JPH11338191A - 黒色トナ―用黒色複合非磁性粒子粉末及び該黒色複合非磁性粒子粉末を用いた黒色トナ― - Google Patents

黒色トナ―用黒色複合非磁性粒子粉末及び該黒色複合非磁性粒子粉末を用いた黒色トナ―

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JPH11338191A
JPH11338191A JP7920099A JP7920099A JPH11338191A JP H11338191 A JPH11338191 A JP H11338191A JP 7920099 A JP7920099 A JP 7920099A JP 7920099 A JP7920099 A JP 7920099A JP H11338191 A JPH11338191 A JP H11338191A
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particle powder
black
particles
powder
carbon black
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JP7920099A
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Kazuyuki Hayashi
一之 林
Hiroko Morii
弘子 森井
Yasuyuki Tanaka
泰幸 田中
Seiji Ishitani
誠治 石谷
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Toda Kogyo Corp
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Toda Kogyo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流動性及び黒色度が優れているとともに、結
着剤樹脂中への分散性が優れている黒色トナー用黒色非
磁性粒子粉末を得る。 【解決手段】 ヘマタイト粒子粉末又は含水酸化第二鉄
粒子粉末の粒子表面にアルコキシシランから生成するオ
ルガノシラン化合物が被覆されており、該オルガノシラ
ン化合物被覆に平均粒子径0.002〜0.05μmの
カーボンブラック微粒子粉末が付着している平均粒子径
0.06〜1.0μmの黒色複合非磁性粒子粉末であっ
て、該カーボンブラック微粒子粉末が前記ヘマタイト粒
子粉末又は含水酸化第二鉄粒子粉末100重量部に対し
1〜25重量部の割合で付着されていることを特徴とす
る黒色トナー用黒色複合非磁性粒子粉末。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粒子表面から脱離する
カーボンブラック微粒子粉末が少ないことにより、結着
剤樹脂中への分散性が優れており、且つ、流動性及び黒
色度が優れている黒色トナー用黒色複合非磁性粒子粉末
を提供するとともに、該黒色複合非磁性粒子粉末を用い
た黒色トナーを提供することを目的とする。
【0002】
【従来の技術】電子写真現像プロセスにおいては、現像
剤として結着剤樹脂中にカーボンブラック等の非磁性黒
色顔料を混合分散させた黒色トナーが広く使用されてい
る。
【0003】近年における現像方式は、2成分系現像法
と1成分系現像法とに大別できる。
【0004】2成分系現像法は、黒色トナーとキャリア
とを摩擦して静電潜像と反対符号の電荷を黒色トナーに
与えて、静電潜像表面に静電引力によって黒色トナーを
付着させ、電荷を中和することにより現像する方式であ
る。
【0005】一方、1成分系現像法は、キャリアを必要
としないので黒色トナーの濃度制御が不要で、しかも、
現像機の構造が簡単で、小型化が可能であるという特徴
がある反面、上記2成分系現像法と同等の性能を得るた
めに高度の技術が要求されている。1成分系現像法の一
つとして、磁性粒子を使用せずに結着剤樹脂中にカーボ
ンブラック微粒子を分散させた絶縁性乃至高抵抗黒色ト
ナーを使用する、所謂、絶縁性非磁性トナー現像法があ
る。
【0006】上記2成分系現像法及び上記絶縁性非磁性
トナー現像法において使用する黒色トナーは、現在、複
写機の主流を占めているPPC方式の場合、いずれも絶
縁性乃至高抵抗性であることが必要であり、体積固有抵
抗値が1012Ω・cm以上を有することが要求され
る。
【0007】現像剤の流動性は、現像機の中における現
像剤の挙動を強く支配し、2成分系現像法における黒色
トナーとキャリアとの摩擦帯電性、あるいは、1成分系
現像法におけるスリーブ上での黒色トナーの帯電特性に
影響を与えることが知られており、近時の画像濃度や階
調性等現像機の高画質化や高速化に伴って、黒色トナー
の流動性の向上が強く要求されている。
【0008】そして、黒色トナーの流動性の向上は、近
時における黒色トナーの小粒径化に伴って益々強く要求
されている。
【0009】この事実は、日本科学情報株式会社発行
「トナー材料の開発・実用化総合技術資料集」(198
5年)の第121頁の「‥‥IPC等のプリンターが巾
広く展開するにつれて、画質の高品位化が要求される。
特に高解像力、高精細プリンターの出現が求められる。
表−1に各種トナーを用いたときの解像力の関係を示し
たが、小径である湿式トナーは高解像力を出すことがで
きる。乾式トナーを用いて解像力を高めるためにもトナ
ーの小径化が必要である。‥‥小径トナーを用いた報告
としては、8.5μ〜11μのトナーを用いることによ
り、下地カブリ改良、さらに消費量の軽減をはかる。そ
の他、6〜10μのポリエステル系トナーを採用する
と、高画質化、及び帯電性の安定、現像剤寿命の改良提
案もある。しかし小径トナーを使用する際には、多くの
問題を解決しなくてはならない。製造性、粒度分布のシ
ャープさ、流動性改良、‥‥等が存在する。‥‥」なる
記載の通りである。
【0010】更に、黒色トナーは、複写された線画像、
ソリッドエリア画像の黒さ、濃さの程度が高いことが要
求されている。
【0011】この事実は、前出「トナー材料の開発・実
用化総合技術資料集」の第272頁の「‥‥画像濃度が
高いことは粉末現像の特徴であるが、後述のかぶり濃度
と共に画像特性を大きく左右する事項である。‥‥」な
る記載の通りである。
【0012】上述した通り、黒色トナーの諸特性の向上
は強く要求されているところである。この黒色トナー
は、殊に、トナーの表面から露出した黒色顔料が、現像
特性に大きく影響することが知られており、黒色トナー
の上記諸特性と黒色トナー中に混合分散されている黒色
顔料の諸特性とは密接な関係がある。
【0013】即ち、黒色トナーの流動性は、黒色トナー
表面に露出している黒色顔料の表面状態に大きく依存す
ることから、黒色顔料自体の流動性が優れていることが
強く要求されている。黒色トナーの黒さ、濃さの程度も
同様に、黒色トナーに含有されている黒色顔料の黒さ、
濃さの程度に大きく依存している。
【0014】現在、黒色トナーに使用する黒色顔料とし
ては、主にカーボンブラック微粒子粉末が使用されてい
る(特許第2715336号公報、特開平10−395
46号公報)。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】流動性及び黒色度が優
れているとともに、結着剤樹脂中への分散性が優れてい
る黒色トナー用黒色非磁性粒子粉末は、現在最も要求さ
れているところであるが、このような特性を有する黒色
非磁性粒子粉末は未だ得られていない。
【0016】即ち、黒色トナー用黒色非磁性粒子粉末と
して前出公知のカーボンブラック微粒子粉末を使用した
場合、黒色トナーの体積固有抵抗値を1012Ω・cm
以上とするためにはカーボンブラックの使用量に限界が
あるため、十分な黒色度が得られず、流動性も十分では
ないという問題があった。
【0017】そして、安全及び衛生上の問題も指摘され
ている。これらの事実について以下に説明する。
【0018】カーボンブラック微粒子粉末は、それ自体
導電性であるため、黒色トナーの黒色度を高めるために
多量に使用するとトナーの体積固有抵抗値が低下し、絶
縁性乃至高抵抗性トナーとして使用できなくなる。一
方、黒色トナーの体積固有抵抗値の面から、黒色トナー
