JP2006237506A - 磁性体ペースト、インダクタおよび多層配線板 - Google Patents

磁性体ペースト、インダクタおよび多層配線板 Download PDF

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Abstract

【課題】 透磁率の高い磁性体ペーストおよび加工性や信頼性に優れた基板内蔵インダクタを提供する。
【解決手段】 バインダー樹脂と磁性体粒子とを含み、磁性体層を構成する磁性体ペーストであって、前記磁性体粒子の粒径は前記磁性体層の厚さの5%以上40%以下であり、かつバインダー樹脂は環状オレフィン系樹脂であることを特徴とする磁性体ペーストにより達成される。前記環状オレフィン系樹脂としては、ノルボルネン系樹脂を含むものを用いることができる。本発明のインダクタは、前記磁性体ペーストで構成される磁性体と導体より構成されることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、磁性体ペースト、インダクタおよび多層配線板に関する。
電子機器の小型化や回路の高速化に対応するため、従来、電子基板に搭載されていたインダクタは、高性能化され、電子基板に内蔵される構造となってきている(例えば、特許文献1参照。)。
インダクタを電子基板に内蔵する方法としては、例えば、磁性体ペーストと導電性ペーストを交互に印刷形成し、磁性体コイルパターンと導電性コイルパターンが交互に積層されたインダクタを作成する方法がある(例えば、特許文献2参照。)
特開平2002−344106号公報 特開平2002−141225号公報
しかしながら、磁性体層と導電体層を交互に積層してインダクタを作成した場合、異種材料の間に生じる破壊やそり、また積層により基板が厚くなるといった問題点がある。また、現行の磁性体とバインダーの組み合わせでは高い透磁率が得られていないため積層体がさらに厚くなるといった問題がある。
本発明の目的は、透磁率の高い磁性体ペーストを提供することである。
また、本発明の目的は、加工性や信頼性に優れた基板内蔵インダクタを提供することである。
また、電気特性の安定性および信頼性の良好な多層配線板を提供できる。
このような目的は、下記(1)〜(11)に記載の本発明により達成される。
(1) 磁性体と環状オレフィン系樹脂を含んでなる磁性体ペースト。
(2) 前記磁性体は、フェライト粉末である第(1)項に記載の磁性体ペースト。
(3) 前記磁性体は、0.2μm以上10μm以下の粒径を有するものである第(1)項または第(2)項に記載の磁性体ペースト。
(4) 前記磁性体は、20〜90体積%含む第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の磁性体ペースト。
(5) 前記環状オレフィン系樹脂は、ノルボルネン系樹脂を含む第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の磁性体ペースト。
(6) 前記ノルボルネン系樹脂は、ノルボルネン系単量体の付加重合体である第(5)項に記載の磁性体ペースト。
(7) 前記ノルボルネン系樹脂は下記一般式(1)で表される構造を有するものである、第(5)項または第(6)項に記載の磁性体ペースト。
Figure 2006237506
(式(1)中のXは、−О−,−CH−または−CHCH−を示し、R、R、RおよびRはそれぞれ水素、あるいは、アルキル基、シクロアルキル基、ビニル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデニル基、アリール基、アラルキル基、シリル基、エステル基、エーテル基、(メタ)アクリル基およびエポキシ基から選ばれる少なくと1種で構成される基を示し、mは10〜10000の整数、nは0〜5までの整数である。)
(8) 前記ノルボルネン系樹脂は、下記一般式(2)で表される単量体を含むノルボルネン系単量体の付加共重合である第(5)項乃至第(7)項のいずれかに記載の磁性体ペースト。
Figure 2006237506
[式(2)中のXは、−CH−、−CHCH−、または−O−を示し、R、R、RおよびRは、水素または極性基であり、少なくとも1つは、前記極性基である。nは0から2の整数を示す。]
(9) 磁性体ペーストの粘度が、0.1Pa・s以上100Pa・s以下である第(1)項乃至第(8)項のいずれかに記載の磁性体ペースト。
(10) 第(1)項乃至第(9)項のいずれかに記載の磁性体ペーストで構成される磁性体層と導体層より構成されることを特徴とするインダクタ。
(11) 第(1)項乃至第(9)項のいずれかに記載の磁性体ペーストで構成されるインダクタを内蔵した多層配線板。
本発明によれば、透磁率の高い磁性体ペーストを得ることができる。
また、本発明によれば加工性や信頼性に優れた基板内蔵インダクタを得ることができる。
また、電気特性の安定性および信頼性の良好な多層配線板を提供できる。
本発明は、バインダー樹脂である環状オレフィン系樹脂と、磁性体とを含有してなる磁性体ペーストである。これにより、高い透磁率を有し加工性に優れた磁性体ペーストが得られる。また、このような磁性体ペーストを用いて得られるインダクタは、容積が小さく高い透磁率を有するので、多層配線板に内蔵することができ、信頼性の高い多層配線板が得られるものである。
