JP2001114482A - エレベータの停電時救出運転装置 - Google Patents

エレベータの停電時救出運転装置

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JP2001114482A
JP2001114482A JP29539499A JP29539499A JP2001114482A JP 2001114482 A JP2001114482 A JP 2001114482A JP 29539499 A JP29539499 A JP 29539499A JP 29539499 A JP29539499 A JP 29539499A JP 2001114482 A JP2001114482 A JP 2001114482A
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竹 英 明 植
Michiyoshi Sonoda
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非常用電源としてのバッテリの容量を小さく
することにより製造コストおよび設置スペースを低減で
きるばかりでなく、スムーズな救出運転が可能なエレベ
ータの救出運転装置を提供する。 【解決手段】 救出運転を開始する際に昇降用電動機4
を誤って力行側に運転しても、バッテリ30が供給する
電力の電圧低下を電圧低下検出手段19が検出しない限
り救出運転を継続するので、救出運転をスムーズに行う
ことができる。また、バッテリ30が供給する電力の電
圧が所定値以下になると、昇降用電動機4の作動を停止
させた後に昇降用電動機4を反対方向に運転するので、
バッテリ30の電気容量をより一層小さく設定すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、常用電源が停電し
てエレベータを運転できなくなった場合に、非常用電源
を用いてエレベータを運転し、乗りかごを最寄りの階床
に着床させて乗りかご内の乗客を救出するエレベータの
停電時救出運転装置に関する。
【0002】
【従来の技術】常用電源が停電してエレベータを運転で
きなくなると、階床間で停止した乗りかご内に乗客が閉
じ込められてしまう。そこで、従来のエレベータには、
停電時に非常用電源を用いてエレベータを運転し、乗り
かごを最寄りの階床に着床させて乗りかご内の乗客を救
出する停電時救出運転装置が設けられている。
【0003】このような停電時救出運転装置を備えたエ
レベータの一例を図15を参照して説明すると、エレベ
ータ1の乗りかご2はロープRを介して釣合おもり3と
接続されるとともに、昇降用電動機4の正逆両方向の回
転によって昇降する。昇降用電動機4に電力を供給する
インバータ装置5の作動は、主制御装置6から回路7を
介して送られる制御信号によって制御される。また、乗
りかご2に設けた荷重検出装置2aは、回路2bを介し
て主制御装置6に荷重信号を送信する。
【0004】常用電源8から供給される電力の一部は、
充電装置9を介して非常用電源としてのバッテリ10に
蓄えられるとともに、DC/DCコンバータ16によっ
て電圧が変換された後に回路12を介して主制御装置6
に、かつ回路13を介して電圧低下検出装置14にそれ
ぞれ供給される。また、電圧低下検出装置14には、イ
ンバータ装置5が有する平滑コンデンサ20の電圧が回
路15を介して供給される。
【0005】このような構造のエレベータにおいて常用
電源8が停電すると、インバータ装置5および主制御装
置6にはバッテリ10から電力が供給され、乗りかご2
を昇降させて最寄りの階床に着床させ、乗りかご2内の
乗客を救出する。このとき、主制御装置6は、荷重検出
装置2aからの信号に基づいて昇降用電動機4を回生側
に起動し、バッテリ10の出力負荷を小さくするような
制御を行う。また、電圧低下検出装置14によってバッ
テリ10の出力電圧が所定値以下に降下したことが検出
されると、主制御装置6は救出運転を中止し、バッテリ
10の出力電圧が完全に低下してエレベータの救出運転
制御が不能となることを防止する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の停電時
救出運転装置においては、乗りかご2に設けた荷重検出
装置2aの異常等により救出運転開始時に昇降用電動機
4を力行側に起動してしまった場合でも、救出運転はそ
のまま継続される。これにより、エレベータを最大負荷
で力行側に救出運転する場合にも、バッテリ10の出力
電圧が低下して救出運転が不能とならないように、バッ
テリ10は必然的に大容量なものとせざるを得ない。そ
して、このような大容量のバッテリ10は、停電時救出
運転装置のコスト低減のネックとなるばかりでなく、装
置の大型化やメンテナンス作業の煩雑さをも招いてい
た。
【0007】そこで、救出運転開始時に昇降用電動機を
誤って力行側に運転した場合に、昇降用電動機の運転を
一旦停止させた後に直ちに反対方向に運転することによ
り、非常用電源としてのバッテリの容量を小さくする技
術が、例えば特公平4−64995号公報、特公平6−
31138号公報、特開平8−133620号公報等に
記載されている。しかしながら、これらの従来技術はい
ずれも、昇降用電動機を力行側へ起動したことを検出す
ると昇降用電動機を無条件で反対方向に運転するもので
あり、スムーズな救出運転を行うことができない。ま
た、昇降用電動機を力行側に起動したことを様々な手法
を用いて判別しているために、装置の構造が複雑なもの
となっている。
【0008】そこで、本発明の目的は、上述した従来技
術が有する問題点を解消し、非常用電源としてのバッテ
リの容量を小さくすることにより製造コストおよび設置
スペースを低減できるばかりでなく、スムーズな救出運
転が可能で、かつ構造が簡単で保守性にも優れたエレベ
ータの救出運転装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求
項1に記載の発明は、乗りかごおよび釣合おもりを有し
たロープ式エレベータの停電時に乗りかごを昇降させて
最寄りの階床に着床させる救出運転を行う停電時救出運
転装置であって、停電時に電力を供給する停電時電力供
給手段と、昇降用電動機の作動を制御する制御手段と、
前記停電時電力供給手段から前記制御手段に供給する制
御電源電圧および前記停電時電力供給手段から前記昇降
用電動機に供給する駆動電源電圧の少なくとも一方が所
定値より低下したことを検出する電圧低下検出手段と、
を備える。そして、前記制御手段は、前記制御電源電圧
および前記駆動電源電圧の少なくとも一方が前記所定値
より低下したことを前記電圧低下検出手段が検出する
と、前記昇降用電動機を反対方向に運転して救出運転を
再開することを特徴とするものである。
【0010】すなわち、ロープ式エレベータにおいて乗
りかごおよび釣合おもりのいずれか重い方を上昇させる
側、すなわち力行側に昇降用電動機を運転する際には、
停電時電力供給手段から昇降用電動機に駆動電源電圧を
連続して供給しなければならないから、停電時電力供給
手段の出力電圧は徐々に低下する。これに対して、乗り
かごおよび釣合おもりのいずれか重い方を降下させる
側、すなわち回生側に昇降用電動機を運転する際には、
その出力電圧は低下しない。このとき、請求項1に記載
のエレベータの停電時救出運転装置は、救出運転を開始
する際に昇降用電動機を誤って力行側に起動させても、
電圧低下検出手段が電圧低下を検出しない限り救出運転
を継続するので、停電時電力供給手段から供給される制
御電源電圧および駆動電源電圧の低下を検出するという
極めて簡単な構造でありながら、救出運転をスムーズに
行うことができる。なお、停電時電力供給手段が供給す
る制御電源電圧若しくは駆動電源電圧が所定値まで低下
