JP2001122096A - 車両挙動制御装置 - Google Patents

車両挙動制御装置

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JP2001122096A
JP2001122096A JP30229899A JP30229899A JP2001122096A JP 2001122096 A JP2001122096 A JP 2001122096A JP 30229899 A JP30229899 A JP 30229899A JP 30229899 A JP30229899 A JP 30229899A JP 2001122096 A JP2001122096 A JP 2001122096A
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JP
Japan
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vehicle behavior
vehicle
lateral acceleration
control
wheel
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JP30229899A
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English (en)
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Koji Furuyama
浩司 古山
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
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Unisia Jecs Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両がバンク路を走行した際に、これを検出
することを、車両モデルなどの複雑な演算を用いること
なく達成し、制御応答性とコストの両立を図ること。 【解決手段】 車輪速センサ13、および横加速度セン
サ16を含む入力値に基づき、車両のスリップ角を算出
することによって、車両挙動が所定の不安定状態である
か否かを判断し、車両挙動不安定状態と判断したとき
に、車両挙動の安定を図る車両挙動安定制御を実行する
コントロールユニット12を備えた車両挙動制御装置に
おいて、左右の車輪速差に基づいて推定横加速度を算出
する横加速度推定手段を設けるとともに、この横加速度
推定手段で得られた推定横加速度と横加速度センサ16
によって検出された検出横加速度とを比較して両者の差
が所定値以上の場合にはバンク路走行中と判断するバン
ク路判断手段を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両挙動を検出
し、車両挙動が不安定状態となったときには、制動力や
駆動力を制御したり、あるいは車輪の転舵角を制御した
りすることにより車両挙動を安定方向に向かうように制
御する車両挙動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、車両旋回時に車両が過オ
ーバステア状態あるいは過アンダステア状態というよう
な車両挙動が不安定な状態となった時に車両にオーバス
テア方向とは逆方向、あるいはオーバステア方向にヨー
モーメントを発生させて車両姿勢を安定方向に制御する
車両挙動制御を実行するブレーキ制御装置のように、車
両挙動を検出してそれに対応する制御を実行する制御装
置が知られている。このような制御装置にあっては、車
両挙動を検出する手段として、横加速度センサ(以下、
横Gセンサという)やヨーレイトセンサなどが設けられ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来技術にあっ
ては、車両挙動を検出するために、横Gセンサが設けら
れているが、車両がバンク路を走行しているときには、
横Gセンサが重力加速度の影響を受けてしまい、横加速
度が正確に検出できない場合があるという問題があり、
この場合、車両挙動制御の精度も悪化することになる。
【0004】そこで、このような路面角度の影響を受け
ずに車両挙動を検出し、この検出結果に基づいて精度の
高い車両挙動制御を実行する装置が、例えば、特開平8
−332934号公報により提案されている。この従来
技術は、車両の状態量を入力変数として車両モデルによ
り車両の横方向速度の変化率を推定する横方向速度推定
手段と、横方向加速度の偏差と横方向速度の変化率との
和の低周波成分をカント推定値として演算するカント推
定値演算手段を備え、推定したカントに対応した制御を
実行するよう構成されている。
【0005】また、カント推定値演算手段は、横滑り物
理量推定手段により推定される横滑り物理量が小さいと
きには第1のフィルタ手段により演算された値を前記カ
ント推定値とし、前記横滑り物理量推定手段により推定
される横滑り物理量が大きいときには第2のフィルタ手
段により演算された値をカント推定値とする切替手段が
設けられている構成となっている。
【0006】しかしながら、上述の従来技術は、精度良
く路面のカントを検出できるものの、車両モデルを用い
たオブザーバ形式によるものであるため、制御が非常に
複雑であり、この複雑な演算を短時間で行うには、演算
装置として非常に高性能なものが必要であり、高価にな
