JP2000301061A - 電気・電子部品及びその製造法 - Google Patents

電気・電子部品及びその製造法

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JP2000301061A
JP2000301061A JP11111593A JP11159399A JP2000301061A JP 2000301061 A JP2000301061 A JP 2000301061A JP 11111593 A JP11111593 A JP 11111593A JP 11159399 A JP11159399 A JP 11159399A JP 2000301061 A JP2000301061 A JP 2000301061A
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carbon atoms
electric
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Tomoaki Aoki
知明 青木
Hitoshi Yamazaki
仁 山崎
Hiromasa Kawai
宏政 河合
Yoshiki Inoue
芳樹 井上
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】セラミック、エポキシ樹脂、フェノール樹脂な
どの支持基板に搭載されたIC、トランジスタ、ダイオ
ードなどの電気・電子部材を保護膜で保護した耐久性に
優れる電気・電子部品を提供する。 【解決手段】−40℃における弾性率が0. 1〜500
MPaのオレフィン系低弾性率樹脂塗膜で保護すること
により耐久性及び信頼性に優れる電気・電子部品を提供
することができる。さらに、オレフィン系低弾性率樹脂
塗膜を形成する時に、特定のメタセシス重合触媒を用い
ると、空気中の酸素や水分の影響を受け難いため、従来
溶剤型アクリル樹脂やシリコーン樹脂で用いられていた
ディッピングによる塗膜形成方法が使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はセラミック、エポキ
シ樹脂、フェノール樹脂などの支持基板に搭載されたI
C、トランジスタ、ダイオードなどの電気・電子部材を
オレフィン系樹脂塗膜で保護した電気・電子部品に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】電気・電子機器の小型化、薄型化に伴
い、使用される電気・電子部品の高密度化、高集積化が
進んできており、これら部品はより高い耐久性にするこ
とが求められている。セラミックやエポキシ樹脂製基板
やTABテーブなどの支持基板にシリコンチップ、I
C、ベアチップ、コンデンサー、トランジスタなどの部
材を搭載した電気・電子回路基板部品は、耐久性を高め
るためアクリル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂な
どの絶縁・防湿塗膜で部品表面が保護されている。一般
にこれら回路基板部品全体を樹脂塗膜で覆うための成形
方法としては、上記絶縁・防湿樹脂液の中に浸漬(ディ
ッピング)または上記絶縁・防湿樹脂液をポッティング
して、加熱または乾燥して塗膜を形成する。これら絶縁
・防湿樹脂としては溶剤型アクリル樹脂またはシリコー
ン樹脂が代表的なものとして使用されている。
【0003】しかし、溶剤希釈型のアクリル樹脂は誘電
率が高く絶縁性が低い。また、吸水率が高いため耐湿性
に劣る。さらにトルエン、キシレン、メチルエチルケト
ンなどの溶剤が用いられており、塗膜形成時にこれらの
溶剤を揮散させるため環境問題上好ましくない。さらに
シリコーン樹脂はプレポリマーの粘度が、一般に室温で
10ポアズ〜100ポアズと高いため流動性に乏しく、
高密度・微細電気・電子回路基板部品には含浸しにくい
という問題がある。この含浸不良による電気・電子部品
の信頼性低下を防ぐため、特開平5−287077公報
記載の発明ではプレポリマーの粘度を下げたシリコーン
樹脂が提案されているが、未だ実用化されていない。
【0004】一方、ノルボルネン系化合物をメタセシス
重合して得られるシクロオレフィン系樹脂は機械的特
性、電気的特性および耐水性などに優れることが知られ
ており、特公平5−41088公報ではノルボルネン系
化合物の反応射出成形により電気・電子部品を封止する
製造方法が提案されている。しかしこのメタセシス重合
触媒系は、特開昭59−51911号公報に示されるタ
ングステン及びモリブデンの有機アンモニウム塩から選
ばれた触媒成分とアルコキシアルキルアルミニウムハラ
イド及びアリールオキシアルミニウムハライドから選ば
れた活性化剤とを組み合わせたものと同様のものであ
り、酸素で失活しやすいため、成形は不活性雰囲気にし
なければならないという問題がある。
【0005】また特開平9−183833公報では、新
たなメタセシス重合触媒による電気・電子部品の封止に
好適なノルボルネン系化合物が提案されている。さら
に、特開平10−182922公報では、メタセシス重
合性シクロオレフィン系化合物(プレポリマー)は充填
材を添加しても粘度が低く、電気・電子部品の封止に好
適であることが示されている。しかし、これらは全てジ
シクロペンタジエンなどのノルボルネン系化合物と無機
充填材を組合せたプレポリマーの硬化物による封止が示
されているが、得られる硬化物はガラス転移温度が高い
反面、無機部材への接着性に乏しく、かつ弾性率も高い
ため、無機部材との界面で容易に剥離が発生してしまう
という問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の通り、アクリル
樹脂は吸水率および誘電率が高いため絶縁性が低く、本
樹脂により被覆された電気・電子部品の耐久性に問題が
ある。また、シリコーン樹脂はプレポリマーの粘度が高
いため、高密度・微細構造を隙間なく十分に被覆でき
