JP2001122158A - 車両のフロントフェンダ前端部構造 - Google Patents

車両のフロントフェンダ前端部構造

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 別ブラケットを必要とせず、ラジエータコア
アッパをフロントエンドモジュール化しても取付けが容
易な車両のフロントフェンダ前端部構造を提供する。 【解決手段】 フロントフェンダ２におけるフランジ１
０の取付部１２を、オーバーハング部１１よりも低い位
置に形成したため、オーバーハング部１１と干渉するこ
となく、ラジエータコアアッパ３の両端部７を、フラン
ジ１０の取付部１２に直接取付けることができる。従っ
て、別ブラケットを必要とせず、部品点数及び作業工数
の低減を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両のフロント
フェンダ前端部構造に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】自動車の前部における側面は、実開平２
−６１７８４号公報或いは特開平２−２４９７７２号公
報に示すように、フロントフェンダにより構成されてい
る。このフロントフェンダは、外面部の内側端から下向
きに形成された縦面部を有し、該縦面部の下端からは、
内向きのフランジも形成されている。そして、フロント
フェンダのフランジは、車体に取付けられると共に、そ
の前端には取付部が設定され、この取付部上面にラジエ
ータコアアッパの両端部が前方から取付けられる。ラジ
エータコアアッパは、エンジンルームの前面上部で車幅
方向に架設される一つの部品で、ラジエータコアサイド
等の他の部品と組み合わされて骨格フレームを構成す
る。
【０００３】ところで、フロントフェンダの造形とし
て、車体全体のデザイン上の要請から、フロントフェン
ダの前端部に、フランジを形成せずに外面部と縦面部の
みを内向きに湾曲させたオーバーハング部が形成される
場合がある。このようなオーバーハング部を形成した場
合、オーバーハング部がフランジの取付部の前側に回り
込んだ状態になるため、オーバーハング部とラジエータ
コアアッパの両端部とが干渉することになるため、ラジ
エータコアアッパの両端部を、フロントフェンダのフラ
ンジに直接取付けることができない。従って、フロント
フェンダに内側に延びるブラケットを取付け、そのブラ
ケットの上に、ラジエータコアアッパの両端部を取付け
るようにしている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の技術にあっては、フロントフェンダの前端部
にオーバーハング部を形成した状態で、ラジエータコア
アッパの両端部を取付けようとすると、どうしても、別
ブラケットが必要となるため、部品点数の増加及び作業
工数の増加を招くことになる。
【０００５】そこで、オーバーハング部を形成しても、
別ブラケットを必要とせず、しかも、簡単な取付け方
で、フロントフェンダの取付部に、ラジエータコアアッ
パの両端部を取付けることができる構造の提案が待たれ
ている。
【０００６】特に、最近では、特開平７−３５２５５号
公報等で知られているように、自動車の組み立て作業の
効率化を図るために、ラジエータコアアッパを含む全て
の骨格フレーム部品及びその周辺装備を、予めフロント
エンドモジュールとして製造しておき、それを製造ライ
ンにおいて、車体に取付け構造が採用されているため、
ラジエータコアアッパがこのような大きくて重いフロン
トエンドモジュールに組み込まれたとしても、容易にフ
ロントフェンダに取付けられる構造でなければならな
い。
【０００７】この発明は、このような従来の技術に着目
してなされたものであり、別ブラケットを必要とせず、
ラジエータコアアッパをフロントエンドモジュール化し
ても取付けが容易な車両のフロントフェンダ前端部構造
を提供するものである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】請求項１に記載の発明
は、外面部の内側端から下向きに縦面部が形成され、該
縦面部の下端から内向きにフランジが形成されたフロン
トフェンダの前端部に、少なくとも前記外面部と前記縦
面部とを内向きに湾曲させたオーバーハング部を形成
し、且つオーバーハング部の直後に位置するフランジの
前端にラジエータコアアッパ両端部用の取付部が設定さ
れている車両のフロントフェンダ前端部構造であって、