しても、停電時電力供給手段がそれ以降の救出運転を可
能な電力を継続して供給できるようにすることは言うま
でもない。一方、停電時電力供給手段が供給する制御電
源電圧若しくは駆動電源電圧が所定値以下になると、制
御手段は昇降用電動機の作動を停止させた後に昇降用電
動機を反対方向に運転するので、停電時電力供給手段、
例えばバッテリの電気容量をより一層小さく設定した場
合でも、エレベータの停電時救出運転を確実に行うこと
ができる。
【0011】また、上記課題を解決する請求項2に記載
の発明は、請求項1に記載のエレベータの停電時救出運
転装置において、前記制御手段は、救出運転開始後に昇
降用電動機の運転方向を一旦反転させた場合は、前記停
電時電力供給手段が供給する前記制御電源電圧若しくは
前記駆動電源電圧が前記所定値より低下したことを前記
電圧低下検出手段が再度検出しても、昇降用電動機の運
転方向を反転させることなく救出運転を継続することを
特徴とする。すなわち、制御手段が救出運転開始後に昇
降用電動機の運転方向を一旦反転させた後とは、救出運
転開始時に昇降用電動機を誤って力行側に運転したため
に、停電時電力供給手段、例えばバッテリから供給する
制御電源電圧若しくは駆動電源電圧が所定値以下に低下
し、昇降用電動機を反対方向すなわち回生側に運転して
いる状態である。したがって、請求項2に記載のエレベ
ータの停電時救出運転装置によれば、昇降用電動機を回
生側に運転しているときに何らかの理由により電圧低下
検出手段が電圧低下を検出しても、昇降用電動機の運転
方向を力行側に反転させないから、停電時電力供給手
段、例えばバッテリの電気容量をより一層小さく設定し
た場合でもエレベータの停電時救出運転を確実に行うこ
とができる。
【0012】また、上記課題を解決する請求項3に記載
の発明は、請求項1または2に記載のエレベータの停電
時救出運転装置に、前記乗りかごの昇降速度を検出する
昇降速度検出手段をさらに設けるとともに、前記制御手
段は、乗りかごの昇降速度が増加していることを前記昇
降速度検出手段が検出した場合に、前記電圧低下検出手
段の検出結果にかかわらず現在行っている救出運転を継
続するものである。すなわち、救出運転を開始した直後
は乗りかごの昇降速度が増加するが、この状態において
は一時的に停電時電力供給手段の出力電圧が所定値以下
になる場合がある。このときに、電圧低下検出手段の検
出結果に基づいて昇降用電動機の作動を一旦停止させて
運転方向を反転させたのでは、昇降用電動機を力行側に
運転してしまうことになる。そこで、乗りかごの昇降速
度が増加しない定常状態となったときに電圧低下検出手
段の検出結果に基づいて制御を行うことにより、より正
確な救出運転を行うことができる。
【0013】また、上記課題を解決する請求項4に記載
の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載のエレベー
タの停電時救出運転装置に、前記停電時電力供給手段が
前記制御手段に供給する制御電源電圧を一定に保つ定電
圧回路をさらに設けたことを特徴とするものである。こ
れにより、電圧低下検出手段は、停電時電力供給手段が
制御手段に供給する制御電源電圧の低下を検出しない
で、停電時電力供給手段が昇降用電動機に供給する駆動
電源電圧の低下のみを検出することになる。したがっ
て、停電時電力供給手段が昇降用電動機に供給する駆動
電源電圧が所定値以下になるまで救出運転を継続できる
から、停電時電力供給手段の電気容量を無駄なく使用で
きることとなり、停電時電力供給手段を小型化すること
ができる。なお、停電時電力供給手段が制御手段に供給
する制御電源電圧が所定値以下に低下しても、制御手段
による制御が支障無く行えるようにする。
【0014】また、上記課題を解決する請求項5に記載
の発明は、乗りかごおよび釣合おもりを有したロープ式
エレベータの停電時に、乗りかごを昇降させて最寄りの
階床に着床させる救出運転を行う停電時救出運転装置で
あって、停電時に電力を供給する停電時電力供給手段
と、昇降用電動機の作動を制御する制御手段と、前記停
電時電力供給手段が出力する電流を監視する電流検出手
段と、を備える。そして、前記制御手段は、前記停電時
電力供給手段が救出運転中に所定値以上の電流を所定時
間以上連続して出力していることを前記電流検出手段が
検出すると、昇降用電動機の運転方向を反転させて救出
運転を再開することを特徴とする。
【0015】すなわち、ロープ式エレベータにおいて乗
りかごおよび釣合おもりのいずれか重い方を上昇させる
側、すなわち力行側に昇降用電動機を運転する際には、
停電時電力供給手段から昇降用電動機に駆動電源電圧を
供給しなければならないから、停電時電力供給手段は所
定値以上の電流を所定時間以上連続して出力する。これ
に対して、乗りかごおよび釣合おもりのいずれか重い方
を降下させる側、すなわち回生側に昇降用電動機を運転
する際には、停電時電力供給手段が所定値以上の電流を
所定時間以上連続して出力することはない。このとき、
請求項5に記載のエレベータの停電時救出運転装置は、
救出運転を開始する際に昇降用電動機を誤って力行側に
運転しても、停電時電力供給手段が所定値以上の電流を
所定時間以上連続して出力していることを電流検出手段
が検出しない限り現在行っている救出運転を継続するも
のであるから、停電時電力供給手段が出力する電流を監
視するという極めて簡単な構造でありながら救出運転を
スムーズに行うことができる。一方、停電時電力供給手
段が所定値以上の電流を所定時間以上連続して出力する
と、制御手段は昇降用電動機の作動を停止させた後に昇
降用電動機の運転方向を反転させるので、停電時電力供
給手段、例えばバッテリの電気容量をより一層小さく設
定した場合でもエレベータの停電時救出運転を確実に行
うことができる。
【0016】また上記課題を解決する請求項6に記載の
発明は、請求項5に記載のエレベータの停電時救出運転
装置において、前記制御手段は、救出運転開始後に昇降
用電動機の運転方向を一旦反転させた後に、前記停電時
電力供給手段が所定値以上の電流を所定時間以上連続し
て出力していることを前記電流検出手段が再度検出して
も、昇降用電動機の運転方向を反転させることなく現在
行っている救出運転を継続することを特徴とする。すな
わち、制御手段が救出運転開始後に昇降用電動機の運転
方向を一旦反転させた後とは、救出運転開始時に昇降用
電動機を誤って力行側に運転したために、停電時電力供
給手段が所定値以上の電流を所定時間以上連続して出力
したことから、昇降用電動機の運転方向を反転させて回
生側に運転している状態である。したがって、請求項6
に記載のエレベータの停電時救出運転装置によれば、昇
降用電動機を回生側に運転しているときに、何らかの理
由により停電時電力供給手段が所定値以上の電流を所定
時間以上連続して出力していることを電流検出手段が検
出しても、昇降用電動機の運転方向を反転させないか
ら、停電時電力供給手段、例えばバッテリの電気容量を
より一層小さく設定した場合でもエレベータの停電時救
出運転を確実に行うことができる。
【0017】また上記課題を解決する請求項7に記載の
発明は、請求項6に記載のエレベータの停電時救出運転
装置に、前記乗りかごの昇降速度を検出する昇降速度検
出手段をさらに設けるとともに、前記制御手段は、乗り
かごの昇降速度が増加していることを前記昇降速度検出
手段を検出した場合に、前記電流検出手段の検出結果に
かかわらず現在行っている救出運転を継続することを特
徴とする。すなわち、救出運転を開始した直後は乗りか
ごの昇降速度が増加するが、この状態においては一時的
に停電時電力供給手段が所定値以上の電流を所定時間以
上連続して出力する場合がある。このときに、電流検出
手段の検出結果に基づいて昇降用電動機の作動を一旦停
止させて運転方向を反転させたのでは、昇降用電動機を
力行側に運転することになる。そこで、乗りかごの昇降
