JP2000167673A - テーラードブランク材およびその製造方法 - Google Patents

テーラードブランク材およびその製造方法

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Masanori Taiyama
正則 泰山
Kiyoyuki Fukui
清之 福井
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】成形性の良好な接合部を有するテーラードブラ
ンク材と、その高能率な製造方法を提供する。 【解決手段】板厚t1とt2(t1≦t2)の2枚の鋼板を
突き合わせてDCバット溶接する際の余盛りビード除去
後の接合幅Wが式「W/t1 <300」を満たすテーラ
ードブランク材とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の車体用素
材などに用いて好適なテーラードブランク材とその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車業界においては、環境保全
(軽量化)と安全をキーワードにして車体開発が進めら
れている。特に、自動車の車体に関しては、乗員の安全
を確保しつつ、燃費の向上を図るために、より一層の軽
量化が進められており、素材、構造および組立て施工方
法などの多方面からいろいろな検討が行われている。
【0003】例えば、車体のプレス成形用素材であるテ
ーラードブランク材に関しては、一般に、板厚や鋼種の
異なる鋼板を溶接接合して所望の大きさにしたものが多
用されている。これは、強度が必要な部分にのみ高張力
鋼や板厚の厚い鋼板を配置したり、耐食性が必要な部分
にのみ防錆鋼板を配置し、その他の部分には軟鋼や板厚
の薄い鋼板などを配置するなどすることが可能で、大幅
なコスト低減が図れるためでる。そして、このようなテ
ーラードブランク材は、自動車の車体に限らず、足廻り
部品である厚物部品への適用も考えられつつある。
【0004】ところで、上記のテーラードブランク材
は、従来、レーザ溶接法やマッシュシーム溶接法によっ
て製造されていた。
【0005】上記のレーザ溶接法は、溶接時の熱歪みが
小さく、高エネルギー密度溶接であるので深い溶け込み
が得られ、高速溶接が可能である。そして、そのレーザ
光は、レンズによって絞られ、通常、ワーク上でのビー
ム直径が1mm以下になるように集光される。このた
め、その突き合わせ溶接対象の接合端面には、高い突き
合わせ精度が要求される。しかし、素材が板厚約2mm
未満の薄鋼板の場合、その切断にシャーが汎用さ、シャ
ー切断端面の精度が悪いために、接合端面の突き合わせ
精度が劣り、溶接欠陥が発生しやすい。また、ビームの
焦点や狙い位置のずれは、溶接不良を招いて継手強度に
ばらつきを生じさせる。したがって、レーザ溶接法で
は、薄鋼板のシャー切断端面の精整処理を行って接合端
面の突き合わせ精度を向上させたり、ビームの焦点や狙
い位置の高精度な管理が必要なために生産性が劣り、製
品の製造コストが嵩むという問題があった。
【0006】一方、マッシュシーム溶接は、レーザ溶接
法に比べると設備費が安価で経済的である。また、その
溶接部の形状は、重ね合わせ溶接であるので、素材薄鋼
板のシャー切断端面の高精度化が全く不要であるという
利点がある。しかし、その溶接部には、重ね合わせに起
因する段差があるために外観形状が悪いという問題があ
った。
【0007】さらに、上記いずれの溶接法も、自動車の
足廻り部品などの厚物(板厚約2〜7mm)部品用のテ
ーラードブランク材を、高速溶接して高能率に製造しよ
うとする場合には、次の問題があった。
【0008】すなわち、レーザ溶接では、上記した突合
せ精度の問題に加え、板厚が厚いために、高速溶接を実
現するにはより大きな出力のレーザ溶接機が必要で、設
備費が高くなる。また、ビームの焦点や狙い位置を、板
厚が薄い場合よりもより高精度に管理する必要があり、
生産性のさらなる低下が避けられない。
【0009】一方、マッシュシーム溶接では、重ね溶接
