JP2001115526A - 局部洗浄装置およびこの局部洗浄装置を備えた便所装置 - Google Patents

局部洗浄装置およびこの局部洗浄装置を備えた便所装置

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JP2001115526A
JP2001115526A JP29191999A JP29191999A JP2001115526A JP 2001115526 A JP2001115526 A JP 2001115526A JP 29191999 A JP29191999 A JP 29191999A JP 29191999 A JP29191999 A JP 29191999A JP 2001115526 A JP2001115526 A JP 2001115526A
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toilet
toilet seat
case
lid
toilet lid
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JP29191999A
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English (en)
Inventor
Yasuo Hamada
靖夫 濱田
Makoto Hatakeyama
真 畠山
Shingo Tanaka
真吾 田中
Kazuyuki Enomoto
和幸 榎本
Hirotaka Takou
宏崇 田幸
Minoru Tani
稔 谷
Masaki Shiratori
昌己 白鳥
Ryosuke Hayashi
良祐 林
Takaaki Kuwabara
隆顕 桑原
Nobuhiro Goshima
伸洋 五島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 着座から用便,手洗いという一連の動作を通
じて使い勝手のよい局部洗浄装置を提供する。 【解決手段】 温水洗浄便座210では、便蓋212お
よび便座214の回転中心軸Pを、便座取付用穴99の
位置を基準として、便器の水平前方に向かって42m
m、鉛直上方に向かって60mmの位置に設ける。便座
214および便蓋212を閉じた状態から便蓋212を
開けると、便蓋212が、リム面98aから60mmと
いう低い高さの回転中心軸Pを軸として回転し、便蓋2
12の先端は、洗浄タンク91の上端よりも低い位置に
おいて、洗浄タンク91の前面に当接する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、局部洗浄装置に関
し、詳しくは、洗浄水を吐水する吐水機構を収納したケ
ースおよび便座を有し、該ケースが便器上面に設けられ
た取付孔により便器に取り付けられ、洗浄水を吐水して
局部洗浄を行なう局部洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年では、トイレにおける局部洗浄装置
の設置率が高まっている。この局部洗浄装置は、吐水機
構をはじめとする機能部品を収納するケースや、着座の
ための便座や臭気の発散を防止するための便蓋等から構
成され、便器と洗浄水タンクとの組み合わせからなる便
所装置に装着される。この装着の手法としては、一般に
は、洋風便器の後部に形成された穴を利用して便器に装
着する手法が採用されている。
【0003】一方、局部洗浄装置が設置されるトイレ室
内は、比較的狭いのが通例であり、便所装置や局部洗浄
装置とは別に、独立した手洗器を設けられない場合が多
い。そこで、狭いスペースでの手洗いを可能とするため
に、従来より、洗浄水タンクの頂面をボウル形状としつ
つ、タンク上部に手洗用の水を吐水するための管(以
下、手洗用吐水管という)を設ける手法が採用されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな手洗用吐水管を備えた便所装置に局部洗浄装置を装
着する場合には、開いた状態の便座や便蓋と手洗吐水管
とが干渉してしまい、手洗いの使い勝手が悪くなってし
まうという問題があった。この干渉の状態を図33およ
び図34に示す。図33は、収納ケース916内の機能
部品との干渉を回避して、収納ケース916の上方に便
座や便蓋の回転軸の中心Zを設けた場合を示す。この場
合に便座や便蓋を開けると、便座や便蓋を開けたときの
便座や便蓋の先端の垂直位置も高くなるため、図34に
示すように、手洗吐水管が便座や便蓋に隠れてしまう。
【0005】一方、図35に示すように、便座や便蓋の
回転軸Zを前方寄りに設ければ、便座や便蓋の回転半径
が短くなり、便座や便蓋と手洗吐水管との干渉を防止す
ることができる。しかしながら、便蓋を開けた状態の図
36に示すように、回転軸Zを前方に移動した分だけ便
座の奥行きが縮まるため、便座における着座可能領域が
狭くなり、着座が不安定になるおそれがあった。また、
便座を閉じたときの便器の鉢部の有効領域(便座の穴の
面積と鉢部の面積とが重なり合う領域)が狭くなるた
め、小便や局部洗浄後の洗浄水が便座や便器に付着しや
すくなるという欠点もあった。
【0006】そこで、本発明は、上記の課題を解決し、
手洗い器との干渉を生じさせることなく、着座から用
便,手洗いという一連の動作を通じて使い勝手のよい局
部洗浄装置を提供することを目的として、以下の構成を
採った。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】本
発明の第一の局部洗浄装置は、洗浄水を吐水する吐水機
構を収納したケースおよび便座を有し、該ケースが便器
上面に設けられた取付孔により便器に取り付けられ、前
記洗浄水を吐水して局部洗浄を行なう局部洗浄装置であ
って、前記便座および便蓋の少なくとも一方の部材を、
前記ケースに回転可能に軸支すると共に、該軸支の回転
中心を、前記ケースが前記便器に装着された状態におい
て、前記取付穴から便器の前方に向かって42mmの位
置よりも後方であり、かつ前記取付穴から上方125m
mの位置よりも低い位置に設けたことを要旨とする。
【0008】この局部洗浄装置によれば、便座および便
蓋の少なくとも一方の部材とケースとの軸支の回転中心
を、ケースが便器に装着された状態において、取付穴か
ら便器の前方に向かって42mmの位置よりも後方の位
置に設ける。従って、便座や便蓋の奥行きを大きくとる
ことが可能となり、着座時における安定感が向上する。
【0009】さらに、本発明の局部洗浄装置は、軸支の
回転中心を、ケースが便器に装着された状態において、
取付穴から上方125mmの位置よりも低い位置に設け
るので、便座や便蓋を開けたときにおける便座や便蓋の
先端の位置は低くなる。従って、開けた便座や便蓋の先
端部分が、便座や便蓋よりも後側に設けられる手洗い器
の前方に突出し、手洗い動作を邪魔することがない。こ
のように、便座または便蓋についての軸支の回転中心
を、便器の後方寄りに、低い高さで設けることで、着座
から用便,手洗いという一連の動作を通じて、使い勝手
のよい局部洗浄装置を提供することが可能となる。
【0010】また、便座および便蓋についての軸支の回
転中心を、ケースが便器に装着された状態において、取
付穴から便器の前方に向かって42mmの位置よりも後
方の位置に設けるとともに、取付穴から上方125mm
の位置よりも低い位置に設ける構成としてもよい。この
構成によれば、便蓋のみを開けたときにも、便蓋先端の
位置は低くなるので、開けた便蓋の先端部分が、便蓋よ
りも後側に設けられる手洗い器の前方に突出し、手洗い
動作を邪魔することがない。従って、大洗浄,小洗浄の
いずれの場合にも、使い勝手のよい局部洗浄装置を提供
することができる。
【0011】便座が閉状態のとき、該便座の後端部がケ
ースの上面の少なくとも一部を覆うように構成すること
も可能である。この構成によれば、局部に当たって跳ね
返った洗浄水によって、ケースの前端が汚れることを防
止できる。
【0012】軸支の回転中心を、取付穴から上方125
mmの位置より低く、かつ前記ケース高さの1/2より
高い位置に設けることも好適である。こうすれば、ケー
スの下方を有効に利用し、ケースの下方に、局部洗浄に
必要な部品を設けるスペースを確保することができる。
また、便蓋および便座をケースに回転可能に軸支すると
共に、該軸支の回転中心を、取付穴から上方125mm
の位置より低く、かつケース高さの1/2より高い位置
に設ける構成としてもよい。
【0013】ケースに、便座を軸支するための便座軸支
体を、該ケースの上面から上方に突出して備え、該便座
軸支体を、便座の開閉状態によらず、外部から視認可能
に形成することも可能である。このような構成を採れ
ば、局部洗浄装置の機能に関する表示体やセンサ等を、
便座軸支体に設けることができる。
【0014】また、ケースに、便蓋および便座を軸支す
るための便座・便蓋軸支体を、該ケースの上面から上方
に突出して備え、該便座・便蓋軸支体を、便座または便
蓋の開閉状態によらず、外部から視認可能に形成しても
よい。こうすれば、便座・便蓋軸支体に表示体を設けた
場合に、この表示体の状態を、常に見ることができる。
また、便座・便蓋軸支体にセンサを設け、このセンサ
を、便座または便蓋の開閉状態に応じて動作させる構成
とすることもできる。
【0015】便座を閉じた状態において、ケースと便座
との軸支部分の表面を、該ケースから該便座にかけて略
連続する面として形成することも、清掃性や美感が向上
する点で好ましい。また、便蓋を閉じた状態において、
ケースと便蓋との軸支部分の表面を、該ケースから該便
蓋にかけて略連続する面として形成すれば、便蓋を閉じ
た状態での清掃性や美感を高めることができる。
【0016】ケースに回転可能に軸支され、開閉可能と
された便蓋を備え、該便蓋を、該便蓋が閉状態のとき、
ケースおよび便座の上面の全範囲を覆うように構成して
もよい。この構成を採れば、便座とケースとの取り合い
部に汚れが入り込むことがなく、清掃が容易となる。
【0017】また、便座や便蓋の形状は、便座や便蓋の
回転の際にケースと干渉しないような形状とする必要が
ある。そこで、ケースの全高を140mm以下とすれ
ば、ケースの上面を便座や便蓋が通過することを考慮し
て、便座や便蓋を大きく抉り取った形状に成形する必要
がない。この結果、便座や便蓋とケースとの取り合い部
分における清掃性やデザイン性を高めることができる。
【0018】軸支の回転中心から前記部材の回転範囲に
おけるケースの外法までの最短距離を、35mm以下と
することも好適である。こうすれば、便座や便蓋を抉る
範囲は、軸支の回転中心から前方に略35mmの範囲の
みとなり、抉り取る範囲を最小限に抑えることができ
る。
【0019】便座,便蓋という部材を、軸支の回転中心
よりも後方に40mm以下の値で突出するよう形成する
ことも望ましい。このような構成を採れば、便座や便蓋
の回転時に、便座や便蓋の軸支の回転中心よりも後方に
突出した部分がケースの前面や上面に当たることを考慮
して、ケースを特殊な形状とする必要がない。
【0020】便座,便蓋という部材を軸支するための軸
支機構を、ケースの側面および部材の側面に露出しない
ように配設することも可能である。この構成によれば、
ケースや便座,便蓋の側面に軸支機構が露出しないの
で、横幅の狭いスペースにも設置が可能となる。
【0021】本発明の第二の局部洗浄装置は、洗浄水を
吐水する吐水機構を収納したケースおよび便座を有し、
前記便座および便蓋を前記ケースに回転可能に軸支する
と共に、該軸支されたケースを、上部に手洗い器を有す
るタンクと組み付け可能な便器に装着し、所定の指示に
基づいて洗浄水を吐出して人体の局部を洗浄する局部洗
浄装置であって、前記軸支の回転中心を、前記便座およ
び前記便蓋において同一とするとともに、該便座および
便蓋を軸支するための軸支機構を、記ケースの側面,便
座の側面および便蓋の側面に露出しないように配設し、
前記軸支の回転中心を、前記便座および前記便蓋を開い
たときに、該便座および該便蓋の先端の位置が前記手洗
い器の吐水口よりも下方に位置するように配置したこと
を要旨とする。
【0022】この局部洗浄装置によれば、便座および便
蓋を軸支するための軸支機構を、ケースの側面,便座の
側面および便蓋の側面に露出しないように配設するとと
もに、軸支機構における軸支の回転中心を便座および便
蓋において同一とする。従って、使用者の使用に際する
種々の動作において、軸支機構との干渉が防止されると
ともに、便座および便蓋の双方の開閉動作を一度に行な
う際に、便座と便蓋との回転軌跡が同じとなるため、小
さな力でスムーズに双方を開閉することができる。ま
た、軸支の回転中心を、便座および便蓋を開いたとき
に、該便座および該便蓋の先端の位置が前記手洗い器の
吐水口よりも下方に位置するように配置するので、便座
および便蓋を開けた後に手洗い動作を行なう際に、開け
た便座や便蓋の先端部分が、便座や便蓋よりも後側に設
けられる手洗い器の前方に突出し、手洗い動作を邪魔す
ることがない。このように、軸支機構を、使用者の一連
の動作がスムーズとなるように構成することで、より使
い勝手のよい局部洗浄装置を提供することが可能とな
る。
【0023】軸支の回転中心を、ケース高さの1/2よ
り高い位置に設けることも好適である。こうすれば、ケ