速度が増加しない定常状態となったときに、電流検出手
段の検出結果に基づいて制御を行うことにより、より正
確な救出運転が可能となる。
【0018】また上記課題を解決する請求項8に記載の
発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載のエレベータ
の停電時救出運転装置において、前記停電時電力供給手
段を互いに直列に接続した複数のバッテリから構成する
ととともに、前記バッテリを個別に充電する充電手段を
さらに設けたことを特徴とする。すなわち、互いに直列
に接続された複数のバッテリ間から異なる電圧の複数の
電力を取り出して各種装置の電源として用いる場合に
は、各バッテリ毎に蓄えている電力に差が生じる。これ
により、直列に接続した複数のバッテリを全体的に一括
して充電したのでは過充電となるバッテリや充電不足と
なるバッテリが存在し、各バッテリの寿命を縮めてしま
う可能性がある。そこで、各バッテリを個別に充電する
充電手段を設けることにより、各バッテリの過充電や充
電不足を防止してバッテリの寿命低下を防止することが
できる。また、各バッテリの出力電圧をほぼ一定に維持
することができるから、異なる電圧の電力を産み出すた
めに複数の電源変換装置を設ける必要がなく、エレベー
タの停電時救出運転装置のより一層のコスト低減を図る
ことができる。
【0019】また上記課題を解決する請求項9に記載の
発明は、請求項1乃至8のいずれかに記載のエレベータ
の停電時救出運転装置において、昇降用電動機にインバ
ータを介して電力を供給するように構成するとともに、
前記インバータの電源整流ダイオードが、前記停電時電
力供給手段から前記インバータに電力を供給する回路に
設ける逆流防止ダイオードを兼ねるようにしたものであ
る。これによりエレベータの停電時救出運転装置のより
一層のコスト低減を図ることができる。
【0020】また上記課題を解決する請求項10に記載
の発明は、請求項1乃至9のいずれかに記載のエレベー
タの停電時救出運転装置において、停電時に乗りかごが
停止した位置を検出する位置検出手段をさらに設けると
ともに、前記制御手段は、停電時に乗りかごが停止した
位置に応じて実行する救出運転を選別することを特徴と
する。すなわち、停電時に乗りかごが各階床に対して所
定の近傍範囲内に停止した場合には、救出運転開始に伴
って昇降用電動機を力行側に運転することになってもそ
の階床に向かう方向に乗りかごを移動させる救出運転を
行う。これにより、乗りかごをより一層迅速に最寄りの
階床に着床させることができる。また、停電時に乗りか
ごが最上階より上方にずれて停止した場合には、乗りか
ごを無条件で降下させる救出運転を実行する。これによ
り、乗りかごが上昇して昇降路の最上端に衝突すること
を防止できる。同様に、停電時に乗りかごが最下階より
下方にずれて停止した場合には、乗りかごを無条件で上
昇させる救出運転を実行する。これにより、乗りかごが
降下して昇降路の最下端に衝突することを防止できる。
これに対して、停電時に乗りかごが各階床に対する所定
の近傍範囲を外れて各階床間に停止した場合は、乗りか
ごの昇降方向の反転を許容する救出運転を実行する。
【0021】また上記課題を解決する請求項11に記載
の発明は、請求項1乃至10のいずれかに記載のエレベ
ータの停電時救出運転装置において、前記制御手段およ
び前記停電時電力供給手段を、一つの雷サージ吸収装置
を介して常用電源に接続したことを特徴とする。これに
より、一つの雷サージ装置によって制御手段および停電
時電力供給手段を雷サージから保護することができるか
ら、エレベータの停電時救出運転装置のより一層のコス
ト低減を図ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るエレベータの
停電時救出運転装置の各実施形態を、図1乃至図14を
参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において
は、同一の部分には同一の符号を用いてその説明を簡単
なものとする。
【0023】第1実施形態 まず最初に図1乃至図5を参照し、請求項1に対応する
エレベータの停電時救出運転装置100について説明す
る。
【0024】図1に示したように、ロープ式エレベータ
1の乗りかご2はロープRを介して釣合おもり3に接続
されるとともに、昇降用電動機4の正逆両方向の回転に
よって昇降するようになっている。昇降用電動機4に駆
動電源電圧を供給するインバータ装置5の作動は、主制
御装置(制御手段)6から回路7を介して送られる制御
信号によって制御される。また、主制御装置6には、乗
りかご2に設けた荷重検出装置2aから信号回路2bを
介して荷重信号が入力し、救出運転開始時の昇降用電動
機の運転方向を決定するようになっている。また、常用
電源8が供給する電力の一部は、充電装置9を介して停
電時電力供給手段を構成するバッテリ30に蓄えられ、
停電時に備えている。なお、バッテリ30は、図15に
示した従来装置のバッテリ10に対し、そのバッテリ容
量が大幅に低減されている。
【0025】常用電源8が停電すると停電時電力供給用
コンタクタ11が自動的に閉じる。これにより、バッテ
リ30に蓄えられた停電時電力は回路12および回路1
3を介してインバータ装置5に供給されて三相交流に変
換され、駆動電源電圧として昇降用電動機4に供給され
る。なお、回路12の途中に介装されたダイオード14
は逆流防止ダイオードであり、かつインバータ装置5内
のダイオード15は電源整流ダイオードである。
【0026】バッテリ30に蓄えられた停電時電力は、
DC/DCコンバータ16によって変圧され、回路17
を介して主制御装置6に、回路18を介して電圧低下検
出装置19にそれぞれ制御電源電圧として供給される。
また、互いに直列に接続されたバッテリ31,32の接
続箇所から延びる回路33は前記回路14に接続され、
バッテリ31の電圧を電圧低下検出装置19に反映でき
るようになっている。さらに、電圧低下検出装置19に
は、インバータ装置5に内蔵された平滑コンデンサ20
の電圧が回路21を介して供給されている。そして電圧
低下検出装置19は、回路18を介して検出する制御電
源電圧および回路21を介して検出する駆動電源電圧の
少なくとも一方が所定の電圧より低下したことを検出す
ると、回路22を介して主制御装置6に警報を送る。
【0027】次に、本第1実施形態のエレベータの停電
時救出運転装置100におけるバッテリ30の容量の選
定方法について説明する。
【0028】図15に示した従来装置においては、救出
運転開始時に昇降用電動機4を誤って力行側に運転した
場合でも、救出運転を確実に行えるようにバッテリ10
の容量を選定する必要があるため、次式に基づいてバッ
テリ10の容量を選定していた。 C=(K/0.8)×I ……(1) ここで、Cはバッテリ容量、0.8は保守率、Kは容量
換算時間、Iはバッテリ最大出力電流である。
【0029】また、図2に示したように、乗りかごを最
大積載状態で上昇させる力行運転時の定常電流をIとす
るとともに、乗りかごの上昇速度をVとし、かつO.B
を乗りかご2と釣合おもり3との重量比を表すオーバー
バランスとした時のモータ容量Pが、 P=((1−O.B)W×V/6120) ……(2) となることより、バッテリ電圧をVBとすると、Iは、 I=(P+P0×0.1)/VB ……(3) だけ流れることになる。ここで、P0はモータ定格容
量、P0×0.1は銅損および鉄損を含めたモータ自体
の損失である。
【0030】これに対し本第1実施形態のエレベータの
停電時救出運転装置100においてバッテリ容量を選定
するときには、昇降用電動機の運転方法を以下のように
限定する。 停電時に乗りかごが各階床に対して所定の近傍範囲
内に停止したときは、昇降用電動機を力行側に運転して
