号を示し、(D)はトラバースカウンタ63
の2値化回路632により2値化されたトラック判別信
号を示す。また、(E)はトラバースカウンタ63の2
相U/Dカウンタ633によりカウントされたカウント
値を示す。
【0117】図19において、光検出素子9から出力さ
れたトラッキングエラー信号TEはA/D変換器141
によってディジタル信号に変換されて正規化処理回路6
1に入力される。また、光検出素子9から出力された和
信号SUMはA/D変換器142によってディジタル信
号に変換されて正規化処理回路61に入力される。正規
化処理回路61は、和信号SUMを参照して、トラッキ
ングエラー信号TEの正規化処理を行う。これにより、
光量変化の変化による影響を受けないトラッキングエラ
ー信号NTEが生成され、位相補償フィルタ62および
トラバースカウンタ63に入力される。
【0118】一方、光検出素子9から出力されたトラッ
ク判別信号CTSはA/D変換器143によってディジ
タル信号に変換されてトラバースカウンタ63に入力さ
れる。
【0119】トラバースカウンタ63は、入力されたト
ラッキングエラー信号NTEおよびトラック判別信号C
TSに基づいて、以下のようなトラバースカウント処理
を行い、速度信号VSおよび位置信号PSA,PSBを
出力する。
【0120】図20に示したトラバースカウンタ63に
おいて、2値化回路631は、図22(A)に示したよ
うな波形のトラッキングエラー信号NTEを2値化して
図22(C)に示したような2値信号を生成する。2値
化回路632は、図22(B)に示したような波形のト
ラック判別信号CTSを2値化して図22(D)に示し
たような2値信号を生成する。2相U/Dカウンタ63
3は、これらの2つの2値信号を基に、カウントアップ
およびカウントダウンを行い、図22(E)に示したよ
うなカウント信号を出力する。速度検出部634は、2
相U/Dカウンタ633から供給されたカウント信号を
基に、一定時間当たりのトラック移動数を計測し、その
結果を速度信号VSとして出力する。また、位置検出部
635は、2相U/Dカウンタ633から供給されたカ
ウント信号を基に、トラック移動数を計測し、その結果
を位置信号PSA,PSBとして出力する。
【0121】ディジタル処理回路140は、トラバース
カウンタ63から出力された速度信号VSおよび位置信
号PSA,PABに基づき、以下のようにして、シーク
動作制御およびトラッキングサーボ引込制御を行う。
【0122】まず、シーク動作制御について説明する。
【0123】トラバースカウンタ63から出力された速
度信号VSは、差分器73に入力される。差分器73
は、速度信号VSと基準速度生成部71から出力される
目標値(基準速度プロファイル信号VP)との差分をと
り、その差分を速度誤差信号として出力する。この速度
誤差信号は、アンプ75により増幅されて加算器77に
入力される。
【0124】一方、トラバースカウンタ63から出力さ
れた位置信号PSBは、差分器74に入力される。差分
器74は、位置信号PSBと基準速度生成部72から出
力される目標値(基準位置プロファイル信号PP)との
差分をとり、その差分を位置誤差信号として出力する。
この位置誤差信号は、アンプ76により増幅されて加算
器77に入力される。
【0125】加算器77は、速度誤差信号と位置誤差信
号とを加算して、その加算結果を位相補償フィルタ78
に入力する。位相補償フィルタ78は、加算器77から
出力された加算値に対して位相補償処理を行う。位相補
償フィルタ78からの出力信号は、D/A変換器145
によってアナログ信号に変換されたのち、ドライブアン
プ147によって増幅され、モータ駆動信号DRV2と
して、送りモータ13に供給される。送りモータ13
は、モータ駆動信号DRV2に応じて駆動される。これ
により、光ヘッド12は、速度誤差信号と位置誤差信号
との加算結果である誤差信号が0に近づくように、トラ
ッキング方向Tに移動する。
【0126】こうして、光ヘッド12は、図21
(A),(B)に示したような速度プロファイルおよび
位置プロファイルに従ってトラッキング方向に移動し、
そこで、停止する。これでシーク動作が完了する。
【0127】次に、トラッキングサーボ引込制御につい
て段階を追って説明する。トラバースカウンタ63から
