JP2001123870A - 内燃機関の排気昇温装置 - Google Patents
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Abstract
し、排気中のHCの増大防止や触媒の熱劣化を防止がで
きる内燃機関の排気昇温装置を提供すること。 【解決手段】機関排気量を弁の絞り量で調整する排気絞
り弁15と、主噴射および副噴射を気筒内に直接行うイ
ンジェクタ12と、機関暖機時に、排気絞り弁15によ
る排気絞りの実行制御および空気過剰状態で行う主噴射
による燃焼に加え前記副噴射による燃焼により排気昇温
の実行制御を行う排気昇温手段としてのECU4,イン
ジェクタ12,排気絞り弁15と、前記排気昇温手段の
実行による排気の昇温状態を監視する排気温度センサ1
6と、排気温度センサ16の異常の有無を判定する監視
手段異常判定手段としてのECU4と、このECU4が
排気温度センサ16に異常ありの判定をした場合に前記
排気昇温手段の作動を停止する排気昇温停止手段として
のECU4とを有する。
Description
装置に関する。
転時、特には機関の暖機運転時に燃焼室の温度が低くな
るため多量の未燃HCを発生する。
して当該排気制御弁を閉弁すると共に燃料噴射量の増量
により燃焼室温度を高めることで、未燃HCの発生を抑
制する技術が知られている(例えば特開昭49−804
14号公報参照)。
度を高めた状態で排気制御弁をほぼ全閉すると、排気通
路の圧力である背圧がかなり高まる。背圧が高いと排気
ガス温は低下しにくくなるので、排気通路内の排気は高
温状態を維持する。また、背圧が高いと排気の流速は遅
くなるため、排気通路における排気制御弁上流では高温
の排気が滞留する。滞留している間、排気は高温状態に
おかれる。その結果、排気成分中の未燃HCは酸化さ
れ、大気に排出される排気ガスに含まれる未燃HCの量
を低減できる。
機関排気通路内に排気浄化用触媒を配置することが挙げ
られる。しかし、触媒は活性しなければ十分な排気浄
化、すなわち未燃HCの低減ができない。
ある主噴射を行うのに加え、主噴射実行後の副次的燃料
噴射である副噴射を膨張行程で行う技術が周知である
(例えば特開平8−303290号公報や特開平10−
212995号公報参照)。
は主噴射による燃焼(以下「主燃焼」という。)時に発
生した未燃HCが副噴射による燃焼(以下「副燃焼」と
いう。)で燃焼されるので、発生する未燃HC自体が大
幅に低減する。また、この場合、主燃焼時に発生した未
燃HCが副燃料とともに燃焼されるので、燃焼量が増大
する。その結果、排気温度が高まり触媒昇温を達成でき
るので、未燃HCは低減する。
ためのいくつかの技術が提案されている。しかし、現在
でもさらに未燃HCを低減することが大きな課題として
取り上げられている。
た結果、主噴射を空気過剰状態で行うのに加え、主噴射
後に副噴射を行って燃焼量を増大し、併せて排気通路に
排気制御弁を設けてこれをほぼ全閉することを考えた。
絞りとの相乗効果によって、燃焼室での未燃HCの酸化
が促進されかつ排気通路内が高温になるため、未燃HC
の発生量が大幅に低減し、斯くして大気中に排出される
排気ガス成分としての未燃HCの割合が大幅に低減する
ことを期待できる。
によって確認されたことを踏まえて、本願出願人によ
り、主噴射を空気過剰状態で行うのに加え、主噴射後に
副噴射を行って燃焼量を増大し、併せて排気通路に排気
制御弁を設けてこれをほぼ全閉することで未燃HCを低
減するという技術について既に出願済みである(特願平
11−127550号公報参照)。
正常に低減しているかどうかは、例えば排気温度セン
サ,背圧センサ等の各種センサの検出値に基づいて判断
する。しかし、例えばこれらのセンサが故障すると、排
気温度に影響が及ぶことが考えられる。
ないので、排気温度制御ができなくなる。その結果、排
気温度が目標レベルの温度領域(以下「目標排気温度」
という。)に収まらないため、未燃HCの発生を抑制で
きないという不具合を生ずる虞がある。
なれば、未燃HCの酸化、すなわち、いわゆる後燃えを
