JP2001123099A - ベシクル技術を利用して下刷りすることにより染料ベースのインクの彩度とエッジ明瞭度を高める方法 - Google Patents

ベシクル技術を利用して下刷りすることにより染料ベースのインクの彩度とエッジ明瞭度を高める方法

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    • C09D11/54Inks based on two liquids, one liquid being the ink, the other liquid being a reaction solution, a fixer or a treatment solution for the ink

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 彩度及びエッジ明瞭度が増大され、且つカラ
ー−カラーブリードが低減されたインクジェット印刷用
染料ベースのインクを提供する。 【解決手段】 第1の符号の電荷を有する少なくとも1
つの水溶性染料と少なくとも1つの界面活性剤から形成
されるベシクルとを含有する水性の染料ベースインクで
あって、前記ベシクルは、2個又は偶数個の単層がその
内部と外部の境界を定める壁を形成するように背面と背
面で接続された二重層壁を包含し、前記水溶性染料は、
前記ベシクルの前記内部と前記外部との間に主に分布さ
れる、水性の染料ベースインク。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットイ
ンクに関し、より詳細には、彩度(chroma)とエッジ明瞭
度(edge acuity)を高めると同時に、カラー−カラーブ
リード、耐水堅牢性、複合ブラックの光学濃度を改善
し、且つ裏抜け(strikethrough)を軽減するためのイン
クジェットインク組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットのより良好な画像品質に
おいて少なからぬ要求が存在する。品質の劣ったエッジ
明瞭度、カラー−カラーブリード及び低い彩度並びに、
低い耐水堅牢性及びはみ出し汚れ(smudge)は、インクジ
ェットの主たる欠点であると考えられ、本発明は、これ
らの問題を扱う。
【0003】インクが染料ベース又は顔料ベースであり
得ることは周知である。染料ベースのインクにおいて、
着色剤は分子分散状態で存在する。顔料ベースのインク
においては、固体着色剤がインクビヒクル中で懸濁され
る。染料及び顔料ベースのインクの両方に、それぞれの
利点と欠点がある。例えば、染料ベースのインクは鮮や
かな濃い色を呈する。あざやかな色は、比較的少量のイ
ンク容量で達成され得るため、乾燥が比較的短時間であ
り、印刷物には、はみ出し汚れ、しわ及びカールが少な
い。他方、顔料インクは、比較的くすんだ色で特徴付け
られるが、より良好なエッジ明瞭度、裏抜け及び耐水堅
牢性を有する。
【0004】カラーの鮮やかさ、エッジ明瞭度、耐水堅
牢性及びブリードを改善するために、幾つかの技法が試
みられてきた。そうした技法の1つが下刷り(underprin
ting)であり、これは、紙表面に対して着色剤を層に
し、ウィッキング(wicking)を低減し、且つカラー性能
を改善するのに役立つ。下刷りとは、透明な流体をイン
クの堆積前に基板上に塗布すること、と定義される。よ
り良好な耐水堅牢性及びブリード抑制のための下刷り技
術を扱っている特許が幾つかある。例えば、米国特許第
5,624,484号、"Liquid Composition and Ink
Set, and Image-Forming Process and Apparatus Using
the Same"(1997年4月29日、発明者:K. Takah
ashi等)、及び米国特許第5,640,187号、"Ink
Jet Recording Method and Ink Jet Recording Appara
tus Therefor"(1997年6月17日、発明者:A. Ka
shiwazaki等、いずれもCanonへ譲渡)、米国特許第5,
723,179号、"Method and Composition for Obta
ining Waterfast Image FromInk Jet Inks"(1998
年3月3日、発明者:R. W. Wong等、ゼロックス社へ譲
渡)、及び米国特許第5,746,818号、"Pigment
Ink Composition Capable of Forming Image Having N
o significant Bleeding or Feathering"、(1998
年5月5日、発明者:M. Yatake等、セイコーエプソン
社へ譲渡)を参照されたい。下刷りの基本的な考え方
は、染料を反対に荷電された種類と結合させることであ
る。例えば、アニオン染料はカチオンポリマーで結合さ
せることができ、カチオン染料は、アニオンポリマーで
結合させることができる。透明な下刷り流体は、以下で
固定液(fixing fluid)、又は定着液(fixer)と呼ばれ
る。
【0005】下刷りは、カーボンブラックをベースとす
るインクなどの顔料分散物の彩度(あるいは、ブラック
に対しては光学濃度)を高め得ることが知られている。
例えば、ヒューレット・パッカード社のDeskJet
890C型プリンタにおいて、ブラックインクは複合
ブラックで下刷りされ、その結果、光学濃度がかなり増
加する。下刷りされた顔料インクのエッジ明瞭度もま
た、通常、改善される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、染料ベ
ースのインクに関し、当分野で周知の下刷り技術では、
彩度はほんの僅か増加するか、又は、大抵減少する。こ
のように、上述の米国特許第5,723,179号から
判断し得るように、下刷りによって、(画像を耐水堅牢
性にはするが)画像の光学濃度は減少した。同様に、市
販のCanonBJC−700プリンタでは、下刷りに
よって、エッジ明瞭度及びブリードは改善されるが、カ
ラーの鮮やかさは低減される(以下の実施例参照)。彩
度の低下は、とりわけ、用紙上に吐出された液体容積の
単純な増加に由来する。液体容積を増加すると、下刷り
定着液と染料の複合物が紙の中により深く浸透し、彩度
がある程度失われる結果となる。染料ベース系のエッジ
明瞭度に関しては、しばしば改善されるが、その代償と
して、領域充填(area fill)の均一性が劣ることにな
る。下刷りされた染料の画像は、おそらく低いドットゲ
イン(dot gain)及び染料の凝集化が原因で、しばしば、
「色むら」及び「濁りカラー」を呈する。
【0007】カラー性能、耐水堅牢性、及びエッジ明瞭
度を改善するための別のアプローチは、溶液中の界面活
性剤の凝集塊へのカラー染料の導入である。例えば、"S
olubilization of Water-Insoluble Dyes via Microemu
lsions for Bleedless, Non-Threading, High Print Qu
ality Inks for Thermal Inkjet Printers"と題する米
国特許第5,226,957号(1993年7月13
日、発明者:P. Wickramanayake)において、溶剤、界
面活性剤、共界面活性剤類及び水を含むマイクロエマル
ジョン中へ油溶性染料を導入することが提案されてい
る。他の特許、米国特許第5,565,022号、"Fis
t-Drying, Bleed-Free Ink-Jet Ink Compositions"(1
996年10月15日、発明者:P. Wickramanayake)
では、有機溶剤、界面活性剤、及び水の混合物中に染料
を導入して、染料と水不溶性溶剤が界面活性剤によって
溶解化させられることが提案されている。米国特許第
5,643,357号、"Liquid Crystalline Ink Comp
ositions"(1997年7月1日、発明者:M. P. Breto
n等、Xerox Corp.へ譲渡)においては、界面活性剤、及
び油―又はアルコール可溶性染料、及び水を含有するイ
ンク組成物が提案されている。その調合は、加熱される
とマイクロエマルジョン相からラメラ相へ相転移し、印
刷基板が加熱される際に、紙表面に対してインクを層に
することを助ける。米国特許第5,492,559
