JP2001107961A - 電磁石駆動装置 - Google Patents

電磁石駆動装置

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JP2001107961A
JP2001107961A JP28702199A JP28702199A JP2001107961A JP 2001107961 A JP2001107961 A JP 2001107961A JP 28702199 A JP28702199 A JP 28702199A JP 28702199 A JP28702199 A JP 28702199A JP 2001107961 A JP2001107961 A JP 2001107961A
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magnetic flux
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Wataru Horiuchi
弥 堀内
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で応答性の高い電磁石駆動装置を
得る。 【解決手段】 a系統の誤差値47aの導出において、
b系統の低周波通過ろ波器48bを経た誤差値47bを
電流指令値43aの補正値として用い、b系統の誤差値
47bの導出において、a系統の低周波通過ろ波器48
aを経た誤差値47aを電流指令値43bの補正値とし
て用いることによって、電磁石32aの磁気吸引力62
aまたは電磁石32bの磁気吸引力62bを瞬間的に零
にすることができ、応答性の高い電磁石駆動装置を得る
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、磁性体部分を有
する可動物体を電磁吸引力によって非接触に駆動する電
磁石駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁性体部分を有する可動物体の位置を、
対向させた一対の電磁石で制御する場合に、それら電磁
石のインダクタンスの影響によって実際のコイル電流は
電流指令値に対して遅れてしまい、この遅れは電磁石に
高い応答性能を持たせるときに制御系の安定性を損う原
因になる。単一のパワートランジスタで電磁石一台を駆
動するときは、一般に電磁石に定常的に電流を流すため
に必要な電圧は電源の正の電圧よりも負の電圧に近いの
で、この遅れはコイル電流を増加させるときよりも、減
少させるときに現れやすい。従来では、電磁石駆動用電
源電圧を高くし、また、インバータブリッジ回路を電流
駆動手段に組み込むことでその遅れを抑えこんでいた。
【0003】図7は例えば特開平8−145056号公
報に示された従来の電磁石駆動装置を示す構成図であ
り、図において、1は交流電源を整流するコンバータブ
リッジ、2は平滑コンデンサ、3は所定のパルス幅の電
源を発生するインバータブリッジ、4,5はU相および
V相の電流を検出する電流検出器、6,7は一対の電磁
石、8は電流検出器4による検出値と電流指令値iur
efとを比較増幅してU相の電圧指令値euを出力する
電流増幅器、9は電流検出器5による検出値と電流指令
値ivrefとを比較増幅してV相の電圧指令値evを
出力する電流増幅器、10はU相の電圧指令値euの符
号を反転した値とV相の電圧指令値evの符号を反転し
た値とを加算してN相の電圧指令値enを出力する加算
器、11は所定の三角波のキャリア信号ecを発生する
キャリア信号発生器、12〜14はそれぞれN相の電圧
指令値en、U相の電圧指令値eu、およびV相の電圧
指令値evとキャリア信号ecとの比較に応じてインバ
ータブリッジ3を制御するPWM制御器である。
【0004】次に動作について説明する。3相のインバ
ータブリッジ3のU相の出力端子を磁気軸受けの電磁石
6の一端に接続し、V相の出力端子を電磁石6と回転軸
を挟んで相対して設置された電磁石7の一端に接続し、
N相の出力端子を両電磁石6,7の残りの端子に接続し
て、U相およびV相の電流を電流検出器4,5により検
出する。電流増幅器8は電流検出器4による検出値と電
流指令値iurefとを比較増幅してU相の電圧指令値
euを出力し、電流増幅器9は電流検出器5による検出
値と電流指令値ivrefとを比較増幅してV相の電圧
指令値evを出力し、加算器10はU相の電圧指令値e
uの符号を反転した値とV相の電圧指令値evの符号を