中のカーボンブラック微粒子粉末の使用量を削減した場
合には、黒色度が低下するばかりでなく、カーボンブラ
ック微粒子粉末が平均粒子径0.010〜0.060μ
mと微細な粒子であることに起因して、カーボンブラッ
ク微粒子粉末が黒色トナーの粒子内部に含有・埋没し、
黒色トナーの粒子表面に露出するカーボンブラック微粒
子が減少するため、流動性もまた低下する傾向にある。
【0019】更に、カーボンブラック微粒子粉末は、比
重が1.80〜1.85と非常に低いためハンドリング
しにくく、且つ、これを結着剤樹脂中に分散させて黒色
トナーとしたとき、カサ比重の低いトナーしか得られな
いために、得られたトナーは飛散しやすく、又、流動性
の悪いものとなる。
【0020】また、カーボンブラック微粒子粉末の製造
過程で発生する物質の中で、発癌性の疑いのある物質
が、カーボンブラック微粒子粉末中に不純物として含ま
れているとの報告もあり、カーボンブラック微粒子粉末
を用いた黒色トナーの安全性が指摘されている。
【0021】そこで、本発明は、流動性及び黒色度が優
れているとともに、結着剤樹脂中への分散性が優れてい
る黒色トナー用黒色非磁性粒子粉末を得ることを技術的
課題とする。
【0022】
【課題を解決する為の手段】前記技術的課題は次の通り
の本発明によって達成できる。
【0023】即ち、本発明は、ヘマタイト粒子粉末又は
含水酸化第二鉄粒子粉末の粒子表面にアルコキシシラン
から生成するオルガノシラン化合物が被覆されており、
該オルガノシラン化合物被覆に平均粒子径0.002〜
0.05μmのカーボンブラック微粒子粉末が付着して
いる平均粒子径0.06〜1.0μmの黒色複合非磁性
粒子粉末であって、該カーボンブラック微粒子粉末が前
記黒色複合非磁性粒子粉末100重量部に対し1〜25
重量部の割合で付着されている黒色トナー用黒色複合非
磁性粒子粉末、ヘマタイト粒子粉末又は含水酸化第二鉄
粒子粉末の粒子表面に下層としてアルミニウムの水酸化
物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ
素の酸化物から選ばれた1種又は2種以上が被覆され、
上層としてアルコキシシランから生成するオルガノシラ
ン化合物が被覆されており、該オルガノシラン化合物被
覆に平均粒子径0.002〜0.05μmのカーボンブ
ラック微粒子粉末が付着している平均粒子径0.06〜
1.0μmの黒色複合非磁性粒子粉末であって、該カー
ボンブラック微粒子粉末が前記黒色複合非磁性粒子粉末
100重量部に対し1〜25重量部の割合で付着されて
いる黒色トナー用黒色複合非磁性粒子粉末及び前記いず
れかの黒色複合非磁性粒子粉末を用いた黒色トナーであ
る。
【0024】本発明の構成をより詳しく説明すれば、次
の通りである。
【0025】先ず、本発明に係る黒色複合非磁性粒子粉
末について述べる。
【0026】本発明に係る黒色複合非磁性粒子粉末は、
芯粒子粉末であるヘマタイト粒子粉末又は含水酸化第二
鉄粒子粉末の粒子表面に、アルコキシシランから生成す
るオルガノシラン化合物が被覆されており、該オルガノ
シラン化合物被覆に平均粒子径0.002〜0.05μ
mのカーボンブラック微粒子粉末が付着している平均粒
子径0.06〜1.0μmの黒色複合非磁性粒子からな
る。
【0027】本発明における芯粒子粉末は、ヘマタイト
粒子粉末、含水酸化第二鉄粒子粉末及びこれらの混合粒
子粉末である。黒色複合非磁性粒子粉末の黒色度を考慮
すれば、黒色ヘマタイト粒子粉末及び黒色含水酸化第二
鉄粒子粉末が好ましい。黒色ヘマタイト粒子粉末として
は、黒色ヘマタイト粒子粉末に対し5〜40重量%のマ
ンガンを含有するマンガン含有ヘマタイト粒子粉末があ
る。黒色含水酸化第二鉄粒子粉末としては、黒色含水酸
化第二鉄粒子粉末に対し5〜40重量%のマンガンを含
有するマンガン含有含水酸化第二鉄粒子粉末がある。
【0028】芯粒子の粒子形状は、球状、粒状、六面体
状、八面体状及び多面体状等の等方性粒子や平均長軸径
と平均短軸径との比(以下、「軸比」という。)が2.
0以上の針状、紡錘状、米粒状等の異方性粒子のいずれ
であってもよい。得られる黒色複合非磁性粒子粉末の流
動性を考慮すれば、芯粒子の粒子形状は、等方性粒子が
好ましく、より好ましくは球状粒子及び粒状粒子であ
る。
【0029】芯粒子粉末の粒子サイズは、等方性粒子の
場合、平均粒子径が0.055〜0.95μm、好まし
くは0.065〜0.75μm、より好ましくは0.0
65〜0.45μmであって、最長径と最短径の比(以
下、「球形度」という。)が1.0以上2.0未満、好
ましくは1.0〜1.8であり、異方性粒子の場合、平
均長軸径が0.055〜0.95μm、好ましくは0.
065〜0.75μm、より好ましくは0.065〜
0.45μmであって、軸比が2.0〜20.0、好ま
しくは2.0〜15.0、より好ましくは2.0〜1
0.0である。
【0030】芯粒子粉末の平均粒子径が0.95μmを
超える場合には、得られる黒色複合非磁性粒子粉末が粗
大粒子となり着色力が低下する。0.055μm未満の
場合には、粒子の微細化による分子間力の増大により凝
集を起こしやすいため、芯粒子粉末の粒子表面へのアル
コキシシランによる均一な被覆処理及びカーボンブラッ
ク微粒子粉末による均一な付着処理が困難となる。
【0031】異方性粒子粉末の軸比が20.0を超える
場合には、粒子の絡み合いが多くなり、芯粒子粉末の粒
子表面へのアルコキシシランによる均一な被覆処理及び
カーボンブラック微粒子粉末による均一な付着処理が困
難となる。
【0032】芯粒子粉末の粒子径(異方性粒子の場合は
長軸径)の幾何標準偏差値は2.0以下が好ましく、よ
り好ましくは1.8以下であり、更に好ましくは1.6
以下である。幾何標準偏差値が2.0を超える場合に
は、存在する粗大粒子によって均一な分散が阻害される
ため、芯粒子粉末の粒子表面へのアルコキシシランによ
る均一な被覆処理及びカーボンブラック微粒子粉末によ
る均一な付着処理が困難となる。幾何標準偏差値の下限
値は1.01であり、1.01未満のものは工業的に得
られ難い。
【0033】芯粒子粉末のBET比表面積値は0.5m
/g以上である。BET比表面積値が0.5m/g
未満の場合には、芯粒子粉末が粗大であったり、粒子相
互間で焼結が生じた粒子となっており、得られる黒色複
合非磁性粒子粉末が粗大粒子となり着色力が低下する。
黒色複合非磁性粒子粉末の着色力を考慮すると、BET
比表面積値は、好ましくは1.0m/g以上、より好
ましくは3.0m/g以上である。芯粒子粉末の粒子
表面へのアルコキシシランによる均一な被覆処理及びカ
ーボンブラック微粒子粉末による均一な付着処理を考慮
すると、その上限値は70m/gであり、好ましくは
50m/g以下、より好ましくは20m/g以下で
ある。
【0034】芯粒子粉末の流動性は、流動性指数が25
〜42程度である。各種形状の芯粒子粉末のうち、球状
を呈した粒子粉末は流動性が優れているものであるが、
それでも流動性指数は30〜42程度である。
【0035】芯粒子粉末の黒色度は、ヘマタイト粒子粉
末の場合、通常L値の下限値が18.0を超え、上限
値は36.0、好ましくは34.0であり、ゲータイト
粒子粉末の場合、通常L値の下限値が18.0を超
え、上限値は38.0、好ましくは36.0であり、黒
色ヘマタイト粒子粉末の場合、通常L値の下限値が1
8.0を超え、上限値は28.0、好ましくは25.0
であり、黒色ゲータイト粒子粉末の場合、通常L値の
下限値が18.0を超え、上限値は30.0、好ましく
は28.0である。L値が上記上限値を超える場合に
は、明度が高くなり、十分な黒色度を有する黒色複合非
磁性粒子粉末を得ることができない。
【0036】本発明に係る黒色複合非磁性粒子粉末の粒
子形状や粒子サイズは、芯粒子粉末であるヘマタイト粒
子粉末及び含水酸化第二鉄粒子粉末の粒子形状や粒子サ
イズに大きく依存し、芯粒子粉末に相似する粒子形態を
有しているとともに、芯粒子粉末よりも若干大きい粒子
サイズを有している。
【0037】即ち、本発明に係る黒色複合非磁性粒子粉
末は、等方性のヘマタイト粒子粉末及び含水酸化第二鉄
粒子粉末を芯粒子粉末とした場合には、平均粒子径が
0.06〜1.0μm、好ましくは0.07〜0.8μ
m、より好ましくは0.07〜0.5μmであって、球
形度が1.0以上2.0未満、好ましくは1.0〜1.
