JP2001123840A - 建設機械のインタークーラ配管構造 - Google Patents

建設機械のインタークーラ配管構造

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動吸収効果を犠牲にすることなくコストダ
ウンが図れ、しかも配管の膨張を最小限に抑えることが
可能な構造とする。 【解決手段】 ターボチャージャ6を備えたエンジン
と、ターボチャージャ6からの過給空気を冷却するイン
タークーラ4とを有する建設機械に用いられるインター
クーラ配管構造において、ターボチャージャ6の出力側
とインタークーラ4の入力側とを接続する配管20は、
ターボチャージャ6の出口部分に接続されるシリコンゴ
ム製のホース21と、このホース21に連結される鋼管
22とを有して成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ターボチャージャ
付きエンジンおよびインタークーラを搭載する建設機械
のインタークーラ配管構造に関する。
【0002】
【従来の技術】図3は特開平10−103065号公報
に開示された建設機械のエンジン回りの構造を示してい
る。エンジン1の前方には、ラジエータ2,オイルクー
ラ3およびインタークーラ4が一体化されて成る冷却ユ
ニット10がファン5を挟んで設けられている。ターボ
チャージャ6は、周知の如くエンジン1の排気ガスを動
力源としてタービンを回し、コンプレッサにて空気を加
圧して送り出すもので、圧送された空気(過給空気)は
入力側配管20’を通ってインタークーラ4に至る。イ
ンタークーラ4では、ファン5によって送風される外部
空気と入力側配管20’からの高温の過給空気との間で
熱交換が行われ、冷却された過給空気は出力側配管3
0’を通ってエンジン1のインレットに導かれる。
【0003】ここで、ターボチャージャ6を含むエンジ
ン1は、その振動を吸収するための防振機構(不図示)
を介して車体のフレームにマウントされており、一方、
インタークーラ4を含む冷却ユニット10は防振機構を
介さずフレームにマウントされている。このようにイン
タークーラ4とエンジン1とは振動系が異なるため、入
力側配管20’および出力側配管30’を鋼管で構成す
ることはできず、いずれの配管もゴム製のホースで構成
している。配管をゴムホースとすることによりエンジン
の振動を吸収できるので、インタークーラが振動による
悪影響を受けることはない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ターボチャ
ージャ6から供給される過給空気は高温のため、少なく
とも上記入力側配管20’としては耐熱性の高いシリコ
ンゴム(鋼管や他のゴムと比べて高価)を用いる必要が
あり、コスト高となる。また配管をゴム製にすると、内
部圧力によって配管が膨張するため、内部圧力の低下や
配管外れなどの問題が発生する。特にレイアウトの関係
上、ターボチャージャ6とインタークーラ4とを大きく
離間させて配置しなければならない場合、あるいは配管
を回り込ませて配置しなければならない場合には、必然
的に配管の長さが長くなるため、その膨張による悪影響
は大きい。配管の膨張を抑えるには、配管を構成するゴ
ムを厚くしたり補強リング等を用いなければならず、更
なるコストアップを招来する。
【0005】本発明の目的は、振動吸収効果を犠牲にす
ることなくコストダウンが図れ、しかも配管の膨張を最
小限に抑えることが可能な建設機械のインタークーラ配
管構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】一実施の形態を示す図1
に対応づけて説明すると、本発明は、ターボチャージャ
6を備えたエンジンと、ターボチャージャ6からの過給
空気を冷却するインタークーラ4とを有する建設機械に
用いられるインタークーラ配管構造に適用される。そし
て、ターボチャージャ6の出力側とインタークーラ4の
入力側とを接続する配管20は、ターボチャージャ6の
出口部分に接続されるシリコンゴム製のホース21と、
このホース21に連結される鋼管22とを有して成り、
この構成により上記問題点が解決される。請求項2の発
明は、鋼管22をインタークーラ6またはの他の熱交換
器に支持したものである。請求項3の発明は、インター
クーラ6の出力側とエンジンの入力側1aとを接続する
配管30を弾性体で構成したものである。
【0007】なお、本発明の構成を説明する上記課題を
解決するための手段の項では、本発明を分かり易くする
ために実施の形態の図を用いたが、これにより本発明が
実施の形態に限定されるものではない。
【0008】
【発明の実施の形態】図1および図2により本発明の一
実施形態を説明する。なお、図3と同様の機能を有する
部材には同一の符号を付してある。図1は本実施形態に
おけるインタークーラ配管構造の詳細を示している。タ
ーボチャージャ6の出力側とインタークーラ4の入力側
とを接続する入力側配管20は、ターボチャージャ6の
コンプレッサに一端が接続される第1のシリコンホース
部21と、第1のシリコンホース部21の他端に一端が
接続される鋼管部22と、鋼管部22の他端に一端が接
続され他端がインタークーラ4の入力ポートに接続され
る第2のシリコンホース部23とから成る。
【0009】第1のシリコンホース部21は長さが約2
00mmとされ、第2のシリコンホース部23はそれよ
りも短くされる。これらのシリコンホース部21は、補
強用の布を貼り付けた板状のシリコンゴムを巻き回すこ
とにより構成されるが、第1のシリコンホース部21は
板状ゴムを3回程度巻いて構成される一方、第2のシリ
コンホース部23は1回程度巻いて構成される。すなわ
ち第1のシリコンホース部21は、後述するようにエン
ジン1の振動を吸収する機能を持たせる必要性から、振
動に耐え得るように第2のシリコンホース部23と比べ
て厚く、また補強層も多層とされる。
【0010】鋼管部22は、第1,第2のシリコンホー
