JP2001110010A - 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法

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JP2001110010A JP29029299A JP29029299A JP2001110010A JP 2001110010 A JP2001110010 A JP 2001110010A JP 29029299 A JP29029299 A JP 29029299A JP 29029299 A JP29029299 A JP 29029299A JP 2001110010 A JP2001110010 A JP 2001110010A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録ヘッドの記録動作に起因する再生ヘッド
におけるノイズおよび出力変動を低減できるようにす
る。 【解決手段】 再生ヘッドは下部シールド層3とMR素
子5と上部シールド層(下部磁極層)8を有している。
記録ヘッドは、下部磁極層(上部シールド層8)と、上
部磁極層13と、2つの磁極層の磁極部分の間に設けら
れた記録ギャップ層12と、2つの磁極層の間に設けら
れた薄膜コイル10を有している。上部シールド層8
は、薄膜コイル10に対向する位置に配置された第1の
層8aと、磁極部分を形成する第2の層8bを有してい
る。第1の層8aの中には、MR素子5と上部シールド
層8の磁極部分との間の位置に、そのエアベアリング面
30側の端部から反対側の端部までの長さが、MR素子
5のエアベアリング面30側の端部から反対側の端部ま
での長さよりも大きい非磁性層20が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、再生ヘッドと記録
ヘッドとを備えた複合型の薄膜磁気ヘッドおよびその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ハードディスク装置の面記録密度
の向上に伴って、薄膜磁気ヘッドの性能向上が求められ
ている。薄膜磁気ヘッドとしては、書き込み用の誘導型
磁気変換素子を有する記録ヘッドと読み出し用の磁気抵
抗(以下、MR(Magnetoresistive)とも記す。)素子
を有する再生ヘッドとを積層した構造の複合型薄膜磁気
ヘッドが広く用いられている。
【0003】ところで、記録ヘッドの性能のうち、記録
密度を高めるには、磁気記録媒体におけるトラック密度
を上げる必要がある。このためには、記録ギャップ層を
挟んでその上下に形成された下部磁極および上部磁極の
エアベアリング面での幅、すなわちトラック幅を数ミク
ロンからサブミクロン寸法まで狭くした狭トラック構造
の記録ヘッドを実現する必要があり、これを達成するた
めに半導体加工技術が利用されている。
【0004】ここで、図16ないし図19を参照して、
従来の薄膜磁気ヘッドの製造方法の一例として、複合型
薄膜磁気ヘッドの製造方法の一例について説明する。な
お、図16ないし図19において、(a)はエアベアリ
ング面に垂直な断面を示し、(b)は磁極部分のエアベ
アリング面に平行な断面を示している。
【0005】この製造方法では、まず、図16に示した
ように、例えばアルティック(Al 23・TiC)より
なる基板101の上に、例えばアルミナ(Al23)よ
りなる絶縁層102を、約5〜10μm程度の厚みで堆
積する。次に、絶縁層102の上に、磁性材料よりなる
再生ヘッド用の下部シールド層103を形成する。
【0006】次に、下部シールド層103の上に、例え
ばアルミナを100〜200nmの厚みにスパッタ堆積
し、絶縁層としての下部シールドギャップ膜104を形
成する。次に、下部シールドギャップ膜104の上に、
再生用のMR素子105を、数十nmの厚みに形成す
る。次に、下部シールドギャップ膜104の上に、MR
素子105に電気的に接続される一対の電極層106を
形成する。
【0007】次に、下部シールドギャップ膜104およ
びMR素子105の上に、絶縁層としての上部シールド
ギャップ膜107を形成し、MR素子105をシールド
ギャップ膜104,107内に埋設する。
【0008】次に、上部シールドギャップ膜107の上
に、磁性材料からなり、再生ヘッドと記録ヘッドの双方
に用いられる上部シールド層兼下部磁極層(以下、下部
磁極層と記す。)108を、約3μmの厚みに形成す
る。
【0009】次に、図17に示したように、下部磁極層
108の上に、絶縁膜、例えばアルミナ膜よりなる記録
ギャップ層109を0.2μmの厚みに形成する。次
に、磁路形成のために、記録ギャップ層109を部分的
にエッチングして、コンタクトホール109aを形成す
る。次に、磁極部分における記録ギャップ層109の上
に、記録ヘッド用の磁性材料よりなる上部磁極チップ1
10を、0.5〜1.0μmの厚みに形成する。このと
き同時に、磁路形成のためのコンタクトホール109a
の上に、磁路形成のための磁性材料からなる磁性層11
9を形成する。
【0010】次に、図18に示したように、上部磁極チ
ップ110をマスクとして、イオンミリングによって、
記録ギャップ層109と下部磁極層108をエッチング
する。図18(b)に示したように、上部磁極部分(上
部磁極チップ110)、記録ギャップ層109および下
部磁極層108の一部の各側壁が垂直に自己整合的に形
成された構造は、トリム(Trim)構造と呼ばれる。
【0011】次に、全面に、例えばアルミナ膜よりなる
絶縁層111を、約3μmの厚みに形成する。次に、こ
の絶縁層111を、上部磁極チップ110および磁性層
119の表面に至るまで研磨して平坦化する。
【0012】次に、平坦化された絶縁層111の上に、
例えば銅(Cu)よりなる誘導型の記録ヘッド用の第1
層目の薄膜コイル112を形成する。次に、絶縁層11
1およびコイル112の上に、フォトレジスト層113
を、所定のパターンに形成する。次に、フォトレジスト
層113の表面を平坦にするために所定の温度で熱処理
する。次に、フォトレジスト層113の上に、第2層目
の薄膜コイル114を形成する。次に、フォトレジスト
層113およびコイル114上に、フォトレジスト層1
15を、所定のパターンに形成する。次に、フォトレジ
スト層115の表面を平坦にするために所定の温度で熱
処理する。
【0013】次に、図19に示したように、上部磁極チ
ップ110、フォトレジスト層113,115および磁
性層119の上に、記録ヘッド用の磁性材料、例えばパ
ーマロイよりなる上部磁極層116を形成する。次に、
上部磁極層116の上に、例えばアルミナよりなるオー
バーコート層117を形成する。最後に、スライダの研
磨加工を行って、記録ヘッドおよび再生ヘッドのエアベ
アリング面118を形成して、薄膜磁気ヘッドが完成す
る。
【0014】図20は、図19に示した薄膜磁気ヘッド
の平面図である。なお、この図では、オーバーコート層
117や、その他の絶縁層および絶縁膜を省略してい
る。
【0015】図19において、THは、スロートハイト
を表し、MR−Hは、MRハイトを表している。なお、
スロートハイトとは、2つの磁極層が記録ギャップ層を
介して対向する部分すなわち磁極部分の、エアベアリン
グ面側の端部から反対側の端部までの長さ(高さ)をい
う。また、MRハイトとは、MR素子のエアベアリング
面側の端部から反対側の端部までの長さ(高さ)をい
う。また、図19において、P2Wは、磁極幅すなわち
記録ヘッドのトラック幅(以下、記録トラック幅とい
う。)を表している。薄膜磁気ヘッドの性能を決定する
要因として、スロートハイトやMRハイト等の他に、図
19においてθで示したようなエイペックスアングル
(Apex Angle)がある。このエイペックスアングルは、
フォトレジスト層113,115で覆われて山状に盛り
上がったコイル部分(以下、エイペックス部と言う。)
における磁極側の側面の角部を結ぶ直線と絶縁層111
の上面とのなす角度をいう。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図19に示
したように記録ヘッドの下部磁極層が再生ヘッドの上部
シールド層を兼ねた構造を有し、例えば20ギガビット
/(インチ)2や30ギガビット/(インチ)2のような
高い面記録密度に対応可能な複合型薄膜磁気ヘッドで
は、再生ヘッドの再生出力が大きくなるにつれて、バル
クハウゼンノイズ等のノイズが大きくなると共に、出力
変動が大きくなるという問題点があった。なお、出力変
動は、例えば、出力測定を100回繰り返して得られる
出力の標準偏差を出力の平均値で割って100を掛けた
値COV(%)で表される。この場合、COVが大きい
ほど出力変動が大きいと言える。
【0017】上述ような再生ヘッドにおけるノイズおよ
び出力変動の増加の原因の一つは、高い面記録密度に対
応した記録ヘッドの記録動作に伴って記録ヘッド側で発
生する残留磁気およびその変動であると考えられる。
【0018】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、記録ヘッドの記録動作に起因する再
生ヘッドにおけるノイズおよび出力変動を低減できるよ
うにした薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法を提供する
ことにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の薄膜磁気ヘッド
は、磁気抵抗素子と、記録媒体に対向する媒体対向面側
の一部が磁気抵抗素子を挟んで対向するように配置され
た、磁気抵抗素子をシールドするための第1および第2
のシールド層とを有する再生ヘッドと、互いに磁気的に