本発明に用いる磁性体としては、磁性を帯び、高い透磁率を有するものであれば良いが、例えば、フェライト、酸化鉄、酸化クロム、コバルトなどが挙げられ、これらの中でも、フェライトがより好ましい。前記フェライトとしては、酸化鉄を主成分に含むものであるが、その他にも、Ni、Cu、Mg、Mn及びZnなどの酸化物を主成分とし、Co、Bi、Ti、Sn、Zr及びSiの酸化物を副成分として含み、これらを焼結させることによって得られたフェライト粒子を用いることができる。特にNi、Zn、Cuの酸化物に上記副成分を添加して焼成した時に、より高い透磁率を有する磁性体ペーストを得ることができる。前記磁性体の透磁率としては、100kHzの周波数において、10〜10000程度であることが好ましい。
前記磁性体の含有量としては、磁性体ペースト全体の20〜90体積%が好ましく、特に50〜80体積%が好ましい。含有量が前記範囲内であると、印刷性および透磁率が、より向上する。
前記磁性体の形状としては、粒状、塊状、鱗片状等のものを用いることができるが、粒状、特に球状の粉末が好ましい。また、前記磁性体の粒径としては、例えば、0.2μm以上10μm以下の粉末を用いることができるが、磁性体ペーストから得られる硬化物樹脂層の5〜40%が好ましく、特に10〜30%が好ましい。フェライトの粒径が前記範囲内にあると、磁性体ペースト層作製時の印刷性および透磁率が、より向上する。
本発明に用いる環状オレフィン系樹脂は、特開平3−14882号や特開平3−122137号、特開平2−227424号、特開平2−276842号などで公知の樹脂を用いることができ、具体的には、ノルボルネン系単量体の開環重合体、その水素添加物、ノルボルネン系単量体の付加重合体、ノルボルネン系単量体とオレフィンの付加重合体、これらの重合体の変性物などが挙げられる。環状オレフィン系樹脂は、周波数がGHz帯において、優れた誘電正接を示すものであり、ノルボルネン系樹脂がより好ましい。また、特に、付加型のノルボルネン系樹脂は耐熱性にも優れるものであり、中でも、下記一般式(1)で表される構造を有する付加型のノルボルネン系樹脂の化学構造における主鎖骨格は、ガラス転移温度が300℃前後の耐熱性を有し好適である。
Figure 2006237506
式(1)中のXは、−О−,−CH−または−CHCH−を示し、R、R、R、およびRはそれぞれ水素、あるいは、アルキル基、シクロアルキル基、ビニル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデニル基、アリール基、アラルキル基、シリル基、エステル基、エーテル基および(メタ)アクリル基、エポキシ基から選ばれる少なくと1種で構成される基を示し、これらの基はアルキル基、エーテル基などの基を介して結合していても良い。mは10〜10000の整数、nは0〜5までの整数である。
前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基およびドデシル基などの側鎖を有していても良い(C−C20)アルキル基、前記シクロアルキル基としては、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基およびメチルシクロヘキシル基などの(C−C15)シクロアルキル基、前記アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブチニル基およびシクロヘキセニル基などの(C−C10)アルケニル基、前記アルキニル基としては、例えば、エチニル基、プロペニル基、ヘキセイニル基、オクテニル基およびヘプテニル基などの(C−C20)アルキニル基、前記アルキリデニル基としては、例えば、(C−C)アルキリデニル基、前記アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基、アントラセニル基およびフェニルエチニル基などの(C−C40)アリール基、前記アラルキル基としては、例えば、ベンジル基およびフェネチル基(C−C15)アラルキル基、前記シリル基としては、例えば、シリル基の他に、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリエトキシシリル基およびトリエトキシシリルエチル基などのアルコキシシリル基、前記エステル基としては、例えば、メチルエステル基、エチルエステル基、n−ブチルエステル基、t−ブチルエステル基およびn−プロピルエステル基などのエステル基、前記(メタ)アクリル基としては、例えば、メタクリロキシメチル基などの(メタ)アクリル基、前記エポキシ基としては、例えば、グリシジルエーテル基などのエポキシ基が挙げられる。
前記ノルボルネン系樹脂において、下記一般式(2)で表される単量体を含むノルボルネン系単量体の付加共重合体であることがより好ましい。
Figure 2006237506
式(2)中のXは、−CH−、−CHCH−、または−O−を示し、R、R、RおよびRは、水素または極性基であり、少なくとも1つは、前記極性基である。nは0から2の整数を示す。
上記極性基としては、エステル基、(メタ)アクリル基、シリル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、エポキシ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基およびハロゲン基などが挙げられる。
