JP2001013730A - 黒色トナー用黒色複合非磁性粒子粉末及び該黒色複合非磁性粒子粉末を用いた黒色トナー - Google Patents

黒色トナー用黒色複合非磁性粒子粉末及び該黒色複合非磁性粒子粉末を用いた黒色トナー

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JP2001013730A
JP2001013730A JP2000121923A JP2000121923A JP2001013730A JP 2001013730 A JP2001013730 A JP 2001013730A JP 2000121923 A JP2000121923 A JP 2000121923A JP 2000121923 A JP2000121923 A JP 2000121923A JP 2001013730 A JP2001013730 A JP 2001013730A
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particle
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Kazuyuki Hayashi
一之 林
Hiroko Morii
弘子 森井
Yasuyuki Tanaka
泰幸 田中
Seiji Ishitani
誠治 石谷
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Toda Kogyo Corp
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Toda Kogyo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流動性及び黒色度が優れているとともに、結
着剤樹脂中への分散性が優れている黒色トナー用黒色非
磁性粒子粉末を得る。 【解決手段】 ヘマタイト粒子粉末又は含水酸化鉄粒
子粉末の粒子表面にポリシロキサンが被覆されており、
該ポリシロキサン被覆の少なくとも1部にカーボンブラ
ックが付着している平均粒子径0.06〜1.0μmの
黒色複合非磁性粒子粉末であって、上記カーボンブラッ
クの付着量が前記ヘマタイト粒子粉末又は含水酸化鉄粒
子粉末100重量部に対して1〜25重量部であること
を特徴とする黒色トナー用黒色複合非磁性粒子粉末。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粒子表面から脱離する
カーボンブラックが少ないことにより、結着剤樹脂中へ
の分散性が優れており、且つ、流動性及び黒色度が優れ
ている黒色トナー用黒色複合非磁性粒子粉末を提供する
とともに、該黒色複合非磁性粒子粉末を用いた流動性及
び黒色度に優れた黒色トナーを提供することを目的とす
る。
【0002】
【従来の技術】電子写真現像プロセスにおいては、現像
剤として結着剤樹脂中にカーボンブラック微粒子粉末等
の非磁性黒色顔料を混合分散させた黒色トナーが広く使
用されている。
【0003】近年における現像方式は、2成分系現像法
と1成分系現像法とに大別できる。
【0004】2成分系現像法は、黒色トナーとキャリア
とを摩擦して静電潜像と反対符号の電荷を黒色トナーに
与えて、静電潜像表面に静電引力によって黒色トナーを
付着させ、電荷を中和することにより現像する方式であ
る。
【0005】一方、1成分系現像法は、キャリアを必要
としないので黒色トナーの濃度制御が不要で、しかも、
現像機の構造が簡単で、小型化が可能であるという特徴
がある反面、上記2成分系現像法と同等の性能を得るた
めに高度の技術が要求されている。1成分系現像法の一
つとして、磁性粒子粉末を使用せずに結着剤樹脂中にカ
ーボンブラック微粒子粉末を分散させた絶縁性乃至高抵
抗黒色トナーを使用する、所謂、絶縁性非磁性トナー現
像法がある。
【0006】上記2成分系現像法及び上記絶縁性非磁性
トナー現像法において使用する黒色トナーは、現在、複
写機の主流を占めているPPC方式の場合、いずれも絶
縁性乃至高抵抗性であることが必要であり、体積固有抵
抗値が1012Ω・cm以上を有することが要求される。
【0007】現像剤の流動性は、現像機の中における現
像剤の挙動を強く支配し、2成分系現像法における黒色
トナーとキャリアとの摩擦帯電性、あるいは、1成分系
現像法におけるスリーブ上での黒色トナーの帯電特性に
影響を与えることが知られており、近時の画像濃度や階
調性等現像機の高画質化や高速化に伴って、黒色トナー
の流動性の向上が強く要求されている。
【0008】そして、黒色トナーの流動性の向上は、近
時における黒色トナーの小粒径化に伴って益々強く要求
されている。
【0009】この事実は、日本科学情報株式会社発行
「トナー材料の開発・実用化総合技術資料集」(198
5年)の第121頁の「‥‥IPC等のプリンターが巾
広く展開するにつれて、画質の高品位化が要求される。
特に高解像力、高精細プリンターの出現が求められる。
表−1に各種トナーを用いたときの解像力の関係を示し
たが、小径である湿式トナーは高解像力を出すことがで
きる。乾式トナーを用いて解像力を高めるためにもトナ
ーの小径化が必要である。‥‥小径トナーを用いた報告
としては、8.5μ〜11μのトナーを用いることによ
り、下地カブリ改良、さらに消費量の軽減をはかる。そ
の他、6〜10μのポリエステル系トナーを採用する
と、高画質化、及び帯電性の安定、現像剤寿命の改良提
案もある。しかし小径トナーを使用する際には、多くの
問題を解決しなくてはならない。製造性、粒度分布のシ
ャープさ、流動性改良、‥‥等が存在する。‥‥」なる
記載の通りである。
【0010】更に、黒色トナーは、複写された線画像、
ソリッドエリア画像の黒さ、濃さの程度が高いことが要
求されている。
【0011】この事実は、前出「トナー材料の開発・実
用化総合技術資料集」の第272頁の「‥‥画像濃度が
高いことは粉末現像の特徴であるが、後述のかぶり濃度
と共に画像特性を大きく左右する事項である。‥‥」な
る記載の通りである。
【0012】上述した通り、黒色トナーの諸特性の向上
は強く要求されているところである。この黒色トナー
は、殊に、トナーの表面から露出した黒色顔料が、現像
特性に大きく影響することが知られており、黒色トナー
の上記諸特性と黒色トナー中に混合分散されている黒色
顔料の諸特性とは密接な関係がある。
【0013】即ち、黒色トナーの流動性は、黒色トナー
表面に露出している黒色顔料の表面状態に大きく依存す
ることから、黒色顔料自体の流動性が優れていることが
強く要求されている。黒色トナーの黒さ、濃さの程度も
同様に、黒色トナーに含有されている黒色顔料の黒さ、
濃さの程度に大きく依存している。
【0014】現在、黒色トナーに使用する黒色顔料とし
ては、主にカーボンブラック微粒子粉末が使用されてい
る(特許第2715336号公報、特開平10−395
46号公報)。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】流動性及び黒色度が優
れているとともに、結着剤樹脂中への分散性が優れてい
る黒色トナー用黒色非磁性粒子粉末は、現在最も要求さ
れているところであるが、このような特性を有する黒色
非磁性粒子粉末は未だ得られていない。
【0016】即ち、黒色トナー用黒色非磁性粒子粉末と
して前出公知のカーボンブラック微粒子粉末を使用した
場合、黒色トナーの体積固有抵抗値を1012Ω・cm以
上とするためにはカーボンブラック微粒子粉末の使用量
に限界があるため、十分な黒色度が得られず、流動性も
十分ではないという問題があった。
【0017】そして、安全及び衛生上の問題も指摘され
ている。これらの事実について以下に説明する。
【0018】カーボンブラック微粒子粉末は、それ自体
導電性であるため、黒色トナーの黒色度を高めるために
多量に使用するとトナーの体積固有抵抗値が低下し、絶