でも最寄りの階床に着床させる。 停電時に乗りかごが各階床に対する所定の近傍範囲
を外れて各階床間に停止したときは、昇降用電動機を必
ず回生側に運転する。
【0031】このように運転方法を限定すると、上記
のように乗りかごが各階床に対して所定の近傍範囲内に
停止したときには、乗りかごを最寄りの階床まで短い距
離だけ移動させれば良い。これにより、昇降用電動機を
力行側に運転しても、図3に示したように救出運転開始
後10秒以内には乗りかごを最寄りの階床に着床させる
ことができる。また、上記のように乗りかごが各階床
に対する所定の近傍範囲を外れて各階床間に停止したと
きには、昇降用電動機を回生側に運転するので、バッテ
リ電流は乗りかごが加減速するときにのみ流れる。した
がって、本第1実施形態のエレベータの停電時救出運転
装置100におけるバッテリ容量は、図3に示したバッ
テリ電流を流せるだけのバッテリ容量であれば充分であ
る。
【0032】このように昇降用電動機を力行側に運転す
る場合でも、乗りかごが最寄りの階床に着床するまでの
約10秒間だけ駆動電源電圧の供給を保証できるバッテ
リ容量を選定すれば、図4に示すようなバッテリ電圧の
低下を考慮しても、バッテリ容量をCとした場合にI=
6C〜10Cとなる容量のバッテリを選定すれば良く、
従来の装置に比較してバッテリ容量を大幅に低減するこ
とができる。
【0033】しかしながら、上述したようにぎりぎりの
バッテリ容量を選定した場合には、昇降用電動機を力行
側に継続して運転すると、バッテリが供給する電力の電
圧値および電流値がさらに低くなってしまう。そして、
バッテリ30が主制御装置6に供給する制御電源電圧お
よびインバータ装置5に供給する駆動電源電圧が急激に
低下すると、それ以降の救出運転が不可能となってしま
う。そこで、このような救出運転不能状態を回避するた
め、本第1実施形態のエレベータの停電時救出運転装置
100の主制御装置6は以下のように作動する。
【0034】すなわち、図5に示したフローチャート図
のステップ(以下Sで表す)1において停電発生を認め
ると、S2において停電時救出運転装置を起動する。次
いでS3において、乗りかごに設けた荷重検出装置2a
から信号回路2bを介して入力する荷重信号に基づき、
乗りかご2若しくは釣合おもり3のいずれか重い方を降
下させる回生側を判別し、昇降用電動機4の運転方向を
決定する。このとき、荷重検出装置2aの故障や誤作動
若しくは荷重信号に含まれるノイズの影響等により、昇
降用電動機4を誤って力行側に起動すると、バッテリ3
0の容量不足による電圧低下によって救出運転が途中で
停止する可能性がある。そこで、S5において電圧低下
検出装置19は、回路18を介して検出する制御電源電
圧および回路21を介して検出する駆動電源電圧の少な
くとも一方が所定の電圧より低下しているか否かを判別
する。そして、電圧低下を検出すると電圧低下検出装置
19は回路22を介して主制御装置6に警報を送る。
【0035】主制御装置6は、電圧低下検出装置19か
ら電圧低下の警報が入力すると、昇降用電動機4が誤っ
て力行側に運転されていると判別し、S6において昇降
用電動機4の運転を一旦停止させた後、昇降用電動機4
を反対方向に運転する。そして、S7に進んで昇降用電
動機4を反対方向に運転する救出運転を継続する。その
後、S8において乗りかご2が最寄りの階床に着床した
か否かを判別し、判別結果がYESとなるまでS5〜S
8に至るルーチンを継続して救出運転を完了する。な
お、昇降用電動機4を回生側に運転すると電動機の負荷
は力行時に比較して低減されるから、バッテリ30の電
圧が低下する割合も大幅に低くなり、S5においてバッ
テリ30の電圧低下を繰り返し検出し、そのたびにS6
に進んで昇降用電動機の運転方向を繰り返し反転させる
状態に陥ることはない。
【0036】すなわち、本第1実施形態のエレベータの
停電時救出運転装置100は、救出運転を開始する際に
昇降用電動機4を誤って力行側に運転しても、電圧低下
検出装置19が電圧低下を検出しない限り救出運転を継
続するものであるから、バッテリ30が供給する制御電
源電圧若しくは駆動電源電圧の低下を検出するという極
めて簡単な構造でありながら、救出運転をスムーズに行
うことができる。また、昇降用電動機4を力行側に運転
したことに起因して電圧低下検出装置19が電圧低下を
検出した場合には、主制御装置6が昇降用電動機4の作
動を停止させた後に昇降用電動機4を反対方向すなわち
回生側に運転するので、バッテリ30の電気容量をより
一層小さく設定した場合でもエレベータの停電時救出運
転を確実に行うことができる。
【0037】第2実施形態 次に図6を参照し、請求項2に対応するエレベータの停
電時救出運転装置200について説明する。
【0038】上述した第1実施形態のエレベータの停電
時救出運転装置100は、電圧低下検出装置19がバッ
テリ30の電圧低下を検出すると、主制御装置6が昇降
用電動機4の作動を停止させた後に昇降用電動機4を反
対方向、すなわち回生側に運転する構造となっている。
一方、昇降用電動機4を回生側に運転するとバッテリ3
0は充電され、通常はその電圧が高まるが、乗りかごを
回生側に加速させる際には図3に示したようにバッテリ
30が電流を供給することになる。そして、乗りかご2
の荷重状況によっては乗りかごを回生側に加速させる際
にバッテリ30が供給する電流が大きくなり、バッテリ
30の電圧が所定値以下に再度低下する場合もあると考
えられる。この場合、昇降用電動機4が今度は力行側に
運転されるので、救出運転をスムーズに行えなくなって
しまう。
【0039】そこで、本第2実施形態のエレベータの停
電時救出運転装置200においては、救出運転開始後に
バッテリ30の電圧低下を検出して昇降用電動機4の運
転方向を一旦反転させた後には、バッテリ30の電圧低
下を再度検出しても昇降用電動機4の運転方向を反転さ
せない構造とした。
【0040】すなわち、図6に示したように、S6にお
いて昇降用電動機4の運転を一旦停止させて昇降用電動
機4を反対方向に運転した後には、第1実施形態とは異
なってS7には進まず、S18において乗りかご2が最
寄りの階床に着床したか否かを判別した結果がYESと
なるまでS17からS18に至るルーチンを継続して救
出運転を完了する。これにより、昇降用電動機4を回生
側に運転しているときに何らかの理由により電圧低下検
出装置19が電圧低下を検出しても、昇降用電動機4の
運転方向が力行側に反転しないから、バッテリ30の電
気容量をより一層小さく設定した場合でもエレベータの
停電時救出運転を確実に行うことができる。
【0041】第3実施形態 次に図7を参照し、請求項3に対応するエレベータの停
電時救出運転装置300について説明する。
【0042】本第3実施形態のエレベータの停電時救出
運転装置300は、上述した第1実施形態若しくは第2
実施形態のエレベータの停電時救出運転装置100,2
00に、乗りかご2の昇降速度を検出する昇降速度検出
手段をさらに設けるとともに、乗りかご2の昇降速度が
増加していることを昇降速度検出手段が検出したときに
は、主制御装置6が電圧低下検出装置19の検出結果に
かかわらず現在行っている救出運転を継続するようにし
たものである。
【0043】すなわち、救出運転を開始した直後は乗り
かご2の昇降速度が増加するが、この場合には一時的に
バッテリ30の出力電圧が所定値以下になることがあ
る。このときに電圧低下検出装置19の検出結果に基づ
いて昇降用電動機4の作動を一旦停止させて運転方向を
反転させたのでは、昇降用電動機4を力行側に運転して
しまう。そこで、乗りかご2の昇降速度が増加しない定
常状態となったときに、電圧低下検出装置19の検出結
果に基づいて制御を行うことにより、より正確な救出運
転を行うことができる。なお、乗りかごの昇降速度を検
出する昇降速度検出手段としては、例えば昇降用電動機