反転した値とを加算してN相の電圧指令値enを出力す
る。PWM制御器12〜14はそれぞれN相の電圧指令
値en、U相の電圧指令値eu、およびV相の電圧指令
値evとキャリア信号発生器11から発生されたキャリ
ア信号ecとを比較し、それらの論理出力に応じてイン
バータブリッジ3の各相の主回路素子を駆動することに
より、2個の電磁石6,7を制御する。
【0005】このように、図7に示された従来の技術で
は、一対の電磁石6,7を6つのトランジスタからなる
インバータブリッジ回路によって駆動している。そし
て、高い応答性能が要求される場合には、1つの電磁石
を4つのトランジスタからなるインバータブリッジ回路
によって駆動することが多いため、上記特開平8−14
5056号公報には、トランジスタを2つ削減すること
により、小型化と低価格化を図りながら、電磁石の高い
応答性能を確保したものが開示されている。また、6つ
のトランジスタからなるインバータブリッジ回路は、三
相モータの駆動に広く使われており、これを一対の電磁
石の駆動に適用することにより駆動回路開発が容易にな
る利点もある。
【0006】図8は例えば特開平10−294215号
公報に示された従来の電磁石駆動装置を示す構成図であ
り、図において、20は交流電源、21はスイッチ、2
2は電源回路、23は吸着コイル、24は吸着コイル2
3とは逆向きに巻かれた消磁コイルである。また、電源
回路22において、25は全波整流回路、26は吸着コ
イル23に直列接続された吸着コイル用トランジスタ、
27は消磁コイル24に直列接続された消磁コイル用ト
ランジスタ、28は制御回路部である。
【0007】次に動作について説明する。スイッチ21
をオンすると、吸着コイル用トランジスタ26がオン
し、吸着コイル23に励磁電流i1が流れ、吸着コイル
23の電磁石はワークを吸着する。このとき、消磁コイ
ル24に励磁電流i2は流れない。その後、電磁石から
ワークを離脱させたいときは、スイッチ21をオフし、
吸着コイル用トランジスタ26をオフさせ、吸着コイル
23に流れる励磁電流i1を徐々に減少させ零にする。
このとき、制御回路部28の作用により消磁コイル用ト
ランジスタ27がオンして、消磁コイル24に励磁電流
i2を流す。
【0008】このように、図8に示された従来の技術で
は、磁気吸引力を発生するための吸着コイル23の他に
消磁コイル24を設けており、消磁コイル24を励磁す
ることにより吸着コイル23の残留磁気を打ち消して応
答性能を高めている。図8ではインバータブリッジ回路
を用いずに1つの電磁石を2つのパワートランジスタに
よって駆動するため、図7に示された従来の技術よりも
さらに低価格化と小型化が図れる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の電磁石駆動装置
は以上のように構成されているので、図7に示された従
来の技術では、インバータブリッジ回路の採用が電磁石
駆動装置の低価格化を妨げ、また、部品点数が多くなる
ので電磁石駆動装置の大型化や信頼性が低下してしまう
課題があった。また、図8に示された従来の技術では、
消磁コイル24を設けなくてはならず、電磁石自体が大
型かつ複雑となるなどの課題があった。
【0010】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、簡単な構成で応答性の高い電磁石
駆動装置を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明に係る電磁石駆
動装置は、安定化補償手段による力指令値に応じた第1
の電流指令値に変換し、その第1の電流指令値に第1の
電流検出手段による検出値および第2の駆動手段による
第2の誤差値を減算した第1の誤差値に応じて第1の電
磁石に電源供給する第1の駆動手段と、安定化補償手段
による力指令値に応じた第2の電流指令値に変換し、そ
の第2の電流指令値に第2の電流検出手段による検出値
および第1の駆動手段による第1の誤差値を減算した第
2の誤差値に応じて第2の電磁石に電源供給する第2の
駆動手段とを備えたものである。
【0012】この発明に係る電磁石駆動装置は、安定化
補償手段による力指令値に応じた第1の磁束指令値に変
換し、その第1の磁束指令値に第1の磁束検出手段によ
る検出値および第2の駆動手段による第2の誤差値を減
算した第1の誤差値に応じて第1の電磁石に電源供給す
る第1の駆動手段と、安定化補償手段による力指令値に
