JP2001120887A - 洗濯機のブレーキ解除装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブレーキ時の水槽の揺り戻しによる外枠に接
触するのを防止し、ブレーキバンドの著しい摩耗や異音
が発生するのを防止する。 【解決手段】 洗濯物を収容する洗濯兼脱水槽を支える
支軸に設けたブレーキ機構部のブレーキ力を解除するブ
レーキ解除装置であって、ブレーキ機構部から突出しブ
レーキ力を解除するレバー２０から解除金具３３を離す
方向にばね３６により付勢し、解除金具３３の一端に駆
動装置２５の駆動軸２６を係止するとともに、解除金具
３３の他端部に形成した摺動部３４を保持部材３５に摺
動自在に保持し、ブレーキ解除時に、駆動装置２５によ
りレバー２０に解除金具３３を当接させる。駆動装置２
５は、洗濯兼脱水槽の回転が静止するまで複数回動作す
るようにし、かつ駆動装置２５が動作しないブレーキの
保持時間を順次短くする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、洗濯兼脱水槽を支
える支軸に設けたブレーキ機構部のブレーキ力を保持し
たり解除したりする洗濯機のブレーキ解除装置に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、洗濯機においては、洗濯し洗濯
水を排出した後に、衣類に含浸した水分を絞り出す脱水
行程に移るが、その際、洗濯兼脱水槽を支える支軸に設
けたブレーキ機構部を解除し、脱水完了後には、ブレー
キ力を保持し洗濯兼脱水槽の回転を停止させるのが通常
である。

【０００３】従来、洗濯機は図３に示すように構成して
いた。以下、その構成について説明する。

【０００４】図３に示すように、洗濯兼脱水槽１は、洗
濯物を収容するもので、中央底部にパルセータ２を回転
自在に配設している。水槽３は洗濯兼脱水槽１を内包
し、この水槽３の外底部には基板４を固着し、モータ
５、ブレーキ機構部６を有する洗濯兼脱水切替機構７な
どを配設している。また、水槽３の外底部に排水弁装置
８およびブレーキ解除装置９を配設している。水槽３の
外周下部は防振装置１０、吊り棒１１を介して外枠１２
の上部角隅１３より垂下支持している。外枠１２の上部
に上部カバー１４を設け、給水弁１５、電源スイッチ１
６、制御装置１７などを配設している。

【０００５】ブレーキ機構部６は、図４に示すように、
洗濯兼脱水槽１を支える支軸１８にブレーキホイル１９
を固着し、このブレーキホイル１９を収容するケース１
９ａに一端を固定し他端をレバー２０に固着したブレー
キバンド２１をブレーキばね２２のばね力により圧接さ
せて、支軸１８にブレーキ力を加えるように構成してい
る。レバー２０をブレーキばね２２のばね力に抗して軸
２３を中心として矢印ａ方向に回動させると、ブレーキ
力を解除できる。

【０００６】ブレーキ解除装置は、図５に示すように構
成しており、解除金具２４はブレーキ解除時にレバー２
０と当接するもので、この解除金具２４の一端に駆動装
置２５の駆動軸２６を係止し、解除金具２４の他端に形
成した摺動部２７を保持部２８に摺動自在に保持してい
る。

【０００７】ばね２９は解除金具２４をレバー２０から
離す方向に付勢するものである。ばね２９の一端は保持
部材２８を固定する固定金具３０に固定し、他端は解除
金具２４に固定し、固定金具３０は水槽３の下部に２本
以上のねじ３１により固定している。解除金具２４の摺
動部２７は平板状に形成し、保持部材２８の透孔３２に
挿入保持されている。

【０００８】一般に洗濯機においては、洗いまたはすす
ぎ行程の終了とほぼ同時に、排水弁装置８を動作させて
排水行程に入るとともに、駆動装置２５を動作させてブ
レーキ機構部６のブレーキ力を解除し、水槽３内の洗濯
水がほぼなくなった時点から脱水行程に入り、所定の脱
水時間終了後、一度に駆動装置２５の動作を解除しブレ
ーキ機構部６のブレーキ力を保持させる。

【０００９】上記構成において、ブレーキ機構部６のブ
レーキ力を解除するときは、駆動装置２５を付勢して駆
動軸２６を矢印ｂ方向に移動させると、解除金具２４を
介してレバー２０を図４の矢印ａ方向に回動させること
ができ、ブレーキ力を解除できる。

【００１０】また、脱水時の動作は、図６（ａ）に示す
ように、時刻ｔ0でモータ５をオンして脱水を開始し、
時刻ｔ1で洗濯兼脱水槽１の回転数が定常回転数に達し
た後、時刻ｔ2まで定常回転で回転させ、時刻ｔ2でモー
タ５をオフして時刻ｔ3までの間、惰性回転により洗濯
兼脱水槽１の回転数は徐々に低下する。時刻ｔ3まで
は、図６（ｂ）に示すように、駆動装置２５を付勢し、
ブレーキ機構部６のブレーキ力を解除している。