の速度信号VSは、加算器64に入力されている。トラ
ッキングサーボ引込制御の開始時は、スイッチ回路65
がオフ状態となっているため、速度信号VSは加算器6
4をそのまま通過して位相補償フィルタ67に入力され
る。位相補償フィルタ67は、速度信号VSに対して位
相補償制御を行う。この時点で、スイッチ回路68では
位相補償フィルタ67の側が選択されており、位相補償
フィルタ67の出力信号(ここでは、位相補償の施され
た速度信号VS)は、D/A変換器144に入力され
る。位相補償フィルタ67からの出力信号は、D/A変
換器144によってアナログ信号に変換されたのち、ド
ライブアンプ146によって増幅され、トラッキング駆
動信号DRV1として、光ヘッド12における2軸アク
チュエータ29のトラッキングコイル(図示せず)に供
給される。これにより、対物レンズ27(図2)は、ト
ラッキング方向Tにおいて、速度信号VSが零に近づく
ように微小移動する。
【0128】トラバースカウンタ63からの速度信号V
Sは、切換判断回路66にも入力されている。この切換
判断回路66は、トラバースカウンタ63から出力され
た速度信号VSを監視して、その値が所定の値以下にな
ったことを確認すると、スイッチ回路65をオン状態に
変化させる。これにより、加算器64には位置信号PS
Aも入力されるようになる。加算器64は、速度信号V
Sと位置信号PSAとを加算して、その加算結果を位相
補償フィルタ67に入力する。位相補償フィルタ67
は、速度信号VSと位置信号PSとの加算信号に対して
位相補償を行う。位相補償フィルタ67の出力信号はD
/A変換器144に入力され、ここで、アナログ信号に
変換されたのち、ドライブアンプ146によって増幅さ
れ、トラッキング駆動信号DRV1として、光ヘッド1
2における2軸アクチュエータ29のトラッキングコイ
ル(図示せず)に供給される。これにより、対物レンズ
27(図2)は、トラッキング方向Tにおいて、速度信
号VSおよび位置信号PSAが共に零に近づくように微
小移動する。
【0129】トラバースカウンタ63からの速度信号V
Sおよび位置信号PSAは、切換判断回路69にも入力
されている。切換判断回路69は、速度信号VSおよび
位置信号PSAを監視して、これらの信号がそれぞれ所
定の値以下になったことを確認すると、トラッキングサ
ーボの引込みが完了したと判断して、制御スイッチ回路
68の入力端を位相補償フィルタ67の側から位相補償
フィルタ62の側に切り換えさせる。これにより、トラ
ッキングサーボ引込制御が完了する。
【0130】トラッキングサーボ引込制御が完了する
と、光ヘッド12の対物レンズ27のトラッキング制御
は、通常のトラッキングサーボによる制御モードへと移
行する。このモードにおいて、位相補償フィルタ62
は、トラッキングエラー信号NTEに対する位相補償処
理を行い、その出力信号をスイッチ回路68に入力す
る。位相補償フィルタ62からの出力信号は、スイッチ
回路68、D/A変換器144およびドライブアンプ1
46を経て、トラッキング駆動信号DRV1として出力
される。このトラッキング駆動信号DRV1は、光ヘッ
ド12における2軸アクチュエータ29のトラッキング
コイル(図示せず)に供給される。このようにしてトラ
ッキングサーボのループ制御が行われることにより、光
ヘッド12の対物レンズ27からのビームスポットが特
定のトラックの中央をトレースする状態が維持されるよ
うに2軸アクチュエータ29が制御される。
【0131】以上、実施の形態を挙げて本発明を説明し
たが、本発明はこの実施の形態に限定されず、本発明の
要旨を逸脱しない範囲で種々の変形および応用が可能で
ある。例えば、上記実施の形態では、フォーカスエラー
信号FEおよびトラッキングエラー信号TEの演算を
(2)式および(3)式により行うものとして説明した
が、本発明はこれに限定されず、その他の演算式を用い
ることも可能である。
【0132】また、上記実施の形態では、演算回路40
が光検出素子9に含まれるように構成したが、この演算
回路40を光検出素子9とは別個の外部回路として構成
するようにしてもよい。
【0133】また、上記実施の形態では、光学部品を個
別に配置して構成した光ヘッドについて説明したが、本
発明はそれに限られず、光学系を集積配置して構成した
