JP2001120170A - 保存用柿の葉の製造方法、及び保存用柿の葉 - Google Patents
保存用柿の葉の製造方法、及び保存用柿の葉Info
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Abstract
品質の保存用柿の葉。 【解決手段】柿の葉に塩漬け処理を施した後、塩水と清
水とで塩出しを行い、次いで次亜塩素酸ナトリウム水溶
液又はオゾン水中に浸漬し、さらに葉面をアルコールで
拭いて殺菌処理を行い、生乾き状態にして脱気包装す
る。塩漬け処理は、低濃度から高濃度に、少なくとも2
段階に調整した塩水中に順次浸漬し実施する。生乾き状
態には、オゾン含有気流下において実施するとよい。塩
出しを終えた柿の葉が生乾きのまま包装してあるので、
需要者は袋から取り出してそのまま直ちに利用でる。長
期にわたる塩漬けがないので新鮮な緑色を保っている。
Description
葉羊羹等における食品用副資材として保存し、季節を問
わず随時使用するための保存用柿の葉の製造方法、及び
保存用柿の葉に関する。
従来、祭や祝い事の際の自家用又は地域的な土産物とし
て製造されていた。そして、これらに使用する保存用柿
の葉は、柿の品種や生育条件により若干の差はあるが、
通常、6月上旬から8月上旬にかけて1年分を採取し、
直ちに塩漬けにして樽や缶に貯蔵しておき、必要の都
度、所要枚数の柿の葉を取り出し、清水で塩出しを行っ
た後、さらに清水で洗浄し、一枚づつ付着した水滴を丁
寧に拭き取ってから使用していた。
司や柿の葉羊羹などが全国的に販売されるようになり、
これにともなって、とくに柿の葉寿司用に使用する保存
用柿の葉が、季節に関係なく大量に必要になった。この
柿の葉は、従来の保存した柿の葉とは異なり、包装から
取り出し、需要者の手を煩わさないでそのまま直ちに使
用できるものでなければならない。かつ、大量生産でき
る保存用柿の葉であって、新鮮さを保持する高品質の柿
の葉が要望されている。従来から、類似の食品用副資材
として笹の葉や柏の葉がよく知られ、保存用のものが大
量に使用されている。しかし、柿の葉は、笹の葉等とは
違った性質、とくに異なる構造の細胞から構成されてい
るので、笹の葉等と同じようにして保存用柿の葉を製造
しても使いものにならない。そこで本発明は、食品副資
材として季節を問わず、何の処理も行わないで需要者が
そのまま直ちに利用できる品質の高い保存用柿の葉を供
給することを課題に、その製造条件等を研究した結果、
完成されたものである。
めに本発明は、採取した柿の葉に所定時間の塩漬け処理
を施した後、塩出し処理を行い、次いで殺菌剤を用いて
殺菌処理を行い、乾燥して生乾き状態にしたものを脱気
包装することを特徴とする保存用柿の葉の製造方法を提
供する。塩漬け処理は、柿の葉を、低い濃度から高い濃
度に少なくとも2段階に調整した塩水中に順次浸漬し直
し、少なくとも2段階で施すことが望ましい。また、塩
出し処理は、好ましくは塩漬け処理を施した柿の葉を、
塩漬け処理終了時の塩水濃度よりも低濃度の塩水中に浸
漬した後、清水中に浸漬することによって行う。
施すが、その手段には次亜塩素酸ナトリウム水溶液及び
/又はオゾン水を用いて行う浸漬操作及び/又は洗浄操
作が好ましい。あるいは殺菌処理として塩出し処理を行
った柿の葉の葉面を、あるいは殺菌処理を施した柿の葉
の葉面をアルコールにより処理した後、生乾き状態にす
るとよい。そして、オゾン含有気流下において生乾き状
態にすることが望まれる。保存用柿の葉の包装は、脱気
包装に代えて不活性雰囲気下に包装することもできる。
塩出しを行い、次いで殺菌処理を施し、殺菌雰囲気下に
生乾き状態にされて、脱気包装又は不活性雰囲気下に包
装されていることを特徴とする保存用柿の葉を提供す
る。
挙げて具体的に説明する。ただし、以下に説明する各工
程での処理条件は画一的なものではなく、柿の葉の種
類、産地、使用目的、需要者の好み等によって異なるも
のであって、経験的に決められる部分が多く、厳密なも
のではない。
め適宜の枚数、たとえば50枚ずつ束ねてポリ樽などの
容器中に並べ重ねて塩水を注入し、押し蓋をして重しを
のせ塩漬け処理を施す。塩水濃度は、13〜30度、好
ましくは15〜25度の範囲である。しかし、柿の葉の
細胞組織は、前記の笹の葉等とは異なり海綿状に形成さ
れているので、一度に大きな浸透圧が加わると細胞が損
傷を受け品質劣化を招くおそれがある。そこで、最初は
比較的薄い濃度の塩水中に漬け、順次濃度の高い塩水中
に浸漬し直したほうがよい。たとえば、まず15〜20
度の塩水に浸漬し、ついで比較的濃い20度を超える塩
水に浸漬し直して少なくとも2段階に分けて塩漬け処理