8であり、異方性のヘマタイト粒子粉末及び含水酸化第
二鉄粒子粉末を芯粒子粉末とした場合には、平均長軸径
が0.06〜1.0μm、好ましくは0.07〜0.8
μm、より好ましくは0.07〜0.5μmであって、
軸比が2.0〜20.0、好ましくは2.0〜15.
0、より好ましくは2.0〜10.0である。
【0038】平均粒子径が1.0μmを超える場合に
は、黒色複合非磁性粒子粉末が粗大粒子となり着色力が
低下する。0.06μm未満の場合には、粒子の微細化
による分子間力の増大により凝集を起こしやすいため、
黒色トナー製造時における結着剤樹脂への分散性が低下
する。
【0039】異方性粒子の軸比が20を超える場合に
は、結着剤樹脂中における粒子の絡み合いが多くなり、
分散性が低下しやすくなる。
【0040】黒色複合非磁性粒子粉末の幾何標準偏差値
は、2.0以下が好ましく、その下限値は1.01であ
り、より好ましくは、1.01〜1.8の範囲であり、
更に好ましくは1.01〜1.6である。幾何標準偏差
値が上記範囲を超える場合には、存在する粗大粒子によ
って黒色複合非磁性粒子粉末の着色力が低下しやすくな
る。幾何標準偏差値が1.01未満のものは工業的に得
られ難い。
【0041】本発明に係る黒色複合非磁性粒子粉末は、
BET比表面積値が1〜200m/g、好ましくは2
〜150m/g、より好ましくは2.5〜100m
/gである。BET比表面積値が1m/g未満の場合
には、粒子が粗大であったり、粒子及び粒子相互間で焼
結が生じた粒子となっており、着色力が低下する。BE
T比表面積値が200m/gを超える場合には、粒子
の微細化による分子間力の増大により凝集を起こしやす
いため、黒色トナー製造時における結着剤樹脂への分散
性が低下する。
【0042】本発明に係る黒色複合非磁性粒子粉末の流
動性は、流動性指数が43〜80の範囲が好ましく、よ
り好ましくは44〜80、更により好ましくは45〜8
0である。流動性指数が43未満の場合には流動性が十
分とは言い難く、得られる黒色トナーの流動性を改善す
ることが困難である。また、製造工程内でホッパー詰ま
り等の不具合を生じやすく、ハンドリングしにくくな
る。
【0043】本発明に係る黒色複合非磁性粒子粉末の黒
色度は、芯粒子粉末としてヘマタイト粒子粉末を用いた
場合、上限値がL値で20.0であり、好ましくは1
9.0、より好ましくは18.5である。芯粒子粉末と
してゲータイト粒子粉末を用いた場合、上限値がL
で20.0であり、好ましくは19.5、より好ましく
は19.0である。芯粒子粉末として黒色ヘマタイト粒
子粉末を用いた場合、上限値がL値で20.0であ
り、好ましくは18.5、より好ましくは18.0であ
る。芯粒子粉末として黒色ゲータイト粒子粉末を用いた
場合、上限値がL 値で20.0であり、好ましくは1
9.0、より好ましくは18.5である。L値が2
0.0を超える場合には、明度が高くなり、黒色度が十
分とはいえない。黒色度の下限値はL値が15であ
る。
【0044】本発明に係る黒色複合非磁性粒子粉末の結
着剤樹脂への分散性は、後述する分散性の評価方法に基
づいて、4又は5が好ましく、より好ましくは5であ
る。
【0045】本発明に係る黒色複合非磁性粒子粉末のカ
ーボンブラック微粒子粉末の脱着率は20%以下が好ま
しく、より好ましくは10%以下である。カーボンブラ
ック微粒子粉末の脱着率が20%を超える場合には、黒
色トナーの製造時において、脱離したカーボンブラック
微粒子粉末により結着剤樹脂中での均一な分散が阻害さ
れる場合がある。
【0046】黒色複合粒子におけるオルガノシラン化合
物は、化1で表わされるアルコキシシランから、乾燥乃
至加熱工程を経て生成される。
【化1】RSiX4−a R:−C,−(CHCHCH,−n−C
2m+1 X:−OCH,−OC m:1〜18の整数 a:0〜3の整数
【0047】アルコキシシランとしては、具体的には、
メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラ
ン、ジフェニルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシ
シラン、メチルトリメトキシシラン、テトラメトキシシ
ラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメト
キシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシルト
リメトキシシラン等が挙げられる。
【0048】カーボンブラック微粒子粉末の脱着率及び
付着効果を考慮すると、メチルトリエトキシシラン、メ
チルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、
イソブチルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシ
シランから生成するオルガノシラン化合物が好ましく、
メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン
から生成するオルガノシラン化合物が最も好ましい。
【0049】アルコキシシランから生成するオルガノシ
ラン化合物の被覆量は、オルガノシラン化合物被覆粒子
粉末に対し、Si換算で0.02〜5.0重量%である
ことが好ましい。より好ましくは、0.03〜2.0重
量%、更に好ましくは0.05〜1.5重量%である。
【0050】0.02重量%未満の場合には、得られる
黒色複合非磁性粒子粉末の流動性や黒色度を改良できる
程度にカーボンブラック微粒子粉末を芯粒子粉末の粒子
表面に十分付着させることが困難である。
【0051】5.0重量%を超える場合には、芯粒子粉
末の粒子表面にカーボンブラック微粒子粉末を十分付着
させることはできるが、得られる黒色複合非磁性粒子粉
末の流動性や黒色度が飽和するので必要以上に被覆する
意味がない。
【0052】本発明に係る黒色複合非磁性粒子粉末にお
けるカーボンブラック微粒子粉末は、市販のファーネス
ブラック、チャンネルブラック等を使用することがで
き、具体的には、MA100、MA7、#1000、#
2400B、#30、MA8、MA11、#50、#5
2、#45、#2200B、MA600等(商品名:三
菱化学株式会社(製))、シースト9H、シースト7
H、シースト6、シースト3H、シースト300、シー
ストFM等(商品名、東海カーボン株式会社(製))等
が使用できる。アルコキシシランから生成するオルガノ
シラン化合物との親和性を考慮すれば、MA100、M
A7、#1000、#2400B、#30が好ましい。
【0053】カーボンブラック微粒子粉末の平均粒子径
は、0.002〜0.05μm程度、より好ましくは
0.002〜0.035μm程度である。
【0054】0.002μm未満の場合には、カーボン
ブラック微粒子粉末があまりに微細となるため、取扱い
が困難となる。
【0055】0.05μmを超える場合には、カーボン
ブラック微粒子の粒子サイズが芯粒子の粒子サイズに対
して大きくなりすぎるため、アルコキシシランから生成
するオルガノシラン化合物被覆への付着強度が不十分と
なり、カーボンブラック微粒子粉末の脱着率が増加し、
その結果、黒色トナー製造時における結着剤樹脂への分
散性が低下する場合がある。
【0056】芯粒子粉末の平均粒子径とカーボンブラッ
ク微粒子粉末の平均粒子径との比は2以上であることが
好ましい。2よりも小さくなると、カーボンブラック微
粒子粉末の粒子サイズが芯粒子粉末の粒子サイズに対し
て大きくなりすぎるため、アルコキシシランから生成す