部に十分なナゲットを形成させるために、加圧力と溶接
入熱を大きくする必要があり、設備の増強が必要になっ
て設備費が高くなる。また、板厚差が大きいと、厚板側
の鋼板での発熱量が大きくなり、接合界面よりも厚板側
の鋼板側に偏った位置にナゲットが形成され、安定した
継手強度を有する製品が得られなくなる。さらに、重ね
合わせに起因する段差がより大きくなる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、重ね
合わせに起因する段差がなく、安定した継手強度と優れ
た成形性を有する溶接接合部を備えたテーラードブラン
ク材と、素材の鋼板端面に精整処理を施すことなく、厚
肉のテーラードブランク材であっても高能率に製造する
こと可能な製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記
(1)のテーラードブランク材と、下記(2)のその製
造方法にある。
【0012】(1)鋼板相互が突き合わせ溶接接合され
たプレス成形用のテーラードブランク材であって、一方
の鋼板の板厚をt1 (mm)、他方の鋼板の板厚をt2
(mm)(ただし、t1 ≦t2 )、余盛りビード除去後
の接合部幅をW(mm)とした時、下記の式を満たす
接合部幅Wを有するテーラードブランク材。
【0013】W/t1 <300 ・・・・ (2)板厚がt1 (mm)の鋼板とt2 (mm)の鋼板
(ただし、t1 ≦t2 )の2枚の鋼板の端面相互を突き
合わせた後、その突き合わせ部を直流バット溶接する
際、少なくとも一方の鋼板に、その突き合わせ端部の板
幅Wh(mm)が下記の式を満たす板幅のものを用い
る上記(1)に記載のテーラードブランク材の製造方
法。
【0014】Wh/t1 <300 ・・・・ 上記(2)の本発明の方法においては、その突き合わせ
部を、下記の〜式を満たす条件で直流バット溶接す
るのが好ましく、この場合には溶接接合部の成形性を一
層向上させることができる。
【0015】 I/Wa×t1 ≦250(A/mm2 ) ・・・ I/Wa×t2 ≧100(A/mm2 ) ・・・ S≦0.8 ・・・・・・・・・・・・・・・・ ここで、I:溶接電流(A)、Wa:余盛りビード除去
後の目標接合部幅(mm)、S:通電時間(秒)であ
る。
【0016】上記(1)と(2)に記載の本発明は、下
記の知見をもとに完成させた。すなわち、本発明者ら
は、上記の目的を達成するために、自動車業界において
は従来からホイールリム材の製造に採用されており、短
時間での突き合わせ溶接が可能で、溶接時にフラッシュ
が全く発生せず、しかも接合端面に高い突合せ精度が要
求されないという特性を有する直流バット溶接法(以
下、DCバット溶接法という)に注目し、種々の実験を
試みた。その結果、次のことを知見した。
【0017】余盛りビード除去後の接合部幅Wが上記の
式を満たせば、溶接接合部の継手性能が安定し、成形
性の良好な溶接接合部を有するテーラードブランク材が
得られる。
【0018】また、そのテーラードブランク材は、上記
の式を満たす2枚の鋼板を用い、この鋼板の端面相互
を突き合わせてDCバット溶接するだけで得られる。そ
の際、上記の〜式を満たす条件でDCバット溶接す
れば、溶接接合部の継手性能の安定性が増し、成形性が
より一層向上する。
【0019】なお、DCバット溶接法は、従来、同一板
厚材の突き合わせ溶接に適用され、差厚材の突き合わせ
溶接に適用されることはなかった。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明のテーラードブラン
ク材とその好ましい製造方法について、添付図面を参照
して詳細に説明する。
【0021】図1は、DCバット溶接法により、シャー
切断されたままの板厚が薄い厚さt 1 の鋼板(以下、薄
鋼板と記す)1と板厚が厚い厚さt2 の鋼板(以下、厚
鋼板と記す)2とからなる差厚テーラードブランク材を
製造する場合の溶接態様を示す縦断面図である。
【0022】図に示すように、薄鋼板1と厚鋼板2は、
下面を揃えて端面相互が突き合わされ、その端面近傍が