促進するに十分な温度であるとともに、排気通路に触媒
がある場合には、排気温度が高過ぎることもなくよって
触媒が熱劣化することもない温度をいう。
装置の不具合により、燃料が十分に噴射されず、よっ
て、前記排気温度が目標排気温度に至らなかったり、反
対に噴射された燃料が多過ぎて排気温度が目標排気温度
よりも高くなり過ぎたりすることもあり得る。
気温度は高いのにも拘わらず、排気温度が目標排気温度
に至っていないという誤った判断をセンサ等の故障に起
因して行ってしまった場合、エンジン制御装置(以下
「ECU」という。)は、排気温度を目標排気温度に達
成すべく燃料をさらに燃焼する必要があるという判断を
してしまうことが考えられる。したがって、その場合、
過加熱による触媒の劣化や必要以上にHCの増大を招来
する虞がある。
のであって、その解決しようとする課題は、センサや燃
料噴射弁等の異常を早期に検出し、その結果、排気中の
未燃HCの増大を防止したり、排気通路に触媒がある場
合には触媒の熱劣化を防止したりできる内燃機関の排気
昇温装置を提供することにある。
に、本発明の内燃機関の排気昇温装置は次の手段を採用
した。
昇温装置は、内燃機関の排気通路に設けられこの排気通
路を流れる排気の量を弁の絞り量で調整する排気絞り弁
と、機関出力発生用の燃料噴射である主噴射および主噴
射実行後の副次的燃料噴射である副噴射を気筒内に直接
行う燃料噴射弁と、排気に含まれる未燃燃料成分を低減
する必要性の高い機関作動時に、前記排気絞り弁による
排気絞りの実行制御および前記燃料噴射弁が空気過剰状
態で行う前記主噴射による燃焼に加え前記副噴射による
燃焼により排気昇温の実行制御を行う排気昇温手段と、
この排気昇温手段の実行により昇温される排気の昇温状
態を監視する排気昇温状態監視手段と、この排気昇温状
態監視手段の異常の有無を判定する監視手段異常判定手
段と、この監視手段異常判定手段が前記排気昇温状態監
視手段に異常ありの判定をした場合に前記排気昇温手段
の作動を停止する排気昇温停止手段とを有するようにし
た。
低減する必要性の高い機関作動時」とは、例えば、機関
の低速低負荷運転時、特には機関の暖機運転時を挙げら
れる。
気絞りの実行」とは、未燃燃料成分である例えば未燃H
Cの低減を主噴射および副噴射による燃焼の実行と相俟
って有効に行える程度にまで排気絞り弁を閉じることで
あり、例えば排気絞り弁を全閉またはそれに近い状態に
閉じることである。
噴射弁と、これらの作動を制御するECUとを含むもの
いう。「排気昇温状態監視手段」はセンサの適用が好適
である。
止手段」は、ECUの適用が好適である。本発明では、
排気昇温手段が作動すると、空気過剰状態での主噴射に
よる燃焼に加え副噴射による燃焼により排気が昇温す
る。したがって、内燃機関の気筒から排出される排気が
高温になる。また、排気絞りによって前記排気通路内で
の排気ガスの高温状態を維持する。よって、排気通路内
で未燃HCの酸化が促進されるので未燃HCの低減を図
れる。
段による排気の昇温制御中、排気昇温状態監視手段がそ
の故障等に起因して当該手段の本来の機能を発揮できな
い状態(異常な状態)にあるという判定が、監視手段異
常判定手段によって行われると、排気昇温停止手段が前
記排気昇温手段の作動を停止する。このため、排気昇温
手段による昇温制御が停止される。
生に起因した不測の燃焼量の増加を防止できるので、未
燃HCの予期せぬ増加や、排気通路に触媒を設置してい
た場合は、異常な排気昇温に起因する触媒の熱劣化の防
止ができる。
装置は、内燃機関の排気通路に設けられこの排気通路を
流れる排気の量を弁の絞り量で調整する排気絞り弁と、
機関出力発生用の燃料噴射である主噴射および主噴射実
行後の副次的燃料噴射である副噴射を気筒内に直接行う
燃料噴射弁と、排気に含まれる未燃燃料成分を低減する
必要性の高い機関作動時に、前記排気絞り弁による排気
絞りの実行制御および前記燃料噴射弁が空気過剰状態で
行う主噴射による燃焼に加え前記副噴射による燃焼によ
り排気昇温の実行制御を行う排気昇温手段と、この排気
昇温手段の実行により昇温される排気の昇温状態を監視