前記フランジの前端に設定された取付部及びそれに対応
する部分の縦面部を下側に延長して、前記取付部をオー
バーハング部よりも低い位置に形成した。
【０００９】請求項１に記載の発明によれば、フロント
フェンダにおけるフランジの取付部を、オーバーハング
部よりも低い位置に形成したため、オーバーハング部と
干渉することなく、ラジエータコアアッパの両端部を、
フランジの取付部に直接取付けることができる。従っ
て、別ブラケットを必要とせず、部品点数及び作業工数
の低減を図ることができる。また、ラジエータコアアッ
パの両端部を、前側から水平にスライドさせることによ
り、フロントフェンダの取付部に取付けることができる
ため、ラジエータコアアッパが大きなフロントエンドモ
ジュールに組み込まれても、そのフロントエンドモジュ
ール全体を水平に移動させれば良く、作業が容易であ
る。
【００１０】請求項２に記載の発明は、フランジにおけ
る取付部に相当する部分を一般面よりも一段低い位置に
形成し、取付部の後端にラジエータコアアッパ両端部を
突き当てる縦壁を形成した。
【００１１】請求項２に記載の発明によれば、ラジエー
タコアアッパの両端部の先端が、一段低い位置に形成さ
れた取付部の縦壁に突き当てられることにより、ラジエ
ータコアアッパのフロントフェンダに対する前後方向で
の位置合わせを行うことができる。
【００１２】請求項３に記載の発明は、取付部の前端に
は、斜め前方下向きに延びるガイド片を形成した。
【００１３】請求項３に記載の発明によれば、取付部の
前端にガイド片を形成したため、ラジエータコアアッパ
の両端部を前側からスライドさせて取付部の上に載せる
作業が行いやすい。
【００１４】
【発明の効果】この発明によれば、フロントフェンダに
おけるフランジの取付部を、オーバーハング部よりも低
い位置に形成したため、オーバーハング部と干渉するこ
となく、ラジエータコアアッパの両端部を、フランジの
取付部に直接取付けることができる。従って、別ブラケ
ットを必要とせず、部品点数及び作業工数の低減を図る
ことができる。また、ラジエータコアアッパの両端部
を、前側から水平にスライドさせることにより、フロン
トフェンダの取付部に取付けることができるため、ラジ
エータコアアッパが大きなフロントエンドモジュールに
組み込まれても、そのフロントエンドモジュール全体を
水平に移動させれば良く、作業が容易である。
【００１５】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施形態
を図１〜図５に基づいて説明する。図１は、この実施形
態に係るフロントエンドモジュール１と、フロントフェ
ンダ２を示している。このフロントエンドモジュール１
は、ラジエータコアアッパ３やファーストクロスメンバ
４による骨格フレームを予め組み上げ、それにラジエー
タ５やランプ６等の周辺装備品も一緒に組み付けた構造
になっている。フロントエンドモジュール１全体として
は、大きくて重いため、機械で吊り下げて、車体に取付
けられる。
【００１６】このフロントエンドモジュール１は、ラジ
エータコアアッパ３部分の両端部７が、車体の左右両側
に予め固定されたフロントフェンダ２にそれぞれ取付け
られる。フロントフェンダ２は、車体の側面を形成する
湾曲状の外面部８と、その外面部８の内側端から下向き
に形成された縦面部９と、該縦面部９の下端から内向き
に延びるフランジ１０とから形成されている。また、フ
ロントフェンダ２の前端部には、フランジ１０を形成せ
ずに、外面部８と縦面部９のみを内向きに湾曲させたオ
ーバーハング部１１が形成されている。
【００１７】このようなオーバーハング部１１を形成し
ても、フロントエンドモジュール１におけるラジエータ
コアアッパ３の両端部７を、フランジ１０に直接取付け
られるようにするため、フロントフェンダ２のプレス成
形時に、フランジ１０の前端及びそれに対応する縦面部
９を他の部分よりも下側へ深く絞ることで、下側に延長
している。そして、そのフランジ１０の前端に、ラジエ
ータコアアッパ３の両端部７のための取付部１２を設定
した。この取付部１２は、フランジ１０の前端における
一般面よりも更に一段低い位置に形成されており、オー
バーハング部１１よりはｈだけ下に位置している。この
取付部１２は、一段低い位置に形成したため、その後端
には、図４に示すように、ラジエータコアアッパ３の両
端部７を突き当て可能な縦壁１２ａが形成されている。
更に、取付部１２の前端には、斜め前方下向きに延びる