るオルガノシラン化合物被覆への付着強度が不十分とな
り、カーボンブラック微粒子粉末の脱着率が増加し、そ
の結果、黒色トナー製造時における結着剤樹脂への分散
性が低下する場合がある。
【0057】カーボンブラック微粒子粉末の付着量は、
芯粒子粉末100重量部に対し1〜25重量部である。
【0058】1重量部未満の場合には、カーボンブラッ
ク微粒子粉末の付着量が不十分であるため、十分な流動
性及び黒色度を有する黒色複合非磁性粒子粉末を得るこ
とが困難となる。
【0059】25重量部を超える場合には、得られる黒
色複合非磁性粒子粉末は十分な流動性及び黒色度を有し
ているが、カーボンブラック微粒子粉末の付着量が多い
ため、カーボンブラック微粒子粉末が脱着しやすくな
り、その結果、黒色トナー製造時における結着剤樹脂へ
の分散性が低下する場合がある。
【0060】本発明に係る黒色複合非磁性粒子粉末は、
必要により、芯粒子粉末の粒子表面をあらかじめ、アル
ミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の
水酸化物及びケイ素の酸化物から選ばれた1種又は2種
以上(以下、「アルミニウムの水酸化物等による被覆」
という。)で被覆しておいてもよく、アルミニウムの水
酸化物等で被覆しない場合に比べ、黒色トナー製造時に
おける結着剤樹脂中への分散性がより向上する。
【0061】アルミニウムの水酸化物等による被覆量
は、アルミニウムの水酸化物等が被覆された粒子粉末に
対しAl換算、SiO換算又はAl換算量とSiO
換算量との総和で0.01〜50重量%が好ましい。
【0062】0.01重量%未満である場合には、黒色
トナー製造時における結着剤樹脂への分散性改良効果が
得られない。
【0063】50重量%を超える場合には、黒色トナー
製造時における結着剤樹脂への分散性改良効果が得られ
るが、その効果が飽和するので必要以上に被覆する意味
がない。
【0064】芯粒子粉末の粒子表面がアルミニウムの水
酸化物等で被覆されている本発明に係る黒色複合非磁性
粒子粉末は、芯粒子粉末の粒子表面がアルミニウムの水
酸化物等で被覆されていない本発明に係る黒色複合非磁
性粒子粉末の場合とほぼ同程度の粒子サイズ、幾何標準
偏差値、BET比表面積値、流動性、黒色度L値及び
カーボンブラック微粒子粉末の脱着率を有している。
【0065】次に、本発明に係る黒色トナーについて述
べる。
【0066】本発明に係る黒色トナーは、前記黒色トナ
ー用黒色複合非磁性粒子粉末及び結着剤樹脂からなり、
必要に応じて離型剤、着色剤、荷電制御剤、その他の添
加剤等を含有してもよい。
【0067】本発明に係る黒色トナーの平均粒子径は3
〜25μmが好ましく、より好ましくは4〜18μm、
更に好ましくは5〜15μmである。
【0068】結着剤樹脂と黒色複合非磁性粒子粉末との
割合は、黒色複合非磁性粒子粉末100重量部に対して
結着剤樹脂50〜3500重量部、好ましくは50〜2
000重量部、更に好ましくは50〜1000重量部で
ある。
【0069】結着剤樹脂としては、スチレン、アクリル
酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエステル
等のビニル系単量体を重合又は共重合したビニル系重合
体が使用できる。上記スチレン単量体としては、例えば
スチレン及びその置換体がある。上記アクリル酸アルキ
ルエステル単量体としては、例えばアクリル酸、アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等が
ある。
【0070】上記共重合体は、スチレン系成分を50〜
95重量%含むことが好ましい。
【0071】結着剤樹脂は、必要により、上記ビニル系
重合体とともにポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、
ポリウレタン系樹脂等を併用することができる。
【0072】本発明に係る黒色トナーの流動性は、後述
する流動性指数が70〜100であり、好ましくは71
〜100、より好ましくは72〜100である。70未
満の場合には流動性が十分とはいえない。
【0073】本発明に係る黒色トナーの黒色度はL
が20以下であり、好ましくは19.8以下、より好ま
しくは19.5以下である。20を超える場合には、明
度が高くなり、黒色度が十分とはいえない。下限値はL
値が15程度である。
【0074】黒色トナーの体積固有抵抗値は、1.0×
1013Ω・cm以上であり、好ましくは3.0×10
13Ω・cm以上、より好ましくは5.0×1013Ω
・cm以上である。1.0×1013Ω・cm未満であ
る場合は、トナーの使用環境によって帯電量が変化しや
すく特性が不安定となりやすい。上限値は1.0×10
17Ω・cm未満である。
【0075】次に、本発明に係る黒色複合非磁性粒子粉
末の製造法について述べる。
【0076】本発明における等方性状の芯粒子粉末であ
る粒状のヘマタイト粒子粉末は、第一鉄塩水溶液と水酸
化アルカリとを反応して得られる水酸化第一鉄コロイド
を含む懸濁液中に酸素含有ガスを通気して酸化する、所
謂、湿式法により得られる粒状マグネタイト粒子粉末
を、空気中750〜1000℃で加熱することにより得
られる。
【0077】本発明における等方性状の芯粒子粉末であ
る粒状のマンガン含有ヘマタイト粒子粉末は、第一鉄塩
水溶液と水酸化アルカリとを反応して得られる水酸化第
一鉄コロイドを含む懸濁液中に酸素含有ガスを通気して
酸化する、所謂、湿式法により得られる粒状マグネタイ
ト粒子を全Feに対し8〜150原子%のマンガン化合
物で被覆した粒子又は上記湿式反応を、マンガンの存在
下で行うことにより得られるFeに対し8〜150原子
%のマンガンを含有するマグネタイト粒子を、空気中7
50〜1000℃で加熱することにより得られる。マン
ガン含有ヘマタイト粒子粉末の黒色度を考慮すれば、後
者が好ましい。
【0078】本発明における異方性状の芯粒子粉末であ
る針状又は紡錘状のヘマタイト粒子粉末は、後出の方法
により得られる針状又は紡錘状の含水酸化第二鉄粒子を
空気中400〜800℃で加熱することにより得られ
る。
【0079】本発明における異方性状の芯粒子粉末であ
る針状又は紡錘状の含水酸化第二鉄粒子粉末は、第一鉄
塩水溶液と水酸化アルカリ、炭酸アルカリ又は水酸化ア
ルカリ・炭酸アルカリとを反応して得られる水酸化第一
鉄コロイド、炭酸鉄及び鉄含有沈殿物のいずれかを含む
懸濁液中に酸素含有ガスを通気し、酸化することにより
針状又は紡錘状含水酸化第二鉄粒子を生成し、該ゲータ
イト粒子粉末を濾別、水洗、乾燥することにより得るこ
とができる。
【0080】本発明における異方性状の芯粒子粉末であ
る針状又は紡錘状のマンガン含有ヘマタイト粒子粉末
は、後出の方法により得られる全Feに対し8〜150
原子%のマンガンを含有する針状又は紡錘状の含水酸化
第二鉄粒子粉末を空気中400〜800℃で加熱するこ
とにより得ることができる。
【0081】本発明における異方性状の芯粒子粉末であ
る針状又は紡錘状のマンガン含有含水酸化第二鉄粒子粉
末は、第一鉄塩水溶液と水酸化アルカリ、炭酸アルカリ
又は水酸化アルカリ・炭酸アルカリとを反応して得られ
る水酸化第一鉄コロイド、炭酸鉄及び鉄含有沈殿物のい
ずれかを含む懸濁液中に酸素含有ガスを通気し、酸化し
て針状又は紡錘状含水酸化第二鉄粒子を生成させるにあ
たり、全Feに対し8〜150原子%のマンガンの存在
下で反応させることにより得られる。
【0082】芯粒子粉末の粒子表面のアルコキシシラン
による被覆は、芯粒子粉末とアルコキシシランの溶液と
を機械的に混合攪拌したり、芯粒子粉末にアルコキシシ