号、"Liquid Crystalline Microemulsion InkCompositi
ons"(1996年2月20日、発明者:J. F. Oliver
等、Xerox Corp.へ譲渡)は、システムが、温度が低下
するとマイクロエマルジョン−液晶の状態転移を経るよ
うな、水性相、油相及び界面活性剤及び油溶性染料を含
有するインク調合物を開示している。インクジェットに
おいて、他のタイプの界面活性剤凝集物、即ち、ベシク
ルを使用することは、米国特許第4,783,220
号、"Vesicle Ink Compositions"(1988年11月8
日、発明者R. C. Gamble等、Xerox及びVestarへ譲渡)
において最初に提案された。その特許権者等が開示する
ベシクルインク組成物とは、染料が界面活性剤の二重層
(bilayer)内に溶解されているものである。これは、画
像の耐水堅牢性を改善するものと思われる。その特許権
者等は、リン脂質、臭化ジオクタデシルアンモニウム、
ジアクリルグリセリド及びそれらのエトキシ化誘導体を
含有する異なるタイプのベシクル形成界面活性剤を開示
している。
【0008】米国特許第5,626,654号、"Ink C
ompositions Containing Liposomes"(1997年5月
6日、発明者:M. P. Breton等、Xeroxへ譲渡)では、
特許権者等は、ベシクルが少なくとも部分的に重合され
ている、インク中のベシクルを開示している。さらに、
その特許権者等は、対に荷電するベシクルと染料、ある
いは共有結合されたベシクル形成脂質と染料の使用を開
示している。この発明の利点は「優れたエッジ明瞭度及
び光学濃度」と主張されている。
【0009】米国特許第5,633,109号、"Ink C
ompositions with Liposomes Containing Photochromic
Compounds"(1997年5月27日、発明者:C. A. J
ennings、Xerox Corporationへ譲渡)は、水性液体ビヒ
クル、フォトクロミック(photochromic)材料、及びベシ
クル形成脂質を含有するインク組成物を開示している。
該インク組成物は、フォトクロミック、即ち、インクは
2つの異なった状態を有し、それぞれの状態において異
なる吸収スペクトルを有し、適当な波長の照射に対して
印刷されたインクを適当に露光させることにより一方の
状態から他方の状態へと入れ替わり得るものである。
【0010】米国特許第5,788,749号、"Pigme
nted Ink Compositions ContainingLiposomes"(199
8年8月4日、発明者:M. P. Breton等、Xeroxへ譲
渡)は、顔料インクに対するリポソームの使用に関する
ものである。その主張される利点とは、「優れたエッジ
(縁)不揃い度(edge ruggedness)及び優れた光学濃
度」である。
【0011】米国特許第5,772,743号、"Ink C
ompositions for Thermal In-Jet Printing"(1998
年6月30日、発明者:K. P. Gundlach等、Xeroxへ譲
渡)において、特許権者等は、特定のフッ化ベシクル形
成界面活性剤の使用を開示している。
【0012】米国特許第5,911,816号、"Lipos
omal Ink Compositions with Water-Insoluble Dyes an
d Pigments"(1999年6月15日、発明者:M. Gor
e、本発明の出願人が譲受)は、ベシクルによる顔料分
散物の安定化に関するものである。
【0013】しかしながら、染料ベースのインクジェッ
トインクにおける彩度、エッジ明瞭度、及び耐水堅牢性
を高め、且つカラー−カラーブリードを軽減するための
方法に対する要求は依然として存在する。特に、現在ま
でに知られている下刷り技術では、染料ベース系の耐水
堅牢性とブリードは改善されるが、画像のカラーをくす
ませる。同様に、ベシクルと、当分野で周知且つ参考と
して上述したベシクルとミセル系界面活性剤のシステム
は、耐水堅牢性ではあるが、非常にくすんだカラーによ
り特徴付けられる。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ベシク
ルと組合せて下刷り処理を採用することにより、彩度が
増大し、カラー−カラーブリードが軽減され、且つ染料
ベースのインクのエッジ明瞭度、耐水堅牢性、及び裏抜
けが改善される。このような組合せによって、別々に適
用する場合の利点を超える予期せぬ利点がもたらされ
る。特に、原色並びに二成分カラーに対する極めて高い
彩度値が得られるようになる。
【0015】本発明は、二部カラー印刷システム、即
ち、インクと定着液とを包含する。本発明のインクは染
料をベースとしており、且つ多数のベシクルを含有す
る。本発明の染料は水溶性であり、且つベシクルの内側
と外側の間に分布される。このため、本発明のベシクル
インクは、油溶性染料を界面活性剤の二重層中に導入し
た、従来技術で知られているベシクルインクとは異なっ
たものとなる。界面活性剤の二重層中に油溶性染料を溶
解させることによって画像の耐水堅牢性は改善される
が、これは実質的にカラーの鮮やかさを犠牲にするもの
である。何故なら、インク中への染料充填は、二重層中
の染料の溶解度、及び系における二重層形成界面活性剤
の容積割合によって制限されるからである。後者は、一
般に約4×mPas(約4cP)を超えることができな
いインクジェットインクの粘度によって自然に制限され
る。
【0016】好ましい実施態様においては、ベシクル
は、中性、双性イオン性、又は染料分子と同じ符号の電
荷を帯びていてもよい。従って、アニオン染料について
は、ベシクル形成界面活性剤が全体として中性又は陰イ
オン性でなくてはならず、これに対して、カチオン染料
については、ベシクル形成界面活性剤が、全体として中
性又は陽イオン性でなければならない。反対に荷電する
界面活性剤を含む、幾つかのベシクル形成界面活性剤混
合物もまた、ベシクル全体の電荷が染料のそれと同じ符
号のままであるという条件で、可能である。また、ベシ
クルの電荷は、本明細書で高分子バインダーとも呼ばれ
る、高分子電解質を付加することによって制御でき、そ
の結果、高分子は、何らかの物理的又は化学的メカニズ
ムによってベシクルの表面に結合されることになる。さ
らに、アニオン染料については、その高分子は陰イオン
性でなければならず、そしてカチオン染料については、
それは陽イオン性でなければならない。
【0017】本発明のカラーインクは、ベシクルの最終
的な電荷とは反対の電荷を有する高分子、又は多価イオ
ンの塩を含有する透明な定着液によって、下刷りされ
る。下刷りを利用することで、図3に示すように及び以
下にさらに詳細に議論するように、ベシクルの「袋」内
に予め包み込まれた染料分子が用紙表面に対して層にな
る。染料分子が層にされた後、それらは、反対に荷電す
る定着液と化学的に結合される。これによって、カラー
性能を十分に改善することができ、同時に、耐水堅牢
性、エッジ明瞭度、ブリード及び裏抜けも改善すること
できる。
【0018】従って、シアン、イエロー、及びマゼンタ
インクのそれぞれのインクが別々のインクペンに充填さ
れて成る染料ベースのインクジェットインク印刷システ
ムが提供される。各インクは、少なくとも1つの水溶性
染料とベシクルを含む。ベシクルは、ベシクル内に十分
な割合の染料分子を含むよう、十分な量で存在する。ベ
シクルは、第1の電気的極性を有する界面活性剤から形
成される。印刷システムは、さらに、第1の極性とは反
対の第2の極性を有する定着液を収容する追加のペンを
含む。
【0019】さらに、染料ベースのインクジェットイン
ク印刷システムを具備するインクジェットプリンタは、
プリント媒体上に定着液をプリントし、続いて、その定
着液の上に少なくとも1つのインクを印刷できるよう構
成される。
【0020】また、本発明によれば、染料ベースのイン
クジェットインクの彩度、カラー−カラーブリード、及
びエッジ明瞭度を改善する方法が提供される。その方法
は: (a) それぞれが別個のインクペンに充填される、シ
アン、イエロー及びマゼンタインクから成り、且つ各イ
ンクが少なくとも1つの水溶性染料とベシクルを含有す
るインクセットであって、該ベシクルはその内部に十分