光ヘッドにも適用可能である。また、上記実施の形態で
は、図19において「正規化処理回路」や「切換判断回
路」等のハードウェア回路を用いているが、必ずしも電
気回路によって実現する必要はなく、ソフトウェアによ
って実現してもかまわない。
【0134】また、本発明の適用対象は、DVD−RA
Mのみに限定されることはなく、ランドおよびグルーブ
の双方に記録を行うランド・グルーブ記録方式の記録媒
体の全般に本発明を適用可能である。さらに、ランドま
たはグルーブのいずれか一方にのみ記録を行う方式の記
録媒体であっても、記録面での回折光のうち0次光およ
び±1次光の3者が重なり合うこととなるような仕様の
システムである限り、本発明を適用することが可能であ
る。さらに、本発明は、そのような仕様の光記録媒体で
ある限り、回転駆動される円盤(ディスク)状の記録媒
体のみならず、例えば直線走行するように駆動されるテ
ープ状の記録媒体等にも適用可能である。
【0135】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし請
求項10のいずれか1項に記載の光ヘッド、請求項11
ないし請求項17のいずれか1項に記載の光情報記録再
生装置、請求項18もしくは請求項19に記載のトラッ
クの判別方法、または請求項20ないし請求項22のい
ずれか1項に記載の光ヘッドの制御方法によれば、光検
出手段が、記録媒体の記録面からの反射光のうち記録媒
体のトラック案内構造によって発生する0次光および2
つの1次回折光がすべて重なり合う重畳部分を含む第1
の部分の光を受光する複数の部分からなる第1の受光部
群を有するようにしたので、0次光および2つの1次回
折光がすべて重なり合う重畳部分を含む第1の部分にお
ける光強度分布およびその変化を知ることができるとい
う効果を奏する。
【0136】特に、請求項2記載の光ヘッドまたは請求
項18もしくは請求項19に記載のトラック判別方法に
よれば、さらに、第1の受光部から出力される信号に基
づいて、対物レンズによる集光スポット位置がランドと
グルーブのいずれの上にあるかを判別する判別手段を備
えたので、例えばDVD−RAMのようなランド・グル
ーブ記録方式の記録媒体に対しても、従来のランド記録
方式またはグルーブ記録方式の場合と同様のトラック判
別が可能になるという効果を奏する。
【0137】また、請求項5記載の光ヘッドまたは請求
項19に記載のトラック判別方法によれば、第1の受光
部群が、記録媒体のトラック案内構造によって発生する
複数の回折パターンの配列方向と平行な第1の軸および
垂直な第2の軸に関してそれぞれほぼ対称に配置された
4つの小受光部を含むように構成すると共に、判別手段
が、4つの小受光部の配列における一方の対角線の方向
に沿った2つの小受光部からそれぞれ出力される信号の
和と、他方の対角線の方向に沿った2つの小受光部から
それぞれ出力される信号の和との差分に基づいて集光ス
ポットの位置判別を行うようにしたので、良好な感度で
の判別が可能になるという効果を奏する。
【0138】また、請求項8記載の光ヘッドによれば、
第1の受光部群が、重畳部分のほぼ中央を通り、かつ記
録媒体のトラック案内構造によって発生する複数の回折
パターンの配列方向と平行な第1の軸に関して、いずれ
か一方の側に配設されると共に、第1の軸の方向に沿っ
て配列された2つの小受光部を含むように構成すると共
に、2つの小受光部からそれぞれ出力される信号の差分
に基づいて対物レンズによる集光スポット位置がランド
とグルーブのいずれの上にあるかを判別するようにした
ので、信号処理回路の構成をより簡略化することができ
るという効果を奏する。
【0139】また、請求項10に記載の光ヘッドによれ
ば、光検出手段が、さらに、第1の受光部群を取り囲む
ように配置されると共に、記録媒体の記録面からの反射
光のうち、重畳部分を含まない第2の部分の光を受光す
る複数の部分からなる第2の受光部群を備えるように構
成すると共に、第2の受光部群から出力される信号に基
づいて、記録媒体の記録面に対する対物レンズの焦点誤
差を検出するようにしたので、さらに、フォーカスエラ
ーの検出処理に対するトラック横断ノイズの影響を抑制
することができるという効果を奏する。
【0140】請求項20に記載の光ヘッドの制御方法に
よれば、光検出手段の少なくとも2以上の部分からなる