連結され、媒体対向面側において互いに対向する磁極部
分を含み、それぞれ少なくとも1つの層を含む第1およ
び第2の磁性層と、第1の磁性層の磁極部分と第2の磁
性層の磁極部分との間に設けられたギャップ層と、少な
くとも一部が第1および第2の磁性層の間に、第1およ
び第2の磁性層に対して絶縁された状態で設けられた薄
膜コイルとを有する記録ヘッドとを備え、第2のシール
ド層は第1の磁性層を兼ねている薄膜磁気ヘッドであっ
て、第2のシールド層の中であって磁気抵抗素子と第2
のシールド層の磁極部分との間の位置において、磁気抵
抗素子よりも広い領域に配置された非磁性層を備えたも
のである。
【0020】本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法は、磁
気抵抗素子と、記録媒体に対向する媒体対向面側の一部
が磁気抵抗素子を挟んで対向するように配置された、磁
気抵抗素子をシールドするための第1および第2のシー
ルド層とを有する再生ヘッドと、互いに磁気的に連結さ
れ、媒体対向面側において互いに対向する磁極部分を含
み、それぞれ少なくとも1つの層を含む第1および第2
の磁性層と、第1の磁性層の磁極部分と第2の磁性層の
磁極部分との間に設けられたギャップ層と、少なくとも
一部が第1および第2の磁性層の間に、第1および第2
の磁性層に対して絶縁された状態で設けられた薄膜コイ
ルとを有する記録ヘッドとを備え、第2のシールド層は
第1の磁性層を兼ねている薄膜磁気ヘッドの製造方法で
あって、再生ヘッドを形成する工程と、記録ヘッドを形
成する工程と第2のシールド層の中であって磁気抵抗素
子と第2のシールド層の磁極部分との間の位置におい
て、磁気抵抗素子よりも広い領域に配置された非磁性層
を形成する工程とを含むものである。
【0021】本発明の薄膜磁気ヘッドまたはその製造方
法では、第2のシールド層の中において磁気抵抗素子と
第2のシールド層の磁極部分との間に非磁性層が設けら
れる。この非磁性層により、記録ヘッド側で発生する残
留磁気の磁気抵抗素子に対する影響が低減される。
【0022】本発明の薄膜磁気ヘッドまたはその製造方
法において、第2のシールド層は、薄膜コイルの少なく
とも一部に対向する位置に配置された第1の層と、第1
の層におけるギャップ層側の面に接続され、磁極部分を
含む第2の層とを有していてもよい。
【0023】また、本発明の薄膜磁気ヘッドまたはその
製造方法において、非磁性層は第1の層と第2の層との
間に配置されていてもよい。
【0024】また、本発明の薄膜磁気ヘッドまたはその
製造方法において、第2の層はスロートハイトを規定す
る部分を有していてもよい。この場合、スロートハイト
を規定する部分の媒体対向面側の端部から反対側の端部
までの長さは、非磁性層の媒体対向面側の端部から反対
側の端部までの長さよりも大きくてもよい。
【0025】また、本発明の薄膜磁気ヘッドまたはその
製造方法において、薄膜コイルは、第2の層の側方に配
置された部分を含んでいてもよい。この場合には、更
に、薄膜コイルの第2の層の側方に配置された部分を覆
い、そのギャップ層側の面が第2の層におけるギャップ
層側の面と共に平坦化された絶縁層を設けてもよい。
【0026】また、本発明の薄膜磁気ヘッドまたはその
製造方法において、第2の磁性層は1つの層からなって
いてもよい。
【0027】また、本発明の薄膜磁気ヘッドまたはその
製造方法において、第2の磁性層は、トラック幅を規定
する磁極部分を含む磁極部分層と、磁極部分層に接続さ
れ、ヨーク部分となるヨーク部分層とを有していてもよ
い。
【0028】また、本発明の薄膜磁気ヘッドまたはその
製造方法において、ヨーク部分層の媒体対向面側の端面
は、媒体対向面から離れた位置に配置されていてもよ
い。
【0029】また、本発明の薄膜磁気ヘッドまたはその
製造方法において、磁極部分層の媒体対向面側の端部か
ら反対側の端部までの長さは、磁気抵抗素子の媒体対向
面側の端部から反対側の端部までの長さよりも大きくて
もよい。
【0030】また、本発明の薄膜磁気ヘッドまたはその
製造方法において、薄膜コイルは、磁極部分層の側方に
配置された部分を含んでいてもよい。この場合には、更
に、薄膜コイルの磁極部分層の側方に配置された部分を
覆い、そのヨーク部分層側の面が磁極部分層におけるヨ
ーク部分層側の面と共に平坦化された絶縁層を設けても
よい。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。 [第1の実施の形態]まず、図1ないし図8を参照し
て、本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドお
よびその製造方法について説明する。なお、図1ないし
図6において、(a)はエアベアリング面に垂直な断面
を示し、(b)は磁極部分のエアベアリング面に平行な
断面を示している。
【0032】本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造
方法では、まず、図1に示したように、例えばアルティ
ック(Al23・TiC)よりなる基板1の上に、例え
ばアルミナ(Al23)よりなる絶縁層2を、約5μm
の厚みで堆積する。次に、絶縁層2の上に、磁性材料、
例えばパーマロイよりなる再生ヘッド用の下部シールド
層3を、約3μmの厚みに形成する。下部シールド層3
は、例えば、フォトレジスト膜をマスクにして、めっき
法によって、絶縁層2の上に選択的に形成する。次に、
図示しないが、全体に、例えばアルミナよりなる絶縁層
を、例えば4〜5μmの厚みに形成し、例えばCMP
(化学機械研磨)によって、下部シールド層3が露出す
るまで研磨して、表面を平坦化処理する。
【0033】次に、図2に示したように、下部シールド
層3の上に、絶縁膜としての下部シールドギャップ膜4
を、例えば約20〜40nmの厚みに形成する。次に、
下部シールドギャップ膜4の上に、再生用のMR素子5
を、数十nmの厚みに形成する。MR素子5は、一端部
が、記録媒体に対向する媒体対向面であるエアベアリン
グ面30に配置される。MR素子5は、例えば、スパッ
タによって形成したMR膜を選択的にエッチングするこ
とによって形成する。なお、MR素子5には、AMR素
子、GMR素子、あるいはTMR(トンネル磁気抵抗効
果)素子等の磁気抵抗効果を示す感磁膜を用いた素子を
用いることができる。次に、下部シールドギャップ膜4
の上に、MR素子5に電気的に接続される一対の電極層
6を、数十nmの厚みに形成する。次に、下部シールド
ギャップ膜4およびMR素子5の上に、絶縁膜としての
上部シールドギャップ膜7を、例えば約20〜40nm
の厚みに形成し、MR素子5をシールドギャップ膜4,
7内に埋設する。シールドギャップ膜4,7に使用する
絶縁材料としては、アルミナ、窒化アルミニウム、ダイ
ヤモンドライクカーボン(DLC)等がある。また、シ
ールドギャップ膜4,7は、スパッタ法によって形成し
てもよいし、化学的気相成長(CVD)法によって形成
してもよい。アルミナ膜よりなるシールドギャップ膜
4,7をCVD法によって形成する場合には、材料とし
ては例えばトリメチルアルミニウム(Al(CH33
およびH2Oを用いる。CVD法を用いると、薄く、且
つ緻密でピンホールの少ないシールドギャップ膜4,7
を形成することが可能となる。
【0034】次に、上部シールドギャップ膜7の上に、
磁性材料からなり、再生ヘッドと記録ヘッドの双方に用
いられる上部シールド層兼下部磁極層(以下、上部シー
ルド層と記す。)8の第1の層8aを、選択的に形成す
る。なお、上部シールド層8は、この第1の層8aと、
後述する第2の層8b、第3の層8cとで構成される。
上部シールド層8の第1の層8aは、後述する薄膜コイ
ルの少なくとも一部に対向する位置に配置される。
【0035】本実施の形態では、上部シールド層8の第
1の層8aの中において、MR素子5と上部シールド層
8の磁極部分との間に、非磁性材料よりなる非磁性層2
0を配置する。そのため、上部シールド層8の第1の層
8aと非磁性層20を以下のようにして形成する。ま
ず、上部シールドギャップ膜7の上に、第1の層8aの
うちの下層部分8a1を、例えば約1.0〜1.5μm
の厚みに形成する。次に、下層部分8a1の上において
MR素子5の上方の位置に、非磁性材料よりなる非磁性
層20を、例えば約0.3〜0.6μmの厚みに形成す
る。非磁性層20は、MR素子5よりも広い領域に配置
される。すなわち、非磁性層20は、一端部がエアベア
リング面30に配置され、そのエアベアリング面30側
の端部から反対側の端部までの長さが、MR素子5のエ
アベアリング面30側の端部から反対側の端部までの長
さよりも大きく、また、その幅はMR素子5の幅よりも
大きい。非磁性層20に用いられる非磁性材料として
は、例えばアルミナ等の無機絶縁材料があるが、タング
ステン、モリブデンのような導電性の非磁性材料を用い
てもよい。次に、下層部分8a1および非磁性層20の
上に、第1の層8aのうちの上層部分8a2を、例えば
約1.0〜1.5μmの厚みに形成する。
【0036】次に、上部シールド層8の第1の層8aの
上に、上部シールド層8の第2の層8bおよび第3の層
8cを、約1.5〜2.5μmの厚みに形成する。第2
の層8bは、上部シールド層8の磁極部分を形成し、第
1の層8aの後述する記録ギャップ層側(図において上
側)の面に接続される。第3の層8cは、第1の層8a
と後述する上部磁極層とを接続するための部分であり、
後述する薄膜コイルの中心の近傍の位置に配置される。
第2の層8bのうち上部磁極層と対向する部分における
エアベアリング面30とは反対側の端部の位置は、スロ
ートハイトを規定する。すなわち、第2の層8bのうち
上部磁極層と対向する部分が、スロートハイトを規定す
る部分となる。また、第2の層8bのうち上部磁極層と