【００１１】時刻ｔ3で一回の動作で駆動装置２５の動
作を電気的に解除させて、ブレーキ機構部６のレバー２
０を元の位置に戻し、ブレーキホイル１９にブレーキバ
ンド２１をブレーキばね２２のばね力により圧接させて
ブレーキ力を加え、時刻ｔ4でブレーキホイル１９を固
着する支軸１８に支えられた洗濯兼脱水槽１の回転を静
止させる。

【００１２】

【発明が解決しようとする課題】このような従来の構成
では、脱水行程終了時等のブレーキ動作時に高速回転し
ている洗濯兼脱水槽１の停止が急激に行われるため、洗
濯兼脱水槽１を内包し、防振装置１０、吊り棒１１を介
して外枠１２の上部角隅１３に垂下支持されている水槽
３の揺り戻しが発生し、外枠１２に接触する恐れがあっ
た。

【００１３】また、一度にブレーキホイル１９にブレー
キバンド２１をブレーキばね２２のばね力により圧接さ
せてブレーキ力を加えるため、ブレーキバンド２１の表
面が摩擦力により著しく摩耗したり、光沢状態に変化し
て摩擦係数が向上しブレーキ動作時に異音を発生する恐
れがあった。

【００１４】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、ブレーキ時の水槽の揺り戻しによる外枠に接触する
のを防止し、ブレーキバンドの著しい摩耗や異音が発生
するのを防止することを目的としている。

【００１５】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、洗濯物を収容する洗濯兼脱水槽を内包した
水槽の下部に設け、洗濯兼脱水槽を支える支軸に設けた
ブレーキ機構部のブレーキ力を解除するブレーキ解除装
置であって、ブレーキ機構部から突出しブレーキ力を解
除するレバーから解除金具を離す方向にばねにより付勢
し、解除金具の一端に駆動装置の駆動軸を係止するとと
もに、解除金具の他端部に形成した摺動部を保持部材に
摺動自在に保持し、ブレーキ解除時に、駆動装置により
レバーに解除金具を当接させるよう構成し、駆動装置
は、洗濯兼脱水槽の回転が静止するまで複数回動作する
ようにし、かつ駆動装置が動作しないブレーキの保持時
間を順次短くしたものである。

【００１６】これにより、ブレーキ時の水槽の揺り戻し
による外枠に接触するのを防止でき、ブレーキバンドの
著しい摩耗や異音が発生するのを防止することができ
る。

【００１７】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載の発明
は、洗濯物を収容する洗濯兼脱水槽を内包した水槽の下
部に設け、前記洗濯兼脱水槽を支える支軸に設けたブレ
ーキ機構部のブレーキ力を解除するブレーキ解除装置で
あって、ブレーキ機構部から突出しブレーキ力を解除す
るレバーと、ブレーキ解除時に前記レバーと当接する解
除金具と、この解除金具の一端に係止された駆動軸を有
する駆動装置と、前記解除金具の他端部に形成した摺動
部を摺動自在に保持する保持部材と、前記解除金具を前
記レバーから離す方向に付勢するばねとを備え、前記駆
動装置は、前記洗濯兼脱水槽の回転が静止するまで複数
回動作するようにし、かつ駆動装置が動作しないブレー
キの保持時間を順次短くしたものであり、洗濯兼脱水槽
の回転を急激に停止することなく、徐々に回転を低下さ
せることができ、ブレーキ時の水槽の揺り戻しによる外
枠に接触するのを防止でき、ブレーキバンドの著しい摩
耗や異音が発生するのを防止することができる。

【００１８】

【実施例】以下、本発明の一実施例について、図面を参
照して説明する。なお、洗濯機の構成およびブレーキ機
構部の構成は従来例と同じであり、ブレーキ解除装置に
ついても従来例と同じ構成のものは同一符号を付して説
明を省略する。

【００１９】図１に示すように、解除金具３３は、ブレ
ーキ解除時にレバー２０と当接するもので、一端に駆動
装置２５の駆動軸２６を係止し、他端に摺動部３４を形
成している。保持部材３５は解除金具３３に形成した摺
動部３４を摺動自在に保持する。ばね３６は解除金具３
３をレバー２０から離す方向に付勢するもので、内径部
３７に駆動装置２５の駆動軸２６を挿入するとともに、
このばね３６の一端を解除金具３３に当接し、他端を駆
動装置２５に当接し保持している。

【００２０】また、保持部材３５は、解除金具３３に形
成した摺動部３４を摺動自在に保持する保持部３８と、
水槽３の下部に固定する取付部３９とを一体に形成し、
水槽３の下部に取付部３９により固定している。

【００２１】駆動装置２５は、洗濯兼脱水槽１の回転が
静止するまで複数回動作させ、かつ、駆動装置２５が動
作しないブレーキの保持時間を順次短くしている。

【００２２】上記構成において、ブレーキ解除の際、駆
動装置２５を付勢すると、駆動軸２６により、解除金具
３３を保持部材３５の保持部３８に保持される摺動部３
４に沿って引き、解除金具３３がレバー２０と当接し、
レバー２０を矢印ｂ方向に引く。復帰する場合は、駆動
装置２５の付勢力を開放すると、駆動軸２６が解放さ
れ、レバー２０自身の戻り力と駆動装置２５の駆動軸２
６に内径部３７を保持されレバー２０から離す方向に付
勢するばね３６により、解除金具３３は図１の位置に復
帰する。