4と一体に回転するシーブの回転数を検出する装置、若
しくは乗りかご2の昇降を案内するガイドレール上を転
動するローラの回転数を検出する装置等を用いることが
できる。
【0044】このような制御を図7を参照して説明する
と、図7に示したフローチャート図のS21において停
電発生を認めると、S22において停電時救出運転装置
を起動する。次いでS23において、乗りかごに設けた
荷重検出装置2aから信号回路2bを介して入力する荷
重信号に基づき、乗りかご2若しくは釣合おもり3のい
ずれか重い方を降下させる回生側を判断し、昇降用電動
機4の運転方向を決定する。そして、S24において昇
降用電動機4を起動した後、S25において乗りかごの
昇降速度を調べて乗りかご2が加速中であるか否かを判
別する。この判別結果がYESの場合にはS26に進ん
で電圧低下検出装置19の作動を停止させ、若しくは電
圧低下検出装置19から送られる信号を無視して処理し
ないようにした後、S30に進む。これに対して、S2
5における判別結果がNOの場合には、S27に進んで
電圧低下検出装置19を作動させ、若しくは電圧低下検
出装置19から送られる信号に基づいた制御を開始す
る。
【0045】S28において電圧低下検出装置19は、
回路18を介して検出する制御電源電圧および回路21
を介して検出する駆動電源電圧の少なくとも一方が所定
の電圧より低下しているか否かを判別する。そして、判
別結果がYESの場合は電圧低下検出装置19は回路2
2を介して主制御装置6に警報を送る。主制御装置6
は、電圧低下検出装置19から電圧低下の警報が入力す
ると昇降用電動機4が誤って力行側に運転されていると
判断し、S29に進んで昇降用電動機4の運転を一旦停
止させた後、昇降用電動機4を反対方向に運転する。そ
して、S30に進んで昇降用電動機4を反対方向に運転
する救出運転を継続する。S28における判別結果がN
Oの場合には、昇降用電動機4を反対方向に運転するこ
となくS30に進んで救出運転を継続する。その後、S
31において乗りかご2が最寄りの階床に着床したか否
かを判別し、その判別結果がYESとなるまでS25〜
S31に至るルーチンを継続し、救出運転を完了する。
【0046】すなわち、本第3実施形態のエレベータの
停電時救出運転装置300は、乗りかご2の昇降速度が
増加しない定常状態となったときに電圧低下検出装置1
9の検出結果に基づいて制御を行うので、乗りかご2が
加速しているときに生じるバッテリ30の電圧降下を無
視してバッテリ30の真の電圧低下を検出できる。これ
により、バッテリ30の容量をより一層低減させた場合
でも、エレベータの停電時救出運転をより正確に行うこ
とができる。
【0047】第4実施形態 次に図8を参照し、請求項4に対応するエレベータの停
電時救出運転装置400について説明する。
【0048】図8に示したエレベータの停電時救出運転
装置400は、互いに直列に接続されたバッテリ31,
32の接続箇所より延びる回路34を直接主制御装置6
に接続した点と、前記回路34から分岐して電圧低下検
出装置19に至る回路35の途中に定電圧出力装置36
を設けた点の2点において、図1に示したエレベータの
停電時救出運転装置100と異なっている。
【0049】これにより、電圧低下検出装置19に入力
する制御電源電圧は定電圧出力装置36によってバック
アップされて低下しないから、電圧低下検出装置19は
バッテリ30から供給される制御電源電圧の低下を検出
できなくなる。したがって、電圧低下検出装置19は、
回路21を介してバッテリ30がインバータ装置5に供
給する駆動電源電圧の低下のみを検出するので、バッテ
リ30が昇降用電動機4に供給する駆動電源電圧が所定
値以下になるまで救出運転を継続できることとなり、バ
ッテリ30の電気容量を無駄なく使用できるから、バッ
テリ30の電気容量をより一層小さくすることができ
る。また、電圧低下検出装置19に制御電源電圧を供給
する回路35の途中にのみ定電圧出力装置36を設ける
ので、電圧低下検出装置19を小型のものとし、より一
層のコスト低減を図ることができる。
【0050】なお、バッテリ30の出力電圧低下に伴
い、主制御装置6および電圧低下検出装置19に供給す
る制御電源電圧もやがては低下するが、主制御装置6お
よび電圧低下検出装置19は共に制御電源電圧がある程
度低下しても正常に動作できるように構成する。
【0051】第5実施形態 次に図9および図10を参照し、請求項5乃至7に対応
するエレベータの停電時救出運転装置500について説
明する。
【0052】図9に示したエレベータの停電時救出運転
装置500は、図1に示した第1実施形態のエレベータ
の停電時救出運転装置100に対し、バッテリ30から
インバータ装置5に供給する駆動電源電圧の低下および
主制御装置6に供給する制御電源電圧の低下を検出する
電圧低下検出装置19に代え、バッテリ30からインバ
ータ装置5に駆動電源電圧を供給する回路12に流れる
電流を監視する電流検出装置40を設けた点で異なって
いる。
【0053】前記電流検出装置40は、インバータ装置
5に駆動電源電圧を供給する回路12にバッテリ30が
所定値以上の電流を所定時間以上連続して出力している
ことを検出すると、回路41を介して主制御装置6に警
報を送るように構成されている。 また、主制御装置6
は、この警報を受け取ると昇降用電動機4の作動を一旦
停止させた後、昇降用電動機の運転方向を反転させて救
出運転を再開するように構成されている。
【0054】次に、図10に示したフローチャート図を
参照し、主制御装置6の制御の流れを説明する。
【0055】主制御装置6は、S40において停電発生
を認めるとS41において停電時救出運転装置を起動す
る。次いでS42において、乗りかごに設けた荷重検出
装置2aから信号回路2bを介して入力する荷重信号に
基づき、乗りかご2若しくは釣合おもり3のいずれか重
い方を降下させる回生側を判断して昇降用電動機4の運
転方向を決定した後、S43において昇降用電動機4を
起動する。このとき、荷重検出装置2aの故障や誤作動
若しくは荷重信号に含まれるノイズの影響等により昇降
用電動機4を誤って力行側に運転すると、バッテリ30
の容量不足による電圧低下によって救出運転が途中で停
止する可能性がある。
【0056】そこで、電流検出装置40はS44におい
て、インバータ装置5に駆動電源電圧を供給する回路1
2にバッテリ30が所定値以上の電流を所定時間以上連
続して出力しているか否かを判別する。この判別結果が
YESの場合には、昇降用電動機4を誤って力行側に運
転した場合であるから、S45において昇降用電動機4
の運転を一旦停止させた後、昇降用電動機4を反対方向
に運転する。そして、S46に進んで昇降用電動機4を
反対方向に運転する救出運転を継続しつつ、S47にお
ける判別結果がYESとなるまでS46〜S47に至る
ルーチンを継続して救出運転を完了する。これに対し
て、S44の判別結果がNOの場合には、昇降用電動機
4の運転方向を反転させることなくS48に進み、S4
9における判別結果がYESとなるまでS44〜S49
に至るルーチンを継続して救出運転を完了する。
【0057】すなわち、ロープ式エレベータにおいて乗
りかご2および釣合おもり3のいずれか重い方を上昇さ
せる側、すなわち力行側に昇降用電動機4を運転する際
には、バッテリ30から昇降用電動機4に駆動電源電圧
を供給しなければならないから、バッテリ30は所定値
以上の電流を所定時間以上連続して出力する。これに対
して、乗りかご2および釣合おもり3のいずれか重い方
を降下させる側、すなわち回生側に昇降用電動機4を運
転する際には、バッテリ30が所定値以上の電流を所定
時間以上連続して出力することはない。このとき、本第
5実施形態のエレベータの停電時救出運転装置500
は、救出運転を開始する際に昇降用電動機4を誤って力