対向する部分におけるエアベアリング面30とは反対側
の端部の位置が、スロートハイトゼロ位置(磁極部分の
エアベアリング面とは反対側の端部の位置)となる。
【0037】上部シールド層8の第2の層8bおよび第
3の層8cは、NiFe(Ni:80重量%,Fe:2
0重量%)や、高飽和磁束密度材料であるNiFe(N
i:45重量%,Fe:55重量%)等を用い、めっき
法によって形成してもよいし、高飽和磁束密度材料であ
るFeN,FeZrN等の材料を用い、スパッタによっ
て形成してもよい。この他にも、高飽和磁束密度材料で
あるCoFe,Co系アモルファス材等を用いてもよ
い。
【0038】次に、図3に示したように、全体に、例え
ばアルミナよりなる絶縁膜9を、約0.3〜0.6μm
の厚みに形成する。
【0039】次に、フォトレジストをフォトリソグラフ
ィ工程によりパターニングして、薄膜コイルをフレーム
めっき法によって形成するための図示しないフレームを
形成する。次に、このフレームを用いて、フレームめっ
き法によって、例えば銅(Cu)よりなる薄膜コイル1
0を、例えば約1.0〜2.0μmの厚みおよび1.2
〜2.0のコイルピッチで形成する。次に、フレームを
除去する。なお、図中、符号10aは、薄膜コイル10
を、後述する導電層(リード)と接続するための接続部
を示している。
【0040】次に、図4に示したように、全体に、例え
ばアルミナよりなる絶縁層11を、約3〜4μmの厚み
で形成する。次に、例えばCMPによって、上部シール
ド層8の第2の層8bおよび第3の層8cが露出するま
で、絶縁層11を研磨して、表面を平坦化処理する。こ
こで、図4(a)では、薄膜コイル10は露出していな
いが、薄膜コイル10が露出するようにしてもよい。
【0041】次に、露出した上部シールド層8の第2の
層8bおよび第3の層8cと絶縁層11の上に、絶縁材
料よりなる記録ギャップ層12を、例えば0.2〜0.
3μmの厚みに形成する。記録ギャップ層12に使用す
る絶縁材料としては、一般的に、アルミナ、窒化アルミ
ニウム、シリコン酸化物系材料、シリコン窒化物系材
料、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)等がある。
また、記録ギャップ層12は、スパッタ法によって形成
してもよいし、CVD法によって形成してもよい。アル
ミナ膜よりなる記録ギャップ層12をCVD法によって
形成する場合には、材料としては例えばトリメチルアル
ミニウム(Al(CH33)およびH2Oを用いる。C
VD法を用いると、薄く、且つ緻密でピンホールの少な
い記録ギャップ層12を形成することが可能となる。
【0042】次に、磁路形成のために、上部シールド層
8の第3の層8cの上において、記録ギャップ層12を
部分的にエッチングしてコンタクトホールを形成する。
また、薄膜コイル10の接続部10aの上の部分におい
て、記録ギャップ層12および絶縁層11を部分的にエ
ッチングしてコンタクトホールを形成する。
【0043】次に、図5に示したように、記録ギャップ
層12の上において、エアベアリング面30から上部シ
ールド層8の第3の層8cの上の部分にかけて上部磁極
層13を約2.0〜3.0μmの厚みに形成すると共
に、薄膜コイル10の接続部10aに接続されるように
導電層16を約2.0〜3.0μmの厚みに形成する。
上部磁極層13は、上部シールド層8の第3の層8cの
上の部分に形成されたコンタクトホールを介して、上部
シールド層8の第3の層8cに接触し、磁気的に連結さ
れている。
【0044】上部磁極層13は、NiFe(Ni:80
重量%,Fe:20重量%)や、高飽和磁束密度材料で
あるNiFe(Ni:45重量%,Fe:55重量%)
等を用い、めっき法によって形成してもよいし、高飽和
磁束密度材料であるFeN,FeZrN等の材料を用
い、スパッタによって形成してもよい。この他にも、高
飽和磁束密度材料であるCoFe,Co系アモルファス
材等を用いてもよい。また、高周波特性の改善のため、
上部磁極層13を、無機系の絶縁膜とパーマロイ等の磁
性層とを何層にも重ね合わせた構造としてもよい。
【0045】次に、上部磁極層13をマスクとして、ド
ライエッチングにより、記録ギャップ層12を選択的に
エッチングする。このときのドライエッチングには、例
えば、BCl2,Cl2等の塩素系ガスや、CF4,SF6
等のフッ素系ガス等のガスを用いた反応性イオンエッチ
ング(RIE)が用いられる。次に、例えばアルゴンイ
オンミリングによって、上部シールド層8の第2の層8
bを選択的に約0.3〜0.6μm程度エッチングし
て、図5(b)に示したようなトリム構造とする。この
トリム構造によれば、狭トラックの書き込み時に発生す
る磁束の広がりによる実効的なトラック幅の増加を防止
することができる。
【0046】次に、図6に示したように、全体に、例え
ばアルミナよりなるオーバーコート層17を、20〜4
0μmの厚みに形成し、その表面を平坦化して、その上
に、図示しない電極用パッドを形成する。最後に、上記
各層を含むスライダの研磨加工を行って、記録ヘッドお
よび再生ヘッドのエアベアリング面30を形成して、本
実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドが完成する。
【0047】本実施の形態では、下部シールド層3は、
本発明における第1のシールド層に対応し、第1の層8
a、第2の層8bおよび第3の層8cよりなる上部シー
ルド層8は、本発明における第2のシールド層に対応す
る。また、上部磁極層13は、本発明における第2の磁
性層に対応する。また、上部シールド層8は、下部磁極
層を兼ねているので、本発明における第1の磁性層にも
対応する。
【0048】図7は、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッ
ドの主要部分についての平面図(図7において上側に配
置された図)と断面図(図7において下側に配置された
図)とを対応付けて示す説明図である。なお、図7で
は、オーバーコート層17や、その他の絶縁層および絶
縁膜を省略している。図7において、符号THはスロー
トハイトを表し、TH0はスロートハイトゼロ位置を表
し、MR−HはMRハイトを表している。
【0049】図8は、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッ
ドにおける下部シールド層3から上部磁極層13までの
部分を、一部切り欠いて示す斜視図である。図8におい
て、符号8Bは、トリム構造とするために上部シールド
層8の第2の層8bがエッチングされている部分を表し
ている。
【0050】以上説明したように、本実施の形態に係る
薄膜磁気ヘッドは、再生ヘッドと記録ヘッドとを備えて
いる。再生ヘッドは、MR素子5と、エアベアリング面
30側の一部がMR素子5を挟んで対向するように配置
された、MR素子5をシールドするための下部シールド
層3および上部シールド層(下部磁極層)8とを有して
いる。
【0051】記録ヘッドは、互いに磁気的に連結され、
エアベアリング面30側において互いに対向する磁極部
分を含み、それぞれ少なくとも1つの層を含む下部磁極
層(上部シールド層8)および上部磁極層13と、この
下部磁極層(上部シールド層8)の磁極部分と上部磁極
層13の磁極部分との間に設けられた記録ギャップ層1
2と、一部が下部磁極層(上部シールド層8)および上
部磁極層13の間に、これらに対して絶縁された状態で
配設された薄膜コイル10とを有している。
【0052】本実施の形態では、上部シールド層8は、
薄膜コイル10の少なくとも一部に対向する位置に配置
された第1の層8aと、この第1の層8aにおける記録
ギャップ層12側(図において上側)の面に接続され、
磁極部分を形成し、スロートハイトを規定する第2の層
8bとを有し、薄膜コイル10は、上部シールド層8の
第2の層8bの側方(図において右側)に配置されてい
る。
【0053】本実施の形態では、上部シールド層8の第
1の層8aの中であって、MR素子5と上部シールド層
8の磁極部分との間の位置において、MR素子5よりも
広い領域に配置された非磁性層20が設けられている。
【0054】また、本実施の形態では、上部シールド層
8の第2の層8bのうちスロートハイトを規定する部分
のエアベアリング面30側の端部から反対側の端部まで
の長さ(以下、単に第2の層8bの長さともいう。)す
なわちスロートハイトTHは、MR素子5のエアベアリ
ング面30側の端部から反対側の端部までの長さすなわ
ちMRハイトMR−Hよりも大きくなっている。第2の
層8bの長さは、MRハイトMR−Hの150〜600
%が好ましく、特に300〜500%が好ましい。言い
換えると、MRハイトMR−Hが例えば0.5μmの場
合には、第2の層8bの長さは、0.75〜3.0μm
が好ましく、特に1.5〜2.5μmが好ましい。
【0055】また、本実施の形態では、上部シールド層
8の第2の層8bのうち上部磁極層13に対向する部分
では、エアベアリング面30とは反対側の端部がエアベ
アリング面30と平行な直線状に形成されている。上部
シールド層8の第2の層8bの他の部分におけるエアベ
アリング面30とは反対側の端部は、薄膜コイル10の
外周の形状に近似した円弧状に形成されている。本実施
の形態では、上述のように、上部シールド層8の第2の
層8bのうち上部磁極層13に対向する部分のエアベア
リング面30とは反対側の端部をエアベアリング面30
と平行な直線状に形成したので、スロートハイトおよび
スロートハイトゼロ位置を正確に制御することができ
る。
【0056】また、本実施の形態では、上部磁極層13
によってトラック幅を規定する。図7に示したように、
上部磁極層13は、エアベアリング面30側から順に配
