JP2001185644A - 多層配線基板 - Google Patents

多層配線基板

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JP2001185644A JP36511299A JP36511299A JP2001185644A JP 2001185644 A JP2001185644 A JP 2001185644A JP 36511299 A JP36511299 A JP 36511299A JP 36511299 A JP36511299 A JP 36511299A JP 2001185644 A JP2001185644 A JP 2001185644A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多層配線基板の信号配線を容易にかつ精度よ
く終端処理し、しかも高周波ノイズ対策も行なう。 【解決手段】 信号配線S1・接地配線G1を含む第1
の平行配線群L1を有する第1の絶縁層I1上に、信号
配線S2・接地配線G2を含み第1の平行配線群L1と
直交する第2の平行配線群L2を有する第2の絶縁層I
2を積層し、第1および第2の平行配線群L1・L2を
貫通導体群Tで電気的に接続して成る積層配線体を具備
して成り、第1および/または第2の平行配線群L1・
L2の信号配線S2の一部は、その終端が同じ絶縁層I
2において隣接する接地配線G2に、磁性体を含有する
終端抵抗体Rを介して接地されている多層配線基板であ
る。高周波ノイズを吸収できる終端処理構造を容易にか
つ精度よく形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子回路基板等に使
用される多層配線基板に関し、より詳細には高速で作動
する半導体素子を搭載する多層配線基板における配線構
造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体集積回路素子等の半導体素
子が搭載され、電子回路基板等に使用される多層配線基
板においては、内部配線用の配線導体の形成にあたっ
て、アルミナ等のセラミックスから成る絶縁層とタング
ステン(W)等の高融点金属から成る配線導体とを交互
に積層して多層配線基板を形成していた。
【0003】従来の多層配線基板においては、内部配線
用配線導体のうち信号配線は通常はストリップ線路構造
とされており、信号配線として形成された配線導体の上
下に絶縁層を介していわゆるベタパターン形状の広面積
の接地(グランド)層または電源層が形成されていた。
【0004】また、多層配線基板が取り扱う電気信号の
高速化に伴い、絶縁層を比誘電率が10程度であるアルミ
ナセラミックスに代えて比誘電率が3.5 〜5と比較的小
さいポリイミド樹脂やエポキシ樹脂を用いて形成し、こ
の絶縁層上に蒸着法やスパッタリング法等の気相成長法
による薄膜形成技術を用いて銅(Cu)から成る内部配
線用導体層を形成し、フォトリソグラフィ法により微細
なパターンの配線導体を形成して、この絶縁層と配線導
体とを多層化することにより高密度・高機能でかつ半導
体素子の高速作動が可能となる多層配線基板を得ること
も行なわれていた。
【0005】一方、多層配線基板の内部配線の配線構造
として、配線のインピーダンスの低減や信号配線間のク
ロストークの低減等を図り、しかも高密度配線を実現す
るために、各絶縁層の上面に平行配線群を形成し、これ
を多層化して各層の配線群のうち所定の配線同士をビア
導体やスルーホール導体等の貫通導体を介して電気的に
接続する構造が提案されている。
【0006】このような平行配線群を有する多層配線基
板においては、この多層配線基板に搭載される半導体素
子等の電子部品とこの多層配線基板が実装される実装ボ
ードとを電気的に接続するために、多層配線基板内で各
平行配線群のうちから適当な配線を選択し、異なる配線
層間における配線同士の接続はビア導体等の貫通導体を
介して行なわれる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のような平行配線
群を有する多層配線基板についても、搭載される半導体
素子等の電子部品の高周波化に伴いEMI(電磁的干
渉)ノイズが問題とされるようになっている。このEM
Iノイズとは、各種電子機器から不要な電磁波が放射さ
れることによりこの電磁波が電子機器内もしくは周辺の
