JP2001117283A - 高抵抗黒色トナー用黒色非磁性粒子粉末及び該黒色非磁性粒子粉末を用いた高抵抗黒色トナー - Google Patents

高抵抗黒色トナー用黒色非磁性粒子粉末及び該黒色非磁性粒子粉末を用いた高抵抗黒色トナー

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JP2001117283A JP2000131864A JP2000131864A JP2001117283A JP 2001117283 A JP2001117283 A JP 2001117283A JP 2000131864 A JP2000131864 A JP 2000131864A JP 2000131864 A JP2000131864 A JP 2000131864A JP 2001117283 A JP2001117283 A JP 2001117283A
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toner
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Kazuyuki Hayashi
一之 林
Hiroko Morii
弘子 森井
Yasuyuki Tanaka
泰幸 田中
Seiji Ishitani
誠治 石谷
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Toda Kogyo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流動性及び黒色度がより優れているととも
に、結着剤樹脂中への分散性が優れている高抵抗黒色ト
ナー用黒色非磁性粒子粉末を得る。 【解決手段】 ヘマタイト粒子粉末又は含水酸化第二鉄
粒子粉末の粒子表面にアルコキシシランから生成するオ
ルガノシラン化合物又はポリシロキサンが被覆されてお
り、該被覆の少なくとも1部にカーボンブラックが付着
している平均粒子径0.06〜1.0μmの黒色複合非
磁性粒子粉末であって、上記カーボンブラックの総付着
量が前記ヘマタイト粒子粉末又は前記含水酸化第二鉄粒
子粉末100重量部に対して26〜55重量部であるこ
とを特徴とする高抵抗黒色トナー用黒色非磁性粒子粉
末。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粒子表面から脱離する
カーボンブラックが少ないことにより、結着剤樹脂中へ
の分散性が優れており、且つ、流動性及び黒色度がより
優れている高抵抗黒色トナー用黒色非磁性粒子粉末を提
供するとともに、該黒色非磁性粒子粉末を用いた流動性
及び黒色度により優れた高抵抗黒色トナーを提供するこ
とを目的とする。
【0002】
【従来の技術】電子写真現像プロセスにおいては、現像
剤として結着剤樹脂中にカーボンブラック微粒子粉末等
の非磁性黒色顔料を混合分散させた黒色トナーが広く使
用されている。
【0003】近年における現像方式は、2成分系現像法
と1成分系現像法とに大別できる。
【0004】2成分系現像法は、黒色トナーとキャリア
とを摩擦して静電潜像と反対符号の電荷を黒色トナーに
与えて、静電潜像表面に静電引力によって黒色トナーを
付着させ、電荷を中和することにより現像する方式であ
る。
【0005】一方、1成分系現像法は、キャリアを必要
としないので黒色トナーの濃度制御が不要で、しかも、
現像機の構造が簡単で、小型化が可能であるという特徴
がある反面、上記2成分系現像法と同等の性能を得るた
めに高度の技術が要求されている。1成分系現像法の一
つとして、磁性粒子を使用せずに結着剤樹脂中にカーボ
ンブラック微粒子粉末を分散させた絶縁性乃至高抵抗黒
色トナーを使用する、所謂、絶縁性非磁性トナー現像法
がある。
【0006】上記2成分系現像法及び上記絶縁性非磁性
トナー現像法において使用する黒色トナーは、現在、複
写機の主流を占めているPPC方式の場合、いずれも絶
縁性乃至高抵抗性であることが必要であり、体積固有抵
抗値が1×1013Ω・cm以上を有することが要求され
る。
【0007】現像剤の流動性は、現像機の中における現
像剤の挙動を強く支配し、2成分系現像法における黒色
トナーとキャリアとの摩擦帯電性、あるいは、1成分系
現像法におけるスリーブ上での黒色トナーの帯電特性に
影響を与えることが知られており、近時の画像濃度や階
調性等現像機の高画質化や高速化に伴って、黒色トナー
の流動性の向上が強く要求されている。
【0008】そして、黒色トナーの流動性の向上は、近
時における黒色トナーの小粒径化に伴って益々強く要求
されている。
【0009】この事実は、日本科学情報株式会社発行
「トナー材料の開発・実用化総合技術資料集」(198
5年)の第121頁の「‥‥IPC等のプリンターが巾
広く展開するにつれて、画質の高品位化が要求される。
特に高解像力、高精細プリンターの出現が求められる。
表−1に各種トナーを用いたときの解像力の関係を示し
たが、小径である湿式トナーは高解像力を出すことがで
きる。乾式トナーを用いて解像力を高めるためにもトナ
ーの小径化が必要である。‥‥小径トナーを用いた報告
としては、8.5μ〜11μのトナーを用いることによ
り、下地カブリ改良、さらに消費量の軽減をはかる。そ
の他、6〜10μのポリエステル系トナーを採用する
と、高画質化、及び帯電性の安定、現像剤寿命の改良提
案もある。しかし小径トナーを使用する際には、多くの
問題を解決しなくてはならない。製造性、粒度分布のシ
ャープさ、流動性改良、‥‥等が存在する。‥‥」なる
記載の通りである。
【0010】更に、黒色トナーは、複写された線画像、
ソリッドエリア画像の黒さ、濃さの程度が高いことが要
求されている。
【0011】この事実は、前出「トナー材料の開発・実
用化総合技術資料集」の第272頁の「‥‥画像濃度が
高いことは粉末現像の特徴であるが、後述のかぶり濃度
と共に画像特性を大きく左右する事項である。‥‥」な
る記載の通りである。
【0012】上述した通り、黒色トナーの諸特性の向上
は強く要求されているところである。この黒色トナー
は、殊に、トナーの表面から露出した黒色顔料が、現像
特性に大きく影響することが知られており、黒色トナー
の上記諸特性と黒色トナー中に混合分散されている黒色
顔料の諸特性とは密接な関係がある。
【0013】即ち、黒色トナーの流動性は、黒色トナー
表面に露出している黒色顔料の表面状態に大きく依存す
ることから、黒色顔料自体の流動性が優れていることが
強く要求されている。黒色トナーの黒さ、濃さの程度も
同様に、黒色トナーに含有されている黒色顔料の黒さ、
濃さの程度に大きく依存している。
【0014】現在、黒色トナーに使用する黒色顔料とし
ては、主にカーボンブラック微粒子粉末が使用されてい
る(特許第2715336号公報、特開平10−395
46号公報)。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】流動性及び黒色度がよ
り優れているとともに、結着剤樹脂中への分散性が優れ
ている高抵抗黒色トナー用黒色非磁性粒子粉末は、現在
最も要求されているところであるが、このような特性を
有する黒色非磁性粒子粉末は未だ得られていない。
【0016】即ち、黒色トナー用黒色非磁性粒子粉末と
して前出公知のカーボンブラック微粒子粉末を使用した
場合、黒色トナーの体積固有抵抗値を1×1013Ω・c
m以上とするためにはカーボンブラック微粒子粉末の使
用量に限界があるため、十分な黒色度が得られず、流動
性も十分ではないという問題があった。
【0017】これらの事実について以下に説明する。
【0018】カーボンブラック微粒子粉末は、それ自体
導電性であるため、黒色トナーの黒色度を高めるために
多量に添加、混合して使用するとカーボンブラック微粒
子粉末がストラクチャーを形成した状態で磁性トナーの
粒子表面に存在するためトナーの体積固有抵抗値が低下
し、絶縁性乃至高抵抗性トナーとして使用できなくな
る。一方、黒色トナーの体積固有抵抗値を上げるため、
黒色トナー中のカーボンブラック微粒子粉末の使用量を
削減した場合には、黒色度が低下するばかりでなく、カ
ーボンブラック微粒子粉末が平均粒子径0.010〜
0.060μmと微細な粒子であることに起因して、カ
ーボンブラック微粒子が黒色トナーの粒子内部に含有・
埋没し、黒色トナーの粒子表面に露出するカーボンブラ
ック微粒子が減少するため、流動性もまた低下する傾向
にある。
【0019】更に、カーボンブラック微粒子粉末は、比
重が1.80〜1.85と非常に低いためハンドリング
しにくく、且つ、これを結着剤樹脂中に分散させて黒色
トナーとしたとき、カサ比重の低いトナーしか得られな
いために、得られたトナーは飛散しやすく、又、流動性
の悪いものとなる。
【0020】そこで、本発明は、流動性及び黒色度がよ
り優れているとともに、結着剤樹脂中への分散性が優れ
ている高抵抗黒色トナー用黒色非磁性粒子粉末を得るこ
とを技術的課題とする。
【0021】
【課題を解決する為の手段】前記技術的課題は次の通り