ってしまうという問題、あるいは安価なものを用いると
演算に時間を要して応答性に劣るという問題があるもの
であり、制御応答性とコストを両立することが難しかっ
た。
【0007】本発明は、上述の従来の問題点に着目して
なされたもので、車両がバンク路を走行した際に、これ
を検出することを、車両モデルなどの複雑な演算を用い
ることなく達成し、制御応答性とコストの両立を図るこ
とを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに請求項1では、各車輪の回転速度を検出する車輪速
センサ、および車両に発生する横加速度を検出する横加
速度センサを含んで車両挙動を検出し、これらの出力値
に基づき、車両のスリップ角を算出することによって、
車両挙動が所定の不安定状態であるか否かを判断する車
両挙動検出手段と、この車両挙動検出手段が車両挙動不
安定状態と判断したときに、車両挙動の安定を図る車両
挙動安定制御を実行する制御手段と、を備えた車両挙動
制御装置において、前記車両挙動検出手段には、左右の
車輪速差に基づいて推定横加速度を算出する横加速度推
定手段が設けられているとともに、この横加速度推定手
段で得られた推定横加速度と横加速度センサによって検
出された検出横加速度とを比較して両者の差が所定値以
上の場合にはバンク路走行中と判断するバンク路判断手
段が設けられていることを特徴とする。
【0009】なお、請求項2に記載のように、請求項1
に記載の車両挙動制御装置において、前記バンク路判断
手段によってバンク路走行中と判断されたときには、前
記車両挙動検出手段は、推定横加速度を用いてスリップ
角を算出するよう構成してもよい。
【0010】また、請求項3に記載のように、請求項1
に記載の車両挙動制御装置において、前記車両挙動検出
手段によってバンク路走行中と判断されたときには、前
記車両挙動検出手段が前記所定の不安定状態と判断する
しきい値を、不安定状態と判断し難くなる方向にシフト
させるよう構成してもよい。
【0011】また、請求項4に記載のように、請求項1
に記載の車両挙動制御装置において、前記バンク路判断
手段によってバンク路走行中と判断されたときには、前
記制御手段が車両挙動制御を実行するのを禁止するよう
構成してもよい。
【0012】
【発明の作用および効果】請求項1記載の発明では、車
両挙動検出手段にあっては、横G推定手段において左右
の車輪速差に基づいて推定横Gを算出し、バンク路判断
手段において、推定横Gと、横Gセンサによる検出横G
とを比較し、両者の差が所定値以上の場合には、バンク
路走行中と判断する。
【0013】すなわち、左右の車輪速差は、バンク路走
行か否かに関わらず旋回に対応している。それに対し
て、横Gセンサの検出横Gは、平坦路では旋回状態に対
応しているがバンク路走行時には、旋回状態に対応しな
くなる。
【0014】したがって、推定横Gと検出横Gとが対応
していると、平坦路を走行しているが、両者が対応しな
くなるとバンク路と判断することができる。
【0015】図18のタイムチャートは、バンク路旋回
を低速,高速,平衡速度で走行したときの舵角H,横加
速度センサで検出された検出横加速度G,車輪速による
推定横加速度GW,およびヨーレイトセンサ値YAWの
変化の一例を示しているもので、図に示すように、バン
ク路旋回を行った場合には推定横加速度GWと検出横加
速度Gとの間には、大きな差が生じているのがわかる。
また、この図によれば、推定横加速度GWは、旋回速度
に関わらず、旋回方向に値が生じているのに対し、検出
横加速度Gは、重力加速度の影響により、旋回方向とは
異なる方向に値が生じる場合もあることがわかる。な
お、前記平衡速度とは、舵角0でバンク路旋回を行って
いる場合であり、この場合、検出横加速度Gは0になる
が、推定横加速度GWは旋回方向に値が生じている。
【0016】このように、推定横加速度GWと検出横加
速度Gとによりバンク路を高い精度で検出できるが、こ
の検出における処理は、車両モデルのような複雑な演算
を行うことなく、左右車輪速の減算および大小比較のみ
であるから、安価な演算装置でも短時間に判断を実行す
ることができる。
【0017】以上のように請求項1に記載の発明では、
バンク路走行判断を、安価な演算装置で短時間に行うこ
とができ、制御応答性とコストの両立を図ることができ
るという効果が得られる。
【0018】請求項2記載の発明では、車両挙動検出手
段は、バンク路走行中と判断したときには、推定横加速
度を用いてスリップ角を算出する。したがって、誤検出
を行っている横加速度センサの検出値を用いてスリップ
角演算を行うことがないとともに、精度の高い推定横加
速度に基づいてスリップ角を演算するため、このスリッ
プ角に基づく車両挙動制御の精度を向上することができ
るという効果が得られる。
【0019】請求項3記載の発明では、車両挙動検出手
段は、バンク路走行中と判断したときには、不安定状態
と判断するしきい値をシフトさせ、不安定状態と判断し
難くする。したがって、制御手段は、車両挙動制御を実
行し難くなるものであり、横加速度センサの検出値がバ
ンク路により重力加速度の影響を受けていても、このよ
うな不正確な値に基づく制御が実行されるのを抑制する
ことができる。
【0020】請求項4記載の発明では、車両挙動検出手
段が、バンク路走行中と判断したときには、制御手段が
車両挙動制御を実行するのを禁止する。したがって、横
加速度センサの検出値がバンク路により重力加速度の影
響を受けていても、このような不正確な値に基づく制御