上下に配置された電極3、3で摺動自在にクランプされ
る。次いで、電極3、3に直流電流を印加した後、左右
方向からアプセット力Pを付加して突き合わせ溶接され
る。
【0023】図2は、突き合わせ溶接された接合部の縦
断面形状を示し、接合部4は、図中に左下がり斜線を付
して示す熱影響部4aと、図中に右下がり斜線を付して
示す溶金凝固部4bとからなっており、熱影響部4aの
一部と溶金凝固部4bの全てからなる余盛りビード5が
板厚方向の上下両面と板幅方向の両側に形成されてい
る。
【0024】上記の余盛りビード5は、図3と図4に示
すように、研削や切削などの適宜な手段により除去さ
れ、所定の差厚テーラードブランク材製品とされる。
【0025】この時、本発明においては、余盛りビード
5を除去した後の接合部幅W(図4参照)を、前述した
式を満たす値、すなわち、薄鋼板1の板厚t1 の30
0倍未満にする必要がある。その理由は次の通りであ
る。
【0026】上記本発明の差厚テーラードブランク材
は、通常、その接合部4に対しても切断加工とプレス成
形加工が施され、その接合部4にはプレス成形加工のた
めの良好な成形性が求められる。
【0027】ところが、DCバット溶接法は、接合端面
の接触位置を起点とした抵抗発熱により被溶接材料(薄
鋼板1と厚鋼板2)の端面が加熱され、やがて接合端面
全体が加熱された後に、突き合わせ方向からアプセット
力Pを付加する接合法であるので、安定した継手性能を
有する接合部4を得るためには、通電初期の抵抗発熱位
置の分布状態と接合端面の加圧状態を均一にする必要が
ある。
【0028】しかし、接合部幅Wを、薄鋼板1の板厚t
1 の300倍以上にすると、板厚に対する板幅が大きす
ぎるために、通電初期の抵抗発熱位置が板幅方向に大き
くばらつくようになり、接合端面に加熱不足領域や過加
熱領域が生じ、前者の加熱不足領域には冷接部分、後者
の過加熱領域にはアップセット不足による継手強度低下
部分が発生し、これらの部分がプレス成形時(単純な曲
げ成形)に割れるために、良好な成形性が確保できなく
なる。
【0029】したがって、本発明では、余盛りビード除
去後の接合部幅Wを前述した式のように定めた。
【0030】なお、接合部幅Wの下限値は、特に定める
必要はない。これは、接合部幅Wが式を満たせば、通
電初期の抵抗発熱位置が板幅方向に大きくばらつくこと
がなく、接合端面に加熱不足領域や過加熱領域が生じな
いからである。
【0031】また、薄鋼板1の板厚t1 と厚鋼板2の板
厚t2 とは、特に制限されないが、例えば、上記の差厚
テーラードブランク材が自動車の足廻り部品用で、厚鋼
板2の板厚t2 が7mm以下の場合、薄鋼板1の板厚t
1 は1.6mm以上とし、かつt2 /t1 を3以下とす
るのが好ましい。この場合、アプセット力Pの付与時に
おける薄鋼板1の座屈変形をほぼ確実に防ぐことができ
る。
【0032】さらに、上記の例は、差厚テーラードブラ
ンク材の場合であるが、板厚t1 と板厚t2 が等しい等
厚テーラードブランク材の場合でも、その接合部幅Wが
前述した式を満たせば、その接合部の成形性は良好な
ことはいうまでもない。
【0033】上記本発明のテーラードブランク材は、少
なくとも一方の鋼板に、その突き合わせ端部の板幅Wh
が上記の式を満たす板幅のものを用い、その両端面相
互の突き合わせ部をDCバット溶接するだけで製造でき
る。その際、両方の鋼板の突き合わせ端面は、シャー切
断端面のままで十分である。
【0034】ただし、溶接時の入熱量が余りに過大であ
ったり過小であったりすると、上記と同様に、接合端面
に加熱不足領域や過加熱領域が生じて冷接部分やアプセ
ット不足による継手強度低下部分が発生し、良好な成形
性、具体的には曲げ加工性が確保できなくなる場合があ
る。また、溶接時間が余りにも長すぎると、熱影響部4
aの幅が大きくなって硬化層幅が過大なるのに加え、薄
鋼板1の突き合わせ端部が座屈変形して正常な接合部形
状が得られなくなり、上記と同様に、良好な曲げ加工性
が確保できなくなる場合がある。
【0035】このため、その入熱延量は、薄鋼板1に対