縁性乃至高抵抗性トナーとして使用できなくなる。一
方、黒色トナーの体積固有抵抗値の面から、黒色トナー
中のカーボンブラック微粒子粉末の使用量を削減した場
合には、黒色度が低下するばかりでなく、カーボンブラ
ック微粒子粉末が平均粒子径0.002〜0.05μm
と微細な粒子粉末であることに起因して、カーボンブラ
ック微粒子粉末が黒色トナーの粒子内部に含有・埋没
し、黒色トナーの粒子表面に露出するカーボンブラック
微粒子粉末が減少するため、流動性もまた低下する傾向
にある。
【0019】更に、カーボンブラック微粒子粉末は、比
重が1.80〜1.85と非常に低いためハンドリング
しにくく、且つ、これを結着剤樹脂中に分散させて黒色
トナーとしたとき、カサ比重の低いトナーしか得られな
いために、得られたトナーは飛散しやすく、又、流動性
の悪いものとなる。
【0020】また、カーボンブラック微粒子粉末の製造
過程で発生する物質の中で、発癌性の疑いのある物質
が、カーボンブラック微粒子粉末中に不純物として含ま
れているとの報告もあり、カーボンブラック微粒子粉末
を用いた黒色トナーの安全性が指摘されている。
【0021】そこで、本発明は、流動性及び黒色度が優
れているとともに、結着剤樹脂中への分散性が優れてい
る黒色トナー用黒色非磁性粒子粉末を得ることを技術的
課題とする。
【0022】
【課題を解決する為の手段】前記技術的課題は次の通り
の本発明によって達成できる。
【0023】即ち、本発明は、ヘマタイト粒子粉末又は
含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面にポリシロキサンが被覆
されており、該ポリシロキサン被覆の少なくとも1部に
カーボンブラックが付着している平均粒子径0.06〜
1.0μmの黒色複合非磁性粒子粉末であって、上記カ
ーボンブラックの付着量が前記黒色複合非磁性粒子粉末
100重量部に対して1〜25重量部である黒色トナー
用黒色複合非磁性粒子粉末、ヘマタイト粒子粉末又は含
水酸化鉄粒子粉末の粒子表面に下層としてアルミニウム
の水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物
及びケイ素の酸化物から選ばれた1種又は2種以上が被
覆され、上層としてポリシロキサンが被覆されており、
該ポリシロキサン被覆の少なくとも1部にカーボンブラ
ックが付着している平均粒子径0.06〜1.0μmの
黒色複合非磁性粒子粉末であって、上記カーボンブラッ
クの付着量が前記黒色複合非磁性粒子粉末100重量部
に対して1〜25重量部である黒色トナー用黒色複合非
磁性粒子粉末及び前記いずれかの黒色複合非磁性粒子粉
末を用いた黒色トナーである。
【0024】本発明の構成をより詳しく説明すれば、次
の通りである。
【0025】先ず、本発明に係る黒色複合非磁性粒子粉
末について述べる。
【0026】本発明に係る黒色複合非磁性粒子粉末は、
芯粒子粉末であるヘマタイト粒子粉末又は含水酸化鉄粒
子粉末の粒子表面にポリシロキサンが被覆されており、
該ポリシロキサン被覆の少なくとも1部にカーボンブラ
ックが付着している平均粒子径0.06〜1.0μmの
黒色複合非磁性粒子粉末である。
【0027】本発明における芯粒子粉末は、ヘマタイト
粒子粉末、含水酸化鉄粒子粉末及びこれらの混合粒子粉
末である。得られる黒色複合非磁性粒子粉末の黒色度を
考慮すれば、黒色ヘマタイト粒子粉末及び黒色含水酸化
鉄粒子粉末が好ましく、より好ましくは黒色ヘマタイト
粒子粉末である。
【0028】黒色ヘマタイト粒子粉末としては、黒色ヘ
マタイト粒子粉末に対して5〜40重量%のマンガンを
含有するマンガン含有ヘマタイト粒子粉末があり、黒色
含水酸化鉄粒子粉末としては、黒色含水酸化鉄粒子粉末
に対して5〜40重量%のマンガンを含有するマンガン
含有含水酸化鉄粒子粉末がある。
【0029】芯粒子の粒子形状は、球状、粒状、六面体
状、八面体状及び多面体状等の球形度(平均最長径と平
均最短径の比)(以下、「球形度」という。)が2未満
の等方性粒子や針状、紡錘状、米粒状等の軸比(平均長
軸径と平均短軸径との比)(以下、「軸比」という。)
が2以上の異方性粒子のいずれをも使用することができ
る。得られる黒色複合非磁性粒子粉末の流動性を考慮す
れば、芯粒子の粒子形状は等方性粒子が好ましく、より
好ましくは球状粒子及び粒状粒子である。
【0030】芯粒子粉末の粒子サイズは、等方性粒子粉
末の場合、平均粒子径が0.055〜0.95μm、好
ましくは0.065〜0.75μm、より好ましくは
0.065〜0.45μmであって、球形度が1.0以
上2.0未満、好ましくは1.0〜1.8、より好まし
くは1.0〜1.5であり、異方性粒子粉末の場合、平
均長軸径が0.055〜0.95μm、好ましくは0.
065〜0.75μm、より好ましくは0.065〜
0.45μmであって、軸比が2.0〜20.0、好ま
しくは2.0〜15.0、より好ましくは2.0〜1
0.0である。
【0031】芯粒子粉末の平均粒子径が0.95μmを
超える場合には、得られる黒色複合非磁性粒子粉末が粗
大粒子となり着色力が低下する。0.055μm未満の
場合には、粒子の微細化による分子間力の増大により凝
集を起こしやすいため、芯粒子粉末の粒子表面へのポリ
シロキサンによる均一な被覆処理及びカーボンブラック
による均一な付着処理が困難となる。
【0032】異方性粒子粉末の軸比が20.0を超える
場合には、粒子の絡み合いが多くなり、芯粒子粉末の粒
子表面へのポリシロキサンによる均一な被覆処理及びカ
ーボンブラックによる均一な付着処理が困難となる。
【0033】芯粒子粉末の粒子径(異方性粒子粉末の場
合は長軸径)の幾何標準偏差値は2.0以下が好まし
く、より好ましくは1.8以下であり、更により好まし
くは1.6以下である。幾何標準偏差値が2.0を超え
る場合には、存在する粗大粒子によって均一な分散が阻
害されるため、芯粒子粉末の粒子表面へのポリシロキサ
ンによる均一な被覆処理及びカーボンブラックによる均
一な付着処理が困難となる。幾何標準偏差値の下限値は
1.01であり、1.01未満のものは工業的に得られ
難い。
【0034】芯粒子粉末のBET比表面積値は0.5m
2/g以上である。BET比表面積値が0.5m2/g未
満の場合には、芯粒子が粗大であったり、粒子相互間で
焼結が生じた粒子となっており、得られる黒色複合非磁
性粒子もまた粗大粒子となり着色力が低下する。得られ
る黒色複合非磁性粒子粉末の着色力を考慮すると、BE
T比表面積値は、好ましくは1.5m2/g以上、より
好ましくは2.5m2/g以上である。芯粒子粉末の粒
子表面へのポリシロキサンによる均一な被覆処理及びカ
ーボンブラックによる均一な付着処理を考慮すると、そ
の上限値は95m2/gであり、好ましくは85m2
g、より好ましくは75m2/gである。
【0035】芯粒子粉末の流動性は、流動性指数が25
〜42程度である。各種形状の芯粒子のうち、球状を呈
した粒子粉末は流動性が優れているものであるが、それ
でも流動性指数は30〜42程度である。
【0036】芯粒子粉末の黒色度は、ヘマタイト粒子粉
末の場合、通常L*値の下限値が18.0を超え、上限
値は36.0、好ましくは34.0であり、ゲータイト
粒子粉末の場合、通常L*値の下限値が18.0を超
え、上限値は38.0、好ましくは36.0であり、黒
色ヘマタイト粒子粉末の場合、通常L*値の下限値が1
8.0を超え、上限値は28.0、好ましくは26.0
であり、黒色ゲータイト粒子粉末の場合、通常L*値の
下限値が18.0を超え、上限値は30.0、好ましく
は28.0である。L*値が上記上限値を超える場合に
は、明度が高くなり、十分な黒色度を有する黒色複合非
磁性粒子粉末を得ることができない。
【0037】本発明に係る黒色複合非磁性粒子粉末の粒
子形状や粒子サイズは、芯粒子であるヘマタイト粒子及
び含水酸化鉄粒子の粒子形状や粒子サイズに大きく依存
し、芯粒子に相似する粒子形態を有しているとともに、