ガイド片１３が形成されている。
【００１８】取付部１２がこのように低い位置に形成さ
れているため、大きくて重いフロントエンドモジュール
１であっても、機械で吊り下げたまま、前側から水平に
スライドさせれば、ラジエータコアアッパ３の両端部７
を、オーバーハング部１１と干渉することなく、フラン
ジ１０の取付部１２上に載せて取付けることができ、作
業が大変容易である。また、ラジエータコアアッパ３の
両端部７をフランジ１０の取付部１２に直接取付けるこ
とができ、従来のように別ブラケットを必要としないた
め、部品点数及び作業工数の低減を図ることができる。
【００１９】また、取付部１２の後端には、ラジエータ
コアアッパ３の両端部７の先端を当接させる縦壁１２ａ
が形成されているため、ラジエータコアアッパ３（フロ
ントエンドモジュール１全体）のフロントフェンダ２に
対する前後方向での位置合わせも行うことができる。従
って、ラジエータコアアッパ３の両端部７を、フランジ
１０の取付部１２にセットするだけで、両者のボルト孔
１４、１５が合致し、この点においても、作業性の改善
が図られる。
【００２０】しかも、取付部１２の前端にガイド片１３
を形成したため、ラジエータコアアッパ３の両端部７を
前側からスライドさせて取付部１２の上に載せる作業が
更に行い易くなっている。
【００２１】尚、以上の実施形態では、ラジエータコア
アッパ３の両端部７と、フランジ１０の取付部１２の両
方を水平に形成する例を示したが、両者とも同じ角度だ
け傾斜していても良い。両者とも多少前下がり状態で傾
斜していると、オーバーハング部１１の下側に形成する
クリアランスは大きくなるが、両者の合わせ作業は行い
易くなる。また、以上の実施形態では、外面部８と縦面
部９とのみを内側に湾曲させて、オーバーハング部１１
を形成しているが、オーバーハング部１１の縦面部９下
端から内向きフランジが形成されていても良いし、取付
部１２が内向きに延設されていても良い。更に、ラジエ
ータコアアッパ３の代わりに、空調用熱交換器等、冷却
を要する他の部品であっても、同様の構成によって、同
様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明の実施形態に係るフロントエンドモジ
ュール及びフロントフェンダを示す分解斜視図。
【図２】図１のフロントフェンダの前端部を示す分解斜
視図。
【図３】図１のフロントフェンダの前端部を示す平面
図。
【図４】図３中のＳＡ−ＳＡ線に沿うラジエータコアア
ッパ取付状態の断面図。
【図５】図３中のＳＢ−ＳＢ線に沿うラジエータコアア
ッパ取付状態の断面図。
【符号の説明】
１ フロントエンドモジュール ２ フロントフェンダ ３ ラジエータコアアッパ ７ 両端部 ８ 外面部 ９ 縦面部 １０ フランジ １１ オーバーハング部 １２ 取付部 １２ａ 縦壁 １３ ガイド片

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 外面部の内側端から下向きに縦面部が形
    成され、該縦面部の下端から内向きにフランジが形成さ
    れたフロントフェンダの前端部に、少なくとも前記外面
    部と前記縦面部とを内向きに湾曲させたオーバーハング
    部を形成し、且つオーバーハング部の直後に位置するフ
    ランジの前端にラジエータコアアッパ両端部用の取付部
    が設定されている車両のフロントフェンダ前端部構造で
    あって、 前記フランジの前端に設定された取付部及びそれに対応
    する部分の縦面部を下側に延長して、取付部をオーバー
    ハング部よりも低い位置に形成したことを特徴とする車
    両のフロントフェンダ前端部構造。
  2. 【請求項２】 請求項１に記載の車両のフロントフェン
    ダ前端部構造であって、 前記フランジにおける取付部に相当する部分を、一般面
    よりも一段低い位置に形成し、該取付部の後端にラジエ
    ータコアアッパ両端部を突き当てる縦壁を形成したこと
    を特徴とする車両のフロントフェンダ前端部構造。
  3. 【請求項３】 請求項１又は請求項２に記載の車両のフ
    ロントフェンダ前端部構造であって、 前記取付部の前端には、斜め前方下向きに延びるガイド
    片を形成したことを特徴とする車両のフロントフェンダ
    前端部構造。
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