第1の受光部群により、記録媒体からの反射光のうち記
録媒体のトラック案内構造によって発生する0次光およ
び2つの1次回折光がすべて重なり合う重畳部分を含む
第1の部分の光を受光し、第1の受光部群から出力され
る信号に基づいて、対物レンズによる集光スポット位置
がランドおよびグルーブのいずれの上にあるかを判別す
ると共に、対物レンズによる集光スポット位置の、記録
媒体の記録面のランドおよびグルーブの各中央部からの
ずれを示すトラッキングエラーを検出し、このトラッキ
ングエラーの検出結果と集光スポット位置の判別結果と
に基づいて、記録媒体に対する光ヘッドの動作を制御す
るようにしたので、例えば、記録媒体に対する光ヘッド
のシーク動作やトラッキングサーボ引込制御等のよう
な、トラッキング方向における集光スポット位置制御を
高速に行うことも可能になるという効果を奏する。
【0141】特に、請求項21に記載の光ヘッドの制御
方法によれば、集光スポット位置の判別結果と、トラッ
キングエラーの検出結果とに基づいて、対物レンズのト
ラッキングサーボの引込制御を行うようにしたので、例
えばDVD−RAMのようなランド・グルーブ記録方式
の記録媒体に対しても、従来のランド記録方式またはグ
ルーブ記録方式の場合と同様の良好なトラッキングサー
ボ引込制御を行うことが可能になるという効果を奏す
る。
【0142】特に、請求項22に記載の光ヘッドの制御
方法によれば、集光スポット位置の判別結果とトラッキ
ングエラーの検出結果とに基づいて、対物レンズの集光
スポット位置が横断したトラック案内構造の数またはそ
の横断移動の方向もしくは速度の少なくとも1つを検出
するようにしたので、これらを用いることにより、例え
ばトラッキング方向における光ヘッドの移動制御を行う
ことも可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る光情報記録再生装
置の概略構成を表すブロック図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る光ヘッドの全体構
成を表す側面図である。
【図3】図2における光検出素子の構成を表す平面図で
ある。
【図4】光検出素子の演算回路の構成を表す回路図であ
る。
【図5】デフォーカス時の、光検出素子の受光部におけ
る集光スポットの様子を説明するための平面図である。
【図6】グルーブ記録方式を説明するための図である。
【図7】ランド・グルーブ記録方式を説明するための図
である。
【図8】DVD−RAMを再生する場合における、ディ
スク回折光の対物レンズ瞳上での位相分布の一計算例を
表すグラフである。
【図9】DVD−RAMを再生する場合における、ディ
スク回折光の対物レンズ瞳上での強度分布の一計算例を
表すグラフである。
【図10】DVD−RAMを再生する場合における、デ
ィスク回折光の対物レンズ瞳上での位相分布の他の計算
例を表すグラフである。
【図11】非点収差を付与された光束の受光部面および
その近傍での様子を説明するための斜視図および平面図
である。
【図12】非点収差法を用いてランド・グルーブ記録媒
体を再生する場合の受光部上における回折パターンの一
例を示す図である。
【図13】比較例に係る光ヘッドにおけるフォーカスエ
ラー曲線を表す特性図である。
【図14】収差の方向を定義するための図である。
【図15】図2に示した光検出素子の受光部の構成と集
光スポットの形状、位置および向きとの関係を説明する
ための図である。
【図16】本実施の形態において好適に得られるフォー
カスエラー曲線を表す特性図である。
【図17】光ディスク上での光ビームスポット位置と、
トラック判別信号およびトラッキングエラー信号ならび
に光検出素子の受光部上の集光スポットの状態との関係
を示す図である。
【図18】光検出素子の変形例を表す平面図である。
【図19】図1におけるサーボ制御回路の構成を表すブ
ロック図である。
【図20】図19におけるトラバースカウンタの回路構
成を表すブロック図である。
【図21】図19における基準速度生成部および基準位
置生成部により生成される基準速度プロファイルおよび
基準位置プロファイルの各一例を表す図である。
【図22】図20のトラバースカウンタの動作を説明す
るためのタイミング図である。