の本発明によって達成できる。
【0022】即ち、本発明は、ヘマタイト粒子粉末又は
含水酸化第二鉄粒子粉末の粒子表面にアルコキシシラン
から生成するオルガノシラン化合物又はポリシロキサン
が被覆されており、該被覆の少なくとも1部にカーボン
ブラックが付着している平均粒子径0.06〜1.0μ
mの黒色複合非磁性粒子粉末であって、上記カーボンブ
ラックの総付着量が前記ヘマタイト粒子粉末又は前記含
水酸化第二鉄粒子粉末100重量部に対して26〜55
重量部である高抵抗黒色トナー用黒色非磁性粒子粉末、
ヘマタイト粒子粉末又は含水酸化第二鉄粒子粉末の粒子
表面に下層としてアルミニウムの水酸化物、アルミニウ
ムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物から
選ばれた1種又は2種以上の化合物が被覆され、上層と
してアルコキシシランから生成するオルガノシラン化合
物又はポリシロキサンが被覆されており、該被覆の少な
くとも1部にカーボンブラックが付着している平均粒子
径0.06〜1.0μmの黒色複合非磁性粒子粉末であ
って、上記カーボンブラックの総付着量が前記ヘマタイ
ト粒子粉末又は前記含水酸化第二鉄粒子粉末100重量
部に対して26〜55重量部ある高抵抗黒色トナー用黒
色非磁性粒子粉末及び前記いずれかの黒色非磁性粒子粉
末を用いた高抵抗黒色トナーである。
【0023】本発明の構成をより詳しく説明すれば、次
の通りである。
【0024】先ず、本発明に係る黒色非磁性粒子粉末に
ついて述べる。
【0025】本発明に係る黒色非磁性粒子粉末は、芯粒
子粉末であるヘマタイト粒子粉末又は含水酸化第二鉄粒
子粉末の粒子表面に、アルコキシシランから生成するオ
ルガノシラン化合物又はポリシロキサンが被覆されてお
り、該被覆の少なくとも1部にカーボンブラックが多量
に付着している平均粒子径0.06〜1.0μmの黒色
複合非磁性粒子粉末である。
【0026】本発明における芯粒子粉末は、ヘマタイト
粒子粉末、含水酸化第二鉄粒子粉末及びこれらの混合粒
子粉末である。得られる黒色非磁性粒子粉末の黒色度を
考慮すれば、黒色ヘマタイト粒子粉末及び黒色含水酸化
第二鉄粒子粉末が好ましい。黒色ヘマタイト粒子粉末と
しては、黒色ヘマタイト粒子粉末に対して5〜40重量
%のマンガンを含有するマンガン含有ヘマタイト粒子粉
末がある。黒色含水酸化第二鉄粒子粉末としては、黒色
含水酸化第二鉄粒子粉末に対して5〜40重量%のマン
ガンを含有するマンガン含有含水酸化第二鉄粒子粉末が
ある。
【0027】芯粒子粉末の粒子形状は、球状、粒状、六
面体状、八面体状及び多面体状等の球形度(平均最長径
/平均最短径)(以下、「球形度」という。)が1以上
2未満の等方性粒子や針状、紡錘状、米粒状等の軸比
(平均長軸径/平均短軸径)(以下、「軸比」とい
う。)が2以上の異方性粒子のいずれであってもよい。
得られる黒色非磁性粒子粉末の流動性を考慮すれば、芯
粒子の粒子形状は、等方性粒子が好ましく、より好まし
くは球状粒子及び粒状粒子である。
【0028】芯粒子粉末の粒子サイズは、平均粒子径が
0.055〜0.95μm、好ましくは0.065〜
0.75μm、より好ましくは0.065〜0.45μ
mである。
【0029】平均粒子径が0.95μmを超える場合に
は、得られる黒色非磁性粒子粉末が粗大粒子となり着色
力が低下する。0.055μm未満の場合には、粒子の
微細化による分子間力の増大により凝集を起こしやすい
ため、芯粒子粉末の粒子表面へのアルコキシシラン又は
ポリシロキサンによる均一な被覆処理及びカーボンブラ
ックによる均一な付着処理が困難となる。
【0030】芯粒子の粒子形状が異方性の場合、粒子粉
末の軸比の上限値は好ましくは20、より好ましくは1
8、更に好ましくは15である。軸比の上限値が20を
超える場合には、粒子の絡み合いが多くなり、芯粒子粉
末の粒子表面へのアルコキシシラン又はポリシロキサン
による均一な被覆処理及びカーボンブラックによる均一
な付着処理が困難となる。
【0031】芯粒子粉末の粒子径(異方性粒子の場合は
長軸径)の幾何標準偏差値は2.0以下が好ましく、よ
り好ましくは1.8以下であり、更に好ましくは1.6
以下である。幾何標準偏差値が2.0を超える場合に
は、存在する粗大粒子によって均一な分散が阻害される
ため、芯粒子粉末の粒子表面へのアルコキシシラン又は
ポリシロキサンによる均一な被覆処理及びカーボンブラ
ックによる均一な付着処理が困難となる。幾何標準偏差
値の下限値は1.01であり、1.01未満のものは工
業的に得られ難い。
【0032】芯粒子粉末のBET比表面積値は0.5m
2/g以上である。BET比表面積値が0.5m2/g未
満の場合には、芯粒子が粗大であったり、粒子相互間で
焼結が生じた粒子となっており、得られる黒色非磁性粒
子は粗大粒子となり着色力が低下する。黒色非磁性粒子
粉末の着色力を考慮すると、BET比表面積値は、好ま
しくは1.0m2/g以上、より好ましくは1.5m2
g以上である。芯粒子粉末の粒子表面へのアルコキシシ
ラン又はポリシロキサンによる均一な被覆処理及びカー
ボンブラックによる均一な付着処理を考慮すると、その
上限値は190m2/gであり、好ましくは140m2
g、より好ましくは90m2/gである。
【0033】芯粒子粉末の流動性は、流動性指数が25
〜42程度である。各種形状の芯粒子粉末のうち、球状
を呈した粒子粉末は流動性が優れているものであるが、
それでも流動性指数は30〜42程度である。
【0034】芯粒子粉末の黒色度は、ヘマタイト粒子粉
末の場合、通常L*値の下限値が18.0を超え、上限
値は36.0、好ましくは34.0であり、ゲータイト
粒子粉末の場合、通常L*値の下限値が18.0を超
え、上限値は38.0、好ましくは36.0であり、黒
色ヘマタイト粒子粉末の場合、通常L*値の下限値が1
8.0を超え、上限値は28.0、好ましくは25.0
であり、黒色ゲータイト粒子粉末の場合、通常L*値の
下限値が18.0を超え、上限値は30.0、好ましく
は28.0である。L*値が上記上限値を超える場合に
は、明度が高くなり、十分な黒色度を有する黒色非磁性
粒子粉末を得ることができない。
【0035】芯粒子粉末は、必要により、粒子表面をあ
らかじめ、アルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸
化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物から選ばれ
た1種又は2種以上の化合物(以下、「アルミニウムの
水酸化物等」という。)で被覆しておいてもよく、アル
ミニウムの水酸化物等で被覆しない場合に比べ、カーボ
ンブラックの脱離率をより低減することができるため、
黒色トナー製造時における結着剤樹脂中への分散性がよ
り向上する。
【0036】アルミニウムの水酸化物等による被覆量
は、アルミニウムの水酸化物等が被覆された芯粒子粉末
に対してAl換算、SiO2換算又はAl換算量とSi
2換算量との総和で0.01〜50重量%が好まし
い。
【0037】0.01重量%未満である場合には、アル
ミニウムの水酸化物等を被覆したことによるカーボンブ
ラックの脱離率低減効果が得られないため、黒色非磁性
粒子粉末の黒色トナー製造時における結着剤樹脂への分
散性改良効果が得られない。
【0038】50重量%を超える場合には、アルミニウ
ムの水酸化物等を被覆したことによるカーボンブラック
の脱離率低減効果により、黒色非磁性粒子粉末の黒色ト
ナー製造時における結着剤樹脂への分散性改良効果が得
られるが、その効果が飽和するので必要以上に被覆する
意味がない。
【0039】芯粒子粉末の粒子表面がアルミニウムの水
酸化物等で被覆されている本発明に係る黒色非磁性粒子
粉末は、芯粒子粉末の粒子表面がアルミニウムの水酸化
物等で被覆されていない本発明に係る黒色非磁性粒子粉
末の場合とほぼ同程度の粒子サイズ、幾何標準偏差値、
BET比表面積値、流動性及び黒色度L*値を有してい
る。
【0040】また、カーボンブラックの脱離率は、アル
ミニウムの水酸化物等で被覆することによって向上し、
その場合のカーボンブラックの脱離率は、10%以下が
好ましく、より好ましくは5%以下を有している。
【0041】本発明に係る黒色非磁性粒子の粒子形状や
粒子サイズは、芯粒子であるヘマタイト粒子及び含水酸
化第二鉄粒子の粒子形状や粒子サイズに大きく依存し、
芯粒子に相似する粒子形態を有しているとともに、芯粒
子よりも若干大きい粒子サイズを有している。
【0042】即ち、本発明に係る黒色非磁性粒子粉末
は、等方性のヘマタイト粒子及び含水酸化第二鉄粒子を
芯粒子とした場合には、平均粒子径が0.06〜1.0
μm、好ましくは0.07〜0.8μm、より好ましく
は0.07〜0.5μmであって、球形度が1以上2未
満、好ましくは1〜1.8であり、異方性のヘマタイト
粒子及び含水酸化第二鉄粒子を芯粒子とした場合には、
平均長軸径が0.06〜1.0μm、好ましくは0.0
7〜0.8μm、より好ましくは0.07〜0.5μm