ースの下方を有効に利用し、ケースの下方に、局部洗浄
に必要な部品を設けるスペースを確保することができ
る。
【0024】便蓋をケースに軸支する構成としては、ケ
ースの外側に向かって軸支するもの、ケースの内側に向
かって軸支するもの、または、ケースの内側および外側
に向かって軸支するものを考えることができる。また、
便座についても、ケースの外側に向かって軸支するも
の、ケースの内側に向かって軸支するもの、または、ケ
ースの内側および外側に向かって軸支するものを考える
ことができる。
【0025】便座,便蓋およびケースの形状を、該便
座,便蓋およびケースの後部に至るに連れて幅が漸減す
る形状とすることも、取付穴近傍の上面が内側に張り出
した特殊な形状の便器にも装着可能となる点で好適であ
る。
【0026】また、軸支の回転中心を、便座および便蓋
において同一とすれば、便座と便蓋との回転軌跡が同じ
となるため、便座および便蓋の双方の開閉動作を一度に
行なう際に、小さな力でスムーズに双方を開閉すること
ができる。
【0027】本発明を、便所装置として把握することも
できる。即ち、本発明の便所装置は、請求項1に記載の
局部洗浄装置と、該局部洗浄装置を装着可能な便器と、
該便器と連結されるタンクと、該タンクの上方に設けら
れる手洗い器とを備える。このように構成された便所装
置によれば、請求項1に記載の便座または便蓋とケース
との軸支の回転中心を、便器の後方寄りに、低い高さで
設けた局部洗浄装置を備えるので、開けた便座や便蓋の
先端部分が、便座や便蓋よりも後側に設けられる手洗い
器の前方に突出し、手洗い動作を邪魔することがない。
従って、着座から用便,手洗いという一連の動作を通じ
て、使い勝手のよい便所装置を提供することが可能とな
る。
【0028】
【発明の他の態様】この発明は、以下のような他の態様
も含んでいる。第1の態様は、洗浄水を吐水する吐水機
構を収納したケースおよび便座を有し、前記便座および
便蓋を前記ケースに回転可能に軸支すると共に、該軸支
されたケースを、上部に手洗い器を有するタンクと組み
付け可能な便器に装着し、所定の指示に基づいて洗浄水
を吐出して人体の局部を洗浄する局部洗浄装置であっ
て、該便座および便蓋を軸支するための軸支機構を、前
記ケースの側面,便座の側面および便蓋の側面に露出し
ないように配設し、前記軸支機構は、前記便蓋若しくは
前記便蓋の少なくとも一方を、前記ケースの内側に向か
って、前記ケースに軸支する機構であり、前記軸支の回
転中心を、前記便座および前記便蓋を開いたときに、該
便座および該便蓋の先端の位置が前記手洗い器の吐水口
よりも下方に位置するように配置した局部洗浄装置とし
ての態様である。
【0029】こうした態様では、ケースや便座,便蓋の
側面に軸支機構が露出しないので、狭いスペースにも設
置が可能となる。また、軸支機構は、便蓋若しくは便蓋
の少なくとも一方を、ケースの内側に向かって、ケース
に軸支するので、軸支された便蓋や便座に十分な強度を
確保することができる。さらに、軸支の回転中心を、便
座および便蓋を開いたときに、該便座および該便蓋の先
端の位置が手洗い器の吐水口よりも下方に位置するよう
に配置するので、開けた便座や便蓋の先端部分が、便座
や便蓋よりも後側に設けられる手洗い器の前方に突出
し、手洗い動作を邪魔することがない。
【0030】第2の態様は、洗浄水を吐水する吐水機構
を収納したケースおよび便座を有し、前記便座および便
蓋を前記ケースに回転可能に軸支すると共に、該軸支さ
れたケースを、上部に手洗い器を有するタンクと組み付
け可能な便器に装着し、所定の指示に基づいて洗浄水を
吐出して人体の局部を洗浄する局部洗浄装置であって、
前記軸支の回転中心を、前記ケース高さの1/2より高
い位置に設けるとともに、前記軸支の回転中心を、前記
便座および前記便蓋を開いたときに、該便座および該便
蓋の先端の位置が前記手洗い器の吐水口よりも下方に位
置するように配置し、前記便蓋若しくは前記便蓋の少な
くとも一方を、前記ケースの内側に向かって、前記ケー
スに軸支した局部洗浄装置としての態様である。
【0031】こうした態様では、軸支の回転中心を、ケ
ース高さの1/2より高い位置に設けるとともに、便座
および便蓋を開いたときに、該便座および該便蓋の先端
の位置が前記手洗い器の吐水口よりも下方に位置するよ
うに配置する。従って、便座や便蓋の開閉動作と干渉す
ることがない位置であるケースの下方に、局部洗浄に必
要な部品を設けるスペースを確保することができるとと
もに、便座や便蓋を開けたときにも、その先端部分が手
洗い器の前方に突出して、手洗い動作を妨げることがな
い。また、便蓋若しくは便蓋の少なくとも一方を、ケー
スの内側に向かって、ケースに軸支するので、軸支され
た便蓋や便座に十分な強度を確保することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以上説明した本発明の構成及び作
用を一層明らかにするために、以下本発明の局部洗浄装
置について、その実施の形態を実施例に基づいて説明す
る。図1は、本発明の第1実施例である温水洗浄便座2
10の外観を表わす概略斜視図である。なお、以下の説
明において、「前方」とは、便器や便座の先端に向かう
方向を、「後方」とは、便器や便座の背面に向かう方向
を、それぞれ示すものとして説明する。
【0033】この温水洗浄便座210は、便器に装着し
て用いられ、使用者による所定の操作に基づいて、局部
の洗浄や乾燥等の種々の機能を実行する。本実施例の温
水洗浄便座210は、普通便座に替えて、種々の便器に
後から装着するタイプのものであり、便器本体とは別体
として構成されている。
【0034】図1に示すように、温水洗浄便座10は、
用便の際に人が着座するための便座214、開閉可能な
便蓋212、上ケース216bと下ケース216aとの
組み合わせからなる収納ケース216を備える。便座2
14や便蓋212は、ポリプロピレンを用いて成形さ
れ、後述する回転軸部材240を用いて収納ケース21
6に着脱可能に装着されている。この装着の態様の詳細
については後述する。従って、図1に記載した符号のう
ち、便座214および便蓋212の装着に関わる部分の
符号についての説明は、ここでは省略する。
【0035】収納ケース216は、ABS(アクリロト
ニル・ブタジエン・エチレン樹脂)を用いて成形されて
おり、その内部には、局部の洗浄や乾燥等の各種の衛生
機能を実行するための機能部品が収納されている。この
機能部品の内容につき、図2および図3に基づいて簡単
に説明する。図2は、温水洗浄便座210内の水の流れ
を示すブロック図である。収納ケース216の左側面に
は、連結管52を介して分岐金具51と接続される給水
アダプタ53が固着されている。給水本管からの水は、
分岐金具51によって温水洗浄便座210方向に分岐さ
れ、分岐された水は、連結管52,給水アダプタ53を
通じて、収納ケース216内に供給される。
【0036】図2に示すように、給水アダプタ53の下
流側には、バルブユニット54,熱交換器ユニット5
9,ノズルユニット68が接続される。これらの各ユニ
ットは、収納ケース216の内部に収納されている。
【0037】バルブユニット54は、給水アダプタ53
を通じて給水された水の水圧を調整する減圧弁55、熱
交換器ユニット59へ水を供給するか否かを通電に応じ
て制御する電磁弁56、給水された水の流路に位置する
穴の空いた円盤を回転させる流調モータ67、この円盤
の回転角度によって通水路の面積を変え、熱交換器ユニ
ット59に供給する水の流量を切り換える水勢調節弁5
7等から構成される。
【0038】熱交換器ユニット59は、供給された水を
加熱して温水を生成するいわゆる瞬間式のヒータ61、
生成された温水の温度を検知する温水用サーミスタ6
2、生成された温水の一部を貯溜する貯湯タンク60、
貯湯タンク60内の温水の有無を検知するフロートスイ
ッチ63、ノズルユニット68へ送出された温水が熱交
換器ユニット59内へ逆流するのを防止する逆止弁65
等から構成される。
【0039】ノズルユニット68は、洗浄ノズル69、
洗浄ノズル69の位置を移動させる駆動装置、肛門洗浄
の際に洗浄ノズル69に温水を供給するための第1開閉
弁、ビデ洗浄の際に洗浄ノズル69に温水を供給するた
めの第2開閉弁等から構成される。
【0040】また、収納ケース216の内部には、上記
の3つのユニットに加えて、洗浄後の局部の乾燥機能を
実行する温風ユニット58,室内の臭気の除去を実行す
る脱臭ユニット49,室内温度を調整する室内暖房ユニ
ット39が収納ケース216に収納される。温風ユニッ
ト58は、吸気口と吹出し口が形成されたハウジングを
備え、このハウジング内に、吸気を吹出し口に向けて送
風する温風ファン、吸気を加熱して温風を生成する温風
ヒータ、温風の温度を検知する温風サーミスタ等を収納
する。脱臭ユニット49は、吸気口と排気口が形成され
たダクトを備え、このダクト内に、外気を吸気するため
のファンモータや臭気を吸着する触媒等を収納する。室
内暖房ユニット39は、吸気口と温風吹出し口が形成さ
れたケーシングを備え、このケーシング内に、室内の温
度を検知する室温サーミスタ、吸気を吹出し口に向けて
送風する室暖ファンモータ、吸気を加熱して温風を生成
する室暖ヒータ等を収納する。
【0041】さらに、収納ケース216の内部には、上
記の各ユニット,便座暖房装置および表示装置の動作を
制御するコントローラユニット70が収納される。この
コントローラユニット70の構成について、図3を参照
しつつ説明する。図3は、温水洗浄便座210の制御部
を示すブロック図である。コントローラユニット70
は、プログラムに従って各種演算処理を実行するための
CPU81を中心に、バス88により相互に接続された
次の各部を備えている。ROM82は、CPU81での
各種演算処理の実行に必要なプログラムやデータ等を予
め格納するメモリである。RAM83は、CPU81で
各種演算処理を実行するのに必要な各種データを一時的
に格納するためのメモリである。バックアップRAM8
4は、記憶された温水洗浄便座10の非通電状態におい
てもデータを保持する、データの書き込みや記憶が可能
なメモリである。
【0042】入力処理回路は、リモコン装置71若しく
は本体操作部40に設けられた操作ボタン71a〜oの
操作に基づく信号や着座センサ41等の各センサからの
検出信号を入力し、CPU81の処理可能な信号に変換
する。出力処理回路は、入力信号を受け取ったCPU8
1での演算結果に応じ、上記の6つの各ユニット54,
59,68,58,49,39や,便座暖房装置75,
表示装置78,外部出力コネクタ79に信号を出力す
る。以上説明した各部を備えることにより、コントロー
ラユニット70は、温水洗浄便座210の動作を制御す
る。
【0043】なお、第1実施例では、後述する収納ケー
ス216の小型化に伴い、上記の各ユニットを、収納ケ
ース216内に収納可能に小型化している。
【0044】リモコン装置71について、図3を参照し
つつ簡単に説明する。本実施例では、局部の洗浄を開始
するためのお尻洗浄ボタン71aやビデ洗浄ボタン71
b、温風の吹き出しを開始するための乾燥ボタン71
d、停止ボタン71c、水勢に強弱の変化をつけた洗浄
水の噴出を設定するマッサージ設定ボタン71e、洗浄
ノズル69を揺動させた局部の洗浄を設定するムーブ設
定ボタン71f、洗浄水の温度を調節する吐水温設定ボ
タン71h、水勢の強弱を設定する水勢設定ボタン71
g、洗浄ノズル69の位置を前後方向へ移動するノズル
位置調節ボタン71i、脱臭状態を設定する脱臭ボタン
71i、温風の温度を調節する温風温度設定ボタン71
j、便座温度を調節する便座温度設定ボタン71k、室
内暖房のオン,オフを設定する室内暖房ボタン71m、
便座ヒータや室内暖房ヒータへの通電時期を設定するタ
イマ予約ボタン71n、温水洗浄便座全体の運転状態を
設定する運転入/切ボタン71o等を設けている。これ
らの操作ボタンが操作されると、リモコンから送信され
た動作信号を、後述する便座・便蓋支持体217上に設
けられた受信部222cが受信する。コントローラユニ
ット70は、受信部222cでの受信内容を認識し、熱
交換器ユニット59等の各ユニットに動作信号を送出す
る。
【0045】以上のように構成された温水洗浄便座21
0の便器本体への取付け方法について図4および図5を
参照しつつ説明する。図4に示すように、温水洗浄便座
210は、便器への装着部材として、収納ケース216
の底面と嵌合して温水洗浄便座210を固定するベース
プレート74、ベースプレート74を便器本体に取り付
けるための取付用ボルト77、取付用ボルト77の抜け
を防止するためのゴムブッシュ79等を備える。ベース
プレート74は、便器のリム後方よりも若干幅狭に形成
された金属板である。
【0046】図4に示すように、ベースプレート74上
には、便座取付用穴99の位置や大きさに対応して、3
種類のボルト挿入口75a,75b,75cが形成され
ており、このうち、ボルト挿入口75cにはキャップ7
6が着脱可能に嵌合されている。このように3種類の挿
入口75a,75b,75cを形成することで、便器の
種類によって便座取付用穴99の位置や大きさ等が異な
る場合にも温水洗浄便座210を装着可能としている。
【0047】勿論、このような構成に代えて他の構成、
例えば、ベースプレート74の裏側に縦横方向に通る溝