芯粒子よりも若干大きい粒子サイズを有している。
【0038】即ち、本発明に係る黒色複合非磁性粒子粉
末は、等方性のヘマタイト粒子及び含水酸化鉄粒子を芯
粒子とした場合には、平均粒子径が0.06〜1.0μ
m、好ましくは0.07〜0.8μm、より好ましくは
0.07〜0.5μmであって、球形度が1.0以上
2.0未満、好ましくは1.0〜1.8、より好ましく
は1.0〜1.5であり、異方性のヘマタイト粒子及び
含水酸化鉄粒子を芯粒子とした場合には、平均長軸径が
0.06〜1.0μm、好ましくは0.07〜0.8μ
m、より好ましくは0.07〜0.5μmであって、軸
比が2.0〜20.0、好ましくは2.0〜15.0、
より好ましくは2.0〜10.0である。
【0039】平均粒子径が1.0μmを超える場合に
は、黒色複合非磁性粒子粉末が粗大粒子であり、着色力
が低下する。0.06μm未満の場合には、粒子の微細
化による分子間力の増大により凝集を起こしやすいた
め、黒色トナー製造時における結着剤樹脂への分散性が
低下する。
【0040】異方性粒子の軸比が20.0を超える場合
には、結着剤樹脂中における粒子の絡み合いが多くな
り、分散性が低下しやすくなる。
【0041】黒色複合非磁性粒子粉末の幾何標準偏差値
は、2.0以下が好ましく、その下限値は1.01であ
り、より好ましくは、1.01〜1.8の範囲であり、
更により好ましくは1.01〜1.6である。幾何標準
偏差値が2.0を超える場合には、存在する粗大粒子に
よって黒色複合非磁性粒子粉末の着色力が低下しやすく
なる。幾何標準偏差値が1.01未満のものは工業的に
得られ難い。
【0042】本発明に係る黒色複合非磁性粒子粉末は、
BET比表面積値が1.0〜100m2/g、好ましく
は2.0〜90m2/g、より好ましくは3.0〜80
2/gである。BET比表面積値が1.0m2/g未満
の場合には、粒子が粗大であったり、粒子及び粒子相互
間で焼結が生じた粒子となっており、着色力が低下す
る。BET比表面積値が100m2/gを超える場合に
は、粒子の微細化による分子間力の増大により凝集を起
こしやすいため、黒色トナー製造時における結着剤樹脂
への分散性が低下する。
【0043】本発明に係る黒色複合非磁性粒子粉末の流
動性は、流動性指数が43〜80の範囲が好ましく、よ
り好ましくは44〜80、更により好ましくは45〜8
0である。流動性指数が43未満の場合には流動性が十
分とは言い難く、得られる黒色トナーの流動性を改善す
ることが困難である。また、製造工程内でホッパー詰ま
り等の不具合を生じやすく、ハンドリングしにくくな
る。
【0044】本発明に係る黒色複合非磁性粒子粉末の黒
色度は、芯粒子としてヘマタイト粒子を用いた場合、上
限値がL*値で20.0であり、好ましくは19.0、
より好ましくは18.5である。芯粒子としてゲータイ
ト粒子を用いた場合、上限値がL*値で20.0であ
り、好ましくは19.5、より好ましくは19.0であ
る。芯粒子として黒色ヘマタイト粒子を用いた場合、上
限値がL*値で20.0であり、好ましくは18.5、
より好ましくは18.0である。芯粒子として黒色ゲー
タイト粒子を用いた場合、上限値がL*値で20.0で
あり、好ましくは19.0、より好ましくは18.5で
ある。L*値が20.0を超える場合には、明度が高く
なり、黒色度が十分とはいえない。黒色度の下限値はL
*値が15.0である。
【0045】本発明に係る黒色複合非磁性粒子粉末の結
着剤樹脂への分散性は、後述する分散性の評価方法に基
づいて、4又は5が好ましく、より好ましくは5であ
る。
【0046】本発明に係る黒色複合非磁性粒子粉末のカ
ーボンブラックの脱離率は20%以下が好ましく、より
好ましくは10%以下である。カーボンブラックの脱離
率が20%を超える場合には、黒色トナーの製造時にお
いて、脱離したカーボンブラックにより結着剤樹脂中で
の均一な分散が阻害される場合がある。
【0047】本発明に係る黒色複合非磁性粒子粉末にお
けるポリシロキサンは、化1で表わされるポリシロキサ
ン、化2で表わされる変成ポリシロキサン、化3で表わ
される末端変成ポリシロキサンまたはこれらの混合物を
用いることができる。
【0048】
【化1】
【0049】
【化2】
【0050】
【化3】
【0051】カーボンブラック微粒子粉末の付着効果及
び脱離率を考慮すると、メチルハイドロジェンシロキサ
ン単位を有するポリシロキサン、ポリエーテル変成ポリ
シロキサン及び末端がカルボン酸で変成された末端カル
ボン酸変成ポリシロキサンが好ましい。
【0052】ポリシロキサンの被覆量は、ポリシロキサ
ン被覆粒子粉末に対し、Si換算で0.02〜5.0重
量%であることが好ましい。より好ましくは、0.03
〜4.0重量%、更に好ましくは0.05〜3.0重量
%である。
【0053】0.02重量%未満の場合には、流動性及
び黒色度の優れた黒色複合非磁性粒子粉末を得ることが
困難である。
【0054】5.0重量%を超える場合には、得られる
黒色複合非磁性粒子粉末の流動性及び黒色度を改良でき
る程度にカーボンブラックを芯粒子粉末の粒子表面に十
分付着させることができるため、必要以上に被覆する意
味がない。
【0055】カーボンブラックの付着量は、芯粒子粉末
100重量部に対して1〜25重量部である。
【0056】1重量部未満の場合には、カーボンブラッ
クの付着量が不十分であるため、十分な流動性及び黒色
度を有する黒色複合非磁性粒子粉末を得ることが困難で
ある。
【0057】25重量部を超える場合には、得られる黒
色複合非磁性粒子粉末は十分な流動性及び黒色度を有し
ているが、カーボンブラックの付着量が多いため、カー
ボンブラックが脱離しやすくなり、その結果、黒色トナ
ー製造時における結着剤樹脂への分散性が低下する場合
がある。
【0058】カーボンブラックの付着厚みは、0.04
μm以下が好ましく、より好ましくは0.03μm以
下、更に好ましくは0.02μm以下である。
【0059】本発明に係る黒色複合非磁性粒子粉末は、
必要により、芯粒子粉末の粒子表面をあらかじめ、アル
ミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の
水酸化物及びケイ素の酸化物から選ばれた1種又は2種
以上(以下、「アルミニウムの水酸化物等による被覆」
という。)で被覆しておいてもよく、アルミニウムの水
酸化物等で被覆しない場合に比べ、カーボンブラックの
脱離率をより低減することができるため、黒色トナー製
造時における結着剤樹脂中への分散性がより向上する。
【0060】アルミニウムの水酸化物等による被覆量
は、アルミニウムの水酸化物等が被覆された粒子粉末に
対してAl換算、SiO2換算又はAl換算量とSiO2
換算量との総和で0.01〜50重量%が好ましい。
【0061】0.01重量%未満である場合には、アル
ミニウムの水酸化物等を被覆したことによるカーボンブ
ラックの脱離率低減効果が得られないため、黒色複合非
磁性粒子粉末の黒色トナー製造時における結着剤樹脂へ
の分散性改良効果が得られない。
【0062】50重量%を超える場合には、アルミニウ
ムの水酸化物等を被覆したことによるカーボンブラック
の脱離率低減効果により、黒色複合非磁性粒子粉末の黒
色トナー製造時における結着剤樹脂への分散性改良効果
が得られるが、その効果が飽和するため必要以上に被覆
する意味がない。
【0063】芯粒子粉末の粒子表面がアルミニウムの水
酸化物等で被覆されている本発明に係る黒色複合非磁性
粒子粉末は、芯粒子粉末の粒子表面がアルミニウムの水
酸化物等で被覆されていない本発明に係る黒色複合非磁
性粒子粉末の場合とほぼ同程度の粒子サイズ、幾何標準
偏差値、BET比表面積値、流動性、黒色度L*値を有
するとともに、より改善されたカーボンブラックの脱離
率を有している。
【0064】次に、本発明に係る黒色トナーについて述
べる。
【0065】本発明に係る黒色トナーは、少なくとも前