であって、軸比が2〜20、好ましくは2〜18、より
好ましくは2〜15である。
【0043】平均粒子径が1.0μmを超える場合に
は、黒色非磁性粒子が粗大粒子となり着色力が低下す
る。0.06μm未満の場合には、粒子の微細化による
分子間力の増大により凝集を起こしやすいため、黒色ト
ナー製造時における結着剤樹脂への分散性が低下する。
【0044】黒色非磁性の軸比が20を超える場合に
は、黒色トナー製造時における結着剤樹脂中での粒子の
絡み合いが多くなり、分散性が低下しやすくなる。
【0045】黒色非磁性粒子粉末の幾何標準偏差値は、
2.0以下が好ましく、その下限値は1.01であり、
より好ましくは1.01〜1.8の範囲であり、更によ
り好ましくは1.01〜1.6である。幾何標準偏差値
が上記範囲を超える場合には、存在する粗大粒子によっ
て黒色非磁性粒子粉末の着色力が低下しやすくなる。幾
何標準偏差値が1.01未満のものは工業的に得られ難
い。
【0046】黒色非磁性粒子粉末のBET比表面積値は
1.0〜200m2/gであり、好ましくは1.5〜1
50m2/g、より好ましくは2.0〜100m2/gで
ある。BET比表面積値が1.0m2/g未満の場合に
は、粒子が粗大であったり、粒子及び粒子相互間で焼結
が生じた粒子となっており、着色力が低下する。BET
比表面積値が200m2/gを超える場合には、粒子の
微細化による分子間力の増大により凝集を起こしやすい
ため、黒色トナー製造時における結着剤樹脂への分散性
が低下する。
【0047】黒色非磁性粒子粉末の流動性は、流動性指
数が48〜90の範囲が好ましく、より好ましくは49
〜90、更により好ましくは50〜90である。流動性
指数が48未満の場合には流動性がより優れたものとは
言い難く、得られる黒色トナーの流動性をより改善する
ことが困難である。また、製造工程内でホッパー詰まり
等の不具合を生じやすく、ハンドリングしにくくなる。
【0048】黒色非磁性粒子粉末の黒色度は、芯粒子と
してヘマタイト粒子を用いた場合、上限値がL*値で1
9.5であり、好ましくは18.8、より好ましくは1
8.3である。芯粒子としてゲータイト粒子を用いた場
合、上限値がL*値で19.5であり、好ましくは1
9.3、より好ましくは18.8である。芯粒子として
黒色ヘマタイト粒子を用いた場合、上限値がL*値で1
9.5であり、好ましくは18.3、より好ましくは1
7.8である。芯粒子として黒色ゲータイト粒子を用い
た場合、上限値がL*値で19.5であり、好ましくは
18.8、より好ましくは18.3である。L*値が1
9.5を超える場合には、明度が高くなり、黒色度がよ
り優れているとは言い難い。黒色度の下限値はL*値が
15である。
【0049】黒色非磁性粒子粉末の結着剤樹脂への分散
性は、後述する分散性の評価方法に基づいて、4又は5
が好ましく、より好ましくは5である。
【0050】黒色非磁性粒子粉末のカーボンブラックの
脱離率は20%以下が好ましく、より好ましくは10%
以下である。カーボンブラックの脱離率が20%を超え
る場合には、黒色トナーの製造時において、脱離したカ
ーボンブラックにより結着剤樹脂中での均一な分散が阻
害される場合がある。
【0051】本発明における被覆物は、化1で表わされ
るアルコキシシランから生成されるオルガノシラン化合
物(以下、「オルガノシラン化合物」という。)、並び
に、化2で表わされるポリシロキサン、化3で表わされ
る変成ポリシロキサン、化4で表わされる末端変成ポリ
シロキサン又はこれらの混合物である。
【0052】
【化1】
【0053】アルコキシシランとしては、具体的には、
メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキ
シシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメト
キシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニル
ジメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デ
シルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0054】カーボンブラックの付着効果及び脱離率を
考慮すると、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメ
トキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、イソブチル
トリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランから
生成するオルガノシラン化合物が好ましく、メチルトリ
エトキシシラン、メチルトリメトキシシランから生成す
るオルガノシラン化合物がより好ましい。
【0055】
【化2】
【0056】
【化3】
【0057】
【化4】
【0058】カーボンブラックの付着効果及び脱離率を
考慮すると、メチルハイドロジェンシロキサン単位を有
するポリシロキサン、ポリエーテル変成ポリシロキサン
及び末端がカルボン酸で変成された末端カルボン酸変成
ポリシロキサンが好ましい。
【0059】オルガノシラン化合物又はポリシロキサン
の被覆量は、オルガノシラン化合物又はポリシロキサン
被覆芯粒子粉末に対してSi換算で0.02〜5.0重
量%であることが好ましく、より好ましくは0.03〜
4.0重量%であり、更により好ましくは0.05〜
3.0重量%である。
【0060】0.02〜5.0重量%の被覆量により、
芯粒子粉末100重量部に対して1〜25重量部のカー
ボンブラックを付着させることができる。
【0061】本発明におけるカーボンブラックは、層間
が接着された少なくとも2層がアルコキシシランから生
成するオルガノシラン化合物被覆又はポリシロキサン被
覆に付着されている。必要により、カーボンブラックか
らなる層の3層以上を付着させてもよい。
【0062】本発明におけるアルコキシシランから生成
するオルガノシラン化合物被覆又はポリシロキサン被覆
に付着しているカーボンブラックからなる層(以下、
「カーボンブラックの第1層」という。)を構成するカ
ーボンブラックの付着量は、芯粒子粉末100重量部に
対して1〜25重量部、好ましくは5〜25重量部であ
る。
【0063】1重量部未満の場合には、カーボンブラッ
クの付着量が不十分であるため、付着している該カーボ
ンブラックに接着可能な接着剤もまた不十分となり、そ
の結果、カーボンブラックの第2層を構成するためのカ
ーボンブラック微粒子粉末を、芯粒子粉末100重量部
に対してカーボンブラックの総付着量が26重量部以上
となるように添加すると、カーボンブラックの脱離率が
増加し、黒色トナーの製造時における結着剤樹脂への分
散性が低下する。
【0064】25重量部を超える場合には、カーボンブ
ラックが芯粒子粉末の粒子表面から脱離しやすくなり、
その結果、得られた黒色非磁性粒子粉末もまた、カーボ
ンブラックが粒子表面から脱離しやすくなる。
【0065】本発明における上記カーボンブラックの第
1層の表面に接着されているカーボンブラックからなる
層(以下、「カーボンブラックの第2層」という。)を
構成するカーボンブラックの付着量は、芯粒子粉末10
0重量部に対して1〜30重量部、好ましくは5〜25
重量部である。30重量部を超える場合には、カーボン
ブラックの脱離率が増加する。
【0066】本発明におけるカーボンブラックの総付着
量は、芯粒子粉末100重量部に対して26〜55重量
部である。
【0067】26重量部未満の場合には、目的とする流
動性及び黒色度がより優れた黒色非磁性粒子粉末が得ら
れない。55重量部を超える場合には、カーボンブラッ
クの脱離率が増加するため、黒色トナーの製造時におけ
る結着剤樹脂への分散性が低下する。
【0068】カーボンブラックの付着厚みは、0.04
μm以下が好ましく、より好ましくは0.03μm以
下、更により好ましくは0.02μm以下である。
【0069】本発明におけるカーボンブラックからなる
層の層間は、カーボンブラック同志を接着剤で接着すれ
ばよい。層間を強固、且つ、均一に接着し、流動性及び
黒色度に優れた黒色非磁性粒子粉末を得るためには、接
着剤としては化5で表されるジメチルポリシロキサンが
好ましい。
【0070】
【化5】
【0071】接着剤の量は、芯粒子粉末100重量部に
対して0.1重量部〜5.0重量部である。
【0072】接着剤が0.1重量部未満の場合には、カ
ーボンブラックの第2層を十分接着させることが困難と
なり、流動性及び黒色度がより優れた黒色非磁性粒子粉
末を得ることができない。
【0073】5.0重量部を超える場合には、より優れ
た流動性及び黒色度が得られるだけのカーボンブラック
を十分付着させることができるが、効果が飽和しており
必要以上に添加する意味がない。
【0074】次に、本発明に係る高抵抗黒色トナーにつ
いて述べる。
【0075】本発明に係る高抵抗黒色トナーは、前記高
抵抗黒色トナー用黒色非磁性粒子粉末及び結着剤樹脂か