が実行されることがなく、制御精度の向上を図ることが
できる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。本実施の形態は、本発明を走行
中に所望の輪に自動的に制動力を発生させて車両姿勢を
安定させる車両挙動制御を含む自動制動制御を実行する
ブレーキ制御装置に適用した例である。図1は、実施の
形態の全体図であって、11はブレーキユニットであ
る。このブレーキユニット11は、各車輪FL,FR,
RL,RRのホイルシリンダ圧を任意に制御可能に構成
されている。
【0022】また、図において12はコントロールユニ
ットであって、前記ブレーキユニット11およびエンジ
ンの作動を制御するもので、入力手段として、各車輪F
L,FR,RL,RRの回転速度を検出する車輪速セン
サ13と、操舵角を検出する舵角センサ14と、車体の
横加速度を検出する横Gセンサ16と、車両に発生する
ヨーレイトを検出するヨーレイトセンサ17とを備えて
いる。また、エンジン側の出力アクチュエータとして、
スロットル開度を変更するスロットル開度アクチュエー
タ18が設けられている。
【0023】ここで前記ブレーキユニット11の構造の
一例を図2により簡略的に示す。すなわち、ブレーキユ
ニット11は、マスタシリンダ1とホイルシリンダ3と
を結ぶブレーキ回路2の途中に設けられており、前記ホ
イルシリンダ3を、常時および増圧時はマスタシリンダ
1と連通させ、減圧時にはドレン回路4と連通させ、保
持時はマスタシリンダ1とドレン回路4のいずれとも遮
断させる構造の液圧制御弁5と、ドレン回路4に設けら
れたリザーバ6と、このリザーバ6のブレーキ液を吸入
してブレーキ回路2に吐出するポンプ7と、ドレン回路
4とマスタシリンダ1とを連通させる加給回路8と、加
給回路8を常時は遮断し、後述する自動制動制御時に開
弁するイン側ゲート弁9と、ブレーキ回路2を常時は連
通させ、後述する自動制動制御時に閉弁するアウト側ゲ
ート弁10と、を備えている。なお、図2においては、
ホイルシリンダ3および液圧制御弁5を1個しか示して
いないが、液圧制御弁5は、ホイルシリンダ3と同数設
けるものである。また、コストおよびフェイルセーフの
点で、ブレーキ回路2を2系統に分岐させて各系統にホ
イルシリンダ3ならびに液圧制御弁5を2個づつ設け、
この各系統にそれぞれリザーバ6、ポンプ7および両ゲ
ート弁9,10を設けるのが好ましい。
【0024】前記ブレーキユニット11は、コントロー
ルユニット12により液圧制御弁5とイン側ゲート弁9
とアウト側ゲート弁10との開閉を制御することにより
自動制動制御を実行可能である。この自動制動制御は、
運転者の制動操作の有無に関係なく、所望の車輪に所望
量の制動力を発生させる制御であって、例えば、駆動輪
がスリップした時にこの駆動輪スリップを防止すべく制
動力を発生させる駆動スリップ防止制御や、車両が過ア
ンダステアあるいは過オーバステア状態となった時に、
これを改善させる方向に車両にヨーモーメントを発生さ
せるべく制動力を発生させる車両挙動制御や、運転者の
急制動操作時に、運転者の操作に応じた制動力よりも大
きな制動力を発生させるブレーキアシスト制御などを含
むものである。そして、この自動制動制御にあっては、
アウト側ゲート弁10を閉弁させてブレーキ回路2を遮
断させ、一方、イン側ゲート弁9を開弁させるととも
に、ポンプ7を駆動させてマスタシリンダ1のブレーキ
液を、液圧制御弁5側へ供給し、さらに、液圧制御弁5
を切り換えて所望輪のホイルシリンダ圧を任意の圧力に
制御して必要な制動力を発生させるものである。なお、
上述の車両挙動制御を実行する際には、制動力を発生さ
せるだけでなく必要に応じてエンジンの出力も低下させ
るよう構成されている。
【0025】また、コントロールユニット12は、上述
の車両挙動制御を含む自動制動制御の他に、傾斜路面
(バンク路)を走行しているか否かの判断を実行する。
上記車両挙動制御ならびにバンク路判断について以下に
図3〜図19に基づいて説明する。
【0026】図3は車両挙動制御の全体の流れを示して
おり、まずこれについて説明する。なお、各ステップに
おける処理の詳細については、後述する。ステップ41
では、各変数の初期値をセットする。ステップ42で
は、各センサの検出値を読み込む。ステップ43では、
車輪加速度および舵角速度を算出する。ステップ44で
は、車輪速度異常判断と補正を行うとともに、左右車輪
速度差に基づいて横Gおよびヨーを推定する。ステップ
45では、傾斜路面(バンク路)走行中であるか否か判
断する。ステップ46では、各データに基づいて車両状
態を推定する。ステップ47では、車両挙動を安定させ
る制御である車両挙動制御の開始判断を実行する。ステ
ップ48では、車両挙動制御における制御量を決定し、
この制御量だけアクチュエータを駆動させる。ステップ
49では、車両挙動制御の終了を判断する。
【0027】次に、上述の各ステップにおける処理を詳
細に説明する。
【0028】まず、図4は、ステップ41の初期値セッ
トを詳細に示すもので、このステップ41では、図4に
示すように、異常判定フラグBVW_RI,BVW_L
E,BVW_FR,BVW_RR,車輪速補正フラグF
_VW,車輪速タイマVWT,傾斜判断フラグK_F,
アンダステアフラグUS_F,オーバステアフラグOS
_F,制御輪フラグFINC,制御時間タイマTIM,
制御フラグV_Fをそれぞれ0に設定し、また、G感度
係数KG,ヨー感度係数KY,ヨー一致判断範囲AF,
