JP2001115332A - ポリ塩化ビニル系繊維 - Google Patents

ポリ塩化ビニル系繊維

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JP2001115332A
JP2001115332A JP29188599A JP29188599A JP2001115332A JP 2001115332 A JP2001115332 A JP 2001115332A JP 29188599 A JP29188599 A JP 29188599A JP 29188599 A JP29188599 A JP 29188599A JP 2001115332 A JP2001115332 A JP 2001115332A
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lubricant
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polyvinyl chloride
acrylate
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JP29188599A
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Yutaka Konoo
豊 高野尾
Hiroshi Yokoyama
浩 横山
Toshihiko Hirose
敏彦 広瀬
Ryuichi Haruna
隆一 春名
Takanori Mizogami
尊徳 溝上
Mitsuyuki Takeda
満之 武田
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】カドミウムやバリウムを含有するような安定剤
を用いずに、安定的に生産され、光沢と透明感が良好に
コントロールされたポリ塩化ビニル系繊維を提供する。 【解決手段】(A)塩化ビニル系樹脂100重量部に対
し、(B)(メタ)アクリル酸アルキルエステル系加工
性改良剤0.2〜5重量部、(C)錫系安定剤1.5〜
10重量部、(D)鹸化価10以上の滑剤1.5〜5重
量部、(E)鹸化価10未満の滑剤0.3〜1重量部配
合した組成物を主成分とする樹脂組成物を溶融紡糸して
なるポリ塩化ビニル系繊維により達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、錫系安定剤を用い
た樹脂組成物からなり、光沢と透明感がコントロールさ
れたポリ塩化ビニル系繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にポリ塩化ビニル系繊維は、ウィッ
グ、ヘアピースに代表される頭髪装飾用途に多く用いら
れているが、その大半は原料となるポリ塩化ビニルを含
有する樹脂組成物に対し、カドミウムやバリウムを含む
安定剤が用いられている。これらの安定剤は、一般的に
人体に対する毒性や、環境に対する負荷が問題視されて
おり、上記に替わる安定剤の使用が要望されていたので
ある。
【0003】この改善のために、例えば特開平10−1
02317号公報や特開平11−100714号公報に
おいて、錫系の安定剤等を配合させた樹脂組成物を溶融
紡糸してなるポリ塩化ビニル系繊維が提案されている。
【0004】これらの塩化ビニル系繊維は、人毛のよう
な艶消し繊維は得られるものの、光沢と透明感に優れた
繊維は得られていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、カド
ミウムやバリウムを含有するような安定剤を用いずに光
沢と透明感が良好にコントロールされたポリ塩化ビニル
系繊維を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前期課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、錫系安定剤配合ポ
リ塩化ビニル系樹脂に、特定の塩化ビニル樹脂用加工性
改良剤と、鹸化価により選択された滑剤を特定量用いる
ことにより、光沢及び透明感が優れた繊維が得られ、紡
糸性も工業生産可能なレベルとなることを見出し本発明
を完成するに至った。
【0007】すなわち本発明は、(A)塩化ビニル系樹
脂100重量部に対し、(B)(メタ)アクリル酸アル