を設けておき、この溝に取付用ボルト77の頭部を嵌め
込むような構成を採用してもよい。この構成によれば、
取付用ボルト77を溝に沿って移動させて、取付用ボル
ト77の位置を便座取付用穴99の位置に合わせること
により、温水洗浄便座210を前後方向の所望の位置に
設置することができる。
【0048】以上のように構成されたベースプレート7
4、取付用ボルト77やゴムブッシュ79等を用いて、
以下の要領で温水洗浄便座の便器本体への取付けを行な
う。この様子を図5に示す。まず、便器本体の便座取付
用穴99にゴムブッシュ79を差し込み、ベースプレー
ト74をリム後方に乗せて便座取付用穴99とボルト挿
入口75との位置を合わせる。次に、ボルト挿入口75
に、座金78を介して取付用ボルト77を差し込んで締
め付ける。これによって、取付用ボルト77がゴムブッ
シュ79下端のナットと螺合し、取付用ボルト77の締
め付けに伴ってナットが持ち上げられて、便器本体にベ
ースプレート74が固定される。次に、リム上面に沿っ
て、便器の奥行き方向に温水洗浄便座をスライドさせ、
収納ケース216の底面に設けられた溝をベースプレー
ト74に嵌め込む。すると、着脱用レバー34がロック
されて、便器本体に温水洗浄便座210が固定される。
【0049】次に、第1実施例の温水洗浄便座210が
備える特徴的な構成につき、図1,図6ないし図16に
基づいて説明する。まず、便蓋212,便座214を軸
支する収納ケース216の基本的な構成につき、図1,
図9を参照しつつ簡単に説明する。図9は、収納ケース
216の外観を表わす斜視図である。
【0050】図1および図9に示すように、収納ケース
216は、下ケース216aと上ケース216bとを組
み合わせることにより構成されている。従って、この分
割された2つのケース216a,216bのうちのいず
れかのケースの形状を変更することにより、多種多様な
形状の便器への装着が可能となる。
【0051】上ケース216bは、その前面側に、なだ
らかな傾斜の傾斜面216cを有し、この傾斜面216
cは、下向きの傾斜を有しつつ、便座214中央の開口
部の後端付近まで前方に延出している。
【0052】傾斜面216cの中央付近には、傾斜面2
16cから上方に突出した形状の便座・便蓋支持体21
7を備える。この便座・便蓋支持体217に、便蓋21
2,便座214が回転可能に軸支される。この便座・便
蓋支持体217は、上ケース216bと同一の材料を用
いて上ケース216bと一体に形成される。勿論、便座
・便蓋支持体217を収納ケース216とは別部材とし
て形成し、傾斜面216cに後から装着する構成として
も差し支えない。
【0053】便座・便蓋支持体217は、その頂上部に
円弧形状の曲面部217bを備える。この曲面部217
bは、便蓋212並びに便座214の回転中心軸Pと同
心の円弧形状に形成されている。この曲面部217b
は、図1に示すように、便蓋212,便座214を閉じ
た状態において、左右の便蓋支持部212b,便座支持
部214bの間から露出している。
【0054】次に、便座214の外観を図6に示す。図
6に示すように、便座214は、便器のリム部上縁に重
なる座部214a、座部214aから上方へ湾曲しつつ
後方に延出した斜面部214c、斜面部214cの左右
から斜め上後方に延出した便座支持部214bを有す
る。この便座支持部214bと便座・便蓋支持体217
とを、後述する回転軸部材240で嵌合することによ
り、便座214の開閉が可能となる。なお、便座支持部
214bの頂上部は、便蓋212並びに便座214の回
転中心軸Pと同心の円弧形状に形成されている。
【0055】一方、斜面部214cは、左右の便座支持
部214bの間においては後方に延出されず、この左右
の便座支持部214bの間は、斜面形状に形成された端
面214dとされている。このため、図6に示すよう
に、左右の便座支持部214bの内側面と端面214d
により、略コの字型の抉り部が形成されている。この抉
り部の抉り深さは、便座・便蓋支持体217の高さに対
応して設けられており、これにより、便座214の開閉
時における便座214と便座・便蓋支持体217との干
渉が防止される。
【0056】便蓋212の外観を図7に示す。図7に示
すように、便蓋212は、便器の鉢部を塞ぐ蓋部分21
2a、蓋部分212aから上方へ湾曲しつつ後方に延出
した斜面部212cを備える。蓋部分212aから斜面
部212cにかけての曲率は、座部214aから斜面部
214cにかけての曲率とほぼ同じ値とされている。こ
のため、便蓋212および便座214を開いたときの便
座214の自立性能が確保される。また、重ね合わせた
便蓋212と便座214との間には、シャープな接合線
が生成されるので、デザイン的にも良好となる。
【0057】また、便蓋212は、斜面部212cの左
端および右端から後方に延出した便蓋支持部212bを
有する。この便蓋支持部212bと便座・便蓋支持体2
17とを、後述する回転軸部材240で嵌合することに
より、便蓋212の開閉が可能となる。なお、便蓋支持
部212bの頂上部は、便蓋212並びに便座214の
回転中心軸Pと同心の円弧形状に形成されている。
【0058】一方、斜面部212cは、左右の便蓋支持
部212bの間においては後方に延出されず、この左右
の便蓋支持部212bの間は、斜面形状に形成された端
面212dとされている。このため、図7に示すよう
に、左右の便蓋支持部212bの内側面と端面212d
により、略コの字型の抉り部が形成されている。この抉
り部の抉り深さは、便座・便蓋支持体217の高さに対
応して設けられており、これにより、便蓋212の開閉
時における便蓋212と便座・便蓋支持体217との干
渉が防止される。
【0059】便蓋212および便座214を閉じた状態
における、便座支持部214bおよび便蓋支持部212
bと収納ケース216との納まり関係について説明す
る。円弧形状に形成された便座支持部214bの頂上部
と便蓋支持部212bの頂上部と便座・便蓋支持体21
7上を覆うカバー218の表面とは、ほぼ同一の曲面と
されている(図1を参照)。従って、便蓋212および
便座214を閉じた状態において、便蓋支持部212b
と便座支持部214bとカバー218の上面との間には
大きな段差がないので、便蓋支持部212bからカバー
218にかけての範囲を一気に拭くことができ、便蓋2
12および便座214の軸支部位付近の清掃が容易とな
る。勿論、カバー218を用いない場合には、便座・便
蓋支持体217の表面と便座支持部214bの頂上部と
便蓋支持部212bの頂上部とを、ほぼ同一の曲面とす
ることもできる。
【0060】温水洗浄便座210の上面,底面を表わす
図8(A),図8(B)に示すように、便蓋212,便
座214を閉じた状態においては、収納ケース216の
側面と便座214および便蓋212の側面とは、前後方
向および上下方向に連続したほぼフラットな面とされて
いる。即ち、回転軸部材240等の便座214や便蓋2
12を軸支するための部材は、収納ケース216や便座
214,便蓋212の左右の側面から突出せず、収納ケ
ース216や便座214,便蓋212の外部に露出して
いない。このため、温水洗浄便座全体として一体感のあ
る美しいデザインが保たれている。
【0061】また、温水洗浄便座210の幅は、図8
(A),図8(B)に示すように、便蓋212および便
座214の後部から収納ケース216の後端につれて、
だんだんと狭くなっている。従って、便器の後方のリム
部が、便器の左右から内側方向に張り出しているような
便器であっても、便器と干渉することなく良好に装着す
ることができる。
【0062】なお、図8(A)に示すように、第1実施
例では、便蓋支持部212bに対して便座支持部214
bを小さく形成し、便蓋212,便座214を閉じた状
態において、便座支持部214bが外部に露出するよう
構成する。この便座支持部214bを露出しない構成と
することも可能である。例えば、便蓋支持部212bか
ら便座支持部214bにかけて延出するカバー部を設け
るとともに、このカバー部を、便蓋支持部212bから
連続した円弧形状に形成し、カバー部が便座214の便
座支持部214bを上方から覆うように構成してもよ
い。こうすれば、便座214および便蓋212を閉じた
状態において、便座支持部214bが外部から見えず、
温水洗浄便座210のデザインが一層良好なものとな
る。
【0063】次に、収納ケース216の詳細な構成につ
き、図9および図10を参照しつつ説明する。図9に示
すように、便座・便蓋支持体217の左右両端面には、
後述する回転軸部材240を挿入可能な径の孔である嵌
合孔217aが形成されている。この左右の嵌合孔21
7aに嵌合された回転軸部材240を便座214および
便蓋212と嵌合することにより、便座214および便
蓋212は上下に回転可能となる。
【0064】便座・便蓋支持体217の曲面部217b
には、左側に、便器前方での使用者の起立もしくは着座
を検出する人体検出センサ222a,人体検出センサ2
22aとリモコンからの信号(例えば、赤外領域の光信
号)を受光する受信部222cという各種の機能部が設
けられている。また、曲面部217bの右側には、局部
洗浄の動作状態や設定状態を表示する表示部222bと
いう機能部が設けられている。
【0065】表示部222bは、曲面部217bの内部
にLED等の発光デバイスを組み込むことにより構成さ
れている。表示部222bには、「運転」,「温水」,
「着座」,「節電」という各項目に対応して4つの表示
箇所が設けられている。リモコンの運転入/切ボタン7
1nにより「入」が設定された場合には、「運転」とい
う項目に対応する表示箇所が点灯する。同様に、温水の
吐出がオン状態に設定されている場合、着座を検知した
場合、節電モードに設定された場合には、それぞれ、
「温水」、「着座」、「節電」という各項目に対応する
表示箇所が点灯する。
【0066】人体検出センサ222a,受信部222c
表示部222bという各種の機能部が設けられた曲面部
217bは、曲面部217bに対して着脱自在に装着さ
れたカバー218によって覆われている。このカバー2
18は、ポリプロピレン等の光透過性の高い樹脂で形成
されている。従って、人体検出センサ222aや受信部
222cの受光状態を悪化させることがなく、また、表
示部222bからの発光状態の視認性を悪化させること
もない。
【0067】カバー218の形状は、曲面部217bに
倣った曲面形状、即ち、便蓋212並びに便座214の
回転中心軸Pと同心の円弧形状であり、カバー218の
外側の円弧は、便座支持部214bおよび便蓋支持部2
12bの頂上部の円弧と略同径となるように形成されて
いる。このカバー218により、人体検出センサ222
a等の水濡れ等に伴う機器の損傷を回避することができ
る。また、カバー218を曲面部217bに対して着脱
自在としたことにより、カバーの破損に伴う交換が容易
となる。
【0068】なお、第1実施例では、便座・便蓋支持体
217に、人体検出センサ222a,受信部222c,
表示部222bを設置するが、これ以外の機能部や表示
部を、便座・便蓋支持体217や傾斜面216cに設置
してもよい。例えば、収納ケース216内の温風ファン
と管路で接続された開口を設け、便座214に着座した
使用者の背中に向けて温風を吹き出す構成としても差し
支えない。
【0069】収納ケース216の側面形状を図10に示
す。収納ケース216の高さhは、最も高い位置である
便座・便蓋支持体217の頂部において95mmの高さ
に形成されており、設置に伴う省スペース化や軽量化を
実現するシンプルなフォルムとされている。また、収納
ケース216の右側の側面には、お尻洗浄等の主要な機
能の実行を指示するための本体操作部40を、前述した
リモコン装置71とは別に設けている。
【0070】図10に示すように、第1実施例では、左
右の嵌合孔217aの中心である回転中心軸Pを、収納
ケース216の最大高さhの中点Tよりも上側に設け
る。このため、便蓋212,便座214を開閉すると、
便蓋212,便座214は、収納ケース216の側面や
傾斜面216cの上方の部分のみを通過する。従って、
収納ケース216の側面や傾斜面216cの下方の領域
は、便蓋212,便座214の開閉動作の影響を受けな
いので、この下方の領域を利用して種々の部品を設ける
ことができる。例えば、給水アダプタ53や便座暖房用
のコード等の収納ケース216から所定の長さだけ突出
して設けられる部品を、便蓋212,便座214の開閉
動作に干渉することなく設けることが可能となる。ま
た、収納ケース216の上側に回転軸部材240等の軸
支部材が設けられるので、軸支部材と干渉しない収納ケ
ース216の側面の下方に、本体操作部40を大きな範
囲で設置することができる。また、収納ケース216の
両側面の下方には軸支部材が存在しないので、収納ケー
ス216の両側面の下方を両手で持ちやすくなり、温水
洗浄便座210を容易に移動させることができる。従っ
て、温水洗浄便座210の装着時における作業性が飛躍
的に向上する。
【0071】また、回転中心軸Pから便座・便蓋支持体
217の外法までの距離rは、便蓋212,便座214
の開閉の際に端面212d,端面214dが便座・便蓋
支持体217の上方を通過する範囲(図10において斜
線で示した範囲)において、約18mmという小さな値
とされている。
【0072】便座214および便蓋212と収納ケース
