JP2001123660A - ボイド管 - Google Patents

ボイド管

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JP2001123660A
JP2001123660A JP30242399A JP30242399A JP2001123660A JP 2001123660 A JP2001123660 A JP 2001123660A JP 30242399 A JP30242399 A JP 30242399A JP 30242399 A JP30242399 A JP 30242399A JP 2001123660 A JP2001123660 A JP 2001123660A
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Hideki Kiyonaga
英樹 清長
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コンクリート型枠の間に鉄筋が既に配設されて
いても、鉄筋を取り除くことなく、コンクリート型枠の
目的とする位置に、容易且つ簡単に、取付けできるよう
にしたボイド管を提供する。 【解決手段】一対のボイドキャップ2、2と、一対のボ
イドキャップ2、2と組み合わせて使用するボイド管部
3とを備え、一対のボイドキャップ2、2の各々は、筒
状体部2a、2aと、筒状体部2a、2aの各々の一端
に、筒状体部2a、2aの各々の外周に外方に張り出す
ように設けられた鍔体部2b、2bとを備え、記ボイド
管部3は、一対の別個独立に設けられたボイド管部半体
部3a、3bを備え、一対のボイド管部半体部3a、3
bの各々は、一対のボイドキャップ2、2の各々の筒状
体部2b、2bの各々の外周面より緩やかな曲率を有し
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄筋コンクリート
構造物中に、水道管等の生活ラインを配設するための配
管スペースを形成するために用いるボイド管に関し、特
に、コンクリート型枠の間に鉄筋が既に配設されていて
も、鉄筋を取り除くことなく、コンクリート型枠の目的
とする位置に、容易且つ簡単に、取付けできるようにし
たボイド管に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、鉄筋コンクリート構造物中
に、水道管や空調管やガス管等の生活ラインの配管スペ
ースを形成する際には、ボイド管(スリーブとも称され
る。以下、単に、ボイド管という。)が用いられてい
る。
【0003】このようなボイド管としては、従来、紙製
の円筒形状のものが専ら用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のボイ
ド管は、上述したように、その形状が、円筒形状である
ため、コンクリート型枠の間に、ボイド管を取り付ける
際に、以下のような問題がある。
【0005】図7は、従来のボイド管の施工作業中に生
じる問題を模式的に説明する説明図である。
【0006】尚、図7では、本発明の理解を容易とする
ために、紙面中、手前側に表されるコンクリート型枠B
については、想像線で表している。
【0007】また、図7中、spで示す部材は、鉄筋構
造物の高さ調整のために、必要により設けられるスペー
サ(この例では、コンクリートブロック)を示してい
る。
【0008】ボイド管は、コンクリートを流し込むコン
クリート型枠B、Bの間に設置するものであるが、一般
に、ボイド管を設置する場所には、図7(a)に示すよ
うに、コンクリートの型枠B、Bの間には、既に、鉄筋
fo・・・,f・・・が組み合わされた鉄筋構造物Fが
配設されている。
【0009】このように、コンクリートの型枠B、Bの
間に、既に、鉄筋fo・・・,f・・・が組み合わされ
た鉄筋構造物Fが配設されている場合には、構造物F中
の鉄筋fo・・・が邪魔になって、コンクリート型枠
B、Bの間の所定の位置に、ボイド管101を取り付け
ることができない。
【0010】このような場合、ボイド管101の施工業
者は、図7(b)に示すように、コンクリート型枠B、
Bにボイド管101を取り付ける際に、邪魔になってい
る鉄筋fo・・・を固定しているワイヤw・・・を取り
外し、枠型の鉄筋fo・・・を邪魔にならない位置まで
移動させてから、ボイド管101をコンクリート型枠の
間の所定の位置に取り付け、その後、図7(c)に示す
ように、取り外した鉄筋fo・・・を、再度、ワイヤw
・・・で元の位置に固定するといった、手間のかかる作
業を行っている。
【0011】また、従来のボイド管101では、コンク
リート型枠の間にコンクリートを流し込むと、いくら丁
寧に、コンクリート型枠B、Bの各々の内面にボイド管
101を取り付けても、コンクリート型枠B、Bの各々
とボイド管101との接続部(図7(c)に示す接続部
C、Cを参照)の各々からボイド管101内にコンクリ
ートが漏れて、これが、ボイド管101内で硬化すると
いう事態を生じるため、コンクリートを流し込んだ後
に、コンクリート構造物中に配管スペースを形成する
際、ボイド管101内に漏れ出て硬化しているコンクリ
ートを除去する必要があり、この作業に手間がかかると
いう問題もある。
【0012】また、紙製のボイド管を用いた場合には、
コンクリート構造物中に配管スペースを形成した後、コ
ンクリートが硬化した後に、ボイド管を取り除く必要が
あるが、硬化したコンクリートからボイド管を取り除く
際に、ボイド管とコンクリートとがひっついて、コンク
リートからボイド管を引き剥がす際に、ボイド管が破れ
たりし、コンクリートからボイド管を取り除く作業に、
手間がかかるという問題もあった。
【0013】本発明は、以上のような問題を解決するた
めになされたものであって、コンクリートを流し込むた