を施す。また、段階的に塩分濃度を上げて塩漬け処理を
行うことにより、塩分の浸透を円滑にし、均一な処理を
施せる効果がある。
温度であって、できれば15℃以下、好ましくは7℃以
下、さらに好ましくは5℃以下であるが、条件によって
は室温でもよい。従って、通常の冷蔵室または冷蔵庫内
で実施するとよい。処理期間は、少なくとも3日、通常
は10日以上、好ましくは2週間以上施す。2段階塩漬
け処理では、前段階を10時間以上、後段階を10日以
上、好ましくは2週間以上施す。塩漬け処理は、柿の葉
の生物活性を停止することが目的であって、不必要に長
期間塩漬けする必要は全くない。
分の少ない水又は清水を用いて浸漬又は洗浄あるいは両
方を組み合わせて葉の表面又は内部に浸透した塩分を取
り除く塩出し処理を行う。塩出し処理においても、塩漬
け処理と同様に少なくとも2段階に分けて実施する方が
よい。すなわち、塩漬け処理を施した柿の葉を、まず、
塩漬け処理終了時の塩水濃度よりも低濃度の塩水中に浸
漬した後、清水中に浸漬することによって行う。塩出し
処理は通常2段階で実施され、第1段階では塩分濃度が
通常10度以下の塩水中に、次いで清水中に浸漬し、洗
浄する。浸漬時間はいずれも数時間程度でよい。
菌処理を施す。使用する殺菌剤は、食品の殺菌用に使用
できるものの中から選択するが、次亜塩素酸ナトリウム
水溶液やオゾン水の使用が好ましく用いられる。オゾン
水の供給には、たとえば市販の食品消毒用オゾン水製造
装置を利用するとよい。次亜塩素酸ナトリウム水溶液を
用いる場合、その濃度は通常50〜200ppm前後に
する。殺菌処理操作は、処理漏れ部分の発生を防止する
ために上記殺菌剤水溶液中に柿の葉を浸漬することが多
い。条件によってはアルコール水溶液等の殺菌剤を柿の
葉に吹き付けて実施してもよい。前記以外の食品関係用
途に使用可能であって柿の葉に悪影響を与えない殺菌剤
や殺菌法を使用し、あるいはそれらの方法と併用するこ
ともできる。保存用柿の葉は、後述するように真空保存
が好ましくないので、殺菌処理を念入りに実施しておく
ことが望まれる。
いように網などを利用して並べ、殺菌雰囲気、たとえ
ば、オゾン気体流雰囲気等により細菌類の増殖や付着を
防止しながら、柿の葉表面に付着した水分を除去し、利
用に適したしなやかさの生乾き状態にする。通常、気密
室内で5〜30時間、室温乾燥する。オゾン気体雰囲気
には、食品処理向けのオゾン気体発生器を利用すればよ
い。
枚ずつ表裏にアルコール水溶液等を吹き付け、殺菌の万
全と保存性の向上とを図っておくことが好ましい。条件
によっては、前記の殺菌処理に代えて本操作のアルコー
ル吹き付けによる殺菌処理のみ実施して十分なこともあ
る。
て、密閉包装用の袋に入れ、脱気して密閉シールする。
笹の葉等のように真空包装してはならない。柿の葉の細
胞組織は減圧することによって細胞が破損しやすく、葉
の表面が傷み、変色して商品価値がなくなるおそれがあ
る。本発明にいう脱気包装は、包装した袋が膨れない程
度、つまり大気圧を僅かに下回る程度に減圧して袋内の
余分な空気を排除し、シールするものである。脱気包装
に代え、袋内を窒素などで置換し、不活性ガス雰囲気と
して保存してもよい。さらに、包装内にアルコール製剤
または脱酸素剤を封入しておけば、柿の葉の変質、腐敗
防止に効果的である。本発明に係る柿の葉の包装物は、
冷蔵庫内に保存することが望ましい。
明する。
樽中に並べて重ね、濃度18度に調整した塩水を注ぎ込
んで押し蓋をし、重しをのせ塩漬けにした。2日後に塩
水を濃度が23度のものに漬け直し、さらに塩漬けを続
けた。8日後に柿の葉束を取り出し、8度の塩水中に約
4時間浸漬した後、清水に約2時間漬けて塩出しをし
た。塩出しした柿の葉束を解いて柿の葉をバラバラにし
て1枚ずつ清水で洗浄し、次いで濃度120ppmの次
亜塩素酸ナトリウム水溶液に浸漬し、20分後に残留次
亜塩素酸ナトリウムがなくなるまで水槽中で押し洗いし
た。水槽から取り出した柿の葉を網の上に1枚ずつ重な
らないように並べ、オゾン気体を充満した常温の室内
で、葉の表面の付着水がなくなって生乾き状態になるま
で約10時間、乾燥した。生乾きになった柿の葉の表面
に70%のアルコール溶液をまんべんなく噴霧した。こ
の柿の葉を再度50枚ずつ束ね、プラスチックスの袋に
入れて脱気包装したものを5℃前後に温度調整した冷蔵
庫内で保存した。
取り出したが、採取当時の柿の葉に極めて近い鮮やかな
緑色としなやかさを備え、柿の葉寿司に用いる柿の葉と
して極めて望ましいものであり、さらに長期間、良好な
保存が見込まれる状態であった。
は、使用する前に塩出しを行い、塩出しした柿の葉の表