らなり、必要に応じて離型剤、着色剤、荷電制御剤、そ
の他の添加剤等を含有してもよい。
【0076】高抵抗黒色トナーの平均粒子径は3〜25
μmが好ましく、より好ましくは4〜18μm、更によ
り好ましくは5〜15μmである。
【0077】結着剤樹脂と黒色非磁性粒子粉末との割合
は、黒色非磁性粒子粉末100重量部に対して結着剤樹
脂50〜3500重量部、好ましくは50〜2000重
量部、更により好ましくは50〜1000重量部であ
る。
【0078】結着剤樹脂としては、スチレン、アクリル
酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエステル
等のビニル系単量体を重合又は共重合したビニル系重合
体が使用できる。上記スチレン単量体としては、例えば
スチレン及びその置換体がある。上記アクリル酸アルキ
ルエステル単量体としては、例えばアクリル酸、アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等が
ある。
【0079】上記共重合体は、スチレン系成分を50〜
95重量%含むことが好ましい。
【0080】結着剤樹脂は、必要により、上記ビニル系
重合体とともに、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹
脂、ポリウレタン系樹脂等を併用することができる。
【0081】高抵抗黒色トナーの流動性は、後述する流
動性指数が78〜100であり、好ましくは79〜10
0、より好ましくは80〜100である。78未満の場
合には流動性がより優れたものとは言い難い。
【0082】高抵抗黒色トナーの黒色度は、L*値が1
9.0以下であり、好ましくは18.8以下、より好ま
しくは18.5以下である。19.0を超える場合に
は、明度が高くなり、黒色度がより優れたものとは言い
難い。下限値はL*値が15程度である。
【0083】高抵抗黒色トナーの体積固有抵抗値は、
1.0×1013Ω・cm以上であり、好ましくは3.0
×1013Ω・cm以上、より好ましくは5.0×1013
Ω・cm以上である。1.0×1013Ω・cm未満であ
る場合は、トナーの使用環境によって帯電量が変化しや
すく特性が不安定となりやすい。上限値は1.0×10
17Ω・cm未満である。
【0084】次に、本発明に係る黒色非磁性粒子粉末の
製造法について述べる。
【0085】本発明における等方性状の芯粒子粉末であ
る粒状のヘマタイト粒子粉末は、第一鉄塩水溶液と水酸
化アルカリ水溶液とを反応して得られる水酸化第一鉄コ
ロイドを含む懸濁液中に酸素含有ガスを通気して酸化す
る、所謂、湿式法により得られる粒状マグネタイト粒子
粉末を、空気中750〜1000℃で加熱することによ
り得られる。
【0086】本発明における等方性状の芯粒子粉末であ
る粒状のマンガン含有ヘマタイト粒子粉末は、第一鉄塩
水溶液と水酸化アルカリ水溶液とを反応して得られる水
酸化第一鉄コロイドを含む懸濁液中に酸素含有ガスを通
気して酸化する、所謂、湿式法により得られる粒状マグ
ネタイト粒子を全Feに対して8〜150原子%のマン
ガン化合物で被覆した粒子又は上記湿式反応を、マンガ
ンの存在下で行うことにより得られるFeに対して8〜
150原子%のマンガンを含有するマグネタイト粒子
を、空気中750〜1000℃で加熱することにより得
られる。マンガン含有ヘマタイト粒子粉末の黒色度を考
慮すれば、後者が好ましい。
【0087】本発明における異方性状の芯粒子粉末であ
る針状又は紡錘状のヘマタイト粒子粉末は、後出の方法
により得られる針状又は紡錘状の含水酸化第二鉄粒子を
空気中400〜800℃で加熱することにより得られ
る。
【0088】本発明における異方性状の芯粒子粉末であ
る針状又は紡錘状の含水酸化第二鉄粒子粉末は、第一鉄
塩水溶液と水酸化アルカリ水溶液、炭酸アルカリ水溶液
又は水酸化アルカリ水溶液・炭酸アルカリ水溶液とを反
応して得られる水酸化第一鉄コロイド、炭酸鉄及び鉄含
有沈殿物のいずれかを含む懸濁液中に酸素含有ガスを通
気し、酸化することにより針状又は紡錘状含水酸化第二
鉄粒子を生成し、該ゲータイト粒子粉末を濾別、水洗、
乾燥することにより得ることができる。
【0089】本発明における異方性状の芯粒子粉末であ
る針状又は紡錘状のマンガン含有ヘマタイト粒子粉末
は、後出の方法により得られる全Feに対して8〜15
0原子%のマンガンを含有する針状又は紡錘状の含水酸
化第二鉄粒子粉末を空気中400〜800℃で加熱する
ことにより得ることができる。
【0090】本発明における異方性状の芯粒子粉末であ
る針状又は紡錘状のマンガン含有含水酸化第二鉄粒子粉
末は、第一鉄塩水溶液と水酸化アルカリ水溶液、炭酸ア
ルカリ水溶液又は水酸化アルカリ水溶液・炭酸アルカリ
水溶液とを反応して得られる水酸化第一鉄コロイド、炭
酸鉄及び鉄含有沈殿物のいずれかを含む懸濁液中に酸素
含有ガスを通気し、酸化して針状又は紡錘状含水酸化第
二鉄粒子を生成させるにあたり、全Feに対して8〜1
50原子%のマンガンの存在下で反応させることにより
得られる。
【0091】芯粒子粉末の粒子表面へのアルコキシシラ
ン又はポリシロキサンによる被覆は、芯粒子粉末とアル
コキシシランの溶液又はポリシロキサンとを機械的に混
合攪拌したり、芯粒子粉末にアルコキシシランの溶液又
はポリシロキサンを噴霧しながら機械的に混合攪拌すれ
ばよい。添加したアルコキシシラン又はポリシロキサン
は、ほぼ全量が芯粒子粉末の粒子表面に被覆される。
【0092】なお、被覆されたアルコキシシランは、そ
の1部が被覆工程を経ることによって生成する、アルコ
キシシランから生成するオルガノシラン化合物として被
覆されていてもよい。この場合においてもその後のカー
ボンブラックの付着に影響することはない。
【0093】アルコキシシラン又はポリシロキサンを均
一に芯粒子粉末の粒子表面に被覆するためには、芯粒子
粉末の凝集をあらかじめ粉砕機を用いて解きほぐしてお
くことが好ましい。
【0094】芯粒子粉末とアルコキシシラン又はポリシ
ロキサンとの混合攪拌、カーボンブラック微粒子粉末と
粒子表面にアルコキシシラン又はポリシロキサンが被覆
されている芯粒子粉末との混合攪拌、接着剤と粒子表面
にカーボンブラックの第1層が付着している芯粒子粉末
(以下、「中間複合非磁性粒子粉末」という。)との混
合攪拌及びカーボンブラック微粒子粉末と接着剤が被覆
されている中間複合非磁性粒子粉末との混合攪拌をする
ための機器としては、粉体層にせん断力を加えることの
できる装置が好ましく、殊に、せん断、へらなで及び圧
縮が同時に行える装置、例えば、ホイール形混練機、ボ
ール型混練機、ブレード型混練機、ロール型混練機を用
いることができる。本発明の実施にあたっては、ホイー
ル型混練機がより効果的に使用できる。
【0095】上記ホイール型混練機としては、具体的
に、エッジランナー(「ミックスマラー」、「シンプソ
ンミル」、「サンドミル」と同義語である)、マルチマ
ル、ストッツミル、ウエットパンミル、コナーミル、リ
ングマラー等があり、好ましくはエッジランナー、マル
チマル、ストッツミル、ウエットパンミル、リングマラ
ーであり、より好ましくはエッジランナーである。上記
ボール型混練機としては、具体的に、振動ミル等があ
る。上記ブレード型混練機としては、具体的に、ヘンシ
ェルミキサー、プラネタリーミキサー、ナウタミキサー
等がある。上記ロール型混練機としては、具体的に、エ
クストルーダー等がある。
【0096】芯粒子粉末とアルコキシシラン又はポリシ
ロキサンとの混合攪拌時における条件は、芯粒子粉末の
粒子表面にアルコキシシラン又はポリシロキサンができ
るだけ均一に被覆されるように、線荷重は19.6〜1
960N/cm(2〜200Kg/cm)、好ましくは
98〜1470N/cm(10〜150Kg/cm)、
より好ましくは147〜980N/cm(15〜100
Kg/cm)、処理時間は5〜120分、好ましくは1
0〜90分の範囲で処理条件を適宜調整すればよい。な
お、撹拌速度は2〜2000rpm、好ましくは5〜1
000rpm、より好ましくは10〜800rpmの範
囲で処理条件を適宜調整すればよい。
【0097】アルコキシシラン又はポリシロキサンの添
加量は、芯粒子粉末100重量部に対して0.15〜4
5重量部が好ましい。0.15〜45重量部の添加量に
より、芯粒子粉末100重量部に対してカーボンブラッ
クを1〜25重量部付着させることができる。
【0098】芯粒子粉末の粒子表面にアルコキシシラン
又はポリシロキサンを被覆した後、カーボンブラック微
粒子粉末を添加し、混合攪拌してアルコキシシラン被覆
又はポリシロキサン被覆にカーボンブラックの第1層を
付着させる。
【0099】付着処理に用いるカーボンブラック微粒子
粉末は、市販のファーネスブラック、チャンネルブラッ
ク等を使用することができ、具体的には、#3050、
#3150、#3250、#3750、#3950、M
A100、MA7、#1000、#2400B、#3
0、MA77、MA8、#650、MA11、#50、