ず、同様に電気・電子部品の信頼性に問題がある。さら
にメタセシス重合触媒を用いたシクロオレフィン系樹脂
は、従来アクリル樹脂やシリコーン樹脂で用いられてい
る空気雰囲気中でのディッピングによる塗膜成形を適用
できない。
【0007】
【課題を解決するための手段】耐久性および信頼性に優
れた電気・電子部品について鋭意検討した結果、−40
℃における弾性率が0. 1〜500MPaのオレフィン
系低弾性率樹脂塗膜で保護することにより目的を達成す
ることが分かった。さらに、オレフィン系低弾性率樹脂
塗膜を形成する時に、特定のメタセシス重合触媒を用い
ると、空気中の酸素や水分の影響を受け難いため、従来
溶剤型アクリル樹脂やシリコーン樹脂で用いられていた
ディッピングによる塗膜形成方法が使用できることを見
出し本発明を完成した。
【0008】すなわち本発明は、−40℃における弾性
率が0.1〜500MPaのオレフィン系低弾性率樹脂
の塗膜による表面保護膜を備えた電気・電子部品であ
る。オレフィン系低弾性率樹脂はシクロオレフィン系化
合物を重合したものであることが好ましい。オレフィン
系低弾性率樹脂には揺変材を含むことができる。オレフ
ィン系低弾性率樹脂の重合前の重合性液状物(以下プレ
ポリマーという)は充填材、改質剤、重合速度調節剤、
発泡剤、消泡剤、着色剤、安定化剤、接着性付与剤、難
燃剤、カップリング剤および有機過酸化物から選ばれる
少なくとも1種を含むことができ、プレポリマーが溶剤
を含まないこと、プレポリマーが1種または2種以上の
メタセシス重合性シクロオレフィン系化合物からなるこ
と、プレポリマーが分子量300未満のメタセシス重合
性シクロオレフィン系化合物から選ばれる2種以上の組
合せであること、プレポリマーがメタセシス重合触媒に
より重合されることが好ましい。
【0009】メタセシス重合触媒は、次の一般式(1)
(2)(3)で表される触媒が好ましい。
【0010】
【化5】 (Mはルテニウム又はオスミウムを示し、X及びX1
それぞれ独立にアニオン性配位子を示し、L及びL1
それぞれ独立に中性の電子供与基を示し、Q及びQ1
それぞれ独立に水素、アルキル基、アルケニル基又は芳
香族基を示し、アルキル基、アルケニル基又は芳香族基
は置換基を有していてもよい。)
【0011】
【化6】 (Mはルテニウム又はオスミウムを示し、X及びX1
それぞれ独立にアニオン性配位子を示し、L及びL1
それぞれ独立に中性の電子供与基を示し、Q及びQ1
それぞれ独立に水素、アルキル基、アルケニル基又は芳
香族基を示し、アルキル基、アルケニル基又は芳香族基
は置換基を有していてもよい。)
【0012】
【化7】 (Mはルテニウム又はオスミウムを示し、X及びX1
それぞれ独立にアニオン性配位子を示し、L及びL1
それぞれ独立に中性の電子供与基を示し、R1 及びR2
はそれぞれ独立に炭素数1〜18のアルキル基、炭素数
2〜18のアルケニル基、炭素数2〜18のアルキニル
基、アリール基、炭素数1〜18のカルボキシレート
基、炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素数2〜18の
アルケニルオキシ基、炭素数2〜18のアルキニルオキ
シ基、炭素数2〜18のアリルオキシ基、炭素数2〜1
8のアルコキシカルボニル、炭素数1〜18のアルキル
チオ基、炭素数1〜18のアルキルスルホニル基又は炭
素数1〜18のアルキルスルフィニル基を示し、R3
水素、アリール基又は炭素数1〜18のアルキル基を示
す。) 上記メタセシス重合触媒における電子供与基LおよびL
1の少なくとも一方は次の一般式(4)で表される化合
物であるが好ましい。
【0013】
【化8】 (R1 とR2 はそれぞれ独立に炭素数1〜20のアルキ
ル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20
のアルキニル基、シクロアルキルおよびアリール基を示
す。R1 とR2 は1つもしくはそれ以上の置換基を有し
ていても良く、この置換基としては炭素数1〜10のア
ルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基およびアリー
ル基である。さらにこれらの置換基も、ハロゲン、炭素
数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基お
よびフェニル基で置換できる。) 本発明の電気・電子部品には実質的に酸素の存在下で塗
膜を成形することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の電気・電子部品は−40
℃における弾性率が0.1〜500MPaのオレフィン
系低弾性率樹脂の塗膜が絶縁・防湿の表面保護膜として
用いられる。塗膜の弾性率は0.1〜500MPaであ
るが、好ましくは0.1〜300MPa、さらに好まし
くは0.1〜100MPaである。0.1MPa未満で
は塗膜の硬さが不足してしまうため部品を保護できな
い。また500MPaを超えると剥離やクラックが発生
しやすくなる。
【0015】この塗膜の膜厚保は通常0.1μm〜50
00μmの範囲とされる。好ましくは0.5〜1000
μm、特に好ましくは1〜500μmである。0.1μ
m未満では絶縁・防湿塗膜としての機能が十分に発現し
なくなってしまう。また、5000μm以上では経済的
に好ましくない。但し、製造工程中の成形不良により部
分的に樹脂溜りなどが発生し5000μm以上になって
しまう場合もあるが、これは問題ない。
【0016】本発明の電気・電子部品に用いられるオレ
フィン系低弾性率樹脂には揺変材を添加できる。揺変材
とは一般公知のものである。例えば、シリカヒューム
(日本アエロジル(株)製商品名:#200、R97
2、RX200など)、ベントナイトなどが挙げられ
る。また、シリカバルーン(デュポン社製商品名Bao
masil)も用いることができる。さらに、例えば楠