キルエステル系加工性改良剤0.2〜5重量部、(C)
錫系安定剤1.5〜10重量部、(D)鹸化価10以上
の滑剤1.5〜5重量部、及び(E)鹸化価10未満の
滑剤0.3〜1重量部配合した組成物を主成分とする樹
脂組成物を溶融紡糸してなるポリ塩化ビニル系繊維であ
る。
【0008】前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
系加工性改良剤(B)は、(メタ)アクリル酸アルキル
エステル、スチレン、及びα−メチルスチレンの単独も
しくは共重合体であり、(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルが、メチルアクリレート、エチルアクリレート、
n−プロピルアクリレート、i−プロピルアクリレー
ト、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレー
ト、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n
−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレー
ト、及びt−ブチルメタクリレートよりなる群から選択
される少なくとも1種であるのが好ましい。
【0009】また、錫系安定剤(C)は下記一般式
(I)で表されるものであるのが好ましい。
【0010】
【化2】 [mは1又は2、RはC1〜C8のアルキル又はエステ
ル、Yはメルカプチド類、マレエート類及びカルボキシ
レート類よりなる群から選択される少なくとも1種であ
る。] 具体的には、具体的にはジメチルスズメルカプト、ジブ
チルスズメルカプト、ジオクチルスズメルカプトなどの
メルカプト錫系熱安定剤、ジメチルスズマレート、ジブ
チルスズマレート、ジオクチルスズマレート、ジオクチ
ルスズマレートポリマーなどのマレート錫系熱安定剤、
ジメチルスズラウレート、ジブチルスズラウレート、ジ
オクチルスズラウレートなどのラウレート錫系熱安定剤
が例示されるがこれらに限定されるものではない。
【0011】さらに、鹸化価10以上の滑剤(D)は、
脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸部分エステル、ヒドロ
キシ化脂肪酸、ペンタエリスリトール脂肪酸、脂肪酸部
分鹸化エステル、スズラウレート系滑剤及び酸価ポリエ
チレンワックスよりなる群から選択される少なくとも1
種であるのが好ましく、一方、鹸化価10未満の滑剤
(E)は、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワッ
クス、炭化水素ワックス、アミドワックス及び金属石鹸
類よりなる群から選択される少なくとも1種であるのが
好ましい。
【0012】本発明でいう鹸化価とは、以下の様であ
る。すなわち「試料の1gを鹸化するのに要する水酸化
カリウム(KOH)のミリグラム数。酸価とエステル価
の和にあたる。鹸化価を測定するには約0.5Nの水酸
化カリウムのアルコール溶液中で試料を鹸化した後、
0.5Nの塩酸で過剰の水酸化カリウムを滴定する。
(理化学辞典)」というものである。
【0013】本発明により得られたポリ塩化ビニル系繊
維は、光沢及び透明感のある人工毛髪として好適に用い
ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明において用いられる(A)
塩化ビニル系樹脂とは、塩化ビニル単独重合体、塩素化
塩化ビニル単独重合体、塩化ビニルと50重量%までの
他の共重合可能な単量体、一種類及び/又は二種類以上
との(多元)共重合体、或いはこれらの混合物である。
【0015】前記共重合可能な単量体の代表的なものと
しては、エチレン、プロピレン、アルキルビニルエーテ
ル、ビニリデンクロライド、酢酸ビニル、アクリル酸エ
ステル、マレイン酸エステル等が使用可能である。
【0016】(多元)共重合体は、一般的に知られてい
る公知の種々の重合方法を用いて重合することが出来
る。(多元)共重合体は、ランダム、ブロック、グラフ
ト等の任意の(多元)共重合形態をとっても良い。
【0017】(多元)共重合体中の塩化ビニル以外の成
分量が50重量%以上の場合、軟質化され耐熱性が低下
し、さらに高価となる為好ましくない。好ましい共重合
体としては、加熱溶融加工時の熱安定性の面から、エチ