置された第1の部分13A、第2の部分13Bおよび第
3の部分13Cを有している。第1の部分13Aの幅は
記録トラック幅に等しく、第2の部分13Bの幅は第1
の部分13Aの幅よりも大きく、第3の部分13Cの幅
は第2の部分13Bの幅よりも大きくなっている。
【0057】第3の部分13Cの幅は、エアベアリング
面30に近づく従って徐々に小さくなっている。第3の
部分13Cの幅が変化する部分における幅方向の端縁
は、エアベアリング面30に直交する方向に対して30
°〜60°をなすのが好ましい。また、第2の部分13
Bの幅も、エアベアリング面30に近づくに従って徐々
に小さくなっている。
【0058】また、上部磁極層13において、第1の部
分13Aの幅方向の端縁と第2の部分13Bの幅方向の
端縁とを結ぶ端縁は、エアベアリング面30に平行にな
っている。同様に、上部磁極層13において、第2の部
分13Bの幅方向の端縁と第3の部分13Cの幅方向の
端縁とを結ぶ端縁も、エアベアリング面30に平行にな
っている。
【0059】上部磁極層13において、第1の部分13
Aと第2の部分13Bとの境界の位置は、MRハイトゼ
ロ位置(MR素子5のエアベアリング面30とは反対側
の端部の位置)の近傍に配置されている。
【0060】また、上部磁極層13において、第2の部
分13Bと第3の部分13Cとの境界の位置(図7にお
ける第2の部分13Bと第3の部分13Cとの段差部分
の近傍位置)は、上部シールド層8の第2の層8bのう
ち上部磁極層13と対向する部分におけるエアベアリン
グ面30とは反対側(図7において右側)の端部の位
置、すなわちスロートハイトゼロ位置TH0よりもエア
ベアリング面30側(図7において左側)に配置されて
いる。従って、本実施の形態では、上部磁極層13のス
ロートハイトゼロ位置TH0における幅W1は、上部磁
極層13の第1の部分13Aの幅である記録トラック幅
W2よりも大きくなっている。
【0061】以上説明したように、本実施の形態では、
再生ヘッドの上部シールド層8が記録ヘッドの下部磁極
層を兼ねた構造の薄膜磁気ヘッドにおいて、上部シール
ド層8の中であって、MR素子5と上部シールド層8の
磁極部分との間の位置において、MR素子5よりも広い
領域に配置された非磁性層20を設けている。そのた
め、非磁性層20によって、記録ヘッド側で発生する残
留磁気のMR素子5に対する影響が低減される。従っ
て、本実施の形態によれば、記録ヘッドの記録動作に起
因する再生ヘッドにおけるバルクハウゼンノイズ等のノ
イズを低減することができると共に、例えばCOV
(%)で表される出力変動を低減することができる。
【0062】また、本実施の形態によれば、上部シール
ド層8の第2の層8bによってスロートハイトを規定す
るようにし、薄膜コイル10を上部シールド層8の第1
の層8aの上であって第2の層8bの側方に配置し、薄
膜コイル10を覆う絶縁層11の上面を上部シールド層
8の第2の層8bの上面と共に平坦化したので、記録ト
ラック幅を規定する上部磁極層13を平坦な面の上に形
成することができる。そのため、本実施の形態によれ
ば、記録トラック幅を例えばハーフミクロン寸法やクォ
ータミクロン寸法にも小さくしても、上部磁極層13を
精度よく形成することができ、記録トラック幅を正確に
制御することが可能になる。
【0063】また、本実施の形態によれば、上部磁極層
13のスロートハイトゼロ位置における幅を記録トラッ
ク幅よりも大きくしたので、上部磁極層13のスロート
ハイトゼロ位置の近傍における磁束の飽和を防止するこ
とができる。また、本実施の形態によれば、上部磁極層
13の幅を、エアベアリング面30に近づくに従って徐
々に小さくしているので、磁路の断面積が急激に減少す
ることがなく、磁路の途中における磁束の飽和を防止す
ることができる。従って、本実施の形態によれば、薄膜
コイル10で発生した起磁力を効率よく記録に利用する
ことができ、オーバーライト特性を向上させることがで
きる。
【0064】また、本実施の形態によれば、記録トラッ
ク幅を規定する上部磁極層13を平坦な面の上に形成し
たので、上述のように上部磁極層13のスロートハイト
ゼロ位置における幅を記録トラック幅よりも大きくした
場合に、記録トラック幅を規定する第1の部分13Aの
幅が大きくなることを防止できる。なお、エイペックス
部の上に上部磁極層を形成する場合には、上部磁極層の
スロートハイトゼロ位置における幅を記録トラック幅よ
りも大きくすると、上部磁極層のうち記録トラック幅を
規定する部分の幅まで大きくなりやすい。
【0065】また、本実施の形態では、上部磁極層13
の第2の部分13Bのエアベアリング面30側の端部が
エアベアリング面30に平行になっており、この端部に
上部磁極層13の第1の部分13Aが連結されている。
従って、フォトリソグラフィによって上部磁極層13を
形成するために使用されるフォトマスクは、第2の部分
13Bのエアベアリング面30側の端部に対応する辺
に、第1の部分13Aに対応する凹部または凸部を付加
した形状のものとなる。なお、第1の部分13Aに対応
する部分が凹部になるか凸部になるかは、ネガ型フォト
マスクを使用するかポジ型フォトマスクを使用するかに
よって決まる。このような形状のフォトマスクを使用し
て、平坦な面の上に上部磁極層13を形成することによ
り、第1の部分13Aの幅、すなわち記録トラック幅を
正確に制御することが可能になる。
【0066】また、本実施の形態では、上部シールド層
8の第2の層8bによってスロートハイトを規定する
が、第2の層8bの長さを、MR素子5のエアベアリン
グ面30側の端部から反対側の端部までの長さすなわち
MRハイトMR−Hよりも大きくしている。従って、本
実施の形態によれば、上部シールド層8の第1の層8a
と第2の層8bとの接触面積を大きくすることができ、
この部分における磁束の飽和を防止することができる。
【0067】なお、上部シールド層8の第2の層8bの
長さがMRハイトMR−Hよりも大きいほど、上部シー
ルド層8の第1の層8aと第2の層8bとの接触面積が
大きくなる。従って、上部シールド層8の第2の層8b
の長さとMRハイトMR−Hとの差が小さいと、磁束の
飽和を防止できるという効果が小さくなり、オーバーラ
イト特性の向上の程度が小さくなる。一方、上部シール
ド層8の第2の層8bの長さが大きくなりすぎると、磁
路長が大きくなることによって逆にオーバーライト特性
が低下してしまう。そのため、上部シールド層8の第2
の層8bの長さに関しては好ましい範囲が存在し、具体
的には、前述のように、上部シールド層8の第2の層8
bの長さは、MRハイトMR−Hの150〜600%が
好ましく、特に300〜500%が好ましい。
【0068】このように、本実施の形態によれば、記録
トラック幅を小さくした場合においても記録トラック幅
を正確に制御することができると共に磁路の途中におけ
る磁束の飽和を防止することができる。
【0069】また、本実施の形態では、薄膜コイル10
を上部シールド層8の第2の層8bの側方に配置し、平
坦な絶縁膜9の上に形成している。そのため、本実施の
形態によれば、薄膜コイル10を微細に精度よく形成す
ることが可能になる。更に、本実施の形態によれば、エ
イペックス部が存在しないので、上部シールド層8の第
2の層8bのエアベアリング面30とは反対側の端部、
すなわちスロートハイトゼロ位置の近くに薄膜コイル1
0の端部を配置することができる。
【0070】これらのことから、本実施の形態によれ
ば、例えば従来に比べて30〜40%程度、磁路長の縮
小が可能となり、その結果、薄膜コイル10で発生した
起磁力を効率よく記録に利用することが可能となる。従
って、本実施の形態によれば、記録ヘッドの高周波特性
や、非線形トランジションシフト(Non-linear Transit
ion Shift;NLTS)や、オーバーライト特性の優れ
た薄膜磁気ヘッドを提供することが可能となる。
【0071】また、本実施の形態によれば、磁路長の縮
小が可能となることから、巻き数を変えることなく薄膜
コイル10の全長を大幅に短くすることができる。これ
により、薄膜コイル10の抵抗を小さくすることができ
るので、その分、薄膜コイル10の厚みを小さくするこ
とが可能となる。
【0072】また、本実施の形態では、上部シールド層
8の第2の層8bと薄膜コイル10の間に、薄く且つ十
分な絶縁耐圧が得られる無機材料よりなる絶縁膜9が設
けられるので、上部シールド層8の第2の層8bと薄膜
コイル10との間に大きな絶縁耐圧を得ることができ
る。
【0073】また、本実施の形態では、薄膜コイル10
を無機絶縁材料よりなる絶縁層11で覆ったので、薄膜
磁気ヘッドの使用中に、薄膜コイル10の周辺で発生す
る熱による膨張によって磁極部分が記録媒体側に突出す
ることを防止することができる。
【0074】[第2の実施の形態]次に、図9を参照し
て、本発明の第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドお
よびその製造方法について説明する。図9は、本実施の
形態に係る薄膜磁気ヘッドの主要部分についての平面図
(図9において上側に配置された図)と断面図(図9に
おいて下側に配置された図)とを対応付けて示す説明図
である。なお、図9では、オーバーコート層17や、そ
の他の絶縁層および絶縁膜を省略している。図9におい
て、符号THはスロートハイトを表し、TH0はスロー
トハイトゼロ位置を表し、MR−HはMRハイトを表し
ている。
【0075】本実施の形態では、非磁性層20を、上部
シールド層8の第1の層8aの中ではなく、上部シール
ド層8の第1の層8aと第2の層8bとの間に配置して
いる。
【0076】本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造