行側に運転しても、バッテリ30が所定値以上の電流を
所定時間以上連続して出力していることを電流検出装置
40が検出しない限り救出運転を継続するので、バッテ
リ30が出力する電流を監視するという極めて簡単な構
造でありながら救出運転をスムーズに行うことができ
る。また、バッテリ30が所定値以上の電流を所定時間
以上連続して出力すると、主制御装置6は昇降用電動機
4の作動を一旦停止させた後に昇降用電動機4を反対方
向に運転するので、バッテリ30の電気容量をより一層
小さく設定した場合でもエレベータの停電時救出運転を
確実に行うことができる。
【0058】加えて、本第5実施形態のエレベータの停
電時救出運転装置500においては、主制御装置6は、
救出運転開始後に昇降用電動機4の運転方向を一旦反転
させた後に、昇降用電動機4の運転方向を再反転させる
ことはない。これにより、救出運転開始後に昇降用電動
機4の運転方向を一旦反転させて回生側に運転している
ときに、何らかの理由によりバッテリ30が所定値以上
の電流を所定時間以上連続して出力したことを電流検出
装置40が検出しても、昇降用電動機4の運転方向が再
反転して力行側に運転することがない。したがって、本
第5実施形態のエレベータの停電時救出運転装置500
によれば、停電時におけるエレベータの救出運転をスム
ーズに行えるだけでなく、バッテリ30の電気容量をよ
り一層小さく設定した場合でもエレベータの停電時救出
運転を確実に行うことができる。
【0059】なお、本第5実施形態上述のエレベータの
停電時救出運転装置500に、前述した第3実施形態の
エレベータの停電時救出運転装置300と同様に、乗り
かご2の昇降速度を検出する昇降速度検出手段をさらに
設けるとともに、この昇降速度検出手段を介して乗りか
ご2の昇降速度が増加していることを検出したときに
は、電流検出装置40の作動を停止させ、若しくは電流
検出装置40の検出結果にかかわらず、現在行っている
救出運転を継続するようにすることができる。
【0060】すなわち、救出運転を開始した直後は乗り
かご2の昇降速度が増加するが、この状態においては一
時的にバッテリ30が所定値以上の電流を所定時間以上
連続して出力することになる。このときに電流検出装置
40の検出結果に基づいて昇降用電動機4の作動を一旦
停止させて運転方向を反転させたのでは、昇降用電動機
4を力行側に運転してしまう場合が生じる。そこで、乗
りかご2の昇降速度が増加しない定常状態となったとき
に、電流検出装置40検出結果に基づいて昇降用電動機
の作動を制御することにより、より一層正確な救出運転
が可能となる。
【0061】第6実施形態 次に図11を参照し、請求項8に対応するエレベータの
停電時救出運転装置600について説明する。
【0062】図11に示したエレベータの停電時救出運
転装置600においては、停電時電力供給手段としての
バッテリ50が、複数のバッテリ50a,50b,50
cを互いに直列に接続した構造となっている。そして、
バッテリ50aから得られる低い電圧の制御電源電圧
は、回路51を介して主制御装置6に直接供給されると
ともに、DC/DCコンバータ16によって電圧を変化
させた後に回路52を介して主制御装置6に供給されて
いる。同様に、バッテリ50aおよび50bから得られ
る高い電圧の制御電源電圧は、回路53を介して主制御
装置6に直接供給されている。さらに、バッテリ50の
全体から得られる駆動電源電圧は、回路12および13
を介してインバータ装置5に供給されている。
【0063】このように、互いに直列に接続したバッテ
リ50a,50b,50c間から異なる電圧の複数の電
力を取り出して主制御装置6の各部位の電源として用い
る場合には、各バッテリ50a,50b,50c毎に蓄
えている電力に差が生じる。したがって、互いに直列に
接続したバッテリ50a,50b,50cの全体を充電
装置を用いて一括して充電したのでは、過充電となるバ
ッテリや充電不足となるバッテリが存在し、各バッテリ
の寿命を縮めてしまう可能性がある。
【0064】そこで、本第6実施形態のエレベータの停
電時救出運転装置600のバッテリ充電装置60は、直
列に接続した複数のバッテリ50a,50b,50cを
それぞれ個別に充電するバッテリ充電装置60a,60
b,60cを備えている。これにより、各バッテリ50
a,50b,50cの過充電や充電不足を防止して、バ
ッテリの寿命低下を防止することができる。また、各バ
ッテリ50a,50b,50cの出力電圧をほぼ一定に
維持することができるから、異なる電圧の電力を産み出
すために複数のDC/DCコンバータを設ける必要がな
く、エレベータの停電時救出運転装置600のより一層
のコスト低減を図ることができる。
【0065】第7実施形態 次に図12を参照し、請求項9に対応するエレベータの
停電時救出運転装置700について説明する。
【0066】図12に示したエレベータの停電時救出運
転装置700は、バッテリ30のプラス出力側を、図1
に示した第1実施形態のエレベータの停電時救出運転装
置100のように回路12の途中に設けた逆流防止ダイ
オード14を介しインバータ装置5に接続するのではな
く、インバータ装置5内の電源整流ダイオード15の1
次側に回路12を介して直接接続したものである。これ
により、逆流防止ダイオード14の削除が可能となるの
で、より一層のコスト低減を図ることができる。
【0067】第8実施形態 次に図13を参照し、請求項10に対応するエレベータ
の停電時救出運転装置800について説明する。
【0068】前述した第1実施形態のエレベータの停電
時救出運転装置100は、バッテリが供給する制御電源
電圧若しくは駆動電源電圧が所定値以下に低下した場合
に、昇降用電動機を誤って力行側に起動したと判断し、
昇降用電動機の作動を一旦停止させた後、無条件で昇降
用電動機の回転方向を反転させるものであった。これに
対して、本第8実施形態のエレベータの停電時救出運転
装置800は、停電時に乗りかごが停止した位置に応じ
て救出運転方法を選別して実行する。
【0069】すなわち、停電時に乗りかごが各階床に対
して所定の近傍範囲内に停止した場合には、救出運転開
始に伴って昇降用電動機を力行側に運転してでも、その
階床に向かう方向に乗りかごを昇降させる。また、停電
時に乗りかごが最上階より上方にずれて停止した場合に
は、救出運転の開始時に乗りかごを無条件で降下させ
る。同様に、停電時に乗りかごが最下階より下方にずれ
て停止した場合には、救出運転の開始時に乗りかごを無
条件で上昇させる。したがって、以上の場合には、乗り
かごの昇降方向反転を一切禁止する所定の救出運転を実
行する。これに対して、停電時に乗りかごが各階床毎の
所定の近傍範囲を外れて各階床間に停止した場合は、乗
りかごの昇降方向反転を許容する通常の救出運転を実行
する。
【0070】このような制御を図13に示したフローチ
ャート図を用いて説明すると、S51において停電発生
が認められ、S52において停電時救出運転装置を起動
すると、S53において乗りかごの停電時停止位置が制
限範囲内にあるか否かを判別する。このため、本第8実
施形態のエレベータの停電時救出運転装置800は、乗
りかごの停電時停止位置を検出するための停止位置検出
手段を備える。なお、乗りかごの停電時の停止位置を検
出する停止位置検出手段としては、従来用いられている
リミットスイッチ等の機械式のもの、若しくは乗りかご
に設けた部材が光線を遮ることにより作動する光学式の
ものを用いることができる。そして、乗りかごが停電時
に所定範囲内、すなわち各階床に対する所定の近傍範囲
内および最上階より上方若しくは最下階より下方に停止
していると判別されると、S54において乗りかごの昇
降方向反転を一切禁止する。次いでS55に進み、乗り
かごの停止位置に応じた所定の救出運転方法を選択して
実行する。これに対して、乗りかごの停電時停止位置が
