JP2001122154A - 差厚ブランク材 - Google Patents
差厚ブランク材Info
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Abstract
ながらも、プレス成形時に割れがほとんど生じず、しか
も信頼性の高いアルミニウム合金板からなるブランク材
を提供する。 【解決手段】 アルミニウム合金からなる主板材11
と、この表面上に積層された補強板材12〜14とを溶
接および/または接着によって一体化する。これによ
り、部位によって板厚が異なり、プレス成形によって所
定の部材とされる差厚ブランク材1が得られる。差厚ブ
ランク材1によると、複数枚の板材を突き合わせてなる
テーラードブランク材とは異なり接合によって形成され
たのではない1枚の主板材を用いているために、プレス
成形時に割れが生じることが少なく、成形高さが比較的
高い部材をも成形することが可能となる。
Description
る部位を有する差厚ブランク材に関し、例えば自動車の
内装パネルの形状にプレス成形される差厚ブランク材に
関する。
で接合することによって1枚の鋼板を製造する技術が知
られている。このようにして製造された板材は、テーラ
ードブランク材と呼ばれており(特開平10−1804
70号公報参照)、接合により一体化された後にプレス
成形によって特定の部材形状に加工される。
ような利益がある。まず、高い強度が要求される部分に
高強度材または厚い鋼板を用いれば、補強材を別途用い
なくとも必要な強度および剛性を確保できるようにな
る。また、端材を用いて製造することにより材料歩留ま
りが向上するので、金型数の減少と相まって部材を低コ
ストで製造可能となる。さらに、肉厚配分を最適化でき
るので、必要な強度および剛性を確保しつつ最も軽量な
部材を得ることができるようになる。
は、鋼板についてはすでに実用化されており上述したよ
うな利益が得られているが、近年、鋼板よりも軽量化の
点で優れたアルミニウム合金板を接合して作られたテー
ラードブランク材をプレス成形して所望の部材を製造し
ようとする試みがなされている。
ス成形特性については、鋼板ほどの知識の集積がなされ
ていないのが現状であり、しかも、鋼板とは逆に、アル
ミニウム合金材料における突き合わせ接合の溶接部の強
度は母材よりも小さい。具体的には、鋼板では、(溶接
部耐力/母材耐力)が150%程度であるのに対し、5
000系或いは6000系のアルミニウム合金板では6
0〜80%程度に過ぎない。そのため、プレス成形時に
張力が加わる部位に溶接部が含まれていると、強度が弱
い溶接部の変形量が大きくなる。そして、アルミニウム
合金材料では、溶接部を含む部分の破断伸びが母材のみ
の場合の5割程度と小さいため、プレス成形途中におい
て主に溶接部で割れ(破断)が生じることが多い。従っ
て、アルミニウム合金板から作られたテーラードブラン
ク材をプレス成形することによっては、成形高さが低い
簡単な製品しか作ることができない。
ドブランク材を作る場合には、変形が激しいコーナー部
から遠く離れた場所をアルミニウム合金板の溶接部とす
るのが一般的である。しかしながら、この場合には、溶
接部を最適な場所に形成することができず、上述したよ
うなテーラードブランク材の利益が減じられてしまうと
いう問題がある。
ルミニウム合金板同士を溶接によって突き合わせ接合し
たものであるため、溶接部に溶接欠陥が存在するかどう
かによって強度が大幅に変動し、量産時の信頼性という
点でも問題がある。
良好で低コストでの製造が可能であるとともに必要な強
度および剛性が確保され且つ軽量であるというテーラー
ドブランク材の利益を十分に保持しながらも、プレス成
形時に割れがほとんど生じず、しかも信頼性の高いアル
ミニウム合金板からなるブランク材を提供することであ
る。
に、請求項1の差厚ブランク材は、互いに板厚が異なる
部位を有しており、部材の形状にプレス成形される差厚
ブランク材であって、アルミニウム合金板からなる1枚
の主板材と、その表面上の1または複数の部位のそれぞ
れに積層されたアルミニウム合金板からなる補強板材と
が接合されることによって一体化されていることを特徴
とするものである。