方法では、上部シールド層8の第1の層8aは、例えば
約1.0〜1.5μmの厚みの1つの層によって形成さ
れる。非磁性層20は、この第1の層8aの上に形成さ
れる。そして、非磁性層20および第1の層8aの上
に、上部シールド層8の第2の層8bが形成される。
【0077】本実施の形態によれば、非磁性層20を上
部シールド層8の第1の層8aと第2の層8bとの間に
設けたので、非磁性層20を他の位置に設ける場合に比
べて、形成する層の数を一つ減らすことができ、そのた
め製造工程における工数を減らすことができる。
【0078】本実施の形態におけるその他の構成、作用
および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0079】[第3の実施の形態]次に、図10ないし
図15を参照して、本発明の第3の実施の形態に係る薄
膜磁気ヘッドおよびその製造方法について説明する。な
お、図10ないし図14において、(a)はエアベアリ
ング面に垂直な断面を示し、(b)は磁極部分のエアベ
アリング面に平行な断面を示している。
【0080】本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造
方法では、図10に示したように、上部シールド層8の
第1の層8aを形成する工程までは、第1の実施の形態
と同様である。
【0081】本実施の形態では、次に、図11に示した
ように、第1の実施の形態と同様に、第1の層8aの上
に、上部シールド層8の第2の層8bおよび第3の層8
cを形成する。次に、全体に、例えばアルミナよりなる
絶縁膜9を、約0.3〜0.6μmの厚みに形成する。
【0082】次に、フォトレジストをフォトリソグラフ
ィ工程によりパターニングして、薄膜コイルをフレーム
めっき法によって形成するための図示しないフレームを
形成する。次に、このフレームを用いて、フレームめっ
き法によって、例えば銅よりなる薄膜コイルの第1層部
分31を、例えば約1.0〜2.0μmの厚みおよび
1.2〜2.0μmのコイルピッチで形成する。次に、
フレームを除去する。なお、図中、符号31aは、薄膜
コイルの第1層部分31を後述する第2層部分に接続す
るための接続部を示している。
【0083】次に、図12に示したように、全体に、例
えばアルミナよりなる絶縁層32を、約3〜4μmの厚
みで形成する。次に、例えばCMPによって、上部シー
ルド層8の第2の層8bおよび第3の層8cが露出する
まで、絶縁層32を研磨して、表面を平坦化処理する。
ここで、図12(a)では、薄膜コイルの第1層部分3
1は露出していないが、薄膜コイルの第1層部分31が
露出するようにしてもよい。
【0084】次に、図13に示したように、露出した上
部シールド層8の第2の層8bおよび第3の層8cと絶
縁層32の上に、絶縁材料よりなる記録ギャップ層12
を、例えば0.2〜0.3μmの厚みに形成する。次
に、磁路形成のために、上部シールド層8の第3の層8
cの上において、記録ギャップ層12を部分的にエッチ
ングしてコンタクトホールを形成する。
【0085】次に、記録ギャップ層12の上に、記録ト
ラック幅を規定する上部磁極層41の磁極部分を含む磁
極部分層41aを例えば2〜3μmの厚みに形成すると
共に、上部シールド層8の第3の層8cの上に位置する
部分の上に形成されたコンタクトホールの位置に、磁性
層41bを2〜3μmの厚みに形成する。本実施の形態
では、上部磁極層41は、磁極部分層41aと磁性層4
1bと後述するヨーク部分層とで構成される。磁性層4
1bは、後述するヨーク部分層と上部シールド層8とを
接続するための部分である。本実施の形態では、上部磁
極層41の磁極部分層41aのエアベアリング面30側
の端部から反対側の端部までの長さは、MR素子5のエ
アベアリング面30側の端部から反対側の端部までの長
さよりも大きく、更に、上部シールド層8の第2の層8
bのうちスロートハイトを規定する部分のエアベアリン
グ面30側の端部から反対側の端部までの長さ以上に形
成される。
【0086】上部磁極層41の磁極部分層41aおよび
磁性層41bは、NiFe(Ni:80重量%,Fe:
20重量%)や、高飽和磁束密度材料であるNiFe
(Ni:45重量%,Fe:55重量%)等を用い、め
っき法によって形成してもよいし、高飽和磁束密度材料
であるFeN,FeZrN等の材料を用い、スパッタに
よって形成してもよい。この他にも、高飽和磁束密度材
料であるCoFe,Co系アモルファス材等を用いても
よい。
【0087】次に、上部磁極層41の磁極部分層41a
をマスクとして、ドライエッチングにより、記録ギャッ
プ層12を選択的にエッチングする。このときのドライ
エッチングには、例えば、BCl2,Cl2等の塩素系ガ
スや、CF4,SF6等のフッ素系ガス等のガスを用いた
反応性イオンエッチング(RIE)が用いられる。次
に、例えばアルゴンイオンミリングによって、上部シー
ルド層8の第2の層8bを選択的に約0.3〜0.6μ
m程度エッチングして、図13(b)に示したようなト
リム構造とする。
【0088】次に、全体に、例えばアルミナよりなる絶
縁膜33を、約0.3〜0.6μmの厚みに形成する。
次に、薄膜コイルの第1層部分31の接続部31aの上
の部分において、絶縁膜33、記録ギャップ層12およ
び絶縁層32を部分的にエッチングしてコンタクトホー
ルを形成する。次に、フレームめっき法によって、例え
ば銅よりなる薄膜コイルの第2層部分34を、例えば約
1.0〜2.0μmの厚みおよび1.2〜2.0μmの
コイルピッチで形成する。なお、図中、符号34aは、
上記コンタクトホールを介して、薄膜コイルの第2層部
分34を第1層部分31に接続するための接続部を示し
ている。
【0089】次に、図14に示したように、全体に、例
えばアルミナよりなる絶縁層35を、約3〜4μmの厚
みで形成する。次に、例えばCMPによって、上部磁極
層41の磁極部分層41aおよび磁性層41bが露出す
るまで、絶縁層35を研磨して、表面を平坦化処理す
る。ここで、図14(a)では、薄膜コイルの第2層部
分34は露出していないが、薄膜コイルの第2層部分3
4が露出するようにしてもよい。第2層部分34が露出
するようにした場合には、第2層部分34および絶縁層
35の上に他の絶縁層を形成する。
【0090】次に、平坦化された上部磁極層41の磁極
部分層41aおよび磁性層41b、絶縁層35の上に、
記録ヘッド用の磁性材料からなる上部磁極層41のヨー
ク部分となるヨーク部分層41cを、例えば約2〜3μ
mの厚みに形成する。このヨーク部分層41cは、磁性
層41bを介して、上部シールド層8と接触し、磁気的
に連結されている。上部磁極層41のヨーク部分層41
cは、NiFe(Ni:80重量%,Fe:20重量
%)や、高飽和磁束密度材料であるNiFe(Ni:4
5重量%,Fe:55重量%)等を用い、めっき法によ
って形成してもよいし、高飽和磁束密度材料であるFe
N,FeZrN等の材料を用い、スパッタによって形成
してもよい。この他にも、高飽和磁束密度材料であるC
oFe,Co系アモルファス材等を用いてもよい。ま
た、高周波特性の改善のため、上部磁極層41のヨーク
部分層41cを、無機系の絶縁膜とパーマロイ等の磁性
層とを何層にも重ね合わせた構造としてもよい。
【0091】本実施の形態では、上部磁極層41のヨー
ク部分層41cのエアベアリング面30側の端面は、エ
アベアリング面30から離れた位置(図において右側)
に配置されている。本実施の形態では、特に、エアベア
リング面30からヨーク部分層41cのエアベアリング
面30側の端部までの距離は、MR素子5のエアベアリ
ング面30側の端部から反対側の端部までの長さ以上と
する。
【0092】次に、全体に、例えばアルミナよりなるオ
ーバーコート層37を、20〜40μmの厚みに形成
し、その表面を平坦化して、その上に、図示しない電極
用パッドを形成する。最後に、上記各層を含むスライダ
の研磨加工を行って、記録ヘッドおよび再生ヘッドのエ
アベアリング面30を形成して、本実施の形態に係る薄
膜磁気ヘッドが完成する。
【0093】本実施の形態では、磁極部分層41a、磁
性層41bおよびヨーク部分層41cよりなる上部磁極
層41は、本発明における第2の磁性層に対応する。
【0094】図15は、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの主要部分についての平面図(図15において上側
に配置された図)と断面図(図15において下側に配置
された図)とを対応付けて示す説明図である。なお、図
15では、オーバーコート層や、その他の絶縁層および
絶縁膜を省略している。図15において、符号THはス
ロートハイトを表し、TH0はスロートハイトゼロ位置
を表し、MR−HはMRハイトを表している。
【0095】本実施の形態では、薄膜コイルの第1層部
分31は、上部シールド層8の第2の層8bの側方に配
置されている。第1の実施の形態と同様に、第2の層8
bのうちスロートハイトを規定する部分のエアベアリン
グ面30側の端部から反対側の端部までの長さ(以下、
単に第2の層8bの長さともいう。)すなわちスロート
ハイトTHは、MR素子5のエアベアリング面30側の
端部から反対側の端部までの長さすなわちMRハイトM
R−Hよりも大きくなっている。第2の層8bの長さ
は、MRハイトMR−Hの150〜600%が好まし
く、特に300〜500%が好ましい。言い換えると、
MRハイトMR−Hが例えば0.5μmの場合には、第
2の層8bの長さは、0.75〜3.0μmが好まし
く、特に1.5〜2.5μmが好ましい。
【0096】また、本実施の形態では、上部磁極層41
の磁極部分層41aによってトラック幅を規定する。図
15に示したように、上部磁極層41の磁極部分層41
aは、エアベアリング面30側から順に配置された第1
