JP2001118963A - 電気・電子部品 - Google Patents

電気・電子部品

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JP2001118963A
JP2001118963A JP29808799A JP29808799A JP2001118963A JP 2001118963 A JP2001118963 A JP 2001118963A JP 29808799 A JP29808799 A JP 29808799A JP 29808799 A JP29808799 A JP 29808799A JP 2001118963 A JP2001118963 A JP 2001118963A
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electric
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JP29808799A
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Masahiro Suzuki
雅博 鈴木
Tomoaki Aoki
知明 青木
Takuya Sugishita
拓也 杉下
Katsuhiko Yasu
克彦 安
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/0001Technical content checked by a classifier
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  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
  • Insulating Of Coils (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸素介在下での熱劣化及び酸化劣化を抑制
し、高密度化、高集積化に対応する長寿命、高耐久性の
電気・電子部品を提供する。 【解決手段】 絶縁樹脂を封止した電気・電子部品にお
いて、ケース内に収容した部品を覆うオレフィン系ポリ
マからなる第1樹脂層と、この第1樹脂層の上に形成さ
れてケースの開口部側を閉塞し外気を遮断する第2層と
から構成されてなる電気・電子部品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコンチップ、
トランス、コイル、LSI、IC、トランジスタ、ダイ
オード、電源スイッチ類などの電気・電子部材、あるい
はこれらの部材を搭載した支持基板を含む電気・電子部
材を封止した電気・電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】電気・電子機器の小型化、薄型化に伴
い、使用される部品の高密度化、高集積化が進んできて
おり、特に半導体関連部品におけるその進歩は目覚しい
ものがある。これらの電気・電子部品は、一般にケース
材および内装される構成部材とから成る。構成部材と
は、制御部品であればプリント配線板およびその配線板
に搭載された樹脂封止ICやダイオードなどが挙げら
れ、イグニッションコイルやフライバックトランスなど
の高圧トランスについては、コイルを巻きつけるための
ボビン材や内装される部品同士の衝突を防止するための
緩衝材などが挙げられる。これらの構成部材には金属、
セラミックなどの無機材料のほか、高分子材料に代表さ
れる有機材料がある。
【0003】構成部材のなかでも、高分子材料を使用し
たものを樹脂部材とすると、この樹脂部材としては、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、
ポリテトラフルオロエチレンなどの熱可塑性樹脂、エポ
キシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、シリコーン樹
脂、ウレタン樹脂、ポリエステル系樹脂などの熱硬化性
樹脂が使用されている。
【0004】一般に、電気・電子部品の耐久性ならびに
絶縁性を向上させるためには、ケース材と樹脂部材を内
装した部品に、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂などを注型封止してい
る。これらの注型用樹脂のうち、絶縁性、耐湿性、耐熱
衝撃性、耐リフロークラック性および構成部材との接着
性に優れる点からエポキシ樹脂が最も代表的なものとし
て使用されている。しかし電気・電子部品の小型化、高
密度化と、より厳しい使用環境に適応する耐ヒートサイ
クル性の要求の高まりから、エポキシ樹脂では絶縁性を
維持しながら耐クラック性を改良するのは限界に近い。
また、シリコーン樹脂は接着性に、ウレタン樹脂は絶縁
性に問題がある。更には、シリコーン樹脂やウレタン樹
脂等の一般的に軟質タイプの樹脂は、外部からの衝撃に
対する耐久性に劣る。これらについては、特開平5−2
20767号公報や特開平6−164465号公報に示
されるように、別樹脂を表面に成形させる方法が知られ
ている。
【0005】一方、ノルボルネン系化合物をメタセシス
重合して得られるシクロオレフィン系樹脂は、機械的特
性、電気的特性および耐水性などに優れることが知られ
ており、特公平5−41088号公報では、ノルボルネ
ン系化合物の反応射出成形により、電気・電子部品を封
止する製造方法が提案されている。また、特開平9−1
83833号公報では、新たなメタセシス重合触媒によ
る電気・電子部品の封止に好適なノルボルネン系化合物
が提案されている。さらに、特開平10−182922
号公報では、メタセシス重合性シクロオレフィン系化合
物(プレポリマー)は充填材を添加しても粘度が低く、
電気・電子部品の封止に好適であることが示されてい
る。しかし、これらの公報に記載のシクロオレフィン系
化合物及びその他オレフィン系化合物についても、酸素
介在下で熱劣化すると、酸化劣化し、機械特性、電気特
性等が低下するという問題がある。
【0006】上記の通り、エポキシ樹脂など弾性率が高
い硬質な樹脂では、剥離やクラックという問題が発生し
やすく、電気・電子部品の信頼性に問題がある。また、
シリコーン樹脂は、接着性に問題があり、ウレタン樹脂
では、絶縁性に問題があるため、高密度集積回路や微細
回路を、十分に封止できないという問題がある。また、
オレフィン系樹脂として、ジシクロペンタジエンをメタ
セシス重合して得られるポリマー及びその他オレフィン
系化合物は、一般的に酸素介在下で熱劣化すると、酸化
劣化により特性が変化し、酸素と接触した部分の部品と
の界面で剥離が生じたり、樹脂にクラックが発生するな