記黒色複合非磁性粒子粉末及び結着剤樹脂から構成され
ており、必要に応じて離型剤、着色剤、荷電制御剤、そ
の他の添加剤等を含有してもよい。
【0066】本発明に係る黒色トナーの平均粒子径は3
〜25μmが好ましく、より好ましくは4〜18μm、
更に好ましくは5〜15μmである。
【0067】結着剤樹脂と黒色複合非磁性粒子粉末との
割合は、黒色複合非磁性粒子粉末100重量部に対して
結着剤樹脂200〜3500重量部、好ましくは300
〜2000重量部である。
【0068】結着剤樹脂としては、スチレン、アクリル
酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエステル
等のビニル系単量体を重合又は共重合したビニル系重合
体が使用できる。上記スチレン単量体としては、例えば
スチレン及びその置換体がある。上記アクリル酸アルキ
ルエステル単量体としては、例えばアクリル酸、アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等が
ある。
【0069】上記共重合体は、スチレン系成分を50〜
95重量%含むことが好ましい。
【0070】結着剤樹脂は、必要により、上記ビニル系
重合体とともにポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、
ポリウレタン系樹脂等を併用することができる。
【0071】本発明に係る黒色トナーの流動性は、流動
性指数が70〜100であり、好ましくは71〜10
0、より好ましくは72〜100である。70未満の場
合には流動性が十分とはいえない。
【0072】本発明に係る黒色トナーの黒色度はL*
が20.0以下であり、好ましくは19.8以下、より
好ましくは19.5以下である。L*値が20.0を超
える場合には、明度が高くなり、黒色度が十分とはいえ
ない。下限値はL*値が15.0程度である。
【0073】黒色トナーの体積固有抵抗値は、1.0×
1013Ω・cm以上であり、好ましくは3.0×1013
Ω・cm以上、より好ましくは5.0×1013Ω・cm
以上である。1.0×1013Ω・cm未満である場合
は、トナーの使用環境によって帯電量が変化しやすく特
性が不安定となりやすい。上限値は1.0×1017Ω・
cm未満である。
【0074】次に、本発明に係る黒色複合非磁性粒子粉
末の製造法について述べる。
【0075】本発明における等方性状の芯粒子粉末であ
る粒状のヘマタイト粒子粉末は、第一鉄塩水溶液と水酸
化アルカリ水溶液とを反応して得られる水酸化第一鉄コ
ロイドを含む懸濁液中に酸素含有ガスを通気して酸化す
る、所謂、湿式法により得られる粒状マグネタイト粒子
粉末を、空気中750〜1000℃で加熱処理すること
により得られる。
【0076】本発明における等方性状の芯粒子粉末であ
る粒状のマンガン含有ヘマタイト粒子粉末は、第一鉄塩
水溶液と水酸化アルカリ水溶液とを反応して得られる水
酸化第一鉄コロイドを含む懸濁液中に酸素含有ガスを通
気して酸化する、所謂、湿式法により得られる粒状マグ
ネタイト粒子粉末を全Feに対して8〜150原子%の
マンガン化合物で被覆した粒状マグネタイト粒子粉末又
は上記湿式反応をマンガンの存在下で行うことにより得
られたFeに対し8〜150原子%のマンガンを含有す
る粒状マグネタイト粒子粉末を、空気中750〜100
0℃で加熱処理することにより得られる。得られる粒状
マンガン含有ヘマタイト粒子粉末の黒色度を考慮すれ
ば、後者が好ましい。
【0077】本発明における異方性状の芯粒子粉末であ
る針状又は紡錘状のヘマタイト粒子粉末は、後出の方法
により得られる針状又は紡錘状の含水酸化鉄粒子粉末を
空気中400〜800℃で加熱処理することにより得ら
れる。
【0078】本発明における異方性状の芯粒子粉末であ
る針状又は紡錘状の含水酸化鉄粒子粉末は、第一鉄塩水
溶液と水酸化アルカリ水溶液、炭酸アルカリ水溶液又は
水酸化アルカリ水溶液・炭酸アルカリ水溶液とを反応し
て得られる水酸化第一鉄コロイド、炭酸鉄及び鉄含有沈
殿物のいずれかを含む懸濁液中に酸素含有ガスを通気
し、酸化することにより針状又は紡錘状含水酸化鉄粒子
粉末を生成し、該針状又は紡錘状ゲータイト粒子粉末を
濾別、水洗、乾燥することにより得ることができる。
【0079】本発明における異方性状の芯粒子粉末であ
る針状又は紡錘状のマンガン含有ヘマタイト粒子粉末
は、後出の方法により得られる全Feに対して8〜15
0原子%のマンガンを含有する針状又は紡錘状の含水酸
化鉄粒子粉末を空気中400〜800℃で加熱処理する
ことにより得ることができる。
【0080】本発明における異方性状の芯粒子粉末であ
る針状又は紡錘状のマンガン含有含水酸化鉄粒子粉末
は、第一鉄塩水溶液と水酸化アルカリ水溶液、炭酸アル
カリ水溶液又は水酸化アルカリ水溶液・炭酸アルカリ水
溶液とを反応して得られる水酸化第一鉄コロイド、炭酸
鉄及び鉄含有沈殿物のいずれかを含む懸濁液中に酸素含
有ガスを通気し、酸化して針状又は紡錘状含水酸化鉄粒
子粉末を生成させるにあたり、全Feに対して8〜15
0原子%のマンガンの存在下で反応させることにより得
られる。
【0081】芯粒子粉末の粒子表面のポリシロキサンに
よる被覆は、芯粒子粉末とポリシロキサンとを機械的に
混合攪拌したり、芯粒子粉末にポリシロキサンを噴霧し
ながら機械的に混合攪拌すればよい。添加したポリシロ
キサンは、ほぼ全量が芯粒子粉末の粒子表面に被覆され
る。
【0082】ポリシロキサンを均一に芯粒子粉末の粒子
表面に被覆するためには、芯粒子粉末の凝集をあらかじ
め粉砕機を用いて解きほぐしておくことが好ましい。
【0083】芯粒子粉末とポリシロキサンとの混合攪拌
やカーボンブラック微粒子粉末と粒子表面にポリシロキ
サンが被覆されている芯粒子粉末との混合攪拌をするた
めの機器としては、粉体層にせん断力を加えることので
きる装置が好ましく、殊に、せん断、へらなで及び圧縮
が同時に行える装置、例えば、ホイール形混練機、ボー
ル型混練機、ブレード型混練機、ロール型混練機を用い
ることができる。本発明の実施にあたっては、ホイール
型混練機がより効果的に使用できる。
【0084】上記ホイール型混練機としては、具体的
に、エッジランナー(「ミックスマラー」、「シンプソ
ンミル」、「サンドミル」と同義語である)、マルチマ
ル、ストッツミル、ウエットパンミル、コナーミル、リ
ングマラー等があり、好ましくはエッジランナー、マル
チマル、ストッツミル、ウエットパンミル、リングマラ
ーであり、より好ましくはエッジランナーである。上記
ボール型混練機としては、具体的に、振動ミル等があ
る。上記ブレード型混練機としては、具体的に、ヘンシ
ェルミキサー、プラネタリーミキサー、ナウタミキサー
等がある。上記ロール型混練機としては、具体的に、エ
クストルーダー等がある。
【0085】混合攪拌時における条件は、芯粒子粉末の
粒子表面にポリシロキサンができるだけ均一に被覆され
るように、線荷重は19.6〜1960N/cm(2〜
200Kg/cm)、好ましくは98〜1470N/c
m(10〜150Kg/cm)、より好ましくは147
〜980N/cm(15〜100Kg/cm)、処理時
間は5〜120分、好ましくは10〜90分の範囲で処
理条件を適宜調整すればよい。なお、撹拌速度は2〜2
000rpm、好ましくは5〜1000rpm、より好
ましくは10〜800rpmの範囲で処理条件を適宜調
整すればよい。
【0086】ポリシロキサンの添加量は、芯粒子粉末1
00重量部に対して0.15〜45重量部が好ましい。
0.15重量部未満の場合には、黒色度及び流動性を改
良できる程度にカーボンブラックを十分付着させること
が困難である。45重量部を超える場合には、芯粒子粉
末の粒子表面に十分な黒色度及び流動性を付与できるだ
けのカーボンブラックを付着させることができるため、
必要以上に添加する意味がない。
【0087】粒子表面にポリシロキサンが被覆されてい