他の電子機器の電子回路に対して侵入して電磁的な干渉
を生じ、これが電子回路にノイズとして影響を与えるも
のであり、電子機器が誤動作を引き起こす原因となるも
のである。
【0008】このEMIノイズの対策としては、通常は
次のような3つのレベルでの対策が考えられる。第1に
電子機器等のシステムレベルでは、電子機器を構成する
筐体の内側等に電波吸収剤をコーティングするなどの方
法により、電磁波を遮断するといった対策がある。第2
に電子回路が構成されるボードレベルでは、電子回路中
にEMIフィルタやコンデンサ等のEMI対策部品を使
用するといった対策がある。第3に半導体素子等の電子
部品を搭載もしくは収容する多層配線基板やパッケージ
等のパッケージレベルでは、内部の配線層をベタパター
ンといわれる広面積の接地導体層で覆ってEMIノイズ
をシールドするといった対策がある。
【0009】これに対し、以上のような平行配線群を有
する従来の多層配線基板においては、その配線方向は互
いに直交するいわゆるX方向とY方向とで構成されてお
り、広面積の接地導体層が存在しないことから、上記の
パッケージレベルで行なわれるEMI対策が施されてい
ないという問題点があった。
【0010】一方、EMIノイズが生じるのは、例えば
信号配線における反射ノイズやクロストークノイズ・電
源/グランドノイズに含まれる高調波成分が放射される
ことによるため、これらのノイズの低減を図ることもE
MIノイズ対策として有効である。そこで、多層配線基
板においてこのような反射ノイズを低減させる対策とし
て、内部配線における信号配線の終端部を終端抵抗を介
して接地導体層や接地配線に接続する、いわゆる終端処
理が行なわれる。
【0011】しかしながら、従来のストリップ線路構造
の内部配線を有する多層配線基板においては、図3
(a)〜(c)にそれぞれ絶縁層1a・1b・1c毎の
平面図で、また図4にそれらを積層した状態の断面図で
示すように、ストリップ線路による信号配線2と接地層
3a・3cとは異なる絶縁層間に配設されているため、
信号配線2と同一平面にパターン化した抵抗層を形成し
て終端抵抗体4を設け、その一端を信号配線2の端部に
接続した場合に、その終端抵抗体4の他端を接地層3a
に電気的に接続するためには、絶縁層1bを貫通するビ
ア導体やスルーホール導体等の貫通導体5ならびにこの
貫通導体5と終端抵抗体4とを接続するための接地ラン
ド6を形成する必要があることから、終端抵抗体4を接
続するための貫通導体5や接地ランド6等の余分な配線
パターンが必要となり、配線構造が複雑なものとなって
しまうという問題点があった。なお、図4において1d
は、絶縁層1c上に積層された、多層配線基板の表面層
となる絶縁層である。
【0012】また、終端抵抗体のみならず、貫通導体や
接地ランド等の抵抗も含めて所定の抵抗値に合わせ込む
必要があることから、終端抵抗体4の抵抗値の精度が悪
く、所望通りの抵抗値を得ることが困難であるという問
題点もあった。
【0013】これに対して、直交させた平行配線群を有
する多層配線基板においては、平行配線群中の信号配線
の必要な箇所でその終端を同じ絶縁層において隣接する
接地配線に終端抵抗体を介して接地することで、精度良
く終端処理を行なうことができる。
【0014】しかしながら、この場合においても、反射
以外の原因で生じるノイズについては終端抵抗体を通し
て信号配線中を伝播してしまい、搭載される半導体素子
等に侵入してその誤動作を引き起こすことがあるという
問題点があった。
【0015】本発明は上記問題点に鑑み案出されたもの
であり、その目的は、余分な貫通導体の形成を必要とせ
ず、形成が容易で高精度の終端抵抗体で信号配線を精度
良く終端させることができ、しかもその電気的特性を劣
化させることなく反射以外の原因で生じるEMIノイズ
も抑制することができる、高速で作動する半導体素子等
の電子部品を搭載する電子回路基板やパッケージ等に好
適な多層配線基板を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の多層配線基板
は、信号配線および接地配線を含む第1の平行配線群を
有する第1の絶縁層上に、信号配線および接地配線を含
み前記第1の平行配線群と直交する第2の平行配線群を
有する第2の絶縁層を積層し、前記第1および第2の平
行配線群を貫通導体群で電気的に接続して成る積層配線
体を具備して成り、前記第1の平行配線群および/また