枚の板材を突き合わせてなるテーラードブランク材とは
異なり接合によって形成されたのではない1枚の主板材
を用いているために、プレス成形時に割れが生じること
が少なく、成形高さが比較的高い部材をも成形すること
が可能となる。また、テーラードブランク材のようにプ
レス成形時の割れ防止のために主板材と補強板材との接
合個所を変更する必要がないので、主板材の板厚および
補強板材の板厚だけでなく補強板材の接合個所をも最適
化することができる。従って、材料歩留まりが良好で低
コストでの製造が可能であるとともに必要な強度および
剛性が確保され且つ軽量であるという利益が得られる。
なお、各部位に複数の補強板材を積層するようにしても
よい。
れるので、接合部に溶接欠陥があったとしても、そのた
めに強度が極端に低下することがなく信頼性の点でも大
きな問題がない。
補強板材を接合することによって差厚板材が形成される
ので、突き合わせ溶接によって製造するテーラードブラ
ンク材のように板材どうしの板厚差が大きい場合に接合
できないということがなく、部位ごとの板厚差が大きい
差厚ブランク材であっても容易に製造することが可能で
ある。
とが比較的広い面積で接合されるので、溶接以外に接着
によっても接合を実現することができる。すなわち、請
求項2の差厚ブランク材は、前記接合が、溶接および接
着の少なくともいずれか一方により行われたものである
ことを特徴とするものである。
接、ワイヤー溶接、アーク溶接などをいずれも用いるこ
とが可能である。例えば、アーク溶接としては、不活性
ガスとしてアルゴンやヘリウムを用いたTIG(Tungst
en Inert Gas)溶接やMIG(Metal Inert Gas )溶接
を用いることができる。2種類以上の溶接法を同じ個所
に同時に用いてもよい。
系、ゴム系、エポキシ、アクリル、ポリエステル、ポリ
アミドなどを用いることができる。また、主板材と補強
板材とを接着剤を用いて接合する場合には、制振性向上
といった効果が期待できる。また、溶接と接着とを併用
することで接合の信頼性を高めることが可能となる。溶
接法や接着法としては、公知の方法のうちアルミニウム
合金に適用可能なものをいずれも用いることができる。
補強板材の端部の少なくとも一部が傾斜部であることを
特徴とするものである。
くとも一部が傾斜部であるために、主板材のうち補強板
材が接合されていない部分への応力集中が緩和されて割
れが生じにくい。このような傾斜部は、TIG溶接、M
IG溶接或いはレーザ溶接などによって、母材である補
強板材や主板材と溶加材とが溶融混合して形成されたも
のであってよい。
部および凹凸部の少なくともいずれか一方を有していて
もよい(請求項4)。開口部や凹凸部は主板材および/
または補強板材に予め形成されていてもよいし、プレス
成形によりまたはプレス成形した後に開口部や凹凸部が
形成されてもよい。凹凸部は、例えばエンボス加工によ
って1方向或いは交差する2方向に沿って繰り返して設
けられたものであってよい。
部材は自動車の内装パネルであってよい(請求項5)。
自動車の内装パネルとしては、ドアインナー、バックド
ア、サイドパネル、フロアサイドなどがある。
合金板が、5000系、6000系、および、7000
系から選択されたアルミニウム合金からなることが好ま
しい(請求項6)。特に、6000系のアルミニウム合
金はリサイクル特性の点で優れている。AAないしJI
S規格による5000系アルミニウム合金は、Mg添加
量が4%以上であり、6000系アルミニウム合金は、
MgのほかにSiを規定量含むものである。しかし、必
ずしも各成分が規格通りにならずとも、適宜成分組成の
変更は許容される。すなわち、具体的な用途および要求
特性に応じて、他の元素を適宜含むことは許容される。
また、1000系、3000系などのアルミニウム合金
を用いてもよい。
について、図面を参照しつつ説明する。
る差厚ブランク材およびこれをプレス成形して製造され
る部材の製造工程を説明するための斜視図であって、図
1(a)は本実施の形態の差厚ブランク材を構成する各
板材を、図1(b)は各板材が接合された差厚ブランク
材を、図1(c)は差厚ブランク材のプレス成形後の状
態をそれぞれ示している。
差厚ブランク材1は、1つの主板材11および3つの補