する排気昇温状態監視手段と、この排気昇温状態監視手
段により監視される排気の昇温状態の異常の有無を判定
する排気昇温状態異常判定手段と、この排気昇温状態異
常判定手段が前記排気の昇温状態に異常ありの判定をし
た場合は、前記排気昇温手段の作動を停止する排気昇温
停止手段とを有する内燃機関の排気昇温装置にすること
もできる。
低減する必要性の高い機関作動時」,「排気昇温手
段」,排気昇温手段に係る「排気絞り弁による排気絞り
の実行」,「排気昇温状態監視手段」および「排気昇温
停止手段」は、前記(1)項の場合と同様である。
の適用が好適である。この場合も排気昇温手段の実行に
より排気が高温となるので未燃HCの低減を図ることが
できる。また、次の作用効果を奏する。
温手段を構成する例えば燃料噴射弁の故障による不具合
から、燃料が多く供給され過ぎて、気筒内での燃焼量が
増大し排気温度が既述した目標排気温度よりも高くなり
過ぎた場合、本発明では排気昇温状態異常判定手段が排
気の昇温状態に異常ありの判定を行い、次いで排気昇温
停止手段が排気昇温手段の作動を停止するので、その時
点で気筒内での不本意な過剰燃焼が停止する。よって、
不本意な過剰燃焼に起因したHCの増加や排気通路に触
媒を設置してある場合は触媒の熱劣化を未然に防止でき
る。
り排気昇温状態に異常ありの判定をした場合は、前記排
気昇温手段に異常ありとして、前記排気昇温手段の作動
を停止してもよい。
気通路の適所に設けた排気温度センサであり、この排気
温度センサによって検出された排気温度に基づいて排気
の昇温状態を監視してもよい。排気温度センサの設けら
れる適所とは、例えば排気通路のうち排気絞り弁よりも
上流箇所である。
気通路における前記排気絞り弁の取付箇所よりも上流箇
所に設けた背圧センサであり、この背圧センサによって
検出された背圧に基づいて排気の昇温状態を監視しても
よい。
たのは、背圧の高低は排気温度の高低に結びつくからで
ある。 (6)前記排気昇温状態監視手段は、前記排気通路にお
ける前記排気絞り弁よりも上流箇所に設けた、背圧セン
サおよび排気温度センサであり、前記監視手段異常判定
手段は、前記両センサによって検出された値がそれぞれ
の目標範囲にあるときは排気昇温状態に異常無しの判定
を行うことが望ましい。
行中に排気温度が目標排気温度に到達しやすい範囲に含
まれる背圧値を意味する。これは、背圧が排気温度に与
える影響が大きく、そのため、背圧調整によって有る程
度排気温度を確保できれば、既述した目標排気温度に排
気温度を設定しやすくなるからである。
気昇温手段の作動停止は、前記排気絞り弁を開くととも
に前記副噴射の実行停止によって実行するとよい。
温装置の実施の形態を添付した図面に基づいて説明す
る。〈第1の実施の形態〉図1および図2を用いて、本
発明の第1の実施の形態を説明する。
置を採用した希薄燃焼式エンジンA(以下「エンジン
A」という。)の概略図を示す。エンジンAは、4気筒
4ストロークエンジンであって、内部に4つの気筒1a
を備えた気筒ブロック1を有する。各気筒1aは図示し
ない燃焼室を有し、そこに吸気通路2および排気通路3
を連通してある。また、エンジンAは、エンジン制御装
置であるECU4によってその作動が制御される。
れぞれ燃料噴射装置としての点火プラグ5を取り付けて
ある。各点火プラグ5は、図示しないディストリビュー
タによって分配された点火信号に基づいて点火する。
力される高電圧をエンジンAのクランク角に同期して各
点火プラグ5に分配する。なお、ディストリビュータお
よびイグナイタは図示を省略してある。
ク1に向けて、外気をろ過するエアクリーナ5,吸気通
路2を流通する吸入空気の量を調節するスロットルバル
ブ7,吸入空気の脈動を平滑化するサージタンク8,吸
気分配管としての吸気マニホールド10を順次配設して
ある。そして、これらの器具や装置を介して外気が前記
各気筒1aに導入される。
燃料噴射である主噴射および主噴射実行後の副次的燃料
噴射である副噴射を各気筒1a内に直接行う燃料噴射弁
としてのインジェクタ12を取り付けてある。
導入された吸入空気とインジェクタ12から噴射された