ランの溶液を噴霧しながら機械的に混合攪拌すればよ
い。添加したアルコキシシランは、ほぼ全量が芯粒子粉
末の粒子表面に被覆される。
【0083】アルコキシシランを均一に芯粒子粉末の粒
子表面に被覆するためには、芯粒子粉末の凝集をあらか
じめ粉砕機を用いて解きほぐしておくことが好ましい。
混合攪拌のための機器としてはエッジランナー、ヘンシ
ェルミキサー等を使用することが出来る。
【0084】混合攪拌時における条件は、芯粒子粉末の
粒子表面にアルコキシシランができるだけ均一に被覆さ
れるように量割合、線荷重、攪拌速度、混合攪拌時間等
を適宜調整すればよく、処理時間は20分間以上が好ま
しい。
【0085】アルコキシシランの添加量は、芯粒子粉末
100重量部に対して0.15〜45重量部が好まし
い。0.15重量部未満の場合には、黒色度及び流動性
を改良できる程度にカーボンブラック微粒子粉末を十分
付着させることが困難である。45重量部を超える場合
には、カーボンブラック微粒子粉末を十分付着させるこ
とができるが、必要以上に添加する意味がない。
【0086】芯粒子粉末の粒子表面にアルコキシシラン
を被覆した後、カーボンブラック微粒子粉末を添加し、
引き続き、混合攪拌してアルコキシシラン被覆にカーボ
ンブラック微粒子粉末を付着させた後、乾燥乃至加熱処
理する。
【0087】カーボンブラック微粒子粉末は、少量ずつ
を時間をかけながら、殊に5〜60分間程度をかけて添
加するのが好ましい。
【0088】混合攪拌時における条件は、カーボンブラ
ック微粒子粉末が均一に付着するように、量割合、線荷
重、攪拌速度、混合攪拌時間等を適宜調整すればよく、
処理時間は20分間以上が好ましい。
【0089】カーボンブラック微粒子粉末の添加量は、
芯粒子粉末100重量部に対して1〜25重量部であ
る。1重量部未満の場合には、カーボンブラック微粒子
粉末の付着量が不十分であり、十分な黒色度及び流動性
を有する黒色複合非磁性粒子粉末が得られない。25重
量部を超える場合には、十分な黒色度及び流動性を得ら
れるが、カーボンブラック微粒子粉末の付着量が多くな
るため粒子表面からカーボンブラック微粒子粉末が脱離
しやすくなり、その結果、黒色トナー製造時における結
着剤樹脂への分散性が低下する。
【0090】乾燥乃至加熱工程における加熱温度は、通
常40〜200℃が好ましく、より好ましくは60〜1
50℃であり、処理時間は、10分〜12時間が好まし
く、30分〜3時間がより好ましい。アルコキシシラン
は、この乾燥乃至加熱工程によりオルガノシラン化合物
となる。
【0091】芯粒子粉末は、必要により、アルコキシシ
ランの溶液との混合攪拌に先立ってあらかじめ、アルミ
ニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水
酸化物及びケイ素の酸化物から選ばれる1種又は2種以
上で被覆しておいてもよい。
【0092】アルミニウムの水酸化物等による被覆は、
芯粒子粉末を分散して得られる水懸濁液に、アルミニウ
ム化合物、ケイ素化合物又は当該両化合物を添加して混
合攪拌することにより、又は、必要により、混合攪拌後
にpH値を調整することにより、前記芯粒子粉末の粒子
表面を、アルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化
物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物から選ばれる
1種又は2種以上で被覆し、次いで、濾別、水洗、乾
燥、粉砕する。必要により、更に、脱気・圧密処理等を
施してもよい。
【0093】アルミニウム化合物としては、酢酸アルミ
ニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸ア
ルミニウム等のアルミニウム塩や、アルミン酸ナトリウ
ム等のアルミン酸アルカリ塩、アルミナゾル等が使用で
きる。
【0094】アルミニウム化合物の添加量は、芯粒子粉
末に対しAl換算で0.01〜50重量%である。0.
01重量%未満である場合には、粒子表面に十分な量の
アルミニウムの水酸化物等を被覆することが困難であ
り、黒色トナー製造時における結着剤樹脂への分散性改
良効果が得られない。50重量%を超える場合には、被
覆効果が飽和するため、必要以上に添加する意味がな
い。
【0095】ケイ素化合物としては、3号水ガラス、オ
ルトケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、コロイ
ダルシリカ等が使用できる。
【0096】ケイ素化合物の添加量は、芯粒子粉末に対
しSiO換算で0.01〜50重量%である。0.0
1重量%未満である場合には、粒子表面に十分な量のケ
イ素の酸化物等を被覆することが困難であり、黒色トナ
ー製造時における結着剤樹脂への分散性改良効果が得ら
れない。50重量%を超える場合には、被覆効果が飽和
するため、必要以上に添加する意味がない。
【0097】アルミニウム化合物とケイ素化合物とを併
せて使用する場合の添加量は、芯粒子粉末に対し、Al
換算量とSiO換算量との総和で0.01〜50重量
%が好ましい。
【0098】次に、本発明に係る黒色トナーの製造法に
ついて述べる。
【0099】本発明に係る黒色トナーは、所定量の結着
剤樹脂と所定量の黒色複合非磁性粒子粉末とを混合、混
練、粉砕による公知の方法によって行うことができる。
具体的には、黒色複合非磁性粒子粉末と結着剤樹脂と
を、必要により更に離型剤、着色剤、荷電制御剤、その
他の添加剤等を添加した混合物を混合機により十分に混
合した後、加熱混練機によって結着剤樹脂中に黒色複合
非磁性粒子粉末等を分散させ、次いで、冷却固化して樹
脂混練物を得、該樹脂混練物を粉砕及び分級を行って所
望の粒子サイズを有する黒色トナーを得ることができ
る。
【0100】前記混合機としては、ヘンシェルミキサ
ー、ボールミルなどの混合機を使用することができる。
前記加熱混練機としては、ロールミル、ニーダー、二軸
エクストルーダー等を使用することができる。前記粉砕
は、カッターミル、ジェットミル等の粉砕機によって行
うことができ、前記分級も特許第2683142号公報
等に記載の通り、公知の風力分級等により行うことがで
きる。
【0101】黒色トナーを得る他の方法として、懸濁重
合法又は乳化重合法がある。懸濁重合法においては、重
合性単量体と黒色複合非磁性粒子粉末とを、必要により
更に、着色剤、重合開始剤、架橋剤、荷電制御剤、その
他の添加剤を添加した混合物を溶解又は分散させた単量
体組成物を、懸濁安定剤を含む水相中に攪拌しながら添
加して造粒し、重合させて所望の粒子サイズを有する黒
色トナー粒子を形成することができる。
【0102】乳化重合法においては、単量体と黒色複合
非磁性粒子粉末とを、必要により更に着色剤、重合開始
剤などを水中に分散させて重合を行う過程に乳化剤を添
加することによって所望の粒子サイズを有する黒色トナ
ー粒子を形成することができる。
【0103】
【発明の実施の形態】本発明の代表的な実施の形態は、
次の通りである。
【0104】ヘマタイト粒子粉末、含水酸化第二鉄粒子
粉末、黒色複合非磁性粒子粉末及びカーボンブラック微
粒子粉末の平均粒子径又は平均長軸径及び平均短軸径
は、電子顕微鏡写真(×20000)を縦方向及び横方
向にそれぞれ4倍に拡大した写真に示される粒子約35
0個について定方向径をそれぞれ測定し、その平均値で
示した。
【0105】球形度は最長径と最短径との比で示し、軸
比は、平均長軸径と平均短軸径との比で示した。
【0106】粒子の幾何標準偏差値は、下記の方法によ