強板材12〜14の4つの板材から構成されている。こ
れら4つの板材は、ともに6000系アルミニウム合金
でできている。主板材11は矩形形状であって、均一な
板厚を有している。矩形の補強板材12は、主板材11
と同じ長さを有し且つ幅が比較的狭い細長形状をしてお
り、図1(b)に示すように、主板材11と角部どうし
が一致するように主板材11の表面上に積層される。矩
形であって主板材11よりも短く形成された補強板材1
3、14は、それぞれ主板材11と角部どうしが一致す
るように主板材11の表面上に積層される。補強板材1
2〜14が積層される位置は、製造される部材の強度補
強が必要とされる個所であり、補強板材12〜14の板
厚は、その個所にどの程度の強度補強が必要であるかに
よって適宜定められる。
14は、その裏面に塗布されたナイロンエポキシ樹脂に
よって主板材11と接着されるとともに、例えばMIG
溶接或いはTIG溶接によって主板材11と溶接され
る。MIG溶接或いはTIG溶接は、補強板材12〜1
4の側面のうち主板材11の側面と同一平面になってい
ない面と主板材11の表面との境界線12a、13a、
14aに沿って行われる。これら溶接および接着によっ
て、主板材11と補強板材12〜14とが一体化し、図
1(b)に示すような差厚ブランク材1が形成される。
ランク材1においては、補強板材12〜14が接合され
ていない部位の板厚が薄く、補強板材12〜14が接合
された部位の板厚がそれよりも厚くなっている。このよ
うに、本実施の形態では、1枚の主板材11の表面上に
補強板材12〜14を接合して差厚板材1を形成してい
るので、突き合わせ溶接によって製造するテーラードブ
ランク材とは異なり、部位ごとの板厚差が大きい差厚板
材1であっても容易に製造することが可能である。
に示すように、補強板材12と主板材11との境界線1
2a付近には、MIG溶接或いはTIG溶接によって溶
接部16が形成されている(図示省略するが、補強板材
13、14についても境界線13a、14a付近に同様
の溶接部が形成されている)。溶接部16は、補強板材
12、主板材11および溶加材が溶融混合したものであ
って、内側に向かってなだらかに傾斜した傾斜部となっ
ている。本実施の形態の差厚板材1には、このようなな
だらかな傾斜を有する溶接部16が設けられているため
に、主板材11のうち補強板材12、13、14が接合
されていない部分への応力集中が緩和されてプレス成形
時に割れが生じにくい。
1は、その後、図1(c)に示すような中央に凸部を有
する所望の部材の形状にプレス成形される。この後、周
辺部をトリムするなどの所定の工程を経ることにより、
所望の部材が得られる。なお、最終的に得られた部材に
は、図1(c)に示すような開口部18が設けられてい
てもよい。この開口部18は、主板材11と補強板材1
2〜14とを接合する前に設けてもよいし、主板材11
と補強板材12〜14とを接合した後プレス成形前に設
けてもよいし、プレス成形後に設けてもよい。また、最
終的に得られる部材には、開口部18に代えて或いは開
口部18に加えて、凹凸部(図示せず)が形成されてい
てもよい。この凹凸部はプレス成形と同時に形成されて
もよいし、その前後に別工程で形成されてもよい。
ドブランク材とは異なり、接合によって形成されたので
はない1枚の主板材11を用いているために、プレス成
形によって割れが生じることが少なく、成形高さが比較
的高い部材の形状に差厚ブランク材1を成形することが
可能である。また、プレス成形時の割れ防止のために主
板材11と補強板材12〜14との接合個所を変更する
必要がなく、主板材11の板厚および補強板材12〜1
4の板厚だけでなく補強板材12〜14の接合個所を最
適化することができる。従って、材料歩留まりが良好で
低コストでの製造が可能であるとともに必要な強度およ
び剛性が確保され且つ軽量であるというテーラードブラ
ンク材と同様の利益が得られる。
は、1枚の主板材11上に補強板材12〜14が接合さ
れるので、接合部に溶接欠陥があったとしても、そのた
めに差厚ブランク材1の強度が極端に低下することがな
く信頼性の点でも大きな問題が生じることがない。
説明する。図3は、本発明の第2の実施の形態にかかる