#52、#45、#2200B、MA600等(商品
名:三菱化学株式会社製)シースト9H、シースト7
H、シースト6、シースト3H、シースト300、シー
ストFM等(商品名、東海カーボン株式会社製)、Ra
ven 1250、Raven 860 ULTRA、
Raven 1000、Raven 1190ULTR
A(商品名:コロンビヤン・ケミカルズ・カンパニー
製)、ケッチェンブラックEC、ケッチェンブラックE
C600JD(商品名:ケッチェンブラック・インター
ナショナル株式会社製)、BLACK PEARLS−
L、BLACK PEARLS 1000、BLACK
PEARLS 4630、VULCAN XC72、
REGAL 660、REGAL 400(商品名:キ
ャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク製)等
が使用できる。
【0100】体積固有抵抗値の低下を抑制しながら、オ
ルガノシラン化合物被覆、ポリシロキサン被覆又はジメ
チルポリシロキサン被覆へのカーボンブラックのより均
一な付着処理を考慮すれば、DBP吸油量が150ml
/100g以下であるカーボンブラック微粒子粉末を用
いることが好ましく、具体的にはMA100、MA7、
#1000、#2400B、#30、MA77、MA
8、#650、MA11、#50、#52、#45、#
2200B、MA600等(商品名:三菱化学株式会社
製)シースト9H、シースト7H、シースト6、シース
ト3H、シースト300等(商品名、東海カーボン株式
会社製)、Raven 1250、Raven 860
ULTRA、Raven 1000、Raven 1
190 ULTRA(商品名:コロンビヤン・ケミカル
ズ・カンパニー製)、BLACKPEARLS−L、B
LACK PEARLS 1000、BLACK PE
ARLS 4630、REGAL 660、REGAL
400(商品名:キャボット・スペシャルティ・ケミ
カルズ・インク製)が好ましい。
【0101】付着処理に用いるカーボンブラック微粒子
粉末の平均粒子径は、0.002〜0.05μm程度、
より好ましくは0.002〜0.035μm程度であ
る。
【0102】0.002μm未満の場合には、カーボン
ブラック微粒子粉末があまりに微細となるため、取扱い
が困難となる。
【0103】0.05μmを超える場合には、カーボン
ブラック微粒子粉末の粒子サイズが大きいため、アルコ
キシシラン被覆、オルガノシラン化合物被覆、ポリシロ
キサン被覆又はジメチルポリシロキサン被覆へ均一に付
着させるために非常に大きな機械的せん断力が必要とな
り、工業的に不利となる。
【0104】カーボンブラック微粒子粉末は、少量ずつ
を時間をかけながら、殊に5〜60分程度をかけて添加
するのが好ましい。
【0105】カーボンブラックの第1層を付着させるた
めの混合攪拌時における条件は、カーボンブラックがア
ルコキシシラン被覆、オルガノシラン化合物被覆又はポ
リシロキサン被覆に均一に付着するように、線荷重は1
9.6〜1960N/cm(2〜200Kg/cm)、
好ましくは98〜1470N/cm(10〜150Kg
/cm)、より好ましくは147〜980N/cm(1
5〜100Kg/cm)、処理時間は5〜120分、好
ましくは10〜90分の範囲で処理条件を適宜調整すれ
ばよい。なお、撹拌速度は2〜2000rpm、好まし
くは5〜1000rpm、より好ましくは10〜800
rpmの範囲で処理条件を適宜調整すればよい。
【0106】カーボンブラックの第1層を構成するため
のカーボンブラック微粒子粉末の添加量は、芯粒子粉末
100重量部に対して1〜25重量部である。1重量部
未満の場合には、カーボンブラックの付着量が不十分で
あるため、付着している該ガーボンブラックに接着可能
な接着剤もまた不十分となり、カーボンブラックの第2
層を構成するためのカーボンブラック微粒子粉末を添加
しても、十分な量のカーボンブラックを接着させること
が困難となる。
【0107】次いで、芯粒子粉末の粒子表面にカーボン
ブラックの第1層が付着している中間複合非磁性粒子粉
末に接着剤を添加して混合攪拌した後、更にカーボンブ
ラック微粒子粉を添加し、混合攪拌して、カーボンブラ
ックの第1層に接着剤を介してカーボンブラックの第2
層を接着させる。必要により更に、乾燥乃至加熱処理を
行ってもよい。
【0108】中間複合非磁性粒子粉末と接着剤との混合
攪拌時における条件は、カーボンブラックの第1層が付
着している中間複合非磁性粒子粉末の粒子表面に接着剤
が均一に接着するように、線荷重は19.6〜1960
N/cm(2〜200Kg/cm)、好ましくは98〜
1470N/cm(10〜150Kg/cm)、より好
ましくは147〜980N/cm(15〜100Kg/
cm)、処理時間は5〜120分、好ましくは10〜9
0分の範囲で処理条件を適宜調整すればよい。なお、撹
拌速度は2〜2000rpm、好ましくは5〜1000
rpm、より好ましくは10〜800rpmの範囲で処
理条件を適宜調整すればよい。
【0109】接着剤の添加量は、芯粒子粉末100重量
部に対して0.1〜5.0重量部である。0.1重量部
未満の場合には、カーボンブラックの第2層を十分接着
させることが困難となる。5.0重量部を超える場合に
は、接着効果が飽和するため、必要以上に添加する意味
がない。
【0110】カーボンブラックの第2層を接着するため
の混合攪拌時における条件は、接着剤とカーボンブラッ
クが均一に接着するように、線荷重は19.6〜196
0N/cm(2〜200Kg/cm)、好ましくは98
〜1470N/cm(10〜150Kg/cm)、より
好ましくは147〜980N/cm(15〜100Kg
/cm)、処理時間は5〜120分、好ましくは10〜
90分の範囲で処理条件を適宜調整すればよい。なお、
撹拌速度は2〜2000rpm、好ましくは5〜100
0rpm、より好ましくは10〜800rpmの範囲で
処理条件を適宜調整すればよい。
【0111】カーボンブラックの第2層を構成するため
のカーボンブラック微粒子粉末の添加量は、芯粒子粉末
100重量部に対して1〜30重量部である。1重量部
未満の場合には、カーボンブラックの総付着量が不十分
となり、目的とする流動性及び黒色度がより優れた黒色
非磁性粒子粉末が得られない。30重量部を超える場合
には、得られた黒色非磁性粒子粉末の粒子表面からカー
ボンブラックが脱離しやすくなり、その結果、黒色トナ
ー製造時における結着剤樹脂への分散性が低下する。
【0112】乾燥乃至加熱処理を行う場合の加熱温度
は、通常40〜200℃が好ましく、より好ましくは6
0〜150℃であり、加熱時間は、10分〜12時間が
好ましく、30分〜3時間がより好ましい。
【0113】得られた黒色非磁性粒子粉末の被覆に用い
られたアルコキシシランは、これらの工程を経ることに
より、最終的にはアルコキシシランから生成するオルガ
ノシラン化合物となって被覆されている。
【0114】芯粒子粉末は、必要により、アルコキシシ
ランの溶液又はポリシロキサンとの混合攪拌に先立っ
て、あらかじめ、アルミニウムの水酸化物、アルミニウ
ムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物から
選ばれる1種又は2種以上の化合物で被覆しておいても
よい。
【0115】アルミニウムの水酸化物等による被覆は、
芯粒子粉末を分散して得られる水懸濁液に、アルミニウ
ム化合物、ケイ素化合物又は当該両化合物を添加して混
合攪拌することにより、又は、必要により、混合攪拌後
にpH値を調整することにより、前記芯粒子粉末の粒子
表面を、アルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化
物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物から選ばれる
1種又は2種以上の化合物で被覆し、次いで、濾別、水
洗、乾燥、粉砕する。必要により、更に、脱気・圧密処
理等を施してもよい。
【0116】アルミニウム化合物としては、酢酸アルミ
ニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸ア
ルミニウム等のアルミニウム塩及びアルミン酸ナトリウ
ム等のアルミン酸アルカリ塩等が使用できる。
【0117】アルミニウム化合物の添加量は、芯粒子粉
末に対してAl換算で0.01〜50重量%である。
0.01重量%未満である場合には、カーボンブラック
の脱離率低減効果が得られるだけの十分な量のアルミニ
ウムの水酸化物等を芯粒子粉末の粒子表面に被覆するこ
とが困難であり、黒色非磁性粒子粉末の黒色トナー製造
時における結着剤樹脂への分散性改良効果が得られな
い。50重量%を超える場合には、被覆効果が飽和する
ため、必要以上に添加する意味がない。
【0118】ケイ素化合物としては、3号水ガラス、オ
ルトケイ酸ナトリウム及びメタケイ酸ナトリウム等が使
用できる。
【0119】ケイ素化合物の添加量は、芯粒子粉末に対
してSiO2換算で0.01〜50重量%である。0.