横G不一致判断範囲AG,BETA制御係数K1,DB
制御係数K2,YH制御係数K3,各閾値OS,USは
予め設定された適値に設定し、車両トレッドT,ホイル
ベースL,舵角比Nは車両諸元値に設定する。
【0029】次に、図5はステップ42を詳細に示すも
ので、このステップ42では、各輪の車輪速度VWF
R,VWFL,VWRR,VWRLと、操舵角度Hと、
ヨーレイトYAWと、横加速度Gを読み込む。
【0030】次に、図6はステップ43の車輪加速度V
WDおよび舵角速度HDの算出処理を詳細に示すもの
で、まず、ステップ431において、各輪の車輪速度V
Wを時間で微分(30msec前の値との差により求め
る)して各輪について車輪加速度VWDを求めるととも
に、操舵角Hを時間で微分して舵角速度HDを求める。
続くステップ432では、車輪加速度VWDおよび舵角
速度HDを求める度に、それぞれ車輪加速度VWDおよ
び舵角速度HDを求めるのに必要な過去の値を更新す
る。
【0031】次に、図7および図8はステップ44の補
正および推定処理を示すもので、横加速度を推定する部
分が、特許請求の範囲の横加速度推定手段に相当する。
この制御流れにおいて、まず、ステップ4401にて、
各輪全ての車輪速VWxx(なお、xxは、各輪FR,
FL,RR,RLを意味するものである)が20Km/
h以上であるか否かを判定し、YESすなわちVWxx
≧20Km/hの場合はステップ4402に進み、NO
すなわちVWxx<20Km/hの場合はステップ44
13に進む。ちなみに、この20Km/h以上の速度領
域において、車輪速センサ13の出力精度が安定し、誤
差が生じ難くなる。
【0032】ステップ4402では、操舵角Hがほぼ直
進走行状態を示す5deg以下の範囲であるか否かを判
定し、YESすなわちH≦5degの場合はステップ4
403に進み、NOすなわちH>5degの場合はステ
ップ4413に進む。
【0033】ステップ4403では、各輪全ての車輪加
速度VWDxxの絶対値が全て0.1G以下であるか否
かを判定し、YESすなわち|VWDxx|≦0.1G
の場合はステップ4404に進み、NOすなわち|VW
Dxx|>0.1Gの場合はステップ4413に進む。
【0034】以上のステップ4401〜4403は、各
輪の車輪速VWに差が生じ難い状態であるか否かを判定
しているもので、すなわち、車輪速VWがある程度高く
(20Km/h以上)、ほぼ直進状態で(H≦5de
g)、ほぼ加速も減速も行っておらず車輪にスリップが
生じ難い状態であるときにはステップ4404に進み、
それ以外の状態、すなわち車輪速VWが低く誤差が生じ
る可能性が高い状態、操舵各Hが大きく旋回内輪と旋回
外輪とで(左右輪で)車輪速差が生じる可能性が高い状
態、加速や減速中であって前後輪で車輪速差が生じる可
能性が高い状態であるときには、ステップ4413に進
む。
【0035】また、ステップ4404〜4407では、
上述の各輪に車輪速差が生じ難い状況において、各輪の
車輪速の相対差が0.1Km/h未満に収まっているか
否かを判定し、これにより各車輪速センサ13の異常の
有無を判定するもので、車輪速差が0.1Km/h未満
に収まっている場合には、そのままステップ4412に
進むが、ステップ4404において右輪の前後の差が大
きい場合には、ステップ4408に進んで右輪異常判定
フラグBVW_R1を1にセットし、ステップ4405
において左輪の前後の差が大きい場合には、ステップ4
409に進んで左輪異常判定フラグBVW_LEを1に
セットし、ステップ4406において前輪の左右の差が
大きい場合には、ステップ4410に進んで前輪異常判
定フラグBVW_FRを1にセットし、ステップ440
7において後輪の左右の差が大きい場合には、ステップ
4411に進んで後輪異常判定フラグBVW_RRを1
にセットする。なお、このような異常判定がなされる場
合としては、例えば、空気圧異常やスペアタイヤ取付な
どによるタイヤ径の変化による出力値変化、あるいはホ
イルスピンの発生による出力値変化などがある。
【0036】次に、ステップ4412では、全ての異常
判定フラグが0であるか否か、すなわち全車輪速センサ
13に異常がないかどうかを判定し、YESすなわち異
常が無い場合にはステップ4413に進み、NOすなわ
ち車輪速センサ13のいずれかの出力値に異常がある場
合には、ステップ4414に進む。
【0037】ステップ4413では、車輪速補正フラグ
F_VWを0にクリアし、車輪速タイマVWTを0にク
リアし、補正係数S_xxを1.0とする。
【0038】ステップ4412においていずれかの異常
判定フラグがセットされている場合に進むステップ44
14では、車輪速補正フラグF_VWを1にセットし、
続くステップ4415において、車輪速タイマVWT=
0であるか否かを判定し、YESすなわちVWT=0の
場合はステップ4416に進んで、車輪速タイマVWT
を100にセットするとともに、平均車輪速VWbを0
とする。
【0039】ステップ4417では、車輪速タイマVW
Tのカウントを1つ減し、続くステップ4418では、
車輪速タイマVWTが0未満になったか否かを判定し、
YESすなわち0未満の場合にはステップ4419に進
んでVWT=0とし、NOすなわちVWT≧0の場合は
ステップ4420に進んで以下の処理を行う。
【0040】すなわちステップ4420では、平均車輪
速VWbxxを、VWbxx=(VWbxx*(99−
VWT)+VWxx)/(100−VWT)の演算によ
り求めるとともに、補正係数S_xxを、S_xx=