な割合の染料分子を含むよう十分な量で存在し、該ベシ
クルは第1の電気的電荷極性を有する界面活性剤から形
成されるインクセットを提供すること; (b) 第1の極性とは反対の、第2の極性を有する定
着液含有の追加ペンを提供すること; (c) 前記定着液を印刷媒体上に印刷すること;及び (d) 少なくとも1つのインクを前記定着液上に印刷
することを包含する。
【0021】
【発明の好ましいを実施形態】本発明者等が現時点まで
に意図する最良の態様である、本発明の特定の実施の態
様を詳細に示す。別の態様もまた、代替の実施例も適用
し得るものとして簡単に述べる。
【0022】本明細書における濃度は全て、別途表示し
ない限り、重量パーセントで表される。全ての成分の純
度は、サーマルインクジェットインクとして通常の商用
の実施に採用されている純度である。本出願全体を通じ
て使用される用語の幾つかを以下に定義する。
【0023】定義 カラー測定:明度―彩度―色相値 周知のように、カラーは、人が感受する際、3つの数値
のセットによって完全に特色付けることができる。カラ
ーデータを示す方法の1つは、明度(Lightness)―彩度
(Chroma)―色相(Hue)(L**h)の円筒座標系であ
る。色相値は、度単位で測定され、0〜360°の範囲
の値をとる。色相角hは、色の種類、例えば、赤色(h
〜30°)、黄色(h〜90°)、又は青色(h〜27
0°)を特定する。明度L*は、その色がどれだけ明る
いかを示す、即ち、暗い色に対する明るい色という点で
カラーを等級付ける。L*値は、0(完全黒色)から約
100まで変化し得る。最後に、彩度は、カラーがどれ
だけ飽和しているかを測定する、即ち、鮮やかな色をく
すんだ色と区別する。彩度値は、0(白色)から約80
(高飽和色)まで変化する。
【0024】カラー空間を示す他の方法は、直交L**
*座標系である。L***値とL **h値との間は、
式a*=C*cos(h)及びb*=C*sin(h)によ
って定義される対応関係がある。
【0025】エッジ明瞭度 エッジ明瞭度は、画像縁(エッジ)の不揃い度の尺度で
ある。例えば、LaserJet(登録商標)とは対照
的に、インクジェットにおいては、インクが紙繊維に沿
ってウィック(wick)しがちであるため、エッジ明瞭度が
典型的に低い。本出願では、エッジ明瞭度の因子は、エ
ッジ上の2点を結ぶ最短距離に対する不揃いなエッジの
実際の長さの比として評価される。従って、この比が大
きいほど、エッジ明瞭度はますます悪い。
【0026】カラー−カラーブリード カラー−カラーブリードの因子は、エッジ明瞭度と類似
しており、その差異は、2つの隣り合った色領域を分離
するラインの不揃い度で示されることである。
【0027】裏抜け 裏抜けは、紙の裏側上へのインクの浸透として定義され
る。このような効果は望ましくなく、特に、用紙の両面
に印刷する必要がある時は、低減する必要がある。
【0028】原色及び二成分色 インクジェットのカラーインクは、シアン、マゼンタ及
びイエローのカラーを有する。従って、原色は、シア
ン、マゼンタ及びイエロー(C、M、Y)である。二成
分色は、これら二成分の組合せ、即ち、青色B=C+
M、赤色R=M+Y、及び緑色G=Y+Cである。複合
ブラック(Comp−K=C+M+Y)は、シアン、イ
エロー及びマゼンタインクを一緒にプリントすることに
より生成される黒色である。これは、インクジェットプ
リンタで個別インクカートリッジとしてしばしば供給さ
れる、トゥルーブラックインク(true K)とは異
なる。
【0029】しわ及びカール しわ及びカールは、印刷後に見られる用紙の不可逆変形
である。これらの効果は、単位面積当りに堆積されるイ
ンクの全容積によって増大する傾向がある。
【0030】カラー効率 カラー効率は、堆積されるインク容積に対する色の彩度
の比として決定される。
【0031】下刷り 下刷り(underprinting)は、インクを堆
積させる前に基板上に透明流体を塗布することとして定
義される。定着液と呼ばれる、この透明流体は、別のプ
リントヘッドを使って、又はその他の何らかの方法で堆
積させることができる。
【0032】こすれ汚れ こすれ汚れ(smudge)は、印刷後、手、又は隣接
する紙シートによる、プリントアウトのこすれ(sme
aring)として定義される。
【0033】インク中のベシクルに関する議論 A.界面活性剤 界面活性剤は、2つの分子ブロック、即ち、化学結合に
より疎水性及び親水性が互いに結びついたもの、で構成
される分子である。疎水性ブロックは、1つ又はより多
くのアルキル鎖を示す。このため、そのブロックは、し
ばしば、アルキル尾(alkyl tail)と呼ばれる。極性ヘッ
ドとも呼ばれる、親水性ブロックは、イオン基、又は高
極性非イオン基のどちらかである。水溶液中で、界面活
性剤は、アルキル尾と水の間の極めて好ましくない接触
を減らそうと凝集化する傾向がある。結果として、界面
活性剤は、小球状の凝集塊(球状ミセル)、ロッド(棒
状ミセル、六方相)、又は平坦シート(層状相)のよう
な、様々な構造を生じる。ミセルを図1に概略図で示
す。そこで見られるように、ミセルは、典型的には疎水
性部分の凝集化によるオイルコアを有する。ミセルは、
直径5nmのオーダーである。
【0034】B.ベシクル ベシクル又はリポソームは、別種の界面活性剤凝集塊で
ある。それらは、水(W)プールが内部に、水媒体が外
部にある、生命のある細胞のそれと似た独特の構造を有
する(図2)。ベシクルの壁は、界面活性剤の二重層、
即ち、背面と背面が接続された2個又は他の偶数個の単
層から作られる。ベシクルのサイズは、20nm(分子
サイズの10倍)という小さいものから巨視的サイズ
(数ミリメートル)まで様々であるが、典型的には、約
100nmのオーダーである。ベシクル壁の厚さは、約
2nm(二重層一個)から数十nm(二重層数個)まで
変化する。ベシクルの形状は、しばしば、球状である
が、別の形状とすることも可能である。ある種のベシク
ルはディスク形状を有し、また別の種のベシクルは非定
形の管状形状やらせん形状を有する。内部及び外部の組
成が異なる場合、ベシクルの形状は球状ではない。非球
形ベシクルの最もよく知られた例の1つは、赤血球細胞
である。
【0035】ベシクルは、熱力学的には安定でなく、む
しろ、準安定系を形成する。これらの平衡の一方は、ラ
メラ相(LαまたはLβ)である。この相では、界面活
性剤二重層は、平坦なシートに一緒に積み重なる。通
常、ラメラ相は、粘性且つ複屈折性である。ベシクル分
散からラメラ相への転移は、大きい活性化エネルギーを
有しており、従って多くの界面活性剤では極めてゆっく
りである。多くの場合、ベシクルは水中の分散界面活性
剤上に自然に形成される。他の幾つかの場合、ベシクル
は、機械的攪拌で、即ち、音波処理、又は高圧均質化の
ような、より激烈な混合処理で、形成される。
【0036】界面活性剤二重層は、2つの状態、即ち、
流体又は固体、で存在し得る。固体の二重層は、連鎖融
解、又はゲル転移温度Tgと呼ばれる、ある温度以上で
液体状態に変わる。
【0037】
【表1】
【0038】界面活性剤がベシクルを形成するには、あ
る特定の分子配置を有さなくてはならない。基本的に
は、他の種類の界面活性剤凝集体である(上記で簡単に
議論された)ミセルには好ましい「くさび形」(wedge-s
hape)とは対照的に、「円筒」(cylinder)形状を有して
なくてはならない。Intermolecular and Surface Force
s、J. Israelachvili、Academic Press(1992年、
サンディエゴ)の第378−382頁を参照されたい。
分子当り2個のアルキル尾を有する多くの界面活性剤並
びに、いくつかの単一尾の界面活性剤は、ベシクルを形
成する傾向がある。界面活性剤科学においては、界面活
性剤の諸性質を特徴付けるのに親水性―親油性バランス
(HLB)数が、しばしば用いられる。この数という点
に関して、ミセル形成界面活性剤の約20とは対照的
に、ベシクル形成界面活性剤は約6〜14のHLB値を
もつ。界面活性剤の相の挙動という点において、ベシク
ルはラメラ相の水との2相共存領域にわたって形成され
る。ベシクルは、陰イオン性、陽イオン性、双性イオン
性及び非イオン性界面活性剤で形成され得る。最も一般
的な種類のベシクル形成界面活性剤は、以下に簡単に説
明するような、天然リン脂質類である。