どの問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】請求項1〜7記載の発
明は、酸素介在下での熱劣化及び酸化劣化を抑制し、高
密度化、高集積化に対応する長寿命、高耐久性の電気・
電子部品を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、絶縁樹脂を封
止した電気・電子部品において、ケース内に収容した部
品を覆うオレフィン系ポリマからなる第1樹脂層と、こ
の第1樹脂層の上に形成されてケースの開口部側を閉塞
し外気を遮断する第2層とから構成されてなる電気・電
子部品に関する。また、本発明は、ケースの開口部側を
閉塞し外気を遮断する第2層の酸素透過度が、1000
×1011(cm・cm3/m2・24h・atm)以下である前記電気・
電子部品に関する。
【0009】また、本発明は、ケース内に収容した部品
を覆う第1樹脂層のオレフィン系ポリマの曲げ弾性率
が、23℃において500MPa以下である前記電気・電
子部品に関する。また、本発明は、ケース内に収容した
部品を覆う第1樹脂層のオレフィン系ポリマが、シクロ
オレフィン系化合物をメタセシス重合して得られるポリ
マである前記電気・電子部品に関する。また、本発明
は、ケース内に収容した部品を覆う第1樹脂層のオレフ
ィン系ポリマが、充填剤を含む前記電気・電子部品に関
する。
【0010】また、本発明は、絶縁樹脂を封止した電気
・電子部品が、磁性体コア、1次コイル、2次コイル及
び外部接続端子からなる高圧トランスである前記電気・
電子部品に関する。また、本発明は、絶縁樹脂を封止し
た電気・電子部品が、エンジン用点火コイルである前記
電気・電子部品に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる第1樹脂層の
上に形成されてケースの開口部側を閉塞し外気を遮断す
る第2層としては、有機、無機いずれの材料でも用いら
れ、特に制限はなく、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポ
リエステル樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、フェ
ノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アルキド樹
脂、等の熱硬化性材料或はポリエチレン、ポリスチレ
ン、AS樹脂、ABS樹脂、ポリプロピレン、ポリブテ
ン、石油樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、メタクリル樹脂、
ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ふっ
素樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート、ポリオキシメチレン等の熱可塑性材料や
天然ゴム、ブタジエン系ゴム等のエラストマー或はSU
S、銅、鉄、アルミ、セラミックス等の無機材料が挙げ
られる。
【0012】また、第2層の材料の物性には、特に制限
は無く、第1樹脂層のオレフィン系ポリマを外気から直
接接触回避できるものであれば良く、ケース開口部の部
材との接着力が良好で、加熱、加湿時にクラックが発生
したり、膨潤するなど物性の変化の少ない材料が好まし
い。また、第2層の材料の形態には、特に制限はなく、
第1樹脂層と第2層は、密着していなくても良い。ま
た、第2層の材料の酸素透過度は、1000×10
11(cm・cm3/m2・24h・atm)[JIS K 7126:プ
ラスチックフィルム及びシートの気体透過度試験方法に
準ずる]以下であることが好ましく、100×10
11(cm・cm3/m2・24h・atm)以下であることがより好まし
く、10×1011(cm・cm3/m2・24h・atm)以下であるこ
とが特に好ましい。
【0013】本発明においてケース内に収容した部品を
覆う第1樹脂層として用いられるオレフィン系ポリマと
しては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
ブタジエンなど一般公知の汎用樹脂も挙げられるが、シ
クロオレフィン系化合物の重合体が好ましく、シクロオ
レフィン化合物をメタセシス重合した重合体が特に好ま
しい。メタセシス重合可能なシクロオレフィン化合物と
しては、ノルボルネン系シクロオレフィン化合物と非ノ
ルボルネン系シクロオレフィン化合物に大別される。
【0014】本発明で用いられるシクロオレフィン系化
合物としては、例えば、置換又は非置換のノルボルネ
ン、メチルノルボルネン、ジメチルノルボルネン、エチ
ルノルボルネン、エチリデンノルボルネン、ブチルノル
ボルネンなどの二環ノルボルネン、ジシクロペンタジエ
ン(シクロペンタジエンの二量体)、ジヒドロジシクロ
ペンタジエン、メチルジシクロペンタジエン、ジメチル
ジシクロペンタジエンなどの三環ノルボルネン、テトラ
シクロドデセン、メチルテトラシクロドデセン、ジメチ
ルシクロテトラドデセンなどの四環ノルボルネン、トリ
シクロペンタジエン(シクロペンタジエンの三量体)、
テトラシクロペンタジエン(シクロペンタジエンの四量
体)などの五環以上のノルボルネン、シクロブテン、シ
クロペンテン、シクロオクテン、シクロドデセン、テト
ラヒドロインデン、メチルテトラヒドロインデンなどが
挙げられる。
【0015】また、2個以上のノルボルネン基を有する
化合物、例えばテトラシクロドデカジエン、対称型トリ
シクロペンタジエン等を多官能架橋剤として用いること
もできる。さらに、ハイミック酸、無水ハイミック酸、
ノルボルナジエンなどのノルボルネン誘導体も用いるこ
とが可能である。これらのシクロオレフィン系化合物を
1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
【0016】これらの中で、入手の容易さ、経済性など
から、ジシクロペンタジエン、メチルテトラシクロドデ
セン、エチリデンノルボルネン、トリシクロペンタジエ
ン、シクロオクテン、シクロオクタジエン、シクロドデ
カトリエンなどが好ましい。
【0017】ジシクロペンタジエンは、事前に加熱処理
することで、ジシクロペンタジエンの一部をトリシクロ
ペンタジエンやテトラシクロペンタジエン等のシクロペ
ンタジエンオリゴマーにしたり、不純物であるビニルノ
ルボルネンやメチルビニルノルボルネンをテトラヒドロ
インデンやメチルテトラヒドロインデンに異性化したり
することができる。加熱処理は、通常、120〜250
℃で、0.5〜10時間程度である。
【0018】なお、通常の市販されているこれらシクロ
オレフィン系化合物には、不純物を含んでいることがあ
る。例えば、ジシクロペンタジエンには、ビニルノルボ