応じた第2の磁束指令値に変換し、その第2の磁束指令
値に第2の磁束検出手段による検出値および第1の駆動
手段による第1の誤差値を減算した第2の誤差値に応じ
て第2の電磁石に電源供給する第2の駆動手段とを備え
たものである。
【0013】この発明に係る電磁石駆動装置は、安定化
補償手段による力指令値に応じた第1の電流指令値に変
換し、その第1の電流指令値にバイアス電流指令を加算
し、第1の電流検出手段による検出値および第2の駆動
手段による第2の誤差値を減算した第1の誤差値に応じ
て第1の電磁石に電源供給する第1の駆動手段と、安定
化補償手段による力指令値に応じた第2の電流指令値に
変換し、その第2の電流指令値にバイアス電流指令、第
2の電流検出手段による検出値および第1の駆動手段に
よる第1の誤差値を減算した第2の誤差値に応じて第2
の電磁石に電源供給する第2の駆動手段とを備えたもの
である。
【0014】この発明に係る電磁石駆動装置は、安定化
補償手段による力指令値に応じた第1の磁束指令値に変
換し、その第1の磁束指令値にバイアス磁束指令を加算
し、第1の磁束検出手段による検出値および第2の駆動
手段による第2の誤差値を減算した第1の誤差値に応じ
て第1の電磁石に電源供給する第1の駆動手段と、安定
化補償手段による力指令値に応じた第2の磁束指令値に
変換し、その第2の磁束指令値にバイアス磁束指令、第
2の磁束検出手段による検出値および第1の駆動手段に
よる第1の誤差値を減算した第2の誤差値に応じて第2
の電磁石に電源供給する第2の駆動手段とを備えたもの
である。
【0015】この発明に係る電磁石駆動装置は、安定化
補償手段による力指令値に応じた第1の電流指令値に変
換し、その第1の電流指令値に第1の電流検出手段によ
る検出値および第2の駆動手段による第2の誤差値を減
算した第1の誤差値を開平し、位置検出手段による検出
値を乗算した値に応じて第1の電磁石に電源供給する第
1の駆動手段と、安定化補償手段による力指令値に応じ
た第2の電流指令値に変換し、その第2の電流指令値に
第2の電流検出手段による検出値および第1の駆動手段
による第1の誤差値を減算した第2の誤差値を開平し、
位置検出手段による検出値を乗算した値に応じて第2の
電磁石に電源供給する第2の駆動手段とを備えたもので
ある。
【0016】この発明に係る電磁石駆動装置は、安定化
補償手段による力指令値に応じた第1の磁束指令値に変
換し、その第1の磁束指令値に第1の磁束検出手段によ
る検出値および第2の駆動手段による第2の誤差値を減
算した第1の誤差値を開平し、位置検出手段による検出
値を乗算した値に応じて第1の電磁石に電源供給する第
1の駆動手段と、安定化補償手段による力指令値に応じ
た第2の磁束指令値に変換し、その第2の磁束指令値に
第2の磁束検出手段による検出値および第1の駆動手段
による第1の誤差値を減算した第2の誤差値を開平し、
位置検出手段による検出値を乗算した値に応じて第2の
電磁石に電源供給する第2の駆動手段とを備えたもので
ある。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1による電
磁石駆動装置を示す構成図であり、図において、31は
磁性体部分を有する可動物体であり、この可動物体31
は中心位置32を中心に左右に位置決め制御されるもの
である。32a,32bは可動物体31を両側から挟み
込むように対向して設けられた電磁石(第1、第2の電
磁石)、33a,33bは電磁石32a,32bにそれ
ぞれ巻かれたコイルである。34a,34bはうず電流
センサなどによって構成され、可動物体31とのギャッ
プを検出するギャップセンサ、35はギャップセンサ3
4a,34bによる検出値に応じて可動物体31の位置
を演算する位置検出器であり、ギャップセンサ34a,
34bおよび位置検出器35により位置検出手段を構成
する。38は位置指令値36と位置検出器35による検
出値37との偏差に応じた力指令値39を生成する安定
化補償回路、40は安定化補償回路38による力指令値
39に応じて電磁石32a,32bにそれぞれ電源供給
する電流駆動回路である。61a,61bはコイル33
a,33bにそれぞれ供給されるコイル電流、62a,
62bは電磁石32a,32bによって可動物体31に
それぞれ働く磁気吸引力である。
【0018】図2はこの発明の実施の形態1による電磁
石駆動装置を示す制御ブロック図であり、図において、
図1と同一符号は同一構成を示す。41は位置指令値3
6から位置検出器35による検出値37を減算する減算