【0039】天然リン脂質 天然リン脂質は生きている細胞壁の主成分であり、動物
及び植物の両方に見られる。これらはグリセリンでエス
テル化された2つのアシル基、リン酸でエステル化され
たグリセリンの第3水酸基を含む。
【0040】
【化1】
【0041】リン酸分子の残りの2つの水酸基のうちの
1つは、種々の置換基で修飾され、一方、3番目のもの
は影響を受けず、且つ、通常は、解離している。最も一
般的なリン脂質の化学的構造を以下に示す。リソリン脂
質に関しては、アシル鎖(R 1COO又はR2COO)の
1つがOHで置換されている。極性ヘッドXとアシル鎖
を下記の表2及び3に示す。Avanti Polar Lipids Cata
logues、Alabaster,AL(1995年)を参照された
い。"Yolk Lipids"、Biochim. Biophy. Acta、Vol.11
24(1992年)の第205頁も参照されたい。
【0042】いくつかの極性ヘッドの構造を表2に挙げ
る。天然に最も豊富にあるリン脂質は、ホスファチジル
コリンとホスファチジルエタノールアミンであり、それ
らは双性イオン性である(即ち、それらの構造中にカチ
オンとアニオンの両方を有し、全体では中性)。別の起
源の天然リン脂質は、リソリン脂質、及び他の陰イオン
性脂質が存在するため、通常は、弱陰イオン性である。
陽イオン性の天然脂質は、ほとんど全く存在していな
い。
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】リン脂質の炭化水素(アシル)尾は、主
に、n=16〜22である長鎖脂肪酸に相当する。その
脂肪酸は、1〜6個の二重結合を有する飽和型又は不飽
和型の何れかである。通常、鎖の1つは飽和され、他は
飽和されていないが、ある種の生きている組織では、両
鎖とも飽和されている。
【0046】全ての天然脂質は、室温でラメラ相を形成
し、且つ、それ故、容易にベシクルを形成する。当然な
がら、リン脂質は、それ自体が界面活性剤であり、空気
―水の界面に吸着する傾向がある。しかし、その吸着速
度は極端に遅く、このため、インク中に存在する場合、
リン脂質は紙浸透剤(paper penetrants)としては作用し
ない。しかし、リソリン脂質などのある種の脂質分解生
成物は、はるかに速く吸着し、且つ用紙上でインクの拡
散に作用し得る。
【0047】リン脂質の主な商用的出所は、卵黄と大豆
である。リン脂質はまた、オキアミ、ウシの肝臓、及び
脳から抽出することもできる。
【0048】ベシクルを調製し且つ特徴付けるための技
ベシクルは、ドラッグデリバリーに対して応用されるた
め、ベシクルの調製並びに特徴付けの技法は周知であ
る。ベシクルは、例えば、Avestin(カナダのオタ
ワ)、APV Rannie(ミネソタ州セントポール)、及びNi
ro Saavi(イタリアのパルマ)で製造された高圧ホモジ
ナイザー(マイクロフリューダイザー(microfluidizer)
とも呼ばれる)によって大容積で日常的に調製される。
この技法においては、膨張した脂質分散物の液体噴出物
が高圧(〜6.89476×104kPa(〜10,0
00psi))で金属壁中に送られ、そこでラメラシー
トがベシクルへと変化する。この方法により、20〜1
00nmの単一ラメラベシクルを調製することができ
る。もっと初期の機械ミキサーでも、1,000nmの
ベシクルを容易に調製することができ、高圧ホモジナイ
ザーに用いられる予混合物(pre-mixes)を作製するのに
便利である。
【0049】ベシクルのサイズは、電子顕微鏡法、光散
乱法、ゲルろ過クロマトグラフィー、及び超遠心分離法
によって測定することができる。溶質内部の包括固定化
(entrapment)は、透析に続いて溶剤抽出を行うことによ
り測定することができる。暗視野光学顕微鏡技術によっ
て、単界面活性剤二重層を目で視ることができる。巨大
な肉眼的(数nm)ベシクルは、例えば、ピペット吸引
によって可視化して扱うことができる。これによってそ
の膜の曲げ及び延伸の弾性係数を測定することが可能と
なる。
【0050】インクジェットインクにおけるベシクルの
利点 上記において染料ベース及び顔料ベースのインクの利点
と欠点を議論してきた。簡単に言えば、顔料インクは、
良好なエッジ明瞭度、耐こすれ汚れ堅牢性、耐スメア堅
牢性、耐光堅牢性及び耐水堅牢性をもたらす性向があ
り、これらは、低い彩度と比較的長い乾燥時間によって
埋め合わされるものである。そのパターンは、良好な彩
度を示すがエッジ明瞭度と耐久性が比較的悪い染料とは
完全に逆である。インクジェットインク中にベシクルを
使用することで、染料ベースの「溶液」インク技術と顔
料ベースの分散インク技術を1つに統合することがで
き、よって両方の利点が結び付けられることになる。
【0051】基本的に、染料をベシクル内に入れること
により、染料ベースである微粒子系の性能を発達させる
ことができ、よって、高い彩度を有する系を得ることが
可能となる。他方、インクの粒子構造は、紙上でインク
ビヒクルから染料を分離するのに役立ち、それによって
裏抜け、エッジ明瞭度、及びブリードが顔料インクのレ
ベルにまで改善される。インクジェットにベシクル技術
を適用しようとするこれまでの試みは、油溶性染料を界
面活性剤二重層中に溶解して利用しようと苦労してき
た。この方法では、インク調合物に組込み得る染料の量
が制限されたため、極めてくすんだ色が生成された。同
様に、ベシクルベースの系に関し、刷りを使用すること
も考慮されなかった。
【0052】本発明 本発明においては、「溶液」技術と下刷りの「分散」技
術が、それらの各々の利点を利用して単一の構造とする
ことで組合わされる。少なくとも染料分子の一部分をベ
シクル内に置く。次いで、図3に概略して示すように、
これらのベシクルを固定剤(例えば、反対電荷のポリマ
ー)で捕捉する。染料分子が、大きい「袋」(ベシク
ル)内にすでに「予め充填されている」ため、ベシクル
の定着液への結合は、迅速に起こる。紙の中へのインク
の浸透より前に結合が起こらなければならないため、結
合の速度は重要である。また、染料は、溶液から結晶の
形では沈殿しないが、紙によって吸着されて極めて均一
な被覆範囲(coverage)を提供するソフトゲルを生ずる。
表面での染料沈殿物は、非常にまだらな領域充填を作り
出すために非常に望ましくない。
【0053】染料分子は、実際には、ベシクルの内部と
その外部の間に分布される。少なくとも約5%の染料分
子は、二重層壁で範囲を定められたベシクル内部にあ
る。
【0054】インクジェット技術に関連して、ベシクル
技術の使用を上記にて議論してきた。しかし、従来技術
は、界面活性剤二重層に溶解された油溶性染料に関する
ものであり、これはインクの耐水堅牢性を改善するもの
と思われる。しかし、この耐水堅牢性を改善するための
道は、系内へ充填される染料の低減という犠牲を伴い、
これはインクのカラー鮮やかさを危うくするものであ
る。また、先の特許権者等は、ベシクルと組合せた下刷
りの使用を認識するのに失敗している。しかし、本発明
者が見出したように、ベシクルとの組合せで下刷りを利
用することにより、それぞれを単独に使用するのに比べ
て、特に、彩度、エッジ明瞭度、ブリード、裏抜け、及
び耐水堅牢性において、実質的な改善が達成される。
【0055】本発明の印刷システムは、2つの部分、即
ち、カラーインクと定着液から構成される。これらの組
成を以下に詳細に論じる。
【0056】1. カラー(シアン、マゼンタ、イエロ
ー、又はブラック)インク組成物 本発明のインクは、以下の成分を含有する: 1.水溶性染料(又は染料混合物); 2.ベシクル形成界面活性剤; 3.湿潤剤; 4.任意に、高分子バインダー; 5.任意に、展着剤(界面活性剤); 6.任意に、pH調整剤; 7.任意に、抗菌剤; 8.任意に、酸化防止剤; 9.任意に、キレート剤;及び 10.水
【0057】次に、これらの成分をさらに詳細に説明す
る。
【0058】染料 水溶性染料は、ナトリウム、カリウム、リチウム、アン
モニウム、テトラエチレンアミン及びテトラエチルアン
モニウム塩を含む、種々の塩の形で用いることができ
る。染料の混合物も用いることができる。
【0059】シアン染料は、次のリストから選択するこ
とができる。Acid Blue 9、DirectBlue 199、Basic Blu
e 33、Projet Turquoise HA、Projet Turquoise H7G、A