る芯粒子粉末に、カーボンブラック微粒子粉末を添加
し、混合攪拌してポリシロキサン被覆にカーボンブラッ
クを付着させる。必要により更に、乾燥を行ってもよ
い。
【0088】付着処理に用いるカーボンブラック微粒子
粉末は、市販のファーネスブラック、チャンネルブラッ
ク等を使用することができ、具体的には、#3050、
#3150、#3250、#3750、#3950、M
A100、MA7、#1000、#2400B、#3
0、MA77、MA8、#650、MA11、#50、
#52、#45、#2200B、MA600等(商品
名:三菱化学株式会社(製))シースト9H、シースト
7H、シースト6、シースト3H、シースト300、シ
ーストFM等(商品名、東海カーボン株式会社
(製))、Raven 1250、Raven 86
0、Raven 1000、Raven 1190UL
TRA(商品名:コロンビヤン・ケミカルズ・カンパニ
ー(製))、ケッチェンブラックEC、ケッチェンブラ
ックEC600JD(商品名:ケッチェンブラック・イ
ンターナショナル株式会社(製))、BLACK PE
ARLS−L、BLACK PEARLS 1000、
BLACK PEARLS 4630、VULCAN
XC72、REGAL 660、REGAL 400
(商品名:キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・
インク(製))等が使用できる。
【0089】ポリシロキサンとの親和性を考慮すれば、
MA−100、MA7、#1000、#2400B、#
30、BLACK PEARLS−L及びBLACK
PEARLS 4630が好ましい。
【0090】付着処理に用いるカーボンブラック微粒子
粉末の平均粒子径は0.002〜0.05μm程度、よ
り好ましくは0.002〜0.035μm程度である。
【0091】0.002μm未満の場合には、カーボン
ブラック微粒子粉末があまりに微細となるため、取扱い
が困難となる。
【0092】0.05μmを超える場合には、カーボン
ブラック微粒子粉末の粒子サイズが大きいため、ポリシ
ロキサン被覆へ均一に付着させるために非常に大きな機
械的せん断力が必要となり、工業的に不利となる。
【0093】カーボンブラック微粒子粉末は、少量ずつ
を時間をかけながら、殊に5〜60分程度をかけて添加
するのが好ましい。
【0094】混合攪拌時における条件は、カーボンブラ
ックが均一に付着するように、線荷重は19.6〜19
60N/cm(2〜200Kg/cm)、好ましくは9
8〜1470N/cm(10〜150Kg/cm)、よ
り好ましくは147〜980N/cm(15〜100K
g/cm)、処理時間は5〜120分、好ましくは10
〜90分の範囲で処理条件を適宜調整すればよい。な
お、撹拌速度は2〜2000rpm、好ましくは5〜1
000rpm、より好ましくは10〜800rpmの範
囲で処理条件を適宜調整すればよい。
【0095】カーボンブラック微粒子粉末の添加量は、
芯粒子粉末100重量部に対して1〜25重量部であ
る。1重量部未満の場合には、カーボンブラックの付着
量が不十分であり、十分な黒色度及び流動性を有する黒
色複合非磁性粒子粉末が得られない。25重量部を超え
る場合には、十分な黒色度及び流動性を有する黒色複合
非磁性粒子粉末が得られるが、カーボンブラックの付着
量が多くなるため粒子表面からカーボンブラックが脱離
しやすくなり、その結果、黒色トナー製造時における結
着剤樹脂への分散性が低下する。
【0096】乾燥を行う場合の加熱温度は、通常40〜
200℃が好ましく、より好ましくは60〜150℃で
あり、処理時間は、10分〜12時間が好ましく、30
分〜3時間がより好ましい。
【0097】芯粒子粉末は、必要により、ポリシロキサ
ンとの混合攪拌に先立ってあらかじめ、アルミニウムの
水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及
びケイ素の酸化物から選ばれる1種又は2種以上で被覆
しておいてもよい。
【0098】アルミニウムの水酸化物等による被覆は、
芯粒子粉末を分散して得られる水懸濁液に、アルミニウ
ム化合物、ケイ素化合物又は当該両化合物を添加して混
合攪拌することにより、又は、必要により、混合攪拌後
にpH値を調整することにより、前記芯粒子粉末の粒子
表面を、アルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化
物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物から選ばれる
1種又は2種以上で被覆し、次いで、濾別、水洗、乾
燥、粉砕する。必要により、更に、脱気・圧密処理等を
施してもよい。
【0099】アルミニウム化合物としては、酢酸アルミ
ニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸ア
ルミニウム等のアルミニウム塩や、アルミン酸ナトリウ
ム等のアルミン酸アルカリ塩等が使用できる。
【0100】アルミニウム化合物の添加量は、芯粒子粉
末に対してAl換算で0.01〜50重量%である。
0.01重量%未満である場合には、粒子表面に十分な
量のアルミニウムの水酸化物等を被覆することが困難で
あり、カーボンブラックの脱離率低減効果が得られない
ため、黒色複合非磁性粒子粉末の黒色トナー製造時にお
ける結着剤樹脂への分散性改良効果が得られない。50
重量%を超える場合には、被覆効果が飽和するため、必
要以上に添加する意味がない。
【0101】ケイ素化合物としては、3号水ガラス、オ
ルトケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム等が使用
できる。
【0102】ケイ素化合物の添加量は、芯粒子粉末に対
してSiO2換算で0.01〜50重量%である。0.
01重量%未満である場合には、粒子表面に十分な量の
ケイ素の酸化物等を被覆することが困難であり、カーボ
ンブラックの脱離率低減効果が得られないため、黒色複
合非磁性粒子粉末の黒色トナー製造時における結着剤樹
脂への分散性改良効果が得られない。50重量%を超え
る場合には、被覆効果が飽和するため、必要以上に添加
する意味がない。
【0103】アルミニウム化合物とケイ素化合物とを併
せて使用する場合の添加量は、芯粒子粉末に対し、Al
換算量とSiO2換算量との総和で0.01〜50重量
%が好ましい。
【0104】次に、本発明に係る黒色トナーの製造法に
ついて述べる。
【0105】本発明に係る黒色トナーは、所定量の結着
剤樹脂と所定量の黒色複合非磁性粒子粉末とを混合、混
練、粉砕による公知の方法によって行うことができる。
具体的には、黒色複合非磁性粒子粉末と結着剤樹脂と
を、必要により更に離型剤、着色剤、荷電制御剤、その
他の添加剤等を添加した混合物を混合機により十分に混
合した後、加熱混練機によって結着剤樹脂中に黒色複合
非磁性粒子粉末等を分散させ、次いで、冷却固化して樹
脂混練物を得、該樹脂混練物を粉砕及び分級を行って所
望の粒子サイズを有する黒色トナーを得ることができ
る。
【0106】前記混合機としては、ヘンシェルミキサ
ー、ボールミルなどの混合機を使用することができる。
前記加熱混練機としては、ロールミル、ニーダー、二軸
エクストルーダー等を使用することができる。前記粉砕
は、カッターミル、ジェットミル等の粉砕機によって行
うことができ、前記分級も特許第2683142号公報
等に記載の通り、公知の風力分級等により行うことがで
きる。
【0107】黒色トナーを得る他の方法として、懸濁重
合法又は乳化重合法がある。懸濁重合法においては、重
合性単量体と黒色複合非磁性粒子粉末とを、必要により
更に、着色剤、重合開始剤、架橋剤、荷電制御剤、その
他の添加剤を添加した混合物を溶解又は分散させた単量
体組成物を、懸濁安定剤を含む水相中に攪拌しながら添
加して造粒し、重合させて所望の粒子サイズを有する黒
色トナー粒子を形成することができる。