めに設けられる、対向配置される一対のコンクリート型
枠の内面と内面との間に、既に、鉄筋構造物が配設され
ている場合であっても、鉄筋を一時的に取り外したりす
ることなく、コンクリート型枠の内面の所望の位置に、
容易且つ簡単に、水道管等の配管スペースを形成できる
のみならず、コンクリート型枠とボイド管との接続部か
らボイド管内にコンクリートが漏れることがない、ボイ
ド管を提供することを目的とする。
【0014】また、コンクリート構造物中に配管スペー
スを形成した後、コンクリートが硬化した後に、ボイド
管を取り除く必要が無い、ボイド管を提供することをも
目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のボイド
管は、コンクリート構造物内に配管スペースを形成する
ボイド管であって、一対のボイドキャップと、一対のボ
イドキャップと組み合わせて使用するボイド管部とを備
え、一対のボイドキャップの各々は、筒状体部と、筒状
体部の一端に、筒状体部の外周に外方に張り出すように
設けられた鍔体部とを備え、ボイド管部は、一対の別個
独立に設けられたボイド管部半体部を備え、一対のボイ
ド管部半体部の各々は、一対のボイドキャップの各々の
筒状体部の外周面より緩やかな曲率を有している。
【0016】このボイド管は、一対のボイドキャップ、
及び、ボイド管部を構成する、一対のボイド管部半体部
の各々をばらした状態で、コンクリート構造物内に配管
スペースを形成する場所に搬送し、これらを、順次、コ
ンクリートを流し込むコンクリート型枠と、コンクリー
ト型枠内に、既に、設置されている鉄筋構造物との間の
隙間や、鉄筋構造物を構成する鉄筋同士の隙間を利用し
て、ばらした状態の一対のボイドキャップの各々を、コ
ンクリート型枠のボイドキャップを取り付ける目的場所
に送り込んだり、ばらした状態の一対のボイド管部半体
部の各々を、鉄筋構造物中に送り込むことで、鉄筋構造
物を構成している鉄筋を取り外すことなく、コンクリー
ト型枠の間、及び、コンクリート型枠内に既に設置され
ている鉄筋構造物内に、ボイド管の施工を行えるように
した点に特徴がある。
【0017】即ち、このボイド管では、ボイド管部を、
別個独立に設けられた、一対のボイド管部半体部として
いる。これにより、一対のボイド管部半体部を他方のボ
イド管部半体部の内面に、一方のボイド管部半体部の外
面が向き合うように重ね合わせることで、ボイド管部の
体積を、筒状体形状の場合より小さくすることができ
る。
【0018】このように、一対のボイド管部半体部を重
ね合わせて、その体積を小さくすれば、一対の対向配置
されるコンクリート型枠の間に、既に、鉄筋構造物が配
設されているような場合にあっても、鉄筋構造物を構成
する鉄筋を取り外すことなく、コンクリート型枠の一方
と鉄筋との間の隙間、鉄筋同士の隙間、及び、コンクリ
ート型枠の他方と鉄筋との間の隙間を通して、一対のボ
イド管部半体部を目的とする場所に送り込むことができ
るので、従来のボイド管の施工時に行っていた、コンク
リート型枠にボイド管を取り付ける際に、邪魔になって
いる鉄筋を一時取り外してから、ボイド管をコンクリー
ト型枠の間の所定の位置に取り付け、その後、取り外し
た鉄筋を、再度、元の状態に戻すといった、手間のかか
る作業が、不要になる。
【0019】これにより、ボイド管のコンクリート型枠
への取付作業が容易且つ簡単になり、作業効率が改善す
る。
【0020】また、このボイド管では、一対のボイド管
部半体部の各々が、その内側から、一対のボイドキャッ
プの各々の筒状体部によって支持されているため、この
ボイド管を取り付けた一対のコンクリート型枠の間にコ
ンクリートを流し込んでも、コンクリートの重量によ
り、ボイド管部を形成している一対のボイド管部半体部
の形状が変化することがない。
【0021】これにより、コンクリート構造物中に、断
面が円形状の配管スペースを形成できる。
【0022】また、このボイド管では、一対のボイド管
部半体部の各々の曲率を、一対のボイドキャップの筒状
体部の各々の外周面より緩やかな形状にしている。
【0023】これにより、コンクリート構造物中に配管
スペースを形成すると、円筒形状に配置された、一対の
ボイド管部半体部の各々は、その復元力により、締結部
材及び硬化したコンクリート構造物に対し広がる方向の
力を持つため、配管スペースを形成する壁として、高い
機械的強度を示す。
【0024】したがって、このボイド管を取り付けた一
対のコンクリート型枠の間にコンクリートを流し込んで
も、コンクリートの重量により、ボイド管部を形成して
いる一対のボイド管部半体部の形状が変化することがな
い。
【0025】これによっても、コンクリート構造物中
に、断面が円形状の配管スペースを形成できる。
【0026】また、このボイド管では、一対のボイドキ
ャップの各々として、鍔体部を有するものを使用するよ
うにしている。
【0027】このため、一対のボイドキャップの各々の
鍔体部をコンクリート型枠に取り付けると、コンクリー
ト型枠と、一対のボイドキャップの各々の鍔体部との接
触面積が、鍔体部が無い場合に比べ、大きくなる。
【0028】したがって、コンクリートを、このボイド
管が取り付けられたコンクリート型枠内に流し込んで
も、コンクリート型枠と鍔体部との接続部から、ボイド
管内に、コンクリートが漏れ出すことがない。
【0029】この結果、一対のコンクリート型枠の間
に、コンクリートを流し込んだ後に、コンクリート構造
物中に、水道管や空調管やガス管等の配管スペースを形
成する際に、ボイド管内に漏れ出て硬化しているコンク
リートを除去するという作業が不要となるため、ボイド
管の施工作業が極めて簡単になる。
【0030】更に、一対のボイドキャップ及び一対のボ
イド管部半体部の各々を、ブリキやトタンその他の金属
材料で製するようにすれば、コンクリート構造物中に配