レン、プロピレン、又は酢酸ビニルと、塩化ビニルとの
共重合体である。又、前記塩化ビニル系樹脂の重合度に
ついては、重合度が高い方が、得られる繊維の強度が大
きい傾向にあるが、反面、曳糸性の点では重合度が低い
方が有利である。これらの関係から、塩化ビニル系樹脂
の重合度は、500〜1500程度、より好ましくは7
00〜1300程度が良い。
【0018】(A)塩化ビニル系樹脂に配合する(B)
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系加工性改良剤と
は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、スチレン及
びα−メチルスチレンの単独もしくは共重合体であり、
その重合度は、500000〜4000000で、(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルのアルキルエステルの
炭素数が1〜10であるのが好ましい。
【0019】前記(B)(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステル系加工性改良剤は、溶融紡糸時の塩化ビニル系樹
脂のゲル化を安定的に促進させると共に、高温時での引
っ張り強度を改善することにより、安定した紡糸性を確
保する効果がある。
【0020】前記(B)の重合体は、(メタ)アクリル
酸アルキルエステルをラジカル開始剤の存在下にラジカ
ル重合することにより得られるが、重合方法はこれに限
られるものではなく、一般的に知られている公知の種々
の重合方法を用いて重合することができる。
【0021】共重合体は、ランダム共重合体、ブロック
共重合体、グラフト共重合体、等の任意の共重合形態を
とって良い。これら(B)共重合体中の(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステルには、アルキルエステル部分の炭
素数1〜10のものが用いられる。炭素数が11以上の
ものを用いると、塩化ビニル系樹脂との相溶性が低下
し、得られた繊維の強度が低下する傾向にある。この点
から炭素数は8以下であるのが好ましい。
【0022】(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具
体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、n−プロピルアクリレート、i−プロピルアクリレ
ート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレー
ト、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n
−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレー
ト、t−ブチルメタクリレート、等が挙げられ、これら
は、単独又は、2種類以上組み合わせて用いられる。
【0023】前記、(B)共重合体の重合度は、500
000〜4000000であるのが好ましい。重合度が
500000未満では、紡糸時の曳糸性が低下する傾向
にあり、4000000以上ではゲル化性が改善でき
ず、吐出量が変動し、得られた繊維の鮮度が大きく変動
する傾向がある。
【0024】前記(B)の重合体は、塩化ビニル系樹脂
100重量部に対して0.2〜5重量部、更に好ましく
は0.2〜3重量部用いられる。0.2重量部未満では
加工性改良効果が小さく、5重量部を越えると、粘度上
昇が大きくなり、安定した生産が困難となる傾向にあ
る。
【0025】(A)塩化ビニル系樹脂に配合する(C)
錫系安定剤は、次の一般式(I)で表されるものが好ま
しい。
【0026】
【化3】 [m=1又は2、RはC1〜C8のアルキル、又はエス
テル、Yはメルカプチド類、マレエート類及びカルボキ
シレート類よりなる群から選択される少なくとも1種で
ある。] 具体的にはジメチルスズメルカプト、ジブチルスズメル
カプト、ジオクチルスズメルカプトなどのメルカプト錫
系熱安定剤、ジメチルスズマレート、ジブチルスズマレ
ート、ジオクチルスズマレート、ジオクチルスズマレー
トポリマーなどのマレート錫系熱安定剤、ジメチルスズ
ラウレート、ジブチルスズラウレート、ジオクチルスズ
ラウレートなどのラウレート錫系熱安定剤が例示される