り求めた値で示した。即ち、上記拡大写真に示される粒
子の粒子径(長軸径)を測定した値を、その測定値から
計算して求めた粒子の実際の粒子径(長軸径)と個数か
ら統計学的手法に従って対数正規確率紙上に横軸に粒子
の粒子径(長軸径)を、縦軸に所定の粒子径(長軸径)
区間のそれぞれに属する粒子の累積個数(積算フルイ
下)を百分率でプロットする。
【0107】そして、このグラフから粒子の個数が50
%及び84.13%のそれぞれに相当する粒子径(長軸
径)の値を読みとり、幾何標準偏差値=積算フルイ下8
4.13%における粒子径(長軸径)/積算フルイ下5
0%における粒子径(長軸径)(幾何平均径)に従って
算出した値で示した。幾何標準偏差値が1に近いほど、
粒度分布が優れていることを意味する。
【0108】比表面積値はBET法により測定した値で
示した。
【0109】ヘマタイト粒子粉末又は含水酸化第二鉄粒
子粉末の粒子内部や粒子表面に存在するMn量及び黒色
複合非磁性粒子粉末の粒子内部や粒子表面に存在するA
l量及びSi量並びに黒色複合非磁性粒子粉末に被覆さ
れているアルコキシシランから生成するオルガノシラン
化合物に含有されるSi量のそれぞれは、「蛍光X線分
析装置3063M型」(理学電機工業株式会社製)を使
用し、JIS K0119の「けい光X線分析通則」に
従って測定した。
【0110】黒色複合非磁性粒子粉末に付着しているカ
ーボン量は、「堀場金属炭素・硫黄分析装置EMIA−
2200型」(株式会社堀場製作所製)を用いて炭素量
を測定することにより求めた。
【0111】ヘマタイト粒子粉末、含水酸化第二鉄粒子
粉末、黒色複合非磁性粒子粉末及び黒色トナーの流動性
は、パウダテスタ(商品名、ホソカワミクロン株式会社
製)を用いて、安息角(度)、圧縮度(%)、スパチュ
ラ角(度)、凝集度の各粉体特性値を測定し、該各測定
値を同一基準の数値に置き換えた各々の指数を求め、各
々の指数を合計した流動性指数で示した。流動性指数が
100に近いほど、流動性が優れていることを意味す
る。
【0112】ヘマタイト粒子粉末、含水酸化第二鉄粒子
粉末、黒色複合非磁性粒子粉末及び黒色トナーの黒色度
は、試料0.5gとヒマシ油1.5ccとをフーバー式
マーラーで練ってペースト状とし、このペーストにクリ
アラッカー4.5gを加え、混練、塗料化してキャスト
コート紙上に6milのアプリケーターを用いて塗布し
た塗布片(塗膜厚み:約30μm)を作製し、 該塗布片
について、多光源分光測色計MSC−IS−2D(スガ
試験機株式会社製)を用いてJIS Z 8729に定め
るところに従って測定を行い、表色指数L値で示し
た。
【0113】ここで、L値は明度を表わし、L値が
小さいほど黒色度が優れていることを示す。
【0114】黒色複合非磁性粒子粉末に付着しているカ
ーボンブラック微粒子粉末の脱着率は、下記の方法によ
り求めた値で示した。脱着率が0に近いほど、粒子表面
からのカーボンブラック微粒子粉末の脱離量が少ないこ
とを示す。
【0115】黒色複合非磁性粒子粉末3gとエタノール
40mlを50mlの沈降管に入れ、20分間超音波分
散を行った後、120分静置し、比重差によって黒色複
合非磁性粒子粉末と脱離したカーボンブラック微粒子粉
末を分離した。次いで、この黒色複合非磁性粒子粉末に
再度エタノール40mlを加え、更に20分間超音波分
散を行った後120分静置し、黒色複合非磁性粒子粉末
と脱離したカーボンブラック微粒子粉末を分離した。こ
の黒色複合非磁性粒子粉末を100℃で1時間乾燥さ
せ、前述の「堀場金属炭素・硫黄分析装置EMIA−2
200型」(株式会社堀場製作所製)を用いて炭素量を
測定し、下記式に従って求めた値をカーボンブラック微
粒子粉末の脱着率とした。
【0116】カーボンブラック微粒子粉末の脱着率=
{(Wa−We)/Wa}×100 Wa:黒色複合非磁性粒子粉末のカーボンブラック微粒
子粉末付着量 We:脱着テスト後の黒色複合非磁性粒子粉末のカーボ
ンブラック微粒子粉末付着量
【0117】黒色複合非磁性粒子粉末の結着剤樹脂への
分散性は、得られた黒色トナー粒子の断面を光学顕微鏡
(オリンパス光学工業社製、BH−2)を用いて撮影
し、得られた顕微鏡写真(×200倍)における未分散
の凝集粒子の個数を計数することで判定し、5段階で評
価した。5が最も分散状態が良いことを示す。 1:0.25mm当たりに50個以上 2:0.25mm当たりに10個以上50個未満 3:0.25mm当たりに5個以上10個未満 4:0.25mm当たりに1個以上5個未満5:未分
散物認められず
【0118】黒色トナーの体積固有抵抗値は、まず、粒
子粉末0.5gを測り取り、KBr錠剤成形器(株式会
社島津製作所製)を用いて、140Kg/cmの圧力
で加圧成形を行い、円柱状の被測定試料を作製した。
【0119】次いで、被測定試料を温度25℃、相対湿
度60%環境下に12時間以上暴露した後、この被測定
試料をステンレス電極の間にセットし、ホイートストン
ブリッジ(TYPE2768 横河北辰電気株式会社
製)で15Vの電圧を印加して抵抗値R(Ω)を測定し
た。
【0120】次いで、被測定(円柱状)試料の上面の面
積A(cm)と厚みt(cm)を測定し、次式にそれ
ぞれの測定値を挿入して、体積固有抵抗値X(Ω・c
m)を求めた。 X(Ω・cm)=R×(A/t)
【0121】黒色トナーの平均粒子径は、レーザー回折
式粒度分布測定装置(modelHELOS LA/K
A、SYMPATEC社製)を用いて測定した。
【0122】<黒色複合非磁性粒子粉末の製造>図1の
電子顕微鏡写真(×20000)に示す粒状マンガン含
有ヘマタイト粒子粉末(平均粒子径0.30μm、球形
度1.3、幾何標準偏差値1.46、BET比表面積値
3.6m/g、Mn含有量13.3重量%、流動性指
数36、黒色度L値22.6)20kgを、凝集を解
きほぐすために、純水150lに攪拌機を用いて邂逅
し、更に、「TKパイプラインホモミクサー」(製品
名、特殊機化工業株式会社製)を3回通して粒状マンガ
ン含有ヘマタイト粒子粉末を含むスラリーを得た。
【0123】次いで、この粒状マンガン含有ヘマタイト
粒子粉末を含むスラリーを横型サンドグラインダー「マ
イティーミルMHG−1.5L」(製品名、井上製作所
株式会社製)を用いて、軸回転数2000rpmにおい
て5回パスさせて、粒状マンガン含有ヘマタイト粒子粉
末を含む分散スラリーを得た。
【0124】得られた分散スラリーは、325mesh
(目開き44μm)における篩残分は0%であった。こ
の分散スラリーを濾別、水洗して、粒状マンガン含有ヘ
マタイト粒子粉末のケーキを得た。この粒状マンガン含
有ヘマタイト粒子粉末のケーキを120℃で乾燥した
後、乾燥粉末11.0kgをエッジランナー「MPUV
−2型」(製品名、株式会社松本鋳造鉄工所製)に投入
して、30kg/cmで30分間混合攪拌を行い、粒子
の凝集を軽く解きほぐした。
【0125】次に、メチルトリエトキシシラン110g
を200mlのエタノールで混合希釈して得られるメチ
ルトリエトキシシラン溶液を、エッジランナーを稼動さ
せながら粒子の凝集を解きほぐした上記粒状マンガン含
有ヘマタイト粒子粉末に添加し、60kg/cmの線荷
重で60分間混合攪拌を行った。
【0126】次に、図2の電子顕微鏡写真(×2000
0)に示すカーボンブラック微粒子粉末(粒子形状:粒
状、平均粒子径0.022μm、幾何標準偏差値1.6
8、BET比表面積値134m/g、黒色度L値1
6.6)990gを、エッジランナーを稼動させながら
10分間かけて添加し、更に60kg/cmの線荷重で
60分間混合攪拌を行い、メチルトリエトキシシラン被