【００２３】脱水時の動作は、図２（ａ）に示すよう
に、時刻ｔ0でモータ５をオンして脱水を開始し、時刻
ｔ1で洗濯兼脱水槽１の回転数が定常回転数に達した
後、時刻ｔ2まで定常回転数で回転させ、時刻ｔ2でモー
タ５をオフして時刻ｔ3までの間、惰性回転により洗濯
兼脱水槽１の回転数は徐々に低下する。時刻ｔ3まで
は、図２（ｂ）に示すように、駆動装置２５を付勢し、
ブレーキ機構部６のブレーキ力を解除している。

【００２４】ブレーキをかける場合、図２（ｂ）に示す
ように、時刻ｔ2〜時刻ｔ3の惰性回転を含めて、洗濯兼
脱水槽１の回転が静止するまで、時刻ｔ4〜時刻ｔ5、時
刻ｔ6〜時刻ｔ7のように、駆動装置２５を複数回動作さ
せ、かつ、駆動装置２５が動作しないブレーキの保持時
間Ｔ1、Ｔ2、Ｔ3を順次短くなるようにしており、この
間は駆動装置２５の動作を電気的に解除させて、ブレー
キ機構部６のレバー２０を元の位置に戻し、ブレーキホ
イル１９にブレーキバンド２１をブレーキばね２２のば
ね力により圧接させてブレーキ力を徐々に軽くするよう
に加える。

【００２５】このため、ブレーキホイル１９を固着した
支軸１８に支えられた洗濯兼脱水槽１の回転が急激に停
止することなく、徐々に回転が低下することとなり、ブ
レーキ時の水槽３の揺り戻しによる外枠１２への接触を
防止することができ、また、ブレーキホイル１９の回転
が徐々に低下することにより、ブレーキバンド２１の著
しい摩耗を防止し、ブレーキバンド２１表面の光沢状態
への変化を防止し摩擦係数の増大を抑制することによ
り、ブレーキ動作時の異音の発生を防止することができ
る。

【００２６】

【発明の効果】以上のように本発明の請求項１に記載の
発明によれば、洗濯物を収容する洗濯兼脱水槽を内包し
た水槽の下部に設け、前記洗濯兼脱水槽を支える支軸に
設けたブレーキ機構部のブレーキ力を解除するブレーキ
解除装置であって、ブレーキ機構部から突出しブレーキ
力を解除するレバーと、ブレーキ解除時に前記レバーと
当接する解除金具と、この解除金具の一端に係止された
駆動軸を有する駆動装置と、前記解除金具の他端部に形
成した摺動部を摺動自在に保持する保持部材と、前記解
除金具を前記レバーから離す方向に付勢するばねとを備
え、前記駆動装置は、前記洗濯兼脱水槽の回転が静止す
るまで複数回動作するようにし、かつ駆動装置が動作し
ないブレーキの保持時間を順次短くしたものであり、洗
濯兼脱水槽の回転を急激に停止することなく、徐々に回
転を低下させることができ、その結果、ブレーキ時の水
槽の揺り戻しによる外枠に接触するのを防止でき、ブレ
ーキバンドの著しい摩耗や異音が発生するのを防止する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の洗濯機のブレーキ解除装置
の一部切欠した断面図

【図２】同洗濯機のブレーキ解除装置の動作タイムチャ
ート

【図３】従来のブレーキ解除装置を備えた洗濯機の断面
図

【図４】従来のブレーキ解除装置により解除されるブレ
ーキ機構部の平面図

【図５】従来の洗濯機のブレーキ解除装置の一部切欠し
た断面図

【図６】従来の洗濯機のブレーキ解除装置の動作タイム
チャート

【符号の説明】

２０ レバー ２５ 駆動装置 ２６ 駆動軸 ３３ 解除金具 ３４ 摺動部 ３５ 保持部材 ３６ ばね

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 洗濯物を収容する洗濯兼脱水槽を内包し
   た水槽の下部に設け、前記洗濯兼脱水槽を支える支軸に
   設けたブレーキ機構部のブレーキ力を解除するブレーキ
   解除装置であって、ブレーキ機構部から突出しブレーキ
   力を解除するレバーと、ブレーキ解除時に前記レバーと
   当接する解除金具と、この解除金具の一端に係止された
   駆動軸を有する駆動装置と、前記解除金具の他端部に形
   成した摺動部を摺動自在に保持する保持部材と、前記解
   除金具を前記レバーから離す方向に付勢するばねとを備
   え、前記駆動装置は、前記洗濯兼脱水槽の回転が静止す
   るまで複数回動作するようにし、かつ駆動装置が動作し
   ないブレーキの保持時間を順次短くした洗濯機のブレー
   キ解除装置。