がこれらに限定されるものではない。使用方法として
は、単独又は2種類以上の組み合わせで用いることがで
きる。
【0027】(C)錫系安定剤は、塩化ビニル系樹脂に
対する安定剤として、抗酸価作用、HCl補足作用、活
性なCl原子との交換反応、生成したメルカプタンの二
重結合への付加、ポリエンとHClからなる錯体の破壊
等の機能により、安定した生産、品質の低下防止、着色
改善等の効果がある。
【0028】(C)錫系安定剤は、塩化ビニル系樹脂1
00重量部に対して1.5〜10重量部用いられ、さら
に好ましくは1.5〜5重量部である。1.5重量部未
満では、安定剤としての効果が乏しく、10重量部を越
えても、これ以上の増量の効果は乏しく、経済的に不利
となる傾向がある。
【0029】(A)塩化ビニル系樹脂に配合する(D)
鹸化価10以上の滑剤は、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂
肪酸部分エステル、ヒドロキシ化脂肪酸、ペンタエリス
リトール脂肪酸、脂肪酸部分鹸化エステル、スズラウレ
ート系滑剤及び酸価ポリエチレンワックスが挙げられ
る。使用方法としては、単独又は2種類以上の組み合わ
せで用いられる。
【0030】(D)鹸化価10以上の滑剤は、PVCと
の相溶性が比較的良いことから、内部滑剤的な働きを
し、PVCの粒子崩壊を促進させることにより、PVC
粒子に起因する凹凸を減らすことによって、繊維表面の
平滑性を上げ、良好な艶を発現させる為に用いられる。
【0031】(D)鹸化価10以上の滑剤は、塩化ビニ
ル系樹脂100重量部に対して1.5〜5重量部用いら
れ、さらに好ましくは1.5〜4重量部である。1.5
重量部未満では、粒子崩壊が不十分な為繊維表面の凹凸
が多量に残り、良好な光沢が得られない。5重量部を越
えるとゲル化促進が速くなり、溶融粘度の上昇が大きく
なって安定生産が困難となる傾向にある。
【0032】(A)塩化ビニル系樹脂に配合する(E)
鹸化価10未満の滑剤は、ポリエチレンワックス、ポリ
プロピレンワックス、炭化水素ワックス、アミドワック
ス、及び金属石鹸類が挙げられる。使用方法としては、
単独又は2種類以上の組み合わせで用いられる。
【0033】(E)鹸化価10以下の滑剤は、PVCと
の相溶性が比較的悪いことから、外部滑剤的な働きを
し、金属と樹脂との粘着性を低下せしめ、安定した生産
を行う為に用いられる。
【0034】(E)鹸化価10以下の滑剤は、塩化ビニ
ル系樹脂100重量部に対して、0.3〜1重量部用い
られる。0.3重量部未満では、十分な外部滑剤として
の効果を発揮せず、安定した生産が困難となる。1重量
部を越えると、相溶性が悪いことから濁り感を呈し、良
好な透明感の繊維が得られない。
【0035】尚、本発明の繊維に対しては、製造方法や
品質の必要に応じて、他の成分も適宜混合可能である。
例えば、帯電防止剤、紫外線吸収剤、顔料、或いは染料
等を配合することが可能である。又、本発明の繊維を溶
融紡糸する場合の樹脂組成物は、リボンブレンダーやヘ
ンシェルミキサー等の通常の粉末混合機を用い、常温或
いは加熱混合して得ることができる。得られた樹脂組成
物は、粉末状のまま直接押し出し機へ投入して加熱溶融
紡糸が可能であるが、混練ロール、ニーダ−、或いは押
し出し機等で造粒化して紡糸原料とすることが好まし
い。
【0036】上記のようにして得られた紡糸原料は、加
工性に優れているので、通常の一軸或いは二軸の押し出
し機等を用い、150〜200℃程度の温度で加熱溶融
して細孔ノズルより紡出することができる。本発明の繊
維に関わる紡糸原料は、このままでも優れた曳糸性を発
揮するが、ノズル直下に繊維軸方向に加熱紡糸筒を設
け、紡出された溶融糸を瞬間的に加熱して高度に曳糸す
ることも可能である。ポリエステルやポリオレフィンに
比べ、熱分解を起こしやすい塩化ビニル系繊維の場合
は、押し出し機を比較的低い温度で運転し、この加熱筒
で瞬間的に加熱し、高度に曳糸する方が、樹脂の熱劣化
が抑制でき、長時間の連続運転が可能となるので好まし
い。
【0037】
【実施例】次に、本発明を溶融紡糸の実施例により更に
詳細に説明するが、これによって本発明の範囲を限定す
るものではない。尚、実施例に先立ち評価方法等につい
て以下に説明する。
【0038】(1)紡糸性評価 溶融紡糸する段階で、糸切れの発生状況を目視観察し、