覆にカーボンブラック微粒子粉末を付着させて、黒色複
合非磁性粒子粉末を得た。
【0127】得られた黒色複合非磁性粒子粉末を、乾燥
機を用いて105℃で60分間熟成し、残留した水分、
エタノール等を揮散させた。この黒色複合非磁性粒子粉
末は、図3の電子顕微鏡写真(×20000)に示す通
り、平均粒子径が0.31μmであった。そして、この
黒色複合非磁性粒子粉末は、球形度が1.3、幾何標準
偏差値が1.46、BET比表面積値が9.1m
g、流動性指数が48、黒色度L値が17.6、カー
ボンブラック微粒子粉末の脱着率が6.6%であって、
メチルトリエトキシシランから生成するオルガノシラン
化合物の被覆量はSi換算で0.16重量%であった。
図3に示す電子顕微鏡写真からも、カーボンブラック微
粒子粉末がほとんど認められないことから、カーボンブ
ラック微粒子粉末のほぼ全量がメチルトリエトキシシラ
ンから生成するオルガノシラン化合物被覆に付着してい
ることが認められた。
【0128】<黒色複合非磁性粒子粉末を含む黒色トナ
ーの製造>上記黒色複合非磁性粒子粉末400g、スチ
レン−ブチルアクリレート−メチルメタクリレート共重
合樹脂540g(分子量130,000、スチレン/ブ
チルアクリレート/メチルメタクリレート=82.0/
16.5/1.5)、ポリプロピレンワックス60g
(分子量3,000)及び帯電制御剤15gをヘンシェ
ルミキサーに投入し、槽内温度60℃において15分間
攪拌混合を行った。得られた混合粉体を連続型二軸混練
機で140℃において溶融混練を行い、得られた混練物
を空気中で冷却、粗粉砕、微粉砕した後、分級し、黒色
トナーを得た。
【0129】得られた黒色トナーは、平均粒子径が1
0.1μm、分散性が5、流動性指数が75、黒色度L
値が18.6、体積固有抵抗値が1.2×1014Ω
・cmであった。
【0130】
【作用】本発明において最も重要な点は、ヘマタイト粒
子粉末又は含水酸化第二鉄粒子粉末、必要により、該粒
子粉末の粒子表面にアルミニウムの水酸化物、アルミニ
ウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物か
ら選ばれた1種又は2種以上が被覆されているヘマタイ
ト粒子粉末又は含水酸化第二鉄粒子粉末のいずれかの粒
子粉末の粒子表面にアルコキシシランから生成するオル
ガノシラン化合物が被覆されており、該オルガノシラン
化合物被覆に平均粒子径0.002〜0.05μmのカ
ーボンブラック微粒子粉末が付着している平均粒子径
0.06〜1.0μmの黒色複合非磁性粒子粉末であっ
て、該カーボンブラック微粒子粉末がヘマタイト粒子粉
末又は含水酸化第二鉄粒子粉末100重量部に対し、1
〜25重量部の割合で付着されている黒色複合非磁性粒
子粉末は、流動性及び黒色度が優れているとともに、粒
子表面から脱離するカーボンブラック微粒子粉末が少な
いことにより、黒色トナー製造時における結着剤樹脂へ
の分散性に優れているという事実である。
【0131】本発明に係る黒色複合非磁性粒子粉末の粒
子表面から脱離するカーボンブラック微粒子粉末が少な
い理由について、本発明者は、ヘマタイト粒子粉末及び
含水酸化第二鉄粒子粉末の粒子内部や粒子表面に含有さ
れているSi、Al、Fe等の金属元素とカーボンブラ
ック微粒子粉末が付着しているアルコキシシランが有し
ているアルコキシ基との間で、メタロシロキサン結合
(≡Si−O−M(但し、MはSi、Al、Fe等の芯
粒子に含まれている金属原子である。))が形成される
ことにより、カーボンブラック微粒子粉末が付着してい
るオルガノシラン化合物がヘマタイト粒子粉末及び含水
酸化第二鉄粒子粉末の粒子表面に強固に結合するためと
考えている。
【0132】本発明に係る黒色複合非磁性粒子粉末の黒
色トナー製造時における結着剤樹脂への分散性が優れて
いる理由について、本発明者は、黒色複合非磁性粒子粉
末の粒子表面から脱離するカーボンブラック微粒子粉末
が少ないことに起因して、カーボンブラック微粒子粉末
によって系内の分散が阻害されないとともに、黒色複合
非磁性粒子粉末の粒子表面にカーボンブラック微粒子粉
末が付着していることにより、粒子表面に凹凸が生じ、
粒子相互間の接触が抑制されるためと考えている。
【0133】本発明に係る黒色複合非磁性粒子粉末の流
動性が優れている理由について、本発明者は、微粒子で
あることに起因して通常は凝集体として挙動するカーボ
ンブラック微粒子粉末が、本発明に係る黒色複合非磁性
粒子粉末の場合はヘマタイト粒子粉末及び含水酸化第二
鉄粒子粉末の粒子表面に、均一且つ緻密に付着されてい
ることによって、カーボンブラック微粒子粉末が1次粒
子近くまで分散された状態で存在し、ヘマタイト粒子粉
末及び含水酸化第二鉄粒子粉末の粒子表面に多数の微細
な凸凹を形成することによるものと考えている。
【0134】本発明に係る黒色複合非磁性粒子粉末の黒
色度が優れている理由について、本発明者は、ヘマタイ
ト粒子粉末又は含水酸化第二鉄粒子粉末の粒子表面に均
一且つ緻密に付着されているカーボンブラック微粒子粉
末によって、芯粒子粉末の色が打ち消されてカーボンブ
ラック微粒子粉末本来の色が発揮されたことによるもの
と考えている。
【0135】そして、上記黒色複合非磁性粒子粉末を用
いて得られた黒色トナーは、流動性及び黒色度が優れて
いるという事実である。
【0136】本発明に係る黒色トナーの流動性が優れて
いる理由について、本発明者は、カーボンブラック微粒
子粉末が均一、且つ、多量に存在している黒色複合非磁
性粒子粉末を黒色トナーに配合させたことにより、黒色
トナー表面に多数の微細な凸凹を形成していることによ
るものと考えている。
【0137】本発明に係る黒色トナーの黒色度が優れて
いる理由について、本発明者は、黒色度の優れた黒色複
合非磁性粒子粉末を黒色トナー中に配合させたことによ
るものと考えている。
【0138】
【実施例】次に、実施例並びに比較例を挙げる。
【0139】芯粒子1〜4 公知の製造方法で得られた各種のヘマタイト粒子粉末又
は含水酸化第二鉄粒子粉末を準備し、上記発明の実施の
形態と同様にして凝集が解きほぐされた芯粒子粉末を得
た。
【0140】これら芯粒子粉末の諸特性を表1に示す。
【0141】
【表1】
【0142】芯粒子5 芯粒子1の凝集が解きほぐされた粒状マンガン含有ヘマ
タイト粒子粉末20kgと水150lとを用いて、前記
発明の実施の形態と同様にして粒状マンガン含有ヘマタ
イト粒子粉末を含むスラリーを得た。得られた粒状マン
ガン含有ヘマタイト粒子粉末を含む再分散スラリーのp
H値を水酸化ナトリウムを用いて10.5に調整した。
次に、該スラリーに水を加えスラリー濃度を98g/l
に調整した。このスラリー150lを加熱して60℃と
し、このスラリー中に1.0mol/lのNaAlO
溶液5444ml(粒状マンガン含有ヘマタイト粒子粉
末に対してAl換算で1.0重量%に相当する)を加
え、30分間保持した後、酢酸を用いてpH値を7.5
に調整した。この状態で30分間保持した後、濾過、水
洗、乾燥、粉砕して粒子表面がアルミニウムの水酸化物
により被覆されている粒状マンガン含有ヘマタイト粒子
粉末を得た。
【0143】この時の主要製造条件を表2に、得られた
粒状マンガン含有ヘマタイト粒子粉末の諸特性を表3に
示す。
【0144】尚、表面処理工程における被覆物の種類の
Aはアルミニウムの水酸化物であり、Sはケイ素の酸化
物を表わす。
【0145】
【表2】
【0146】
【表3】
【0147】芯粒子6〜8 芯粒子の種類、表面処理工程における添加物の種類及び
量を種々変えた以外は芯粒子5と同様にして表面処理済
芯粒子粉末を得た。