管スペースを形成した後、コンクリートが硬化した後
に、ボイド管を取り除く必要が無くなるため、コンクリ
ート構造物中への配管スペース形成作業が極めて簡単な
作業で済むようになる。
【0031】請求項2に記載のボイド管は、請求項1に
記載のボイド管の、一対のボイド管部半体部の一方の側
面側の端部には、一方のボイド管部半体部の外表面側に
折り曲げ加工されて形成された第1の嵌合部が設けられ
ており、一対のボイド管部半体部の他方の側面側の端部
には、一対のボイド管部半体部の一方の側面側の端部に
第1の嵌合部と嵌合可能な、他方のボイド管部半体部の
内表面側に折り曲げ加工されて形成された第2の嵌合部
が設けられている。
【0032】このボイド管では、一対のボイド管部半体
部の一方の側面側の端部に第1の嵌合部を設け、他方の
側面側の端部に第2の嵌合部を設け、第1の嵌合部と第
2の嵌合部とが嵌合できるようにしているので、第1の
嵌合部と第2の嵌合部とを嵌合させてから、一対のボイ
ド管部半体部を組み合わせて円筒形状にすることで、一
対のボイド管部半体部を組み合わせて円筒形状にする作
業を、極めて簡単に、行える。
【0033】請求項3に記載のボイド管は、請求項1又
は請求項2に記載のボイド管の、一対のボイドキャップ
の各々の鍔体部には、一対の対向配置されるコンクリー
ト型枠の内面の各々に、釘部材を用いて、一対のボイド
キャップの各々取り付ける際に、釘部材を挿通する挿通
孔が、概ね等しい間隔を隔てて、3個以上設けられてい
る。
【0034】このボイド管では、一対のボイドキャップ
の各々に鍔体部を設け、更に、この鍔体部の各々に、釘
部材を挿通する挿通孔を、概ね等しい間隔を隔てて、3
個以上設けている。これにより、コンクリート型枠の所
定の目標位置に、ボイドキャップを取り付ける際に、コ
ンクリート型枠への取り付け後において、ボイドキャッ
プの鍔体部の天頂位置にくる、挿通孔を、コンクリート
型枠の、ボイドキャップを取り付ける目標位置に配置
し、この挿通孔に挿通した釘部材により、ボイドキャッ
プをコンクリート型枠に仮止めすることで、ボイドキャ
ップの鍔体部に設けられている残りの挿通孔の中の少な
くとも1個の挿通孔に挿通した釘部材により、ボイドキ
ャップをコンクリート型枠に容易に本止めすることがで
きる。この結果、コンクリート型枠の所定の位置へのボ
イドキャップの取り付け作業を簡単に行える。
【0035】請求項4に記載のボイド管は、請求項1〜
3のいずれかに記載のボイド管の、一対のボイドキャッ
プの各々に、施工業者等が各々のボイドキャップを持つ
ための軸体を、取り外し可能な強度で取り付けている。
【0036】軸体と、ボイドキャップとの接着強度は、
一概に定義できないが、軸体と、ボイドキャップとの接
着強度の調整は、公知の溶接技術(例えば、スポット溶
接等)又は接着技術(用いる接着剤の接着強度又は接着
剤の単位面積当たりの塗布量又は塗布方法)を工夫すれ
ば、容易に実現できる。
【0037】このボイド管では、一対のボイドキャップ
の各々に、各々のボイドキャップを持つための軸体を設
けているので、コンクリート型枠の所定の位置へボイド
キャップの取り付ける際には、施工業者等は、この軸体
を持つことで、コンクリート型枠の所定の位置へボイド
キャップを簡単に取り付けることができる。
【0038】のみならず、各々の軸体を、ボイドキャッ
プの各々に、取り外し可能な強度で取り付けているの
で、コンクリート型枠の所定の目標位置へボイドキャッ
プを取り付けた後には、軸体をボイドキャップから容易
に取り外すことができる。
【0039】これにより、一対のボイドキャップの各々
のコンクリート型枠の各々への取付作業が終了した後に
は、各々の軸体を、一対のボイドキャップの各々から取
り外すことで、一対のボイドキャップの各々への一対の
ボイド管部半体部の取付作業を簡単に行える。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るボイド管の好
ましい例を、図面を参照しながら、更に詳しく説明す
る。
【0041】図1は、本発明に係るボイド管の一例を概
略的に示す斜視図である。
【0042】このボイド管1は、一対のボイドキャップ
2、2と、この一対のボイドキャップ2、2と組み合わ
せて使用するボイド管部3とを備える。
【0043】一対のボイドキャップ2、2の各々は、筒
状体部2aと、筒状体部2aの一端に、筒状体部2aの
外周方向に外方に張り出すように設けられた鍔体部2b
とを備える。
【0044】一対のボイドキャップ2、2の各々の鍔体
部2bには、概ね等しい間隔を隔てて、釘部材を挿通す
る挿通孔h・・・が設けられている。
【0045】ボイド管部3は、一対の別個独立に設けら
れたボイド管部半体部3a、3bを備える。
【0046】ボイド管部半体部3a、3bの各々は、一
対のボイドキャップ2、2の各々の筒状体部2b、2b
の各々の外周面より緩やかな曲率を有している。
【0047】更に、この例では、一対のボイド管部半体
部3a、3bの一方のボイド管部半体部3aには、その
側面側の端部には、一方のボイド管部半体部3aの外表
面側に折り曲げ加工されて形成された第1の嵌合部ga
が設けられている。
【0048】一対のボイド管部半体部3a、3bの他方
のボイド管部半体部3bには、その側面側の端部には、
ボイド管部半体部3bの内表面側に折り曲げ加工されて
形成された第2の嵌合部gbが設けられている。
【0049】第2の嵌合部gbは、第1の嵌合部gaと
嵌合可能になっている。
【0050】より特定的に説明すると、この例では、ボ
イド管部半体部3bの内表面と、ボイド管部半体部3b
の内表面側に折り曲げ加工された折曲片とにより形成さ
れる空間に、ボイド管部半体部3aの外表面側に折り曲
げ加工され折曲片が嵌合するようになっている。
【0051】尚、図1中、4で示す部材は、施工業者等
が、各々のボイドキャップを持ちやすくするために設け