216との装着部位の様子を図11に示す。図11に示
すように、回転軸部材240は、中心軸240aと、こ
の中心軸240aに装着される2つの回転軸(第1回転
軸240bおよび第2回転軸240c)から構成されて
いる。中心軸240aに装着された第1回転軸240
b,第2回転軸240cは、中心軸240aと同じ軸心
を有する。従って、第1回転軸240b,第2回転軸2
40cは、ともに軸線J−Jを回転中心とし、この軸線
J−Jの周りに回転可能となる。
【0073】一方、便蓋212の便蓋支持部212b
は、円柱状に厚肉形成された肉厚端部212fに、回転
軸部材240の第2回転軸240cと略同径で非貫通の
嵌合孔212gを備える。また、便座214の便座支持
部214bは、その中央を貫通する、回転軸部材240
の第1回転軸240bと略同径の嵌合孔214kを備え
る。
【0074】なお、第2回転軸240cないし嵌合孔2
12gの直径寸法や肉厚端部212fの厚みは、まず、
便蓋支持部212bの後端から軸線J−J´までの距離
fを約18mmとした上で、この距離fに適合するよう
に定められる。また、第1回転軸240bないし嵌合孔
214kの直径寸法や便座支持部214bの厚みは、ま
ず、便座支持部214bの後端から軸線J−J´までの
距離eを約16mmとした上で、この距離eに適合する
ように定められる。
【0075】便座・便蓋支持体217の嵌合孔217a
には、回転軸部材240の中心軸240aが嵌合され、
中心軸240aに装着された第1回転軸240b,第2
回転軸240cには、便座支持部214bの嵌合孔21
4k,便蓋支持部212bの嵌合孔212gがそれぞれ
嵌合される。これにより、便蓋212,便座214は、
便座・便蓋支持体217に支持されるとともに、それぞ
れ第2回転軸240c,第1回転軸240bの回転によ
り、上下に開閉可能とされる。この開閉の際、第1回転
軸240b,第2回転軸240cは、ともに中心軸24
0aの軸心を中心として回転する。このため、便蓋21
2並びに便座214の回転中心軸Pは、中心軸240a
の軸心となる。
【0076】なお、第1実施例では、便蓋212や便座
214を閉じたときの第1回転軸240bや第2回転軸
240cの回転速度を、回転の進行に伴って遅くする機
構(以下、ソフト開閉機構という)を、回転軸部材24
0に内蔵する。このソフト開閉機構は、第1回転軸24
0bおよび第2回転軸240cの内部に設けられたスプ
リングにより、第1回転軸240bおよび第2回転軸2
40cに対して抵抗をかけ、回転動作にブレーキをかけ
ることにより実現されている。これにより、便器の近傍
付近においては、便蓋212や便座214の閉止速度が
遅くなり、便蓋212や便座214の取扱いが簡便なも
のとなる。
【0077】便座・便蓋支持体217により支持された
状態の便蓋212,便座214の断面を図12に示す。
この図12においては、便蓋212の断面を実線で、便
座214および収納ケース216の断面を二点鎖線で表
わしている。図12に示すように、便蓋212の嵌合孔
212gには、回転軸部材240の第2回転軸240c
が、中心軸240aの軸心(即ち、便蓋212の回転中
心軸P)を回転中心として嵌合されている。この状態に
おいて、便蓋212の端面212dと便座・便蓋支持体
217の曲面部217b上に装着されたカバー218
(図示せず)との間には、約1mm程度のクリアランス
が形成されている。
【0078】また、便座214の嵌合孔214kには、
第2回転軸240cの内側の第1回転軸240bが、中
心軸240aの軸心(即ち、便座214の回転中心軸
P)を回転中心として嵌合されている。この状態におい
て、便座214の端面214dと便座・便蓋支持体21
7の曲面部217b上に装着されたカバー218(図示
せず)との間には、約2mm程度のクリアランスが形成
されている。
【0079】曲面部217bの頂上部に装着されたカバ
ー218の形状と便蓋支持部212bの頂上部の形状
は、ともに、便蓋212並びに便座214の回転中心軸
Pと同心の円弧形状であり、カバー218の外側の円弧
は、便座支持部214bの頂上部の円弧と略同径となる
ように形成されている。このため、カバー218と左右
の便蓋支持部212b,便座支持部214bとは、同じ
円弧形状を有し、しかも同面に納まる。従って、部材同
士の連続性や一体性が確保され、温水洗浄便座全体とし
ての美感が確保される。
【0080】このように便座・便蓋支持体217に支持
された便蓋212や便座214を開閉したときの様子
を、図13および図14を参照しつつ説明する。図13
は、便蓋212が開状態にある場合の概略斜視図であ
る。便蓋212の回転に伴って、端面212dは、回転
中心軸Pを中心とした円弧軌跡を描きながら、曲面部2
17b上のカバー218との所定のクリアランスを保持
しつつ、カバー218の周囲を回転移動する。
【0081】図13に示すように、便蓋212を開けた
状態においても、左右の便蓋支持部212b,便座支持
部214bの間からは、便座・便蓋支持体217のカバ
ー218で覆われた部分が露出している。
【0082】また、便蓋212のみを開けた状態におい
て、円弧形状の便蓋支持部212b,便座支持部214
bの頂上部と便座・便蓋支持体217上を覆うカバー2
18の表面とは、ほぼ同一の曲面とされている。従っ
て、便蓋212のみを開けた状態においても、便蓋支持
部212bと便座支持部214bとカバー218の上面
との間には大きな段差がなく、便蓋212および便座2
14の軸支部位付近の清掃が容易となる。勿論、カバー
218を用いない場合には、便座支持部214bの頂上
部と便座・便蓋支持体217の表面とを、ほぼ同一の曲
面とすることもできる。
【0083】さらに、便座214を開くと、便座214
は、便蓋212と共通の回転中心軸Pを中心として回転
する。このため、便座214の端面214dは、便座2
14の回転に伴い、カバー218の周囲を、カバー21
8との所定のクリアランスを保持しつつ移動する。本実
施例では、端面214dとカバー218とのクリアラン
スを、端面212dとカバー218とのクリアランスよ
りも若干大きく設定している。
【0084】図14に示すように、便蓋212および便
座214を開けた状態においても、便座・便蓋支持体2
17のカバー218で覆われた部分が、左右の便蓋支持
部212b,便座支持部214bの間から露出してい
る。つまり、第1実施例では、便座・便蓋支持体217
の曲面部217bが、便座214や便蓋212の開閉状
態に拘わらず露出する構成となっており、曲面部217
bに設けられた人体検出センサ222aや受信部222
c,表示部222bの状態を、カバー218越しに常に
確認することができる。
【0085】また、便座214を開くと、便座214の
斜面部214cに覆われていた上ケース216bの傾斜
面216cが外部に露出する。なお、第1実施例では、
便座214を閉じた状態では、便座214が傾斜面21
6cの全部を覆っており、傾斜面216cが全く見えな
い構成としているが、便座214を閉じた状態において
傾斜面216cの一部が露出しており、便座214を開
くとともに傾斜面216cの全部が露出する構成として
もよい。
【0086】このように、曲面部217bとカバー21
8の形状を、便蓋212および便座214の回転中心軸
Pを中心とした円弧形状としたことにより、便蓋212
および便座214の開閉時におけるカバー218や曲面
部217bとの干渉を簡単かつ確実に回避することがで
きる。例えば、嵌合孔217aの位置を、便蓋212お
よび便座214の開閉の際に端面212dおよび端面2
14dが干渉しない位置にずらしたり、端面212dお
よび端面214dの形状を、便蓋212および便座21
4の開閉の際にカバー218と干渉しない形状に加工し
たりする必要がない。
【0087】次に、便蓋212,便座214の回転中心
軸Pの位置について、図15および図16を参照しつつ
説明する。図15は、便器98に装着された状態の温水
洗浄便座210について、便蓋212および便座214
の回転中心軸P付近の縦断面を示す説明図である。この
図15においては、便器98および便座214の断面を
実線で、便蓋212および収納ケース216の断面を二
点鎖線で表わしている。
【0088】図15に示すように、便座取付用穴99付
近に取り付けられたベースプレート74には、収納ケー
ス216の底面に設けられた溝が嵌め込まれ、これによ
り温水洗浄便座210が便器98に固定されている。こ
のように固定された状態において、便蓋212および便
座214の回転中心軸Pは、便器98のリム面98aか
ら大きく離間しない位置であって、しかも、便座取付用
穴99の位置する便器98の後方寄りの位置に設けられ
ている。
【0089】また、図15に示す状態において、回転中
心軸Pから便座214の後端Rまでの点PR間の距離、
回転中心軸Pから便蓋212の後端Qまでの点PQ間の
距離は、それぞれ図11に示した便座支持部214bの
後端から軸線J−J´までの距離e、便蓋支持部212
bの後端から軸線J−J´までの距離fに相当する。従
って、点PR間の距離,点PQ間の距離は、それぞれ約
18mm,約16mmという小さな値となる。
【0090】便座取付用穴99と回転中心軸Pとの位置
関係を図16のグラフに示す。図16は、図15におけ
る便座取付用穴99の位置を原点Oとし、原点Oからの
水平距離をX軸、原点Oからの垂直距離をY軸にとった
グラフであり、このグラフ上に回転中心軸Pの位置を座
標として示している。即ち、このグラフにおいて、X軸
は、回転中心軸Pの便座取付用穴99からの水平距離
を、Y軸は、回転中心軸Pのリム面98aからの高さ
を、それぞれ意味する。この水平距離や高さについて
は、単位mmを用いて表わし、X座標の右方向は便器9
8の前方を、Y座標の上方向は便器98の上方を、それ
ぞれ示す。
【0091】第1実施例の温水洗浄便座210では、図
16に示すように、便蓋212および便座214の回転
中心軸Pを、便座取付用穴99から便器の水平前方に向
かって42mm、便座取付用穴99から鉛直上方に向か
って60mmの位置に設けている。
【0092】このように構成された温水洗浄便座210
を便器98に装着し、便蓋212や便座214を開閉し
たときの様子を、図17ないし図19に示す。なお、図
17ないし図19に示す例では、ベースプレート74上
の3種類のボルト挿入口75a,75b,75cのう
ち、後方寄りの穴であるボルト挿入口75cのキャップ
76を外し、このボルト挿入口75cに取付用ボルト7
7を差し込んで、温水洗浄便座210を便器98に固定
している。
【0093】図17に示した便座214および便蓋21
2を閉じた状態から便蓋212を開けると、便蓋212
が回転中心軸Pを軸として回転し、便蓋212の先端が
洗浄タンク91に当接する。この状態を図18に示す。
便蓋212は、リム面98から60mmという低い高さ
の回転中心軸Pを軸として回転する。このため、図18
に示すように、便蓋212の先端は、洗浄タンク91の
上端よりも低い位置において、洗浄タンク91の前面に
当接している。
【0094】便座214,便蓋212の回転中心軸P
は、便座取付用穴99から水平方向に42mmという便
器98の後方寄りに位置するため、回転中心軸Pからリ
ム面98aの先端までの距離は長く確保され、この距離
の範囲をカバーするように便座214,便蓋212が設
けられる。このため、便座214の着座可能領域は、図
18に示すように、広く確保されている。
【0095】便蓋212や便座214の回転中心軸P,
即ち、回転軸部材240の軸心は便器98の後方寄りに
位置するため、この回転軸部材240が嵌合される収納
ケース216の位置も、便器98の後方寄りとなる。従
って、図18に示すように、収納ケース216の前端
は、鉢部94の後端よりも前方に進出せず、装着された
収納ケース216が鉢部94の後部を覆ってしまうこと
がない。
【0096】加えて、前述したように、収納ケース21
6は、閉状態の便座214の下側を潜りながら、便座2
14中央の開口部の後端まで、前方に延出している。つ
まり、図18において、便座214中央の開口部の後端
と収納ケース216の前端と鉢部94の後端とは、ほぼ
同一の鉛直線上に配置されている。この結果、便座21
4の開口部として刳り抜かれた領域は、収納ケース21
6の前端に遮られることなく、等しく下方の鉢部94に
臨む。このように、便蓋212のみを開いたときにおけ
る便器98の鉢部94の有効領域は、広く確保されてい
る。
【0097】図18に示した状態から便座214を開け
ると、便座214は、回転中心軸Pを軸として回転し、
開状態の便蓋212に重なる。この状態を図19に示
す。便座214は、リム面98から60mmという低い
高さの回転中心軸Pを軸として回転する。このため、図
19に示すように、開状態の便座214の先端の位置
は、便蓋212の先端と同様に、洗浄タンク91の上端
よりも低い位置となる。
【0098】また、前述したように、収納ケース216
の前端は、鉢部94の後端よりも前方に進出せず、装着
された収納ケース216が鉢部94の後部を覆ってしま
うことがない。従って、便蓋212,便座214の双方
を開いたときにおいても、便器98の鉢部94の有効領
域は、広く確保されている。
【0099】以上説明したように、第1実施例の温水洗
浄便座210は、便蓋212および便座214の回転中