燃料とからなる混合気が点火プラグ5の点火によって燃
焼し、これによりエンジンAの駆動力が得られる。燃焼
室で生成した燃焼ガスは、前記排気通路3を通じて大気
中に排出される。
向けて順次、排気集合管である排気マニホールド13,
排気浄化装置としての触媒コンバータ14および触媒コ
ンバータ14よりも下流に位置し、排気通路3を流れる
排気の量を弁の絞り量で調整することで排気通路の背圧
調整を行う排気絞り弁15を取り付けてある。
する排気温度センサ16を有する。触媒コンバータ14
は、その内部に図示しない排気浄化触媒を充填してあ
り、この触媒によって排気通路3を流れる排気を浄化し
てから大気中に排出する。
弁体15aとこれを開閉制御する弁体開閉機構15bと
からなる。弁体開閉機構15bはECU4と電気的に接
続され、ECU4から出る実行指令に基づいて、必要時
に弁体15aを開閉する。
4との間には、すなわち排気絞り弁よりも上流には、背
圧センサ17とこの背圧センサそれよりも下流に位置す
る空燃比センサ18を取り付けてある。
周知のごとく双方向性バスによって相互に接続された、
中央処理制御装置CPU,読み出し専用メモリROM,
ランダムアクセスメモリRAM,入力インタフェース回
路、出力インタフェース回路等から構成されている(図
示せず)。
前記した各種センサ16,17,18以外の図示しない
各種センサが電気配線を介して接続され、前記出力イン
タフェース回路には、前記したエアクリーナ6,スロッ
トルバルブ7,インジェクタ12および排気絞り弁15
等、内燃機関の作動を司どる器具や装置が電気配線を介
して接続されている。
する電気信号を出力してECU4に送る。ECU4は、
前記各種センサの出力信号値に基づいてエンジンAの運
転状態を総合的に判定する。そして、必要に応じて、ス
ロットルバルブ7,点火プラグ5,インジェクタ12,
排気絞り弁15等を制御する。
で、かつ空気過剰状態で、気筒に燃料噴射することで機
関出力を発生させる主噴射実行手段として、また、主噴
射実行による燃料噴射に加えその後副次的に燃料噴射す
る副噴射実行手段として機能する。主噴射に加え副噴射
を行うことで追加的に燃料を燃焼し、これにより機関排
気を高温状態に昇温する。そして、高温状態を維持する
ために排気絞り弁15による排気絞りを行う。
の制御下におけるインジェクタ12と排気絞り弁15の
制御結果の説明として言い換えれば次のようになる。す
なわち、ECU4は、エンジンAの作動中、空気過剰状
態でのインジェクタ12による機関出力発生用の主噴射
および主噴射実行後の副次的燃料噴射である副噴射によ
る燃焼の実行制御を行うことに加え、排気絞り弁15に
よる排気絞りの実行制御によって排気温度を昇温する。
したがって、ECU4およびこのECU4の制御下で作
動するインジェクタ12および排気絞り弁15は、排気
昇温手段といえる。
実行による排気の昇温状態を監視するのが、排気温度セ
ンサ16および背圧センサ17である。換言すれば、こ
れらのセンサの示す排気温度や背圧に基づいて排気の昇
温状態を監視する。よって、両者を排気昇温状態監視手
段という。なお、背圧センサを排気昇温状態監視手段に
含めたのは、背圧の高低は排気温度の高低に直結するか
らである。
である前記センサ16,17の異常の有無を判定する監
視手段異常判定手段としても機能する。また、監視手段
異常判定手段としてのECU4が、前記排気温度センサ
16または背圧センサ17そのものに異常ありの判定を
した場合は、ECU4は、ECU4に備えられている前
記排気昇温手段としての機能を停止する。すなわち、排
気昇温手段はその作動を停止する。その結果、昇温制御
されなくなるため、ECU4は排気昇温停止手段として
も機能する。そして、このような機能を備えたECU4
の作動によって、本発明に係る内燃機関の排気昇温装置
が実現する。
による異常が生じた時には、排気絞り弁15の閉弁実行
の停止(すなわち排気絞り弁を開くこと)およびインジ
ェクタ12による副噴射実行の停止を行う。
の構成要素である例えばインジェクタ12や排気絞り弁