しては300A/mm2 以下、厚鋼板2に対しては25
A/mm2 以上とし、かつ溶接時間は1秒以下とするの
が好ましい。
【0036】なお、単純な曲げ加工に留まらず、より厳
しい張り出し成形加工や伸びフランジ成形加工に対して
も優れた成形性を示す接合部を備えたテーラードブラン
ク材、特に差厚テーラードブランク材を得るには、上記
の〜式を満たす条件でDCバット溶接するのがよ
い。
【0037】すなわち、接合部4の成形性をより一層向
上させるには、溶接熱影響による硬化層の幅(熱影響部
4aの突き合わせ方向の幅)をできるだけ小さくするこ
とが有効であり、そのためには溶接時間Sを短くして加
熱範囲を狭くすればよい。しかし、溶接時間Sが0.8
秒を超えると、溶接熱影響による硬化層の幅が過大にな
りすぎ、かえって成形性が低下する。
【0038】一方、接合端面の単位面積当たりの溶接入
熱量は、板厚(t1 、t2 )、目標とする接合部幅Wa
(=上記の板幅Wh)、溶接時間Sおよび溶接電流Iに
よって決まる。したがって、接合端面の単位面積当たり
の溶接入熱量は、溶接時間Sを短くすると減少するの
で、溶接電流Iを高くする必要がある。しかし、差厚テ
ーラードブランク材の場合、電極3、3を介して供給さ
れる直流電流は、薄鋼板1の側から厚鋼板2の側または
この逆の経路で流れる。このため、接合端面での両鋼板
中を流れる電流密度は、それぞれI/Wa×t1 および
I/Wa×t2 で求められるので、異なることになる。
【0039】そして、厚鋼板2の側の溶接入熱量を確保
するために、I/Wa×t1 で求められる薄鋼板1の側
の電流密度が250A/mm2 を超える値にまで溶接電
流Iを高めると、薄鋼板1の突き合わせ端部が過加熱さ
れて薄鋼板1の側の硬化層幅が大きくなるだけでなく、
過加熱された突き合わせ端部が座屈変形して健全な形状
の接合部4が得られなくなり、かえって成形性が低下す
る。
【0040】逆に、薄鋼板1の過加熱を確実に避けるた
めに、I/Wa×t2 で求められる厚鋼板2の側の電流
密度が100A/mm2 未満の値になるまで溶接電流I
を低くすると、厚鋼板2の側の溶接入熱量が不足して十
分な継手強度が確保できなくなり、かえって成形性が低
下する。
【0041】このため、より優れた成形性を有する接合
部4を得るためには、上記した〜式を満たす条件で
DCバット溶接するのが好ましいのである。このこと
は、後述する実施例の結果からも明らかである。
【0042】なお、溶接時のアプセット力Pは、板厚と
板幅に応じて決めればよく、特に定めないが、鋼板が炭
素鋼や低合金鋼などのの場合、単位面積当たり8〜20
kg/mm2 程度とすれば十分である。
【0043】
【実施例】板厚が1.6〜5.0mm、板幅が100〜
1000mm、引張り強度が370MPa級で、端面が
シャー切断したままの熱延鋼板を準備し、表1と表2に
示す33種類に組み合わせてそのシャー切断端面相互を
突き合わせ、表1と表2に示す種々の条件でDCバット
溶接し、差厚テーラードブランク材を製造した。
【0044】そして、得られた差厚テーラードブランク
材の接合部に、薄鋼板の板厚の5倍の曲率半径の曲げ加
工試験と、プレス成形時の張り出し成形加工を模擬した
直径50mmの球頭張り出し試験と、伸びフランジ成形
加工を模擬した直径10mmの穴拡げ試験を施し、接合
部の成形性を調べた。なお、穴拡げ試験は、比較のため
に、薄鋼板と厚鋼板両方の母材部についても実施した。
【0045】評価は、曲げ加工試験については、曲げ加
工により接合部に発生した割れの個数と個々の長さをカ
ウントし、発生した割れの長さの合計長さを接合部幅W
(=板幅Wh)で除した百分率を求めて評価した。
【0046】また、球頭張り出し試験については、破断
位置を確認し、破断位置が母材の場合を良好「○」、接
合部の場合を不芳「×」とした。
【0047】さらに、穴拡げ試験については、穴拡げ工
具の直径(10mm)に対する亀裂発生時点の穴径比を
求め、薄鋼板と厚鋼板両方の母材部の試験結果のうちの
低い方の結果の80%以上の結果が得られた場合を良好
「○」、80%未満の場合を不芳「×」として評価し