ルネン、テトラヒドロインデン、メチルビニルノルボル
ネン、メチルテトラヒドロインデン、メチルジシクロペ
ンタジエン、ジメチルジシクロペンタジエン、トリシク
ロペンタジエン等を含んでおり、シクロオクタジエンに
は未反応ブタジエンやシクロオクタンなどを不純物とし
て含んでいることがある。種々の純度のシクロオレフィ
ン系化合物が市販されているが、特に精製をしなくても
よい。本発明の電気・電子部品に用いるこれら原料とし
ては、90重量%以上の純度ものを使用することが好ま
しく、95重量%以上の純度ものを使用することがより
好ましく、98重量%以上の純度ものを使用することが
特に好ましい。
【0019】これらのシクロオレフィン系化合物の中
で、分子量300未満のシクロオレフィン系化合物を2
種以上併用して、樹脂の弾性率を制御することができ
る。例えば、ジシクロペンタジエンやトリシクロペンタ
ジエンなどの双環体あるいは多環体を重合して得られる
樹脂は、硬質であるが、シクロペンテン、シクロオクテ
ン、シクロオクタジエン、シクロドデカトリエン、シク
ロオクタテトラエンなどの単環体を併用すると弾性率を
小さくすることができる。
【0020】シクロオレフィン系化合物には、充填材を
添加することができる。例えば、溶融シリカ、結晶シリ
カ、珪砂、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化
マグネシウム、クレー、膨張黒鉛などの無機系充填材と
木粉、ポリエステル、シリコーン、ポリスチレンアクリ
ロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)などのビ
ーズ状の有機系充填材が挙げられる。また、塩化ビニリ
デン−ポリアクリロニトリルセルにイソブタンガスがコ
ア内に封入された発泡性有機充填材((株)日本フェライ
ト製 エクスパンセル)なども挙げられる。この中で、
電気特性および熱伝導性の点から、シリカおよび水酸化
アルミニウムが好ましい。この市販品としては、CRT
−AA、CRT−D、RD−8((株)龍森製 商品
名)、COX−31((株)マイクロ製商品名)、C−3
03H、C−315H、C−308(住友化学工業(株)
製商品名)、SL−700(竹原化学工業(株)製商品
名)などが挙げられる。
【0021】これら無機系及び有機系充填材の配合量
は、シクロオレフィン系化合物に対して、0〜95重量
%とすることが好ましく、10〜95重量%とすること
がより好ましく、30〜95重量%とすることが特に好
ましく、30〜75重量%とすることがさらに好まし
い。この配合量が、95重量%を超えると、誘電率が
3.0を超えてしまう傾向があるため、電気的特性が低
下してしまう傾向がある。
【0022】これら無機系及び有機系充填材の粒径、形
状、品位などは、電気・電子部品の用途により、適宜決
めることができるが、平均粒径は0.1〜100μmの
ものが好ましく、1〜50μmのものが特に好ましい。
また、これらの平均粒径の異なるものを組み合わせるこ
とにより、細密充填性および流動性を向上することがで
きる。さらに、これら無機系及び有機系充填材の形状
は、球状であることが好ましい。
【0023】また、ミルドガラス、カットファイバー、
マイクロファイバー、マイクロバルーン、鱗片状ガラス
粉、炭素繊維、アラミド繊維などの無機・有機繊維状充
填材も挙げられ、これらを併用することもできる。ま
た、目的に応じ、適宜、アスペクト比や形状を選ぶこと
ができる。これら繊維状充填材の配合量は、シクロオレ
フィン系化合物100重量部に対し、0〜20重量部と
することが好ましく、0〜10重量部とすることがより
好ましい。
【0024】さらに、本発明の電気・電子部品に用いら
れるシクロオレフィン系化合物には、物性、外観、処理
性を考慮し、必要に応じて、改質剤、重合速度調節剤、
発泡剤、消泡剤、着色剤、安定化剤、接着性付与剤、難
燃剤、カップリング剤および有機過酸化物などを任意に
添加することができる。
【0025】本発明で用いられる改質剤としては、例え
ばエラストマー、天然ゴム、ブタジエン系ゴムおよびス
チレンーブタジエン共重合体(SBR)、スチレンーブ
タジエンースチレンブロック共重合体(SBS)、スチ
レン−マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重
合体などの共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリ酢
酸ビニル、ポリスチレンなどの熱可塑性樹脂などが挙げ
られる。また、これらの共重合体および熱可塑性樹脂は
エステル化されていてもよく、極性基がグラフトされて
いてもよい。また、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリ
エステル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリ
イミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂お
よびこれらの誘導体を配合し、物性を改良することもで
きる。
【0026】さらに、例えば、エポキシとノルボルネン
モノカルボキシリックアシッドを反応させて得られる化
合物、イソシアネート化合物とノルボルネン−オールを
反応させて得られる化合物、ハイミック酸変性ポリエス
テル、石油樹脂なども挙げられる。石油樹脂には、エチ
レンプラントから精製される公知のC5またはC9留分
を原料に製造されるものが挙げられ、例えば、クイント
ン(日本ゼオン(株)製商品名)や熱可塑性ポリノルボル
ネン樹脂ノルソレックス(日本ゼオン(株)製商品名)な
どが挙げられる。これら石油樹脂は、数平均分子量(ゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定
し、標準ポリスチレン検量線を用いて換算した値)が、
1000以上であることが好ましく、また、樹脂骨格中
に水酸基やエステル基などの官能基を有しているもので
あることがより好ましい。
【0027】これら改質剤の配合量は、目的とする樹脂
の物性にもよるが、一般に、シクロオレフィン系化合物
100重量部に対し、0.2〜50重量部の範囲で用い
ることが好ましく、0.5〜40重量部の範囲で用いる
ことがより好ましい。この配合量が、0.2重量部未満
では、改質剤の効果が発現し難くい傾向があり、50重
量部以上では、重合性が低下してしまう傾向がある。
【0028】本発明で用いられる重合速度調節剤として
は、トリイソプロピルフォスフィン、トリフェニルフォ
スフィン、トリシクロヘキシルフォスフィンなどのリン
酸塩、1−ヘキセンやアリル化合物などが挙げられ、こ
れらはシクロオレフィン系化合物100重量部に対し、
0.005〜20重量部用いることが好ましい。これら