心軸Pを、便座取付用穴99から便器の水平前方に向か
って42mmという、便器98の後方寄りの位置に設け
る。従って、便座214の着座可能領域を広く確保し
て、着座時における安定感を良好なものとすることがで
きる。
【0100】さらに、第1実施例の温水洗浄便座210
は、便蓋212および便座214の回転中心軸Pを、便
座取付用穴99から鉛直上方に向かって60mmという
低い高さの位置に設けたので、開状態における便蓋21
2や便座214の先端の位置は、洗浄タンク91の上端
よりも低い位置となる。従って、開けた便座214や便
蓋212が、洗浄タンク91の上部に設けられた手洗用
吐水管92ないし吐水口92aを覆ってしまうことがな
く、手洗いをスムーズに行なうことができる。
【0101】また、第1実施例では、便座214中央の
開口部の後端と収納ケース216の前端と鉢部94の後
端とを、ほぼ同一の鉛直線上に配置する。従って、便蓋
212や便座214を開いたときにおける便器98の鉢
部94の有効領域を広く確保することが可能となり、用
便時における収納ケース216への汚れの付着を防止す
ることができる。
【0102】更に、第1実施例では、回転中心軸Pを便
器98の後方寄りとするに伴って、後方にずれた分だけ
便蓋212,便座214の奥行きを大きく形成してい
る。従って、小さな便蓋や便座の付いた温水洗浄便座を
無理に後方にずらして設置した場合と比較して、用便時
における便座214や便器98への汚れの付着を効果的
に防止することができる。
【0103】第1実施例の温水洗浄便座210は、便座
214を閉じた状態において、便座214が、前方に延
出する収納ケース216の傾斜面216cを覆う。この
ため、局部に当たって跳ね返った洗浄水が収納ケース2
16に直接当たることがない。従って、収納ケース21
6が汚れることを防止できるほか、収納ケース216内
に収納された各種の機能部品を水から保護することがで
きる。
【0104】なお、前述したように、第1実施例では、
収納ケース216の高さhを95mmの高さとして、収
納ケース216を小型化し、この収納ケース216内に
熱交換器ユニット59等の機能部品を収納する。一方、
このように収納ケース216の高さを低くしつつも、第
1実施例では、収納ケース216の先端を、便座214
の軸支位置よりも前方に、便座214中央の開口部の後
端付近まで延出する。この延出により、便座214の軸
支位置から便座214中央の開口部の後端付近までの範
囲に、収納空間が形成される。従って、この収納空間を
機能部品の収納スペースとして活用すれば、高さの低い
収納ケース216であっても、より多くの機能部品を収
納することが可能となる。
【0105】また、第1実施例の温水洗浄便座210
は、各種のユニットを収納する収納ケース216を、最
も高い位置において95mmという低い高さで形成して
いる。従って、収納ケース216の上面を便座214や
便蓋212が通過することを考慮して、左右の便座支持
部214b,便蓋支持部212bに挟まれた端面214
d,端面214dを、深く抉り取った形状に成形する必
要がない。この結果、便座214や便蓋212の成形が
容易となり、便座214や便蓋212と収納ケース21
6との取り合い部分における清掃性を高めることができ
る。なお、ケースの全高を95mm未満とすれば、便座
214や便蓋212の抉り部の大きさをさらに小さくす
ることが可能となる。
【0106】さらに、便座214および便蓋212の回
転中心軸Pから便座・便蓋支持体217の外法までの距
離rを、便蓋212,便座214の開閉の際に端面21
2d,端面214dが便座・便蓋支持体217の上方を
通過する範囲において、約18mmという小さな値とす
る。従って、便座214や便蓋212を、回転中心軸P
の軸線から前方に約18mmだけ抉り取った形状に成形
すれば、便座214や便蓋212の回動の際における便
座・便蓋支持体217との干渉を防ぐことが可能とな
り、便座214や便蓋212を抉り取る範囲を最小限に
抑えることができる。なお、上記の回転中心軸Pから便
座・便蓋支持体217の外法までの距離rを、上記の端
面212d,端面214dが通過する範囲において、3
5mm以下の値とすれば、便座214や便蓋212を抉
り取る範囲を従来よりも小さくすることが可能となる。
【0107】また、第1実施例では、回転中心軸Pから
便蓋212の後端Rまでの距離,回転中心軸Pから便座
214の後端Qまでの距離を、それぞれ約18mm,約
16mmという小さな値とする。このため、便座214
や便蓋212は、回転中心軸Pよりも後方に、従来より
も短い長さで突出する。従って、便座214や便蓋21
2の回転の際に、便座214や便蓋212の回転中心軸
Pよりも後方に突出した部分が収納ケース216の前面
や上面に当たることが防止され、便座214や便蓋21
2のスムーズな回動が確保される。また、このような収
納ケース216との干渉を防止するために、収納ケース
216を特殊な形状とする必要がなく、収納ケース21
6の成形が容易となる。なお、上記の回転中心軸Pから
便蓋212の後端Rまでの距離や回転中心軸Pから便座
214の後端Qまでの距離を40mm以下の値とすれ
ば、回転中心軸Pより後方への突出長が従来よりも短く
なり、上記と同等の効果を得ることができる。
【0108】第1実施例の温水洗浄便座210において
は、収納ケース216の側面と便座214および便蓋2
12の側面とを、前後方向および上下方向に連続したほ
ぼフラットな面に形成し、回転軸部材240を、収納ケ
ース216,便座214および便蓋212の側面に露出
しないように配設する。従って、横幅の狭いスペースに
も設置が可能となる。また、収納ケース216の側面に
設けられた本体操作部40を操作する際、回転軸部材2
40が操作の邪魔にならないので、操作をスムーズに行
なうことができる。
【0109】また、回転軸部材240を構成する便座2
14に嵌合される第1回転軸240b,便蓋212に嵌
合される第2回転軸240cは、ともに同じ軸心を有
し、便座214および便蓋212は、ともに共通の回転
中心軸Pを中心として回転する。このため、便座214
および便蓋212は、開閉時に同じ回転軌跡を描く。従
って、便座214および便蓋212が閉じた状態から一
度に便座214および便蓋212の双方を開けようとす
る場合において、便座214を小さな力で持ち上げるだ
けで、便座214および便蓋212の双方をスムーズに
開けることができる。
【0110】なお、第1実施例の温水洗浄便座210で
は、便座214を収納ケース216の内側および外側に
向かって軸支する。即ち、温水洗浄便座210の上面を
表わす図20に示すように、便座・便蓋支持体217の
左右両端面の回転軸部材240は、円筒状に形成された
便座支持部214bの嵌合孔214kを貫通しており、
便座214は、収納ケース216の内側および外側の両
方向に向かって回転軸部材240に軸支されている。ま
た、第1実施例の温水洗浄便座210では、便蓋212
を収納ケース216の内側に向かって軸支する。即ち、
回転軸部材240は、便座支持部214bの嵌合孔21
4kを貫通した後、便蓋支持部212bの嵌合孔212
gに嵌合しており、便蓋212は、収納ケース216の
内側に向かって回転軸部材240に軸支されている。
【0111】便蓋212,便座214が回転軸部材24
0に軸支される方向は、上記の第1実施例における方向
に限らず、これ以外の方向としても差し支えない。例え
ば、図21は、便蓋212を収納ケース216の内側お
よび外側に向かって軸支し、便座214を収納ケース2
16の内側に向かって軸支する変形例を示す。即ち、図
21に示すように、便座・便蓋支持体217の左右両端
面の回転軸部材240は、円筒状に形成された便蓋支持
部212baの嵌合孔212gaを貫通し、この後、便
座支持部214baの嵌合孔214kaに嵌合してい
る。
【0112】このように、便蓋212や便座214を、
収納ケース216の内側に向かって軸支することによ
り、回転中心軸Pを便器の後方寄りに設けた分だけ便蓋
212や便座214の大きさを大きくした場合であって
も、軸支された便蓋212や便座214に十分な強度を
確保することができる。また、便蓋212や便座214
を外すためには大きな動きが必要となるので、通常の開
閉動作の際に誤って外れてしまうという不具合を回避す
ることができる。
【0113】また、図22は、便蓋212および便座2
14を収納ケース216の外側に向かって軸支する変形
例を示す。即ち、図22に示すように、収納ケース21
6pの左右から内側方向に延出した2本の回転軸部材2
40pは、便蓋支持部212bpの嵌合孔212gpに
嵌合している。この回転軸部材240pの直下において
は、図示しない2本の回転軸部材が、収納ケース216
pの左右から内側方向に延出しており、この2本の回転
軸部材に便座支持部の嵌合孔が嵌合している。即ち、便
蓋212,便座214は、それぞれ、収納ケース216
pの外側に向かって回転軸部材に軸支されている。
【0114】このように、便蓋212や便座214を、
収納ケース216の外側に向かって軸支することによ
り、回転中心軸Pが低い位置にあるにも拘わらず、収納
ケース216内の左右の空間に、熱交換器ユニット59
等の各ユニットを配置するスペースSPを大きくとるこ
とが可能となる。このスペースSPの範囲を、斜線を用
いて図22に示す。また、回転中心軸Pを便器の後方寄
りに設けた分だけ便座214や便蓋212の大きさを大
きくした場合であっても、便座214や便蓋212を小
さな動きで簡単に外すことができる。この結果、清掃時
における便座214や便蓋212の着脱がスムーズとな
る。
【0115】次に、本発明の第2実施例について説明す
る。図23は、第2実施例としての温水洗浄便座10の
外観を表わす斜視図である。図23に示すように、温水
洗浄便座10は、第1実施例の温水洗浄便座210とほ
ぼ同様の構成を採る。即ち、温水洗浄便座10は、便座
12、便蓋14、上ケース16aと下ケース16bに分
割された収納ケース16等を有し、この収納ケース16
内に熱交換器ユニット59等の各ユニットを収納する。
また、温水洗浄便座10は、図2で説明したと同様の各
機能部や図3で説明したと同様の各制御部を備えてい
る。便器本体への取付け方法についても、第1実施例の
温水洗浄便座210とほぼ同様である。
【0116】温水洗浄便座10の形状について説明す
る。図23に示すように、温水洗浄便座10では、収納
ケース16の側面と便座12および便蓋14の側面と
を、前後方向および上下方向に連続したほぼフラットな
面に形成し、ヒンジ軸26,28を、収納ケース16の
側面に露出しないように配設する。従って、横幅の狭い
スペースにも設置が可能となる。
【0117】収納ケース16の高さは、最も高い位置で
140mmの高さとなるように形成されており、収納ケ
ース16の左右の袖部16kにおいても140mmの高
さとされている。この袖部16kの高さに対応して、便
座12および便蓋14は、左右の袖部16kに臨む後方
の部分が抉り取られた形状に成形されている。また、温
水洗浄便座10の上面を表わした図24に示すように、
温水洗浄便座10の横幅は、便蓋14および便座12の
後部から収納ケース16の後端につれて、だんだんと狭
くなっている。
【0118】一方、第2実施例の温水洗浄便座10は、
便座12,便蓋14を収納ケース16に軸支する態様に
関し、以下の三つの点で、第1実施例の温水洗浄便座2
10と異なる。即ち、第一の相違点は、便座12,便蓋
14を別々の回転軸を用いて軸支する点であり、第二の
相違点は、便座12および便蓋14を収納ケース16の
外側に向かって軸支する点である。第三の相違点は、便
座12,便蓋14の回転中心軸と便座取付用穴99との
位置関係が異なる点である。以下、これらの点について
説明する。
【0119】まず、第一および第二の相違点について、
図25を参照しつつ説明する。図25は、便座12およ
び便蓋14を取り付けるヒンジ部の構造を示す説明図で
ある。図25に示すように、上ケース16aの中央に
は、便座12および便蓋14を収納ケース16に連接す
る空間であるヒンジチャンバ16pが形成されている。
勿論、収納ケース16の前面が下ケース16bの一部と
なるように下ケース16bを成形し、下ケース16bに
ヒンジチャンバ16pを形成する構成としても差し支え
ない。
【0120】便座12および便蓋14は、その後方端部
に、収納ケース16への連接部としてのヒンジブロック
12a,14aを備える。このヒンジブロック12a,
14aの内部には、便座12および便蓋14を閉じると
きに抵抗を与えて緩やかに動作させるための開閉ユニッ
ト22,24が組み込まれている。
【0121】ヒンジブロック12a,14aの右端面に
は、外側方向に突き出る円形断面のピン12b,14b
が、開閉ユニット22,24の回転軸との同軸上に設け
られている。一方、ヒンジブロック12a,14aの左
端面の開閉ユニット22,24側には、ピン12b,1
4bと同軸となるように、外側方向に突き出る四角形断
面のヒンジ軸26,28を設ける。
【0122】ヒンジチャンバ16pは、便座12および
便蓋14のヒンジブロック12a,14aを収納してこ
れらの回転動作を許容する大きさを有する。このヒンジ
チャンバ16pの間口方向の両端の内壁には、縦方向に
装着溝16qが形成されている。装着溝16qは、後述