このような極性基を有するノルボルネン系単量体の具体例として、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エステル基、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有するものとしては、例えば、5−ノルボルネン−2−メタノール、酢酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、プロピオン酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、酪酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、吉草酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、カプロン酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、カプリル酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、カプリン酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、ラウリン酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、ステアリン酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、オレイン酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、リノレン酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、5−カルボキシル−2−ノルボルネン、5−ノルボルネン−2−カルボン酸、5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチルエステル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸エチルエステル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸t−ブチルエステル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸i−ブチルエステル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸トリメチルシリルエステル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸トリエチルシリルエステル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸イソボニルエステル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸2−ヒドロキシエチルエステル、5−ノルボルネン−2−メチル−2−カルボン酸メチルエステル、ケイ皮酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、5−ノルボルネン−2−メチルエチルカルボネート、5−ノルボルネン−2−メチルn−ブチルカルボネート、5−ノルボルネン−2−メチルt−ブチルカルボネート、5−メトキシ−2−ノルボルネン、(メタ)アクリル酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、(メタ)アクリル酸5−ノルボルネン−2−エチルエステル、(メタ)アクリル酸5−ノルボルネン−2−n−ブチルエステル、(メタ)アクリル酸5−ノルボルネン−2−n−プロピルエステル、(メタ)アクリル酸5−ノルボルネン−2−i−ブチルエステル、(メタ)アクリル酸5−ノルボルネン−2−i−プロピルエステル、(メタ)アクリル酸5−ノルボルネン−2−ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸5−ノルボルネン−2−オクチルエステル、(メタ)アクリル酸5−ノルボルネン−2−デシルエステルなどが挙げられる。
また、シリル基を有するものとして、例えば、5−メトキシ−2−ノルボルネン、5−トリメトキシシリル−2−ノルボルネン、5−トリエトキシシリル−2−ノルボルネン、5−(2−トリメトキシシリルエチル)−2−ノルボルネン、5−(2−トリエトキシシリルエチル)−2−ノルボルネン、5−(3−トリメトキシプロピル)−2−ノルボルネン、5−(4−トリメトキシブチル)−2−ノルボルネン、5−トリメチルシリルメチルエーテル−2−ノルボルネンなどアルコキシシリル基を有するものや、5−(1,2,3−トリメチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、ジメチルビス((5−ノルボルネン−2−イル)メチル))メトキシシラン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ジメチルビス((2−(5−ノルボルネン−2−イル)エチル)トリシロキサンなどが挙げられる。