{(VWbFR+VWbFL+VWbRR+VWbR
L)/4}/VWbxxの演算により求めるもので、車
輪速センサ13の出力値に異常がある場合には、当該車
輪における車輪速平均値の全輪の車輪速平均値に対する
偏差に基づいて補正係数S_xxを求めるものである。
【0041】ステップ4421では、各輪の車輪速VW
xxに補正係数S_xxを乗じて補正値VL_xxを求
め、さらに、各輪の補正値VL_xxから右側車輪速V
1および左側車輪速V2を、 V1=(VL_FR+VL_RR)/2 V2=(VL_FL+VL_RL)/2 の演算式により求め、さらに、これらV1,V2に基づ
いて疑似車体速Vを、 V=(V1+V2)/2 の演算式により求め、さらに、車輪速推定による推定横
加速度GWおよび車輪速推定による推定ヨーレイトYW
を、 GW=V/T*(V1−V2)*KG YW=1/T*(V1−V2)*KY の演算式により求める。なお、ステップ4421におい
て、推定横加速度GWを求める演算を行う部分が、特許
請求の範囲の横G推定手段に相当する。
【0042】次に、図9はステップ46の車両状態推定
処理を示すフローチャートで、まず、ステップ461で
は、横滑り角速度DBを、DB=YAW−GG/Vの演
算式により求める。
【0043】次に、ステップ462において、横滑り角
速度DBの絶対値が所定の閾値2deg/sよりも大き
いか否かを判定し、NOすなわち閾値2deg/s未満
の場合は、ステップ464にて横滑り角BETA=0と
する処理を行い、YESすなわち閾値2deg/sより
も大きい場合には、横滑り角DBETAに横滑り角速度
DBを加算した値を横滑り角DBETAとする処理を行
う。すなわち、このステップ462の処理により不感帯
が設定される。
【0044】ステップ465では、理論的なヨーレイト
である目標ヨーレイトYAWHを、 YAWH=L/(H/N) の演算式により求める。なお、Lはホイルベース、Hは
操舵角、Nは舵角比である。
【0045】さらに、こうして得られた目標ヨーレイト
YAWHに基づいてヨーレイト偏差YHを、 YH=YAWH−YAW の演算式により求める。
【0046】ステップ466では、ヨーレイトYAWの
絶対値が予め設定された閾値5deg/sよりも大きい
か否かを判定し、NOすなわち|YAW|≦5deg/
hの場合には、さらに処理を行うことなくこの流れを終
え、YESすなわち|YAW|≦5deg/hの場合に
は、ステップ467に進んで、ヨーレイトYAWが正で
あるか否かを判定し、YESすなわちYAWが正の場合
には、ステップ468に進んで右旋回と判定して旋回方
向フラグTURN=1とし、NOすなわちYAWが負の
場合はステップ469に進んで左旋回と判定して旋回方
向フラグTURN=0とする。
【0047】次に、図10はステップ47の車両挙動制
御開始判断処理の流れを示し、まずステップ471で
は、ヨーレイト偏差YHの絶対値が予め設定されたアン
ダステア閾値USよりも大きいか否かを判定し、YES
すなわち|YH|>USの場合にはステップ472に進
んでアンダステア判断フラグUS_F=1にセットし、
NOすなわち|YH|≦USの場合にはステップ473
に進んでアンダステア判断フラグUS_F=0とクリア
する。ちなみに、アンダステア閾値USは、車両が過ア
ンダステア状態であるか否かを判定するための閾値であ
って、これらの値は特許請求の範囲における所定の不安
定状態を判断するしきい値に相当する。
【0048】次に、ステップ474では、横滑り角BE
TAの絶対値が予め設定されたオーバステア閾値OSよ
りも大きいか否かを判定し、YESすなわち|BETA
|>OSの場合にはステップ475に進んでオーバステ
ア判断フラグOS_F=1にセットし、NOすなわち|
BETA|≦OSの場合にはステップ476に進んでオ
ーバステア判断フラグOS_F=0とクリアする。ちな
みに、オーバステア閾値OSは、車両が過オーバステア
状態であるか否かを判定するための閾値であり、特許請
求の範囲における所定の不安定状態を判断するしきい値
に相当する。
【0049】次に、図11および図12は、ステップ4
8の制御量決定およびアクチュエータ駆動の処理の流れ
を示すもので、ステップ4801では、オーバステアフ
ラグOS_Fが1にセットされているか否かを判定し、
OS_F=1の場合はステップ4802に進み、OS_
F=0の場合はステップ4803に進む。
【0050】ステップ4802では、制御量PIDを、 PID=BETA*K1+DB*K2 の演算式により求める。
【0051】ステップ4803では、アンダステアフラ
グUS_Fが1にセットされているか否かを判定し、U
S_F=1の場合はステップ4804に進み、US_F
=0の場合はステップ4805に進んで制御量PID=
0とする。
【0052】また、ステップ4804では、制御量PI
Dを、PID=YH*K3により求める。
【0053】すなわち、ステップ4801〜4805で
は、オーバステアフラグOS_Fあるいはアンダステア
フラグUS_Fがセットされている場合、前者の場合は
横滑り角BETAおよび横滑り角速度DBに基づいて制
御量PIDを決定し、また後者の場合はヨーレイト偏差
YHに基づいて制御量PIDを決定し、いずれのフラグ
もセットされていない場合は制御量PIDを0とする処
理を実行する。
【0054】次に、図12に示す部分では、ステップ4
806においてアンダステアフラグUS_Fがセット
(=1)されているか否かを判定し、YESすなわちU
S_F=1の場合にはステップ4807に進み、NOす