cidBlue 185。
【0060】マゼンタ染料は、次のリストから選択する
ことができる。Reactive Red 180、Acid Red 52、Proci
on Red H8B、Procion Red 3-BNA、Projet Red PX6B、Ma
genta 377。
【0061】イエロー染料は、次のリストから選択する
ことができる。Acid Yellow 23、Direct Yellow 4、Pro
jet Yellow 3RNA、Reactive Yellow 37、Direct Yellow
132、Acid Yellow 17、Acid Yellow 79、Direct Yello
w 50、Ilford Y104染料。
【0062】ブラック染料は、次のリストから選択する
ことができる。Food Black 2、Pacified Reactive Blac
k 31、Zeneca Colours 286染料、Zeneca Colours 287染
料。
【0063】その他の染料も、十分高い水溶性を有する
ものであれば、用いることができる。
【0064】インク中の染料の濃度は、0.1〜10
%、好ましくは、1〜5%の範囲になければならない。
カチオン染料及びアニオン染料は、両方とも使用でき
る。しかし、染料の沈殿が生じて、インクの処理がより
困難になるため、これらの染料が、ベシクル形成界面活
性剤及び高分子バインダーとは反対の電荷を帯びていて
はならないことに留意しなけらばならない。
【0065】ベシクル形成界面活性剤 インク中でベシクルを形成し且つ適当な電荷を有する界
面活性剤はどれも用いることができる。界面活性剤は、
染料(群)と同一の電荷を有するか、又は全体的に中性
もしくは双性イオン性であるかの何れかでなければなら
ない。アニオン染料については、許容できる界面活性剤
は次のグループより選択してよい。
【0066】1. リン脂質。ベシクルを形成する天然
又は合成リン脂質はどれも用いることができ、ホスファ
チジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホス
ファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、又は
それらの混合物が含まれる。好ましいアシル鎖長は、炭
素原子数10〜26個であり、より好ましくは、炭素原
子数14〜18個である。アシル鎖は、飽和されていて
も飽和されていなくてもよいが、脂質(リピド)の鎖融
解温度は0℃を下回る程低くなければならない。最も好
ましい実施態様においては、卵黄、大豆、ウシの肝臓又
は脳、オキアミから抽出された天然リン脂質が使用され
る。
【0067】2. 一般式、R1OR2OPO2 -Me
+(式中、R1及びR2は炭素原子数4〜20のアルキル
基である。)のジアルキルホスフェート。アルキル基
は、飽和されていてもされていなくても、分枝されてい
ても又はされていなくてもよい。また、界面活性剤の0
℃を下回るゲル転移温度を有することは重要である。加
えて、モノ−又はポリアルキルホスフェートを本発明の
実施において使用してもよい。
【0068】3. ベシクル形成ジアルキルグリコシ
ド。
【0069】4. ジアクリルグリセロール。部分的に
エトキシ化されていてもよい。
【0070】5. ベシクルを形成するアニオン及びカ
チオン界面活性剤の混合物。互いに逆に帯電する界面活
性剤同士の混合物がベシクルを形成する傾向にあること
は周知である。例えば、"Science"、Vol.245(1989
年)、第1371頁(E. W. Kalerら)を参照されたい。
例えば、(セチルトリメチルアンモニウムトシレート+
ドデシルベンゼンスルホネート)、又は(ペルフルオロ
ノナン酸ナトリウム+臭化ドデシルトリメチルアンモニ
ウム)の界面活性剤ペアを含む、アニオン及びカチオン
界面活性剤のベシクル形成混合物は何れも用いることが
できる。
【0071】6. カチオン染料に関し、界面活性剤
は、テトラアルキルアンモニウム塩R1234+-
(式中、2つのアルキル置換基、R1とR2は短鎖(例え
ば、メチル)であり、他の2つは長鎖(例えば、ドデシ
ル)であり;最後のX-は対イオン、例えば、Cl-、B
-、又はHSO4である。)の群から選択することがで
きる。
【0072】共溶媒及び湿潤剤 湿潤剤は、ポリオール、例えば、エタンジオール;プロ
パンジオール(例えば、1,2-プロパンジオール、1,3-プ
ロパンジオール、2-エチル-2-(ヒドロキシメチル)-1,3-
プロパンジオール、エチルヒドロキシプロパンジオール
(EHPD));ブタンジオール(例えば、1,3-ブタン
ジオール、1,4-ブタンジオール);ペンタンジオール
(例えば、1,5-ペンタンジオール);ヘキサンジオール
類(例えば、1,6-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオ
ール);オクタンジオール(例えば、1,2-オクタンジオ
ール、1,8-オクタンジオール);デカンジオール(例え
ば、1,2-デカンジオール);ブタンジオール(例えば、
1,2,4-ブタンジオール)、ペンタントリオール(例え
ば、3-メチル-1,3,5-ペンタントリオール);グリセリ
ン、及びこれらの混合物から成る群から選択することが
できる。
【0073】ポリオールに加えて、湿潤剤は、インクジ
ェット組成物に通常採用される、ポリエチレングリコー
ル(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
テトラエチレングリコール)、ポリプロピレングリコー
ル(例えば、ジプロピレングリコール、トリプロピレン
グリコール、テトラプロピレングリコール)、高分子グ
リコール(例えば、PEG 200、PEG 300、PEG 4
00、PPG 400)及びチオグリコールなどの、グリコー
ルモノエーテル及びグリコールポリエーテル、並びにチ
オグリコールエーテルを含有していてもよい。
【0074】他の共溶媒は、2−ピロリドン、ビス−ヒ
ドロキシエチルスルホン、及びチオジグリコールなど
の、インクジェットインクに使用される通常の溶剤を含
んでもよい。
【0075】インク中の共溶媒と湿潤剤の合計量は、1
〜50重量%、好ましくは、5〜30重量%でなければ
ならない。
【0076】高分子バインダー バインダーとして、ベシクル形成界面活性剤及び染料と
同じイオン電荷を有する高分子電解質を使用することが
できる。アニオン染料については、アクリル酸又はメタ
クリル酸、スチレン、及びアクリル酸メチル、アクリル
酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸メチル、
メタクリル酸ブチル、およびメタクリル酸ヘキシルなど
の、アクリル酸エーテルのランダムコポリマー又はブロ
ックコポリマーを用いることができる。あるいは又、加
水分解されたスチレンと無水マレイン酸SMA H1000
(フランスのElf Atochem製)のコポリマーであっても
よい。バインダーの分子量(重量平均)は、1,000〜10
0,000、好ましくは、1,000〜10,000でなければならな
い。酸は、NaOH、KOH、LiOH、又はアンモニ
アなど、アルカリを添加することにより、部分的に塩の
形に転換させなければならない。インク中の高分子バイ
ンダーの全量は、0.1〜10重量%、好ましくは、1
〜3重量%でなければならない。
【0077】展着剤 インクによる均一な領域充填の被覆度を実現するため
に、インクに展着剤(spreading agen
t)を混入する必要がある。展着剤は、染料―ベシクル
バインダー系と相容性であること、即ち、それは、同一
電荷を有するか又は非イオン性でなければならない。ま
た、展着剤は、ベシクル形成界面活性剤と干渉してはな
らず、且つ好ましくはベシクルから分離されていなけれ
ばならない。これは、炭化フッ素展着剤及びシリコン展
着剤が展着剤として好ましいが、炭化水素の界面活性剤
も用いることができることを意味する。インク中への展
着剤の典型的充填量は0.01重量%〜10重量%、好
ましくは、0.1〜1重量%でなければならない。
【0078】pH調整剤 インクの好ましいpHは中性に近く、pH6〜9であ
る。好ましいpH緩衝剤は、水酸化テトラメチルアンモ
ニウム、Trizma base(Sigma)、2-N-モルホリノエタン
スルホン酸(MES、Sigma)、又は一塩基及び二塩基の