重合速度調節剤は、成形のための可使時間を制御する目
的で使用するものであり、可使時間が短くてもよい時に
はその使用量を少なくし、長くしたいときは多くするな
ど、適宜、配合量を調整することができる。
【0029】消泡剤としては、例えば、シリコン系オイ
ル、フッ素オイル、ポリカルボン酸系ポリマーなど公知
の消泡剤が挙げられ、通常、シクロオレフィン系化合物
100重量部に対し、0.001〜5重量部添加するこ
とが好ましい。
【0030】発泡剤としては、例えば、ペンタン、プロ
パン、ヘキサンなどの低沸点炭化水素系化合物、炭酸ガ
ス、水蒸気などの一般公知の物理発泡剤、アゾビスイソ
ブチロニトリルやN′,N−ジニトロソペンタメチレン
テトラミンなどのアゾ系化合物やニトロソ化合物などの
分解により窒素ガスを発生する化合物など一般公知の化
学発泡剤等が挙げられる。
【0031】着色剤としては、二酸化チタン、コバルト
ブルー、カドミウムエローなどの無機顔料、カーボンブ
ラック、アニリンブラック、β−ナフトール、フタロシ
アニン、キナクリドン、アゾ系、キノフタロン、インダ
ンスレンブルーなどの有機系顔料が挙げられ、所望する
色調に応じてそれぞれを配合することができる。これら
は、2種以上組み合わせて使用しても良い。これら顔料
の添加量は、シクロオレフィン系化合物100重量部に
対し、0.1〜50重量部添加することが好ましい。
【0032】本発明に用いられる安定化剤としては、紫
外線吸収剤、光安定化剤および酸化防止剤が挙げられ
る。紫外線吸収剤としては、例えばフェニルサリシレー
ト、パラ−t−ブチルフェニルサリシレートなどのサリ
チル酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフ
ェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′ジメトキシベン
ゾフェノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−
(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ
−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール2−(2′
−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−アミルフェニル)
ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系紫外線
吸収剤、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3′−
ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,
3′−ジフェニルアクリレートなどのシアノアクリレー
ト系紫外線吸収剤が挙げられる。これらは単独または2
種類以上併用しても良い。これら紫外線吸収剤の添加量
は、電気・電子部品の使用環境、ハウジングの有無、要
求特性により適宜決められるが、通常、シクロオレフィ
ン系化合物100重量部に対し、0.05〜20重量部
とされる。
【0033】また、光安定化剤としては、ビス(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケー
ト、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピ
ペリジニル)セバケート、コハク酸ジメチル・1−(2
−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン重縮合物などのヒンダード
アミン系光安定剤が挙げられる。この光安定剤は、通
常、シクロオレフィン系化合物100重量部に対し、
0.05〜20重量部添加できる。
【0034】さらに、本発明に用いられる酸化防止剤と
しては、パラベンゾキノン、トルキノン、ナフトキノン
などのキノン類、ハイドロキノン、パラ−t−ブチルカ
テコール、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノンなど
のハイドロキノン類、ジ−t−ブチル・パラクレゾール
ハイドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロールなど
のフェノール類、ナフテン酸銅やオクテン酸銅などの銅
塩、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、トリ
メチルベンジルアンモニウムマレエート、フェニルトリ
メチルアンモニウムクロライドなどの第4級アンモニウ
ム塩類、キノンジオキシムやメチルエチルケトオキシム
などのオキシム類、トリエチルアミン塩酸塩やジブチル
アミン塩酸塩などのアミン塩酸塩類、鉱油、精油、脂肪
油などの油類などが挙げられる。これら酸化防止剤は、
充填材との相性や目的とする成形作業性および樹脂保存
安定性などの条件により種類、量を変えて添加すること
ができ、通常、その添加量は、シクロオレフィン系化合
物100重量部に対し、10〜10,000ppmであ
る。
【0035】本発明で用いられる接着性付与剤として
は、シラン系カップリング剤が挙げられる。シランカッ
プリング剤としては、通常、(Y)a−Si−(X)4-a(式
中、Yは、Siに結合する1価の官能基を示し、Xは、
加水分解性を有し、Siに結合する1価の基を示し、a
は、1〜4の整数である)で表されるものが挙げれら
る。上記Y中の官能基としては、例えば、ビニル基、ア
ミノ基、エポキシ基、クロロ基、メルカプト基、メタク
リルオキシ基、シアノ基、カルバメート基、ピリジン
基、スルホニルアジド基、尿素、スチリル基、クロロメ
チル基、アンモニウム塩、アルコール等の基がある。X
としては、例えば、塩素、メトキシ基、エトキシ基、メ
トキシエトキシ基等がある。
【0036】具体例としては、例えば、ビニルトリメト
キシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シ
ラン、γ−(2−アミノエチル)−アミノプロピルトリ
メトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン、N,N−ジメチルアミノフェニルトリエトキシシラ
ン、メルカプトエチルトリエトキシシラン、メタクリル
オキシエチルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピ
ル)アンモニウムクロライド、3−(N−スチリルメチ
ル−2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシ
ラン塩酸塩等が挙げられ、これらを混合して使用するこ