本化成(株)製ディスパロンやBYK社から提供される
有機揺変剤も用いることができる。添加量はプレポリマ
ーに対し0.01〜20重量部とされる。0.01重量
部よりも少ないと揺変剤としての効果が十分に発現しな
い場合があり、また20重量部を越えると流動性に乏し
くなる場合がある。
【0017】本発明の電気・電子部品に用いられる絶縁
・防湿塗膜用樹脂には、物性、外観、成形性を考慮し、
必要に応じて充填材、改質剤、重合速度調節剤、発泡
剤、消泡剤、着色剤、安定化剤、接着性付与剤、難燃
剤、カップリング剤および有機過酸化物などを任意に添
加することができる。
【0018】本発明で、プレポリマーに用いられる充填
材とは、例えば溶融シリカ、結晶シリカ、珪砂、炭酸カ
ルシウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、ク
レーなどの無機系充填材と木粉、ポリエステル、シリコ
ーン、ポリスチレンアクリロニトリル−ブタジエン- ス
チレン(ABS)などのビーズ状の有機系充填材が挙げ
られる。この中で、電気特性および熱伝導性の点からシ
リカおよび水酸化アルミニウムが好ましい。この市販品
としてはCRT−AA、CRT−D、RD−8((株)
龍森製商品名)、COX−31((株)マイクロ製商品
名)、C−303H、C−315H、C−308(住友
化学工業(株)製商品名)、SL−700(竹原化学工
業(株)製商品名)などが挙げられる。これら無機充填
材の配合量は樹脂成分中0〜95重量%、好ましくは1
0〜95重量%、さらに好ましくは30〜95重量%で
ある。配合量が95重量%を超えると樹脂の誘電率が
3.0を越えてしまうため、電気的特性が低下してしま
う。さらに好ましくは30〜75重量%とされる。粒
径、形状、品位などは電気・電子部品の用途により、適
宜決めることができるが、平均粒径は0.1〜100μ
mの間のものが好ましく、特に好ましくは1〜50μm
のものである。これらの平均粒径の異なるものを組み合
た方が細密充填性および流動性を向上できる。さらに、
無機充填材の形状は球状であることが好ましい。
【0019】また、ミルドガラス、カットファイバー、
マイクロファイバー、マイクロバルーン、鱗片状ガラス
粉、炭素繊維、アラミド繊維などの無機・有機繊維状充
填材も挙げられ、これらを併用することもできる。目的
に応じ、適宜、アスペクト比や形状を選ぶ。これら繊維
状充填材の配合量はオレフィン系低弾性率樹脂100重
量部に対し0〜20重量部であり、好ましくは0〜10
重量部である。
【0020】本発明のプレポリマーに用いられる改質剤
としては、例えばエラストマー、天然ゴム、ブタジエン
系ゴムおよびスチレンーブタジエン共重合体(SB
R)、スチレンーブタジエンースチレンブロック共重合
体(SBS)、スチレン−マレイン酸共重合体、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体などの共重合体、ポリメタクリ
ル酸メチル、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレンなどの熱可
塑性樹脂などが挙げられる。また、これらの共重合体お
よび熱可塑性樹脂はエステル化されていても良く、極性
基がグラフトされていてもよい。また、オレイン酸、リ
ノール酸などの高級脂肪酸、炭素数5以上の高級アルコ
ール、高級ジオールなども挙げることができる。さらに
エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、シリ
コーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリア
ミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂およびこれらの誘導体
を配合し物性を改良することもできる。さらに、例えば
エポキシとノルボルネンモノカルボキシリックアシッド
を反応させて得られる化合物、イソシアネート化合物と
ノルボルネン−オールを反応させて得られる化合物、ハ
イミック酸変性ポリエステル、石油樹脂なども挙げられ
る。
【0021】石油樹脂には、エチレンプラントから精製
される公知のC5またはC9留分を原料に製造されるも
のが挙げられ、例えば、クイントン(日本ゼオン製商品
名)や熱可塑性ポリノルボルネン樹脂ノルソレックス
(日本ゼオン製商品名)などが挙げられる。これら石油
樹脂は、数平均分子量が1000以上であることが好ま
しく、より好ましくは樹脂骨格中に水酸基やエステル基
などの官能基を有しているものである。
【0022】これら改質剤の配合量は、目的とする塗膜
の物性にもよるが、一般にプレポリマー100重量部に
対し0.2〜50重量部の範囲で用いることができる。
好ましくは0.5〜40重量部の範囲である。0.2重
量部未満では改質剤の効果が発現し難く、50重量部以
上では重合性が低下してしまう。
【0023】本発明で用いられる重合速度調節剤として
は、シクロオレフィン化合物を重合して得られるオレフ
ィン系樹脂の場合はトリイソプロピルフォスフィン、ト
リフェニルフォスフィン、トリシクロヘキシルフォスフ
ィンなどのリン酸塩が挙げられ、これらはプレポリマー
100重量部に対し0.005〜20重量部用いること
ができる。これら重合速度調節剤の配合量は、成形のた
めの可使時間を制御する目的であり、可使時間が短くて
も良い時にはその使用量を少なくし、長くしたいときは
多くする。
【0024】消泡剤としては例えば、シリコン系オイ
ル、フッ素オイル、ポリカルボン酸系ポリマーなど公知
の消泡剤が挙げられ、通常プレポリマー100重量部に
対し0.001〜5重量部添加することができる。
【0025】発泡剤としては例えばペンタン、プロパ
ン、ヘキサンなどの低沸点炭化水素系化合物、炭酸ガ
ス、水蒸気などの一般公知の物理発泡剤、アゾビスイソ
ブチロニトリルやN’N−ジニトロソペンタメチレンテ
トラミンなどのアゾ系化合物やニトロソ化合物などの分