15その他の機関排気の昇温に係わる器具や装置に故障
等による異常が生じた時にも排気絞り弁15の閉弁実行
の停止(すなわち排気絞り弁を開くこと)およびインジ
ェクタ12による副噴射実行の停止を行うようにするこ
ともできる。
クタ12による副噴射実行は、既に述べたように、排気
昇温を高める上で影響の大きいものであるから、排気絞
り弁15および副噴射の作動停止は、排気昇温装置の作
動停止を意味する。
よる副噴射の作動を停止するプログラムは、ECU4の
ROMに記憶してあり、必要に応じてCPUに呼び出さ
れる。
前記プログラムの説明を行う。なお、プログラムを構成
する各ステップの処理を行うのは、すべてECU4のC
PUである。
未燃燃料成分を低減する必要性の高い機関作動時、例え
ば暖機運転時等の低速低負荷運転時における昇温制御中
かどうか、換言すれば空気過剰状態で行う主噴射による
燃焼に加え、副噴射の実行と排気絞りにより排気昇温制
御の実行状態にエンジンAが置かれているかどうかを判
定する。
み、否定判定すればS105に進む。S102では、セ
ンサ16や17が故障していないかどうかを判定する。
具体的には、例えばECU4とこれらのセンサとの間で
例えば断線があれば、その時点で各センサのECU4と
の電気的接続が絶たれるので、それをもってセンサが故
障していると判定する。
を判定する監視手段異常判定手段として機能する。そし
てこのS102の属性は、S102をプログラムの手順
に含みかつこのプログラムをROMに記憶してあるEC
Uにあるので、ECUがセンサ類異常判定手段というこ
とができる。
み、否定判定すればS105に進む。S103では昇温
制御実行中に排気絞りの実行で閉じていた排気絞り弁1
5を開き、またインジェクタ12による副噴射を停止す
る。
サ16等が故障して正常に機能していないのにも拘わら
ず、昇温制御実行用の排気絞りを継続しかつ副噴射を実
行すれば、燃焼量が勝手に増えてしまう虞があり、その
場合、異常に排気が昇温して予期できぬHCの増加や触
媒の熱劣化を招来してしまうからである。
開きかつインジェクタ12による副噴射を停止する処理
を実行するS103は、S102でセンサに異常ありの
判定がされた場合に前記排気昇温手段の作動を停止する
排気昇温停止手段として機能する。S103の属性もS
102と同様ECUにあるので、ECUを排気昇温停止
手段という。
い故障ランプや警告音によって、ドライバや同乗者にセ
ンサが故障していることを知らせる。S105では、以
上の処理S101〜S104の処理を経てから昇温制御
がなされる前に行われていた排気の温度制御(以下「通
常制御」という。)に移行し、その後は、必要に応じて
S101にリターンして本ルーチンを繰り返す。 〈第1の実施の形態の作用効果〉第1の実施の形態に係
るエンジンAでは、昇温制御中、排気昇温状態監視手段
である排気温度センサ16等の異常によってその本来の
機能を発揮できない状態にある、すなわちセンサに異常
ありの判定を監視手段異常判定手段としてのECU4が
行うと、ECU4の排気昇温停止手段としての機能がは
たらき、昇温用にそれまで開いていた排気絞り弁15が
閉じられ、かつインジェクタ12による副噴射の実行を
停止する。
生に起因した不測の燃焼量の増加を防止できるので、未
燃HCの予期せぬ増加や、異常な排気昇温に起因する触
媒の熱劣化の防止ができる。 〈第2の実施の形態〉図3および図4を用いて、本発明
の第2の実施の形態を説明する。
なる点は次の通りである。第1の実施の形態では、排気
昇温状態監視手段であるセンサに異常があった場合に前
記排気昇温手段の作動を停止していたのに対し、第2の
実施の形態では、排気の昇温状態を示す排気昇温センサ
や背圧センサの示す値が所定の値と異なる場合には、ど
こに排気昇温装置のどこに異常があるかは別としてとに
かく排気昇温装置に異常があるものとして排気昇温手段
の作動を停止するというものである。
するプログラムの内容およびそれに関連する部分につい
て具体的に述べることとし、第1の実施の形態と同一部
分については同一符号を付して説明を省略する。