また、前記一般式(2)で表される単量体を含むノルボルネン系単量体の付加共重合体において、前記一般式(2)で表される単量体と次のようなノルボルネン系単量体との付加共重合を用いることができる。その具体例としては、ノルボルネンの他に、アルキル基、アルケニル基およびアルキニル基を有するものとして、5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−プロピル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−ペンチル−2−ノルボルネン、5−ヘキシル−2−ノルボルネン、5−ヘプチル−2−ノルボルネン、5−オクチル−2−ノルボルネン、5−ノニル−2−ノルボルネン、5−デシル−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(2,3−ジメチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−エチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(3,4−ジメチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(7−オクテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−メチル−6−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(1,2−ジメチル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(5−エチル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、などが挙げられ、アリール基を有するものとして、例えば、5−フェニル−2−ノルボルネン、5−ベンジル−2−ノルボルネン、5−フェネチル−2−ノルボルネン、5−ペンタフルオロフェニル−2−ノルボルネン、5−ペンタフルオロフェニルメタン−2−ノルボルネン、5−(2−ペンタフルオロフェニルエチル)−2−ノルボルネン、5−(3−ペンタフルオロフェニルプロピル)−2−ノルボルネンなどが挙げられる。
また、本発明においては、上記ノルボルネン系単量体の他に、例えば、ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエン、ジヒドロジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセン、エチリデンテトラシクロドデセン、フェニルテトラシクロドデセン、トリシクロペンタジエン、ジヒドロトリシクロペンタジエン、テトラシクロペンタジエン、ジヒドロテトラシクロペンタジエン等の多環体や官能基等を有したその置換体を用いることができる。これらは単独、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。
このようにして得られるノルボルネン系樹脂の中で、好ましい前記一般式(1)で表される構造を有する付加型のノルボルネン系樹脂において、置換基R、R、R、およびRは、目的に応じて、その置換基の種類と該置換基を有する繰り返し単位の割合を調整することにより、特性を好ましいものとすることができる。例えば、前記一般式(1)において、Xは−CH−とし、RおよびRは水素とし、nは0の場合、RおよびRとして、例えば、前記アルキル基を導入した場合、硬化後に可とう性に優れる誘電体を得ることができるので好ましい。また、トリメトキシシリル基、またはトリエトキシシリル基を導入した場合、銅などの金属との密着性が向上するので好ましい。ただし、トリエトキシシリル基、トリメトキシシリル基の割合が多い場合、ポリノルボルネンの誘電正接が大きくなることがあるため、トリエトキシシリル基、および/またはトリメトキシシリル基を有するノルボルネンの繰り返し単位は、一般式(1)で表されるノルボルネン1分子において、20mol%以下にすることが好ましい。さらに好ましくは10mol%以下である。
中でも、特に、可とう性、密着性および電気特性が良好な硬化物を得る上で、一般式(1)において、n−ブチル基を有するノルボルネン90mol%とトリエトシキシシリル基を有するノルボルネン10mol%からなるポリノルボルネン、未置換(置換基が水素原子)ノルボルネン90mol%とトリエトシシリル基を有するノルボルネン10mol%からなるポリノルボルネン、および未置換ノルボルネン75mol%とn−ヘキシル基を有するノルボルネン25mol%からなるポリノルボルネンが好ましい。
本発明の磁性体ペーストには、上記成分以外のその他の成分として、架橋剤、カップリング剤、希釈剤、難燃剤等を含んでいてもよい。
本発明に用いる架橋剤としては、ビスアジド化合物、パーオキサイド、脂肪族ポリアミン、脂環族ポリアミン、芳香族ポリアミン、酸無水物、ジカルボン酸化合物、多価フェノール、ポリアミド等が挙げられ、前記ビスアジド化合物としては、例えば、4,4’−ビスアジドベンザル(4−メチル)シクロヘキサンノン、4,4’−ジアジドカルコン、2,6−ビス(4’−アジドベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4’−アジドベンザル)−4−メチル−シクロヘキサノン、4,4’−ジアジドジフェニルスルホン、4,4’−ジアジドジフェニルメタンおよび2,2’−ジアジドスチルベンなど;前記パーオキサイドとしては、例えば、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイドおよび2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキサイド)ヘキシン−3など;前記脂肪族ポリアミンとしては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミンおよびテトラエチレンペンタミンなど;前記脂環族ポリアミンとしては、例えば、ジアミノシクロヘキサン、3(4),8(9)−ビス(アミノメチル)トリシクロ〔5,2,1,