解により窒素ガスを発生する化合物など一般公知の化学
発泡剤が挙げられる。
【0026】着色剤としては、二酸化チタン、コバルト
ブルー、カドミウムエローなどの無機顔料、カーボンブ
ラック、アニリンブラック、β−ナフトール、フタロシ
アニン、キナクリドン、アゾ系、キノフタロン、インダ
ンスレンブルーなどの有機系顔料が挙げられ、所望する
色調に応じてそれぞれを配合する。これらは、2種以上
組み合わせて使用しても良い。通常、これら顔料の添加
量はプレポリマー100重量部に対し、0.1〜50重
量部添加することができる。
【0027】本発明に用いられる安定化剤としては、紫
外線吸収剤、光安定化剤および酸化防止剤が挙げられ
る。紫外線吸収剤としては、例えばフェニルサリシレー
ト、パラ−t−ブチルフェニルサリシレートなどのサリ
チル酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフ
ェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’ジメトキシベン
ゾフェノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−
(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3',5’−ジ−
t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール2−(2’−
ヒドロキシ−3',5’−ジ−t−アミルフェニル)ベン
ゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系紫外線吸収
剤、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフ
ェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3’−
ジフェニルアクリレートなどのシアノアクリレート系紫
外線吸収剤が挙げられる。これらは単独または2種類以
上併用しても良い。これら紫外線吸収剤の添加量は電気
・電子部品の使用環境、ハウジングの有無、要求特性に
より適宜決められるが、通常プレポリマー100重量部
に対し、0.05〜20重量部とされる。
【0028】また光安定化剤としてはビス(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、
ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリ
ジニル)セバケート、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒ
ドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−
テトラメチルピペリジン重縮合物などのヒンダードアミ
ン系光安定剤が挙げられる。この光安定剤は通常プレポ
リマー100重量部に対し0.05〜20重量部添加で
きる。
【0029】さらに本発明に用いられる酸化防止剤とし
ては、パラベンゾキノン、トルキノン、ナフトキノンな
どのキノン類、ハイドロキノン、パラ−t−ブチルカテ
コール、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノンなどの
ハイドロキノン類、ジ−t−ブチル・パラクレゾールハ
イドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロールなどの
フェノール類、ナフテン酸銅やオクテン酸銅などの銅
塩、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、トリ
メチルベンジルアンモニウムマレエート、フェニルトリ
メチルアンモニウムクロライドなどの第4級アンモニウ
ム塩類、キノンジオキシムやメチルエチルケトオキシム
などのオキシム類、トリエチルアミン塩酸塩やジブチル
アミン塩酸塩などのアミン塩酸塩類、鉱油、精油、脂肪
油などの油類などが挙げられる。これら酸化防止剤は充
填材との相性や目的とする成形作業性および樹脂保存安
定性などの条件により種類、量を変えて添加する。通
常、添加量はプレポリマー100重量部に対し10〜1
0,000ppmである。
【0030】本発明で用いられる接着性付与剤としては
シラン系カップリング剤が挙げられる。シランカップリ
ング剤としては、通常式YSiX(Yは官能基を有し、
Siに結合する1価の基、Xは加水分解性を有しSiに
結合する1価の基)で表される。上記Y中の官能基とし
ては、例えばビニル、アミノ、エポキシ、クロロ、メル
カプト、メタクリルオキシ、シアノ、カルバメート、ピ
リジン、スルホニルアジド、尿素、スチリル、クロロメ
チル、アンモニウム塩、アルコール等の基がある。Xと
しては、例えばクロル、メトキシ、エトキシ、メトキシ
エトキシ等がある。具体例としては、ビニルトリメトキ
シシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラ
ン、γ−(2−アミノエチル)−アミノプロピルトリメ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、
N,N−ジメチルアミノフェニルトリエトキシシラン、
メルカプトエチルトリエトキシシラン、メタクリルオキ
シエチルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)
アンモニウムクロライド、3−(N−スチリルメチル−
2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン
塩酸塩等が挙げられ,これらを混合して使用することも
可能である。また、ポリマータイプのアルコキシ変性シ
ランカップリング剤としてはMAC−2101、FZ−