の部分41a1、第2の部分41a2および第3の部分4
1a3を有している。第1の部分41a1の幅は記録トラ
ック幅に等しく、第2の部分41a2の幅は第1の部分
41a1の幅よりも大きくなっている。第3の部分41
3の幅は、第2の部分41a2との境界部分では第2の
部分41a2の幅と等しく、境界部分からエアベアリン
グ面30とは反対側に向かうほど大きくなるように変化
した後、一定の大きさになっている。
【0097】また、上部磁極層41の磁極部分層41a
において、第1の部分41a1の幅方向の端縁と第2の
部分41a2の幅方向の端縁とを結ぶ端縁は、エアベア
リング面30に平行になっている。
【0098】上部磁極層41の磁極部分層41aにおい
て、第1の部分41a1と第2の部分41a2との境界の
位置は、MRハイトゼロ位置の近傍に配置されている。
【0099】また、上部磁極層41の磁極部分層41a
において、第2の部分41a2と第3の部分41a3との
境界の位置は、上部シールド層8の第2の層8bのうち
磁極部分層41aと対向する部分におけるエアベアリン
グ面30とは反対側の端部の位置、すなわちスロートハ
イトゼロ位置TH0よりもエアベアリング面30側に配
置されている。従って、本実施の形態では、磁極部分層
41aのスロートハイトゼロ位置TH0における幅は、
磁極部分層41aの第1の部分41a1の幅である記録
トラック幅よりも大きくなっている。
【0100】上部磁極層41のヨーク部分層41cは、
エアベアリング面30側から順に配置された第1の部分
41c1と第2の部分41c2とを有している。ヨーク部
分層41cの第1の部分41c1の幅は、磁極部分層4
1aの第3の部分41a3における最大の幅とほぼ等し
くなっている。ヨーク部分層41cの第2の部分41c
2の幅は、第1の部分41c1との境界部分では第1の部
分41c1の幅と等しく、境界部分からエアベアリング
面30とは反対側に向かうほど大きくなるように変化し
た後、一定の大きさになっている。また、ヨーク部分層
41cの第1の部分41c1は、磁極部分層41aの第
2の部分41a2および第3の部分41a3とほぼ重なる
位置に配置されている。
【0101】また、本実施の形態における上部シールド
層8の第2の層8bは、エアベアリング30側の一部分
の幅が、他の部分の幅よりも小さく且つエアベアリング
30側に向かうほど小さくなるような形状をなしてい
る。また、第2の層8bのエアベアリング面30とは反
対側の端部は、エアベアリング面30と平行な直線状に
形成されて、スロートハイトゼロ位置TH0に配置され
ている。
【0102】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、上部シールド層8の第2の層8bによってスロート
ハイトを規定するようにし、薄膜コイルの第1層部分3
1を上部シールド層8の第1の層8aの上であって第2
の層8bの側方に配置し、薄膜コイルの第1層部分31
を覆う絶縁層32の上面を第2の層8bの上面と共に平
坦化すると共に、上部磁極層41を磁極部分層41aと
ヨーク部分層41cとに分割したので、記録トラック幅
を規定する上部磁極層41の磁極部分層41aを平坦な
面の上に形成することができる。そのため、本実施の形
態によれば、記録トラック幅を例えばハーフミクロン寸
法やクォータミクロン寸法にも小さくしても、磁極部分
層41aを精度よく形成することができ、記録トラック
幅を正確に制御することが可能になる。
【0103】また、本実施の形態によれば、上部磁極層
41の磁極部分層41aのスロートハイトゼロ位置にお
ける幅を記録トラック幅よりも大きくしたので、磁極部
分層41aのスロートハイトゼロ位置の近傍における磁
束の飽和を防止することができる。また、本実施の形態
によれば、磁極部分層41aの幅を、エアベアリング面
30に近づくに従って徐々に小さくしているので、磁路
の断面積が急激に減少することがなく、磁路の途中にお
ける磁束の飽和を防止することができる。更に、本実施
の形態によれば、上部磁極層41の磁極部分層41aの
スロートハイトゼロ位置における幅を記録トラック幅よ
りも大きくしたので、上部磁極層41の磁極部分層41
aとヨーク部分層41cとの接触面積を大きくすること
ができ、磁極部分層41aとヨーク部分層41cとの接
続部分における磁束の飽和を防止することができる。従
って、本実施の形態によれば、薄膜コイル31,34で
発生した起磁力を効率よく記録に利用することができ、
オーバーライト特性を向上させることができる。
【0104】また、本実施の形態によれば、記録トラッ
ク幅を規定する上部磁極層41の磁極部分層41aを平
坦な面の上に形成したので、上述のように磁極部分層4
1aのスロートハイトゼロ位置における幅を記録トラッ
ク幅よりも大きくした場合に、記録トラック幅を規定す
る第1の部分41a1の幅が大きくなることを防止する
ことができる。
【0105】また、本実施の形態では、磁極部分層41
aの第2の部分41a2のエアベアリング面30側の端
部がエアベアリング面30に平行になっており、この端
部に磁極部分層41aの第1の部分41a1が連結され
ている。従って、フォトリソグラフィによって磁極部分
層41aを形成するために使用されるフォトマスクは、
第2の部分41a2のエアベアリング面30側の端部に
対応する辺に、第1の部分41a1に対応する凹部また
は凸部を付加した形状のものとなる。このような形状の
フォトマスクを使用して、平坦な面の上に磁極部分層4
1aを形成することにより、第1の部分41a1の幅、
すなわち記録トラック幅を正確に制御することが可能に
なる。
【0106】また、本実施の形態によれば、薄膜コイル
の第2層部分34を上部磁極層41の磁極部分層41a
の側方に配置し、薄膜コイルの第2層部分34を覆う絶
縁層35の上面を磁極部分層41aの上面と共に平坦化
したので、上部磁極層41のヨーク部分層41cも、平
坦な面の上に形成することができる。そのため、本実施
の形態によれば、ヨーク部分層41cも微細に形成可能
となり、その結果、記録媒体に対して、本来、記録すべ
き領域以外の領域にもデータを書き込んでしまう、いわ
ゆるサイドライトや、記録すべき領域以外の領域におけ
るデータを消去してしまう、いわゆるサイドイレーズの
発生を防止することが可能となる。
【0107】また、本実施の形態では、上部磁極層41
のヨーク部分層41cのエアベアリング面30側の端面
をエアベアリング面30から離れた位置に配置してい
る。そのため、スロートハイトが小さい場合において
も、上部磁極層41のヨーク部分層41cがエアベアリ
ング面30に露出することがなく、その結果、いわゆる
サイドライトやサイドイレーズの発生を防止することが
できる。
【0108】また、本実施の形態では、上部磁極層41
の磁極部分層41aのエアベアリング面30側の端部か
ら反対側の端部までの長さを、MR素子5のエアベアリ
ング面30側の端部から反対側の端部までの長さ、すな
わちMRハイトよりも大きくすると共に、ヨーク部分層
41cのエアベアリング面30側の端面をエアベアリン
グ面30から離れた位置に配置している。そのため、本
実施の形態では、MRハイトゼロ位置よりもエアベアリ
ング面30から離れた位置においても、上部磁極層41
の磁極部分層41aとヨーク部分層41cとを接触させ
ることができる。従って、本実施の形態によれば、ヨー
ク部分層41cのエアベアリング面30側の端面をエア
ベアリング面30から離れた位置に配置してサイドライ
トやサイドイレーズの発生を防止しながら、上部磁極層
41において磁路の断面積が急激に減少することを防止
して、磁路の途中での磁束の飽和を防止することができ
る。
【0109】また、本実施の形態では、エアベアリング
面30からヨーク部分層41cのエアベアリング面30
側の端部までの距離を、MR素子5のエアベアリング面
30側の端部から反対側の端部までの長さ、すなわちM
Rハイト以上としている。これにより、サイドライトや
サイドイレーズの発生をより一層防止することが可能と
なる。
【0110】また、本実施の形態によれば、上部シール
ド層8の第2の層8bを前述のような形状としたことに
より、第2の層8bのエアベアリング面30における幅
を小さくして、実効的なトラック幅の増加を防止するこ
とができる。また、本実施の形態によれば、第2の層8
bの幅をエアベアリング面30に近づくに従って徐々に
小さくしているので、第2の層8bにおける磁束の飽和
を防止することができる。また、本実施の形態によれ
ば、第2の層8bのエアベアリング面30とは反対側の
端部をエアベアリング面30と平行な直線状に形成した
ので、スロートハイトおよびスロートハイトゼロ位置を
正確に制御することができる。
【0111】また、本実施の形態では、薄膜コイルの第
1層部分31と第2層部分34との間には、記録ギャッ
プ層12の他に、無機材料よりなる絶縁膜33が設けら
れるので、薄膜コイルの第1層部分31と第2層部分3
4との間に大きな絶縁耐圧を得ることができると共に、
薄膜コイル31,34からの磁束の漏れを低減すること
ができる。
【0112】なお、本実施の形態において、第2の実施
の形態のように、非磁性層20を、上部シールド層8の
第1の層8aの中ではなく、上部シールド層8の第1の
層8aと第2の層8bとの間に配置してもよい。
【0113】本実施の形態におけるその他の構成、作用
および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0114】本発明は、上記各実施の形態に限定され
ず、種々の変更が可能である。例えば、本発明は、上部
シールド層が、磁極部分を含む第2の層を有しない場合
にも適用することができる。
【0115】また、上記各実施の形態では、基体側に読
み取り用のMR素子を形成し、その上に、書き込み用の