とも可能である。シラン系カップリング剤は、シクロオ
レフィン系化合物100重量部に対し、通常、0.00
1〜5重量部添加する。
【0037】難燃剤としては、例えば、ヘキサブロムベ
ンゼン、テトラブロムビスフェノールA、デカブロムジ
フェニルオキサイド、トリブロムフェノール、ジブロモ
フェニルグリシジルエーテル、パークロロペンタシクロ
デカン、ヘット酸誘導体等のハロゲン系化合物が単独ま
たは2種以上併用される。また、リン酸トリス(ジクロ
ロプロピル)、リン酸トリス(ジブロモプロピル)など
のリン酸化合物、ホウ酸化合物なども併用できる。さら
に、助難燃剤としては、三酸化アンチモン、酸化鉄、水
素化アルミなどが挙げられ、これらを難燃剤と併用する
とより難燃効果を高めることができる。ハロゲン系難燃
剤は、シクロオレフィン系化合物100重量部に対し、
通常、1〜50重量部で使用する。三酸化アンチモン等
の助難燃剤は、シクロオレフィン系化合物100重量部
に対し、通常、1〜15重量部の範囲で用いられる。ま
た、プラスチック用充填材として市販の水酸化アルミニ
ウムや水酸化マグネシウムなどの水和物も難燃を目的と
した充填材として用いることができる。これらの添加量
は、シクロオレフィン系化合物100重量部に対し、1
0〜300重量部の範囲で用いることが好ましい。
【0038】これらのほかにも、充填材の濡れ性を改良
するため、例えば、ビックケミー社製BYKシリーズな
どの市販の湿潤剤や分散剤に代表されるカップリング剤
を添加することができる。また、作業性を改良するため
には、シリコン系オイルやステアリン酸亜鉛などの離型
剤、ポリマ中の塩素イオンやナトリウムイオンなどの遊
離イオンを捕捉する無機イオン交換体(イオン捕捉剤)
なども必要に応じて硬化を阻害しない程度に添加するこ
とができる。
【0039】さらに有機過酸化物も添加することができ
る。有機過酸化物としては、例えば、クメンハイドロパ
ーオキサイド、ターシャリブチルパーオキシ−2−エチ
ルヘキサネート、メチルエチルケトンパーオキサイド、
ベンゾイルパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキ
サイド、ビス−4−ターシャリブチルシクロヘキサンジ
カーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ター
シャリブチルパーオキシ)ヘキシン−3など公知のもの
が挙げられ、これらは2種以上併用してもよい。これら
の添加量は、シクロオレフィン系化合物100重量部に
対して、通常、0.1〜10重量部とされる。
【0040】本発明に用いられるシクロオレフィン系化
合物には、溶剤を含まない。この溶剤とは、ベンゼン、
トルエン、キシレン、酢酸エチル、メチルエチルケトン
など一般公知の非反応性希釈溶剤のことである。但し、
上記添加剤の中で、市販品に含まれる溶剤は、これを無
視するものとする。しかし、この場合でも溶剤は、シク
ロオレフィン系化合物に対し、2重量部未満であること
が、硬化時の膨れを防止する上で好ましい。
【0041】シクロオレフィン系化合物の粘度やポリマ
ーの機械的特性や電気的特性を調整するため、アクリル
系モノマー、メタクリル系モノマー、ビニル系モノマ
ー、ジアリルフタレートなどの低粘度の反応性希釈剤を
用いてもよく、これらは1種あるいは2種以上を併用し
てもよい。
【0042】本発明において用いるメタセシス重合触媒
は、WCl6、MoCl5、RuCl3などの金属触媒単
独の場合や、特開昭59−51911号公報に示されて
いるような前記触媒成分とアルキルアルミニウムなどの
活性化剤とを組み合わせた2液系のメタセシス触媒系が
挙げられる。また、Shrock型、Fischer型の金属カルベ
ン触媒や金属カルビン触媒、メタラシクロブタン系触媒
なども用いることができる。
【0043】一方、一般式(1)
【化1】 (式中、Mは、ルテニウムまたはオスミウムを示し、X
およびX1はそれぞれ独立にアニオン配位子を示し、L
およびL1はそれぞれ独立に中性の電子供与基を示し、
Q及びQ1は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、
アルケニル基または芳香族基を示す)に示すような1成
分系のメタセシス重合触媒も、空気中の酸素や水分によ
って容易にその触媒活性を失わずに、メタセシス重合性
シクロオレフィン系化合物を複分解(メタセシス)反応
で開環重合させることができるため好適に用いることが
できる。
【0044】上記一般式(1)中、XおよびX1で示さ
れるアニオン配位子は、中心金属への配位を外したとき
に陰性電荷をもつ基のことである。このような基として
は、例えば、水素原子、ハロゲン原子、CF3CO3、C
3CO2、CFH2CO2、(CH3)3CO、(CF3)2(C
3)CO、(CF3)(CH3)2CO、炭素数1〜5のアル
キル基、端素数1〜5のアルコキシ基、フェニル基、フ
ェノキシ基、トシル基、メシル基、トルフルオロメタン
スルホネート基等が挙げられ、特に好ましいものとして
は、XおよびX1共にハロゲン原子(特に、塩素)であ
る。
【0045】上記一般式(1)中、LおよびL1で示さ
れる中性の電子供与基は、中心金属への配位を外したと
きに中性電荷をもつ基のことである。このような基とし
ては、例えば、PR234(ここで、R2は2級のアル
キル基またはシクロアルキル基を示し、R3およびR4
それぞれ独立に、アリール基、炭素数1〜10の1級ア
ルキル基もしくは2級アルキル基、シクロアルキル基を
示す)で表されるホスフィン系電子供与基や、ピリジ
ン、p−フルオロピリジン、イミダゾリリデン化合物等
が挙げられ、好ましいものとしては、LおよびL1両方
共に、−P(C611)3、−P(C59)3、または−P(is
o-C37)3であるが、LおよびL1は、互いに異なる電
子供与基であってもよい。
【0046】上記一般式(1)中、Q及びQ1はで示さ
れるアルキル基としては、炭素数1〜20のアルキル基
等が挙げられ、アルケニル基としては、炭素数2〜20
のアルケニル基等が挙げられ、芳香族基としては、アリ
ール基等が挙げられ、前記アルキル基、アルケニル基ま
たは芳香族基は、それぞれ置換基を有していてもよい。
【0047】さらに好ましい触媒の具体的なものとして
は、下記式(2)(参考文献:Organometallics、第16
巻、18号、3867ページ(1997年))、下記式(3)(参考
文献:Angew.Chem.Int.Ed.,37,2490(1998年))、下記式
(4)等に示すようなカルベン触媒などが挙げられる。
【0048】
【化2】
【0049】
【化3】
【0050】
【化4】
【0051】このメタセシス重合触媒の添加量として
は、シクロオレフィン系化合物に対し、0.001〜2
0重量%の範囲とすることが好ましく、経済性および硬