器、また、安定化補償回路38は比例演算器(P)、積
分演算器(I)、微分演算器(D)およびゲイン調整器
からなり、減算器41の出力に対してPID補償を行っ
て力指令値39を生成するものであり、減算器41と安
定化補償回路38とにより安定化補償手段を構成する。
また、電流駆動回路40において、42aは安定化補償
回路38によって生成された力指令値39が正の場合に
その力指令値39に応じた電流指令値(第1の電流指令
値)43aを出力する入力制限回路、42bは安定化補
償回路38によって生成された力指令値39が負の場合
に符号を反転した力指令値39に応じた電流指令値(第
2の電流指令値)43bを出力する入力制限回路であ
る。44aはコイル33aに供給されるコイル電流61
aを検出する電流検出器(第1の電流検出手段)、44
bはコイル33bに供給されるコイル電流61bを検出
する電流検出器(第2の電流検出手段)である。45a
は入力制限回路42aから出力された電流指令値43a
から電流検出器44aによって検出された検出値46a
を減算すると共に、後述するb系統の減算器45bから
出力され低周波通過ろ波器48bを通過した誤差値(第
2の誤差値)47bを減算して誤差値(第1の誤差値)
47aを出力する減算器、45bは入力制限回路42b
から出力された電流指令値43bから電流検出器44b
によって検出された検出値46bを減算すると共に、a
系統の減算器45aから出力され低周波通過ろ波器48
aを通過した誤差値47aを減算して誤差値47bを出
力する減算器である。49aは誤差値47aに応じてP
I補償するPI補償器、49bは誤差値47bに応じて
PI補償するPI補償器、50は電源、51は三角波発
振器、52aは1つのパワートランジスタと、コイル3
3aに逆方向に並列接続されたダイオードからなり、P
I補償器49aから出力された値を三角波発振器51か
ら発振された三角波によって変調して、その変調された
パルス幅に応じてパワートランジスタをオンオフし、電
源50による供給を制御するパルス幅変調回路(PW
M)、52bは同じく1つのパワートランジスタと、コ
イル33bに逆方向に並列接続されたダイオードからな
り、PI補償器49bから出力された値を三角波発振器
51から発振された三角波によって変調して、その変調
されたパルス幅に応じてパワートランジスタをオンオフ
し、電源50による供給を制御するパルス幅変調回路
(PWM)である。53aはコイル33aの電圧入力に
対する電流出力の伝達関数、53bはコイル33bの電
圧入力に対する電流出力の伝達関数、54は電磁石32
a,32bによって可動物体31にそれぞれ働く磁気吸
引力62a,62bの減算点、55は可動物体31に働
く外力56に対する可動物体31の変位の伝達関数であ
る。なお、入力制限回路42a、減算器45a、低周波
通過ろ波器48a、PI補償器49a、電源50、三角
波発振器51、およびパルス幅変調回路52aにより第
1の駆動手段を構成し、入力制限回路42b、減算器4
5b、低周波通過ろ波器48b、PI補償器49b、電
源50、三角波発振器51、およびパルス幅変調回路5
2bにより第2の駆動手段を構成する。
【0019】次に動作について説明する。 図1におい
て、磁性体部分を有する可動物体31を左右から挟みこ
むように電磁石32a,32bおよびギャップセンサ3
4a,34bが設けられている。ギャップセンサ34
a,34bは、可動物体31とのギャップを検出し、位
置検出器35は、それら検出されたギャップに応じて可
動物体31の位置を演算する。位置検出器35による検
出値37と位置指令値36との比較の後、安定化補償回
路38は、力指令値39を演算し、電流駆動回路40
は、力指令値39に応じて電磁石32a,32bのコイ
ル33a,33bにコイル電流61a,61bを供給す
る。その結果、磁性体部分を有する可動物体31には、
電磁石32a,32bの方向に磁気吸引力62a,62
bが発生する。
【0020】図2は図1を制御ブロック図で書き直した
ものであり、図において、位置検出器35は、ギャップ
センサ34a,34bから検出されたギャップの差から
可動物体31の位置を演算するものであり、これによっ
て温度変化や電源ノイズなどの環境変化があっても、セ
ンサのノイズを低減して良質な検出値37を得ることが
できる。したがって、検出値37に精度が要求されない
場合は、ギャップセンサを一台にしてもよい。減算器4
1は、外部から入力される位置指令値36から位置検出
