JP2001123234A - 金属−セラミックス複合材料の製造方法 - Google Patents

金属−セラミックス複合材料の製造方法

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JP2001123234A JP29898399A JP29898399A JP2001123234A JP 2001123234 A JP2001123234 A JP 2001123234A JP 29898399 A JP29898399 A JP 29898399A JP 29898399 A JP29898399 A JP 29898399A JP 2001123234 A JP2001123234 A JP 2001123234A
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保 原田
Hiroyuki Tsuto
宏之 津戸
Tatsuya Shiogai
達也 塩貝
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 剛性が高く浸透不良のない大型品を安価に作
製することができる金属−セラミックス複合材料の製造
方法を提供すること。 【解決手段】 セラミックス粉末にMg粉末を混合し、
その混合したセラミックス粉末で30体積%以上の粉末
充填率を有する複数個のプリフォームを形成し、それら
形成したプリフォーム同士の表面を接触させて所望の形
状に組み上げた後、その組み上げたプリフォームに溶融
したアルミニウム合金を窒素中で非加圧で浸透させるこ
とにより、アルミニウム合金で浸透されたプリフォーム
同士を接合することとした金属−セラミックス複合材料
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属−セラミック
ス複合材料の製造方法に関し、特に接合して大型品を作
製する金属−セラミックス複合材料の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、金属の高靭性、高熱伝導性とセラ
ミックスの高剛性、低熱膨張性を兼ね備えた材料として
金属−セラミックス複合材料が注目されている。この材
料の製造方法としては、粉末冶金法、高圧鋳造法、真空
鋳造法などが従来から知られているが、強化材であるセ
ラミックス粉末の含有量が制御できない、あるいは大型
の加圧装置が必要である、ニアネット成形が困難である
などの理由により、いずれも満足できず、またコストも
かかるものであった。これら問題を解決した金属−セラ
ミックス複合材料の製造方法として注目されているの
が、米国ランクサイド社が開発した非加圧金属浸透法
(PrimexTM)がある。
【0003】この製造方法は、SiCやAl23などの
セラミックス粉末で形成されたプリフォームにアルミニ
ウム合金を接触させ、これをN2雰囲気炉中で700〜
900℃に加熱して溶融したアルミニウム合金を浸透さ
せる方法であるが、これは、化学反応を利用してセラミ
ックス粉末と溶融金属との濡れ性を改善し、機械的な加
圧を行わくてもプリフォーム中に浸透できるという特徴
がある。本発明によれば、プリフォームの形状の自由度
が高いので、かなり複雑な形状をニアネットで作ること
も可能であり、かつ高価な加圧装置も不要であるので、
設備費が少なくて済み、かつニアネットシェイプに成形
して加工部分を減らせるので、コスト的にも有利であ
る。
【0004】これら製造方法で作製された複合材料は、
軽量、高剛性といった特徴に加え、さらに制振性が高い
という特徴がある。そのため、最近では振動の吸収が必
要な測定機器の定盤や高剛性が要求される重量物の土台
などの大型品への適用が求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
大型品を作製するに当たっては、セラミックス粉末を溶
融したアルミニウム合金中に混ぜ、鋳型に流し込む鋳造
法で製造すれば、大型品を作製することはできるが、こ
の大型品ではセラミックス粉末の充填率が低く、十分な
剛性を確保できないという問題があった。
【0006】また、先の非加圧浸透法で製造すれば、セ
ラミックス粉末の充填率を高くすることができるので、
十分な剛性を確保した複合材料は作製できるが、その大
型品を作製するには溶融金属の浸透に長時間を必要とす
るので、浸透不良が生じる確率が高く、またコスト的に
も問題があった。
【0007】本発明は、上述した金属−セラミックス複
合材料の製造方法が有する課題に鑑みなされたものであ
って、その目的は、剛性が高く浸透不良のない大型品を
安価に作製することができる金属−セラミックス複合材
料の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するため鋭意研究した結果、Mg粉末を含ませた
複数のプリフォームを形成し、その複数のプリフォーム