誘導型磁気変換素子を積層した構造の薄膜磁気ヘッドに
ついて説明したが、この積層順序を逆にしてもよい。
【0116】つまり、基体側に書き込み用の誘導型磁気
変換素子を形成し、その上に、読み取り用のMR素子を
形成してもよい。このような構造は、例えば、上記実施
の形態に示した上部磁極層の機能を有する磁性膜を下部
磁極層として基体側に形成し、記録ギャップ膜を介し
て、それに対向するように上記実施の形態に示した下部
磁極層の機能を有する磁性膜を上部磁極層として形成す
ることにより実現できる。この場合、誘導型磁気変換素
子の上部磁極層とMR素子の下部シールド層を兼用させ
る。
【0117】
【発明の効果】以上説明したように請求項1ないし13
のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドまたは請求項14な
いし26のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法
によれば、第2のシールド層の中において磁気抵抗素子
と第2のシールド層の磁極部分との間に配置された非磁
性層により、記録ヘッド側で発生する残留磁気の磁気抵
抗素子に対する影響が低減されるので、記録ヘッドの記
録動作に起因する再生ヘッドにおけるノイズおよび出力
変動を低減することができるという効果を奏する。
【0118】また、請求項3記載の薄膜磁気ヘッドまた
は請求項16記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれ
ば、第2のシールド層が、薄膜コイルの少なくとも一部
に対向する位置に配置された第1の層と、第1の層にお
けるギャップ層側の面に接続され、磁極部分を含む第2
の層とを有する場合において、非磁性層を第1の層と第
2の層との間に配置したので、非磁性層を他の位置に設
ける場合に比べて、製造工程における工数を減らすこと
ができるという効果を奏する。
【0119】また、請求項4または5記載の薄膜磁気ヘ
ッドまたは請求項17または18記載の薄膜磁気ヘッド
の製造方法によれば、第2の層がスロートハイトを規定
する部分を有するようにしたので、スロートハイトが小
さい場合でも、第2の磁性層によってトラック幅を正確
に制御することが可能になるという効果を奏する。
【0120】また、請求項5記載の薄膜磁気ヘッドまた
は請求項18記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれ
ば、第2の層におけるスロートハイトを規定する部分の
媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さを、非
磁性層の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長
さよりも大きくしたので、第2のシールド層の第1の層
と第2の層の接続部分における磁束の飽和を防止するこ
とができるという効果を奏する。
【0121】また、請求項6または7記載の薄膜磁気ヘ
ッドまたは請求項19または20記載の薄膜磁気ヘッド
の製造方法によれば、薄膜コイルが、第2の層の側方に
配置された部分を含むようにしたので、第2の磁性層を
平坦な面の上に精度よく形成することが可能になり、そ
の結果、記録ヘッドにおいてトラック幅を正確に制御す
ることが可能になるという効果を奏する。更に、薄膜コ
イルの第2の層の側方に配置された部分の端部を、第2
の層の端部の近くに配置することが可能になり、これに
より、磁路長の縮小が可能になるという効果を奏する。
【0122】また、請求項7記載の薄膜磁気ヘッドまた
は請求項20記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれ
ば、薄膜コイルの第2の層の側方に配置された部分を覆
い、そのギャップ層側の面が第2の層におけるギャップ
層側の面と共に平坦化された絶縁層を設けたので、特
に、第2の磁性層を平坦な面の上に精度よく形成するこ
とができるという効果を奏する。
【0123】また、請求項10記載の薄膜磁気ヘッドま
たは請求項23記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれ
ば、第2の磁性層が、トラック幅を規定する磁極部分を
含む磁極部分層と、磁極部分層に接続され、ヨーク部分
となるヨーク部分層とを有するようにし、ヨーク部分層
の媒体対向面側の端面を媒体対向面から離れた位置に配
置したので、記録すべき領域以外の領域へのデータの書
き込みや記録すべき領域以外の領域におけるデータの消
去を防止することができるという効果を奏する。
【0124】また、請求項11記載の薄膜磁気ヘッドま
たは請求項24記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれ
ば、磁極部分層の媒体対向面側の端部から反対側の端部
までの長さを、磁気抵抗素子の媒体対向面側の端部から
反対側の端部までの長さよりも大きくしたので、磁極部
分層とヨーク部分層の接続部分における磁束の飽和を防
止することができるという効果を奏する。
【0125】また、請求項13記載の薄膜磁気ヘッドま
たは請求項26記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれ
ば、薄膜コイルが、磁極部分層の側方に配置された部分
を含むようにし、薄膜コイルの磁極部分層の側方に配置
された部分を覆い、そのヨーク部分層側の面が磁極部分
層におけるヨーク部分層側の面と共に平坦化された絶縁
層を設けたので、第2の磁性層のヨーク部分層を平坦な
面の上に精度よく形成することができるという効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッ
ドの製造方法における一工程を説明するための断面図で
ある。
【図2】図1に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図3】図2に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図4】図3に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図5】図4に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッ
ドの断面図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッ
ドの主要部分についての平面図と断面図とを対応付けて
示す説明図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッ
ドの主要部を一部切り欠いて示す斜視図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッ
ドの主要部分についての平面図と断面図とを対応付けて
示す説明図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの製造方法における一工程を説明するための断面図
である。
【図11】図10に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図12】図11に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図13】図12に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図14】本発明の第3の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの断面図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの主要部分についての平面図と断面図とを対応付け
て示す説明図である。
【図16】従来の薄膜磁気ヘッドの製造方法における一
工程を説明するための断面図である。
【図17】図16に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図18】図17に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図19】図18に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図20】従来の磁気ヘッドの平面図である。
【符号の説明】
1…基板、2…絶縁層、3…下部シールド層、5…MR
素子、8…上部シールド層、8a…第1の層、8b…第
2の層、10…薄膜コイル、11…絶縁層、12…記録
ギャップ層、13…上部磁極層、17…オーバーコート
層、20…非磁性層。

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気抵抗素子と、記録媒体に対向する媒
    体対向面側の一部が前記磁気抵抗素子を挟んで対向する
    ように配置された、前記磁気抵抗素子をシールドするた
    めの第1および第2のシールド層とを有する再生ヘッド
    と、 互いに磁気的に連結され、媒体対向面側において互いに
    対向する磁極部分を含み、それぞれ少なくとも1つの層
    を含む第1および第2の磁性層と、前記第1の磁性層の
    磁極部分と前記第2の磁性層の磁極部分との間に設けら
    れたギャップ層と、少なくとも一部が前記第1および第
    2の磁性層の間に、前記第1および第2の磁性層に対し
    て絶縁された状態で設けられた薄膜コイルとを有する記
    録ヘッドとを備え、 前記第2のシールド層は前記第1の磁性層を兼ねている
    薄膜磁気ヘッドであって、 前記第2のシールド層の中であって前記磁気抵抗素子と