ト(後述)を示す。また、図4は、昇温制御を行ってい
る所定の時間内に背圧または排気温度がそれぞれ所定の
温度値である目標レベル(目標範囲)に達しない場合
は、排気昇温装置のどこかに故障が生じているという判
定を行うためのグラフ図である。
間を故障判定をなすのに要する判定時間として適宜設定
する。そして、図4は、この判定時間の経過直後にエン
ジンAが故障状態にあるかどうかを示す。
上から順に、エンジンAが昇温制御実行中にあるかどう
か,背圧の値,排気温度の値および判定時間内の故障の
有無を示す。
ラフ」という。)に記載のレベル1は、グラフ線がレベ
ル1にあるときは、排気が昇温制御中であることを示
す。また、レベル0は同様に排気が非昇温制御中である
ことを示す。
定時間とし、この時間内での背圧または排気温度から故
障の有無を判定する。昇温制御グラフが示す判定時間に
あってはグラフ線がレベル1にあるので、昇温制御され
ている状態にエンジンAがあることを示す。
フ」という。)について述べる。背圧グラフに示されて
いる目標レベル(目標範囲)は、背圧がこの目標レベル
にあれば、昇温制御実行中の排気温度が目標排気温度に
到達しやすくなることを示す。背圧は排気温度への影響
が大きく、背圧調整によって有る程度排気温度を確保で
きれば、既述した目標排気温度に排気温度を設定しやす
くなるからである。この目標レベルは、有る特定の値一
つに限ることなく有る程度の幅をもたせて所定の範囲に
属する背圧値を意味するようにしてもよい。
は背圧が目標レベルの状態に達しているので、背圧につ
いては異常ないことを示す。次に排気温度に係るグラフ
(以下「排気温度グラフ」という。)について述べる。
度を目指して正常に上昇している状態を示す細いグラフ
線と、排気温度が正常でない状態を示す太いグラフ線と
を示す。また、このグラフにはグラデーション領域Gを
確保してある。この領域Gは、目標排気温度を示す領域
であり、細いグラフ線が判定時間の一部とそれ以降の時
間帯において目標排気温度にあることを示唆している。
れ以降も排気温度が目標排気温度にないことを示唆して
いる。排気温度が目標排気温度に無いということは、例
えば排気絞り弁15や燃料噴射弁であるインジェクタ1
2、ECU4等が何らかの原因で異常状態にあることを
示唆する。
ラフ」という。)は、既述のように判定時間の経過後に
故障の有無を示唆する。これは判定を下すにはある程度
の時間を要し即座に判定するには無理があるので、ある
程度の時間差を置くことで故障判定の確実性を確保する
ためである。
(正常)レベルとがある。故障レベルは排気温度が目標
排気温度にないときに対応するレベルであり、問題なし
レベルは反対に排気温度が目標排気温度にあるときに対
応するレベルである。よって、故障レベルおよび問題な
しレベルは、それぞれ排気温度に係る太いグラフ線およ
び細いグラフ線に対応する。
間内では正常という前提であるので判定時間の終わりで
排気温度グラフが目標排気温度にあれば排気絞り弁15
や燃料噴射弁であるインジェクタ12、ECU4等に異
常はなく、反対に判定時間の終わりで排気温度グラフが
目標排気温度になければ排気絞り弁15や燃料噴射弁で
あるインジェクタ12、ECU4等に故障ありと判定さ
れる。
ら説明する。S201において、排気に含まれる未燃燃
料成分を低減する必要性の高い機関作動時、例えば暖機
運転時等の低速低負荷運転時における昇温制御中かどう
か、換言すれば空気過剰状態で行う主噴射による燃焼に
加え、副噴射の実行と排気絞りにより排気昇温制御の実
行状態にエンジンAが置かれているかどうかを判定す
る。
で行う(昇温制御グラフ参照)。S201で肯定判定
(昇温制御グラフのレベル1の状態にあるという判定)
をすればS202に進み、否定判定(昇温制御グラフの
レベル0の状態にあるという判定)をすればS204に
進む。
ンサ17の検出した検出値、すなわち背圧が所定の値で
ある目標レベルにあるかどうかを判定する。S202で
肯定判定すれば目標レベルにあるとして、すなわち排気
昇温状態に異常なしと判定してS203に進み、否定判
定すれば背圧値は目標レベルにないとしてS204に進