化速度の理由から、0.01〜5重量%の範囲とするこ
とがより好ましい。
【0052】シクロオレフィン系化合物の重合体の機械
的特性は、シクロオレフィン系化合物の種類、組み合わ
せおよびその配合量、改質剤の添加により任意に制御で
きるが、種々の異なる材質から成る電気・電子部品の耐
久性を向上する目的で使用する場合、その機械的特性
は、23℃の曲げ弾性率で、0.01MPa〜10GPaの範
囲とすることが好ましく、0.1MPa〜3GPaの範囲とす
ることがより好ましく、1MPa〜2GPaの範囲とすること
が特に好ましい。この曲げ弾性率が、0.01MPa未満
では、保護するための強度が発現しない傾向がある。ま
た、2GPaを超えると、異種材料との界面で剥離などが
起こり易くなる傾向がある。接着性を考慮する目的の場
合では、1GPa未満の低弾性であることが好ましい。
【0053】弾性率を小さくすることは、例えば、シク
ロオレフィン系化合物において、多環体に単環体を併用
することで可能となる。接着性を考慮した場合の配合と
しては、シクロオレフィン化合物において多環体と単環
体の配合総モル数に対して、単環体を40モル%〜99
モル%未満の範囲で配合することが好ましい。単環体が
40モル%未満では、弾性率が1GPa以上になってしま
う傾向があり、99モル%以上使用すると、重合体の架
橋密度が低くなる傾向があるため、強度が発現しない傾
向がある。
【0054】本発明では、一般に、室温で液状であるシ
クロオレフィン系化合物にメタセシス重合触媒を所定量
添加し、メタセシス重合反応により重合体(硬化物、成
形体)を得る。この場合、具体的な処理方法としては、
例えば、大気圧での注入成形、真空注入成形法、加圧注
入成形法、含浸成形法、RTM成形法、ディッピング、
ハンドレイアップやスプレイアップなどの積層成形法、
プレス成形法、フィラメントワインディング法、遠心成
形法、真空または加圧バック法、連続成形法、引抜き成
形法、射出成形法、トランスファー成形など一般公知の
熱硬化性または熱可塑性樹脂の成形方法が挙げられる。
また、上記処理方法により、フィルム、多孔質フィル
ム、シール部材、パッキンなどを予め成形しておき、そ
の部材を電気・電子部品に使用することも処理方法の中
に挙げられる。さらには接着剤として使用することも含
まれる。
【0055】上記の処理は室温で放置しておくことも可
能だが、一般に加熱が行われる。シクロオレフィン系化
合物にメタセシス重合触媒を添加する際の温度は、通
常、0〜80℃であり、好ましくは室温〜50℃であ
る。硬化物を得るための加熱の操作は、1段階加熱でも
2段階加熱あるいは多段加熱でもよい。1段階加熱とす
る場合は、その温度は、通常、0〜250℃であり、好
ましくは20〜200℃であり、2段階加熱とする場合
は、1段階目の温度は、通常、0〜150℃であり、好
ましくは10〜100℃であり、2段階目の温度は、通
常、20〜200℃であり、好ましくは30〜180℃
である。また、重合時間は触媒の量および重合温度によ
り適宜決めることができるが、通常、1分〜50時間で
ある。
【0056】本発明の電気・電子部品の成形方法として
は、例えば、大気圧での注入成形法、真空注入成形法、
加圧注入成形法、含浸成形法、RTM成形法、ディッピ
ング、ハンドレイアップやスプレイアップなどの積層成
形法、プレス成形法、フィラメントワインディング法、
遠心成形法、真空または加圧バック法、連続成形法、引
抜き成形法、射出成形法、トランスファー成形などが挙
げられる。なお、本発明における前記式(2)〜(4)
に示すメタセシス重合触媒を用いる場合においては、こ
れらの成形で不活性雰囲気にする必要はない。
【0057】本発明の電気・電子部品に用いられるケー
ス材は、SUS、銅、鉄、アルミ、セラミックスなどの
無機材料および熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、生分解性
樹脂、天然樹脂などの有機材料の中から、目的、用途に
よって、適宜選択されるものであり、特に制限はない。
また、部品の形状や寸法も、目的により任意に設計され
るものである。
【0058】本発明の電気・電子部品としては、例え
ば、イグニッションコイル、フライバックトランス、放
電灯点灯用などの高圧トランス、回転機または回転電機
類、発電機、電機モーター、電磁式クラッチなどの電気
コイル部品、絶縁ブッシング、圧力・回転・流量・日射
・温度・距離・加速度・角速度・磁気などを感知するセ
ンサー類、イグナイターやECUなどに代表される樹脂
製およびセラミックなどの回路基板と半導体素子関連部
品からなる電子部品などが挙げられる。これらの部品は
産業用、民生用、車両用、軍需用などいかなる用途でも
使用することが可能である。
【0059】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。な
お、実施例中、「部」とは特に限定しない限り「重量
部」を意味し、「%」とは特に限定しない限り「重量
%」を意味する。
【0060】実施例において作製した本発明の電気・電
子部品の模式図を、図1〜図4に示した。なお、図1〜
図4において、Aはケース、B1及びB2は部品、Cは
第1樹脂層、D、E、F及びGは第2層を示す。また、
図1中、部品B1を使用したものを(タイプ1)とし、
部品B2を使用したものを(タイプ2)とした。
【0061】以下に、実施例において作製した本発明の
電気・電子部品の各材料を示す。 (1)モデル電気部品 A:ケース[ポリブチレンテレフタレート] B1:部品[一次ボビン(ポリフェニレンエーテル/ポ
リエチレンブレンド)、一次コイル(銅線φ0.4m
m)、二次ボビン(ポリフェニレンエーテル/ポリエチ
レンブレンド)、二次コイル(銅線φ0.04mm)、端
子(アルミ)、金属コア(鉄)で構成された部品](タ
イプ1) B2:部品[5mmの酸化膜を有するシリコンチップにア
ルミ配線を施したテスト素子を使用し、部分銀メッキを
施した42アロイのリードフレームにエポキシ系銀ペー
ストで接続し、サーモソニック型ワイヤボンダにより2
00℃で素子のボンディングパッドとインナーリードを
10μmの金線にて接続したもの](タイプ2) C:ケース内に収容した部品を覆う第1樹脂層として用
いられるオレフィン系ポリマ D、E、F、G:ケースの開口部側を閉塞し外気を遮断
する第2層として用いられる材料
【0062】(2)第1樹脂層として用いられるオレフ
ィン系ポリマ(図1〜図4中のCで示される部分) ケース内に収容した部品を覆う第1樹脂層として用いら
れるオレフィン系ポリマの例を下記に示す。 <樹脂1:オレフィン系ポリマ>高純度ジシクロペンタ
ジエン(丸善石油化学(株)製、純度99%以上)50重
量部、シクロオクタジエン(HULS社製 純度98.