01重量%未満である場合には、カーボンブラックの脱
離率低減効果が得られるだけの十分な量のケイ素の酸化
物等を芯粒子粉末の粒子表面に被覆することが困難であ
り、黒色非磁性粒子粉末の黒色トナー製造時における結
着剤樹脂への分散性改良効果が得られない。50重量%
を超える場合には、被覆効果が飽和するため、必要以上
に添加する意味がない。
【0120】アルミニウム化合物とケイ素化合物とを併
せて使用する場合の添加量は、芯粒子粉末に対してAl
換算量とSiO2換算量との総和で0.01〜50重量
%が好ましい。
【0121】次に、本発明に係る高抵抗黒色トナーの製
造法について述べる。
【0122】本発明に係る高抵抗黒色トナーは、所定量
の結着剤樹脂と所定量の黒色非磁性粒子粉末とを混合、
混練、粉砕による公知の方法によって行うことができ
る。具体的には、黒色非磁性粒子粉末と結着剤樹脂と
を、必要により更に離型剤、着色剤、荷電制御剤、その
他の添加剤等を添加した混合物を混合機により十分に混
合した後、加熱混練機によって結着剤樹脂中に黒色非磁
性粒子粉末等を分散させ、次いで、冷却固化して樹脂混
練物を得、該樹脂混練物を粉砕及び分級を行って所望の
粒子サイズとすることにより得られる。
【0123】前記混合機としては、ヘンシェルミキサ
ー、ボールミルなどの混合機を使用することができる。
前記加熱混練機としては、ロールミル、ニーダー、二軸
エクストルーダー等を使用することができる。前記粉砕
は、カッターミル、ジェットミル等の粉砕機によって行
うことができ、前記分級も特許第2683142号公報
等に記載の通り、公知の風力分級等により行うことがで
きる。
【0124】高抵抗黒色トナーを得る他の方法として、
懸濁重合法又は乳化重合法がある。懸濁重合法において
は、重合性単量体と黒色非磁性粒子粉末とを、必要によ
り更に、着色剤、重合開始剤、架橋剤、荷電制御剤、そ
の他の添加剤を添加した混合物を溶解又は分散させた単
量体組成物を、懸濁安定剤を含む水相中に攪拌しながら
添加して造粒し、重合させて所望の粒子サイズとするこ
とにより得られる。
【0125】乳化重合法においては、単量体と黒色非磁
性粒子粉末とを、必要により更に着色剤、重合開始剤な
どを水中に分散させて重合を行う過程に乳化剤を添加す
ることによって所望の粒子サイズとすることにより得ら
れる。
【0126】
【発明の実施の形態】本発明の代表的な実施の形態は、
次の通りである。
【0127】ヘマタイト粒子粉末、含水酸化第二鉄粒子
粉末、中間複合非磁性粒子粉末、黒色非磁性粒子粉末及
びカーボンブラック微粒子粉末の平均粒子径又は平均長
軸径及び平均短軸径は、電子顕微鏡写真(×2000
0)を縦方向及び横方向にそれぞれ4倍に拡大した写真
に示される粒子約350個について定方向径をそれぞれ
測定し、その平均値で示した。
【0128】球形度は平均最長径と平均最短径との比で
示し、軸比は、平均長軸径と平均短軸径との比で示し
た。
【0129】粒子の幾何標準偏差値は、下記の方法によ
り求めた値で示した。即ち、上記拡大写真に示される粒
子の粒子径(長軸径)を測定した値を、その測定値から
計算して求めた粒子の実際の粒子径(長軸径)と個数か
ら、統計学的手法に従って、対数正規確率紙上に横軸に
粒子の粒子径(長軸径)を、縦軸に所定の粒子径(長軸
径)区間のそれぞれに属する粒子の累積個数(積算フル
イ下)を百分率でプロットする。
【0130】そして、このグラフから粒子の個数が50
%及び84.13%のそれぞれに相当する粒子径(長軸
径)の値を読みとり、幾何標準偏差値=積算フルイ下8
4.13%における粒子径(長軸径)/積算フルイ下5
0%における粒子径(長軸径)(幾何平均径)に従って
算出した値で示した。幾何標準偏差値が1に近いほど、
粒度分布が優れていることを意味する。
【0131】比表面積値はBET法により測定した値で
示した。
【0132】ヘマタイト粒子粉末又は含水酸化第二鉄粒
子粉末の粒子内部や粒子表面に存在するMn量、Al量
及びSi量及び中間複合非磁性粒子粉末に被覆されてい
るアルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物
又はポリシロキサンに含有されるSi量並びに黒色非磁
性粒子粉末に接着されているジメチルポリシロキサンに
含有されるSi量のそれぞれは、「蛍光X線分析装置3
063M型」(理学電機工業株式会社製)を使用し、J
IS K0119の「けい光X線分析通則」に従って測
定した。
【0133】中間複合非磁性粒子粉末及び黒色非磁性粒
子粉末に付着、接着しているカーボンブラック量は、
「堀場金属炭素・硫黄分析装置EMIA−2200型」
(株式会社堀場製作所製)を用いて炭素量を測定するこ
とにより求めた。
【0134】黒色非磁性粒子に付着しているカーボンブ
ラックの付着厚みは、「透過型電子顕微鏡JEM−20
10」(日本電子株式会社(製))を用いて加速電圧2
00kVの条件下で撮影した電子顕微鏡写真を10倍に
拡大した写真(×5,000,000)に写っている粒
子の表面に付着しているカーボンブラックの平均的な厚
み部分を測定することにより求めた。
【0135】ヘマタイト粒子粉末、含水酸化第二鉄粒子
粉末、中間複合非磁性粒子粉末、黒色非磁性粒子粉末及
び黒色トナーの流動性は、「パウダテスタ」(ホソカワ
ミクロン株式会社製)を用いて、安息角(度)、圧縮度
(%)、スパチュラ角(度)、凝集度の各粉体特性値を
測定し、該各測定値を同一基準の数値に置き換えた各々
の指数を求め、各々の指数を合計した流動性指数で示し
た。流動性指数が100に近いほど、流動性が優れてい
ることを意味する。
【0136】ヘマタイト粒子粉末、含水酸化第二鉄粒子
粉末、中間複合非磁性粒子粉末、黒色非磁性粒子粉末及
び黒色トナーの黒色度は、試料0.5gとヒマシ油1.
5mlとをフーバー式マーラーで練ってペースト状と
し、このペーストにクリアラッカー4.5gを加え、混
練、塗料化してキャストコート紙上に150μm(6m
il)のアプリケーターを用いて塗布した塗布片(塗膜
厚み:約30μm)を作製し、 該塗布片について、「多
光源分光測色計MSC−IS−2D」(スガ試験機株式
会社製)を用いてJIS Z 8729に定めるところに
従って測定を行い、表色指数L*値で示した。
【0137】ここで、L*値は明度を表わし、L*値が小
さいほど黒色度が優れていることを示す。
【0138】中間複合非磁性粒子粉末及び黒色非磁性粒
子粉末に付着、接着しているカーボンブラックの脱離率
(%)は、下記の方法により求めた値で示した。カーボ
ンブラックの脱離率が0%に近いほど、粒子表面からの
カーボンブラックの脱離量が少ないことを示す。
【0139】被測定粒子粉末3gとエタノール40ml
を50mlの沈降管に入れ、20分間超音波分散を行っ
た後、120分静置し、比重差によって被測定粒子粉末
と脱離したカーボンブラックを分離した。次いで、この
被測定粒子粉末に再度エタノール40mlを加え、更に
20分間超音波分散を行った後、120分静置し、被測
定粒子粉末と脱離したカーボンブラックを分離した。こ
の被測定粒子粉末を100℃で1時間乾燥させ、前述の
「堀場金属炭素・硫黄分析装置EMIA−2200型」
(株式会社堀場製作所製)を用いて炭素量を測定し、下
記式に従って求めた値をカーボンブラックの脱離率
(%)とした。
【0140】カーボンブラックの脱離率(%)=[(W
a−We)/Wa]×100 Wa:被測定粒子粉末のカーボンブラック付着量 We:脱離テスト後の被測定粒子粉末のカーボンブラッ
ク付着量
【0141】黒色非磁性粒子粉末の結着剤樹脂への分散
性は、得られた黒色トナー粒子の断面を「光学顕微鏡
BH−2」(オリンパス光学工業社製)を用いて撮影
し、得られた顕微鏡写真(×200倍)における未分散
の凝集粒子の個数を計数することで判定し、5段階で評
価した。5が最も分散状態が良いことを示す。 1:0.25mm2当たりに50個以上 2:0.25mm2当たりに10個以上50個未満 3:0.25mm2当たりに5個以上10個未満 4:0.25mm2当たりに1個以上5個未満 5:未分散物認められず
【0142】黒色トナーの体積固有抵抗値は、まず、被
測定粒子粉末0.5gを測り取り、「KBr錠剤成形
器」(株式会社島津製作所製)を用いて、1.372×
107Pa(140Kg/cm2 )の圧力で加圧成形を行
い、円柱状の被測定試料を作製した。
【0143】次いで、被測定試料を温度25℃、相対湿
度60%環境下に12時間以上暴露した後、この被測定
試料をステンレス電極の間にセットし、「ホイートスト
ンブリッジ TYPE2768」(横河北辰電気株式会
社製)で15Vの電圧を印加して抵抗値R(Ω)を測定
した。
【0144】次いで、被測定(円柱状)試料の上面の面
積A(cm2)と厚みt0(cm)を測定し、次式にそれ
ぞれの測定値を挿入して、体積固有抵抗値(Ω・cm)
を求めた。 体積固有抵抗値(Ω・cm)=R×(A/t0
【0145】黒色トナーの平均粒子径は、「レーザー回
折式粒度分布測定装置 modelHELOS LA/
KA」(SYMPATEC社製)を用いて測定した。
【0146】<黒色非磁性粒子粉末の製造>粒状マンガ
ン含有ヘマタイト粒子粉末(平均粒子径0.30μm、
球形度1.3、幾何標準偏差値1.46、BET比表面