む。背圧は既述のように排気温度への影響が大きく、背
圧の大きさ如何で排気温度も左右される。よって、背圧
が目標レベルにあるかどうかを判定するS202は、排
気の昇温状態の異常の有無を判定する排気昇温状態異常
判定手段(ECU)という。
前記目標排気温度にあるかどうかを判定する(排気温度
グラフ参照)。S203で肯定判定(排気温度がグラデ
ーション領域Gにある状態という判定)をすれば、すな
わち排気昇温状態に異常なしと判定して必要に応じてこ
のルーチンを繰り返し、否定判定(排気温度がグラデー
ション領域Gにない部分にある状態という判定)をすれ
ばS204に進む。
しいので、排気温度が目標排気温度にあるかどうかを判
定するS203は、排気の昇温状態の異常の有無を判定
する排気昇温状態異常判定手段といえる。S203で肯
定判定した場合、排気温度はグラデーション領域Gにあ
るので、この場合、故障なしの判定を行い(故障判定グ
ラフの問題なしレベル参照)、排気温度がグラデーショ
ン領域Gになければ故障ありの判定を行う(故障判定グ
ラフの故障レベル参照)。
は、S202およびS203をプログラムに含みかつこ
のプログラムをROMに記憶してあるECU4にあるの
で、ECUを排気昇温状態異常判定手段ということがで
きる。
に副噴射を停止する。このようにS204はS202お
よびS203でそれぞれ背圧および排気温度が目標レベ
ルにないとの判定がされた場合に前記排気昇温手段の作
動を停止する排気昇温停止手段として機能する。このS
204の属性もS202とS203の場合と同様にEC
U4にあるので、ECU4を排気昇温停止手段というこ
とができる。
い故障ランプや警告音によって、ドライバや同乗者に排
気絞り弁15やインジェクタ12、ECU4等が故障し
ていることを知らせる。
め、昇温制御がなされる前の制御(以下「通常制御」と
いう。)を行う。その後は、必要に応じてS201にリ
ターンし、本ルーチンを返す。
してあり、必要に応じてCPUに呼び出される。 〈第2の実施の形態の作用効果〉この第2の実施の形態
の場合、昇温制御実行中の判定時間内における、排気温
度センサ16による検出値や背圧センサ17による検出
値が、目標レベルにないとき、すなわち排気昇温状態異
常判定手段であるECU4が排気の昇温状態に異常あり
の判定をした場合は、前記排気昇温手段に異常があると
して排気昇温停止手段であるECU4により排気昇温手
段の作動を停止する。
よりも小さくなる原因としては、排気昇温手段の構成要
素であるインジェクタ12の故障により燃料が供給され
ず、よって十分に燃焼されないこと,排気絞り弁15の
誤動作等に起因した排気通路3における圧力不足,排気
温度センサ16それ自体の異常によって正確な検出値を
得られないこと等が考えられる。
かつ空気過剰状態での主噴射に加え副噴射を実行して排
気昇温装置を作動し続けることは、不本意な過剰燃焼の
原因になり未燃HCの一層の増大や触媒温度の必要以上
の増大を招来する。よって、排気昇温停止手段であるE
CU4により排気昇温手段の作動を停止することで、予
期できないHCの増加や触媒が異常高温になることを事
前に防止できる。
ば、排気の昇温制御中、排気昇温状態監視手段がその故
障等に起因して当該手段の本来の機能を発揮できない異
常な状態にあるという判定が、監視手段異常判定手段に
よって行われると、排気昇温停止手段が前記昇温制御を
停止する。このため、前記故障等の異常状態の発生に起
因した不測の燃焼量の増加を防止できるので、未燃HC
の予期せぬ増加の防止を図れることは勿論、排気通路に
排気浄化用触媒を設置した場合は、異常な排気昇温に起
因する触媒の熱劣化の防止ができる。
段(ECU)が排気の昇温状態に異常ありの判定を行
い、次いで排気昇温停止手段が排気昇温手段の作動を停
止するので、その時点で気筒内での不本意な過剰燃焼が
停止する。よって、前記と同様にHCの増大や触媒の熱
劣化を未然に防止できる。
燃機関の排気昇温装置の概略構成図である。
判断ルーチンを説明するためのフローチャートである。
判断ルーチンを説明するためのフローチャートである。