【0148】この時の主要処理条件を表2に、得られた
表面処理済芯粒子粉末の諸特性を表3に示す。
【0149】実施例1〜8、比較例1〜5 芯粒子粉末の種類、オルガノシラン化合物による被覆工
程におけるアルコキシシランの有無、種類及び添加量、
エッジランナーによる処理条件、カーボンブラック微粒
子粉末の付着工程におけるカーボンブラック微粒子粉末
の種類及び添加量、エッジランナーによる処理条件を種
々変えた以外は、前記発明の実施の形態と同様にして黒
色複合非磁性粒子粉末を得た。実施例1〜8の各実施例
で得られた黒色複合非磁性粒子粉末は、電子顕微鏡観察
の結果、カーボンブラック微粒子粉末がほとんど認めら
れないことから、カーボンブラック微粒子粉末のほぼ全
量がアルコキシシランから生成するオルガノシラン化合
物被覆に付着していることが確認された。
【0150】尚、使用したカーボンブラック微粒子粉末
A乃至Cの諸特性を表4に示す。
【0151】
【表4】
【0152】この時の主要処理条件を表5に、得られた
黒色複合非磁性粒子粉末の諸特性を表6に示す。
【0153】尚、比較例1は、アルコキシシランを被覆
することなく、粒状マンガン含有ヘマタイト粒子粉末と
カーボンブラック微粒子粉末とをエッジランナーで混合
攪拌して得られた処理粒子粉末である。この処理粒子粉
末の電子顕微鏡写真(×20000)を図4に示す。図
4の電子顕微鏡写真に示される通り、カーボンブラック
微粒子粉末が粒状マンガン含有ヘマタイト粒子の粒子表
面に付着しておらず、両粒子粉末がバラバラに混在して
いることが認められた。
【0154】
【表5】
【0155】
【表6】
【0156】<黒色トナーの製造> 実施例9〜16及び比較例6〜17 黒色複合非磁性粒子粉末として実施例1〜8の黒色複合
非磁性粒子粉末、芯粒子1〜4、カーボンブラックA〜
C,比較例1の粒状マンガン含有ヘマタイト粒子粉末と
カーボンブラック微粒子粉末との混合粉末及び比較例2
〜5の黒色複合非磁性粒子粉末を用いて、黒色複合非磁
性粒子粉末と結着剤樹脂の配合量を種々変えた以外は前
記発明の実施の形態と同様にして黒色トナーを得た。
【0157】この時の主要製造条件及び諸特性を表7及
び表8に示す。
【0158】
【表7】
【0159】
【表8】
【0160】
【発明の効果】本発明に係る黒色複合非磁性粒子粉末
は、流動性及び黒色度が優れているとともに、粒子表面
から脱離するカーボンブラック微粒子粉末が少ないこと
により、結着剤樹脂中への分散性が優れているので、高
画質及び高速の黒色トナー用黒色非磁性粒子粉末として
好適である。
【0161】また、本発明に係る黒色複合非磁性粒子粉
末は、分散性が優れているので、取り扱いやすく作業性
に優れており、工業的に好ましいものである。
【0162】そして、上記流動性に優れているとともに
黒色度が優れている黒色複合非磁性粒子粉末を用いた黒
色トナーもまた流動性が優れているとともに黒色度が優
れているので、高画質及び高速の黒色トナーとして好ま
しいものである。
【0163】また、本発明に係る黒色トナーは、黒色複
合非磁性粒子粉末の分散性が優れていることに起因し
て、黒色トナー粒子表面に露出している黒色複合非磁性
粒子粉末の個々が分離、独立して存在しているので、カ
ーボンブラック微粒子粉末が存在していることによる体
積固有抵抗値の低下がなく、高抵抗乃至絶縁性トナーと
して好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 発明の実施の形態で使用した粒状マンガン含
有ヘマタイト粒子粉末の粒子構造を示す電子顕微鏡写真
(×20000)である。
【図2】 発明の実施の形態で使用したカーボンブラッ
ク微粒子粉末の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×20
000)である。
【図3】 発明の実施の形態で得られた黒色複合非磁性
粒子粉末の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×2000
0)である。
【図4】 比較のために示した粒状マンガン含有ヘマタ
イト粒子粉末とカーボンブラック微粒子粉末との混合粉
末の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×20000)で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石谷 誠治 広島県広島市中区舟入南4丁目1番2号戸 田工業株式会社創造センター内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘマタイト粒子粉末又は含水酸化第二鉄
    粒子粉末の粒子表面にアルコキシシランから生成するオ
    ルガノシラン化合物が被覆されており、該オルガノシラ
    ン化合物被覆に平均粒子径0.002〜0.05μmの
    カーボンブラック微粒子粉末が付着している平均粒子径
    0.06〜1.0μmの黒色複合非磁性粒子粉末であっ
    て、該カーボンブラック微粒子粉末が前記ヘマタイト粒
    子粉末又は含水酸化第二鉄粒子粉末100重量部に対し
    1〜25重量部の割合で付着されていることを特徴とす
    る黒色トナー用黒色複合非磁性粒子粉末。
  2. 【請求項2】 ヘマタイト粒子粉末又は含水酸化第二鉄
    粒子粉末の粒子表面に下層としてアルミニウムの水酸化
    物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ
    素の酸化物から選ばれた1種又は2種以上が被覆され、
    上層としてアルコキシシランから生成するオルガノシラ
    ン化合物が被覆されており、該オルガノシラン化合物被
    覆に平均粒子径0.002〜0.05μmのカーボンブ
    ラック微粒子粉末が付着している平均粒子径0.06〜
    1.0μmの黒色複合非磁性粒子粉末であって、該カー
    ボンブラック微粒子粉末が前記ヘマタイト粒子粉末又は
    含水酸化第二鉄粒子粉末100重量部に対し1〜25重
    量部の割合で付着されていることを特徴とする黒色トナ
    ー用黒色複合非磁性粒子粉末。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の黒色複合非
    磁性粒子粉末を用いた黒色トナー。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6420030B1 (en) 1997-10-31 2002-07-16 Toda Kogyo Corporation Black iron-based composite particles, process for producing the same, paint and rubber or resin composition containing the same
US6677093B2 (en) 2000-11-01 2004-01-13 Fuji Xerox Co., Ltd. Electrophotographic black toner, electrophotographic developer and image forming method
JP2010132475A (ja) * 2008-12-02 2010-06-17 Toda Kogyo Corp 磁気記録媒体の非磁性下地層用ヘマタイト粒子粉末、並びに磁気記録媒体

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