【図23】グルーブ記録方式の光ヘッドにおいて、戻り
光から得られる和信号とトラッキングエラー信号との関
係を表す図である。
【図24】グルーブ記録方式の光ヘッドにおいて、戻り
光から得られるトラック判別信号とトラッキングエラー
信号との関係を表す図である。
【図25】従来のランド・グルーブ記録方式の光ヘッド
において、戻り光から得られる和信号とトラッキングエ
ラー信号との関係を表す図である。
【符号の説明】
9…光検出素子、12…光ヘッド、14…サーボ制御回
路、18…システムコントローラ、22…半導体レー
ザ、24…ビームスプリッタ、24a…偏光分離膜、2
5…1/4波長板、27…対物レンズ、28…マルチレ
ンズ、29…2軸アクチュエータ、30…光ディスク、
40…演算回路、51…干渉領域、53…ローパスフィ
ルタ、62,67,78…位相補償フィルタ、63…ト
ラバースカウンタ、66,69…切換判断回路、71…
基準速度生成部、72…基準位置生成部、73,74…
差分器、92…受光部、92P…周辺受光部、92A〜
92D…小受光部、92M…中間受光部、92Mw,9
2Mx,92My,92Mz…小受光部、96…集光ス
ポット、140…ディジタル処理回路、631,632
…2値化回路 633…2相U/Dカウンタ、634…
速度検出部、635…位置検出部、T…トラッキング方
向、F…フォーカス方向、FPI…フォーカス引込信
号、FE…フォーカスエラー信号、TE…トラッキング
エラー信号、CTS…トラック判別信号、SUM…和信
号、RF…再生信号、DRV1…トラッキング駆動信
号、DRV2…モータ駆動信号、V…速度信号、PS
A,PSB…位置信号、VP…基準速度プロファイル信
号、PP…基準位置プロファイル信号。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5D066 DA01 5D118 AA13 AA14 BA01 BB02 BC09 BF02 BF12 BF13 BF17 CA08 CA15 CA23 CC02 CC05 CC12 CC15 CD02 CD03 CF12 CG02 DA03 DB04 DB12 DB16 DC02 5D119 AA28 AA32 BA01 BA03 BB03 DA05 DA11 DA12 FA02 JA02 JA08 JA12 JA25 JA32 JA33 JA43 KA02 KA08 KA20 KA24

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トラック案内構造として形成されたラ
    ンドおよびグルーブの双方に情報を記録可能に構成され
    た記録媒体を含む少なくとも1種類の記録媒体に対し
    て、情報の記録または再生の少なくとも一方を行うため
    の光ヘッドであって、 光を出射する光源と、 前記記録媒体の記録面に対して、前記光源から出射され
    た光を集光する対物レンズと、 前記光源から出射された光と前記記録媒体の記録面で反
    射された光とを分離する光分離手段と、 前記光分離手段により分離された前記記録媒体の記録面
    からの反射光を受光する光検出手段と、 前記記録媒体の記録面で反射され前記光分離手段を経て
    前記光検出手段に入射する光に非点収差を発生させる非
    点収差発生手段とを備え、 前記光検出手段は、 前記記録媒体の記録面からの反射光のうち前記記録媒体
    のトラック案内構造によって発生する0次光および2つ
    の1次回折光がすべて重なり合う重畳部分を含む第1の
    部分の光を受光する複数の部分からなる第1の受光部群
    を有することを特徴とする光ヘッド。
  2. 【請求項2】 さらに、 前記第1の受光部から出力される信号に基づいて、前記
    対物レンズによる集光スポット位置がランドとグルーブ
    のいずれの上にあるかを判別する判別手段を備えたこと
    を特徴とする請求項1に記載の光ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記第1の受光部群は、 前記記録媒体の前記トラック案内構造によって発生する
    複数の回折パターンの配列方向と平行な第1の軸および
    垂直な第2の軸に関してそれぞれほぼ対称に配置された
    4つの小受光部を含むことを特徴とする請求項2に記載