た。
【0048】なお、曲げ試験で発生した割れは、その破
面を目視観察し、その発生原因が入熱不足による冷接に
よるものか、入熱過大によるアップセット不足によるも
のかも併せて調べた。
【0049】以上の調査結果を、表1と表2に併せて示
した。なお、前述の割れ破面調査結果のアップセット不
足は、符号Aで示してある。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】表1と表2に示す結果からわかるように、
接合部幅Wが本発明で規定する範囲を外れる比較例の差
厚テーラードブランク材(試番4、8〜9、21、26
および29)は、いずれも曲げ試験でその接合部に割れ
が発生し、接合部の成形性が悪く、球頭張り出し試験結
果と穴拡げ試験結果も当然に不芳であった。
【0053】これに対し、接合部幅Wが本発明で規定す
る範囲内である本発明例の差厚テーラードブランク材
(試番1〜3、5〜7、10〜20、22〜25および
27〜28)は、いずれも曲げ試験でその接合部に割れ
は全く発生しておらず、接合部の成形性が良好であっ
た。そのうち、前述の〜式を満たす溶接条件で製造
した本発明例の差厚テーラードブランク材(試番1〜
3、11、14〜16、18〜20および22)は、球
頭張り出し試験結果と穴拡げ試験結果も良好であった。
【0054】
【発明の効果】本発明のテーラードブランク材は、接合
部の成形に優れており、製品が差厚テーラードブランク
材であってもその接合部の段差が板厚差を超えることが
ない。また、そのテーラードブランク材は、シャー切断
されたままの鋼板を素材にし、その突き合わせ部をDC
バット溶接するだけで得られるので、高能率に製造でき
るので、安価な製品を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法により、差厚テーラードブランク
材を製造する場合の溶接態様を示す縦断面図である。
【図2】突き合わせ溶接された接合部の縦断面形状を示
す縦断面図である。
【図3】突き合わせ溶接された接合部の余盛りビード除
去後の縦断面形状を示す縦断面図である。
【図4】突き合わせ溶接された接合部の余盛りビード除
去後の平面形状を示す平面図である。
【符号の説明】
1:薄鋼板、 2:厚鋼板、 3:電極、 4:接合部、 4a:熱影響部、 4b:溶金凝固部、 5:余盛りビード、 W:接合部幅。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼板相互が突き合わせ溶接接合されたプレ
    ス成形用のテーラードブランク材であって、一方の鋼板
    の板厚をt1 (mm)、他方の鋼板の板厚をt2 (m
    m)(ただし、t1 ≦t2 )、余盛りビード除去後の接
    合部幅をW(mm)とした時、下記の式を満たす接合
    部幅Wを有することを特徴とするテーラードブランク
    材。 W/t1 <300 ・・・
  2. 【請求項2】板厚がt1 (mm)の鋼板とt2 (mm)
    の鋼板(ただし、t1 ≦t2 )の2枚の鋼板の端面相互
    を突き合わせた後、その突き合わせ部を直流バット溶接
    する際、少なくとも一方の鋼板に、その突き合わせ端部
    の板幅Whが下記の式を満たす板幅のものを用いるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のテーラードブランク材
    の製造方法。 Wh/t1 <300 ・・・
  3. 【請求項3】その突き合わせ部を、下記の〜式を満
    たす条件で直流バット溶接することを特徴とする請求項
    2に記載のテーラードブランク材の製造方法。 I/Wa ×t1 ≦250(A/mm2 ) ・・・ I/Wa ×t2 ≧100(A/mm2 ) ・・・ S≦0.8 ・・・・・・・・・・・・・・・・ ここで、 I :溶接電流(A) Wa :余盛りビード除去後の目標接合部幅(mm) S :通電時間(秒)
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