リン酸ナトリウムの混合物である。
【0079】リン脂質含有の系に関しては、リン脂質の
加水分解速度を低減するために、好ましいpHは7に近
い。この事実は、Gamble等の特許出願において明らかに
見落とされており、この出願の発明では染料を界面活性
剤の二重層中で可溶性にするために、リン脂質ベシクル
がpH=1〜2で調製される。しかし、pH値1〜2で
は、リン脂質は数日以内に完全に加水分解してしまう。
例えば、SpecializedDrug Delivery Systems、Tyle Pra
ven eds.,Marcel Dekker(1990年)、第267−3
16頁及び図4におけるF.J.MartinによるPharmaceutic
al Manufacturing of Liposomesを参照されたい。
【0080】抗菌剤 適切に用いられる微生物剤の例としては、これらに限定
するものではないが、NUOSEPT(Nudex,Inc.)、U
CARCIDE(Union Carbide)、VANCIDE(RT V
anderuilt Co)、及びPROXEL(ICI America)があ
る。インク中へのこれら化合物の典型的な充填量は、
0.01〜1重量%、好ましくは、0.1〜0.5重量
%でなければならない。
【0081】酸化防止剤及びキレート化剤 アスコルビン酸及びトコフェロール類のような、酸化防
止剤をインクの調合に追加して、インクの化学的安定度
を高めることができる。同様に、エチレンジアミン四酢
酸二ナトリウム塩(EDTA)などのキレート剤を、酸
化を促進する多価金属の錯体不純物に対して加えること
もできる。これらの添加物の量は、0.01〜1重量
%、好ましくは、0.1〜0.3重量%でなければなら
ない。
【0082】2.定着液 印刷システムの第2の成分は、透明な固定液、即ち定着
液である。それは、下記の成分を含有していなければな
らない:
【0083】1. 使用される染料の電荷とは反対の電
荷を有する高分子電解質、又は使用される染料とは電荷
が反対である多価イオンの塩; 2. 任意に、反対の電荷を帯びている界面活性剤; 3. 任意に、共溶媒及び湿潤剤; 4. 任意に、展着剤(界面活性剤)又はその混合物; 5. 任意に、pH調整剤;及び 6. 任意に、塩と高分子の両方を同一調合に使用して
もよい。
【0084】次に、これらの成分をさらに詳細に論じ
る。
【0085】反対に電荷を帯びている高分子電解質 下記の高分子選択ガイドに従うべきである:
【0086】1. 高分子溶液の粘度はできるだけ低く
なければならない。これには、低分子量又は高度に分枝
した構造の何れかが必要である。
【0087】2. 定着液の電荷密度は、染料を高分子
に結合させるために高く、1L当たり0.1〜0.3当
量でなけらばならない。
【0088】アニオン染料に対しては、次のカチオンポ
リマーを使用することができる:ポリエチレンイミン、
ポリアリルアミン、ポリビニルピロリドン、及び酸によ
って四級化されて塩となったその他のポリアミン。上に
挙げたポリマーの中で、ポリエチレンイミンは、本質的
な分枝構造を有するので好ましい。分子量(重量平均)
は、500〜100,000の範囲内、好ましくは、5
00〜50,000でなければならない。分子量が高い
ほど耐水堅牢性が改善されるが、インクの粘性も増大す
る。
【0089】多価イオンの塩 アニオン染料に対しては、カルシウム、マグネシウム、
バリウム、及びアンモニウムの塩を、例えば、塩化物及
び硝酸塩の形で使用することができる。
【0090】反対の電荷を帯びている界面活性剤 塩化ドデシルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリ
メチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルピリジニウ
ムなどの、種々の四級化アンモニウム又はピリジニウム
界面活性剤を使用することができる。
【0091】共溶媒及び湿潤剤 インク成分として上に挙げたものと同じ化合物、即ち、
2−ピロリドン、ポリオール、及びポリオールエーテル
を定着液中に使用することができる。
【0092】展着剤 定着液が紙中に無理なく浸透されることは重要である。
この理由から、定着液は展着剤を含有する必要がある。
Tergitol 15S7、Tergitol 15S5(Union Carbide)、又はS
urfynol 465(Air Products)などの、短くて且つ分枝し
たアルキル尾を有する非イオン性タイプの多くの界面活
性剤をこの目的のために使用することができる。炭化水
素の界面活性剤との混合物中に第2のフッ化界面活性剤
を有することは有益であることが見出されている。最高
の効果は、Fluorad FC 170C(3M)、Fluorad FC 170(3
M)、又はZonyl FSN(DuPont de Nemours)などの、ポリエ
トキシ化フッ化アルコールで確認されている。
【0093】界面活性剤は、0.01〜10重量%、好
ましくは、0.1〜2重量%の量でその系に存在してい
なければならない。
【0094】pH調整剤 ポリアミンポリマーを四級化形に転換するには、その系
に酸を付加する必要がある。好ましい酸は、クエン酸、
コハク酸、及び酢酸のような有機酸、又は塩酸のよう
な、無機酸である。好ましいpH値は、3と6の間であ
る。あるいは又、アミン類はアルキル置換基で四級化す
ることもでき、例えば、ペンシルバニア州ワリントンの
Polysciencesで供給されているような、ペルメチル化(p
ermethylated)ポリエチレンイミンを使用してもよい。
【0095】3. 印刷モード 本発明のインクと定着液は、別々のペンに配置され、同
一パスで紙上に堆積されなければならない。定着液を最
初にプリントし、続いて、カラーペンで、通常、C−M
−Yの順でプリントする。定着液のペンは、インクの耐
水堅牢性及び耐こすれ汚れ堅牢性(smudgefastness)を改
善するためにインクを上塗りするのにも使用することが
できる。また、印刷をいくつかのパスで実施して、イン
クと定着液(F)を多層化する方法、即ち、F−CMY−
F−CMY−F−CMY、等の方法で堆積させてもよ
い。
【0096】
【実施例】実施例1.インクと定着液の調製 インクの調製方法には、以下の段階が包含される。
【0097】1. 各カラーにつき、共溶媒、染料、緩
衝剤及び抗菌剤を含む、500gのインク濃縮物の調
製。
【0098】2. 15gのベシクル形成界面活性剤の
添加及びT25 Ultratorrax(Janke & Kunkel,IKA Laborte
chnik)と一緒の10分間の予混合。混合後、典型的なベ
シクルサイズは、約1,000nmであり、インク、特
にイエローインクは、かなり濁っており、オレンジジュ
ースのような外観特性を有していた。
【0099】3. APV Rannieホモジナイザーによる
9.653×104kPa(約14,000psi)に
おける、6つパスのための高圧均質化;水浴に配置した
コイルによりインクを冷却した。ホモジナイザーの流速
は、30ml/分であった。均質化の後、インクは最早
濁っていなかったが、多少、乳白色を発した。
【0100】4. ポリマーバインダーと展着剤の溶液
の添加及び最終混合。
【0101】定着液は、各成分の直接混合で調製した。
好ましくは、ポリエチレンイミン、コハク酸、及び水を
最初に混合し、次に、他の成分全てを添加する。
【0102】実施例2. インクと定着液の組成 幾つかの典型的なインク組成物を表4〜10に示す。定
着液組成物は、表11〜12に示す。組成物中の染料の
量は、1:10,000希釈時の特有波長における光学
濃度によって示す。
【0103】
【表4】
【0104】
【表5】
【0105】
【表6】
【0106】
【表7】
【0107】
【表8】
【0108】
【表9】
【0109】
【表10】
【0110】
【表11】
【0111】
【表12】
【0112】実施例3. インク及び定着液の代表的な
物理特性 表13及び14は、インク#1、定着液#1、及び定着
液#2の物理的特性を示す。粘度は、Brookfield粘度計
を使い60rpmで測定した。表面張力は、プレート法
によるK10ST Kruss Tensiometerを使って測定した。粒
径は、Nicompの粒子サイズ分析器(米国カリフォルニア
州サンタバーバラのParticle Sizing Systems, Inc.)