02,6〕デカン;1,3−(ジアミノメチル)シクロヘキサン、メンセンジアミン、イソホロンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタンおよびビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンなど;前記芳香族ポリアミンとしては、例えば、4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、α,α’−ビス(4−アミノフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォンおよびメタフェニレンジアミンなどの;前記酸無水物としては、例えば、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ナジック酸無水物、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、無水マレイン酸変性ポリプロピレンおよび無水マレイン酸変性環状オレフィン系樹脂など;前記ジカルボン酸としては、例えば、フマル酸、フタル酸、マレイン酸、トリメリット酸およびハイミック酸など;前記多価フェノールとしては、例えば、フェノ−ルノボラック樹脂およびクレゾ−ルノボラック樹脂など;前記ポリアミドとしては、例えば、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−610、ナイロン−11、ナイロン−612、ナイロン−12、ナイロン−46、メトキシメチル化ポリアミド、ポリヘキサメチレンジアミンテレフタルアミドおよびポリヘキサメチレンイソフタルアミド;等が挙げられる。これらは、一種でも二種以上の混合物として使用しても良い。
また、上記架橋剤の他に、必要に応じて硬化助剤を配合して、架橋反応の効率を高めることも可能である。
前記架橋剤の含有量としては、とくに制限はないが、架橋反応を効率良く反応させ、かつ、環状オレフィン系樹脂の架橋物の物性面から、環状オレフィン系樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部が好ましく、より好ましくは1〜10重量部の範囲である。架橋剤の含有量が前記範囲内であると、架橋反応が効率良く行われ、架橋物の電気特性や、耐水性および耐湿性などの特性が良好である架橋剤の添加量が、少なすぎると環状オレフィン樹脂との反応が起こりにくく、多すぎると電気特性、耐水性、耐湿性などの特性が低下するため好ましくない。
本発明に用いるカップリング剤としては、1分子中に、アルコキシシリル基と、アルキル基、エポキシ基、ビニル基およびフェニル基等の有機官能基とを有するシラン化合物全般が挙げられ、例えば、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシランおよびブチルトリエトキシシランなどのアルキル基を有するシラン;、フェニルトリエトキシシラン、ベンジルトリエトキシシランおよびフェネチルトリエトキシシランなどのフェニル基を有するシラン;、ブテニルトリエトキシシラン、プロペニルトリエトキシシランおよびビニルトリメトキシシラン等のビニル基を有するシラン;、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン等のメタクリル基を有するシラン;、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランおよびγ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基を有するシラン;、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランおよびβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基を有するシラン;、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト基を有するシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。又、これらは単独でも混合して用いても良い。
本発明に用いる希釈剤としては、例えば、メチルエチルケトンおよびシクロヘキサノンなどのケトン類、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類;、メタノール、イソプロパノール、シクロヘキサノールなどのアルコール類、シクロヘキサンおよびメチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;、石油エーテルおよび石油ナフサなどの石油系溶剤;、セロソルブおよびブチルセロソルブなどのセロソルブ類;、カルビトール、メチルカルビトールおよびブチルカルビトールなどのカルビトール類;、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテートおよびブチルカルビトールアセテートなどの酢酸エステル類などを挙げることができる。
これらの中でも、カルビトール類、酢酸エステル類の中から選ばれる1種以上が好ましい。これにより、磁性体ペーストの印刷性が向上する。