られた軸体を示している。
【0052】尚、この軸体4は、必要により設けられる
ものであって、本発明においては、必ずしも必須の構成
部材ではない。
【0053】この軸体4、4の各々は、ボイドキャップ
2、2の各々に、接着止め又は溶接止めされている。
【0054】より具体的に説明すると、軸体4、4の各
々は、ボイドキャップ2、2の各々の筒状体部2a、2
aの鍔体部2b、2bが形成されている側と反対側の端
部に、筒状体部2a、2aの各々の中空部に橋渡しされ
るように、接着止め又は溶接止めされている。
【0055】また、この軸体4、4の各々の筒状体部2
a、2aの各々に対する接着強度又は溶接強度は、人の
力で、ボイドキャップ2、2の各々から軸体4、4の各
々を簡単に取り外すことができる程度の強度に調整され
ている。
【0056】一対のボイド管部半体部3a、3bの各々
は、一対のボイドキャップ2、2の各々の筒状体部2
a、2aの外周面より緩やかな曲率を有している。
【0057】尚、このボイド管1は、通常、一対のボイ
ドキャップ2、2の各々、一対のボイド管部半体部3
a、3bの各々は、ばらした状態にされており、コンク
リート構造物に配管を形成する際に、組み立てて使用す
るようにされている。
【0058】また、この例では、ボイドキャップ2、2
として、トタン板、ブリキ板等の金属板を折り曲げ加工
と溶接加工とを用いて作製したものを用いているが、ボ
イドキャップ2、2としては、金属材料を鋳造法を用い
て作製したものであっても良く、また、合成樹脂を射出
成形法等を用いて作製したものであっても良い。
【0059】また、この例では、ボイド管部半体部3
a、3bとして、トタン板、ブリキ板等の金属板を折り
曲げ加工を用いて作製したものを用いている。
【0060】次に、このボイド管1の使用方法(施工方
法)を、例示的に、説明する。
【0061】図2〜図5は、このボイド管1の施工方法
を例示的に説明する説明図である。
【0062】尚、図2〜図4では、本発明の理解を容易
とするために、紙面中、手前側に表されるコンクリート
型枠Bについては、想像線で表している。
【0063】また、図2〜図5中、spで示す部材は、
鉄筋構造物の高さ調整のために、必要により設けられる
スペーサ(この例では、コンクリートブロック)を示し
ている。
【0064】このボイド管1は、コンクリート構造物に
配管を形成する現場までは、通常、一対のボイドキャッ
プ2、2の各々、一対のボイド管部半体部3a、3bの
各々は、ばらした状態で搬送される。
【0065】ボイド管を設置する場所には、図2(a)
に示すように、一般に、コンクリートを流し込むための
コンクリート型枠B、Bが設置され、対向配置されてい
る一対のコンクリート型枠B、Bの間には、既に、鉄筋
fo・・・,f・・・が組み合わされた鉄筋構造物Fが
配設されている。
【0066】鉄筋構造物Fと、コンクリート型枠B、B
の各々との間には、隙間G、Gがあるので、このボイド
管1の施工業者は、まず、隙間G、Gの各々を利用し
て、コンクリート型枠B、Bの各々に、一対のボイドキ
ャップ2、2の各々を取り付ける。
【0067】この時、施工業者等は、コンクリート型枠
B、Bの各々の所定の目標位置に、ボイドキャップ2、
2の各々を取り付ける際に、コンクリート型枠B、Bの
各々への取り付け後において、ボイドキャップ2、2の
各々の鍔体部2b、2bの各々の天頂位置にくる、挿通
孔ht、htの各々を、コンクリート型枠B、Bの各々
の、ボイドキャップ2、2の各々を取り付ける目標位置
に配置する。
【0068】次いで、施工業者等は、このボイドキャッ
プ2、2の各々の鍔体部2bに設けた挿通孔htに挿通
した釘部材nにより、ボイドキャップ2、2の各々をコ
ンクリート型枠B、Bの各々に仮止めする。
【0069】尚、ボイド管1のボイドキャップ2、2の
各々に、軸体4、4が設けられている場合にあっては、
施工業者等は、軸体4、4を手指で持つことにより、ボ
イドキャップ2、2の各々を、コンクリート型枠B、B
の各々の所定の目標位置に、容易に位置合わせすること
ができる。
【0070】その後、施工業者等は、ボイドキャップ
2、2の各々の鍔体部2b、2bの各々に設けられてい
る残りの挿通孔h・・・の中の少なくとも1個の挿通孔
に挿通した釘部材により、ボイドキャップ2、2の各々
をコンクリート型枠B、Bの各々に本止めする。
【0071】また、一対のコンクリート型枠B、Bの各
々に、ボイドキャップ2、2の各々を仮止めしていた釘
部材n、nを本止めする。
【0072】尚、ボイド管1のボイドキャップ2、2の
各々に、軸体4、4が設けられている場合にあっては、
ボイドキャップ2、2の各々をコンクリート型枠B、B
の各々に本止めした後に、ボイドキャップ2、2の各々
から軸体4、4の各々を取り外す。
【0073】次に、図2(b)に示すように、一対のボ
イド管部半体部3a、3bの各々を、重ね合わせる。
【0074】より具体的に説明すると、この例では、一
対のボイド管部半体部3a、3bの他方のボイド管部半
体部3bの内面に、一方のボイド管部半体部3aの外面
が向き合うように重ね合わせている。
【0075】このように、一対のボイド管部半体部3
a、3bを重ね合わせて、その体積を小さくすれば、コ
ンクリート型枠B、Bの一方と鉄筋との間の隙間G、鉄
筋fo・・・、f・・・同士の隙間、及び、コンクリー
ト型枠Bの他方と鉄筋との間の隙間Gfを通して、一対
のボイド管部半体部3a、3bを目的とする場所に送り
込んでいる。
【0076】より具体的に説明すると、この例では、一
対のボイド管部半体部3a、3bを重ね合わせて、鉄筋
fo・・・、f・・・同士の隙間Gfを通して、一対の
ボイド管部半体部3a、3bを鉄筋構造物F内に送り込
んでいる。
【0077】尚、ここでは、一対のボイド管部半体部3
a、3bを重ね合わせた状態にして、鉄筋構造物F内に