するリテーナブロック30を収納ケース16に装着する
ために設けられた溝である。この装着溝16qの下端部
分にはスリット16rが設けられており、このスリット
16rによってリテーナブロック30が着脱可能に拘束
される。
【0123】リテーナブロック30は、便座12および
便蓋14を収納ケース16に連接するための一対の部材
であり、その下端部に弾性変形可能な爪30aを備えて
いる。更に、右側のリテーナブロック30には、便座1
2のピン12bおよび便蓋14のピン14bを挿入して
これらを回転自在に支持するための支持孔30b,30
cが設けられている。また、左側のリテーナブロック3
0には、便座12および便蓋14用のそれぞれの開閉ユ
ニット22,24から突き出したヒンジ軸26,28を
嵌合してこれらを固定する固定孔30d,30eを開け
る。固定孔30d,30eは、ヒンジ軸26,28と同
様に四角形の開口断面を有する。
【0124】以上の構成において、収納ケース16への
便座12及び便蓋14の装着は以下の要領で行なう。ま
ず、便座12及び便蓋14のそれぞれの開閉ユニット2
2,24にヒンジ軸26,28を差し込み、内部の抵抗
機構にこれらを連結する。次いで、一方のリテーナブロ
ック30の支持孔30b,30cにそれぞれ便座12及
び便蓋14のピン12b,14bを差し込むと同時に、
ヒンジ軸26,28を固定孔30d,30eに嵌め込
む。即ち、便座12及び便蓋14は、リテーナブロック
30を介し、収納ケース16の外側に向かって収納ケー
ス16に軸支される。
【0125】これにより、便座12と便蓋14は2個の
リテーナブロック30によって一体化され、便座12の
ヒンジブロック12aが下側に、便蓋14のヒンジブロ
ック14aが上側に、2段配置として組み合せられる。
即ち、便座12と便蓋14とは、別々のヒンジ軸26,
28を用いて収納ケース16に軸支される。
【0126】更に、図25に示すように、左右のリテー
ナブロック30及びヒンジブロック12a,14aをヒ
ンジチャンバ16pの中に落とし込み、リテーナブロッ
ク30を装着溝16qの中に嵌め込む。そして、リテー
ナブロック30を最も下まで押し込むと、これと同時に
爪30aがスリット16rの中に入り込んで係合し、リ
テーナブロック30はヒンジチャンバ16pの中に強固
に固定される。
【0127】以上の要領で便蓋14および便座12が収
納ケース16に組み付けられる。便蓋14や便座12が
開閉されたとき、ヒンジ軸28,26はリテーナブロッ
ク30の固定孔30e,30dに拘束されているので、
これらのヒンジ軸28,26は回転せず、ヒンジ軸2
8,26をそれぞれ回転中心軸P1,P2として、開閉
ユニット24,22がヒンジ軸28,26の周りを回動
し、便蓋14と便座12とは姿勢を変えることになる。
【0128】次に、第三の相違点について、図26およ
び図27を参照しつつ説明する。図26は、便器98に
装着された状態の温水洗浄便座10の右側面を示す説明
図である。図26に示すように、便座取付用穴99付近
に取り付けられたベースプレート74には、収納ケース
16の底面に設けられた溝が嵌め込まれ、これにより温
水洗浄便座10が便器98に固定されている。このよう
に固定された状態において、便蓋14の回転中心軸P
1,便座12の回転中心軸P2は、便器98のリム面9
8aから大きく離間しない位置であって、しかも、便座
取付用穴99の位置する便器98の後方寄りの位置に設
けられている。
【0129】便座取付用穴99と回転中心軸P1,P2
との位置関係を図27のグラフに示す。図27は、図2
6における便座取付用穴99の位置を原点Oとし、原点
Oからの水平距離をX軸、原点Oからの垂直距離をY軸
にとったグラフであり、このグラフ上に回転中心軸P
1,P2の位置を座標として示している。即ち、このグ
ラフにおいて、X軸は、回転中心軸P1,P2の便座取
付用穴99からの水平距離を、Y軸は、回転中心軸P
1,P2のリム面98aからの高さを、それぞれ意味す
る。この水平距離や高さについては、単位mmを用いて
表わし、X座標の右方向は便器98の前方を、Y座標の
上方向は便器98の上方を、それぞれ示す。
【0130】第2実施例の温水洗浄便座10では、図2
7に示すように、便蓋14の回転中心軸P1を、便座取
付用穴99から便器の水平前方に向かって32mm、便
座取付用穴99から鉛直上方に向かって125mmの位
置に設けている。また、便座12の回転中心軸P2につ
いては、便座取付用穴99から便器の水平前方に向かっ
て42mm、便座取付用穴99から鉛直上方に向かって
115mmの位置に設けている。
【0131】このように構成された温水洗浄便座10
を、第1実施例と同様に便器98に装着し、便蓋14や
便座12を開閉したときの様子を、図28ないし図30
に示す。なお、図28ないし図30に示す例では、ベー
スプレート74上の3種類のボルト挿入口75a,75
b,75cのうち、後方寄りの穴であるボルト挿入口7
5cのキャップ76を外し、このボルト挿入口75cに
取付用ボルト77を差し込んで、温水洗浄便座10を便
器98に固定している。
【0132】図28に示した便座12および便蓋14を
閉じた状態から便蓋212を開けると、便蓋14が回転
中心軸P1を軸として回転し、便蓋14の先端が洗浄タ
ンク91に当接する。この状態を図29に示す。便蓋1
4は、リム面98から125mmという、第1実施例よ
りもやや高い位置に設けられた回転中心軸P1を軸とし
て回転する。このため、図29に示すように、便蓋14
の先端は、図18に示した便蓋212の先端位置よりも
やや高い位置、即ち、洗浄タンク91の上端の位置にお
いて、洗浄タンク91の前面に当接している。
【0133】便蓋14の回転中心軸P2は、便座取付用
穴99から水平方向に42mmという、第1実施例の回
転中心軸Pと同じ水平位置に設けられている。従って、
回転中心軸P2からリム面98aの先端までの距離は、
第1実施例の場合と同様に確保され、この距離の範囲を
カバーするように便座12が設けられる。このため、便
座12の着座可能領域は、図29に示すように、広く確
保されている。
【0134】便蓋14,便座12の回転中心軸P1,P
2、即ち、ヒンジ軸28,26の軸心は便器98の後方
寄りとされるため、このヒンジ軸28,26がリテーナ
ブロック30を介して固定される収納ケース16の位置
も、便器98の後方寄りとなる。従って、図29に示す
ように、収納ケース16の前端は、鉢部94の後端より
も前方に進出せず、装着された収納ケース16が鉢部9
4の後部を覆ってしまうことがなく、便蓋14のみを開
いたときにおける便器98の鉢部94の有効領域は、広
く確保されている。
【0135】図29に示した状態から便座12を開ける
と、便座12は、回転中心軸P2を軸として回転し、開
状態の便蓋14に重なる。この状態を図30に示す。便
座12は、リム面98から115mmという、回転中心
軸P1よりもやや低い高さの回転中心軸P2を軸として
回転し、開状態の便座12の先端は、図30に示すよう
に、便蓋14の先端とほぼ同じ高さとなる。
【0136】また、前述したように、収納ケース16の
前端は、鉢部94の後端よりも前方に進出せず、装着さ
れた収納ケース16が鉢部94の後部を覆ってしまうこ
とがない。従って、便蓋14,便座12の双方を開いた
とき、便器98の鉢部94の有効領域は、広く確保され
ている。
【0137】以上説明したように、第2実施例の温水洗
浄便座10では、便蓋14,便座12の回転中心軸P
1,P2を、第1実施例における回転中心軸Pよりも、
それぞれ60mm,50mmだけ高い位置に設けるが、
このような位置に回転中心軸P1,P2を設けた場合で
あっても、開状態における便蓋14や便座12の先端
は、洗浄タンク91の上端とほぼ同じ高さに止まる。従
って、開けた便座12や便蓋14が、洗浄タンク91の
上部に設けられた手洗用吐水管92ないし吐水口92a
を覆ってしまうことがなく、手洗いをスムーズに行なう
ことができる。
【0138】また、回転中心軸P1,P2の便座取付用
穴99からの水平位置に関しては、便座12の回転中心
軸P2を第1実施例における回転中心軸Pと同じ位置
に、便蓋14の回転中心軸P1を第1実施例における回
転中心軸Pよりも更に便器98の後方寄りの位置に、そ
れぞれ設ける。従って、第1実施例の温水洗浄便座21
0と同様に、着座時における安定感を良好とし、用便時
における便座12や便器98への汚れの付着を防止する
ことができる。
【0139】なお、第2実施例の温水洗浄便座10で
は、収納ケース16の高さを、最も高い位置において、
リム面98aから回転中心軸P1,P2までの高さより
も僅かに高い140mmという値で形成する。従って、
収納ケース16の上面を便座12や便蓋14が通過する
ことを考慮して、便座12や便蓋14の形状を、回転軸
側で深く抉り取った形状とする必要がない。この結果、
便座12や便蓋14の成形が容易となる。なお、ケース
の全高を140mm以下とすれば、便座12や便蓋14
の抉り部の大きさをさらに小さくすることが可能とな
る。
【0140】以上、第2実施例について説明した。な
お、上記の第1実施例,第2実施例において採用した回
転中心軸P,P1,P2の便座取付用穴99からの位置
の値は、上記のような数値に限定されるものではなく、
便座取付用穴99を基準として便器98の後方寄りかつ
低い高さとなる値であればよい。具体的には、水平方向
に関しては、便座取付用穴99から便器の前方に向かっ
て42mm以下の位置に、高さ方向に関しては、便座取
付用穴99から上方に向かって125mm以下の位置
に、回転中心軸P,P1,P2を設ける構成とすれば、
上記した第1実施例、第2実施例と同様の効果を実現す
ることができる。
【0141】まず、水平方向の位置の範囲に関して説明
する。鉢部94の後端から便座取付用穴99までの距離
は、便器の種類に応じて任意に定めることが可能であ
る。この距離が短い便器に対し、図17ないし図19,
図28ないし図30と同じ位置に温水洗浄便座210,
10を装着した場合を想定する。なお、このような位置
に温水洗浄便座210,10を装着するためには、ベー
スプレート74上の3種類のボルト挿入口75a,75
b,75cのうち、前方寄りの穴であるボルト挿入口7
5bに取付用ボルト77を差し込んで、温水洗浄便座2
10,10を便器98に固定すればよい。
【0142】上記のような便器に対して温水洗浄便座2
10,10を装着した場合、回転中心軸P,P1,P2
と便座取付用穴99との相対位置が変化し、収納ケース
216,16のより前側の位置に便座取付用穴99が位
置する状態となる。この状態においては、便座取付用穴
99から回転中心軸Pまでの距離は、便器の前方に向か
って42mmよりも小さな値となる。鉢部94の後端に
直近の後方に便座取付用穴99を設けたような場合に
は、この距離は、「便器の後方に向かって10mm」の
ようなマイナスの値となる。
【0143】一方、装着された温水洗浄便座210,1
0と便器やタンクとの位置関係は、図17ないし図1
9,図28ないし図30に示した位置関係と同じであ
る。従って、便蓋212,14や便座214,12を開
けると、便蓋212,14や便座214,12の先端
は、図18,図29や図19,図30に示した例と同じ
位置、即ち、洗浄タンク91の上端以下の位置に配置さ
れる。つまり、便座取付用穴99から回転中心軸P,P
1,P2までの水平距離の値が、便器の前方に向かって
42mm以下の範囲で変化しても、便蓋212,14や
便座214,12を開けたときの先端の位置には影響し
ない。
【0144】一方、装着された温水洗浄便座210,1
0と便器やタンクとの位置関係は、図17ないし図1
9,図28ないし図30に示した位置関係と同じであ
る。従って、便蓋212,14や便座214,12を開
けると、便蓋212,14や便座214,12の先端
は、図18,図29や図19,図30に示した例と同じ
位置、即ち、洗浄タンク91の上端以下の位置に配置さ
れる。つまり、便座取付用穴99から回転中心軸P,P
1,P2までの水平距離の値が、便器の前方に向かって
42mm以下の範囲で変化しても、便蓋212,14や
便座214,12を開けたときの先端の位置には影響し
ない。
【0145】また、高さ方向に関しては、便座取付用穴
99から上方に向かって125mm以下の位置に、回転
中心軸P,P1,P2を設ける構成とすればよい。回転
中心軸P,P1,P2の便座取付用穴99からの高さを
より低くすれば、低くした分だけ便蓋212,14や便
座214,12を開けたときの便蓋212,14や便座
214,12の先端位置は、図18,図29や図19,
図30に示した例の場合よりも低くなる。従って、便蓋
212,14や便座214,12が前方から吐水口92
aを覆い隠すことがない。
【0146】例えば、収納ケース216,16の高さを
より低くすれば、低くした分だけ便座・便蓋支持体21
7の嵌合孔217aや装着溝16qの位置も低くなり、
回転中心軸P,P1,P2の高さをより低くすることが
できる。この収納ケース216,16の高さをより低く
する方法としては、例えば、熱交換器ユニット59等の
各ユニットを更に小型化する方法や、これらの各ユニッ
トの一部を、便座214,12や温水洗浄便座210,
10の外部に設ける方法等を考えることができる。ま
た、実行可能な機能から脱臭機能や乾燥機能,室内暖房
機能等の一部の機能を除外して、脱臭ユニット49や温