5%以上)50重量部、トリフェニルフォスフィン0.
1重量部および2,5ジ−ターシャリブチルフェノール
1重量部を配合し、この配合ワニスに式(2)で示され
るメタセシス重合触媒0.1重量部を注型直前に添加し
供試した。硬化条件は38℃×2時間+100℃×1時
間+125℃×1時間とした。
【0063】<樹脂2:充填材入りオレフィン系ポリマ
>樹脂1と同様の高純度ジシクロペンタジエン100重
量部、およびシランカップリング剤(日本ユニカー(株)
製FZ−3778)0.1重量部を約35℃に加温しな
がら混合した。次いで、平均粒径15μmの溶融シリカ
((株)龍森製ヒューズレックスRD−8)を所定量攪拌
混合しコンパウンドを得た。次いで、式(2)に示され
るメタセシス重合触媒を用いて、樹脂1と同様に硬化さ
せた。
【0064】<樹脂3:オレフィン系ポリマ>1リット
ルのセパラブルフラスコに、高純度ジシクロペンタジエ
ン500重量部および2,5−ジ−ターシャリブチルフ
ェノール0.5重量部を仕込み、窒素雰囲気下で約16
5〜170℃で8時間加熱還流し、加熱処理ワニスを得
た。このワニスにジエチルアルミニウムクロライドを4
0ミリモル濃度、n−プロピルアルコールを52ミリモ
ル濃度および四塩化ケイ素20ミリモル濃度それぞれを
窒素パージしたドライボックス内で添加しA液とした。
また、A液と同様に加熱処理ワニスに対し、トリデシル
アンモニウムモリブデネートを10ミリモル濃度添加し
B液を作製した。このA液およびB液を50重量部づつ
混合し、速やかに平均粒径15μmの溶融シリカ((株)
龍森製ヒューズレックスRD−8)100重量部を混合
攪拌し、窒素雰囲気下で等量づつ混合して供試した。硬
化条件は50℃×0.5h+125℃×3hとした。
【0065】<樹脂4:エポキシ樹脂>ビスフェノール
A型エポキシ樹脂100重量部(東都化成(株)製YD−
128)に、シランカップリング剤0.1重量部(東芝
シリコーン製、TSA−720)を混合してA液とし
た。一方、硬化剤として、メチルテトラヒドロ無水フタ
ル酸(日立化成工業(株)製HN−2200)87重量部
に、2−エチル−4−メチルイミダゾールを2部配合し
B液とした。このA液50重量部およびB液を45重量
部を混合し、さらに平均粒径15μmの溶融シリカ10
0重量部((株)龍森製ヒューズレックスRD−8)を混
合し十分に攪拌して供試した。硬化条件は100℃×1
h、125℃×2hおよび140℃×3hとした。
【0066】(3)第2層として用いられる材料 ケースの開口部側を閉塞し外気を遮断する第2層として
用いられる材料の例を下記に示す。 <樹脂4:エポキシ樹脂>(図1中のDで示される部
分) ビスフェノールA型エポキシ樹脂100重量部(東都化
成(株)製YD−128)にシランカップリング剤0.1
重量部(東芝シリコーン製、TSA−720)を混合し
てA液とした。一方、硬化剤として、メチルテトラヒド
ロ無水フタル酸(日立化成工業(株)製HN−2200)
87重量部に、2−エチル−4−メチルイミダゾールを
2部配合しB液とした。このA液50重量部およびB液
を45重量部を混合し、さらに平均粒径15μmの溶融
シリカ100重量部((株)龍森製ヒューズレックスRD
−8)を混合し十分に攪拌して供試した。この組成物
を、第1樹脂層として用いられるオレフィン系ポリマ注
入硬化処理後に、その上面に注入し、100℃×1h、
125℃×2hおよび140℃×3hの条件で硬化し
た。
【0067】<樹脂5:ウレタン樹脂>(図1中のDで
示される部分) 市販の注型用ウレタン樹脂(日立化成工業(株)製KU−
707)100重量部に、シランカップリング剤(日本
ユニカー製AZ−6171)を0.1重量部混合攪拌
し、加熱により付着水分を除去した平均粒径15μmの
溶融シリカ((株)龍森製ヒューズレックスRD−8)1
00重量部を混合攪拌した。この組成物を、第1樹脂層
として用いられるオレフィン系ポリマ注入硬化処理後
に、その上面に注入し、50℃×3h+100℃×2h
の条件で硬化した。
【0068】<樹脂6:ポリエチレン>(図2中のEで
示される部分) 第1樹脂層として用いられるオレフィン系ポリマを封止
硬化処理後に、その封止面が万遍なく被覆されるよう
に、ポリエチレンを散布し、140℃×1h加熱後室温
に戻した。
【0069】<樹脂7:アクリル溶剤型塗料>(図2中
のEで示される部分) メタクリル酸アルキルエステル共重合体100重量部
に、トルエン100重量部、キシレン70重量部、メチ
ルエチルケトン30重量部を混合したアクリル溶剤型塗
料(日立化成工業(株)製TF−1141)を、第1樹脂
層として用いられるオレフィン系ポリマ封止硬化処理後
に、その上面に塗布し、60℃×2hの条件で硬化し
た。
【0070】<フィルム1:ポリ塩化ビニリデン>(図
3中のFで示される部分) 第1樹脂層として用いられるオレフィン系ポリマ封止後
硬化前に、ポリ塩化ビニリデンのフィルムを、第1樹脂
層の封止面が万遍なく被覆されるように貼り、38℃×
2時間+100℃×1時間+125℃×1時間の条件で
硬化した。
【0071】<蓋1:無機材料>(図4中のGで示され
る部分) 第1樹脂層として用いられるオレフィン系ポリマ封止硬
化処理後に、モデル電気部品の開口部ケース材の形状