は前記第2の平行配線群の前記信号配線の一部は、その
終端が同じ絶縁層において隣接する前記接地配線に、磁
性体を含有する終端抵抗体を介して接地されていること
を特徴とするものである。
【0017】また、本発明の多層配線基板は、上記構成
において、前記第1および第2の平行配線群は、それぞ
れ複数の信号配線と、各信号配線に隣接する電源配線ま
たは接地配線とを有することを特徴とするものである。
【0018】本発明の多層回路基板によれば、信号配線
および接地配線を含む平行配線群を互いに直交配置して
貫通導体群で接続して成る積層配線体において、終端処
理を行なう信号配線である平行配線群の信号配線の一部
の終端を、同じ絶縁層において隣接する接地配線に対し
て同じ絶縁層に形成された終端抵抗体を介して電気的に
接続して接地されていることから、終端抵抗体は信号配
線や接地配線と同様に厚膜印刷法や各種の薄膜形成法等
により形成でき、信号配線の終端処理に際して従来のよ
うに余分な貫通導体を形成する必要がないため、配線構
造が複雑なものとなることはなく容易に終端処理構造を
形成することができる。
【0019】また、従来のように貫通導体や接地ランド
が必要ではなく、終端抵抗体のみの抵抗値を合わせ込む
だけでよいことから、終端抵抗体の抵抗値の精度が高
く、高精度の終端処理を行なって良好な高周波特性を有
する多層配線基板を得ることができる。
【0020】さらに、終端抵抗体が磁性体を含有するも
のであることから、信号配線中を伝播する高周波ノイズ
信号をこの磁性体により信号配線の終端部において熱エ
ネルギーに変換させて吸収することができ、その結果、
EMIノイズの侵入や放射を防止し、搭載される半導体
素子等の電子部品の誤動作を引き起こすことなく正常に
動作させることができる。
【0021】これにより、本発明の多層配線基板によれ
ば、余分な貫通導体の形成を必要とせず、形成が容易で
高精度の終端抵抗体で信号配線を精度よく終端させるこ
とができ、しかもその電気的特性を劣化させることなく
反射以外の原因で生じるEMIノイズも抑制することが
できる、高速で作動する半導体素子等の電子部品を搭載
する電子回路基板やパッケージ等に好適な多層配線基板
となる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の多層配線基板につ
いて添付図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
【0023】図1は本発明の多層配線基板に係る積層配
線体の実施の形態の一例を示す分解平面図であり、同図
(a)は第2の絶縁層の、(b)は第1の絶縁層の平面
図をそれぞれ示している。また、図2はこれらを積層し
て成る積層配線体を含む本発明の多層配線基板の実施の
形態の一例を示す断面図である。
【0024】これらの図において、I1〜I3はそれぞ
れ第1〜第3の絶縁層であり、L1およびL2はそれぞ
れ第1および第2の絶縁層I1・I2の上面に略平行に
配設された第1および第2の平行配線群、S1およびS
2はそれぞれ第1および第2の平行配線群L1・L2中
の信号配線、G1およびG2はそれぞれ第1および第2
の平行配線群L1・L2中の接地配線、P1およびP2
はそれぞれ第1および第2の平行配線群L1・L2中の
電源配線、Tは第1の平行配線群L1と第2の平行配線
群L2とを所定の箇所で電気的に接続する貫通導体群で
ある。
【0025】また、Rは、ここでは第2の絶縁層I2上
に、第2の平行配線群L2の信号配線S2とそれに隣接
する接地配線G2との間に形成された、磁性体を含有す
る終端抵抗体である。これらにより本発明の多層配線基
板に係る積層配線体が構成されている。
【0026】なお、同じ平面に配設された複数の信号配
線S1・S2はそれぞれ異なる信号を伝送するものとし
てもよく、同じ平面に配設された複数の電源配線P1・
P2はそれぞれ異なる電源を供給するものとしてもよ
い。
【0027】このような本発明の多層配線基板には、例
えばその表面にMPU(Micro Processing Unit )・A
SIC(Application Specific Integrated Circuit )
・DSP(Digital Signal Processor)のような半導体
素子等の電子部品が搭載される。そして、半導体素子収
納用パッケージ等の電子部品収納用パッケージや電子部
品搭載用基板、多数の半導体集積回路素子が搭載される