【0108】乳化重合法においては、単量体と黒色複合
非磁性粒子粉末とを、必要により更に着色剤、重合開始
剤などを水中に分散させて重合を行う過程に乳化剤を添
加することによって所望の粒子サイズを有する黒色トナ
ー粒子を形成することができる。
【0109】
【発明の実施の形態】本発明の代表的な実施の形態は、
次の通りである。
【0110】ヘマタイト粒子粉末、含水酸化鉄粒子粉
末、黒色複合非磁性粒子粉末及びカーボンブラック微粒
子粉末の平均粒子径又は平均長軸径及び平均短軸径は、
電子顕微鏡写真(×20000)を縦方向及び横方向に
それぞれ4倍に拡大した写真に示される粒子約350個
について定方向径をそれぞれ測定し、その平均値で示し
た。
【0111】球形度は、平均最長径と平均最短径との比
で示し、軸比は、平均長軸径と平均短軸径との比で示し
た。
【0112】粒子の幾何標準偏差値は、下記の方法によ
り求めた値で示した。即ち、上記拡大写真に示される粒
子の粒子径(長軸径)を測定した値を、その測定値から
計算して求めた粒子の実際の粒子径(長軸径)と個数か
ら統計学的手法に従って対数正規確率紙上に横軸に粒子
の粒子径(長軸径)を、縦軸に所定の粒子径(長軸径)
区間のそれぞれに属する粒子の累積個数(積算フルイ
下)を百分率でプロットする。
【0113】そして、このグラフから粒子の個数が50
%及び84.13%のそれぞれに相当する粒子径(長軸
径)の値を読みとり、幾何標準偏差値=積算フルイ下8
4.13%における粒子径(長軸径)/積算フルイ下5
0%における粒子径(長軸径)(幾何平均径)に従って
算出した値で示した。幾何標準偏差値が1に近いほど、
粒度分布が優れていることを意味する。
【0114】比表面積値はBET法により測定した値で
示した。
【0115】ヘマタイト粒子粉末又は含水酸化鉄粒子粉
末の粒子内部や粒子表面に存在するMn量及び黒色複合
非磁性粒子粉末の粒子表面に被覆されているAl量及び
Si量並びに黒色複合非磁性粒子粉末に被覆されている
ポリシロキサンに含有されるSi量のそれぞれは、「蛍
光X線分析装置3063M型」(理学電機工業株式会社
製)を使用し、JIS K0119の「けい光X線分析
通則」に従って測定した。
【0116】黒色複合非磁性粒子粉末に付着しているカ
ーボンブラック量は、「堀場金属炭素・硫黄分析装置E
MIA−2200型」(株式会社堀場製作所製)を用い
て炭素量を測定することにより求めた。
【0117】黒色複合非磁性粒子粉末に付着しているカ
ーボンブラックの付着厚みは、「透過型電子顕微鏡JE
M−2010」(日本電子株式会社(製))を用いて加
速電圧200kVの条件下で撮影した電子顕微鏡写真を
10倍に拡大した写真(×5,000,000)に写っ
ている粒子の表面に付着しているカーボンブラックの平
均的な厚み部分を測定することにより求めた。
【0118】ヘマタイト粒子粉末、含水酸化鉄粒子粉
末、黒色複合非磁性粒子粉末及び黒色トナーの流動性
は、パウダテスタ(商品名、ホソカワミクロン株式会社
製)を用いて、安息角(度)、圧縮度(%)、スパチュ
ラ角(度)、凝集度の各粉体特性値を測定し、該各測定
値を同一基準の数値に置き換えた各々の指数を求め、各
々の指数を合計した流動性指数で示した。流動性指数が
100に近いほど、流動性が優れていることを意味す
る。
【0119】ヘマタイト粒子粉末、含水酸化鉄粒子粉
末、黒色複合非磁性粒子粉末及び黒色トナーの黒色度
は、試料0.5gとヒマシ油1.5mlとをフーバー式
マーラーで練ってペースト状とし、このペーストにクリ
アラッカー4.5gを加え、混練、塗料化してキャスト
コート紙上に150μm(6mil)のアプリケーター
を用いて塗布した塗布片(塗膜厚み:約30μm)を作
製し、 該塗布片について、多光源分光測色計MSC−I
S−2D(スガ試験機株式会社製)を用いて測定を行
い、JIS Z 8729に定めるところに従って表色
指数L*値で示した。
【0120】ここで、L*値は明度を表わし、L*値が小
さいほど黒色度が優れていることを示す。
【0121】黒色複合非磁性粒子粉末に付着しているカ
ーボンブラックの脱離率(%)は、下記の方法により求
めた値で示した。カーボンブラックの脱離率が0%に近
いほど、粒子表面からのカーボンブラックの脱離量が少
ないことを示す。
【0122】黒色複合非磁性粒子粉末3gとエタノール
40mlを50mlの沈降管に入れ、20分間超音波分
散を行った後、120分静置し、比重差によって黒色複
合非磁性粒子粉末と脱離したカーボンブラックを分離し
た。次いで、この黒色複合非磁性粒子粉末に再度エタノ
ール40mlを加え、更に20分間超音波分散を行った
後120分静置し、黒色複合非磁性粒子粉末と脱離した
カーボンブラックを分離した。この黒色複合非磁性粒子
粉末を100℃で1時間乾燥させ、前述の「堀場金属炭
素・硫黄分析装置EMIA−2200型」(株式会社堀
場製作所製)を用いて炭素量を測定し、下記式に従って
求めた値をカーボンブラック微粒子粉末の脱離率(%)
とした。
【0123】カーボンブラックの脱離率(%)=[(W
a−We)/Wa]×100 Wa:黒色複合非磁性粒子粉末のカーボンブラック付着
量 We:脱離テスト後の黒色複合非磁性粒子粉末のカーボ
ンブラック付着量
【0124】黒色複合非磁性粒子粉末の結着剤樹脂への
分散性は、得られた黒色トナー粒子の断面を光学顕微鏡
(オリンパス光学工業社製、BH−2)を用いて撮影
し、得られた顕微鏡写真(×200倍)における未分散
の凝集粒子の個数を計数することで判定し、5段階で評
価した。5が最も分散状態が良いことを示す。 1:0.25mm2当たりに50個以上 2:0.25mm2当たりに10個以上50個未満 3:0.25mm2当たりに5個以上10個未満 4:0.25mm2当たりに1個以上5個未満 5:未分散物認められず
【0125】黒色トナーの体積固有抵抗値は、まず、試
料粒子粉末0.5gを測り取り、KBr錠剤成形器(株
式会社島津製作所製)を用いて、1.37×107kP
a(140Kg/cm2)の圧力で加圧成形を行い、円
柱状の被測定試料を作製した。
【0126】次いで、被測定試料を温度25℃、相対湿
度60%環境下に12時間以上暴露した後、この被測定
試料をステンレス電極の間にセットし、ホイートストン
ブリッジ(TYPE2768 横河北辰電気株式会社
製)で15Vの電圧を印加して抵抗値R(Ω)を測定し
た。
【0127】次いで、被測定(円柱状)試料の上面の面
積A(cm2)と厚みt(cm)を測定し、次式にそれ
ぞれの測定値を挿入して、体積固有抵抗値(Ω・cm)
を求めた。 体積固有抵抗値(Ω・cm)=R×(A/t)
【0128】黒色トナーの平均粒子径は、レーザー回折
式粒度分布測定装置(modelHELOS LA/K
A、SYMPATEC社製)を用いて測定した。
【0129】<黒色複合非磁性粒子粉末の製造>図1の
電子顕微鏡写真(×20000)に示す粒状マンガン含
有ヘマタイト粒子粉末(平均粒子径0.30μm、球形
度1.3、幾何標準偏差値1.46、BET比表面積値
3.6m2/g、Mn含有量13.3重量%、流動性指
数36、黒色度L*値22.6)20kgを、凝集を解
きほぐすために、純水150lに攪拌機を用いて邂逅
し、更に、「TKパイプラインホモミクサー」(製品
名、特殊機化工業株式会社製)を3回通して粒状マンガ
ン含有ヘマタイト粒子粉末を含むスラリーを得た。
【0130】次いで、この粒状マンガン含有ヘマタイト
粒子粉末を含むスラリーを横型サンドグラインダー「マ
イティーミルMHG−1.5L」(製品名、井上製作所
株式会社製)を用いて、軸回転数2000rpmにおい
て5回パスさせて、粒状マンガン含有ヘマタイト粒子粉
末を含む分散スラリーを得た。
【0131】得られた分散スラリーは、325mesh
(目開き44μm)における篩残分は0%であった。こ
の分散スラリーを濾別、水洗して、粒状マンガン含有ヘ
マタイト粒子粉末のケーキを得た。この粒状マンガン含