3778(日本ユニカー製、商品名)が挙げられ、これ
らを単独あるいは前記シランカップリング剤と併用して
用いることも可能である。シラン系カップリング剤はプ
レポリマー100重量部に対し通常0.001〜5重量
部添加する。
【0031】難燃剤としては、ヘキサブロムベンゼン、
テトラブロムビスフェノールA、デカブロムジフェニル
オキサイド、トリブロムフェノール、ジブロモフェニル
グリシジルエーテル、パークロロペンタシクロデカン、
ヘット酸誘導体等のハロゲン系化合物が単独または2種
以上併用される。また、リン酸トリス(ジクロロプロピ
ル)、リン酸トリス(ジブロモプロピル)などのリン酸
化合物、ホウ酸化合物なども併用できる。さらに、助難
燃剤としては三酸化アンチモン、酸化鉄、水素化アルミ
などが挙げられ、これらを難燃剤と併用するとより難燃
効果が高められる。通常ハロゲン系難燃剤はシクロオレ
フィン系化合物100重量部に対し1〜50重量部で三
酸化アンチモン等の助難燃剤は1〜15重量部の範囲で
用いられる。また、プラスチック用充填材として市販の
水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムなどの水和物
も難燃を目的とした充填材として用いることができる。
これらの添加量はプレポリマー100重量部に対し10
〜300重量部の範囲で用いることが好ましい。
【0032】このほかにも、充填材の濡れ性を改良する
ため、例えばビックケミー社製BYKシリーズなどの市
販の湿潤剤、分散剤、揺変助剤に代表されるカップリン
グ剤を添加することができる。また、作業性を改良する
ためにはシリコン系オイルやステアリン酸亜鉛などの離
型剤なども添加することができる。
【0033】さらに有機過酸化物も添加することができ
る。有機過酸化物としては例えばクメンハイドロパーオ
キサイド、ターシャリブチルパーオキシ2−エチルヘキ
サネート、メチルエチルケトンパーオキサイド、ベンゾ
イルパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイ
ド、ビス−4−ターシャリブチルシクロヘキサンジカー
ボネート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ターシャ
リブチルパーオキシ)ヘキシン−3など公知のものが挙
げられ、これらは2種以上併用しても良い。添加量は通
常プレポリマー100重量部に対して0.1〜10重量
部とされる。
【0034】本発明に用いられるプレポリマーには実質
的に溶剤を含まない。ここで定義される溶剤とは、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、メチルエチル
ケトンなど一般公知の非反応性希釈溶剤のことである。
但し、上記添加剤の中で、市販品に含まれる溶剤は、こ
れを無視するものとする。しかし、この場合でも溶剤は
プレポリマーに対し2重量部未満であることが、硬化時
の膨れを防止する上で好ましい。プレポリマーの粘度や
低弾性率樹脂の機械的特性や電気的特性を調整するた
め、通常アクリル系モノマー、メタクリル系モノマー、
ビニル系モノマー、ジアリルフタレートなどの低粘度の
反応性希釈剤を用いても良く、これらは1種あるいは2
種以上を併用してもよい。
【0035】本発明で用いられるオレフィン系樹脂の原
料としてポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエ
ンな一般公知の汎用樹脂も挙げられるが、シクロオレフ
ィン系化合物が好ましく、特に好ましくはメタセシス重
合可能なシクロオレフィン化合物である。メタセシス重
合可能なシクロオレフィン化合物としては、ノルボルネ
ン系シクロオレフィン化合物と非ノルボルネン系シクロ
オレフィン化合物に大別される。ノルボルネン系シクロ
オレフィン化合物としては、例えば置換又は非置換のノ
ルボルネン、メチルノルボルネン、ジメチルノルボルネ
ン、エチルノルボルネン、エチリデンノルボルネン、ブ
チルノルボルネンなどの二環ノルボルネン、ジシクロペ
ンタジエン(シクロペンタジエンの二量体)、ジヒドロ
ジシクロペンタジエン、メチルジシクロペンタジエン、
ジメチルジシクロペンタジエンなどの三環ノルボルネ
ン、テトラシクロドデセン、メチルテトラシクロドデセ
ン、ジメチルシクロテトラドデセンなどの四環ノルボル
ネン、トリシクロペンタジエン(シクロペンタジエンの
三量体)、テトラシクロペンタジエン(シクロペンタジ
エンの四量体)などの五環以上のノルボルネンなどが挙
げられる。非ノルボルネン系シクロオレフィン化合物と
しては、例えばシクロブテン、シクロペンテン、シクロ
オクテン、シクロドデセン、テトラヒドロインデン、メ
チルテトラヒドロインデンなどが挙げられる。また、2
個以上のノルボルネン基を有する化合物、例えばテトラ
シクロドデカジエン、対称型トリシクロペンタジエン等
を多官能架橋剤として用いることもできる。さらに、ハ
イミック酸、無水ハイミック酸、ノルボルナジエンなど
のノルボルネン誘導体も用いることが可能である。これ
らのメタセシス重合性シクロオレフィン化合物を1種ま
たは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0036】これらの中で、入手の容易さ、経済性など
からジシクロペンタジエン、メチルテトラシクロドデセ
ン、エチリデンノルボルネン、トリシクロペンタジエ
ン、シクロオクテン、シクロオクタジエン、シクロドデ
カトリエンなどが好ましい。
【0037】ジシクロペンタジエンは、事前に加熱処理
することで、ジシクロペンタジエンの一部をトリシクロ
ペンタジエンやテトラシクロペンタジエン等のシクロペ
ンタジエンオリゴマーにしたり、不純物であるビニルノ
ルボルネンやメチルビニルノルボルネンをテトラヒドロ
インデンやメチルテトラヒドロインデンに異性化したり
することができる。加熱処理は通常120〜250℃
で、0.5〜10時間程度である。また、熱処理中の重