    の光ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記判別手段は、前記4つの小受光部
    からそれぞれ出力される信号に基づいて前記判別を行う
    ことを特徴とする請求項3に記載の光ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記判別手段は、前記4つの小受光部
    の配列における一方の対角線の方向に沿った2つの小受
    光部からそれぞれ出力される信号の和と、他方の対角線
    の方向に沿った2つの小受光部からそれぞれ出力される
    信号の和との差分である差分信号を演算し、その演算結
    果に基づいて前記判別を行うことを特徴とする請求項4
    に記載の光ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記第1の受光部群は、 前記重畳部分のほぼ中央を通り、かつ前記記録媒体の前
    記トラック案内構造によって発生する複数の回折パター
    ンの配列方向と平行な第1の軸に関して、いずれか一方
    の側に配設されると共に、前記第1の軸の方向に沿って
    配列された2つの小受光部を含むことを特徴とする請求
    項1に記載の光ヘッド。
  7. 【請求項7】 さらに、 前記2つの小受光部からそれぞれ出力される信号に基づ
    いて前記対物レンズによる集光スポット位置がランドと
    グルーブのいずれの上にあるかを判別する判別手段こと
    を特徴とする請求項6に記載の光ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記判別手段は、 前記2つの小受光部からそれぞれ出力される信号の差分
    である差分信号を演算し、その演算結果に基づいて前記
    判別を行うことを特徴とする請求項7に記載の光ヘッ
    ド。
  9. 【請求項9】 前記光検出手段が、さらに、 前記第1の受光部群を取り囲むように配置されると共
    に、前記記録媒体の記録面からの反射光のうち、前記重
    畳部分を含まない第2の部分の光を受光する複数の部分
    からなる第2の受光部群を備えたことを特徴とする請求
    項1に記載の光ヘッド。
  10. 【請求項10】 さらに、 前記第2の受光部群から出力される信号に基づいて、前
    記記録媒体の記録面に対する前記対物レンズの焦点誤差
    を検出する焦点誤差検出手段を備えたことを特徴とする
    請求項9記載の光ヘッド。
  11. 【請求項11】 トラック案内構造として形成された
    ランドおよびグルーブの双方に情報を記録可能に構成さ
    れた記録媒体を含む少なくとも1種類の記録媒体を駆動
    する記録媒体駆動手段と、前記記録媒体駆動手段によっ
    て駆動される前記記録媒体から信号を読み取るための光
    ヘッドと、前記光ヘッドを前記記録媒体に沿って移動さ
    せる光ヘッド駆動手段と、前記光ヘッドにより読み取ら
    れた信号に基づいて再生信号を生成する信号処理手段
    と、前記光ヘッドにより読み取られた信号に基づいて、
    前記記録媒体駆動手段、前記光ヘッド駆動手段および前
    記光ヘッドの動作を制御するサーボ制御手段とを備え、
    前記記録媒体に対して情報の記録または再生の少なくと
    も一方を行う光情報記録再生装置であって、 前記光ヘッドは、 光を出射する光源と、 前記記録媒体の記録面に対して、前記光源から出射され
    た光を集光する対物レンズと、 前記光源から出射された光と前記記録媒体の記録面で反
    射された光とを分離する光分離手段と、 前記光分離手段により分離された前記記録媒体の記録面
    からの反射光のうち前記記録媒体のトラック案内構造に
    よって発生する0次光および2つの1次回折光がすべて
    重なり合う重畳部分を含む第1の部分の光を受光する複
    数の部分からなる第1の受光部群を有する光検出手段
    と、 前記記録媒体の記録面で反射され前記光分離手段を経て
    前記光検出手段に入射する光ビームに非点収差を発生さ
    せる非点収差発生手段とを備えたことを特徴とする光情
    報記録再生装置。