    第2のシールド層の磁極部分との間の位置において、前
    記磁気抵抗素子よりも広い領域に配置された非磁性層を
    備えたことを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記第2のシールド層は、前記薄膜コイ
    ルの少なくとも一部に対向する位置に配置された第1の
    層と、前記第1の層における前記ギャップ層側の面に接
    続され、磁極部分を含む第2の層とを有することを特徴
    とする請求項1記載の薄膜磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記非磁性層は前記第1の層と前記第2
    の層との間に配置されていることを特徴とする請求項2
    記載の薄膜磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記第2の層は、スロートハイトを規定
    する部分を有することを特徴とする請求項2または3記
    載の薄膜磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記スロートハイトを規定する部分の媒
    体対向面側の端部から反対側の端部までの長さは、前記
    非磁性層の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの
    長さよりも大きいことを特徴とする請求項4記載の薄膜
    磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記薄膜コイルは、前記第2の層の側方
    に配置された部分を含むことを特徴とする請求項2ない
    し5のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  7. 【請求項7】 更に、前記薄膜コイルの前記第2の層の
    側方に配置された部分を覆い、そのギャップ層側の面が
    前記第2の層におけるギャップ層側の面と共に平坦化さ
    れた絶縁層を備えたことを特徴とする請求項6記載の薄
    膜磁気ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記第2の磁性層は1つの層からなるこ
    とを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の薄
    膜磁気ヘッド。
  9. 【請求項9】 前記第2の磁性層は、トラック幅を規定
    する磁極部分を含む磁極部分層と、前記磁極部分層に接
    続され、ヨーク部分となるヨーク部分層とを有すること
    を特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の薄膜
    磁気ヘッド。
  10. 【請求項10】 前記ヨーク部分層の媒体対向面側の端
    面は、媒体対向面から離れた位置に配置されていること
    を特徴とする請求項9記載の薄膜磁気ヘッド。
  11. 【請求項11】 前記磁極部分層の媒体対向面側の端部
    から反対側の端部までの長さは、前記磁気抵抗素子の媒
    体対向面側の端部から反対側の端部までの長さよりも大
    きいことを特徴とする請求項9または10記載の薄膜磁
    気ヘッド。
  12. 【請求項12】 前記薄膜コイルは、前記磁極部分層の
    側方に配置された部分を含むことを特徴とする請求項9
    ないし11のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  13. 【請求項13】 更に、前記薄膜コイルの前記磁極部分
    層の側方に配置された部分を覆い、そのヨーク部分層側
    の面が前記磁極部分層におけるヨーク部分層側の面と共
    に平坦化された絶縁層を備えたことを特徴とする請求項
    12記載の薄膜磁気ヘッド。
  14. 【請求項14】 磁気抵抗素子と、記録媒体に対向する
    媒体対向面側の一部が前記磁気抵抗素子を挟んで対向す
    るように配置された、前記磁気抵抗素子をシールドする
    ための第1および第2のシールド層とを有する再生ヘッ
    ドと、 互いに磁気的に連結され、媒体対向面側において互いに
    対向する磁極部分を含み、それぞれ少なくとも1つの層
    を含む第1および第2の磁性層と、前記第1の磁性層の
    磁極部分と前記第2の磁性層の磁極部分との間に設けら
    れたギャップ層と、少なくとも一部が前記第1および第
    2の磁性層の間に、前記第1および第2の磁性層に対し
    て絶縁された状態で設けられた薄膜コイルとを有する記
    録ヘッドとを備え、 前記第2のシールド層は前記第1の磁性層を兼ねている
    薄膜磁気ヘッドの製造方法であって、 前記再生ヘッドを形成する工程と、 前記記録ヘッドを形成する工程と前記第2のシールド層
    の中であって前記磁気抵抗素子と第2のシールド層の磁
    極部分との間の位置において、前記磁気抵抗素子よりも
    広い領域に配置された非磁性層を形成する工程とを含む
    ことを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記再生ヘッドを形成する工程は第2
    のシールド層を形成する工程を含み、 前記第2のシールド層を形成する工程は、前記薄膜コイ
    ルの少なくとも一部に対向する位置に配置された第1の
    層を形成する工程と、前記第1の層における前記ギャッ
    プ層側の面に接続され、磁極部分を含む第2の層を形成
    する工程とを含むことを特徴とする請求項14記載の薄
    膜磁気ヘッドの製造方法。
  16. 【請求項16】 前記非磁性層を形成する工程は、前記
    第1の層と前記第2の層との間に前記非磁性層を配置す
    ることを特徴とする請求項15記載の薄膜磁気ヘッドの
    製造方法。
  17. 【請求項17】 前記第2の層は、スロートハイトを規
    定する部分を有することを特徴とする請求項15または
    16記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  18. 【請求項18】 前記スロートハイトを規定する部分の
    媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さは、前
    記非磁性層の媒体対向面側の端部から反対側の端部まで
    の長さよりも大きいことを特徴とする請求項17記載の
    薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  19. 【請求項19】 前記薄膜コイルは、前記第2の層の側
    方に配置された部分を含むことを特徴とする請求項15
    ないし18のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方
    法。
  20. 【請求項20】 更に、前記薄膜コイルの前記第2の層
    の側方に配置された部分を覆い、そのギャップ層側の面
    が前記第2の層におけるギャップ層側の面と共に平坦化
    された絶縁層を形成する工程を含むことを特徴とする請
    求項19記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  21. 【請求項21】 前記第2の磁性層は1つの層からなる
    ことを特徴とする請求項14ないし20のいずれかに記
    載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  22. 【請求項22】 前記記録ヘッドを形成する工程は前記
    第2の磁性層を形成する工程を含み、 前記第2の磁性層を形成する工程は、トラック幅を規定
    する磁極部分を含む磁極部分層を形成する工程と、前記
    磁極部分層に接続され、ヨーク部分となるヨーク部分層
    を形成する工程とを含むことを特徴とする請求項14な
    いし20のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方
    法。
  23. 【請求項23】 前記ヨーク部分層を形成する工程は、
    前記ヨーク部分層の媒体対向面側の端面を媒体対向面か
    ら離れた位置に配置することを特徴とする請求項22記
    載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  24. 【請求項24】 前記磁極部分層の媒体対向面側の端部
    から反対側の端部までの長さは、前記磁気抵抗素子の媒
    体対向面側の端部から反対側の端部までの長さよりも大
    きいことを特徴とする請求項22または23記載の薄膜
    磁気ヘッドの製造方法。
  25. 【請求項25】 前記薄膜コイルは、前記磁極部分層の
    側方に配置された部分を含むことを特徴とする請求項2
    2ないし24のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造
    方法。
  26. 【請求項26】 更に、前記薄膜コイルの前記磁極部分
    層の側方に配置された部分を覆い、そのヨーク部分層側
    の面が前記磁極部分層におけるヨーク部分層側の面と共
    に平坦化された絶縁層を形成する工程を含むことを特徴
    とする請求項25記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
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