面水分を1枚ずつ拭きとる必要があって、所要の場合直
ちに使うことができす、準備にも可成りの時間と労働力
とを要していた。しかし、本願発明の保存用柿の葉は、
塩出しを終えた柿の葉がそのまま使える状態の生乾きの
まま包装してあるので、需要者にとり利用の簡便さにお
いて従来品と比べて雲泥の差がある。
色が徐々に褐色に変化していたが、本発明保存用柿の葉
は、塩出しして保存するので長期にわたって新鮮な緑色
を保つことができる。食品保存に欠かすことのできない
衛生面についても、状況により必要十分な洗浄や殺菌処
理を施すので、安心して利用することができる。そし
て、従来の塩漬けの柿の葉は、主に樽や缶を容器として
塩水とともに保存し配送する必要があったが、本発明保
存用柿の葉は、軽い袋詰めであって保存時の省スペース
化、輸送コストや取扱の便利さにおいても格段に優れて
いる。
Claims (8)
- 【請求項1】採取した柿の葉に所定時間の塩漬け処理を
施した後、塩出し処理を行い、次いで殺菌剤を用いて殺
菌処理を行い、乾燥して生乾き状態にしたものを脱気包
装することを特徴とする保存用柿の葉の製造方法。 - 【請求項2】柿の葉を、低い濃度から高い濃度に少なく
とも2段階に調整した塩水中に順次浸漬し直すことによ
り、塩漬け処理を施すことを特徴とする請求項1記載の
保存用柿の葉の製造方法。 - 【請求項3】塩漬け処理を施した柿の葉を、塩漬け処理
終了時の塩水濃度よりも低濃度の塩水中に浸漬した後、
清水中に浸漬することによって塩出し処理を行うことを
特徴とする請求項1または2記載の保存用柿の葉の製造
方法。 - 【請求項4】殺菌処理として、塩出し処理を行った柿の
葉に、次亜塩素酸ナトリウム水溶液及び/又はオゾン水
を用いて浸漬操作及び/又は洗浄操作を行うことを特徴
とする請求項1、2または3記載の保存用柿の葉の製造
方法。 - 【請求項5】オゾン含有気流下において生乾き状態にす
ることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載
の保存用柿の葉の製造方法。 - 【請求項6】生乾き状態にした柿の葉の面を、アルコー
ル又はアルコール水溶液を用いて処理した後、脱気包装
することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記
載の保存用柿の葉の製造方法。 - 【請求項7】脱気包装に代えて不活性雰囲気下に包装す
ることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載
の保存用柿の葉の製造方法。 - 【請求項8】塩漬け処理を施した後、塩出しを行い、次
いで殺菌処理を施し、殺菌雰囲気下に生乾き状態にされ
て、脱気包装又は不活性雰囲気下に包装されていること
を特徴とする保存用柿の葉。
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---|---|---|---|
JP30763099A JP3842936B2 (ja) | 1999-10-28 | 1999-10-28 | 保存用柿の葉の製造方法、及び保存用柿の葉 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102421305A (zh) * | 2009-05-13 | 2012-04-18 | 罗蒂株式会社 | 含多胺的饮食品的制造方法 |
CN107347973A (zh) * | 2017-07-03 | 2017-11-17 | 广东省农业科学院果树研究所 | 一种在不具备冷藏条件的地方延长半干型荔枝干常温货架期色泽的方法 |
JP2020184946A (ja) * | 2019-05-15 | 2020-11-19 | 舟山株式会社 | 食品用植物の葉の製造方法 |
-
1999
- 1999-10-28 JP JP30763099A patent/JP3842936B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN102421305B (zh) * | 2009-05-13 | 2014-06-25 | 罗蒂株式会社 | 含多胺的饮食品的制造方法 |
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CN107347973B (zh) * | 2017-07-03 | 2023-08-08 | 广东省农业科学院果树研究所 | 一种在不具备冷藏条件的地方延长半干型荔枝干常温货架期色泽的方法 |
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