積値3.6m2/g、Mn含有量13.3重量%、流動
性指数36、黒色度L*値22.6)20kgを、凝集
を解きほぐすために、純水150lに攪拌機を用いて邂
逅し、更に、「TKパイプラインホモミクサー」(特殊
機化工業株式会社製)を3回通して粒状マンガン含有ヘ
マタイト粒子粉末を含むスラリーを得た。
【0147】次いで、この粒状マンガン含有ヘマタイト
粒子粉末を含むスラリーを横型サンドグラインダー「マ
イティーミルMHG−1.5L」(井上製作所株式会社
製)を用いて、軸回転数2000rpmにおいて5回パ
スさせて、粒状マンガン含有ヘマタイト粒子粉末を含む
分散スラリーを得た。
【0148】得られた分散スラリーの325mesh
(目開き44μm)における篩残分は0%であった。こ
の分散スラリーを濾別、水洗して、粒状マンガン含有ヘ
マタイト粒子粉末のケーキを得た。この粒状マンガン含
有ヘマタイト粒子粉末のケーキを120℃で乾燥した
後、乾燥粉末11.0kgをエッジランナー「MPUV
−2型」(株式会社松本鋳造鉄工所製)に投入して、2
94N/cm(30Kg/cm)で30分間混合攪拌を
行い、粒子の凝集を軽く解きほぐした。
【0149】次に、メチルトリエトキシシラン(商品
名:TSL8123:GE東芝シリコーン株式会社)
製)110gを200mlのエタノールで混合希釈して
得られるメチルトリエトキシシラン溶液を、エッジラン
ナーを稼動させながら粒子の凝集を解きほぐした上記粒
状マンガン含有ヘマタイト粒子粉末に添加し、392N
/m(40Kg/cm)の線荷重で60分間混合攪拌を
行い、粒状マンガン含有ヘマタイト粒子粉末の粒子表面
に被覆物を形成させた。なおこの時の攪拌速度は22r
pmで行った。
【0150】次に、カーボンブラック微粒子粉末A(粒
子形状:粒状、平均粒子径0.022μm、幾何標準偏
差値1.68、BET比表面積値134m2/g、DB
P吸油量89ml/100g、黒色度L*値16.6)
1650gを、エッジランナーを稼動させながら10分
間かけて添加し、更に392N/m(40Kg/cm)
の線荷重で60分間混合攪拌を行い、上記被覆物にカー
ボンブラックを付着させて、中間複合非磁性粒子粉末を
得た。なお、この時攪拌速度は22rpmで行った。
【0151】メチルトリエトキシシランの被覆量とカー
ボンブラックの付着量とを確認するために、得られた中
間複合非磁性粒子粉末の一部を採取し、乾燥機を用いて
105℃で60分間加熱処理を行った。メチルトリエト
キシシランの被覆量は、Si換算で0.15重量%であ
り、カーボンブラックの付着量はC換算で13.00重
量%(粒状マンガン含有ヘマタイト粒子粉末100重量
部に対して15重量部に相当する)であった。電子顕微
鏡写真観察の結果、カーボンブラックのほぼ全量が、メ
チルトリエトキシシランから生成するオルガノシラン化
合物被覆に付着していることが認められた。
【0152】次に、ジメチルポリシロキサン(商品名:
TSF451:GE東芝シリコーン株式会社製)220
gを、エッジランナーを稼動させながら上記中間複合非
磁性粒子粉末に添加し、588N/m(60Kg/c
m)の線荷重で30分間混合攪拌を行って、表面にジメ
チルポリシロキサンが均一に接着されている中間複合非
磁性粒子粉末を得た。なお、この時攪拌速度は22rp
mで行った。
【0153】次に、上記カーボンブラック微粒子粉末A
1650gを、エッジランナーを稼動させながら10分
間かけて添加し、更に588N/m(60Kg/cm)
の線荷重で30分間混合攪拌を行い、カーボンブラック
の第1層にジメチルポリシロキサンを接着剤としてカー
ボンブラックの第2層を接着させた後、乾燥機を用いて
105℃で60分間加熱処理を行い、黒色複合非磁性粒
子粉末を得た。
【0154】得られた黒色複合非磁性粒子粉末は、ジメ
チルポリシロキサンの接着量がSi換算で0.69重量
%、カーボンブラックの総付着量がC換算で25.59
重量%(粒状マンガン含有ヘマタイト粒子粉末100重
量部に対して30重量部に相当する)、粒子表面のカー
ボンブラック付着厚みは0.0027μmであって、電
子顕微鏡観察の結果、平均粒子径が0.31μmであっ
た。そして、この黒色複合非磁性粒子粉末は、球形度が
1.3、幾何標準偏差値が1.46、BET比表面積値
が11.9m2/g、流動性指数が56、黒色度L*値が
17.1、カーボンブラックの脱離率が7.3%であっ
た。電子顕微鏡観察の結果、カーボンブラックがほとん
ど認められないことから、カーボンブラックのほぼ全量
が、カーボンブラックの第1層に接着していることが認
められた。
【0155】<黒色トナーの製造>上記黒色複合非磁性
粒子粉末400g、スチレン−ブチルアクリレート−メ
チルメタクリレート共重合樹脂600g(分子量13
0,000、スチレン/ブチルアクリレート/メチルメ
タクリレート=82.0/16.5/1.5)、ポリプ
ロピレンワックス60g(分子量3,000)及び帯電
制御剤15gをヘンシェルミキサーに投入し、槽内温度
60℃において15分間攪拌混合を行った。得られた混
合粉体を連続型二軸混練機で140℃において溶融混練
を行い、得られた混練物を空気中で冷却、粗粉砕、微粉
砕した後、分級し、黒色トナーを得た。
【0156】得られた黒色トナーは、平均粒子径が1
0.0μm、分散性が5、流動性指数が86、黒色度L
*値が18.0、体積固有抵抗値が8.6×1014Ω・
cmであった。
【0157】
【作用】本発明において最も重要な点は、芯粒子粉末の
粒子表面に、該芯粒子粉末100重量部に対して26〜
55重量部のカーボンブラックを強固に付着させた本発
明に係る黒色非磁性粒子粉末は、流動性及び黒色度がよ
り優れているとともに、粒子表面から脱離するカーボン
ブラックが少ないという事実である。
【0158】本発明に係る黒色非磁性粒子粉末の粒子表
面から脱離するカーボンブラックが少ない理由につい
て、本発明者は、アルコキシランを用いた場合には、ヘ
マタイト粒子粉末及び含水酸化第二鉄粒子粉末の粒子内
部や粒子表面に含有されているSi、Al、Fe等の金
属元素とカーボンブラックが付着しているアルコキシシ
ランが有しているアルコキシ基との間で、メタロキサン
結合(≡Si−O−M(但し、MはSi、Al、Fe等
のヘマタイト粒子及び含水酸化第二鉄粒子に含まれてい
る金属原子である。))が形成されることにより、カー
ボンブラックが付着しているアルコキシシランから生成
するオルガノシラン化合物がヘマタイト粒子粉末及び含
水酸化第二鉄粒子粉末の粒子表面に強固に結合するため
と考えている。
【0159】また、ポリシロキサンを用いた場合には、
カーボンブラックが付着しているポリシロキサンが有し
ている各種官能基が、ヘマタイト粒子粉末又は含水酸化
第二鉄粒子粉末の粒子表面へ強固に結合するためと考え
ている。
【0160】本発明においては、黒色非磁性粒子粉末の
粒子表面から脱離するカーボンブラックが少ないことに
起因して、脱離するカーボンブラックによって系内の分
散が阻害されないとともに、芯粒子粉末の粒子表面に付
着しているカーボンブラックによって形成された粒子表
面の凹凸により、粒子相互間の接触が抑制されるため、
黒色トナー製造時における黒色非磁性粒子粉末の結着剤
樹脂への分散性が優れている。
【0161】本発明に係る黒色非磁性粒子粉末の流動性
がより優れている理由について、本発明者は、微粒子で
あることに起因して通常は凝集体として挙動するカーボ
ンブラックが、本発明に係る黒色非磁性粒子粉末の場合
は、ヘマタイト粒子粉末及び含水酸化第二鉄粒子粉末の
粒子表面に、均一且つ緻密に付着されていることによっ
て、ヘマタイト粒子粉末及び含水酸化第二鉄粒子粉末の
粒子表面に多数の微細な凹凸を形成することによるもの
と考えている。
【0162】本発明に係る黒色非磁性粒子粉末の黒色度
がより優れている理由について、本発明者は、ヘマタイ
ト粒子粉末又は含水酸化第二鉄粒子粉末の粒子表面に付
着及び接着されている緻密なカーボンブラックからなる
適当な層厚の均一な層によって、ヘマタイト粒子又は含
水酸化第二鉄粒子の色が打ち消され、カーボンブラック
微粒子本来の色が発揮されたことによるものと考えてい
る。
【0163】そして、多量のカーボンブラックが付着し
ている上記黒色非磁性粒子粉末を用いて得られた本発明
に係る黒色トナーは、1×1013Ω・cm以上の高抵抗
を維持しながら、流動性及び黒色度がより優れていると
いう事実である。
【0164】本発明に係る黒色トナーの流動性がより優
れている理由について、本発明者は、芯粒子粉末の粒子
表面にカーボンブラックが均一、且つ、多量に付着して
いる黒色非磁性粒子粉末を黒色トナーに配合させたこと
により、黒色トナー表面に多数の微細な凹凸を形成して
いることによるものと考えている。
【0165】本発明に係る黒色トナーの黒色度がより優
れている理由について、本発明者は、黒色度のより優れ
た黒色非磁性粒子粉末が黒色トナー中に配合されている
ことによるものと考えている。
【0166】また、本発明に係る黒色トナーは、多量の
カーボンブラックが付着している黒色非磁性粒子粉末を
用いているにもかかわらず、高い体積固有抵抗値を維持
できる理由について、本発明者は次のように考えてい
る。
【0167】一般に、カーボンブラックは疑似黒鉛構造