  12. 【請求項12】 前記第1の受光部群は、前記記録媒
    体の前記トラック案内構造によって発生する複数の回折
    パターンの配列方向と平行な第1の軸および垂直な第2
    の軸に関してそれぞれほぼ対称に配置された4つの小受
    光部を含むことを特徴とする請求項11に記載の光情報
    記録再生装置。
  13. 【請求項13】 さらに、 前記4つの小受光部の配列における一方の対角線の方向
    に沿った2つの小受光部からそれぞれ出力される信号の
    和と、他方の対角線の方向に沿った2つの小受光部から
    それぞれ出力される信号の和との差分である差分信号を
    演算し、その演算結果に基づいて、前記対物レンズによ
    る集光スポット位置がランドおよびグルーブのいずれの
    上にあるかを判別する判別手段を備えたことを特徴とす
    る請求項12に記載の光情報記録再生装置。
  14. 【請求項14】 さらに、 前記第1の受光部から出力される信号に基づいて、前記
    対物レンズによる集光スポット位置がランドおよびグル
    ーブのいずれの上にあるかを判別する判別手段と、 前記対物レンズによる集光スポット位置の、前記記録媒
    体の記録面のランドまたはグルーブの各中央部からのず
    れを示すトラッキングエラーを検出するトラッキングエ
    ラー検出手段とを備えたことを特徴とする請求項11に
    記載の光情報記録再生装置。
  15. 【請求項15】 さらに、 前記判別手段による判別結果と、前記トラッキングエラ
    ー検出手段による検出結果とに基づいて、前記対物レン
    ズのトラッキングサーボの引込み制御を行うことを特徴
    とする請求項14記載の光情報記録再生装置。
  16. 【請求項16】 さらに、 前記判別手段による判別結果と、前記トラッキングエラ
    ー検出手段による検出結果とに基づいて、前記対物レン
    ズの集光スポット位置が横断したトラック案内構造の
    数、その横断移動の方向、およびその横断移動の速度の
    うちの少なくとも1つを検出することを特徴とする請求
    項14に記載の光情報記録再生装置。
  17. 【請求項17】 前記光検出手段は、さらに、前記第
    1の受光部群を取り囲むように配置されると共に、前記
    記録媒体の記録面からの反射光のうち、前記重畳部分を
    含まない第2の部分の光を受光する複数の部分からなる
    第2の受光部群を含み、 さらに、 前記第2の受光部群から出力される信号に基づいて、前
    記記録媒体の記録面に対する前記対物レンズの焦点誤差
    を検出する焦点誤差検出手段を備えたことを特徴とする
    請求項11に記載の光情報記録再生装置。
  18. 【請求項18】 光を出射する光源と、トラック案内
    構造として形成されたランドおよびグルーブの双方に情
    報を記録可能に構成された記録媒体を含む少なくとも1
    種類の記録媒体の記録面に対して前記光源から出射され
    た光を集光する対物レンズと、前記光源から出射された
    光と前記記録媒体の記録面で反射された光とを分離する
    光分離手段と、前記光分離手段により分離された前記記
    録媒体からの反射光を受光する光検出手段と、前記記録
    媒体の記録面で反射され前記光分離手段を経て前記光検
    出手段に入射する光に非点収差を発生させる非点収差発
    生手段とを備え、前記記録媒体の記録面に対して情報の
    記録または再生の少なくとも一方を行う光ヘッドに適用
    されるトラック判別方法であって、 前記記録媒体からの反射光のうち前記記録媒体のトラッ
    ク案内構造によって発生する0次光および2つの1次回
    折光がすべて重なり合う重畳部分を含む第1の部分の光
    を受光する複数の部分からなる第1の受光部群を前記光
    検出手段に備えさせ、 前記第1の受光部群から出力される信号に基づいて、前
    記対物レンズによる集光スポット位置がランドおよびグ
    ルーブのいずれの上にあるかを判別することを特徴とす
    るトラック判別方法。
  19. 【請求項19】 前記第1の受光部群が、前記記録媒体
    の前記トラック案内構造によって発生する複数の回折パ