により散乱角90°及びベシクルモードにおける水での
〜1:10000希釈で測定した。動的光散乱によるマ
ゼンタインクの粒子サイズの測定は、染料蛍光のために
不可能であった。マゼンタとシアンのインクビヒクルが
同じであるため、サイズはシアンと類似していることが
予測され得る。
【0113】
【表13】
【0114】
【表14】
【0115】実施例4. 印刷テストベッド 印刷は、HP 2000c Hewlett Packardプリンタを使って実
施した。定着液をブラックペン(Hewlett Packard Part
#HPC4800A)に充填し、カラーインクをカラーペン(Hewle
tt Packard Part # HPC4801A、HPC4802A及びHPC4803A)
の中にそれぞれ充填した。2.5×3cm又は1.5×
1.5cmの寸法の矩形ブロックをプリントした。1/
600インチピクセル当たりのインク容積は、原色(シ
アン、マゼンタ及びイエロー)については8pL(ピコ
リットル)であり、二成分カラー(赤、緑、及び青)に
ついては16pLであった。堆積された定着液の容積
は、インク容積と同量であった。定着液とインクを同一
パスで堆積させ、且つ定着液を常に最初に堆積させた。
【0116】Championデータコピー用紙(コネチカット
州デンバーのChampion)及びHewlett Packardプレミア
ムフォト用紙(Product # C6039A)上に印刷を行った。
【0117】実施例5. カラー測定 カラー測定は、Minolta CM-503 C型分光光度計を使い2
°及びD65(昼光)条件で行った。3つの値からなる
組、即ち、明度L*、彩度C*、及び色相hを生成した。
カラーの鮮やかさは、彩度値C*によって比較した。調
査した原色に対する代表的色相角は、イエロー、マゼン
タ及びシアンについて、それぞれ、90〜100度、3
44〜355度、及び235〜245度であった。二成
分カラーに対しては、色相角は、赤、緑、及び青につい
て、それぞれ、25〜35°、145〜155°及び2
85〜295°であった。
【0118】実施例6. Championデータコピー用紙上
における種々のインクの彩度C*の比較 表15は、原色及び二成分カラーについてインクセット
#2の彩度値を市販のHP-2000cインクのそれらと比較し
たものである。下刷りを施されたこれらのインクは、市
販のHP-2000cインクより鮮明なカラーを生ずることが分
かる。また、下刷りが、インクセット#2のカラー鮮や
かさを十分改善し、一方、デフォルトなHP-2000cインク
に対しては鮮やかさを改善しないことも分かる。特に赤
色において有利であることが見られる。
【0119】
【表15】
【0120】実施例7. Hewlett Packardプレミアム
フォト用紙上における種々のインクの彩度C*の比較 表16は、原色及び二成分カラーについてインクセット
#2の彩度値を市販のHP-2000cインクのそれらと比較し
たものである。下刷りを施されたこれらのインクは、市
販のHP-2000cインクと比較して鮮やかなカラーを生ずる
ことが分かる。また、下刷りは、インクセット#2のカ
ラー鮮やかさを十分改善するが、デフォルトなHP-2000c
インクに対しては鮮やかさを改善しないことも分かる。
特に赤色において有利であることが見られる。
【0121】
【表16】
【0122】実施例8. Championデータコピー用紙上
におけるインクセット#1の彩度C* 表17は、原色及び二成分カラーについてインクセット
#1の彩度値を市販のHP-2000cインクのそれらと比較し
たものである。下刷りを施されたこれらのインクは、緑
を除いて、市販のHP-2000cインクより鮮やかなカラーを
生ずることが分かる。特に赤色において有利であること
が見られる。図4は、デフォルトHP-2000cインクを使
い、Championデータコピー用紙上に定着液#1で下刷り
されたインクセット#1に関するa**座標における色
空間図を示す。
【0123】
【表17】
【0124】実施例9. Hewlett Packardプレミアム
フォト用紙上におけるインクセット#1の彩度C* 表18は、原色及び二成分カラーについてインクセット
#1の彩度値を市販のHP-2000cインクのそれらと比較し
たものである。下刷りを施されたこれらのインクは、緑
及び青を除いて、市販のHP-2000cインクより鮮やかなカ
ラーを生ずることが分かる。特に黄赤色に見られる。図
5は、デフォルトHP-2000cインクを使い、Hewlett Pack
ardプレミアムフォト用紙上に定着液#1で下刷りされ
たインクセット#1に関するa**座標における色空間
図を示す。
【0125】
【表18】
【0126】実施例10. インクセット#2のカラー
鮮やかさに及ぼすベシクルの効果 カラー鮮やかさの増大に対する下刷りの貢献度を評価す
るために、対照実験を実行した。インクセット#2A
は、インクセット#2と同一の組成であるが、ベシクル
形成界面活性剤及びバインダーを含まない組成であっ
た。以下の表19で分かることは、これらのインクの下
刷りは、シアン及びマゼンタにおける彩度単位で2〜3
の増加を除き、カラー鮮やかさを改善しないということ
である。赤及び青については、その彩度は実際に減少す
る。
【0127】従って、これら成分(ベシクル形成界面活
性剤及びバインダー)の存在は、下刷り設定における彩
度の増大にとって不可欠である。
【0128】
【表19】
【0129】実施例11. 下刷り設定(単一パスプリ
ント)におけるカラー鮮やかさに及ぼすベシクル及びバ
インダーの個別効果 バインダーとベシクルのそれぞれの貢献度を区別するた
め、以下の対照実験を実施した。インクセット#1a
は、インクセット#1と同一の組成であるが、ベシクル
形成界面活性剤とバインダーを含まない組成であった。
インクセット#1bは、ベシクルを含まないが、バイン
ダーを含んでいた。インクセット#1cは、バインダー
を含まないが、ベシクルを含んでいた。表20から、バ
インダーとベシクルは、両方とも、単独でも、カラー鮮
やかさに対して有益な効果を与えるが、その効果は両方
存在する時に拡大されるということが分かる。
【0130】
【表20】
【0131】実施例12. アニオン性及びカチオン性
界面活性剤の混合物をベースとした、ベシクルインクの
カラー鮮やかさに対する下刷りの効果 この実施例では、種々異なるベシクル形成界面活性剤系
についての効率が示される。インクセット#3及びイン
クセット#4は、ベシクルを形成するアニオン性とカチ
オン性界面活性剤の混合物、過フルオロノナン酸ナトリ
ウム、及び臭化ドデシルトリメチルアンモニウムを含ん
でいた。ベシクル形成界面活性剤の比は、ベシクルが全
体的に陰イオン性になるように調整した。下刷りは、シ
アン及びイエローを除く、全ての色のカラー鮮やかさを
幾分改善することが、以下の表21から分かる。
【0132】
【表21】
【0133】実施例13. ベシクル形成剤としてポリ
アルキルホスフェートを含有するカラーインクのカラー
鮮やかさに対する下刷りの効果 実施例13では、ポリアルキルホスフェートを含有する
ベシクルインクのカラー鮮やかさについての下刷りの効
果を評価する。ベシクル形成界面活性剤であるZelec NK
(イリノイ州ノースフィールドのSepan)は、特許組成
物である、脂肪族アルコールのモノー及びジホスフェー
トの混合物である。以下の表22は、マゼンタ、赤及び
青色に関してカラー鮮やかさが改善されていることを示
す。
【0134】
【表22】
【0135】実施例14. 多価金属での下刷り FC−99界面活性剤を1%過フルオロオクタン酸アン
モニウム(Fluka)と置換するようにカラーインクセット
#1を変更した。このインクは定着液#3を使って下刷
りされた。カラー鮮やかさに関する結果を以下の表23
に示す。
【0136】
【表23】
【0137】全ての原色及び二成分カラーにおいて、カ
ラー鮮やかさが改善されたことが分かる。
【0138】実施例15. 種々異なるタイプの事務用
紙におけるインクセット#1のカラー変動性 インクセット#1のカラー鮮やかさを種々異なるタイプ
の事務用紙について比較した。Gilbert Bond(Mead)、Ch
ampionデータコピー用紙(Champion)、及びHewlett Pack
ardブライトホワイト用紙などのハイエンド製品と、Hon
shu New Yamayri用紙などのローエンド製品を含む、全
部で20種類の各種用紙について調査した。その結果
は、表24に示されており、定着液#1で下刷りされた
インクセット#1のカラー鮮やかさとデフォルトHP-200
0cインクとを、全ての用紙にわたって比較したものであ
る。インクセット#1のカラー鮮やかさは、緑を除い
て、全ての色についてデフォルトHP-2000cインクのそれ
より良好であることが分かる。また、用紙の違いによる
カラー鮮やかさの変動性は、インクセット#1の方がよ
り低い。
【0139】
【表24】
【0140】実施例16. ベシクルトゥルーブラック
インク#6 ベシクル含有の染料ベースブラックを上記表9で記述し
たようにして調製した。以下の表25は、Gilbert Bond
紙上におけるブラックインクの光学濃度を示す。光学濃
度(OD)は、RD918 Macbeth分光光度計を使って
測定した。光学濃度1.24という数値が、かなり低い
インク容積である、1/600インチピクセル当たり8
pLで達成されることに注目されたい。比較のために述
べるが、HP-2000cプリンタのトルゥーブラックインクで
は、そのインク被覆度の約4倍の量が必要とされる。従