を組み上げて大型に成し、それにアルミニウム合金を浸
透させてプリフォーム同士を接合すれば、剛性が高く浸
透不良のない大型品を安価に作製できるとの知見を得て
本発明を完成するに至った。
【0009】即ち本発明は、セラミックス粉末にMg粉
末を混合し、その混合したセラミックス粉末で30体積
%以上の粉末充填率を有する複数個のプリフォームを形
成し、それら形成したプリフォーム同士の表面を接触さ
せて所望の形状に組み上げた後、その組み上げたプリフ
ォームに溶融したアルミニウム合金を窒素中で非加圧で
浸透させることにより、アルミニウム合金で浸透された
プリフォーム同士を接合することを特徴とする金属−セ
ラミックス複合材料の製造方法とすることを要旨とす
る。以下さらに詳細に説明する。
【0010】この製造方法は、30体積%以上の粉末充
填率を有するプリフォームを形成することで高い剛性を
確保することができ、そのプリフォーム中にMg粉末を
含ませることで溶融されたアルミニウム合金の浸透時間
を短縮すると同時に浸透不良をなくすことができ、その
形成された複数のプリフォームを所望の形状に組み上げ
ることで大型化することができ、その組み上げたプリフ
ォーム中に溶融されたアルミニウム合金を浸透させるこ
とでアルミニウム合金で浸透されたプリフォーム同士を
接合することができ、その結果、剛性の高い浸透不良の
ない金属−セラミックス複合材料の大型品を安価に作製
することができる製造方法となる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法をさらに詳しく
述べると、先ずセラミックス粉末としてSiC、Al2
3、AlNなどのセラミックス粉末を用意する。これ
らセラミックス粉末に浸透促進剤としてMg粉末を添加
し、そのセラミックス粉末で複数個のプリフォームを形
成する。
【0012】プリフォームの形成方法としては、慣用の
方法を用いることができる。例えば、セラミックス粉末
に水あるいはセラミックス粉末と反応を起こさない有機
溶媒を加え、これにバインダーを加え混合してスラリー
とし、フィルタープレスにより形成する方法や、セラミ
ックス粉末にバインダーを加え、混合した粉末をプレス
により形成する方法などが挙げられる。
【0013】次いで、形成した複数個のプリフォームを
その接合面を接触させて組み上げる。接合面は表面処理
をしなくても構わないが、平面度をよくして接触を良好
にするために、また複雑形状も可能な所望の形状に組み
上げるために機械加工を行っても差し支えない。接合面
以外はアルミニウム合金の染み出しを抑えるためにカー
ボンスラリーを塗布するのが好ましい。
【0014】組み上げたプリフォームにアルミニウム合
金を接触させ、それをN2雰囲気炉中で700〜900
℃の温度に加熱処理することによってアルミニウム合金
を溶融し、浸透させると同時にアルミニウム合金で浸透
されたプリフォーム同士を接合することにより、金属−
セラミックス複合材料から成る大型品を作製する。
【0015】以上の方法で金属−セラミックス複合材料
を作製すれば、剛性が高く浸透不良のない大型の複合材
料を安価に作製することができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と共に具体的
に挙げ、本発明をより詳細に説明する。
【0017】(実施例1) (1)金属−セラミックス複合材料の作製 強化材として市販のSiC粉末A(信濃電気精錬社製
GC#180、平均粒径66μm)とSiC粉末B(信
濃電気精錬社製 GC#800、平均粒径14μm)と
を6:4で混合し、その粉末100重量部に、Mg粉末
(山石金属社製#100、平均粒径125μm)を3重
量部加え、これにさらにバインダーとしてPVA(ポリ
ビニルアルコール、積水化学社製)を5重量部加え、混
合した後、それを金型に充填して25kg/cm2の圧
力でプレスして150×200×t50mmのプリフォ
ームを4個形成した。
【0018】得られたプリフォームを4段に重ね、15
0×200×t200mmの組み上げたプリフォームを
形成し、その側面と下面にアルミニウム合金の染み出し
を抑えるためにカーボンスラリーを塗布した後、その上
面にプリフォーム重量と同量のAl−10Si−5Mg
を組み合わせて電気炉に入れ、N2気流中で825℃の
温度で24時間加熱処理し、冷却して複合材料を作製し
た。
【0019】(2)評価 得られたプリフォームの寸法、重量よりセラミックス粉
末の充填率を算出した。その結果、50体積%であっ
た。また、得られた複合材料から3×4×40mmの試
験片を切り出し、共振法でヤング率を測定した。さら
に、得られた複合材料を切断し、その切断面を目視観察
し、アルミニウム合金の浸透状態及び接合面の不具合状
態を調べた。それらの結果を表1に示す。
【0020】(実施例2〜6)実施例2では、形成する
プリフォームの大きさを400×400×t25mmと
し、これらを2段組み上げて400×400×t50m