ス部23よりも十分長くされ、取付部22aを介して図
2に示す冷却ユニット10に支持される。冷却ユニット
10は、3つの熱交換器、すなわちラジエータ2,オイ
ルクーラ3およびインタークーラ4をブラケット40に
て一体化して成り、建設機械のフレームに防振機構を介
さずに支持される。ブラケット40には配管支持用の支
持部41が突設され、この支持部41に鋼管部22の取
付部22aがねじで螺着される。これにより鋼管部22
を介して入力側配管20が冷却ユニット10、すなわち
建設機械のフレームに対して支持される。このように冷
却ユニット10を一体化するためのブラケット40を用
いて入力側配管20の支持をも行うようにしたので、部
品点数の低減によるコストダウンが図れる。またターボ
チャージャ6を含むエンジンは、従来と同様に防振機構
を介してフレームに支持される。
【0011】一方、インタークーラ4の出力側とエンジ
ン入力側とを接続する出力側配管30は、例えばEPD
M(エチレンプロピレンジエンゴム)系のゴムホースで
構成され、その一端がインタークーラ4の出力ポート
に、他端がエンジンインレット1aに接続される。すな
わち、インタークーラ4の出力空気は冷却されているた
め、出力側配管30の材質としてシリコンゴムのような
耐熱性の高いゴムを用いる必要はなく、ただ振動吸収が
可能なものであればEPDMのような廉価なゴム(弾性
体)で十分である。
【0012】以上の構成において、エンジンの振動はタ
ーボチャージャ6を介して入力側配管20に伝達される
とともに、インレット1aを介して出力側配管30に伝
達される。入力側配管20においては、ターボチャージ
ャ6の出口側に接続された部分が第1のシリコンホース
部21であるため、その弾性変形によってエンジンの振
動が吸収される。したがって、鋼管22から第2のゴム
部23を介してインタークーラ4に大きな振動が加わる
ことがなく、また取付部22aおよび支持部41を介し
て冷却ユニット10に大きな振動が加わることもない。
さらに第2のシリコンホース部23も振動吸収体として
機能するため、インタークーラ4に伝わる振動を更に軽
減できる。一方、出力側配管30は全体がゴムで構成さ
れているので、エンジンインレット1aを介して伝達さ
れる振動を吸収してインタークーラ4への振動の伝達を
軽減する。
【0013】ところで、上記シリコンホース部21,2
3は、入力側配管20全体からみればその占める割合は
小さい。仮に入力側配管20を長くする必要性が生じた
場合も鋼管部21を長くすることで対応でき、シリコン
ホース部は振動吸収効果が得られる最小限の長さでよ
い。したがって、従来のように全体をシリコンホースで
構成する場合と比べて大幅なコストダウンが図れる。し
かもゴム部分を極力少なくしたことにより、配管内部圧
力による膨張を最小限に抑えられるので、ゴム部を厚く
したり補強リング等を用いることなく内部圧の低下や配
管外れを防止でき、更なるコストダウンが図れる。
【0014】なお、上記実施例ではインタークーラ4の
入口部分にもシリコンホース部(第2のシリコンホース
部23)を設けたが、この部分にはシリコンホース部を
設けず、鋼管を直接インタークーラに接続してもよい。
また出力側配管30の材質はEPDMに限定されず、振
動吸収が可能な弾性体であれば他の材質のものでもよ
い。さらに以上では、ラジエータ2,オイルクーラ3お
よびインタークーラ4が一体化されて成る冷却ユニット
10を備えた建設機械にて説明したが、これらが必ずし
も一体化されている必要はない。これらが別体の場合に
は、入力側配管20を例えばラジエータに支持するよう
にすればよい。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、ターボチャージャの出
力側とインタークーラの入力側とを接続する配管をシリ
コンゴム製のホースと鋼管とから構成したので、振動吸
収効果を犠牲にすることなく配管全体をシリコンホース
で構成する場合と比べてコストダウンが図れる。しかも
ゴム部を厚くしたり補強リング等を用いることなく配管
の膨張を最小限に抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるインタークーラ配
管構造を示す斜視図。
【図2】上記配管構造における入力側配管の支持方法を
示す側面図。
【図3】従来のインタークーラ配管構造を示す斜視図。
【符号の説明】
1 エンジン 1a エンジンインレット 2 ラジエータ 3 オイルクーラー 4 インタークーラ 5 ファン 6 ターボチャージャ 10 冷却ユニット 20 入力側配管 21 第1のシリコンホース部 22 鋼管部 22a 取付部 23 第2のシリコンホース部 30 出力側配管 40 ブラケット 41 支持部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ターボチャージャを備えたエンジンと、
    ターボチャージャからの過給空気を冷却するインターク
    ーラとを有する建設機械に用いられるインタークーラ配
    管構造において、 前記ターボチャージャの出力側と前記インタークーラの
    入力側とを接続する配管は、前記ターボチャージャの出
    口部分に接続されるシリコンゴム製のホースと、該ホー
    スに連結される鋼管とを有して成ることを特徴とする建
    設機械のインタークーラ配管構造。
  2. 【請求項2】 前記鋼管は、前記インタークーラまたは
    の他の熱交換器に支持されていることを特徴とする請求
    項1に記載の建設機械のインタークーラ配管構造。
  3. 【請求項3】 前記インタークーラの出力側と前記エン
    ジンの入力側とを接続する配管は弾性体で構成されてい
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の建設機械
    のインタークーラ配管構造。
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