差厚ブランク材およびこれをプレス成形して製造される
部材の製造工程を説明するための斜視図であって、図3
(a)は本実施の形態の差厚ブランク材を構成する各板
材を、図3(b)は各板材が接合された差厚ブランク材
を、図3(c)は差厚ブランク材にエンボス加工が施さ
れた後の状態をそれぞれ示している。
差厚ブランク材2は、1つの主板材21および1つの補
強板材22の2つの板材から構成されている。これら2
つの板材は、ともに6000系アルミニウム合金ででき
ている。主板材21は矩形材がコ字形状に曲げられたも
のであり、均一な板厚を有している。補強板材22は、
主板材21と同じくコ字形状に曲げられているが、その
幅は主板材21よりも狭い細長形状をしており、図3
(b)に示すように、主板材21と角部どうしが一致す
るように主板材21の表面上に積層される。補強板材2
2が積層される位置は、製造される部材の強度補強が必
要とされる個所であり、補強板材22の板厚は、その個
所にどの程度の強度補強が必要であるかによって適宜定
められる。
は、その裏面に塗布されたナイロンエポキシ樹脂によっ
て主板材21と接着されるとともに、例えばMIG溶接
或いはTIG溶接によって主板材21と溶接される。M
IG溶接或いはTIG溶接は、第1の実施の形態と同様
に、補強板材22の側面のうち主板材21の側面と同一
平面になっていない面と主板材21の表面との境界線
(図示せず)に沿って行われる。これら溶接および接着
によって、主板材21と補強板材22とが一体化し、図
3(b)に示すような凸形状の差厚ブランク材2が形成
される。
ランク材2においては、補強板材22が接合されていな
い部位の板厚が薄く、補強板材22が接合された部位の
板厚がそれよりも厚くなっている。また、図示は省略す
るが、第1の実施の形態と同様に、補強板材22と主板
材21との境界線付近には、MIG溶接或いはTIG溶
接によってなだらかに傾斜した溶接部が形成されている
ので、主板材21のうち補強板材22が接合されていな
い部分への応力集中が緩和されてプレス成形時に割れが
生じにくい。
2には、その後、プレス成形が施されて、図3(c)に
示すように、主板材21の頂部に2つの凹部24が形成
される。この後、所定の工程を経ることにより、所望の
部材を得ることができる。
ドブランク材とは異なり、接合によって形成されたので
はない1枚の主板材11を用いているために、プレス成
形によって割れが生じることが少なく、比較的深い凹部
24を成形することが可能である。また、プレス成形時
の割れ防止のために主板材21と補強板材22との接合
個所を変更する必要がなく、主板材21の板厚および補
強板材22の板厚だけでなく補強板材22の接合個所を
最適化することができる。従って、材料歩留まりが良好
で低コストでの製造が可能であるとともに必要な強度お
よび剛性が確保され且つ軽量であるというテーラードブ
ランク材と同様の利益が得られる。
は、1枚の主板材21上に補強板材22が接合されるの
で、接合部に溶接欠陥があったとしても、そのために差
厚ブランク材2の強度が極端に低下することがなく信頼
性の点でも大きな問題が生じることがない。
説明する。図4は、本発明の第3の実施の形態にかかる
差厚ブランク材をプレス成形して製造された自動車のイ
ンナーパネルの内側平面図である。
のアウターパネルを補強するために、その内側に接合さ
れるものであって、ともに6000系アルミニウム合金
からなる1つの主板材32および3つの補強板材33、
34、35から構成された差厚ブランク材に、多数のコ
ーン形状の凹部(紙面反対側が突出部となっている)3
6をプレス成形により設けたものである。コーン形状の
凹部36は、その頂部のそれぞれにおいてアウターパネ
ルと樹脂を介して接合される。
た第1および第2の実施の形態と同様に、主板材32
と、その表面上に積層した補強板材33〜35とを溶接
および接着により接合することにより作成される。
とは異なり、接合によって形成されたのではない1枚の
主板材32を用いているために、プレス成形によって割
れが生じることが少なく、比較的深い凹部36を成形す
ることが可能である。また、プレス成形時の割れ防止の
ために主板材32と補強板材33〜35との接合個所を