に、隙間なく合わせた形に加工したアルミ製の蓋を被せ
た。
【0072】実施例1〜9及び比較例1〜4 表1及び表2に示す各材料を用いて、第1樹脂層として
用いられるオレフィン系ポリマを封止硬化し、第2層と
して用いられる材料を処理して、モデル電気部品をそれ
ぞれ作製した。その後、ヒートサイクル試験(−55℃
×1h⇔150℃×1h:100サイクル)を行い、モ
デル電気部品を解体し、モデル電気部品と樹脂の界面で
の剥離、樹脂クラックが発生していないかを目視にて観
察した。結果を表1及び表2に併せて示した。
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】実施例1〜9は、ケース内に収容した部品
を覆うオレフィン系ポリマからなる第1樹脂層と、この
第1樹脂層の上に形成されてケースの開口部側を閉塞し
外気を遮断する第2層とから構成されている電気・電子
部品であるが、いずれの電気部品も試験後、剥離、クラ
ックの発生が無く優れていることがわかる。また、比較
例1〜3は、ケースの開口部側を閉塞し外気を遮断する
第2層の無い電気部品であるが、いずれも試験後に開口
部のケースと処理材料界面で剥離が発生している。更
に、比較例4では、第1樹脂層の材料として、エポキシ
樹脂を注入処理したものだが、試験後に樹脂クラックが
発生している。これらの結果は、本発明の電気・電子部
品が優れた信頼性を有していることを示している。
【0076】
【発明の効果】請求項1〜7記載の電気・電子部品は、
酸素介在下での熱劣化及び酸化劣化を抑制し、高密度
化、高集積化に対応する長寿命、高耐久性のものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例において作製した本発明の電気・電子部
品の模式図である。
【図2】実施例において作製した本発明の電気・電子部
品の模式図である。
【図3】実施例において作製した本発明の電気・電子部
品の模式図である。
【図4】実施例において作製した本発明の電気・電子部
品の模式図である。
【符号の説明】
A:ケース B1、B2:部品 C:第1樹脂層 D、E、F、G:第2層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉下 拓也 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎事業所内 (72)発明者 安 克彦 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎事業所内 Fターム(参考) 4F206 AA12L AA39L AH37 JA01 JB17 JB21 JN12 4M109 AA02 CA02 CA05 CA21 EA02 EA10 EA11 EA12 EB06 EB07 EB08 EB09 EB11 EB12 EB14 EB16 EB18 EB19 EC01 EC03 EC09 GA02 GA10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁樹脂を封止した電気・電子部品にお
    いて、ケース内に収容した部品を覆うオレフィン系ポリ
    マからなる第1樹脂層と、この第1樹脂層の上に形成さ
    れてケースの開口部側を閉塞し外気を遮断する第2層と
    から構成されてなる電気・電子部品。
  2. 【請求項2】 ケースの開口部側を閉塞し外気を遮断す
    る第2層の酸素透過度が、1000×1011(cm・cm3/m
    2・24h・atm)以下である請求項1記載の電気・電子部
    品。
  3. 【請求項3】 ケース内に収容した部品を覆う第1樹脂
    層のオレフィン系ポリマの曲げ弾性率が、23℃におい
    て500MPa以下である請求項1又は2記載の電気・電
    子部品。
  4. 【請求項4】 ケース内に収容した部品を覆う第1樹脂
    層のオレフィン系ポリマが、シクロオレフィン系化合物
    をメタセシス重合して得られるポリマである請求項1〜
    3記載の電気・電子部品。
  5. 【請求項5】 ケース内に収容した部品を覆う第1樹脂
    層のオレフィン系ポリマが、充填剤を含む請求項1〜4
    記載の電気・電子部品。
  6. 【請求項6】 絶縁樹脂を封止した電気・電子部品が、
    磁性体コア、1次コイル、2次コイル及び外部接続端子
    からなる高圧トランスである請求項1〜5記載の電気・
    電子部品。
  7. 【請求項7】 絶縁樹脂を封止した電気・電子部品が、
    エンジン用点火コイルである請求項6記載の電気・電子
    部品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003017338A (ja) * 2001-06-29 2003-01-17 Hitachi Chem Co Ltd 電気・電子部品
JP2017224766A (ja) * 2016-06-16 2017-12-21 富士電機株式会社 高電圧高周波絶縁トランス

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