前記所定範囲を外れていると判別した場合は、S56に
おいて乗りかごの昇降方向反転を許容する。次いで、S
57に進み、例えば前述した第1実施形態で説明したよ
うな通常の救出運転を実行する。
【0071】第9実施形態 次に図14を参照し、請求項11に対応するエレベータ
の停電時救出運転装置900について説明する。
【0072】本第9実施形態のエレベータの停電時救出
運転装置900は、落雷に伴って常用電源回路に生じる
高電圧のパルス波を吸収する雷サージ吸収装置を、主制
御装置6と充電装置9とで共用することにより、より一
層のコスト低減を図ったものである。このため、図14
に示したように、停電復旧時に常用電源8から充電装置
9に常用電力を供給する回路81の途中には、常閉リレ
ー接点81と第2リレー装置82とが設けられている。
また、常用電源8からインバータ装置5に常用電力を供
給する回路83の途中には、第1の常開リレー接点84
が設けられている。また、前記回路83から分岐して主
制御装置6に常用電力を供給する回路85の途中には雷
サージ吸収装置86が設けられている。また、回路80
と回路85とを接続する回路87の途中には、第2の常
開リレー接点88が設けられている。さらに、回路85
から図示されない他の装置に至る回路89の途中には第
1リレー装置90が設けられている。
【0073】停電が復旧した直後には、図13中に符号
Aを付して2点鎖線で示したように、常用電源8から回
路80を介して充電装置9に常用電力が供給される。こ
れに伴い第2リレー装置82が励磁されて第1および第
2の常開リレー接点84,88が閉じるので、図13中
に符号Bを付して点線で示したように、常用電源8から
インバータ装置5、雷サージ吸収装置86、主制御装置
6、充電装置9にそれぞれ常用電力が供給される。する
と今度は第1リレー装置90が励磁されて常閉リレー接
点81が開くので、充電装置9には雷サージ吸収装置8
6を経由した常用電力が供給される。
【0074】これにより、一つの雷サージ吸収装置86
を介して主制御装置6および充電装置9に常用電力を供
給できるから、主制御装置6および充電装置9にそれぞ
れ雷サージ吸収装置を設ける場合に比較し、より一層の
コスト低減を図ることができる。
【0075】以上、本発明に係るエレベータの停電時救
出運転装置の各実施形態ついて詳しく説明したが、本発
明は上述した実施形態によって限定されるものではな
く、種々の変更が可能であることは言うまでもない。例
えば、停電時電力供給手段としてバッテリを用いている
が、バッテリの他に他の種類の二次電池を用いることが
できる。
【0076】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のエレベータの停電時救出運転装置は、救出運転を開始
する際に昇降用電動機を誤って力行側に運転しても、停
電時電力供給手段が供給する電力の電圧低下を電圧低下
検出手段が検出しない限り救出運転を継続するものであ
るから、停電時電力供給手段が供給する電力の電圧低下
を検出するという極めて簡単な構造でありながら、救出
運転をスムーズに行うことができる。また、停電時電力
供給手段が供給する電力の電圧が所定値以下になると、
昇降用電動機の作動を停止させた後に昇降用電動機を反
対方向に運転するので、停電時電力供給手段、例えばバ
ッテリの電気容量をより一層小さく設定することができ
る。また、昇降用電動機を回生側に運転しているときに
何らかの理由により電圧低下検出手段が電圧低下を検出
しても、昇降用電動機の運転方向を力行側に反転させな
いから、停電時電力供給手段、例えばバッテリの電気容
量をより一層小さく設定した場合でもエレベータの停電
時救出運転を確実に行うことができる。また、救出運転
を開始した後、乗りかごの昇降速度が増加しない定常状
態となったときに電圧低下検出手段の検出結果に基づい
て制御を行うので、より正確な救出運転を行うことがで
きる。また、停電時電力供給手段が昇降用電動機に供給
する駆動電源電圧の低下のみを検出するから、停電時電
力供給手段が昇降用電動機に供給する駆動電源電圧が所
定値以下になるまで救出運転を継続できる。これによ
り、停電時電力供給手段の電気容量を無駄なく使用でき
ることとなって、停電時電力供給手段をより一層小型化
することができる。同じく、本発明のエレベータの停電
時救出運転装置は、救出運転を開始する際に昇降用電動
機を誤って力行側に運転しても、停電時電力供給手段が
所定値以上の電流を所定時間以上連続して出力している
ことを電流検出手段が検出しない限り現在行っている救
出運転を継続するので、停電時電力供給手段が出力する
電流を監視するという極めて簡単な構造でありながら救
出運転をスムーズに行うことができる。一方、停電時電
力供給手段が所定値以上の電流を所定時間以上連続して
出力すると、制御手段は昇降用電動機の作動を停止させ
た後に昇降用電動機の運転方向を反転させるので、停電
時電力供給手段、例えばバッテリの電気容量をより一層
小さく設定することができる。また、昇降用電動機を回
生側に運転しているときに、何らかの理由により停電時
電力供給手段が所定値以上の電流を所定時間以上連続し
て出力していることを電流検出手段が検出しても、昇降
用電動機の運転方向を反転させないから、停電時電力供
給手段、例えばバッテリの電気容量をより一層小さく設
定することができる。また、救出運転を開始した後、乗
りかごの昇降速度が増加しない定常状態となったときに
電流検出手段の検出結果に基づいて制御を行うので、よ
り正確な救出運転を行うことができる。さらに、互いに
直列に接続した複数のバッテリを個別に充電する充電手
段を設けるので、各バッテリの過充電や充電不足を防止
してバッテリの寿命低下を防止できる。また、各バッテ
リの出力電圧をほぼ一定に維持することができるから、
異なる電圧の電力を産み出すために複数の電源変換装置
を設ける必要がなく、エレベータの停電時救出運転装置
のより一層のコスト低減を図ることができる。さらに、
昇降用電動機に駆動電源電圧を供給するインバータの電
源整流ダイオードが、停電時電力供給手段からインバー
タに電力を供給する回路に設ける逆流防止ダイオードを
兼ねるから、より一層のコスト低減を図ることができ
る。さらに、停電時に乗りかごが停止した位置に応じて
実行する救出運転を選別するので、乗りかごを最寄りの
階床に迅速に着床させることができるばかりでなく、乗
りかごが昇降路の最上端や最下端に衝突することを確実
に防止することができる。加えて、制御手段および停電
時電力供給手段を一つの雷サージ吸収装置を介して常用
電源に接続するので、エレベータの停電時救出運転装置
のより一層のコスト低減を図ることができる。したがっ
て、本発明によれば、非常用電源としてのバッテリの容
量を小さくすることにより製造コストおよび設置スペー
スを低減できるばかりでなく、スムーズな救出運転が可
能で、かつ構造が簡単で保守性にも優れたエレベータの
救出運転装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態の停電時救出運転装
置の構成を示すブロック図。
【図2】従来の停電時救出運転装置における乗りかご速
度パターンとバッテリ電流との関係を示す線図。
【図3】本発明に係る停電時救出装置における乗りかご
速度パターンとバッテリ電流との関係を示す線図。
【図4】バッテリの放電特性の一例を示す線図。
【図5】本発明に係る第1実施形態の停電時救出運転装
置の作動を示すフローチャート図。
【図6】本発明に係る第2実施形態の停電時救出運転装
置の作動を示すフローチャート図。
【図7】本発明に係る第3実施形態の停電時救出運転装
置の作動を示すフローチャート図。
【図8】本発明に係る第4実施形態の停電時救出運転装
置の構成を示すブロック図。
【図9】本発明に係る第5実施形態の停電時救出運転装
置の構成を示すブロック図。