本発明の磁性体ペーストの製造方法としては、例えば、磁性体以外の上記各種成分および適当な量の希釈剤を混合容器に入れ、均一なワニスになるまで十分にかき混ぜて、次いで、磁性体を加えて、これを混合し樹脂組成物として、該樹脂組成物を、高圧衝突式分散方式、ロールミル方式、高速回転分散方式、ビーズミル方式、高速せん断分散方式および自転公転式分散方式などの分散方式を用いて、各成分、特に磁性体を分散させる方法が挙げられるが、これら方法に限定されない。
ここで得られる磁性体ペーストは、粘度が0.1Pa・sから100Pa・sであることが好ましく、これにより、インダクタを製造する際に種々印刷方法を適用することができるので好ましい。
また、上記で得られた磁性体ペーストとしては、インダクタとして用いる上で、透磁率が、例えば、10kHzの周波数において、15以上であることが、より好ましい。
本発明のインダクタとしては、例えば、上記で得た磁性体ペーストと、導電性ペーストを交互に印刷し、磁性体層と導体層が交互に積層された構造を有するものが挙げられる。
このようなインダクタについて、プリント配線板上に作製する場合の例を、図1を用いて説明すると、例えば、まず、プリント配線板用銅張積層板の銅層をエッチングすることにより、インダクタの下部導体回路パターン101を形成する(図1(a))。
次に、この下部導体回路パターン上に、磁性体ペーストを印刷して、磁性体層102を形成する(図1(b))。
磁性体層102は、例えば180℃で2時間加熱硬化させた後に、磁性体層に形成されたスルーホール103内に、銅メッキあるいは銅ペースト印刷により、下地となるプリント配線板の下部導体回路パターン101上に、銅ポストを立てるように形成する。また、前記磁性体ペーストの印刷方法としては、例えば、スクリーン印刷およびステンシル印刷などの印刷方法や、ディスペンサースピンコート、インクジェットおよびスプレーなどによる塗布方法や、アプリケータ、バーコータ、ナイフコータ、カーテンコータ、ダイコータおよびグラビアコータなどによる製膜方法を挙げることができるが、これらに限定されない。
次に、磁性体層102の上に、銅ペーストを用いた印刷または銅メッキにより、上記で得たスルーホール103内に形成した銅ポストと接続するように、上部導体回路パターン104を形成して、コイル状とした導体コイルパターンを形成する。(図1(c))。
このようにして、導体コイルパターン内部に、本発明の高い透磁率を有する磁性体が形成されたインダクタを作製することができる。上記導体コイルの巻き数は、導体ラインパターン数を増やすことによって、インダクタンスを増加させることができるが、本発明のインダクタを多層配線板内部に内蔵させる場合には、必要とするインダクタンスにより決定して良い。前記インダクタを構成する導体回路と磁性体層の厚みは適宜決定されるが、例えば、導体回路の厚みとしては15μm程度、磁性体層の厚みとしては10μm〜100μm程度で形成される。多層配線板の厚みを薄くする場合は、磁性体層を薄く調節して作製することができる。
次に、本発明のインダクタを内蔵した多層配線板の製造方法について説明する。図2は、本発明の実施形態である多層配線板の製造方法の一例を説明するための図で、図2(f)は得られる多層配線板の構造を示す断面図である。
まず、コア基板として、FR−4の両面金属箔(銅箔)付き絶縁基板203に、ドリル機で開孔して開孔部202を設けた後、無電解めっきにより、開孔部202にめっきを行い、前記絶縁基板両面の金属箔間の導通を図り、次いで、前記金属箔をエッチングすることにより導体回路層201を形成し、両面導体回路層を有するコア基板210を得る(図2(a))。
導体回路層201の材質としては、この製造方法に適するものであれば、どのようなものでも良いが、導体回路の形成においてエッチングや剥離などの方法により除去可能であることが好ましく、前記エッチングにおいては、これに使用される薬液などに耐性を有するものが好ましい。そのような導体回路層201の材質としては、例えば、銅、銅合金、42合金およびニッケル等が挙げられる。特に、銅箔、銅板および銅合金板は、電解めっき品や圧延品を選択できるだけでなく、様々な厚みのものを容易に入手できるため、導体回路層201として使用するのに好ましい。
次に、導体回路層201に形成された導体パターン上に、前述の方法で磁性体ペースト印刷することにより磁性体層204を形成する(図2(b))。
インダクタ形成方法は、スクリーン印刷やステンシル印刷などによる印刷方法やディスペンサー、インクジェットおよびスプレーなどによる塗布方法などが挙げられる。
次に、磁性体層に設けられたスルーホールに銅メッキあるいは銅ペースト印刷により銅ポスト205を形成させる。その後、前述のように銅ペースト印刷により上部銅回路パターン206を形成し内蔵用インダクタを作製する(図2(c))。
次に、導体回路層201上に、絶縁層用樹脂組成物を用いて、絶縁層207を形成する(図2(d))。
絶縁層207を形成する方法としては、塗布法やフィルム積層法などが挙げられ、前記塗布法としては、例えば、絶縁層を形成する面に、カーテンコータ、バーコータ、コンマコータ、ナイフコータ、グラビアコータ、ダイコータ、スピンコータ、印刷機、真空印刷機およびディスペンサーなどの装置を用いて、絶縁層用樹脂組成物を塗布して、塗膜を形成し、該塗膜を、乾燥機、窒素乾燥機および真空乾燥機などを用いて、乾燥・硬化して、絶縁層を形成する方法が挙げられる。前記フィルム積層方法としては、絶縁層用樹脂組成物を用いて、ポリエステルフィルムなどの基材の上に、上記同様にして塗膜を形成し、これを、乾燥して支持基材付きフィルム(絶縁膜)を作製し、これを、絶縁層を形成する面に、真空プレス、常圧ラミネーター、真空ラミネータ−およびベクレル式積層装置等を用いて、フィルムを積層して絶縁層を形成する方法が挙げられ、また、ポリエステルフィルムなどの樹脂基材に替えて、金属基材の上に、上記同様にして絶縁膜を形成し、金属層付きフィルム(絶縁膜)を作製し、これを積層して絶縁層を形成する方法などが挙げられる。前記金属層付きフィルムにおいては、該金属層を導体回路として加工することができる。