いわゆるマルチチップモジュールやマルチチップパッケ
ージ、あるいはマザーボード等として使用される。これ
らの電子部品は、例えばいわゆるバンプ電極によりこの
多層配線基板の表面に実装されて、あるいは接着剤・ろ
う材等により搭載部に取着されるとともにボンディング
ワイヤ等を介して、貫通導体等により例えば第2の平行
配線群L2と電気的に接続される。なお、外部電気回路
との接続部ならびに搭載される半導体素子等の電子部品
との接続部は図示していない。
【0028】貫通導体群Tは、ここでは絶縁層I2を貫
通して上下の配線同士を、あるいは配線と半導体素子ま
たは多層配線基板の表面に形成される外部接続端子等と
を電気的に接続するものであり、通常はスルーホール導
体やビア導体等が用いられ、接続に必要な箇所に形成さ
れる。
【0029】本発明の多層配線基板の積層配線体におい
ては、信号配線S1および接地配線G1を含む第1の平
行配線群L1は第1の方向に略平行に配線され、この上
に積層される同じく信号配線S2および接地配線G2を
含む第2の平行配線群L2は第1の方向と直交する第2
の方向に略平行に配設されており、これらの各配線が第
2の絶縁層I2を貫通する貫通導体群Tで電気的に接続
されて、積層配線体を構成している。
【0030】このような積層配線体によれば、第1の平
行配線群L1と第2の平行配線群L2とが直交するよう
に積層されていることから、それら平行配線群L1・L
2の配線間におけるクロストークノイズを減少させて最
小とすることができる。
【0031】また、この積層配線体の第2の平行配線群
L2の信号配線S2の一部の終端には、その信号配線S
2と隣接する接地配線G2との間に、信号配線S2の終
端と接地配線G2との間に電気的に接続されて信号配線
S2の終端処理を行なうための終端抵抗体Rが形成さ
れ、これによりこの信号配線S2の終端処理が行なわれ
ている。
【0032】このような終端抵抗体Rは、第1の平行配
線群L1に対して形成してその信号配線S1の終端処理
に用いてもよく、平行配線群L1・L2と同様にして厚
膜印刷法や蒸着・スパッタリング等の薄膜形成法により
形成すればよい。
【0033】また、終端抵抗体Rの抵抗値は、搭載され
る半導体素子のデバイス特性や多層配線基板の仕様等に
応じて適宜設定すればよいが、通常は配線の特性インピ
ーダンスと同じ50Ωに設定すればよい。
【0034】なお、終端抵抗値Rの抵抗値のばらつき
は、特性インピーダンスのミスマッチにより生じる反射
ノイズを半導体素子等のデバイスが誤動作しないレベル
に抑えるためには、±5%以内となるようにすることが
好ましい。
【0035】このような終端抵抗体Rを形成するための
抵抗材料としては、抵抗温度係数が低く、また許容電流
値が大きいものとして、例えばタングステン・レニウム
・モリブデンやニクロム・窒化タンタルあるいはそれら
の合金を用いることができる。また、磁性体を含有させ
ることから、さらに低抵抗の合金材料、例えば銅を主成
分とする金属材料等も用いることができる。中でも、タ
ングステン−レニウム合金を用いると、抵抗温度係数が
約100 ppm/℃と低く、絶縁層にセラミックスを用い
る場合に絶縁層との同時焼成が可能である点で好適なも
のとなる。
【0036】そして、本発明の多層配線基板において
は、このような終端抵抗体Rに磁性を持たせるために磁
性体を含有させている。終端抵抗体Rに磁性体を含有さ
せるには、例えば抵抗体ペーストに磁性体粉末を含有さ
せて終端抵抗体Rを形成すればよく、磁性体としては例
えばZnFe2 4 ・MnFe2 4 ・FeFe2 4
・CoFe2 4 ・NiFe2 4 ・CuFe2 4
少なくとも1種以上が好適に使用される。例えば、Cu
Fe2 4 を用いると、セラミックスとの同時焼成時に
おける導体金属との粒子拡散による特性劣化が少ないこ
とから、良好な焼結体となって所望の抵抗値を制御する
ことが容易な良好な終端抵抗体Rが得られる。
【0037】また、磁性体の含有量は、終端抵抗体R中
に10〜70重量%程度含有されるようにすることがよく、
含有量が約10重量%未満となると十分な磁性を持たせる
ことが困難となって高周波ノイズ信号を十分に吸収する
ことができなくなる傾向があり、また、抵抗材料に銅等
の比較的低抵抗のものを用いた場合には、回路内に必要
とされる十分な抵抗値が得られなくなる傾向もある。他
方、含有量が約70重量%を超えると焼結速度の違いによ
り焼結時に反りが大きくなる等、良好な焼結体による終