の微結晶が平行に積み重なって構成されている結晶子が
集合して粒子を形成し、更に、粒子同士が化学的、物理
的に相互に結合してぶどうの房状の形状をしたストラク
チャーを形成しており、このストラクチャーが大きけれ
ば大きいほど高い導電性を有することが知られている。
ストラクチャーを形成しているカーボンブラック微粒子
粉末を結着剤樹脂中に添加、混合した場合には、黒色ト
ナー表面に露出しているカーボンブラック微粒子粉末も
またストラクチャーを形成しているので、導電性が上が
り、高い体積固有抵抗値を有する黒色トナーを得ること
は困難である。本発明に係る黒色非磁性粒子粉末の場合
は、カーボンブラックがストラクチャーを形成すること
なく芯粒子粉末の粒子表面に付着されているので、これ
を用いた黒色トナーもまた黒色トナー表面に露出してい
るカーボンブラックがストラクチャーを形成することが
ないため、高い体積固有抵抗値を維持できたものと考え
ている。
【0168】
【実施例】次に、実施例並びに比較例を挙げる。
【0169】芯粒子1〜4 公知の製造方法で得られた各種のヘマタイト粒子粉末又
は含水酸化第二鉄粒子粉末を準備し、上記発明の実施の
形態と同様にして凝集が解きほぐされた芯粒子粉末を得
た。
【0170】これら芯粒子粉末の諸特性を表1に示す。
【0171】
【表1】
【0172】芯粒子5 芯粒子1の凝集が解きほぐされた粒状マンガン含有ヘマ
タイト粒子粉末20kgと水150lとを用いて、前記
発明の実施の形態と同様にして粒状マンガン含有ヘマタ
イト粒子粉末を含む分散スラリーを得た。得られた粒状
マンガン含有ヘマタイト粒子粉末を含む分散スラリーの
pH値を水酸化ナトリウム水溶液を用いて10.5に調
整した。次に、該スラリーに水を加えスラリー濃度を9
8g/lに調整した。このスラリー150lを加熱して
60℃とし、このスラリー中に1.0mol/lのNa
AlO2溶液5444ml(粒状マンガン含有ヘマタイ
ト粒子粉末に対してAl換算で1.0重量%に相当す
る)を加え、30分間保持した後、酢酸を用いてpH値
を7.5に調整した。この状態で30分間保持した後、
濾過、水洗、乾燥、粉砕して粒子表面がアルミニウムの
水酸化物により被覆されている粒状マンガン含有ヘマタ
イト粒子粉末を得た。
【0173】この時の主要製造条件を表2に、得られた
アルミニウムの水酸化物により被覆されている粒状マン
ガン含有ヘマタイト粒子粉末の諸特性を表3に示す。
【0174】尚、表面処理工程における被覆物の種類の
Aはアルミニウムの水酸化物を表わし、Sはケイ素の酸
化物を表わす。
【0175】
【表2】
【0176】
【表3】
【0177】芯粒子6〜8 芯粒子の種類、表面処理工程における添加物の種類及び
量を種々変えた以外は、芯粒子5と同様にして表面処理
済芯粒子粉末を得た。
【0178】この時の主要処理条件を表2に、得られた
表面処理済芯粒子粉末の諸特性を表3に示す。
【0179】<中間複合粒子粉末の製造> 実施例1〜12、比較例1〜4 芯粒子の種類、被覆工程におけるアルコキシシラン又は
ポリシロキサンの添加の有無、種類及び添加量、エッジ
ランナーによる処理条件、カーボンブラックの第1層の
付着工程におけるカーボンブラック微粒子粉末の種類及
び添加量、エッジランナーによる処理条件を種々変えた
以外は、前記発明の実施の形態と同様にして中間複合非
磁性粒子粉末を得た。使用したカーボンブラック微粒子
粉末B乃至Eの諸特性を表4に示すとともに、この時の
主要処理条件を表5に、得られた中間複合非磁性粒子粉
末の諸特性を表6に示す。実施例1〜12の各実施例で
得られた中間複合非磁性粒子粉末は、電子顕微鏡観察の
結果、カーボンブラックがほとんど認められないことか
ら、カーボンブラックのほぼ全量がアルコキシシランか
ら生成するオルガノシラン化合物被覆又はポリシロキサ
ン被覆に付着していることが確認された。
【0180】
【表4】
【0181】なお、実施例9〜11の各実施例で使用さ
れている添加物は、いずれもポリシロキサンである。
「TSF484」(商品名:GE東芝シリコーン株式会
社製)はメチルハイドロジェンポリシロキサンであり、
「BYK−080」(商品名:ビックケミー・ジャパン
株式会社製)は変成ポリシロキサンであり、「TSF−
4770」(商品名:GE東芝シリコーン株式会社製)
は末端カルボキシル変成ポリシロキサンである。
【0182】
【表5】
【0183】
【表6】
【0184】<黒色非磁性粒子粉末の製造> 実施例13〜24、比較例5〜11 中間複合非磁性粒子の種類、接着剤による処理工程にお
ける接着剤の種類、添加量及びエッジランナーによる処
理条件、カーボンブラックの第2層の接着工程における
カーボンブラック微粒子粉末の種類、添加量、エッジラ
ンナーによる処理条件を種々変化させた以外は、前記発
明の実施の形態と同様にして黒色磁性粒子粉末を得た。
【0185】尚、実施例13〜24の各実施例で得られ
た黒色非磁性粒子粉末は、電子顕微鏡観察の結果、カー
ボンブラックがほとんど認められないことから、カーボ
ンブラックのほぼ全量がカーボンブラックの第1層に接
着されていることが認められた。
【0186】この時の主要処理条件を表7に、得られた
黒色非磁性粒子粉末の諸特性を表8に示す。
【0187】
【表7】
【0188】
【表8】
【0189】<黒色トナーの製造> 実施例25〜36、比較例12〜26及び参考例1 実施例13〜24の黒色複合非磁性粒子粉末、実施例3
の中間複合非磁性粒子粉末、芯粒子1〜4の芯粒子粉
末、カーボンブラックB〜D、比較例3及び比較例5〜
11の黒色非磁性粒子粉末を用いて、黒色非磁性粒子粉
末と結着剤樹脂の配合量を種々変えた以外は前記発明の
実施の形態と同様にして黒色トナーを得た。
【0190】この時の主要製造条件及び諸特性を表9及
び表10に示す。
【0191】
【表9】
【0192】
【表10】
【0193】
【発明の効果】本発明に係る黒色非磁性粒子粉末は、流
動性及び黒色度がより優れているとともに、粒子表面か
ら脱離するカーボンブラックが少ないことにより、結着
剤樹脂中への分散性が優れているので、高画質及び高速
の黒色トナー用黒色非磁性粒子粉末として好適である。
【0194】また、本発明に係る黒色非磁性粒子粉末
は、分散性が優れているので、取り扱いやすく作業性に
優れており、工業的に好ましいものである。
【0195】そして、上記流動性がより優れているとと
もに黒色度がより優れている黒色非磁性粒子粉末を用い
た黒色トナーもまた流動性がより優れているとともに黒
色度がより優れているので、高画質及び高速の黒色トナ
ーとして好ましいものである。
【0196】また、本発明に係る黒色トナーは、多量の
カーボンブラックが付着している黒色非磁性粒子粉末を
用いているにもかかわらず、高い体積固有抵抗値を維持
することができるので、高抵抗乃至絶縁性トナーとして
好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石谷 誠治 広島県大竹市明治新開1番4戸田工業株式 会社大竹創造センター内 Fターム(参考) 2H005 AA06 CA12 CA26 CB02 CB03 CB07 CB10 CB11 CB13 CB18 DA04 EA01 EA05 EA07 4G002 AA03 AA05 AA06 AA12 AB05 AE01 AE03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘマタイト粒子粉末又は含水酸化第二鉄
    粒子粉末の粒子表面にアルコキシシランから生成するオ
    ルガノシラン化合物又はポリシロキサンが被覆されてお
    り、該被覆の少なくとも1部にカーボンブラックが付着
    している平均粒子径0.06〜1.0μmの黒色複合非
    磁性粒子粉末であって、上記カーボンブラックの総付着
    量が前記ヘマタイト粒子粉末又は前記含水酸化第二鉄粒
    子粉末100重量部に対して26〜55重量部であるこ
    とを特徴とする高抵抗黒色トナー用黒色非磁性粒子粉
    末。
  2. 【請求項2】 ヘマタイト粒子粉末又は含水酸化第二鉄
    粒子粉末の粒子表面に下層としてアルミニウムの水酸化
    物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ
    素の酸化物から選ばれた1種又は2種以上の化合物が被
    覆され、上層としてアルコキシシランから生成するオル
    ガノシラン化合物又はポリシロキサンが被覆されてお
    り、該被覆の少なくとも1部にカーボンブラックが付着
    している平均粒子径0.06〜1.0μmの黒色複合非
    磁性粒子粉末であって、上記カーボンブラックの総付着
    量が前記ヘマタイト粒子粉末又は前記含水酸化第二鉄粒
    子粉末100重量部に対して26〜55重量部であるこ
    とを特徴とする高抵抗黒色トナー用黒色非磁性粒子粉
    末。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の黒色非磁性
    粒子粉末を用いた高抵抗黒色トナー。
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