変更する必要がなく、主板材32の板厚および補強板材
33〜35の板厚だけでなく補強板材33〜35の接合
個所を最適化することができる。従って、材料歩留まり
が良好で低コストでの製造が可能であるとともに必要な
強度および剛性が確保され且つ軽量であるというテーラ
ードブランク材と同様の利益が得られる。その他、上述
した第1および第2の実施の形態と同様の効果が得られ
る。
とその表面上に積層した補強板材とを接合した差厚板材
のプレス成形時の破断特性について調べた。
断には、伸びフランジに該当する個所で生じる引張破断
と、パンチ肩部に該当する個所で生じる張出破断とがあ
る。前者は引張試験での破断伸びによって評価可能であ
り、後者は球頭張出試験の破断限界成形高さによって評
価可能であることが一般的に知られている。
6および比較例1〜3の9種類の板材について、引張試
験および球頭張出試験を行って破断伸びおよび破断限界
成形高さをそれぞれ調べた。図5に、引張試験で用いた
試験片の形状を示す。図5の試験片40は、JIS5号
試験片と同一形状である。また、図6に球頭張出試験で
用いた試験片の形状を示す。図6の試験片50は90m
m四方の正方形であり、この試験片50が、図7のよう
なφ40の球形ポンチ56を有するエリクソン試験機で
試験された。なお、供試材としては、4.5%のMgを
含むアルミニウム合金を用いた。
おいて、斜線で示す右半分の部分は板厚が1.5mmで
あり、左半分の部分は板厚が1.0mmとなっている。
実施例1〜6の試験片は、試験片40、50と同じ形状
をもつ主板材と、その表面上に積層された試験片40、
50の右半分の形状をもつ補強板材とが接合されること
によって形成されている。それぞれの接合方法は、ナイ
ロンエポキシ樹脂での接着のみ(実施例1)、6点での
スポット溶接のみ(実施例2)、ナイロンエポキシ樹脂
での接着と6点でのスポット溶接の組合せ(実施例
3)、ナイロンエポキシ樹脂での接着とMIG溶接の組
合せ(実施例4)、ナイロンエポキシ樹脂での接着とT
IG溶接の組合せ(実施例5)、ナイロンエポキシ樹脂
での接着と6点でのスポット溶接とMIG溶接の組合せ
(実施例6)である。実施例4〜6の試験片は、MIG
或いはTIG溶接が施されることによって、補強板材の
端部に図2で説明したようななだらかに傾斜した溶接部
を有している。
50の形状をもつ板厚1.5mmの一体成形された母材
の左半分を、フライス加工によって板厚1.0mmとし
て作成したものである。また、比較例2の試験片は、試
験片40、50の左半分の形状を有する板厚1.0mm
の板材と、試験片40、50の右半分の形状を有する板
厚1.5mmの板材とを溶加材(A5356WY)を用
いたレーザ加工によって突き合わせ溶接したものであ
る。また、比較例3の試験片は、溶加材を用いないでレ
ーザ溶接した以外は、比較例2と同様にして作成された
ものである。なお、比較例1、2の試験片を作成するに
当たって、2.5〜4.0kWの範囲でレーザ出力を変
化させたものを数種類作成し、最も接合状態の良いもの
を試験に供するようにした。
の試験片についての引張試験での破断伸びδの測定結果
を示す。図8から明らかなように、実施例1〜6の破断
伸びは比較例2、3の1.3〜2.3倍程度と大幅に増
加している。また、比較例1との比較においても、実施
例1〜3はこれとほぼ同等の破断伸びを示しており、実
施例4〜6はこれよりも若干大きな破断伸びを示してい
る。これは、実施例4〜6の試験片では、TIG或いは
MIG溶接によって補強板材の端部になだらかに傾斜し
た溶接部が形成されているために、補強板材の角部への
応力集中が緩和されるからであると考えられる。
1〜6の試験片についてのエリクソン試験機を用いた球
頭張出試験での破断限界成形高さ(mm)の測定結果を
示す。図9から明らかなように、実施例1〜6の破断限
界成形高さは比較例2、3の1.3〜2.2倍程度と大
幅に増加している。また、比較例1との比較において
も、実施例1〜6はこれとほぼ同等の破断限界成形高さ
を示している。また、実施例4〜6の破断限界成形高さ
が実施例1〜3よりも大きいのも、破断伸びと同様に、
TIG或いはMIG溶接によって補強板材の端部になだ