行うためのグラフ図である。
定手段,排気昇温停止手段,排気昇温状態異常判定手
段) 5…エアクリーナ 7…スロットルバルブ 8…サージタンク 9…点火プラグ 10…吸気マニホールド 12…インジェクタ(燃料噴射弁,排気昇温手段の構成
要素,) 13…排気マニホールド 14…触媒コンバータ 15…排気絞り弁(排気昇温手段の構成要素) 15a…弁体 15b…弁体開閉機構 16…排気温度センサ(排気昇温状態監視手段) 17…背圧センサ(排気昇温状態監視手段) 18…空燃比センサ
Claims (7)
- 【請求項1】内燃機関の排気通路に設けられこの排気通
路を流れる排気の量を弁の絞り量で調整する排気絞り弁
と、 機関出力発生用の燃料噴射である主噴射および主噴射実
行後の副次的燃料噴射である副噴射を気筒内に直接行う
燃料噴射弁と、 排気に含まれる未燃燃料成分を低減する必要性の高い機
関作動時に、前記排気絞り弁による排気絞りの実行制御
および前記燃料噴射弁が空気過剰状態で行う前記主噴射
による燃焼に加え前記副噴射による燃焼により排気昇温
の実行制御を行う排気昇温手段と、 この排気昇温手段の実行により昇温される排気の昇温状
態を監視する排気昇温状態監視手段と、 この排気昇温状態監視手段の異常の有無を判定する監視
手段異常判定手段と、 この監視手段異常判定手段が前記排気昇温状態監視手段
に異常ありの判定をした場合に前記排気昇温手段の作動
を停止する排気昇温停止手段とを有する内燃機関の排気
昇温装置。 - 【請求項2】内燃機関の排気通路に設けられこの排気通
路を流れる排気の量を弁の絞り量で調整する排気絞り弁
と、 機関出力発生用の燃料噴射である主噴射および主噴射実
行後の副次的燃料噴射である副噴射を気筒内に直接行う
燃料噴射弁と、 排気に含まれる未燃燃料成分を低減する必要性の高い機
関作動時に、前記排気絞り弁による排気絞りの実行制御
および前記燃料噴射弁が空気過剰状態で行う主噴射によ
る燃焼に加え前記副噴射による燃焼により排気昇温の実
行制御を行う排気昇温手段と、 この排気昇温手段の実行により昇温される排気の昇温状
態を監視する排気昇温状態監視手段と、 この排気昇温状態監視手段により監視される排気の昇温
状態の異常の有無を判定する排気昇温状態異常判定手段
と、 この排気昇温状態異常判定手段が前記排気の昇温状態に
異常ありの判定をした場合は、前記排気昇温手段の作動
を停止する排気昇温停止手段とを有する内燃機関の排気
昇温装置。 - 【請求項3】前記排気昇温状態異常判定手段により排気
昇温状態に異常ありの判定をした場合は、前記排気昇温
手段に異常ありとして、前記排気昇温手段の作動を停止
することを特徴とする請求項2記載の内燃機関の排気昇
温装置。 - 【請求項4】前記排気昇温状態監視手段は前記排気通路
の適所に設けた排気温度センサであり、この排気温度セ
ンサによって検出された排気温度に基づいて排気の昇温
状態を監視することを特徴とする請求項1〜3のいずれ
か1項に記載の内燃機関の排気昇温装置。 - 【請求項5】前記排気昇温状態監視手段は前記排気通路
における前記排気絞り弁の取付箇所よりも上流箇所に設
けた背圧センサであり、この背圧センサによって検出さ
れた背圧に基づいて排気の昇温状態を監視することを特
徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関
の排気昇温装置。 - 【請求項6】前記排気昇温状態監視手段は、前記排気通
路における前記排気絞り弁よりも上流箇所に設けた、背
圧センサおよび排気温度センサであり、 前記監視手段異常判定手段は、前記両センサによって検
出された値がそれぞれの目標範囲にあるときは排気昇温
状態に異常無しの判定を行うことを特徴とする請求項1
記載の内燃機関の排気昇温装置。 - 【請求項7】前記排気昇温停止手段による前記排気昇温
手段の作動停止は、前記排気絞り弁を開くとともに前記
副噴射の実行停止によって実行することを特徴とする請
求項1〜6記載の内燃機関の排気昇温装置。
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