有ヘマタイト粒子粉末のケーキを120℃で乾燥した
後、乾燥粉末11.0kgをエッジランナー「MPUV
−2型」(製品名、株式会社松本鋳造鉄工所製)に投入
して、294N/cm(30Kg/cm)で30分間混
合攪拌を行い、粒子粉末の凝集を軽く解きほぐした。
【0132】次に、メチルハイドロジェンポリシロキサ
ン(商品名:TSF484:東芝シリコーン(株)製)
110gを、エッジランナーを稼動させながら粒子粉末
の凝集を解きほぐした上記粒状マンガン含有ヘマタイト
粒子粉末に添加し、588N/cm(60Kg/cm)
の線荷重で60分間混合攪拌を行った。
【0133】次に、図2の電子顕微鏡写真(×2000
0)に示すカーボンブラック微粒子粉末(粒子形状:粒
状、平均粒子径0.022μm、幾何標準偏差値1.6
8、BET比表面積値134m2/g、黒色度L*値1
6.6)990gを、エッジランナーを稼動させながら
10分間かけて添加し、更に588N/cm(60Kg
/cm)の線荷重で60分間混合攪拌を行い、メチルハ
イドロジェンポリシロキサン被覆にカーボンブラックを
付着させた後、乾燥機を用いて105℃で60分間乾燥
を行い、黒色複合非磁性粒子粉末を得た。
【0134】得られた黒色複合非磁性粒子粉末は、図3
の電子顕微鏡写真(×20000)に示す通り、平均粒
子径が0.31μmであった。そして、この黒色複合非
磁性粒子粉末は、球形度が1.3、幾何標準偏差値が
1.46、BET比表面積値が8.9m2/g、Mn含
有量が12.0重量%、流動性指数が46、黒色度L*
値が18.2、カーボンブラック脱離率が6.4%であ
って、メチルハイドロジェンポリシロキサンの被覆量は
Si換算で0.41重量%であった。付着しているカー
ボンブラック量はC換算で8.19重量%(粒状マンガ
ン含有ヘマタイト粒子粉末100重量部に対して9重量
部に相当する)であり、粒子表面のカーボンブラックの
付着厚みは0.0024μmであった。図3に示す電子
顕微鏡写真からも、カーボンブラックがほとんど認めら
れないことから、カーボンブラックのほぼ全量がメチル
ハイドロジェンポリシロキサン被覆に付着していること
が認められた。
【0135】比較のため、メチルハイドロジェンポリシ
ロキサンを被覆することなく、粒状マンガン含有ヘマタ
イト粒子粉末とカーボンブラック微粒子粉末とを同様に
エッジランナーで混合攪拌して得られた混合粒子粉末の
電子顕微鏡写真(×30000)を図4に示す。図4の
電子顕微鏡写真に示される通り、カーボンブラックが粒
状マンガン含有ヘマタイト粒子粉末の粒子表面に付着し
ておらず、両粒子粉末がバラバラに混在していることが
認められた。
【0136】<黒色複合非磁性粒子粉末を含む黒色トナ
ーの製造>上記黒色複合非磁性粒子粉末150g、スチ
レン−ブチルアクリレート−メチルメタクリレート共重
合樹脂765g(分子量130,000、スチレン/ブ
チルアクリレート/メチルメタクリレート=82.0/
16.5/1.5)、ポリプロピレンワックス85g
(分子量3,000)及び帯電制御剤15gをヘンシェ
ルミキサーに投入し、槽内温度60℃において15分間
攪拌混合を行った。得られた混合粉体を連続型二軸混練
機で140℃において溶融混練を行い、得られた混練物
を空気中で冷却、粗粉砕、微粉砕した後、分級し、黒色
トナーを得た。
【0137】得られた黒色トナーは、平均粒子径が1
0.1μm、分散性が5、流動性指数が74、黒色度L
*値が19.1、体積固有抵抗値が9.8×1014Ω・
cmであった。
【0138】
【作用】本発明において最も重要な点は、ヘマタイト粒
子粉末又は含水酸化鉄粒子粉末、必要により、該粒子粉
末の粒子表面にアルミニウムの水酸化物、アルミニウム
の酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物から選
ばれた1種又は2種以上が被覆されているヘマタイト粒
子粉末又は含水酸化鉄粒子粉末のいずれかの粒子粉末の
粒子表面にポリシロキサンが被覆されており、該ポリシ
ロキサン被覆の少なくとも1部にカーボンブラックが付
着している平均粒子径0.06〜1.0μmの黒色複合
非磁性粒子粉末であって、上記カーボンブラックの付着
量がヘマタイト粒子粉末又は含水酸化鉄粒子粉末100
重量部に対して1〜25重量部である黒色複合非磁性粒
子粉末は、流動性及び黒色度が優れているとともに、粒
子表面から脱離するカーボンブラックが少ないことによ
り、黒色トナー製造時における結着剤樹脂への分散性に
優れているという事実である。
【0139】本発明に係る黒色複合非磁性粒子粉末の粒
子表面から脱離するカーボンブラックが少ない理由につ
いて、本発明者は、カーボンブラックが付着しているポ
リシロキサンが有している各種官能基が、ヘマタイト粒
子粉末又は含水酸化第二鉄粒子粉末の粒子表面へ強固に
結合するためと考えている。
【0140】本発明に係る黒色複合非磁性粒子粉末の黒
色トナー製造時における結着剤樹脂への分散性が優れて
いる理由について、本発明者は、黒色複合非磁性粒子粉
末の粒子表面から脱離するカーボンブラックが少ないこ
とに起因して、カーボンブラックによって系内の分散が
阻害されないとともに、黒色複合非磁性粒子粉末の粒子
表面にカーボンブラックが付着していることにより、粒
子表面に凹凸が生じ、粒子相互間の接触が抑制されるた
めと考えている。
【0141】本発明に係る黒色複合非磁性粒子粉末の流
動性が優れている理由について、本発明者は、微粒子で
あることに起因して通常は凝集体として挙動するカーボ
ンブラックが、本発明に係る黒色複合非磁性粒子粉末の
場合はヘマタイト粒子粉末及び含水酸化鉄粒子粉末の粒
子表面に、均一且つ緻密に付着されていることによっ
て、ヘマタイト粒子粉末及び含水酸化鉄粒子粉末の粒子
表面に多数の微細な凹凸を形成することによるものと考
えている。
【0142】本発明に係る黒色複合非磁性粒子粉末の黒
色度が優れている理由について、本発明者は、ヘマタイ
ト粒子粉末又は含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面に均一且
つ緻密に付着されているカーボンブラックによって、芯
粒子の色が打ち消されてカーボンブラック本来の色が発
揮されたことによるものと考えている。
【0143】そして、上記黒色複合非磁性粒子粉末を用
いて得られた黒色トナーは、流動性及び黒色度が優れて
いるという事実である。
【0144】本発明に係る黒色トナーの流動性が優れて
いる理由について、本発明者は、カーボンブラックが均
一、且つ、多量に存在している黒色複合非磁性粒子粉末
を黒色トナーに配合させたことにより、黒色トナー表面
に多数の微細な凹凸を形成していることによるものと考
えている。
【0145】本発明に係る黒色トナーの黒色度が優れて
いる理由について、本発明者は、黒色度の優れた黒色複
合非磁性粒子粉末を黒色トナー中に配合させたことによ
るものと考えている。
【0146】
【実施例】次に、実施例並びに比較例を挙げる。
【0147】芯粒子1〜4 公知の製造方法で得られた各種のヘマタイト粒子粉末又
は含水酸化鉄粒子粉末を準備し、上記発明の実施の形態
と同様にして凝集が解きほぐされた芯粒子粉末を得た。
【0148】これら芯粒子粉末の諸特性を表1に示す。
【0149】
【表1】
【0150】芯粒子5 芯粒子1の凝集が解きほぐされた粒状マンガン含有ヘマ
タイト粒子粉末20kgと水150lとを用いて、前記
発明の実施の形態と同様にして粒状マンガン含有ヘマタ
イト粒子粉末を含むスラリーを得た。得られた粒状マン
ガン含有ヘマタイト粒子粉末を含む再分散スラリーのp
H値を、水酸化ナトリウム水溶液を用いて10.5に調
整し、次いで、該スラリーに水を加えスラリー濃度を9
8g/lに調整した。このスラリー150lを加熱して
60℃とし、このスラリー中に1.0mol/lのNa
AlO2溶液5444ml(粒状マンガン含有ヘマタイ
ト粒子粉末に対してAl換算で1.0重量%に相当す