加熱硬化する温度としては、絶縁層用樹脂にもよるが、150℃〜300℃の範囲が好ましく、特に、150℃〜250℃が好ましい。また、絶縁層を多層形成する場合は、一層目の絶縁層を、加熱、半硬化させ、前記絶縁層上に、一層ないし複数の絶縁層を形成し、半硬化の絶縁層を実用上問題ない程度に、再度加熱硬化させることにより絶縁層間および絶縁層と導体回路間の密着力を向上させることができる。この場合の半硬化の温度は、150℃〜250℃が好ましく、150℃〜200℃がより好ましい。
また、前記絶縁層を形成後に、絶縁層の表面にプラズマ処理を施すことで、絶縁層間および絶縁層と導体回路間の密着力を向上させることができる。プラズマ処理のガスとして、酸素、アルゴン、フッ素、フッ化炭素、窒素などを一種もしくは複数種混合して用いることができる。また、プラズマ処理は複数回実施しても良い。
前記絶縁層用樹脂組成物としては、上記環状オレフィン系樹脂、ポリイミド、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂などが挙げられる。
次に、絶縁層207に、レーザーを照射して、ビアホール208を形成する(図2(e))。
前記レーザーとしては、エキシマレーザー、UVレーザーおよび炭酸ガスレーザーなどが使用でき、前記レーザーによるビアホールの開孔においては、絶縁層の材質が感光性・非感光性に関係なく、微細なビアホールを容易に形成することができるので、微細加工が必要とされる場合に、特に好ましい。また、ビアホール208の形成方法としては、上記レーザーを照射する方法以外にレーザーおよびプラズマなどによるドライエッチング、ケミカルエッチング等を用いることができる。また、絶縁層207を感光性の樹脂により作製した場合には、絶縁層207を選択的に感光し、現像することでビアホール208を形成することもできる。
次に、第二の導体回路層209を形成する(図2(f))。
第二の導体回路層209の形成方法としては、公知の方法であるセミアディティブ法などで形成することができる。これらの方法により、内部にインダクタが形成された多層配線板を製造することができる。
(実施例)
以下、本発明を実施例および比較例に基づき詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものでは無い。
[磁性体ペーストの作製]
室温で、フェライト粉末50g(平均粒径5μm)を、ブチルノルボルネン90mol%とトリエトキシシリルノルボルネン10mol%の共重合体からなるポリノルボルネン50g(プロメラス社製)とジエチレングリコールモノメチルエーテル20gとの混合溶液に投入し、遊星回転式混練装置により、予備混合を行った。予備混合終了後、3本ロールミルにて十分に混練を行い、目的とする磁性体ペーストを得た。
[透磁率評価用サンプルの作製]
上記で得た磁性体ペーストを用いて、PETフィルム上に製膜し、その後180℃で3時間加熱することにより、硬化させた磁性体フィルムを得た。硬化後の磁性体フィルムをPETフィルムからはがし、フィルムを50mm角の大きさにカットし、透磁率測定サンプルを得た。フィルムの厚みはレーザーホロゲージ(ミツトヨ(株)製)によりサンプル5箇所の厚みを測定し、その平均値を試料厚みとした。透磁率の測定は、平板用透磁率測定装置(キーコム(株)製、LA−430)を用いて行った。
実施例1において、フェライト粉末として、平均粒径が、0.2μmのものを用いた以外は、実施例1と同様にして、磁性体ペーストを作製した。
実施例1において、フェライト粉末として、平均粒径が、10μmのものを用いた以外は、実施例1と同様にして、磁性体ペーストを作製した。
実施例1において、フェライト粉末の体積%が、20体積%となるようにした以外は、実施例1と同様にして、磁性体ペーストを作製した。
実施例1において、フェライト粉末の体積%が、90体積%となるようにした以外は、実施例1と同様にして、磁性体ペーストを作製した。
実施例1において、ブチルノルボルネン90mol%とトリエトキシシリルノボルネン10mol%の共重合体からなるポリノルボルネン50gを、5−フェニル−2−ノルボルネン90mol%とトリエトキシシリルノルボルネン10mol%)の共重合体からなるポリノルボルネン50gを用いた以外は、実施例1と同様にして、磁性体ペーストを作製した。
実施例1において、ブチルノルボルネン90mol%とトリエトキシシリルノルボルネン10mol%の共重合体からなるポリノルボルネン50gを、5−カルボキシル−2−ノルボルネン90mol%とトリエトキシシリルノルボルネン10mol%の共重合体からなるポリノルボルネン50gを用い用いた以外は、実施例1と同様にして、磁性体ペーストを作製した。
実施例1において、ブチルノルボルネン90mol%とトリエトキシシリルノルボルネン10mol%の共重合体からなるポリノルボルネン50gを、5−メトキシ−2−ノルボルネン90mol%とトリエトキシシリルノルボルネン10mol%の共重合体からなるポリノルボルネン50gを用いた以外は、実施例1と同様にして、磁性体ペーストを作製した。
(比較例1)
実施例1において平均粒径が0.1μmであるフェライト粉末を使用した以外は、実施例1と同様にした。
(比較例2)