mの組み上げたプリフォームとした他は、実施例3で
は、形成するプリフォームの大きさを150×100×
t50mmと、50×100×t50mmとし、これら
をゲタ状に組み上げて図1に示す組み上げたプリフォー
ムとした他は、実施例4では、プリフォームの大きさを
200×100×t35mmと、100×100×t3
5mmとし、これらをレンガ状に組み上げて図2に示す
組み上げたプリフォームとした他は、実施例5では、用
いるセラミックス粉末をAl23粉末(太平洋ランダム
社製LA#400、平均粒径30μm)とした他は、実
施例6では、用いるセラミックス粉末をAlN粉末(東
洋アルミニウム社製 R15、平均粒径15μm)とし
た他は実施例1と同様に複合材料を作製し、評価した。
それらの結果も表1に示す。
【0021】(比較例1〜3)比較のために比較例1で
は、プリフォーム中にMg粉末を含まないこととした他
は実施例1と同様に、比較例2では、プリフォーム中に
Mg粉末を含まないこととした他は実施例4と同様に、
比較例3では、SiC粉末(GC#180)にAl粉末
(平均粒径50μm)を加えてSiC粉末の充填率を2
5体積%にした他は実施例1と同様に複合材料を作製
し、評価した。その結果も表1に示す。
【0022】表1から明らかなように、実施例では全て
未浸透部分のない、接合不良部分のない、剛性の高い大
型の複合材料となっていた。このことは、本発明の方法
で複合材料を作製すれば、剛性が高く浸透不良のない大
型の複合材料とすることができることを示している。
【0023】これに対して、比較例1では、プリフォー
ム中にMgを含んでいないので、浸透時間を72時間と
延長しても浸透させた面より100mmの高さしか浸透
せず、また浸透された部分にも未浸透部分が多数見られ
た。また、比較例2では、やはりプリフォーム中にMg
粉末を含んでいないので、浸透させた面より50mmの
高さしか浸透せず、また浸透された部分にも未浸透部分
が多数見られた。さらに、比較例3では、SiC粉末の
充填率が低すぎたので、ヤング率が大幅に低下してい
た。
【0024】
【発明の効果】以上の通り、本発明の金属−セラミック
ス複合材料であれば、剛性の高い、浸透不良のない大型
の複合材料とすることができるようになった。このこと
により、剛性の高い複合材料の大型品を所望の形状に問
題なく安価に提供することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3で述べる組み上げたプリフォームを示
す。
【図2】実施例4で述べる組み上げたプリフォームを示
す。
【表1】
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年1月12日(2000.1.1
2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属−セラミック
ス複合材料の製造方法に関し、特に接合して大型品を作
製する金属−セラミックス複合材料の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、金属の高靭性、高熱伝導性とセラ
ミックスの高剛性、低熱膨張性を兼ね備えた材料として
金属−セラミックス複合材料が注目されている。この材
料の製造方法としては、粉末冶金法、高圧鋳造法、真空
鋳造法などが従来から知られているが、強化材であるセ
ラミックス粉末の含有量が制御できない、あるいは大型
の加圧装置が必要である、ニアネット成形が困難である
などの理由により、いずれも満足できず、またコストも
かかるものであった。これら問題を解決した金属−セラ
ミックス複合材料の製造方法として注目されているの
が、米国ランクサイド社が開発した非加圧金属浸透法
(PrimexTM)がある。
【0003】この製造方法は、SiCやAlなど
のセラミックス粉末で形成されたプリフォームにアルミ
ニウム合金を接触させ、これをN雰囲気炉中で700
〜900℃に加熱して溶融したアルミニウム合金を浸透
させる方法であるが、これは、化学反応を利用してセラ
ミックス粉末と溶融金属との濡れ性を改善し、機械的な
加圧を行わくてもプリフォーム中に浸透できるという特
徴がある。本発明によれば、プリフォームの形状の自由
度が高いので、かなり複雑な形状をニアネットで作るこ
とも可能であり、かつ高価な加圧装置も不要であるの
で、設備費が少なくて済み、かつニアネットシェイプに
成形して加工部分を減らせるので、コスト的にも有利で
ある。
【0004】これら製造方法で作製された複合材料は、
軽量、高剛性といった特徴に加え、さらに制振性が高い
という特徴がある。そのため、最近では振動の吸収が必
要な測定機器の定盤や高剛性が要求される重量物の土台
などの大型品への適用が求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
大型品を作製するに当たっては、セラミックス粉末を溶