なわちUS_F=0の場合にはステップ4811に進
む。このステップ4811ではオーバステアフラグOS
_Fがセットされている(=1)か否かを判定し、YE
SすなわちOS_F=1の場合にはステップ4812に
進み、NOすなわちOS_F=0の場合には後述するス
テップ4908に進む。
【0055】ステップ4807およびステップ4812
では、旋回方向フラグTURNがセットされている(右
旋回)か否かを判定し、セットされている場合には、ス
テップ4808,4813に進み、セットされていない
場合にはステップ4809,4814に進む。
【0056】すなわち、アンダステアフラグUS_Fが
セット(=1)されている場合、右旋回時にはステップ
4808に進んで、制御輪フラグFINC=1にセット
し(これにより右後輪増圧およびスロットル閉の処理が
実行される)、アンダステアフラグUS_Fがセット
(=1)されている場合、左旋回時にはステップ480
9に進み、制御輪フラグFINC=2にセットする(こ
れにより左後輪増圧およびスロットル閉の処理が実行さ
れる)。
【0057】また、オーバステアフラグOS_Fがセッ
ト(=1)されている場合、右旋回時にはステップ48
13に進んで、制御輪フラグFINC=3にセットし
(これにより左前輪増圧およびスロットル閉の処理が実
行される)、オーバステアフラグOS_Fがセット(=
1)されている場合、左旋回時にはステップ4814に
進み、制御輪フラグFINC=4にセットする(これに
より右前輪増圧およびスロットル閉の処理が実行され
る)。
【0058】アンダステア時に進むステップ4808,
4809の処理を行った後に進むステップ4810で
は、図13に示すマップに基づいてステップ4804で
決定した制御量PIDから制御時間タイマTIMを設定
し、一方、オーバステア時進むステップ4813,48
14の処理を行った後に進むステップ4815では、図
14に示すマップに基づいてステップ4802で決定し
た制御量PIDから制御時間タイマTIMを設定する。
この制御時間タイマTIMに基づいて、切換弁5により
増圧を実行するとともに図外のエンジンの出力トルクが
低減される。
【0059】次に、図15および図16に基づいてステ
ップ49の制御終了判断処理について説明する。ステッ
プ4901では、制御時間タイマTIMが0以上(制御
が終了していない)か否かを判定し、YESすなわちT
IM≧0の場合はステップ4902に進んで制御時間タ
イマTIMのデクリメントするとともに、制御フラグV
_Fを1にセットしてステップ4903に進み、NOす
なわちTIM<0の場合は処理を行うことなくステップ
4903に進む。
【0060】ステップ4903では、制御時間タイマT
IMが0以下(制御が終了した)か否かを判定し、YE
SすなわちTIM≦0の場合はステップ4904に進ん
で制御時間タイマTIM=0とするとともに、減圧タイ
マDECTを150にセットし、NOすなわちTIM>
0の場合はこの流れの処理を終了する。なお、このステ
ップ4904は、ステップ48の処理から進むステップ
4908において減圧タイマDECT≦0の場合にも進
む。
【0061】ステップ4905では、減圧タイマDEC
Tが正であるか(減圧中か)否かを判定し、YESすな
わちDECT>0の場合にはステップ4906に進んで
減圧タイマDECTをデクリメントし、NOすなわちD
ECT≦0の場合はステップ4907に進んで、減圧タ
イマDECTを0にリセットし、かつ全制御を終了すべ
く制御フラグV_Fを0にリセットする。
【0062】図16はステップ49の制御終了判断処理
の流れを示すものであり、この流れは過オーバステアあ
るいは過アンダステアに対応する制動制御を実行した後
に増圧したホイルシリンダ圧を減圧処理するものであ
り、ステップ4909〜4912は、それぞれ制御輪フ
ラグFINCを判定し、ステップ4913〜4916に
おいて対象輪の減圧を実行するものである。
【0063】ここで、本発明の特徴であるステップ45
の傾斜路面判断処理の詳細について説明するが、この処
理について、複数の実施の形態があるため、実施の形態
毎に説明するとともに、各実施の形態で共通する処理に
は同じステップ番号を付けて説明を省略する。
【0064】(実施の形態1)図17は、実施の形態1
における傾斜路面判断処理の制御流れを示すフローチャ
ートである。
【0065】ステップ101では、ヨーレイトセンサ値
YAWが車輪速推定のヨーレイトYWにヨー一致判断範
囲AFを足したものよりも大きいか、もしくはヨーレイ
トセンサ値YAWが車輪速推定のヨーレイトYWからヨ
ー一致判断範囲AFを引いたものよりも小さいか否かを
判定し、YESすなわちYW+AF≧YAW≧YW−A
Fの場合はステップ102に進み、NOすなわちYW+
AF<YAW,YAW<YW−AFの場合はステップ1
04に進む。上記ステップ101における判断は、車両
の挙動が線形状態であるか否かを判断しているもので、
すなわち挙動が線形でない状態というのは、車両がスピ
ンしている場合であり、このような場合には、傾斜路判
断を行っても無駄であるから傾斜路判断を行うことなく
ステップ104に進むものである。
【0066】ステップ102では、傾斜路(バンク路)
判断を行っているもので、検出横加速度Gが推定横加速
度GWに対して横G不一致判断範囲AGを引いたものよ
りも小さいか否かを判断し、YESすなわちGW−AG
≧Gの場合はステップ103へ進み、NOすなわちGW
−AG<Gの場合はステップ104へ進む。このステッ