【図10】本発明に係る第5実施形態の停電時救出運転
装置の作動を示すフローチャート図。
【図11】本発明に係る第6実施形態の停電時救出運転
装置の構成を示すブロック図。
【図12】本発明に係る第7実施形態の停電時救出運転
装置の構成を示すブロック図。
【図13】本発明に係る第8実施形態の停電時救出運転
装置の作動を示すフローチャート図。
【図14】本発明に係る第9実施形態の停電時救出運転
装置の構成を示すブロック図。
【図15】従来の停電時救出運転装置の構成を示すブロ
ック図。
【符号の説明】
1 ロープ式エレベータ 2 乗りかご 2a 荷重検出装置 3 釣合おもり 4 昇降用電動機 5 インバータ装置 6 主制御装置(制御手段) 8 常用電源 9 充電装置 10 バッテリ 11 停電時電力供給用コンタクタ 14 逆流防止ダイオード 15 電源整流ダイオード 16 DC/DCコンバータ 19 電圧低下検出装置 20 平滑コンデンサ 30 停電時電力供給装置(バッテリ) 31,32 バッテリ 36 定電圧出力装置 40 電流検出装置 50 バッテリ 60 バッテリ充電装置 81 常閉リレー接点 83 第2リレー装置 84 常開リレー接点 86 雷サージ吸収装置 88 常開リレー接点 89 第1リレー装置 100 第1実施形態のエレベータの停電時救出運転装
置 200 第2実施形態のエレベータの停電時救出運転装
置 300 第3実施形態のエレベータの停電時救出運転装
置 400 第4実施形態のエレベータの停電時救出運転装
置 500 第5実施形態のエレベータの停電時救出運転装
置 600 第6実施形態のエレベータの停電時救出運転装
置 700 第7実施形態のエレベータの停電時救出運転装
置 800 第8実施形態のエレベータの停電時救出運転装
置 900 第9実施形態のエレベータの停電時救出運転装
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 園 田 道 吉 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 Fターム(参考) 3F304 CA05 EB11 EB14 EC05 EC06

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乗りかごおよび釣合おもりを有したロープ
    式エレベータの停電時に乗りかごを昇降させて最寄りの
    階床に着床させる救出運転を行う停電時救出運転装置で
    あって、 停電時に電力を供給する停電時電力供給手段と、 昇降用電動機の作動を制御する制御手段と、 前記停電時電力供給手段から前記制御手段に供給する制
    御電源電圧および前記停電時電力供給手段から前記昇降
    用電動機に供給する駆動電源電圧の少なくとも一方が所
    定値より低下したことを検出する電圧低下検出手段と、
    を備え、 前記制御手段は、前記制御電源電圧および前記駆動電源
    電圧の少なくとも一方が前記所定値より低下したことを
    前記電圧低下検出手段が検出すると、前記昇降用電動機
    を反対方向に運転して救出運転を再開することを特徴と
    するエレベータの停電時救出運転装置。
  2. 【請求項2】前記制御手段は、救出運転開始後に昇降用
    電動機の運転方向を一旦反転させた場合は、前記停電時
    電力供給手段が供給する前記制御電源電圧若しくは前記
    駆動電源電圧が前記所定値より低下したことを前記電圧
    低下検出手段が再度検出しても、昇降用電動機の運転方
    向を反転させることなく救出運転を継続することを特徴
    とする請求項1に記載のエレベータの停電時救出運転装
    置。
  3. 【請求項3】前記乗りかごの昇降速度を検出する昇降速
    度検出手段をさらに備えるとともに、前記制御手段は、
    乗りかごの昇降速度が増加していることを前記昇降速度
    検出手段が検出した場合に、前記電圧低下検出手段の検
    出結果にかかわらず現在行っている救出運転を継続する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のエレベータ
    の停電時救出運転装置。
  4. 【請求項4】前記停電時電力供給手段が前記制御手段に
    供給する制御電源電圧を一定に保つ定電圧回路をさらに
    備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記
    載のエレベータの停電時救出運転装置。
  5. 【請求項5】乗りかごおよび釣合おもりを有したロープ
    式エレベータの停電時に、乗りかごを昇降させて最寄り
    の階床に着床させる救出運転を行う停電時救出運転装置
    であって、 停電時に電力を供給する停電時電力供給手段と、 昇降用電動機の作動を制御する制御手段と、 前記停電時電力供給手段が出力する電流を監視する電流
    検出手段と、を備え、 前記制御手段は、前記停電時電力供給手段が救出運転中
    に所定値以上の電流を所定時間以上連続して出力してい
    ることを前記電流検出手段が検出すると、昇降用電動機
    の運転方向を反転させて救出運転を再開することを特徴
    とするエレベータの停電時救出運転装置。
  6. 【請求項6】前記制御手段は、救出運転開始後に昇降用
    電動機の運転方向を一旦反転させた後に、前記停電時電
    力供給手段が所定値以上の電流を所定時間以上連続して
    出力していることを前記電流検出手段が再度検出して
    も、昇降用電動機の運転方向を反転させることなく現在
    行っている救出運転を継続することを特徴とする請求項
    5に記載のエレベータの停電時救出運転装置。
  7. 【請求項7】前記乗りかごの昇降速度を検出する昇降速
    度検出手段をさらに備えるとともに、前記制御手段は、
    乗りかごの昇降速度が増加していることを前記昇降速度
    検出手段を検出した場合に、前記電流検出手段の検出結
    果にかかわらず現在行っている救出運転を継続すること
    を特徴とする請求項6に記載のエレベータの停電時救出
    運転装置。
  8. 【請求項8】前記停電時電力供給手段を互いに直列に接
    続した複数のバッテリから構成するととともに、前記バ
    ッテリを個別に充電する充電手段をさらに備えることを
    特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のエレベー
    タの停電時救出運転装置。
  9. 【請求項9】前記昇降用電動機にインバータを介して駆
    動電源電圧を供給するように構成するとともに、前記イ
    ンバータの電源整流ダイオードが、前記停電時電力供給
    手段が前記インバータに電力を供給する回路に設ける逆
    流防止ダイオードを兼ねることを特徴とする請求項1乃
    至8のいずれかに記載のエレベータの停電時救出運転装
    置。
  10. 【請求項10】停電時に乗りかごが停止した位置を検出
    する位置検出手段をさらに備えるとともに、前記制御手
    段は、停電時に乗りかごが停止した位置に応じて実行す
    る救出運転方法を選別して実行することを特徴とする請
    求項1乃至9のいずれかに記載のエレベータの停電時救
    出運転装置。
  11. 【請求項11】前記制御手段および前記停電時電力供給
    手段を、一つの雷サージ吸収装置を介して常用電源に接
    続したことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに
    記載のエレベータの停電時救出運転装置。
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