送り込んだ場合を例示したが、一対のボイド管部半体部
3a、3bは、鉄筋構造物F内へ、一枚ずつ順次送り込
むようにしてもよい。
【0078】次に、図3(a)及び図3(b)に示すよ
うに、一対のボイド管部半体部3a、3bを、必要によ
り、鉄筋構造物F内で回転させ、一対のボイド管部半体
部3a、3bの各々が、コンクリート型枠B、Bの各々
に取り付けられたボイドキャップ2、2の各々に橋渡さ
れるようにする。
【0079】次に、図4(a)に示すように、ボイド管
部半体部3bに対し、ボイド管部半体部3aを回転さ
せ、ボイド管部半体部3a、3bが、概ね円筒形状にな
るようにする。尚、ボイド管部半体部3aに対し、ボイ
ド管部半体部3bを回転させ、ボイド管部半体部3a、
3bが、概ね円筒形状になるようにしてもよい。
【0080】尚、この例では、ボイド管部半体部3aと
して、その側面側の端部に、ボイド管部半体部3aの外
表面側に折り曲げ加工されて形成された第1の嵌合部g
aを設けたものを用い、ボイド管部半体部3bとして、
その側面側の端部に、ボイド管部半体部3bの内表面側
に折り曲げ加工されて形成された第2の嵌合部gbを設
けたものを用いてるので、第1の嵌合部gaと第2の嵌
合部gbとを嵌合させることで、容易に、ボイド管部半
体部3a、3bが、概ね円筒形状にすることができる。
【0081】最後に、概ね円筒形状になるようにした、
緊締バンド等の締付具5を用いて、ボイドキャップ2、
2の各々の筒状体部2a、2aに、ボイド管部半体部3
a、3bを締め付けることで、コンクリート型枠B、B
へのボイド管1の取付作業が終了する(図4(b)を参
照)。
【0082】次に、図5に示すように、ボイド管1の取
付作業が終了したコンクリート型枠B、Bの間にコンク
リートMを流し込む。
【0083】次に、コンクリートMが硬化してきて、形
状保持性を示すようになった時点で、コンクリート型枠
B、Bを取り外す。
【0084】ボイドキャップ2、2は、コンクリート型
枠B、Bを取り外した際に、コンクリート型枠B、Bの
各々とともに、コンクリート構造物から除去される。
【0085】つぎに、コンクリート構造物中に残存して
いるボイド管部半体部3a、3bを、コンクリート構造
物から引き抜くことにより、コンクリート構造物中に、
配管スペースを形成する。
【0086】このボイド管1では、ボイド管部3を、別
個独立に設けられた、一対のボイド管部半体部3a、3
bとしている。これにより、一対の対向配置されるコン
クリート型枠B、Bの間に、既に、鉄筋fo・・・、f
・・・が配設されているような場合には、例えば、一対
のボイド管部半体部3a、3bを他方のボイド管部半体
部3bの内面に、一方のボイド管部半体部3aの外面が
向き合うように重ね合わせることで、ボイド管部3の体
積を、筒状体形状の場合より小さくすることができる。
【0087】このように、例えば、一対のボイド管部半
体部3a、3bを重ね合わせて、その体積を小さくすれ
ば、図7(b)と図2(b)との対比より明らかなよう
に、一対の対向配置されるコンクリート型枠B、Bの間
に、既に、鉄筋構造物Fが配設されているような場合に
あっても、鉄筋構造物Fを構成する鉄筋fo・・・を取
り外すことなく、コンクリート型枠B、Bの一方と鉄筋
との間の隙間G、鉄筋同士の隙間Gf、及び、コンクリ
ート型枠の他方と鉄筋との間の隙間Gを通して、一対の
ボイド管部半体部3a、3bを目的とする場所に送り込
むことができるので、従来のボイド管101の施工時に
行っていた、コンクリート型枠B、Bにボイド管を取り
付ける際に、邪魔になっている鉄筋fo・・・を一時取
り外してから、ボイド管101をコンクリート型枠B、
Bの間の所定の位置に取り付け、その後、取り外した鉄
筋fo・・・を、再度、元の状態に戻すといった、手間
のかかる作業が、不要になる。
【0088】これにより、ボイド管1のコンクリート型
枠B、Bへの取付作業が容易且つ簡単になり、作業効率
が改善する。
【0089】また、このボイド管1では、ボイド管部半
体部3a、3bの各々は、その内側より、ボイドキャッ
プ2、2の各々の筒状体部2a、2aによって支持され
ているため、このボイド管を取り付けた一対のコンクリ
ート型枠B、Bの間にコンクリートMを流し込んでも、
コンクリートMの重量により、ボイド管部3を形成して
いる一対のボイド管部半体部3a、3bの形状が変化す
ることがない。
【0090】これにより、コンクリート構造物中に、断
面が円形状の配管スペースを形成できる。
【0091】また、このボイド管1では、一対のボイド
管部半体部3a、3bの各々の曲率を、一対のボイドキ
ャップ2、2の筒状体部2a、2aの各々の外周面より
緩やかな形状にしている。
【0092】これにより、コンクリート構造物中に配管
スペースを形成すると、円筒形状に配置された、一対の
ボイド管部半体部3a、3bの各々は、その復元力によ
り、締結部材5及び硬化したコンクリート構造物に対し
広がる方向の力を持つため、配管スペースを形成する壁
として、高い機械的強度を示す。
【0093】したがって、このボイド管1を取り付けた
一対のコンクリート型枠B、Bの間にコンクリートMを
流し込んでも、コンクリートMの重量により、ボイド管
部3を形成している一対のボイド管部半体部3a、3b
の形状が変化することがない。
【0094】これによっても、コンクリート構造物中
に、断面が円形状の配管スペースを形成できる。
【0095】また、一対のボイドキャップ2、2の各々
として、鍔体部2b、2bを有するものを使用するよう
にしている。
【0096】このため、一対のボイドキャップ2、2の
各々の鍔体部2b、2bの各々をコンクリート型枠B、
Bの各々に取り付けると、コンクリート型枠B、Bの各
々と、一対のボイドキャップ2、2の各々の鍔体部2
b、2bの各々との接触面積が、鍔体部2b、2bが無
い場合に比べ、大きくなる。