プ102では、横Gセンサ16による検出横加速度G
が、車輪速に基づいて推定した推定横加速度GWに対し
て、所定値AG以上の差が生じているか否かに基づいて
バンク路(傾斜路面)を走行しているか否かを判断する
ものである。すなわち、旋回中心側に傾斜したバンク路
を走行した際には、重力加速度が旋回の中心方向に作用
するため、検出横加速度Gは、実際に旋回により発生し
ている遠心力相当の推定横加速度GWよりも小さな値と
なる。したがって、GW−AG≧Gの場合には、旋回中
心側に低く傾いたバンク路を走行していると判断するこ
とができる。
【0067】103では、路面が傾斜している(バンク
路)と判断して傾斜判断フラグK_Fを1にセットし、
一方、104では、路面が傾斜していないとして傾斜判
断フラグK_Fを0にセットする。ちなみに、ステップ
102の判断およびステップ103,104の処理を行
う部分が特許請求の範囲のバンク路判断手段に相当す
る。
【0068】ステップ105では、傾斜判断フラグK_
Fが1かどうかを判断し、YESすなわちK_F=1の
場合はステップ106へ進み、NOすなわちK_F≠1
の場合はステップ107へ進む。
【0069】ステップ106では、車体速推定の横加速
度GWをスリップ角推定用加速度GGとして設定し、か
つ、アンダステア制御閾値USをあらかじめ設定された
適値USに設定するとともにオーバステア制御閾値OS
をあらかじめ設定された適値OSに設定する。
【0070】ステップ107では、横Gセンサ値Gをス
リップ角推定用加速度GGとして設定し、かつ、アンダ
ステア制御閾値USをあらかじめ設定された適値USに
設定するとともにオーバステア制御閾値OSをあらかじ
め設定された適値OSに設定する。
【0071】次に、実施の形態1の作用について説明す
ると、傾斜路面判断処理においては、ステップ101に
おいて、左右の車輪速より求められる推定ヨーレイトY
Wとヨーレイトセンサ17が検出する検出ヨーレイトY
AWとを比較し、両者の差が所定値未満である車両挙動
が線形特性の場合に限り、さらにステップ102におい
て、推定横加速度GWと検出横加速度Gに基づいて傾斜
路面(バンク路)判断を行う。
【0072】すなわち、図18に示すように、低速でバ
ンク路を旋回走行した場合、旋回方向とは逆方向に操舵
をする必要がある。この場合、検出横加速度Gは、重力
加速度の影響を受けて、旋回方向とは逆方向の横加速度
を検出することになるのに対し、推定横加速度GWは、
重力加速度の影響を受けることなく、旋回方向の値とな
る。したがって、GW−AGよりもGが小さくなり、傾
斜路面(バンク路)と判断(K_F=1)される。ま
た、高速でバンク路を旋回した場合も、重力加速度の影
響を受けて、図示のように、検出横加速度Gと推定横加
速度GWとの差がしきい値AGよりも大きくなる。した
がって、この場合も、傾斜路面(バンク路)と判断(K
_F=1)される。
【0073】次に、平衡速度でバンク路を走行した場
合、すなわちバンク角と遠心力とのバランスにより舵角
Hが0の状態でバンク路を旋回した場合、横加速度セン
サ16の検出値は重力加速度と遠心力とがちょうど釣り
合うため、検出横加速度G=0となる。それに対して、
車輪速による推定横加速度GWは、旋回方向に値が生じ
る。したがって、この場合も、両者の差がしきい値AG
を越えることになり、バンク路と判断される。
【0074】また、上述のようにステップ102におい
てバンク路走行中と判断したときには、推定横加速度G
Wを横加速度GGとし(ステップ106)、これに基づ
いてスリップ角を算出する(請求項2に相当)。したが
って、重力加速度の影響を受けた誤った値に基づいてス
リップ角を求めるとともに、この値に基づいて車両挙動
が不安定であるか否かの判断を行うため、誤った値に基
づいて誤った制御を実行することがなく、バンク路面走
行における車両挙動制御の誤作動を防止することができ
る。
【0075】以上のように、本実施の形態1にあって
は、バンク路判断を、左右車輪速差に基づいて推定横加
速度GWを求め、かつ、この推定横加速度GWと横加速
度センサ16の検出横加速度Gとを比較するという簡単
な処理によりバンク路判断を行い、さらに、バンク路判
断時には、推定横加速度GWに基づいて車両挙動を判断
するように構成したため、安価な演算装置により短時間
にバンク路判断を実行することができるという効果が得
られるとともに、車両挙動制御の誤作動を防止できると
いう効果が得られる。
【0076】(実施の形態2)図19は、請求項3に記
載の発明の対応例である実施の形態2における傾斜路面
判断処理(ステップ45)のフローチャートを示してい
る。この実施の形態2にあっては、傾斜路面(バンク
路)と判断した場合、ステップ105から進むステップ
206にあっては、スリップ角推定用加速度GGとして
検出横加速度Gを用い、さらに、アンダステア制御閾値
USをあらかじめ設定された適値USにバンク判断時閾
値αを加算した値を設定し、一方、オーバステア制御閾
値OSをあらかじめ設定された適値OSにバンク判断時
閾値αを加算した値を設定する。
【0077】本実施の形態2では、バンク路走行と判断
した場合には、車両が過アンダステアあるいは過オーバ
ステアといった挙動不安定状態を判断するしきい値U
S,OSを、通常時の値よりもバンク判断時閾値αだけ
大きくすることによって、車両挙動制御を実行し難くな
る。よって、スリップ角推定用加速度GGとして検出横
加速度Gを用いて、通常時と同様にスリップ角演算、な
らびに車両挙動判断を行っていても、車両挙動制御を実