る)を加え、30分間保持した後、酢酸を用いてpH値
を7.5に調整した。この状態で30分間保持した後、
濾過、水洗、乾燥、粉砕して粒子表面がアルミニウムの
水酸化物により被覆されている粒状マンガン含有ヘマタ
イト粒子粉末を得た。
【0151】この時の主要製造条件を表2に、得られた
アルミニウムの水酸化物により被覆されている粒状マン
ガン含有ヘマタイト粒子粉末の諸特性を表3に示す。
【0152】尚、表面処理工程における被覆物の種類の
Aはアルミニウムの水酸化物を表わし、Sはケイ素の酸
化物を表わす。
【0153】
【表2】
【0154】
【表3】
【0155】芯粒子6〜8 芯粒子の種類、表面処理工程における表面処理物の種類
及び量を種々変えた以外は、芯粒子5と同様にして表面
処理済芯粒子粉末を得た。
【0156】この時の主要処理条件を表2に、得られた
表面処理済芯粒子粉末の諸特性を表3に示す。
【0157】実施例1〜8、比較例1〜5 芯粒子の種類、ポリシロキサンによる被覆工程における
ポリシロキサンの有無、種類及び添加量、エッジランナ
ーによる処理条件、カーボンブラックの付着工程におけ
るカーボンブラック微粒子粉末の種類及び添加量、エッ
ジランナーによる処理条件を種々変えた以外は、前記発
明の実施の形態と同様にして黒色複合非磁性粒子粉末を
得た。実施例1〜8で得られた各黒色複合非磁性粒子粉
末は、電子顕微鏡観察の結果、カーボンブラックがほと
んど認められないことから、カーボンブラックのほぼ全
量がポリシロキサン被覆に付着していることが確認され
た。
【0158】尚、使用したカーボンブラック微粒子粉末
A乃至Cの諸特性を表4に示す。
【0159】
【表4】
【0160】この時の主要処理条件を表5に、得られた
黒色複合非磁性粒子粉末の諸特性を表6に示す。
【0161】
【表5】
【0162】
【表6】
【0163】実施例9〜16、比較例6〜8 芯粒子の種類、変性ポリシロキサンによる被覆工程にお
ける変性ポリシロキサンの有無、種類及び添加量、エッ
ジランナー処理条件、カーボンブラックの付着工程にお
けるカーボンブラック微粒子粉末の種類及び添加量、エ
ッジランナーによる処理条件を種々変えた以外は、前記
発明の実施の形態と同様にして黒色複合非磁性粒子粉末
を得た。実施例9〜16で得られた各黒色複合非磁性粒
子粉末は、電子顕微鏡観察の結果、カーボンブラックが
ほとんど認められないことから、カーボンブラックのほ
ぼ全量が、変性ポリシロキサン被覆に付着していること
が確認された。
【0164】
【表7】
【0165】
【表8】
【0166】実施例17〜24、比較例9〜11 芯粒子の種類、末端変性ポリシロキサンによる被覆工程
における末端変性ポリシロキサンの有無、種類及び添加
量、エッジランナー処理条件、カーボンブラックの付着
工程におけるカーボンブラック微粒子粉末の種類及び添
加量、エッジランナーによる処理条件を種々変えた以外
は、前記発明の実施の形態と同様にして黒色複合非磁性
粒子粉末を得た。実施例17〜24で得られた各黒色複
合非磁性粒子粉末は、電子顕微鏡観察の結果、カーボン
ブラックがほとんど認められないことから、カーボンブ
ラックのほぼ全量が、末端変性ポリシロキサン被覆に付
着していることが確認された。
【0167】
【表9】
【0168】
【表10】
【0169】<黒色トナーの製造> 実施例25〜48及び比較例12〜26 黒色非磁性粒子粉末として、実施例1〜24の黒色複合
非磁性粒子粉末、芯粒子1〜4、カーボンブラックA〜
C、比較例1の粒状マンガン含有ヘマタイト粒子粉末と
カーボンブラック微粒子粉末との混合粒子粉末及び比較
例2〜11の黒色非磁性粒子粉末を用いて、黒色非磁性
粒子粉末と結着剤樹脂の配合量を変えた以外は前記発明
の実施の形態と同様にして黒色トナーを得た。
【0170】この時の主要製造条件及び諸特性を表11
乃至表14に示す。
【0171】
【表11】
【0172】
【表12】
【0173】
【表13】
【0174】
【表14】
【0175】
【発明の効果】本発明に係る黒色複合非磁性粒子粉末
は、流動性及び黒色度が優れているとともに、粒子表面
から脱離するカーボンブラックが少ないことにより、結
着剤樹脂中への分散性が優れているので、高画質及び高
速の黒色トナー用黒色非磁性粒子粉末として好適であ
る。
【0176】また、本発明に係る黒色複合非磁性粒子粉
末は、流動性が優れているので、取り扱いやすく作業性
に優れており、工業的に好ましいものである。
【0177】そして、上記流動性に優れているとともに
黒色度が優れている黒色複合非磁性粒子粉末を用いた黒
色トナーもまた流動性が優れているとともに黒色度が優
れているので、高画質及び高速の黒色トナーとして好ま
しいものである。
【0178】また、本発明に係る黒色トナーは、黒色複
合非磁性粒子粉末の分散性が優れていることに起因し
て、黒色トナー粒子表面に露出している黒色複合非磁性
粒子粉末の個々が分離、独立して存在しているので、カ
ーボンブラックが存在していることによる体積固有抵抗
値の低下がなく、高抵抗乃至絶縁性トナーとして好適で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 発明の実施の形態で使用した粒状マンガン含
有ヘマタイト粒子粉末の粒子構造を示す電子顕微鏡写真
(×20000)である。
【図2】 発明の実施の形態で使用したカーボンブラッ
ク微粒子粉末の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×20
000)である。
【図3】 発明の実施の形態で得られた黒色複合非磁性
粒子粉末の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×2000
0)である。
【図4】 比較のために示した粒状マンガン含有ヘマタ
イト粒子粉末とカーボンブラック微粒子粉末との混合粒
子粉末の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×2000
0)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石谷 誠治 広島県大竹市明治新開1番4戸田工業株式 会社大竹創造センター内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘマタイト粒子粉末又は含水酸化鉄粒子
    粉末の粒子表面にポリシロキサンが被覆されており、該
    ポリシロキサン被覆の少なくとも1部にカーボンブラッ
    クが付着している平均粒子径0.06〜1.0μmの黒
    色複合非磁性粒子粉末であって、上記カーボンブラック
    の付着量が前記ヘマタイト粒子粉末又は含水酸化鉄粒子
    粉末100重量部に対して1〜25重量部であることを
    特徴とする黒色トナー用黒色複合非磁性粒子粉末。
  2. 【請求項2】 ヘマタイト粒子粉末又は含水酸化鉄粒子
    粉末の粒子表面に下層としてアルミニウムの水酸化物、
    アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の
    酸化物から選ばれた1種又は2種以上が被覆され、上層
    としてポリシロキサンが被覆されており、該ポリシロキ
    サン被覆の少なくとも1部にカーボンブラックが付着し
    ている平均粒子径0.06〜1.0μmの黒色複合非磁
    性粒子粉末であって、上記カーボンブラックの付着量が
    前記ヘマタイト粒子粉末又は含水酸化鉄粒子粉末100
    重量部に対して1〜25重量部であることを特徴とする
    黒色トナー用黒色複合非磁性粒子粉末。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の黒色複合非
    磁性粒子粉末を用いた黒色トナー。
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