合を防止するため1.5〜10重量%の酸化防止剤を添
加する。
【0038】なお、通常の市販されているこれらオレフ
ィン樹脂の原料には不純物を含んでいることがある。例
えばジシクロペンタジエンには、ビニルノルボルネン、
テトラヒドロインデン、メチルビニルノルボルネン、メ
チルテトラヒドロインデン、メチルジシクロペンタジエ
ン、ジメチルジシクロペンタジエン、トリシクロペンタ
ジエン等を含んでおり、シクロオクタジエンには未反応
ブタジエンやシクロオクタンなどを不純物として含んで
いることがある。種々の純度のシクロオレフィン化合物
が市販されているが、特に精製をしなくても良い。本発
明の電気・電子部品に用いるこれら原料としては、通常
90%以上、好ましくは95%以上、特に好ましくは9
8%以上の純度ものである。
【0039】これらのシクロオレフィン化合物の中で、
分子量300未満のシクロオレフィン化合物を2種以上
併用して、樹脂の弾性率を制御することができる。ジシ
クロペンタジエンやトリシクロペンタジエンなどの双環
体あるいは多環体を重合して得られる樹脂は硬質なた
め、シクロペンテン、シクロオクテン、シクロオクタジ
エン、シクロドデカトリエン、シクロオクタテトラエン
などの単環体を併用させて、弾性率を低下させることが
できる。弾性率を低下するために用いられるこれら単環
シクロオレフィン化合物は、多環体と単環体の配合総モ
ル数に対して、40モル%を越え99モル%未満の範囲
で配合することが好ましい。単環体が40モル%未満で
は、−40℃における弾性率が100MPaを越えてし
まう。また、99モル%以上使用すると架橋密度が低い
ため、樹脂の靱性が低くなってしまう。
【0040】本発明において用いることのできるメタセ
シス重合触媒は、WCl6 、MoCl5 、RuCl3
どの金属触媒単独の場合や、特開昭59−51911号
公報に示されているような前記触媒成分とアルキルアル
ミニウムなどの活性化剤とを組み合わせた2液系のメタ
セシス触媒系が挙げられる。また、Shrock型、F
ischer型の金属カルベン触媒や金属カルビン触
媒、メタラシクロブタン系触媒なども用いることができ
る。この中でも、空気中の酸素や水分によって容易にそ
の触媒活性を失わずに、シクロオレフィン系化合物をメ
タセシス反応で開環重合させることができる触媒である
方が好ましい。このようなメタセシス重合触媒として
は、一般式(1)に示される金属カルベン触媒が挙げら
れる。
【0041】
【化9】 一般式(1)中、Mはルテニウムまたはオスミウムを示
す。XおよびX1 はそれぞれ独立にアニオン配位子を示
す。アニオン配位子は、中心金属への配位を外したとき
に陰性電荷をもつ基のことである。このような基として
は、例えば、水素、ハロゲン、CF3 CO3 、CH3
2 、CFH2 CO2 、(CH3 3 CO、(CF3
2 (CH3 )CO、(CF3 )(CH3 ) 2 CO、炭素
数1〜5のアルキル基、端素数1〜5のアルコキシ基、
フェニル基、フェノキシ基、トシル基、メシル基、トル
フルオロメタンスルホネート基等があり、特に好ましい
ものは両方にハロゲン(特に、塩素)である。
【0042】LおよびL1 はそれぞれ独立に中性の電子
供与基を示す。中性の電子供与基は、中心金属への配位
を外したときに中性電荷をもつ基のことである。このよ
うな基としては、例えば、PR2 3 4 (ここで、R
2 は2級のアルキル基またはシクロアルキル基、R3
よびR4 はそれぞれ独立に、アリール基、炭素数1〜1
0の1級アルキル基もしくは2級アルキル基、シクロア
ルキル基を示す。)で表されるホスフィン系電子供与基
や、ピリジン、p−フルオロピリジン、イミダゾリリデ
ン化合物等がある。好ましいLおよびL1 は、両方共に
−P(シクロヘキシル)3、−P(シクロペンチル)
3、または−P(イソプロピル)3であるが、Lおよび
1 互いに異なる電子供与基であっても良い。Q及びQ
1 は、それぞれ独立に水素、アルキル基、アルケニル基
または芳香族基を示す。アルキル基としては炭素数1〜
20のアルキル基、アルケニル基としては炭素数2〜2
0のアルケニル基、芳香族基としてはアリール基等があ
り、前記アルキル基、アルケニル基または芳香族基は置
換基を有していても良い。
【0043】さらに好ましい触媒の具体的なものとして
は、次式(5)(参考文献:Organometall
ics、第16巻、18号、3867ページ(1997
年))、式(6)(参考文献:Angew.Chem.
Int.Ed.,37,2490(1998年))や式
(7)に挙げるようなカルベン触媒が挙げられる。
【0044】
【化10】
【0045】
【化11】
【0046】
【化12】
【0047】このメタセシス重合触媒の添加量は、メタ
セシス重合性シクロオレフィン化合物に対し0.001
〜20重量%であるが、経済性および硬化速度の理由か
ら好ましくは0.01〜5重量%の範囲が好ましい。
【0048】通常、重合はシクロオレフィン系化合物に
メタセシス重合触媒を加え溶かしたのち、加熱または光
照射により行うことができる。メタセシス重合触媒を加
え溶かす際の温度は、通常は0〜80℃、好ましくは室
温〜50℃である。加熱硬化の場合、操作は1段階加熱
でも2段階加熱あるいは多段加熱でもよい。1段階加熱
とする場合は、その温度は、通常0〜250℃、好まし
くは20〜200℃であり、2段階加熱とする場合は、
1段階目の温度は、通常は0〜150℃、好ましくは1
0〜100℃であり、2段階目の温度は、通常は20〜
200℃、好ましくは30〜180℃である。また、重
合時間は触媒の量および重合温度により適宜決めること
ができるが、通常1分〜50時間である。光照射による
硬化においも使用する触媒によってことなるが、Shr
ock型触媒においては紫外線照射量で3mW/cm2
×10分間程度である。
【0049】本発明の電気・電子部品の製造方法として
は、例えばディッピング、真空注入成形法、加圧注入成