次のように評価した。 糸切れが、1回以下/1時間・・・・・・「5」 糸切れが2〜3回/1時間・・・・・・・「4」 糸切れが4〜6回/1時間・・・・・・・「3」 糸切れが6〜15回/1時間・・・・・・「2」 糸切れが15回以上/1時間・・・・・・「1」 (2)光沢及び透明性評価 溶融紡糸後の繊維を目視観察し、次のように評価した。 表面が平滑で全面的に光沢があり、透明感がある。・・・・・[4] 表面が平滑で全面的に光沢があるが、透明感が無い・・・・・[3] 表面に微凹凸があり光沢が乏しいが、透明感がある。・・・・[2] 表面に微凹凸があり光沢が乏しく、透明感も無い。・・・・・[1] (3)熱収縮率 20cm長のマルチフィラメント12本を90℃のギア
オーブン(恒温乾燥機)中に吊り下げ、15分後の各サ
ンプルの収縮率[%]の内、中間値10個を平均して熱
収縮率とした。熱収縮率は10%以下が好ましい(4)
繊維強度 引っ張り試験機(INTESCO MODEL201)
により測定。測定方法はJIS化学繊維フィラメント試
験方法L1013に準拠。
【0039】[実施例1〜3、比較例1〜3]塩化ビニ
ル系樹脂、加工性改良剤、錫系安定剤、滑剤(D)、滑
剤(E)を、下記の表1に示す所定の割合で混合し、リ
ボンブレンダーを用いて110℃で40分攪拌混合した
後、押し出し機を用い、シリンダー温度140℃、ダイ
ス温度145℃でペレット化した。この樹脂ペレット
を、L/D=20の30mmφ押し出し機に孔径0.5
mmφ、孔数60のノズルを取り付け、シリンダー温度
150〜180℃、ノズル温度180±15℃の範囲で
各例で紡糸性の良い条件で押し出し、ノズル直下に設け
た加熱紡糸筒内(200〜300℃雰囲気)で約0.5
〜1.5秒熱処理し、第一の引き取りロールによって紡
糸した。次に、第二の延伸ロールとの間で110℃の熱
風循環箱を通して2.5倍に延伸した。さらに115℃
に温度調節した箱の中に設置した2対の円錐形ロール間
を引き回し、連続的に25%の緩和処理を実施し、単糸
繊度60デニールのマルチフィラメントを巻き取った。
この時の加工性(紡糸性)、及び各例で得られたマルチ
フィラメントの物性について、上記の方法で測定した。
結果を表1に示した。尚、表中、MMAはメチルメタク
リレート、BAはブチルアクリレート、BMAはブチル
メタクリレートの略号である。
【0040】
【表1】 表1の結果から明らかなように、塩化ビニル系樹脂、加
工性改良剤、錫系安定剤、滑剤D、滑剤Eを適宜量用い
ることにより、光沢及び透明性が優れた繊維が安定して
溶融紡糸可能であるが、加工性改良剤を6部用いると、
光沢及び透明感が優れた繊維は得られものの、ノズル出
口でメルトフラクチャー(弾性破壊)が生じ、安定した
溶融紡糸が不可能であった。又、加工性改良剤を0.1
部用いると、光沢及び透明感が優れた繊維は得られるも
のの、ノズル内の圧力変動が大きくなり、安定した溶融
紡糸が不可能であった。
【0041】[実施例4〜6、比較例4〜6]下記の表
2に示すように、配合剤を変更した樹脂組成物を用いた
以外は、実施例1と同じ方法で紡糸した。結果を表2に
示した。
【0042】
【表2】 表2の結果から明らかなように、塩化ビニル系樹脂、加
工性改良剤、錫系安定剤、滑剤D、滑剤Eを適宜量用い
ることにより、光沢及び透明性が優れた繊維が安定して
溶融紡糸可能であるが、鹸化価10以上の滑剤(D)を
6部、鹸化価10未満の滑剤1.5部用いると、光沢及
び透明感が不十分でありしかも、ゲル化が急激に進むこ
とにより、押出機のトルク変動が大きくなり、安定した
溶融紡糸が不可能であった。又、鹸化価10以上の滑剤
(D)を、0.1部或いは0.5部用いると、PVC粒
子が十分に崩壊せず、得られた繊維の表面凹凸が残って
おり、光沢が不十分な繊維しか得られなかった。
【0043】[実施例7〜9、比較例7〜9]下記の表
3に示すように、配合剤を変更した樹脂組成物を用いた
以外は、実施例1と同じ方法で紡糸した。結果を表3に
示した。
【0044】
【表3】 表3の結果から明らかなように、塩化ビニル系樹脂、加
工性改良剤、錫系安定剤、滑剤D、滑剤Eを適宜量用い
ることにより、光沢及び透明性が優れた繊維が安定して
溶融紡糸可能であるが、鹸化価10未満の滑剤(E)を
1.1部或いは2部用いると、透明感を失した繊維しか
得られなかった。
【0045】
【発明の効果】以上のように、本発明に係るポリ塩化ビ
ニル系繊維は、光沢と透明感が優れ、人工毛髪用として