器35による検出値37を減算し、安定化補償回路38
は、減算器41の出力に対してPID補償を行って力指
令値39を生成する。電流駆動回路40において、入力
制限回路42aは、安定化補償回路38によって生成さ
れた力指令値39が正の場合にその力指令値39に応じ
た電流指令値43aを出力し、入力制限回路42bは、
力指令値39が負の場合に符号を反転した力指令値39
に応じた電流指令値43bを出力する。減算器45a
は、入力制限回路42aから出力された電流指令値43
aから電流検出器44aによって検出された検出値46
aを減算すると共に、b系統の減算器45bから出力さ
れ低周波通過ろ波器48bを通過した誤差値47bを減
算して誤差値47aを出力する。同様に、減算器45b
は、入力制限回路42bから出力された電流指令値43
bから電流検出器44bによって検出された検出値46
bを減算すると共に、a系統の減算器45aから出力さ
れ低周波通過ろ波器48aを通過した誤差値47aを減
算して誤差値47bを出力する。PI補償器49aは、
誤差値47aに応じてPI補償し、PI補償器49b
は、誤差値47bに応じてPI補償する。パルス幅変調
回路52aは、PI補償器49aから出力された値を三
角波発振器51から発振された三角波によって変調し
て、その変調されたパルス幅に応じてパワートランジス
タをオンオフし、電源50による供給を制御する。その
結果、パワートランジスタが出力した電源電圧は、コイ
ル33aの入出力特性を示す伝達関数53aでコイル電
流61aに変換され、電磁石32aに所定の磁気吸引力
62aが発生する。この磁気吸引力62aは、コイル電
流61aの二乗に比例し、電磁石32aのギャップの二
乗に反比例する。電磁石32aのギャップは、磁性体部
分を有する可動物体31の位置から一意に決まる変数で
あるので、図2では電磁石32aのブロックに位置を入
力として付加している。なお、コイル電流61aは、電
流検出器44aによって検出され、検出値46aとして
フィードバックされる。パルス幅変調回路52bの方も
同様であり、PI補償器49bから出力された値を三角
波発振器51から発振された三角波によって変調して、
その変調されたパルス幅に応じてパワートランジスタを
オンオフし、電源50による供給を制御する。その結
果、パワートランジスタが出力した電源電圧は、コイル
33bの入出力特性を示す伝達関数53bでコイル電流
61bに変換され、電磁石32bに所定の磁気吸引力6
2bが発生する。なお、コイル電流61bは、電流検出
器44bによって検出され、検出値46bとしてフィー
ドバックされる。
【0021】この実施の形態1の特徴は、a系統の誤差
値47aの導出において、b系統の低周波通過ろ波器4
8bを経た誤差値47bを電流指令値43aの補正値と
して用い、b系統の誤差値47bの導出において、a系
統の低周波通過ろ波器48aを経た誤差値47aを電流
指令値43bの補正値として用いている点にある。低周
波通過ろ波器48a,48bは、電流制御を安定化する
ために用いており、そのカットオフ周波数は、パルス幅
変調回路52a,52bのPWM変調周波数よりも十分
低く、かつ、目標とする電流制御の帯域よりも十分高く
する。このように構成することで、例えば電磁石32a
の磁気吸引力62aを瞬間的に零にするときは、電磁石
32bに、本来力指令値39で要求されるコイル電流6
1bと、そのときのコイル電流61aとの和の電流がコ
イル電流61bとして流れる。そしてコイル電流61a
が一定の時定数で減少していくと共に、コイル電流61
bも自動的に補正されて等価的に電磁石32aの磁気吸
引力62aが相殺される。同様に、電磁石32bの不要
な残留磁気吸引力は電磁石32aによって相殺される。
【0022】以上のように、この実施の形態1によれ
ば、a系統の誤差値47aの導出において、b系統の低
周波通過ろ波器48bを経た誤差値47bを電流指令値
43aの補正値として用い、b系統の誤差値47bの導
出において、a系統の低周波通過ろ波器48aを経た誤
差値47aを電流指令値43bの補正値として用いてい
るので、電磁石32aの磁気吸引力62aまたは電磁石
32bの磁気吸引力62bを瞬間的に零にすることがで
き、応答性の高い電磁石駆動装置を得ることができる。
また、パルス幅変調回路52a,52bは、1つのパワ
ートランジスタと、そのパワートランジスタと対応する
コイルに逆方向に並列接続されたダイオードからなるも
ので十分に電磁石駆動装置としての応答性を高くするこ