【0097】したがって、コンクリートMを、このボイ
ド管1が取り付けられたコンクリート型枠B、B内に流
し込んでも、コンクリート型枠B、Bの各々と、一対の
ボイドキャップ2、2の各々の鍔体部2b、2bの各々
との接続部Ci、Ciから、ボイド管1内に、コンクリ
ートMが漏れ出すことがない。
【0098】この結果、一対のコンクリート型枠B、B
の間に、コンクリートMを流し込んだ後に、コンクリー
ト構造物中に、水道管や空調管やガス管等の配管スペー
スを形成する際に、ボイド管1内に漏れ出て硬化してい
るコンクリートを除去するという作業が不要となるた
め、ボイド管の施工作業が極めて簡単になる。
【0099】また、このボイド管1では、一対のボイド
管部半体部3a、3bの一方の側面側の端部に第1の嵌
合部gaを設け、他方の側面側の端部に第2の嵌合部g
bを設け、第1の嵌合部gaと第2の嵌合部gbとが嵌
合できるようにしているので、第1の嵌合部gaと第2
の嵌合部gbとを嵌合させてから、一対のボイド管部半
体部3a、3bを組み合わせて円筒形状にすることで、
一対のボイド管部半体部3a、3bを組み合わせて円筒
形状にする作業を、極めて簡単に、行える。
【0100】更に、このボイド管1では、一対のボイド
キャップ2、2の各々に鍔体部2b、2bを設け、更
に、この鍔体部2b、2bの各々に、釘部材nを挿通す
る挿通孔h・・・を、概ね等しい間隔を隔てて、3個以
上設けている。これにより、コンクリート型枠B、Bの
所定の目標位置に、ボイドキャップ2、2を取り付ける
際に、コンクリート型枠B、Bへの取り付け後におい
て、ボイドキャップ2、2の鍔体部2b、2bの天頂位
置にくる、挿通孔ht、htを、コンクリート型枠B、
Bの、ボイドキャップ2、2を取り付ける目標位置に位
置し、この挿通孔ht、htに挿通した釘部材nによ
り、ボイドキャップ2、2をコンクリート型枠B、Bに
仮止めすることで、ボイドキャップ2、2の鍔体部2
b、2bに設けられている残りの挿通孔h・・・の中の
少なくとも1個の挿通孔に挿通した釘部材により、ボイ
ドキャップ2、2をコンクリート型枠B、Bに容易に本
止めすることができる。この結果、コンクリート型枠
B、Bの各々の所定の位置へのボイドキャップ2、2の
各々の取り付け作業を簡単に行える。
【0101】更に、このボイド管1の、一対のボイドキ
ャップ2、2の各々に、各々のボイドキャップ2、2を
持つための軸体4、4を設けた場合には、コンクリート
型枠B、Bの各々の所定の位置へボイドキャップ2、2
の各々を取り付ける際には、施工業者等は、この軸体
4、4を持つことで、コンクリート型枠B、Bの各々の
所定の位置へボイドキャップ2、2の各々を簡単に取り
付けることができる。
【0102】のみならず、各々の軸体4、4を、ボイド
キャップ2、2の各々に、取り外し可能な強度で取り付
けているので、コンクリート型枠B、Bの各々の所定の
目標位置へボイドキャップ2、2の各々を取り付けた後
には、軸体4、4をボイドキャップ2、2から容易に取
り外すことができる。
【0103】これにより、一対のボイドキャップ2、2
の各々のコンクリート型枠B、Bの各々への取付作業が
終了した後には、軸体4、4の各々を、一対のボイドキ
ャップB、Bの各々から取り外すことで、一対のボイド
キャップ2、2の各々への一対のボイド管部半体部3
a、3bの取付作業を簡単に行える。
【0104】また、この例では、一対のボイドキャップ
2、2、及び、一対のボイド管部半体部3a、3bの各
々として金属製のものを用いているので、コンクリート
構造物中に配管スペースを形成した後、コンクリートが
硬化した後に、ボイド管1を取り除く必要が無い。これ
により、コンクリート構造物中への配管スペース形成作
業が極めて簡単な作業で済むようになる。
【0105】図6は、本発明に係るボイド管の他の一例
を概略的に示す斜視図である。
【0106】このボイド管1Aは、以下に示す点を除け
ば、ボイド管1の構成と同様であるので相当する部材装
置には、相当する参照符号を付して、その説明を省略す
る。
【0107】このボイド管1Aでは、一対のボイドキャ
ップ2、2の各々への軸体4A、4Aの各々の取付構造
が、ボイド管1と異なっている。
【0108】即ち、このボイド管1Aでは、ボイドキャ
ップ2の、鍔体部2b側の位置に、軸体4Aを、ボイド
キャップ2の筒状体部2aに内接するようにして、軸体
4Aを、施工業者等が、この軸体4Aを、筒状体部2a
から取り外し可能な強度で取り付けている。尚、ここで
は、一対のボイドキャップ2、2の一方側の軸体取付構
造について説明したが、一対のボイドキャップ2、2の
他方側の軸体取付構造も、一方側の軸体取付構造と同様
であるので、ここでの説明は省略する。
【0109】軸体4A、4Aの各々には、その中心部
(一対のボイドキャップ2、2の各々の中心でもある)
に、釘部材nを挿通する挿通孔hs、hsが設けられて
いる。
【0110】次に、このボイド管1Aの使用方法(施工
方法)を、例示的に、説明する。
【0111】このボイド管1Aも、ボイド管1と同様
に、コンクリート構造物に配管を形成する現場までは、
通常、一対のボイドキャップ2、2の各々、一対のボイ
ド管部半体部3a、3bの各々は、ばらした状態で搬送
される。
【0112】ボイド管を設置する場所には、図2(a)
に示すように、一般に、コンクリートを流し込むための
コンクリート型枠B、Bが設置され、対向配置されてい
る一対のコンクリート型枠B、Bの間には、既に、鉄筋
fo・・・,f・・・が組み合わされた鉄筋構造物Fが
配設されている。
【0113】鉄筋構造物Fと、コンクリート型枠B、B
の各々との間には、隙間G、Gがあるので、このボイド
管1の施工業者は、まず、隙間G、Gの各々を利用し
て、コンクリート型枠B、Bの各々に、一対のボイドキ
ャップ2、2の各々を取り付ける。
【0114】この時、施工業者等は、コンクリート型枠