融したアルミニウム合金中に混ぜ、鋳型に流し込む鋳造
法で製造すれば、大型品を作製することはできるが、こ
の大型品ではセラミックス粉末の充填率が低く、十分な
剛性を確保できないという問題があった。
【0006】また、先の非加圧浸透法で製造すれば、セ
ラミックス粉末の充填率を高くすることができるので、
十分な剛性を確保した複合材料は作製できるが、その大
型品を作製するには溶融金属の浸透に長時間を必要とす
るので、浸透不良が生じる確率が高く、またコスト的に
も問題があった。
【0007】本発明は、上述した金属−セラミックス複
合材料の製造方法が有する課題に鑑みなされたものであ
って、その目的は、剛性が高く浸透不良のない大型品を
安価に作製することができる金属−セラミックス複合材
料の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するため鋭意研究した結果、Mg粉末を含ませた
複数のプリフォームを形成し、その複数のプリフォーム
を組み上げて大型に成し、それにアルミニウム合金を浸
透させてプリフォーム同士を接合すれば、剛性が高く浸
透不良のない大型品を安価に作製できるとの知見を得て
本発明を完成するに至った。
【0009】即ち本発明は、セラミックス粉末にMg粉
末を混合し、その混合したセラミックス粉末で30体積
%以上の粉末充填率を有する複数個のプリフォームを形
成し、それら形成したプリフォーム同士の表面を接触さ
せて所望の形状に組み上げた後、その組み上げたプリフ
ォームに溶融したアルミニウム合金を窒素中で非加圧で
浸透させることにより、アルミニウム合金で浸透された
プリフォーム同士を接合することを特徴とする金属−セ
ラミックス複合材料の製造方法とすることを要旨とす
る。以下さらに詳細に説明する。
【0010】この製造方法は、30体積%以上の粉末充
填率を有するプリフォームを形成することで高い剛性を
確保することができ、そのプリフォーム中にMg粉末を
含ませることで溶融されたアルミニウム合金の浸透時間
を短縮すると同時に浸透不良をなくすことができ、その
形成された複数のプリフォームを所望の形状に組み上げ
ることで大型化することができ、その組み上げたプリフ
ォーム中に溶融されたアルミニウム合金を浸透させるこ
とでアルミニウム合金で浸透されたプリフォーム同士を
接合することができ、その結果、剛性の高い浸透不良の
ない金属−セラミックス複合材料の大型品を安価に作製
することができる製造方法となる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法をさらに詳しく
述べると、先ずセラミックス粉末としてSiC、Al
、AlNなどのセラミックス粉末を用意する。これ
らセラミックス粉末に浸透促進剤としてMg粉末を添加
し、そのセラミックス粉末で複数個のプリフォームを形
成する。
【0012】プリフォームの形成方法としては、慣用の
方法を用いることができる。例えば、セラミックス粉末
に水あるいはセラミックス粉末と反応を起こさない有機
溶媒を加え、これにバインダーを加え混合してスラリー
とし、フィルタープレスにより形成する方法や、セラミ
ックス粉末にバインダーを加え、混合した粉末をプレス
により形成する方法などが挙げられる。
【0013】次いで、形成した複数個のプリフォームを
その接合面を接触させて組み上げる。接合面は表面処理
をしなくても構わないが、平面度をよくして接触を良好
にするために、また複雑形状も可能な所望の形状に組み
上げるために機械加工を行っても差し支えない。接合面
以外はアルミニウム合金の染み出しを抑えるためにカー
ボンスラリーを塗布するのが好ましい。
【0014】組み上げたプリフォームにアルミニウム合
金を接触させ、それをN雰囲気炉中で700〜900
℃の温度に加熱処理することによってアルミニウム合金
を溶融し、浸透させると同時にアルミニウム合金で浸透
されたプリフォーム同士を接合することにより、金属−
セラミックス複合材料から成る大型品を作製する。
【0015】以上の方法で金属−セラミックス複合材料
を作製すれば、剛性が高く浸透不良のない大型の複合材
料を安価に作製することができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と共に具体的
に挙げ、本発明をより詳細に説明する。
【0017】(実施例1) (1)金属−セラミックス複合材料の作製 強化材として市販のSiC粉末A(信濃電気精錬社製
GC#180、平均粒径66μm)とSiC粉末B(信
濃電気精錬社製 GC#800、平均粒径14μm)と
を6:4で混合し、その粉末100重量部に、Mg粉末
(山石金属社製#100、平均粒径125μm)を3重
量部加え、これにさらにバインダーとしてPVA(ポリ
ビニルアルコール、積水化学社製)を5重量部加え、混
合した後、それを金型に充填して25kg/cmの圧
力でプレスして150×200×t50mmのプリフォ