好適に使用できる。又、安定的に溶融紡糸が可能である
ことから、生産性も高く低コストで生産が可能であり、
人工毛髪用以外の産業資材分野等にも応用可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 27/06 C08L 27/06 //(C08L 27/06 (C08L 27/06 33:06 33:06 25:04 25:04 23:26 23:26 91:06) 91:06) (72)発明者 武田 満之 大阪府摂津市鳥飼西5−2−23 Fターム(参考) 4J002 AE034 BB033 BB034 BB124 BB203 BC032 BC042 BC092 BD031 BG042 BG052 BG062 EF027 EF057 EG028 EG038 EH037 EH047 EH057 EZ016 EZ046 EZ066 FD036 FD173 FD174 FD177 FD178 FD202 GK01 4L035 AA09 BB31 BB52 BB79 BB89 BB91 CC02 CC07 EE07 FF04 JJ12 JJ15 JJ22 KK05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)塩化ビニル系樹脂100重量部に対
    し、(B)(メタ)アクリル酸アルキルエステル系加工
    性改良剤0.2〜5重量部、(C)錫系安定剤1.5〜1
    0重量部、(D)鹸化価10以上の滑剤1.5〜5重量
    部、及び(E)鹸化価10未満の滑剤0.3〜1重量部
    を配合した組成物を主成分とする樹脂組成物を溶融紡糸
    してなるポリ塩化ビニル系繊維。
  2. 【請求項2】(メタ)アクリル酸アルキルエステル系加
    工性改良剤(B)が、(メタ)アクリル酸アルキルエス
    テル、スチレン、及びα−メチルスチレンの単独もしく
    は共重合体であり、(メタ)アクリル酸アルキルエステ
    ルが、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−
    プロピルアクリレート、i−プロピルアクリレート、n
    −ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、メチ
    ルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピ
    ルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、及びt
    −ブチルメタクリレートよりなる群から選択される少な
    くとも1種である請求項1記載のポリ塩化ビニル系繊
    維。
  3. 【請求項3】錫系安定剤(C)が下記一般式(I)で表
    される、請求項1記載のポリ塩化ビニル系繊維。 【化1】 [mは1又は2、RはC1〜C8のアルキル又はエステ
    ル、Yはメルカプチド類、マレエート類及びカルボキシ
    レート類よりなる群から選択される少なくとも1種であ
    る。]
  4. 【請求項4】鹸化価10以上の滑剤(D)が、脂肪酸、
    脂肪酸エステル、脂肪酸部分エステル、ヒドロキシ化脂
    肪酸、ペンタエリスリトール脂肪酸、脂肪酸部分鹸化エ
    ステル、スズラウレート系滑剤及び酸価ポリエチレンワ
    ックスよりなる群から選択される少なくとも1種である
    請求項1記載のポリ塩化ビニル系繊維。
  5. 【請求項5】鹸化価10未満の滑剤(E)が、ポリエチ
    レンワックス、ポリプロピレンワックス、炭化水素ワッ
    クス、アミドワックス及び金属石鹸類よりなる群から選
    択される少なくとも1種である請求項1記載のポリ塩化
    ビニル系繊維。
JP29188599A 1999-10-14 1999-10-14 ポリ塩化ビニル系繊維 Pending JP2001115332A (ja)

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JP6191752B1 (ja) * 2016-11-02 2017-09-06 住友ベークライト株式会社 塩化ビニル樹脂組成物およびシート材
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