らかに傾斜した溶接部が形成されているために、補強板
材の角部への応力集中が緩和されるからであると考えら
れる。
1〜6の試験片は、突き合わせ溶接によって作成された
比較例2、3の試験片よりも破断伸びおよび破断限界成
形高さのいずれにおいても優れており、プレス成形時に
割れが生じにくいことが分かる。
と、複数枚の板材を突き合わせてなるテーラードブラン
ク材とは異なり接合によって形成されたのではない1枚
の主板材を用いているために、プレス成形時に割れが生
じることが少なく、成形高さが比較的高い部材をも成形
することが可能となる。また、テーラードブランク材の
ようにプレス成形時の割れ防止のために主板材と補強板
材との接合個所を変更する必要がないので、主板材の板
厚および補強板材の板厚だけでなく補強板材の接合個所
をも最適化することができる。従って、材料歩留まりが
良好で低コストでの製造が可能であるとともに必要な強
度および剛性が確保され且つ軽量であるという利益が得
られる。また、1枚の主板材上に補強板材が接合される
ので、接合部に溶接欠陥があったとしても、そのために
強度が極端に低下することがなく信頼性の点でも大きな
問題がない。また、突き合わせ溶接によって製造するテ
ーラードブランク材のように板材どうしの板厚差が大き
い場合に接合できないということがなく、部位ごとの板
厚差が大きい差厚板材であっても容易に製造することが
可能である。また、主板材と補強板材とが比較的広い面
積で接合されるので、溶接以外に接着によっても接合を
実現することができる。
くとも一部が傾斜部であるために、主板材のうち補強板
材が接合されていない部分への応力集中が緩和されて割
れが生じにくい。
ク材およびこれをプレス成形して製造される部材の製造
工程を説明するための斜視図である。
ク材およびこれをプレス成形して製造される部材の製造
工程を説明するための斜視図である。
ク材をプレス成形して製造された自動車のインナーパネ
ルの平面図である。
片の形状を示す模式図である。
試験片の形状を示す模式図である。
エリクソン試験機の概略的な断面図である。
フである。
断限界成形高さの測定結果を示すグラフである。
Claims (6)
- 【請求項1】 互いに板厚が異なる部位を有しており、
部材の形状にプレス成形される差厚ブランク材であっ
て、アルミニウム合金板からなる1枚の主板材と、その
表面上の1または複数の部位のそれぞれに積層されたア
ルミニウム合金板からなる補強板材とが接合されること
によって一体化されていることを特徴とする差厚ブラン
ク材。 - 【請求項2】 前記接合が、溶接および接着の少なくと
もいずれか一方により行われたものであることを特徴と
する請求項1に記載の差厚ブランク材。 - 【請求項3】 前記補強板材の端部の少なくとも一部が
傾斜部であることを特徴とする請求項1または2に記載
の差厚ブランク材。 - 【請求項4】 前記部材が、開口部および凹凸部の少な
くともいずれか一方を有していることを特徴とする請求
項1〜3のいずれか1項に記載の差厚ブランク材。 - 【請求項5】 前記部材が自動車の内装パネルであるこ
とを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の差
厚ブランク材。 - 【請求項6】 前記アルミニウム合金板が、5000
系、6000系、および、7000系から選択されたア
ルミニウム合金からなることを特徴とする請求項1〜5
のいずれか1項に記載の差厚ブランク材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30184899A JP2001122154A (ja) | 1999-10-25 | 1999-10-25 | 差厚ブランク材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30184899A JP2001122154A (ja) | 1999-10-25 | 1999-10-25 | 差厚ブランク材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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