端抵抗体Rが得られなくなる傾向がある。
【0038】終端抵抗体Rの幅や長さ・厚み等は、選択
した材料の抵抗率等により、また所望の磁気特性が得ら
れるように適宜設定すればよい。一例として、銅を主成
分とするペーストに上記の磁性体粉末を含有させた場合
であれば、幅を100 μm程度、厚みは信号配線と同程度
の厚みとし、長さは所望の抵抗値、例えば50Ωとなるよ
うに設定すればよい。
【0039】なお、上記のZnFe2 4 ・MnFe2
4 ・FeFe2 4 等の磁性体粉末は、中性または還
元性雰囲気にて約1200℃の温度で磁性を失う傾向がある
が、絶縁層I1〜I3を例えばSiO2 −Al2 3
MgO−ZnO−B2 3 系結晶性ガラスセラミックス
等で形成すれば、この絶縁層I1〜I3の焼成温度は約
800 〜1050℃と低いことから、絶縁層I1〜I3と終端
抵抗体Rとを同時焼成によって形成しても終端抵抗体R
中の磁性体が磁性を失うことはなく、この終端抵抗体R
によって高周波ノイズ信号を熱エネルギーに変換して吸
収することができる。
【0040】図1および図2に示す例では、積層配線体
を構成する第1および第2の平行配線群L1・L2は信
号配線S1・S2に電源配線P1・P2または接地配線
G1・G2をそれぞれ隣接するように配設している。こ
れにより、同じ絶縁層I1・I2上の信号配線S1・S
2間を電磁的に遮断して、同じ平面上の左右の信号配線
S1・S2間のクロストークノイズを良好に低減するこ
とができる。
【0041】さらに、信号配線S1・S2に必ず電源配
線P1・P2または接地配線G1・G2を隣接させるこ
とで、同じ平面上の電源配線P1・P2と信号配線S1
・S2および接地配線G1・G2と信号配線S1・S2
との相互作用が最大となり、電源配線P1・P2および
接地配線G1・G2のインダクタンスを減少させること
ができる。このインダクタンスの減少により、電源ノイ
ズおよび接地ノイズを効果的に低減することができる。
【0042】なお、このことは、第1の平行配線群L1
の下方または第2の平行配線群L2の上方の配線層とし
て同様に直交する平行配線群を用いた場合には、これら
についても同様に適用することができる。
【0043】また、本発明の多層配線基板においては、
積層配線体の上下には種々の配線構造の多層配線部を積
層して多層配線基板を構成することができる。例えば、
積層配線体と同様に平行配線群を直交させて積層した構
成の配線構造、あるいはストリップ線路構造の配線構
造、その他、マイクロストリップ線路構造・コプレーナ
線路構造等を多層配線基板に要求される仕様等に応じて
適宜選択して用いることができる。
【0044】また、例えば、ポリイミド絶縁層と銅蒸着
による導体層といったものを積層して、電子回路を構成
してもよい。また、チップ抵抗・薄膜抵抗・コイルイン
ダクタ・クロスコンデンサ・チップコンデンサ・電解コ
ンデンサといったものを取着して半導体素子収納用パッ
ケージを構成してもよい。
【0045】また、第1および第2の絶縁層I1・I2
を始めとする各絶縁層の形状は、図示したような略正方
形状のものに限られるものではなく、長方形状や菱形状
・多角形状等の形状であってもよい。
【0046】なお、第1および第2の平行配線群L1・
L2は、第1および第2の絶縁層I1・I2の表面に形
成するものに限られず、それぞれの絶縁層I1・I2の
内部に形成したものであってもよい。
【0047】また、図2に示す例に対して、第2の平行
配線群L2を第2の絶縁層I2の内部に形成した場合に
は、第2の平行配線群L2は表面に露出しないため、第
3の絶縁層I3は必ずしも必要ではない。
【0048】本発明の多層配線基板において、第1およ
び第2の絶縁層I1・I2を始めとする各絶縁層は、例
えばセラミックグリーンシート積層法によって、酸化ア
ルミニウム質焼結体や窒化アルミニウム質焼結体・炭化
珪素質焼結体・窒化珪素質焼結体・ムライト質焼結体・
ガラスセラミックス等の無機絶縁材料を使用して、ある
いはポリイミド・エポキシ樹脂・フッ素樹脂・ポリノル
ボルネン・ベンゾシクロブテン等の有機絶縁材料を使用
して、あるいはセラミックス粉末等の無機絶縁物粉末を
エポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂で結合して成る複合絶
縁材料などの電気絶縁材料を使用して形成される。
【0049】これら絶縁層は、それぞれの絶縁層の特性