行し難くなることから、検出横加速度Gが重力加速度の
影響を受けてシフトしても、このシフトを原因とした車
両挙動制御の誤作動がなされるのを防止することができ
る。
【0078】(実施の形態3)次に、図20には、請求
項4に記載の発明に対応した実施の形態3の傾斜路面判
断処理(ステップ45)のフローチャートを示す。
【0079】実施の形態1との相違点は、ステップ10
5において、傾斜判断フラグK_Fが1の時には、結合
子31に進んで、車両挙動制御を禁止する点にある。な
お、結合子31は、ステップ49の終了判断の詳細を示
す図21に示しており、この結合子31で、制御の1回
の流れを終了する。
【0080】このように、バンク路と判断したときに
は、車両挙動制御を禁止することにより、重力加速度の
影響を受けて誤制御が成されるのを防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施の形態を適用したブレーキ制御装置
の全体図である。
【図2】上記ブレーキ制御装置の油圧回路図である。
【図3】実施の形態の制御流れを示すフローチャートで
ある。
【図4】実施の形態の要部処理のフローチャートであ
る。
【図5】実施の形態の要部処理のフローチャートであ
る。
【図6】実施の形態の要部処理のフローチャートであ
る。
【図7】実施の形態の要部処理のフローチャートであ
る。
【図8】実施の形態1の要部処理のフローチャートであ
る。
【図9】実施の形態1の要部処理のフローチャートであ
る。
【図10】実施の形態の要部処理のフローチャートであ
る。
【図11】実施の形態の要部処理のフローチャートであ
る。
【図12】実施の形態の要部処理のフローチャートであ
る。
【図13】実施の形態の制御量特性図である。
【図14】実施の形態の制御量特性図である。
【図15】実施の形態の要部処理のフローチャートであ
る。
【図16】実施の形態の要部処理のフローチャートであ
る。
【図17】実施の形態1の要部処理のフローチャートで
ある。
【図18】実施の形態1の作動を示すタイムチャートで
ある。
【図19】実施の形態2の要部処理のフローチャートで
ある。
【図20】実施の形態3の要部処理のフローチャートで
ある。
【図21】実施の形態3の要部処理のフローチャートで
ある。
【符号の説明】
FL,FR,RL,RR 車輪 1 マスタシリンダ 2 ブレーキ回路 3 ホイルシリンダ 4 ドレン回路 5 液圧制御弁 6 リザーバ 7 ポンプ 8 加給回路 9 イン側ゲート弁 10 アウト側ゲート弁 11 ブレーキユニット 12 コントロールユニット 13 車輪速センサ 14 舵角センサ 16 横Gセンサ 17 ヨーレイトセンサ 18 スロットル開度アクチュエータ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各車輪の回転速度を検出する車輪速セン
    サ、および車両に発生する横加速度を検出する横加速度
    センサを含んで車両挙動を検出し、これらの出力値に基
    づき、車両のスリップ角を算出することによって、車両
    挙動が所定の不安定状態であるか否かを判断する車両挙
    動検出手段と、 この車両挙動検出手段が車両挙動不安定状態と判断した
    ときに、車両挙動の安定を図る車両挙動安定制御を実行
    する制御手段と、を備えた車両挙動制御装置において、 前記車両挙動検出手段には、左右の車輪速差に基づいて
    推定横加速度を算出する横加速度推定手段が設けられて
    いるとともに、この横加速度推定手段で得られた推定横
    加速度と横加速度センサによって検出された検出横加速
    度とを比較して両者の差が所定値以上の場合にはバンク
    路走行中と判断するバンク路判断手段が設けられている
    ことを特徴とする車両挙動制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の車両挙動制御装置にお
    いて、 前記バンク路判断手段によってバンク路走行中と判断さ
    れたときには、前記車両挙動検出手段は、推定横加速度
    を用いてスリップ角を算出するよう構成されていること
    を特徴とする車両挙動制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の車両挙動制御装置にお
    いて、 前記車両挙動検出手段によってバンク路走行中と判断さ
    れたときには、前記車両挙動検出手段が前記所定の不安
    定状態と判断するしきい値を、不安定状態と判断し難く
    なる方向にシフトさせるよう構成されていることを特徴
    とする車両挙動制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の車両挙動制御装置にお
    いて、 前記バンク路判断手段によってバンク路走行中と判断さ
    れたときには、前記制御手段が車両挙動制御を実行する
    のを禁止するよう構成されていることを特徴とする車両
    挙動制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016537261A (ja) * 2013-09-09 2016-12-01 ジャガー ランド ローバー リミテッドJaguar Land Rover Limited ビークル制御システムと方法
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