実施例1において平均粒径が13μmであるフェライト粉末を使用した以外は、実施例1と同様にした。
(比較例3)
実施例1においてフェライト粉末の体積%が、15体積%となるように樹脂組成物を調整した以外は、実施例1と同様にした。
(比較例4)
実施例1においてフェライト粉末の体積%が、95体積%となるように樹脂組成物を調整した以外は、実施例1と同様にした。
(比較例5)
実施例1と同様にして作製した磁性体ペーストを用いて、下部導体回路パターン301(図3(a))上に、磁性体層302を印刷形成し、磁性体層302を180℃で2時間加熱硬化させた後に、磁性体層302に予め設けておいた開孔部に、銅メッキにより、開孔部を充填して、下地の銅回路上に銅ポスト303を形成した(図3(b))。次に、磁性体層の上に、銅ペーストを用いて、コの字型の導体コイル層304を、印刷して回路を形成した(図3(c))。さらに銅コイルの一部を露出させるようにして、磁性体層305を印刷・硬化させた(図3(d))。その後、銅コイル層形成・磁性体層形成を4回繰り返し、評価用インダクタを作製した。
各実施例および比較例で得られた磁性体について、以下の評価を行った。評価項目を内容と共に示す。得られた結果を表1に示す。
[磁性体ペースト粘度の測定]
磁性体ペースト粘度の測定は、ブルックフィールド粘度計(ブルックフィールドエンジニアリング製、HBDV−III+CP)を用いて測定した。
[誘電率、誘電正接の測定]
透磁率の測定は、平板用透磁率測定装置(キーコム(株)製、LA−430)を用い、測定周波数は2.6GHzで行った。
[表面粗さの測定]
表面粗さの測定には、表面粗さ測定装置(ACCRETECH社製 SURFCOM 1400D)を用いて、算術平均粗さRaを測定した。
[密着性の測定]
銅箔との密着性に関しては、12μm厚みの銅箔粗化面に、磁性体ペーストを30μm厚みで塗布し、180℃3時間、加熱して硬化後、10mm×100mmの短冊状の磁体付き銅箔を作成し、銅箔引き剥がし強度を測定した。
Figure 2006237506
表1に示すように、実施例1〜8において、本発明のインダクタは、高い透磁率と良好な表面平滑性・密着強度を示した。
本発明によれば、高透磁率かつ印刷精度に優れた磁性体ペーストが得られ、更に、これを用いて、高透磁率かかつ表面平滑性の良い磁性体が作製できることから、電子機器の小型化や回路の高速化に対応する高性能なインダクタを内蔵する電子基板などに利用することができる。
本発明のインダクタとその製造方法を説明するための図である。 本発明の多層配線板とその製造方法を説明するための図である。 比較評価用のインダクタとその製造方法を説明するための図である。
符号の説明
101 下部導体回路パターン
102 磁性体層
103 スルーホール
104 上部導体回路パターン
201 導体回路層
202 開孔部
203 両面金属箔(銅箔)付き絶縁基板
204 磁性体層
205 銅ポスト
206 上部銅回路パターン
207 絶縁層
208 ビアホール
209 導体回路層
301 下部導体回路パターン
302 磁性体層
303 銅ポスト
304 導体コイル層
305 磁性体層

Claims (11)

  1. 磁性体と環状オレフィン系樹脂を含んでなる磁性体ペースト。
  2. 前記磁性体は、フェライト粉末である請求項1に記載の磁性体ペースト。
  3. 前記磁性体は、0.2μm以上10μm以下の粒径を有するものである請求項1または2に記載の磁性体ペースト。
  4. 前記磁性体は、20〜90体積%含む請求項1乃至3のいずれかに記載の磁性体ペースト。
  5. 前記環状オレフィン系樹脂は、ノルボルネン系樹脂を含む請求項1乃至4のいずれかに記載の磁性体ペースト。
  6. 前記ノルボルネン系樹脂は、ノルボルネン系単量体の付加重合体である請求項5に記載の磁性体ペースト。
  7. 前記ノルボルネン系樹脂は下記一般式(1)で表される構造を有するものである、請求項5または6に記載の磁性体ペースト。
    Figure 2006237506
    (式(1)中のXは、−О−,−CH−または−CHCH−を示し、R、R、RおよびRはそれぞれ水素、あるいは、アルキル基、シクロアルキル基、ビニル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデニル基、アリール基、アラルキル基、シリル基、エステル基、エーテル基、(メタ)アクリル基およびエポキシ基から選ばれる少なくと1種で構成される基を示し、mは10〜10000の整数、nは0〜5までの整数である。)
  8. 前記ノルボルネン系樹脂は、下記一般式(2)で表される単量体を含むノルボルネン系単量体の付加共重合である請求項5乃至7のいずれかに記載の磁性体ペースト。
    Figure 2006237506
    [式(2)中のXは、−CH−、−CHCH−、または−O−を示し、R、R、RおよびRは、水素または極性基であり、少なくとも1つは、前記極性基である。nは0から2の整数を示す。]
  9. 磁性体ペーストの粘度が、0.1Pa・s以上100Pa・s以下である1乃至8のいずれかに記載の磁性体ペースト。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載の磁性体ペーストで構成される磁性体層と導体層より構成されることを特徴とするインダクタ。
  11. 請求項1乃至9のいずれかに記載の磁性体ペーストで構成されるインダクタを内蔵した多層配線板。
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