に応じて、グリーンシート積層法やビルドアップ法等の
方法により所望の多層配線基板を構成するように形成す
ればよい。これら絶縁層の厚みとしては、使用する材料
の特性に応じて、また要求される仕様に対応する機械的
強度や電気的特性・貫通導体群の形成の容易さ等の条件
を満たすように適宜設定される。
【0050】第1および第2の平行配線群L1・L2や
その他の配線層ならびに貫通導体群T等は、例えばタン
グステンやモリブデン・モリブデン−マンガン・銅・銀
・銀−パラジウム等の金属粉末メタライズ、あるいは銅
・銀・ニッケル・クロム・チタン・金・ニオブやそれら
の合金等の金属材料の薄膜等から成る。
【0051】これら配線導体および貫通導体も、それぞ
れの材料の特性や絶縁層への形成方法に従って、例えば
厚膜印刷法により、あるいはスパッタリング法・真空蒸
着法またはメッキ法により金属層を形成した後フォトリ
ソグラフィ法により、所定のパターン形状・大きさに設
定されて形成され、各絶縁層に配設される。
【0052】第1および第2の平行配線群L1・L2の
各配線の幅および配線間の間隔は、使用する材料の特性
に応じて、要求される仕様に対応する電気的特性や絶縁
層I1・I2への配設の容易さ等の条件を満たすように
適宜設定される。
【0053】なお、各平行配線群L1・L2の厚みは1
〜20μm程度とすることが好ましい。この厚みが1μm
未満となると配線の抵抗が大きくなるため、配線群によ
る半導体素子への良好な電源供給や安定したグランドの
確保・良好な信号の伝搬が困難となる傾向が見られる。
他方、20μmを超えるとその上に積層される絶縁層によ
る被覆が不十分となって絶縁不良となる場合がある。
【0054】貫通導体群Tの各貫通導体は、横断面形状
が円形のものの他にも楕円形や正方形・長方形等の矩
形、その他の異形状のものを用いてもよい。その位置や
大きさは、使用する材料の特性に応じて、要求される仕
様に対応する電気的特性や絶縁層への形成・配設の容易
さ等の条件を満たすように適宜設定される。
【0055】例えば、絶縁層にガラスセラミックスを用
い、平行配線群に銅(Cu)を主成分とする配線導体を
用いた場合であれば、絶縁層の厚みを100 μmとし、配
線の線幅を100 μm、配線間の間隔を100 μm、貫通導
体の大きさを100 μmとすることによって、信号配線の
インピーダンスを50Ωとし、上下の平行配線群間を高周
波信号の反射を抑えつつ電気的に接続することができ
る。そして、終端抵抗体Rとして例えばCu:CuFe
2 4 =40重量%:60重量%の材料を用い、厚み20μm
・幅200 μmで長さを100 μmとすることによって、終
端抵抗体Rの抵抗値を50Ωとしてさらにノイズ抑制に必
要な磁性を持たせることができ、信号配線S1・S2の
終端とそれらに隣接する接地配線G1・G2との間を安
定して接続し接地することができるとともに高周波ノイ
ズ信号を効果的に吸収させることができて、EMIノイ
ズ対策にも有効な、良好な終端処理構造を形成すること
ができる。
【0056】なお、本発明は以上の実施の形態の例に限
定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲
で種々の変更を加えることは何ら差し支えない。例え
ば、上述の例では終端抵抗体を信号配線の端部に接続し
たものを示したが、終端抵抗体は、搭載される半導体素
子間の出力−入力間で行なわれるように、信号配線の途
中に接続するものであってもよい。また、絶縁層に有機
絶縁材料として例えばポリイミドを用いる場合であれ
ば、終端抵抗体の材料にはニクロムや珪酸タンタルに磁
性体を含有させたもの等を用いればよい。
【0057】また、上述の実施例では本発明を半導体素
子を搭載する多層配線基板として説明したが、これを半
導体素子を収容する半導体素子収納用パッケージや、あ
るいはマルチチップモジュールに適用するものとしても
よい。また、放熱を考慮した窒化アルミニウム質焼結体
・炭化珪素質焼結体や、低誘電率を考慮したガラスセラ
ミックス質焼結体を用いたものとしてもよい。
【0058】
【発明の効果】本発明の多層回路基板によれば、信号配
線および接地配線を含む平行配線群を互いに直交配置し
て貫通導体群で接続して成る積層配線体において、平行
配線群の信号配線のうち終端処理を行なうものの終端
を、同じ絶縁層に配設されこの信号配線に隣接する接地
配線に対して、同じ絶縁層に形成された磁性体を含有す
る終端抵抗体を介して電気的に接続して接地されている