風ユニット58,室内暖房ユニット39等を収納ケース
216,16内から除去するとともに、これらの除去に
より空いたスペースに他のユニットを有効に配置するこ
とにより収納ケース216,16の厚みを薄くすること
も考えられる。
【0147】この他、収納ケース216内を、左部,中
央部,右部という3つの領域に分割し、中央部に熱交換
器ユニット59等の各ユニットを、左部および右部に回
転軸部材240をそれぞれ配置する構成とすれば、収納
ケース216の上面よりも上方に回転軸部材240を設
ける場合と比較して、回転中心軸Pの高さをより低くす
ることができる。
【0148】また、洗浄タンク91の前面から便器98
のリム面98aの先端までの長さ(以下、取り付け有効
長という)は、便器の種類に応じて異なっており、上記
の図17ないし図19、図28ないし図30では、取り
付け有効長が約550mmの値である大型サイズの便器
に温水洗浄便座210,10を装着した場合を例として
説明している。
【0149】ここで、より取り付け有効長の短い通常サ
イズの便器に対し、上記の温水洗浄便座210,10を
装着した場合を想定する。この場合において、温水洗浄
便座210,10は、便座214,12の先端と便器の
先端とが合わさるように装着されるので、温水洗浄便座
210,10は、上記の図17ないし図19、図28な
いし図30に表わした位置よりも便器の後方寄りの位置
に設置される。このため、回転中心軸P,P1,P2の
位置は、図17ないし図19、図28ないし図30に表
わした位置から便座取付用穴99に近づく方向に移動
し、より便器の後方寄りに位置することになる。従っ
て、便座取付用穴99から回転中心軸P,P1,P2ま
での距離は、便器の前方に向かって42mmよりも小さ
な値となる。回転中心軸P,P1,P2の位置が便座取
付用穴99よりも更に後方にまでずれた場合には、便座
取付用穴99から回転中心軸P,P1,P2までの距離
は、「便器の後方に向かって10mm」のようなマイナ
スの値となる。
【0150】このような場合においても、回転中心軸
P,P1,P2の便座取付用穴99からの高さは、図1
7ないし図19、図28ないし図30に表わした位置と
ほぼ同じ高さとなる。従って、便蓋212,14や便座
214,12を開けると、便蓋212,14や便座21
4,12の先端は、図18,図29や図19,図30に
示した例とほぼ同じ位置、即ち、洗浄タンク91の上端
以下の位置に配置される。つまり、装着される便器の取
り付け有効長の値によって、便座取付用穴99から回転
中心軸P,P1,P2までの水平距離の値が、便器の前
方に向かって42mm以下の範囲で変化しても、便蓋2
12,14や便座214,12を開けたときの先端の位
置には影響しない。便座取付用穴99から上方に向かっ
て125mm以下の位置に回転中心軸P,P1,P2を
設けている限り、開いた状態の便蓋212,14や便座
214,12が前方から吐水口92aを覆い隠してしま
うことはないのである。
【0151】以上より、便蓋212,14および便座2
14,12の回転中心軸P,P1,P2を、便座取付用
穴99から便器の水平前方に向かって42mm以下、便
座取付用穴99から鉛直上方に向かって125mm以下
の位置に設ければ、手洗用吐水管92との干渉を生じさ
せることなく、着座から用便,手洗いという一連の動作
を通じて使い勝手のよい温水洗浄便座210,10を実
現することが可能となる。この回転中心軸P,P1,P
2の設置範囲を、図16および図27のグラフ中に斜線
部分を用いて示した。
【0152】以上、本発明の実施の形態を、第1実施
例,第2実施例を用いて説明した。なお、上記の各実施
例においては、収納ケース16,216を上下2つに分
割するが、このような構成に限るものではなく、分割し
ないものであってもよい。また、左右に分割したり、3
つ以上の部材に分割するものであってもよい。
【0153】また、便蓋を、便蓋を閉めた状態におい
て、収納ケースの上面および便座の上面の全範囲を覆う
ように構成することも可能である。この構成を図31に
示す。図31は、第1実施例の温水洗浄便座210から
便蓋212の形状を変更することにより構成された温水
洗浄便座410の側面を示す説明図である。図31に示
すように、閉じた状態の便蓋412は、上方から収納ケ
ース416と便座414をすっぽり覆っている。便蓋4
12と便座414は、ともに共通の回転中心軸P4を中
心として回転可能に構成され、回転中心軸P4は、便座
取付用穴99から便器の水平前方に向かって42mm以
下、便座取付用穴99から鉛直上方に向かって125m
m以下の位置に設けられている。このような便蓋412
とすれば、便座414と収納ケース416とが軸支され
ている部分や、便座414の裏面と収納ケース416の
表面との間に埃や水等が入り込むことを防止できるの
で、汚れにくい温水洗浄便座を提供することができ、清
掃の頻度が格段に減少する。
【0154】なお、上記の各実施例では、便座取付用穴
99の位置を基準として、便座や便蓋の回転中心軸の位
置を定めているが、便座取付用穴99を利用せずに装着
される温水洗浄便座の場合には、温水洗浄便座が装着さ
れる便器上の任意の位置を選択し、この位置を基準とし
て便座や便蓋の回転中心軸の位置を定めることも可能で
ある。例えば、便器の便座取付用穴99に相当する位置
に温水洗浄便座装着用の係止部材が設けられている場合
には、この係止部材と温水洗浄便座との係止点を基準と
して、便座や便蓋の回転中心軸の位置を定めればよい。
【0155】なお、便座の着座面積を広く取りつつ、便
蓋および便座を開いたときに便蓋および便座の先端が洗
浄タンクの上端に配置されるようにするためには、温水
洗浄便座を便器に装着した場合において、便蓋や便座の
回転中心軸から便器の先端までの距離と、便蓋や便座の
回転中心軸から洗浄タンクの上端までの距離とが一致す
ればよい。これらの値が一致する場合には、回転中心軸
を中心とした円弧軌跡上に、便器の先端および洗浄タン
クの前面の上端の双方が位置することになるからであ
る。
【0156】そこで、便器の先端および洗浄タンクの前
面の上端の双方を通過する円弧軌跡の中心位置、即ち、
便蓋や便座の回転中心軸の理想的な位置を、いわゆるロ
ータンク密結型の洗浄タンクが組み付けられた便器に温
水洗浄便座を装着する場合を例として、以下の条件の下
で検証した。まず、便座取付用穴から便器の先端までの
距離を約470mmという値とした。また、洗浄タンク
を便器に組み付けた状態において、洗浄タンクの前面か
ら便座取付用穴までの距離を約80mmという値とし、
リム面から洗浄タンクの前面の上端までの高さを約48
5mmという値とした。さらに、便座や便蓋の先端の位
置に関しては、便座の先端は、便器のリム面の先端から
鉛直上方に約20mmの位置に配置され、便蓋の先端
は、便器のリム面の先端から鉛直上方に約50mmの位
置に配置されるものと仮定した。このような条件下での
検証の結果、便蓋や便座の回転中心軸の理想的な位置を
求める以下の算式を導き出すことができた。
【0157】便座取付用穴から回転中心軸Pまでの水平
距離をm、便座取付用穴から回転中心軸Pまでの垂直距
離をnとした場合、理想的な便蓋の回転中心軸Pf
(m,n)は、 n=1.26m+20.9 理想的な便座の回転中心軸Pz(m,n)は、 n=1.18m+21.9 となる。
【0158】このような理想的な回転中心軸Pf,Pz
の値の範囲を、図32のグラフに示す。図32は、上記
の検証に用いた便器の便座取付用穴の位置を原点Oと
し、原点Oからの水平距離をm軸、原点Oからの垂直距
離をn軸にとったグラフである。即ち、このグラフにお
いて、m軸は、回転中心軸Pの便座取付用穴からの水平
距離を、n軸は、回転中心軸Pのリム面からの高さを、
それぞれ意味する。この水平距離や高さについては、単
位mmを用いて表わし、m座標の右方向は便器の前方
を、n座標の上方向は便器の上方を、それぞれ示す。
【0159】以上の数式ないしグラフを用いれば、便座
取付用穴からの水平距離若しくは便座取付用穴からの高
さのうちのいずれかの値を任意に定めることにより、便
蓋や便座の理想的な回転中心軸の位置を求めることが可
能となる。例えば、上記の検証にて用いた便器セットに
ついて、装着される温水洗浄便座について便座の回転中
心軸をリム面から50mmの高さとしたい場合には、上
記の理想的な回転中心軸Pzを求める数式に「n=5
0」という値を代入することにより、mの値が24mm
と求められる。従って、便座取付用穴からの高さが50
mmの位置であって、便座取付用穴から水平前方に向か
って24mmの位置に便座の回転中心軸を設ければ、便
座を閉じたときには、便座への着座面積が広く確保さ
れ、便座を開いたときには、開状態の便座の先端がタン
ク上部での手洗いの邪魔をすることがない。
【0160】また、便蓋と便座との回転中心軸を同一と
したい場合には、図32の2つの線グラフの交点Gの座
標を求め、この座標の位置に回転中心軸を設ければ良
い。例えば、図32に示した例の場合には、交点Gの座
標は(m,n)=(12.5,36.7)であるから、
便座取付用穴から水平前方に向かって12.5mmの位
置であって、便座取付用穴からの高さが36.7mmの
位置に便座の回転中心軸を設ければ、便座への着座面積
は、リム面の奥行きに対応して広く確保され、便座を開
いたときには、開状態の便座の先端がタンク上部での手
洗いの邪魔をすることがない。このように、便蓋と便座
との回転中心軸を同一とする場合においても、理想的な
回転中心軸の位置を簡単に求めることができる。
【0161】さらに、図32に示した2つの線グラフよ
りも、nの値が小さくなる範囲に回転中心軸を設けれ
ば、少なくとも、便座や便蓋を開いたときに、開いた状
態の便座や便蓋の先端がタンク上部の手洗吐水管と干渉
するのを防止することができる。かかる範囲において
は、便座や便蓋の回転中心軸から洗浄タンクの前面の上
端までの距離が、より長くなるからである。この範囲
を、図32に、便蓋については白色の矢印で、便蓋につ
いては黒色の矢印で、それぞれ示した。また、この範囲
を前記した数式で表わすと以下のような式となる。
【0162】手洗吐水管と干渉しない便蓋の回転中心軸
Pf(m,n)の範囲は、 n≦1.26m+20.9 手洗吐水管と干渉しない便座の回転中心軸Pz(m,
n)の範囲は、 n≦1.18m+21.9
【0163】以上本発明の実施例である温水洗浄便座2
10,10について説明したが、本発明はこうした実施
例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱
しない範囲内において種々なる様態で実施し得ることは
勿論である。例えば、上記実施例の温水洗浄便座21
0,10を便器および洗浄タンクを有する便器セットに
取り付けた便所装置としての態様で、本発明を実施する
こともできる。
【0164】特に、洗浄機能や乾燥機能等が予め便器セ
ットに組み込まれているいわゆる一体型の衛生洗浄装置
においては、便座,便蓋や各種の制御ユニットが組み付
けられたタンクに取付けボルト等を装着しておき、この
取付けボルトを便器部分に開口された取付穴に差し込む
ことにより、組み立てられる場合がある。このような場
合には、組み立て後における便座や便蓋の回転中心を、
取付穴の位置を基準として上記の値の範囲内に位置する
ように構成すれば、一体型の衛生洗浄装置においても、
上記実施例と同様の効果を簡単に得ることができる。
【0165】また、洗浄水タンクをキャビネット内に隠
蔽しつつ、このキャビネットの前面に便器を、上面に手
洗い器を設ける、いわゆるトイレユニットとしての態様
で、本発明を実施することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である温水洗浄便座210
の外観を表わす説明図である。
【図2】温水洗浄便座210内の水の流れを示すブロッ
ク図である。
【図3】温水洗浄便座210の制御部を示すブロック図
である。
【図4】ベースプレート74の外観を表わす説明図であ
る。
【図5】温水洗浄便座の取付け方法を示す説明図であ
る。
【図6】便座214の概略斜視図である。
【図7】便蓋212の概略斜視図である。
【図8】温水洗浄便座210の上面および底面を表わす
説明図である。
【図9】温水洗浄便座210における収納ケース216
の概略斜視図である。
【図10】収納ケース216の側面図である。
【図11】便座214および便蓋212と便座・便蓋支
持体217との装着部位の様子を示す説明図である。
【図12】便座・便蓋支持体217により支持された状
態の便蓋212,便座214の断面を示す説明図であ
る。
【図13】便蓋212が開状態にある場合の概略斜視図
である。
【図14】便蓋212と共に便座214が開状態にある
場合の概略斜視図である。
【図15】便器98に装着された状態の温水洗浄便座2
10について、便蓋212および便座214の回転中心
軸P付近の縦断面を示す説明図である。
【図16】便座取付用穴99と回転中心軸Pとの位置関
係を示すグラフである。
【図17】回転中心軸Pが(42,60)という座標位
置である場合において、便座214および便蓋212を
閉じた状態を示す説明図である。
【図18】上記の回転中心軸Pの座標位置において、便
蓋212のみを開いた状態を示す説明図である。
【図19】上記の回転中心軸Pの座標位置において、便