    ターンの配列方向と平行な第1の軸および垂直な第2の
    軸に関してそれぞれほぼ対称に配置された4つの小受光
    部を含むように構成し、 前記4つの小受光部の配列における一方の対角線の方向
    に沿った2つの小受光部からそれぞれ出力される信号の
    和と、他方の対角線の方向に沿った2つの小受光部から
    それぞれ出力される信号の和との差分である差分信号を
    演算し、その演算結果に基づいて、前記対物レンズによ
    る集光スポット位置がランドおよびグルーブのいずれの
    上にあるかを判別することを特徴とする請求項18に記
    載のトラック判別方法。
  20. 【請求項20】 光を出射する光源と、トラック案内構
    造として形成されたランドおよびグルーブの双方に情報
    を記録可能に構成された記録媒体を含む少なくとも1種
    類の記録媒体の記録面に対して前記光源から出射された
    光を集光する対物レンズと、前記光源から出射された光
    と前記記録媒体の記録面で反射された光とを分離する光
    分離手段と、前記光分離手段により分離された前記記録
    媒体からの反射光を受光する光検出手段と、前記記録媒
    体の記録面で反射され前記光分離手段を経て前記光検出
    手段に入射する光に非点収差を発生させる非点収差発生
    手段とを備えた光ヘッドの動作を制御する方法であっ
    て、 前記記録媒体からの反射光のうち前記記録媒体のトラッ
    ク案内構造によって発生する0次光および2つの1次回
    折光がすべて重なり合う重畳部分を含む第1の部分の光
    を受光する少なくとも2以上の部分からなる第1の受光
    部群を前記光検出手段に備えさせ、 前記第1の受光部群から出力される信号に基づいて、前
    記対物レンズによる集光スポット位置がランドおよびグ
    ルーブのいずれの上にあるかを判別し、 前記対物レンズによる集光スポット位置の、前記記録媒
    体の記録面のランドおよびグルーブの各中央部からのず
    れを示すトラッキングエラーを検出し、 このトラッキングエラーの検出結果と、前記集光スポッ
    ト位置の判別結果とに基づいて、前記記録媒体に対する
    前記光ヘッドの動作を制御することを特徴とする光ヘッ
    ドの制御方法。
  21. 【請求項21】 前記集光スポット位置の判別結果と、
    前記トラッキングエラーの検出結果とに基づいて、前記
    対物レンズのトラッキングサーボの引込制御を行うこと
    を特徴とする請求項20記載の光ヘッドの制御方法。
  22. 【請求項22】 前記集光スポット位置の判別結果と、
    前記トラッキングエラーの検出結果とに基づいて、前記
    対物レンズの集光スポット位置が横断したトラック案内
    構造の数またはその横断移動の方向もしくは速度の少な
    くとも1つを検出することを特徴とする請求項20記載
    の光ヘッドの制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7528565B2 (en) 2004-12-22 2009-05-05 Toshiba Kikai Kabushiki Kaisha Signal processing device, signal processing method, signal processing program, recording medium storing the program, speed detector and servomechanism

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7528565B2 (en) 2004-12-22 2009-05-05 Toshiba Kikai Kabushiki Kaisha Signal processing device, signal processing method, signal processing program, recording medium storing the program, speed detector and servomechanism

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