形法、含浸成形法、RTM成形法、遠心成形法、真空ま
たは加圧バック法、連続成形法、射出成形法、トランス
ファー成形により製造できるほか、一般公知の塗装によ
り塗膜を部品表面に形成し製造することができる。これ
らの中でも注型、ディッピング、スプレー塗装などによ
り樹脂塗膜を形成する方法が汎用的であるので好まし
い。
【0050】本発明の電気・電子部品は、電気・電子部
材とハウジングが一体成形されても良く、そのハウジン
グの材質はSUS、銅、鉄、アルミ、セラミックスなど
の無機材料および熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、生分解
性樹脂、天然樹脂などの有機材料の中から目的、用途に
よって選ばれるもので制限はない。また、部品の形状や
寸法も目的により任意に設計される。
【0051】
【実施例】以下本発明を実施例により説明する。なお実
施例中、部とは特に限定しない限り重量部を意味する。 <樹脂1:オレフィン系低弾性率樹脂1>高純度ジシク
ロペンタジエン(丸善石油化学製、純度99%以上)5
0重量部、シクロオクタジエン(HULS社製純度9
8.5%以上)50重量部およびシランカップリング剤
(日本ユニカー製FZ−3778)0.1重量部を混合
した。このシクロオレフィン化合物に式(4)で示され
るメタセシス重合触媒0.2重量部をディッピング直前
に添加した。硬化条件は38℃×2時間+100℃×1
時間+125℃×1時間とした。 <樹脂2:オレフィン系低弾性率樹脂2>樹脂1と同様
に、高純度ジシクロペンタジエン50重量部、シクロオ
クタジエン50重量部を混合した。続いてデュポン社製
Bomasil(シリカバルーン、比表面積350g/
2 、平均粒径13μm)1.0部添加し、15分間撹
拌混合した。この中空シリカ添加シクロオレフィン化合
物に式(4)で示されるメタセシス重合触媒0.2重量
部をディッピング直前に添加した。硬化条件は38℃×
2時間+100℃×1時間+125℃×1時間とした。 <樹脂3:アクリル樹脂1>ラウリルメタクリレート9
0部(共栄社化学製ライトエステルL)にポリプロピレ
ングリコールジメタクリレート(共栄社化学製NKエス
テル9PG)10部を混合し、さらに重合触媒としてt
−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.5
部を添加した。硬化条件は40℃×1h+60℃×3h
+80℃×1h+100℃×1hとした。 <樹脂4:アクリル樹脂2>日立化成工業(株)製タッ
フィー:TF−1147を用いた。乾燥時間は40℃×
3時間とした。 <樹脂5:ジシクロペンタジエン樹脂>樹脂1で用いた
ジシクロペンタジエンに、シランカップリング剤(日本
ユニカー製A−171)0.1重量部を混合した。この
コンパウンドに式(4)で示されるメタセシス重合触媒
0.2重量部をディッピング直前に添加し供試した。硬
化条件は38℃×2時間+100℃×1時間+125℃
×1時間とした。 <樹脂6:シリコーン樹脂>市販の放熱タイプシリコー
ン樹脂(信越シリコーン製KE−109)を供試した。
硬化条件は100℃×1hとした。
【0052】試験方法 <プレポリマーの評価> (1)粘度 :JIS−K6911に準拠し測定し
た。B型粘度計23℃。 (2)曲げ弾性率:3mm厚の注型板を作製し、JIS
−K−7203に準拠し、−40℃で測定した。 試験片形状:25×80×3mm、試験スパン:48m
m、試験速度100mm/分 (3)誘電率 :JIS−K−6911に準拠し、2
3℃で測定した。 (4)吸湿性 :50×50×3mm厚の注型版を作
製し、25℃で24時間水道水に浸漬した後の重量変化
率を測定した。
【0053】実用特性試験 <部品モデル1(セラミック基板部材)>15mm角の
エポキシ樹脂封止16ピンDIP型IC、トランジス
タ、コンデンサーを配線済みセラミック基板に搭載した
基板部材表面にディッピング成形法により各供試試料の
塗膜を形成した。ディッピング回数は1回とした。 <部品モデル2(エポキシ基板部材)>20mm角のB
GA型IC、トランジスタ、コンデンサーを配線済みエ
ポキシ樹脂基板に搭載した基板部材表面にディッピング
成形法により、各供試試料の塗膜を形成した。ディッピ
ング回数は1回とした。 <部品モデル3(フェノール基板部材)>部品モデル1
同様にエポキシ樹脂封止16ピンDIP型IC、トラン
ジスタ、コンデンサーを配線済みフェノール樹脂基板に
搭載した基板部材表面にディッピング成形法により、各
供試試料の塗膜を形成した。ディッピング回数は1回と
した。
【0054】(1)塗膜厚 :実用特性試験後
に各部品モデルの中央を切断し、その切断面を光学顕微
鏡で実測した。なお、測定は5点とし、その平均値をと
った。 (2)耐PCT性 :各部品モデルについて121
℃、100%RH、2気圧の条件でプレシャークッカー
(PCT)試験を500h行い、試験後に通電するか測
定した。 (3)耐ヒートサイクル性:各部品モデルを(−40℃
×1時間+125℃×1時間)を1サイクルとするヒー
トサイクル試験を1000サイクル行い、その後で23
℃水道水に24h浸漬した後で通電するか評価した。
【0055】実施例および比較例の結果を表1に示し
た。本発明のオレフィン系低弾性率樹脂塗膜で保護され
た電気・電子部品は、アクリル樹脂、ジシクロペンタジ
エン系樹脂、シリコーン樹脂塗膜で保護された部品より
も優れた耐PCT性ならびに耐ヒートサイクル性を有し
ていた。
【0056】
【表1】 ○:通電有り ×:通電無し
【0057】
【発明の効果】本発明の絶縁防湿塗膜で保護された電気
・電子部品により、高密度化、高集積化に対応する高耐
久性、高信頼性の電気・電子機器を広く提供できる。さ
らに、本発明の電気・電子部品の一つである燃料電池に
も、絶縁防湿塗膜を封止用パッキン、コート材などとし