座214および便蓋212を開いた状態を示す説明図で
ある。
【図20】第1実施例において、便蓋212,便座21
4が収納ケース216に軸支される態様を示す説明図で
ある。
【図21】便蓋212を収納ケース216の内側および
外側に向かって軸支し、便座214を収納ケース216
の内側に向かって軸支した変形例を示す説明図である。
【図22】便蓋212および便座214を収納ケース2
16の外側に向かって軸支した変形例を示す説明図であ
る。
【図23】本発明の第2実施例である温水洗浄便座10
の外観を表わす説明図である。
【図24】本発明の第2実施例である温水洗浄便座10
の外観を表わす説明図である。
【図25】便座12および便蓋14を取り付けるヒンジ
部の構造を示す説明図である。
【図26】便器98に装着された状態の温水洗浄便座1
0の右側面を示す説明図である。
【図27】便座取付用穴99と回転中心軸P1,P2と
の位置関係を示すグラフである。
【図28】回転中心軸P1,P2が、それぞれ(32,
125),(42,115)という座標位置である場合
において、便蓋14および便座12を閉じた状態を示す
説明図である。
【図29】上記の回転中心軸P1,P2の座標位置にお
いて、便蓋14のみを開いた状態を示す説明図である。
【図30】上記の回転中心軸P1,P2の座標位置にお
いて、便蓋14および便座12を開いた状態を示す説明
図である。
【図31】第1実施例の温水洗浄便座210から便蓋2
12の形状を変更して構成された温水洗浄便座410の
側面を示す説明図である。
【図32】便蓋,便座の理想的な回転中心軸Pf,Pz
の値の範囲を示すグラフである。
【図33】回転軸Zが上方に設けられた温水洗浄便座を
便器に装着したときの様子を、第一の従来例として示す
説明図である。
【図34】第一の従来例において、便蓋および便座を開
いた状態を示す説明図である。
【図35】回転軸Zが前方に設けられた温水洗浄便座を
便器に装着したときの様子を、第二の従来例として示す
説明図である。
【図36】第二の従来例において、便蓋のみを開いた状
態を示す説明図である。
【符号の説明】
10…温水洗浄便座 12…便座 12a…ヒンジブロック 12b…ピン 13…弾性材 14…便蓋 14a…ヒンジブロック 14b…ピン 15…弾性材 16…収納ケース 16a…上ケース 16b…下ケース 16k…袖部 16p…ヒンジチャンバ 16q…装着溝 16r…スリット 22…開閉ユニット 24…開閉ユニット 26…ヒンジ軸 28…ヒンジ軸 30…リテーナブロック 30a…爪 30b…支持孔 30c…支持孔 30d…固定孔 30e…固定孔 34…着脱用レバー 38…受信部 40…本体操作部 41…着座センサ 49…脱臭ユニット 51…分岐金具 52…連結管 53…給水アダプタ 54…バルブユニット 55…減圧弁 56…電磁弁 57…水勢調節弁 58…温風ユニット 59…熱交換器ユニット 60…貯湯タンク 61…ヒータ 62…温水用サーミスタ 63…フロートスイッチ 65…逆止弁 67…流調モータ 68…ノズルユニット 69…洗浄ノズル 70…コントローラユニット 71…リモコン装置 71a…お尻洗浄ボタン 71b…ビデ洗浄ボタン 71c…停止ボタン 71d…乾燥ボタン 71e…マッサージ設定ボタン 71f…ムーブ設定ボタン 71g…水勢設定ボタン 71h…吐水温設定ボタン 71i…ノズル位置調節ボタン 71j…温風温度設定ボタン 71k…便座温度設定ボタン 71l…脱臭ボタン 71m…室内暖房ボタン 71n…タイマ予約ボタン 71o…運転入/切ボタン 74…ベースプレート 75…ボルト挿入口 75a…ボルト挿入口 75b…ボルト挿入口 75c…ボルト挿入口 76…キャップ 77…取付用ボルト 78…座金 79…ゴムブッシュ 81…CPU 82…ROM 83…RAM 84…バックアップRAM 88…バス 91…洗浄タンク 92…手洗用吐水管 92a…吐水口 94…鉢部 98…便器 98a…リム面 99…便座取付用穴 210…温水洗浄便座 212…便蓋 212a…蓋部分 212b…便蓋支持部 212ba…便蓋支持部 212bp…便蓋支持部 212c…斜面部 212d…端面 212f…肉厚端部 212g…嵌合孔 212ga…嵌合孔 212gp…嵌合孔 214…便座 214a…座部 214b…便蓋支持部 214ba…便座支持部 214bp…便座支持部 214c…斜面部 214d…端面 214k…嵌合孔 214ka…嵌合孔 216…収納ケース 216a…下ケース 216b…上ケース 216c…傾斜面 216p…収納ケース 217…便座・便蓋支持体 217a…嵌合孔 217b…曲面部 218…カバー 222a…人体検出センサ 222b…表示部 222c…受信部 240…回転軸部材 240a…中心軸 240b…第1回転軸 240c…第2回転軸 240p…回転軸部材 410…温水洗浄便座 412…便蓋 414…便座 416…収納ケース 916…収納ケース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 真吾 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 榎本 和幸 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 田幸 宏崇 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 谷 稔 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 白鳥 昌己 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 林 良祐 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 桑原 隆顕 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 五島 伸洋 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 Fターム(参考) 2D038 JB01 JC02 JC11 JF00 ZA01

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 洗浄水を吐水する吐水機構を収納したケ
    ースおよび便座を有し、該ケースが便器上面に設けられ
    た取付孔により便器に取り付けられ、前記洗浄水を吐水
    して局部洗浄を行なう局部洗浄装置であって、 前記便座および便蓋の少なくとも一方の部材を、前記ケ
    ースに回転可能に軸支すると共に、 該軸支の回転中心を、前記ケースが前記便器に装着され
    た状態において、前記取付穴から便器の前方に向かって
    42mmの位置よりも後方であり、かつ前記取付穴から
    上方125mmの位置よりも低い位置に設けた局部洗浄
    装置。
  2. 【請求項2】 前記便座が閉状態のとき、該便座の後端
    部が前記ケースの上面の少なくとも一部を覆うことを特
    徴とする請求項1に記載の局部洗浄装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の局部洗浄装置であっ
    て、 前記軸支の回転中心を、前記42mmの位置より低く、
    かつ前記ケース高さの1/2より高い位置に設けた局部
    洗浄装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の局
    部洗浄装置であって、 前記ケースは、前記便座を軸支するための便座軸支体
    を、該ケースの上面から上方に突出して備え、 該便座軸支体を、前記便座の開閉状態によらず、外部か
    ら視認可能に形成した局部洗浄装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の局部洗浄装置であっ
    て、 前記便座を閉じた状態において、前記ケースと前記便座
    との軸支部分の表面を、該ケースから該便座にかけて略
    連続する面として形成した局部洗浄装置。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の局部洗浄装置であっ
    て、 前記ケースに回転可能に軸支される便蓋を備え、 該便蓋および前記便座を、前記ケースに回転可能に軸支
    すると共に、 該軸支の回転中心を、前記42mmの位置より低く、か
    つ前記ケース高さの1/2より高い位置に設けた局部洗
    浄装置。
  7. 【請求項7】 請求項1,2または6に記載の局部洗浄
    装置であって、 前記ケースは、前記便蓋および前記便座を軸支するため
    の便座・便蓋軸支体を、該ケースの上面から上方に突出
    して備え、 該便座・便蓋軸支体を、前記便座または便蓋の開閉状態
    によらず、外部から視認可能に形成した局部洗浄装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の局部洗浄装置であっ
    て、 前記便蓋を閉じた状態において、前記ケースと前記便蓋
    との軸支部分の表面を、該ケースから該便蓋にかけて略
    連続する面として形成した局部洗浄装置。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし3のいずれか、または6
    に記載の局部洗浄装置であって、 前記ケースに回転可能に軸支され、開閉可能とされた便
    蓋を備え、 該便蓋は、該便蓋が閉状態のとき、前記ケースおよび前
    記便座の上面の全範囲を覆うことを特徴とする局部洗浄
    装置。
  10. 【請求項10】 前記ケースの全高を140mm以下と
    した請求項1ないし9のいずれかに記載の局部洗浄装
    置。
  11. 【請求項11】 前記軸支の回転中心から前記部材の回
    転範囲における前記ケースの外法までの最短距離を、3
    5mm以下とした請求項10に記載の局部洗浄装置。
  12. 【請求項12】 前記部材を、前記軸支の回転中心より
    も後方に40mm以下の値で突出するよう形成した請求
    項1または10に記載の局部洗浄装置。
  13. 【請求項13】 前記部材を軸支するための軸支機構
    を、前記ケースの側面および前記部材の側面に露出しな
    いように配設した請求項1ないし12のいずれかに記載
    の局部洗浄装置。
  14. 【請求項14】 洗浄水を吐水する吐水機構を収納した
    ケースおよび便座を有し、 前記便座および便蓋を前記ケースに回転可能に軸支する
    と共に、 該軸支されたケースを、上部に手洗い器を有するタンク
    と組み付け可能な便器に装着し、所定の指示に基づいて
    洗浄水を吐出して人体の局部を洗浄する局部洗浄装置で
    あって、 該便座および便蓋を軸支するための軸支機構を、前記ケ
    ースの側面,便座の側面および便蓋の側面に露出しない
    ように配設するとともに、 前記軸支機構における軸支の回転中心を、前記便座およ
    び前記便蓋において同一とし、 前記軸支の回転中心を、前記便座および前記便蓋を開い
    たときに、該便座および該便蓋の先端の位置が前記手洗
    い器の吐水口よりも下方に位置するように配置した局部
    洗浄装置。
  15. 【請求項15】 前記軸支の回転中心を、前記ケース高
    さの1/2より高い位置に設けた請求項14に記載の局
    部洗浄装置。
  16. 【請求項16】 前記便座または前記便蓋の少なくとも
    一方を、前記ケースの外側に向かって、前記ケースに軸
    支した請求項1ないし15のいずれかに記載の局部洗浄
    装置。
  17. 【請求項17】 前記便座若しくは前記便蓋の少なくと
    も一方を、前記ケースの内側に向かって、前記ケースに
    軸支した請求項1ないし15のいずれかに記載の局部洗
    浄装置。
  18. 【請求項18】 前記便座,前記便蓋および前記ケース
    の形状を、該便座,便蓋およびケースの後部に至るに連
    れて幅が漸減する形状とした請求項1ないし17のいず
    れかに記載の局部洗浄装置。
  19. 【請求項19】 前記軸支の回転中心を、前記便座およ
    び前記便蓋において同一とした請求項1ないし13のい
    ずれかに記載の局部洗浄装置。
  20. 【請求項20】 請求項1に記載の局部洗浄装置と、該
    局部洗浄装置を装着可能な便器と、該便器と連結される
    タンクと、該タンクの上方に設けられる手洗い器とを備
    えた便所装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004267348A (ja) * 2003-03-06 2004-09-30 Inax Corp 便蓋装置
JP2012250339A (ja) * 2011-05-09 2012-12-20 Makita Corp 電動工具用収納ケース
JP2018035655A (ja) * 2016-08-25 2018-03-08 Toto株式会社 衛生洗浄装置

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