B、Bの各々の所定の目標位置に、ボイドキャップ2、
2の各々を取り付ける際に、コンクリート型枠B、Bの
各々に設けられている、一対のボイドキャップ2、2の
各々を取り付ける位置を示す、取付位置指示マーク(図
示せず)、または、コンクリート型枠B、Bの各々の各
々から導出されている線(図示せず)に、まず、コンク
リート型枠B、Bの一方の取付位置指示マーク(図示せ
ず)又は線(図示せず)に、一対のボイドキャップ2の
一方の軸体4Aに設けられている挿通孔hを合わせるよ
うにした後、挿通孔hsを通じて、釘部材nの各々を、
コンクリート型枠Bへ打ち付けることで、一対のボイド
キャップ2、2の一方をコンクリート型枠B、Bの一方
に仮止めする。
【0115】その後、施工業者等は、ボイドキャップ
2、2の各々の鍔体部2b、2bの各々に設けられてい
る残りの挿通孔h・・・の中の少なくとも1個の挿通孔
に挿通した釘部材により、ボイドキャップ2、2の一方
をコンクリート型枠B、Bの一方に本止めする。
【0116】その後、ボイドキャップ2から軸体4Aを
取り外す。
【0117】また、同様にして、一対のボイドキャップ
2、2の他方を、コンクリート型枠B、Bの他方に本止
めした後、ボイドキャップ2から軸体4Aを取り外す。
【0118】以下、図2(b)〜図4において説明し
た、ボイド管1と同様の手順で、コンクリート構造物中
に配管スペースを形成する。
【0119】このボイド管1Aには、ボイドキャップ
2、2の各々を、コンクリート型枠B、Bの各々への位
置合わせが容易にできるという効果がある。
【0120】また、ボイド管は、一般に、大経口用から
小経口用まで、複数のタイプのボイド管があるが、本発
明に係るボイド管1、1Aでは、ボイド管部3を、一対
のボイド管部半体部3a、3bで形成するようにしてい
るため、ボイドキャップ2、2として、大経口用から小
経口用まで、複数のタイプのものを品揃えした場合であ
っても、ボイドキャップ2、2の品揃えの数に対応する
タイプの一対のボイド管部半体部3a、3bを品揃えす
る必要はなく、複数のタイプのボイドキャップ2、2の
中、いくつかのタイプ毎に対応させて、ボイド管部半体
部3a、3bのタイプを品揃えしておけばよい。
【0121】これにより、大経口用から小経口用まで、
複数のタイプのボイドキャップ2、2とを品揃えした場
合であっても、ボイド管部半体部3a、3bのタイプ
は、ボイドキャップ2、2のタイプに対応する種類を品
揃えする必要がないので、商品品揃えを簡単化できると
いう効果がある。
【0122】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、請求項1
に記載のボイド管では、ボイド管部を、別個独立に設け
られた、一対のボイド管部半体部としている。これによ
り、一対のボイド管部半体部を他方のボイド管部半体部
の内面に、一方のボイド管部半体部の外面が向き合うよ
うに重ね合わせることで、ボイド管部の体積を、筒状体
形状の場合より小さくすることができる。
【0123】このように、一対のボイド管部半体部を重
ね合わせて、その体積を小さくすれば、一対の対向配置
されるコンクリート型枠の間に、既に、鉄筋構造物が配
設されているような場合にあっても、鉄筋構造物を構成
する鉄筋を取り外すことなく、コンクリート型枠の一方
と鉄筋との間の隙間、鉄筋同士の隙間、及び、コンクリ
ート型枠の他方と鉄筋との間の隙間を通して、一対のボ
イド管部半体部を目的とする場所に送り込むことができ
るので、従来のボイド管の施工時に行っていた、コンク
リート型枠にボイド管を取り付ける際に、邪魔になって
いる鉄筋を一時取り外してから、ボイド管をコンクリー
ト型枠の間の所定の位置に取り付け、その後、取り外し
た鉄筋を、再度、元の状態に戻すといった、手間のかか
る作業が、不要になる。
【0124】これにより、ボイド管のコンクリート型枠
への取付作業が容易且つ簡単になり、作業効率が改善す
る。
【0125】また、このボイド管では、一対のボイド管
部半体部の各々が、その内側から、一対のボイドキャッ
プの各々の筒状体部によって支持されているため、この
ボイド管を取り付けた一対のコンクリート型枠の間にコ
ンクリートを流し込んでも、コンクリートの重量によ
り、ボイド管部を形成している一対のボイド管部半体部
の形状が変化することがない。
【0126】これにより、コンクリート構造物中に、断
面が円形状の配管スペースを形成できる。
【0127】また、このボイド管では、一対のボイド管
部半体部の各々の曲率を、一対のボイドキャップの筒状
体部の各々の外周面より緩やかな形状にしている。
【0128】これにより、コンクリート構造物中に配管
スペースを形成すると、円筒形状に配置された、一対の
ボイド管部半体部の各々は、その復元力により、締結部
材及び硬化したコンクリート構造物に対し広がる方向の
力を持つため、配管スペースを形成する壁として、高い
機械的強度を示す。
【0129】したがって、このボイド管を取り付けた一
対のコンクリート型枠の間にコンクリートを流し込んで
も、コンクリートの重量により、ボイド管部を形成して
いる一対のボイド管部半体部の形状が変化することがな
い。
【0130】これによっても、コンクリート構造物中
に、断面が円形状の配管スペースを形成できる。
【0131】また、このボイド管では、一対のボイドキ
ャップの各々として、鍔体部を有するものを使用するよ
うにしている。
【0132】このため、一対のボイドキャップの各々の
鍔体部をコンクリート型枠に取り付けると、コンクリー
ト型枠と、一対のボイドキャップの各々の鍔体部との接
触面積が、鍔体部が無い場合に比べ、大きくなる。
【0133】したがって、コンクリートを、このボイド
管が取り付けられたコンクリート型枠内に流し込んで
も、コンクリート型枠と鍔体部との接続部から、ボイド
管内に、コンクリートが漏れ出すことがない。