ームを4個形成した。
【0018】得られたプリフォームを4段に重ね、15
0×200×t200mmの組み上げたプリフォームを
形成し、その側面と下面にアルミニウム合金の染み出し
を抑えるためにカーボンスラリーを塗布した後、その上
面にプリフォーム重量と同量のAl−10Si−5Mg
を組み合わせて電気炉に入れ、N気流中で825℃の
温度で24時間加熱処理し、冷却して複合材料を作製し
た。
【0019】(2)評価 得られたプリフォームの寸法、重量よりセラミックス粉
末の充填率を算出した。その結果、50体積%であっ
た。また、得られた複合材料から3×4×40mmの試
験片を切り出し、共振法でヤング率を測定した。さら
に、得られた複合材料を切断し、その切断面を目視観察
し、アルミニウム合金の浸透状態及び接合面の不具合状
態を調べた。それらの結果を表1に示す。
【0020】(実施例2〜6)実施例2では、形成する
プリフォームの大きさを400×400×t25mmと
し、これらを2段組み上げて400×400×t50m
mの組み上げたプリフォームとした他は、実施例3で
は、形成するプリフォームの大きさを150×100×
t50mmと、50×100×t50mmとし、これら
をゲタ状に組み上げて図1に示す組み上げたプリフォー
ムとした他は、実施例4では、プリフォームの大きさを
200×100×t35mmと、100×100×t3
5mmとし、これらをレンガ状に組み上げて図2に示す
組み上げたプリフォームとした他は、実施例5では、用
いるセラミックス粉末をAl粉末(太平洋ランダ
ム社製LA#400、平均粒径30μm)とした他は、
実施例6では、用いるセラミックス粉末をAlN粉末
(東洋アルミニウム社製 R15、平均粒径15μm)
とした他は実施例1と同様に複合材料を作製し、評価し
た。それらの結果も表1に示す。
【0021】(比較例1〜3)比較のために比較例1で
は、プリフォーム中にMg粉末を含まないこととした他
は実施例1と同様に、比較例2では、プリフォーム中に
Mg粉末を含まないこととした他は実施例4と同様に、
比較例3では、SiC粉末(GC#180)にAl粉末
(平均粒径50μm)を加えてSiC粉末の充填率を2
5体積%にした他は実施例1と同様に複合材料を作製
し、評価した。その結果も表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】表1から明らかなように、実施例では全て
未浸透部分のない、接合不良部分のない、剛性の高い大
型の複合材料となっていた。このことは、本発明の方法
で複合材料を作製すれば、剛性が高く浸透不良のない大
型の複合材料とすることができることを示している。
【0024】これに対して、比較例1では、プリフォー
ム中にMgを含んでいないので、浸透時間を72時間と
延長しても浸透させた面より100mmの高さしか浸透
せず、また浸透された部分にも未浸透部分が多数見られ
た。また、比較例2では、やはりプリフォーム中にMg
粉末を含んでいないので、浸透させた面より50mmの
高さしか浸透せず、また浸透された部分にも未浸透部分
が多数見られた。さらに、比較例3では、SiC粉末の
充填率が低すぎたので、ヤング率が大幅に低下してい
た。
【0025】
【発明の効果】以上の通り、本発明の金属−セラミック
ス複合材料であれば、剛性の高い、浸透不良のない大型
の複合材料とすることができるようになった。このこと
により、剛性の高い複合材料の大型品を所望の形状に問
題なく安価に提供することができるようになった。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3で述べる組み上げたプリフォームを示
す。
【図2】実施例4で述べる組み上げたプリフォームを示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塩貝 達也 東京都江東区清澄1−2−23 太平洋セメ ント株式 会社 研究本部 清澄研究所 Fターム(参考) 4K018 AA14 AB04 DA19 DA31 JA32 KA55 4K020 AA22 AC01 AC09 BA02 BB02

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックス粉末にMg粉末を混合し、
    その混合したセラミックス粉末で30体積%以上の粉末
    充填率を有する複数個のプリフォームを形成し、それら
    形成したプリフォーム同士の表面を接触させて所望の形
    状に組み上げた後、その組み上げたプリフォームに溶融
    したアルミニウム合金を窒素中で非加圧で浸透させるこ
    とにより、アルミニウム合金で浸透されたプリフォーム
    同士を接合することを特徴とする金属−セラミックス複
    合材料の製造方法。
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