て適用することで耐久性、信頼性の向上が可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河合 宏政 茨城県つくば市和台48 日立化成工業株式 会社筑波開発研究所内 (72)発明者 井上 芳樹 茨城県つくば市和台48 日立化成工業株式 会社筑波開発研究所内 Fターム(参考) 4D075 AE03 CA23 DA11 DB14 DB46 DB47 DC19 EA05 EA35 EB13 EB45 EB52 EC07 EC08 EC13 EC45

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】−40℃における弾性率が0.1〜500
    MPaのオレフィン系低弾性率樹脂の塗膜による表面保
    護膜を備えた電気・電子部品。
  2. 【請求項2】オレフィン系低弾性率樹脂がシクロオレフ
    ィン系化合物を重合したものである請求項1記載の電気
    ・電子部品。
  3. 【請求項3】オレフィン系低弾性率樹脂が揺変材を含む
    請求項1または請求項2記載の電気・電子部品。
  4. 【請求項4】オレフィン系低弾性率樹脂の重合前の重合
    性液状物が、充填材、改質剤、重合速度調節剤、発泡
    剤、消泡剤、着色剤、安定化剤、接着性付与剤、難燃
    剤、カップリング剤および有機過酸化物から選ばれる少
    なくとも1種を含む請求項1〜請求項3記載の電気・電
    子部品。
  5. 【請求項5】重合性液状物が溶剤を含まない請求項4記
    載の電気・電子部品。
  6. 【請求項6】重合性液状物が1種または2種以上のメタ
    セシス重合性シクロオレフィン系化合物を含む請求項4
    または請求項5記載の電気・電子部品。
  7. 【請求項7】重合性液状物が、分子量300未満のメタ
    セシス重合性シクロオレフィン系化合物から選ばれる2
    種以上を含む請求項4〜6各項記載の電気・電子部品。
  8. 【請求項8】重合性液状物がメタセシス重合触媒により
    重合される請求項4〜7各項記載の電気・電子部品。
  9. 【請求項9】メタセシス重合触媒が化1の一般式(1)
    で表される触媒である請求項8記載の電気・電子部品。 【化1】 (Mはルテニウム又はオスミウムを示し、X及びX1
    それぞれ独立にアニオン性配位子を示し、L及びL1
    それぞれ独立に中性の電子供与基を示し、Q及びQ1
    それぞれ独立に水素、アルキル基、アルケニル基又は芳
    香族基を示し、アルキル基、アルケニル基又は芳香族基
    は置換基を有していてもよい。)
  10. 【請求項10】メタセシス重合触媒が化2の一般式
    (2)で表される触媒である請求項8記載の電気・電子
    部品。 【化2】 (Mはルテニウム又はオスミウムを示し、X及びX1
    それぞれ独立にアニオン性配位子を示し、L及びL1
    それぞれ独立に中性の電子供与基を示し、Q及びQ1
    それぞれ独立に水素、アルキル基、アルケニル基又は芳
    香族基を示し、アルキル基、アルケニル基又は芳香族基
    は置換基を有していてもよい。)
  11. 【請求項11】メタセシス重合触媒が化3の一般式
    (3)で表される触媒である請求項8記載の電気・電子
    部品。 【化3】 (Mはルテニウム又はオスミウムを示し、X及びX1
    それぞれ独立にアニオン性配位子を示し、L及びL1
    それぞれ独立に中性の電子供与基を示し、R1 及びR2
    はそれぞれ独立に炭素数1〜18のアルキル基、炭素数
    2〜18のアルケニル基、炭素数2〜18のアルキニル
    基、アリール基、炭素数1〜18のカルボキシレート
    基、炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素数2〜18の
    アルケニルオキシ基、炭素数2〜18のアルキニルオキ
    シ基、炭素数2〜18のアリルオキシ基、炭素数2〜1
    8のアルコキシカルボニル、炭素数1〜18のアルキル
    チオ基、炭素数1〜18のアルキルスルホニル基又は炭
    素数1〜18のアルキルスルフィニル基を示し、R3
    水素、アリール基又は炭素数1〜18のアルキル基を示
    す。)
  12. 【請求項12】メタセシス重合触媒における電子供与基
    LおよびL1 の少なくとも一方が化4の一般式(4)で
    表される化合物である請求項9〜11各項記載の電気・
    電子部品。 【化4】 (R1 とR2 はそれぞれ独立に炭素数1〜20のアルキ
    ル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20
    のアルキニル基、シクロアルキルおよびアリール基を示
    す。R1 とR2 は1つもしくはそれ以上の置換基を有し
    ていても良く、この置換基としては炭素数1〜10のア
    ルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基およびアリー
    ル基である。さらにこれらの置換基も、ハロゲン、炭素
    数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基お
    よびフェニル基で置換できる。)
  13. 【請求項13】実質的に酸素の存在下に成形される請求
    項1〜12各項記載の電気・電子部品の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005277100A (ja) * 2004-03-24 2005-10-06 Nippon Chemicon Corp 電子部品
WO2023189495A1 (ja) * 2022-03-31 2023-10-05 日本ゼオン株式会社 ゴム組成物、およびゴム架橋物

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