【0134】この結果、一対のコンクリート型枠の間
に、コンクリートを流し込んだ後に、コンクリート構造
物中に、水道管や空調管やガス管等の配管スペースを形
成する際に、ボイド管内に漏れ出て硬化しているコンク
リートを除去するという作業が不要となるため、ボイド
管の施工作業が極めて簡単になる。
【0135】請求項2に記載のボイド管では、一対のボ
イド管部半体部の一方の側面側の端部に第1の嵌合部を
設け、他方の側面側の端部に第2の嵌合部を設け、第1
の嵌合部と第2の嵌合部とが嵌合できるようにしている
ので、第1の嵌合部と第2の嵌合部とを嵌合させてか
ら、一対のボイド管部半体部を組み合わせて円筒形状に
することで、一対のボイド管部半体部を組み合わせて円
筒形状にする作業を、極めて簡単に、行える。
【0136】請求項3に記載のボイド管では、一対のボ
イドキャップの各々に鍔体部を設け、更に、この鍔体部
の各々に、釘部材を挿通する挿通孔を、概ね等しい間隔
を隔てて、3個以上設けている。これにより、コンクリ
ート型枠の所定の目標位置に、ボイドキャップを取り付
ける際に、コンクリート型枠への取り付け後において、
ボイドキャップの鍔体部の天頂位置にくる、挿通孔を、
コンクリート型枠の、ボイドキャップを取り付ける目標
位置に配置し、この挿通孔に挿通した釘部材により、ボ
イドキャップをコンクリート型枠に仮止めすることで、
ボイドキャップの鍔体部に設けられている残りの挿通孔
の中の少なくとも1個の挿通孔に挿通した釘部材によ
り、ボイドキャップをコンクリート型枠に容易に本止め
することができる。この結果、コンクリート型枠の所定
の位置へのボイドキャップの取り付け作業を簡単に行え
る。
【0137】請求項4に記載のボイド管では、一対のボ
イドキャップの各々に、各々のボイドキャップを持つた
めの軸体を設けているので、コンクリート型枠の所定の
位置へボイドキャップの取り付ける際には、施工業者等
は、この軸体を持つことで、コンクリート型枠の所定の
位置へボイドキャップを簡単に取り付けることができ
る。
【0138】のみならず、各々の軸体を、一対のボイド
キャップの各々に、取り外し可能な強度で取り付けてい
るので、コンクリート型枠の所定の目標位置へボイドキ
ャップを取り付けた後には、軸体をボイドキャップから
容易に取り外すことができる。
【0139】これにより、一対のボイドキャップの各々
のコンクリート型枠の各々への取付作業が終了した後に
は、各々の軸体を、一対のボイドキャップの各々から取
り外すことで、一対のボイドキャップの各々への一対の
ボイド管部半体部の取付作業を簡単に行える。
【0140】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るボイド管の一例を概略的に示す斜
視図である。
【図2】図1に示すボイド管の使用例を概略的に示す説
明図である。
【図3】図1に示すボイド管の使用例を概略的に示す説
明図である。
【図4】図1に示すボイド管の使用例を概略的に示す説
明図である。
【図5】図1に示すボイド管の使用例を概略的に示す説
明図である。
【図6】本発明に係るボイド管の他の一例を概略的に示
す斜視図である。
【図7】従来のボイド管の使用例を概略的に示す説明図
である。
【符号の説明】
1、1A ボイド管 2 ボイドキャップ 2a ボイドキャップの筒状体部 2b ボイドキャップの鍔体部 3 ボイド管部 3a、3b ボイド管部半体部 4、4A 軸体 5 締付具 ga 第1の嵌合部 gb 第2の嵌合部 h 挿通孔

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コンクリート構造物内に配管スペースを形
    成するボイド管であって、 一対のボイドキャップと、 前記一対のボイドキャップと組み合わせて使用するボイ
    ド管部とを備え、 前記一対のボイドキャップの各々は、 筒状体部と、 前記筒状体部の一端に、前記筒状体部の外周に外方に張
    り出すように設けられた鍔体部とを備え、 前記ボイド管部は、一対の別個独立に設けられたボイド
    管部半体部を備え、 前記一対のボイド管部半体部の各々は、前記一対のボイ
    ドキャップの各々の筒状体部の外周面より緩やかな曲率
    を有している、ボイド管。
  2. 【請求項2】前記一対のボイド管部半体部の一方の側面
    側の端部には、一方のボイド管部半体部の外表面側に折
    り曲げ加工されて形成された第1の嵌合部が設けられて
    おり、 前記一対のボイド管部半体部の他方の側面側の端部に
    は、前記一対のボイド管部半体部の一方の側面側の端部
    に設けられた第1の嵌合部と嵌合可能な、他方のボイド
    管部半体部の内表面側に折り曲げ加工されて形成された
    第2の嵌合部が設けられている、請求項1に記載のボイ
    ド管。
  3. 【請求項3】前記一対のボイドキャップの各々の鍔体部
    には、一対の対向配置されるコンクリート型枠の内面の
    各々に、釘部材を用いて、前記一対のボイドキャップの
    各々取り付ける際に、前記釘部材を挿通する挿通孔が、
    概ね等しい間隔を隔てて、3個以上設けられている、請
    求項1又は請求項2に記載のボイド管。
  4. 【請求項4】前記一対のボイドキャップの各々に、施工
    業者等が、各々のボイドキャップを持つための軸体を、
    取り外し可能な強度で取り付けている、請求項1〜3の
    いずれかに記載のボイド管。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6317493B1 (ja) * 2017-02-22 2018-04-25 健三 若林 鉄筋コンクリート梁の貫通管およびその施工方法

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