ことから、終端抵抗体は信号配線や接地配線と同様に容
易に精度よく形成することができ、従来のように他の配
線層との間を接続するための余分な貫通導体を形成する
必要がないため、配線構造が複雑なものとなることはな
く、容易に高精度の終端処理構造を形成することができ
る。
【0059】また、終端抵抗体の抵抗値を高精度に制御
することができるので、高精度の終端処理により良好な
高周波特性を有する多層配線基板を得ることができる。
【0060】さらに、終端抵抗体が磁性体を含有するも
のであることから、信号配線中を伝播する高周波ノイズ
信号をこの磁性体により信号配線の終端部において熱エ
ネルギーに変換させて吸収することができ、その結果、
EMIノイズの侵入や放射を防止し、搭載される半導体
素子等の電子部品の誤動作を引き起こすことなく正常に
動作させることができる。
【0061】以上により、本発明によれば、余分な貫通
導体の形成を必要とせず、形成が容易で高精度の終端抵
抗体で信号配線を精度よく終端させることができ、しか
もその電気的特性を劣化させることなく反射以外の原因
で生じるEMIノイズも抑制することができる、高速で
作動する半導体素子等の電子部品を搭載する電子回路基
板やパッケージ等に好適な多層配線基板を提供すること
ができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)および(b)は、それぞれ本発明の多層
配線基板に係る積層配線体の実施の形態の一例を示す第
1の絶縁層および第2の絶縁層の平面図である。
【図2】図1に示す積層配線体を含む本発明の多層配線
基板の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図3】(a)〜(c)は、それぞれ従来の多層配線基
板の例を示す絶縁層毎の平面図である。
【図4】図3に示す絶縁層を積層した状態の多層配線基
板の例を示す断面図である。
【符号の説明】
I1、I2・・・・絶縁層 L1、L2・・・・平行配線群 P1、P2・・・・電源配線 G1、G2・・・・接地配線 S1、S2・・・・信号配線 T・・・・・・・・貫通導体群 R・・・・・・・・終端抵抗体
フロントページの続き Fターム(参考) 5E346 AA04 AA05 AA12 AA14 AA15 AA22 AA32 AA34 AA35 AA43 AA51 BB02 BB03 BB04 BB06 BB07 BB12 BB15 CC02 CC08 CC09 CC10 CC16 CC17 CC18 CC19 CC25 CC32 CC35 CC36 CC37 CC38 CC39 DD09 DD13 DD16 DD17 DD22 DD34 DD44 EE24 FF05 FF07 FF09 FF10 FF17 FF18 GG06 HH01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 信号配線および接地配線を含む第1の平
    行配線群を有する第1の絶縁層上に、信号配線および接
    地配線を含み前記第1の平行配線群と直交する第2の平
    行配線群を有する第2の絶縁層を積層し、前記第1およ
    び第2の平行配線群を貫通導体群で電気的に接続して成
    る積層配線体を具備して成り、前記第1の平行配線群お
    よび/または前記第2の平行配線群の前記信号配線の一
    部は、その終端が同じ絶縁層において隣接する前記接地
    配線に、磁性体を含有する終端抵抗体を介して接地され
    ていることを特徴とする多層配線基板。
  2. 【請求項2】 前記第1および第2の平行配線群は、そ
    れぞれ複数の信号配線と、各信号配線に隣接する電源配
    線または接地配線とを有することを特徴とする請求項1
    記載の多層配線基板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006237506A (ja) * 2005-02-28 2006-09-07 Sumitomo Bakelite Co Ltd 磁性体ペースト、インダクタおよび多層配線板
JP2006322258A (ja) * 2005-05-20 2006-11-30 Matsushita Electric Ind Co Ltd トイレ装置

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