って、ベシクル含有の染料ベースブラックに関しては、
乾燥時間が速く且つこすり汚れも低かった。
【0141】
【表25】
【0142】実施例17. インクセット#1カラーイ
ンクセットの複合ブラック 本発明のベシクルインクは、表26及び図6に示される
様に、従来の複合ブラックより優れた良好な複合ブラッ
クを提供することが見出された。この利点により、トル
ゥーブラックを使用することなく写真画像においてさら
に良好なハーフトーンを実現することが可能となる。ま
た、高品質のブラックテキストを複合ブラックで印刷す
ることも潜在的に可能である。
【0143】
【表26】
【0144】実施例18. 比較結果 幾つかの従来技術のインクのカラー鮮やかさに対する下
刷りの効果を評価するため、以下の実験を行った。Cano
n BCJ-7000プリンタは、米国特許第5,624,484
号及び第5,640,187号に記載されているよう
に、下刷り技術を利用していることが知られている。市
販のCanon BCJ-7000プリンタを用いて、Gilbert Bond(G
B)紙上にデフォルトプリンタモードで一連のカラーブロ
ックを印刷した。次いで、定着液ペンをテープで塞ぎ、
定着液無しで印刷を行った。下刷りにより、カラー−カ
ラーブリードが十分に改善された。しかしながら、以下
の表27に示すように、特に、緑、黄、赤、及びマゼン
タの各色について、カラー鮮やかさが悪化した。シアン
と青色についてのみ、多少改善されただけである。本発
明の最良のカラーインクに関しては、全カラーのカラー
鮮やかさが下刷りによって改善されることに注目された
い。上記表表15及び16を参照。
【0145】
【表27】
【0146】実施例19. インクセット#1の耐水堅
牢性に対する下刷りの効果 耐水堅牢性を評価するため、紙上に印刷されたカラース
トライプ列(sequence)に水を滴下した。転移
した光学濃度をストライプ間で測定し、これを画像の耐
水堅牢性の評価基準とした。光学濃度(OD)は、RD
918Macbeth分光光度計で測定した。表28は、定着
液#1で下刷りされたインクセット#1の耐水堅牢性を
デフォルトHP-2000cインクのものと比較したものであ
る。シアン及びマゼンタの耐水堅牢性において十分な改
善が見られる。
【0147】
【表28】
【0148】実施例20. ブリード、エッジ明瞭度、
及び領域充填の均一性 ベシクルインクの下刷りは、カラー−カラーブリードを
著しく低減すると共に優れたエッジ明瞭度を提供する。
エッジ明瞭度における有益性を表29に見ることができ
る。これは本発明のインクセット#1と市販のHP-2000c
インクについて、全ての原色と二成分カラーにわたって
平均されたライン粗さ率(line roughnes
s factor)を比較したものである。
【0149】
【表29】
【0150】本発明による下刷りされたベシクルインク
の他の利点としては、優れた領域充填の均一性である。
上述したように、市販のHP-2000cインクなどの従来のイ
ンクは、紙中へのかなりの浸透を呈する。結果として、
紙繊維がカラーブロックを通して目に見えることがあり
得、且つ画像が多数の白い斑点を含んでしまう。他方、
本発明のインクは、極めて均一な領域充填を提供し、且
つこれを通して紙繊維は見られない。このことは、カラ
ーテキストの品質及び画像と図表類の品質について、特
に有益である。
【0151】
【発明の効果】本発明のベシクル含有インクは、インク
ジェットプリンタの分野における有用性が見出されるこ
とが期待される。
【0152】以上、1つの電荷符号をもつベシクルを含
有し、その反対電荷符号の定着液の下刷りとの組合せで
用いられる、染料ベースのインクジェットインクを開示
してきた。種々の変更並びに修正を成し得、且つこのよ
うな変更並びに修正の全ては請求の範囲で定義されてい
る本発明の範囲内に帰属すべきものであることは、当業
者には容易に明らかであろう。
【0153】以下に本発明の実施の態様を要約して示
す。 1.第1の符号の電荷を有する少なくとも1つの水溶性
染料と少なくとも1つの界面活性剤から形成されるベシ
クルとを含有する水性の染料ベースインクであって、前
記ベシクルは、2個又は偶数個の単層がその内部と外部
の境界を定める壁を形成するように背面と背面で接続さ
れた二重層壁を包含し、前記水溶性染料は、前記ベシク
ルの前記内部と前記外部との間に主に分布される、水性
の染料ベースインク。 2. 前記水溶性染料の少なくとも5%が、前記ベシク
ルの内部に捕捉される、上記1に記載の水性染料ベース
インク。 3. 前記染料が、シアン、イエロー、マゼンタ、又は
ブラックのカラーを有する、上記1に記載の水性染料ベ
ースインク。 4. 前記ベシクルが、電荷を帯びていないか又は前記
染料の分子と同様に前記第1の符号の正味電荷を帯びて
いる、上記1に記載の水性染料ベースインク。 5. 前記インクが、 (a) 前記染料の分子と同様に前記第1の符号の正味
電荷を帯びているポリマーバインダー; (b) ポリオール、ポリオールエーテル、及び2−ピ
ロリドンから成る群から選択される、湿潤剤及び共溶
媒; (c) 非イオン性であるか又は前記染料の分子と同様
に前記第1の符号の正味電荷を帯びている展着剤;及び (d) 少なくとも1つの殺生物剤、キレート剤、及び
酸化防止剤の少なくとも1つを追加的に含有する、上記
1項に記載の水性染料ベースインク。 6. 前記ベシクル形成界面活性剤が、 (a) リン脂質及びリン脂質の混合物; (b) モノアルキルホスフェート又はポリアルキルホ
スフェート、あるいはそれらの混合物;及び (c) 前記染料の分子と同様に前記第1の符号の正味
電荷を帯びている、アニオン性界面活性剤とカチオン性
界面活性剤との混合物から成る群から選択される、上記
1に記載の水性染料ベースインク。 7. 前記ベシクルが、前記インクの粘度が約4mPa
s(約4cp)を越えない値に維持される限り、約1か
ら10重量%の範囲の量で存在する、上記1に記載の水
性染料ベースインク。 8. 本質的に、(a)少なくとも1つのシアン、マゼ
ンタ、又はイエロー染料を含む、上記1項に記載の前記
水性染料ベースのベシクルインクと、(b)カラーイン
クに先立ち、用紙上に堆積される、透明な定着液とから
成るインクジェット印刷インクシステムであって、前記
定着液が、高分子又は多価イオン、又はその両方を含有
し、且つ前記染料の前記電荷とは反対の電荷を有する、
インクジェット印刷インクシステム。 9. (a)前記高分子が、ポリエチレンイミン、ポリ
ビニルピロリドン及びポリアリルアミン、又は、酸−四
級化形のその他の高分子アミンから選択されるカチオン
系ポリマーであるか、あるいは(b)前記多価イオン
が、Ca2+、Mg2+、Al3+、又はBa2+である、上記
8に記載のインクジェット印刷インクシステム。 10. 前記定着液が、 (a) ポリオール、ポリオールエーテル、及び2−ピ
ロリドンから成る群から選択される、湿潤剤及び共溶
媒;及び (b) 展着性界面活性剤の少なくとも1つを含有す
る、上記8に記載のインクジェット印刷インクシステ
ム。 11. 染料ベースのインクジェットインクの彩度、カ
ラー−カラーブリード、及びエッジ明瞭度を改善する方
法であって、各インクが、それぞれ別個のインクペンに
充填され且つ少なくとも1つの水溶性染料及びベシクル
を含有し、前記ベシクルが、前記ベシクル内に実質的な
割合の前記染料分子を含むのに十分な量で存在し、前記
ベシクルが、第1の電荷符号を有する前記界面活性剤か
ら形成される、上記8項の前記シアン、イエロー及びマ
ゼンタインクを含む前記インクセットを提供すること;
前記の第1の電荷符号とは反対の、第2の電荷符号を有
する上記8項の前記定着液を収容する追加ペンを提供す
ること;前記定着液を印刷媒体上に印刷すること;及び
前記定着液上に少なくとも1つの前記インクを印刷する
こと、を含む方法。 12. 前記ベシクルが負に帯電され且つ前記定着液が
カチオン系ポリマーを含有する、上記11に記載の方
法。 13. 前記定着液と前記少なくとも1つのインクが同
一パス上に印刷される、上記11に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ミセルを描写した略図である。
【図2】 ベシクルを描写した略図である。
【図3】 用紙の印刷面上に形成された正電荷の固定用
高分子層に対する負電荷のベシクルの結合を描写した概
略図である。
【図4】 Championデータコピー用紙上の2つの異なる
インクのa*−b*色空間のプロットである。
【図5】 Hewlett-Packardプレミアムフォト用紙上の
2つの異なるインクのa*−b*色空間のプロットであ
る。
【図6】 Championデータコピー用紙上で定着液を使用
した場合としない場合の2つの異なるインクの複合ブラ
ックの光学濃度値である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の符号の電荷を有する少なくとも1
    つの水溶性染料と少なくとも1つの界面活性剤から形成
    されるベシクルとを含有する水性の染料ベースインクで
    あって、前記ベシクルは、2個又は偶数個の単層がその
    内部と外部の境界を定める壁を形成するように背面と背
    面で接続された二重層壁を包含し、前記水溶性染料は、
    前記ベシクルの前記内部と前記外部との間に主に分布さ
    れる、水性の染料ベースインク。
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