とができるので、従来の技術のようにインバータブリッ
ジ回路を用いたり、消磁コイルを用いたりする必要がな
く、構成が簡単な電磁石駆動装置を得ることができる。
さらに、カットオフ周波数がパルス幅変調回路52a,
52bのPWM変調周波数よりも十分低く、かつ、目標
とする電流制御の帯域よりも十分高い低周波通過ろ波器
48a,48bを設けたので、電流制御を安定化するこ
とができる。さらに、位置検出器35は、2つのギャッ
プセンサ34a,34bから検出されたギャップの差か
ら可動物体31の位置を演算するので、温度変化や電源
ノイズなどの環境変化があっても、センサのノイズを低
減して良質な検出値37を得ることができる。
【0023】実施の形態2.図3はこの発明の実施の形
態2による電磁石駆動装置を示す構成図であり、図にお
いて、71a,71bはホール素子などによって構成さ
れ、電磁石32a,32bの鉄心のそれぞれの端部に設
けられ、電磁石32a,32bから発生される磁束をそ
れぞれ検出する磁束検出器(第1、第2の磁束検出手
段)、72a,72bはそれら磁束検出器71a,71
bによって検出された磁束の検出値である。その他の構
成は図1と同一であるので同一符号を付して重複する説
明を省略する。
【0024】図4はこの発明の実施の形態2による電磁
石駆動装置を示す制御ブロック図であり、図において、
図3と同一符号は同一構成を示す。74aはコイル33
aの電流入力に対する磁束出力の伝達関数、74bはコ
イル33bの電流入力に対する磁束出力の伝達関数、7
5aはコイル33aの磁束入力に対する可動物体31に
働く磁気吸引力62aの伝達関数、75bはコイル33
bの磁束入力に対する可動物体31に働く磁気吸引力6
2bの伝達関数である。73a,73bは電磁石32
a,32bからそれぞれ発生される磁束である。また、
76aは安定化補償回路38によって生成された力指令
値39が正の場合にその力指令値39に応じた磁束指令
値(第1の磁束指令値)77aを出力する入力制限回
路、76bは安定化補償回路38によって生成された力
指令値39が負の場合に符号を反転した力指令値39に
応じた磁束指令値(第2の磁束指令値)77bを出力す
る入力制限回路である。その他の構成は図2と同一であ
るので同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0025】次に動作について説明する。図3は図1に
示した電磁石駆動装置において、電磁石32a,32b
の電流制御を磁束制御に置き換えたものである。図4は
図3を制御ブロック図で詳細に示したものであり、磁性
体部分を有する可動物体31の位置は、先の実施の形態
1と同様に位置検出器35により検出され、位置指令値
36との比較の後に安定化補償回路38に取り込まれ
る。安定化補償回路38は、力指令値39を出力して電
流駆動回路40に送り込む。電流駆動回路40におい
て、入力制限回路76aは、安定化補償回路38によっ
て生成された力指令値39が正の場合にその力指令値3
9に応じた磁束指令値77aを出力し、入力制限回路7
6bは、力指令値39が負の場合に符号を反転した力指
令値39に応じた磁束指令値77bを出力する。電流駆
動回路40の中のその他の動作は先の実施の形態1と全
く同じである。電流駆動回路40のパワートランジスタ
が出力した電源電圧は、コイル33a,33bの入出力
特性を示す伝達関数53a,53bでコイル電流61
a,61bに変換され、コイル電流61a,61bはコ
イル33a,33bの磁気特性を示す伝達関数74a,
74bにより磁束73a,73bに変換される。コイル
33a,33bの磁気特性を示す伝達関数74a,74
bは、電磁石32a,32bの起磁力(=コイル巻数×
コイル電流)を磁気抵抗(ほぼギャップに比例し、磁路
断面積に反比例する)で割ったものである。電磁石32
a,32bは磁束73a,73bの二乗に比例する磁気
吸引力62a,62bを発生する。磁束73a,73b
は磁束検出器71a,71bで検出され、磁束の検出値
72a,72bに変換されて電流駆動回路40にフィー
ドバックされる。
【0026】この実施の形態2の特徴は、電流駆動回路
40に磁束の検出値72a,72bをフィードバックし
ている点である。先の実施の形態1では、コイル電流6
1a,61bの電流の検出値46a,46bをフィード
バックしているため、電磁石32a,32bの磁気吸引
力62a,62bのギャップ長による変動検出をするこ
とができず、制御特性が悪化するが、この実施の形態2
では、フィードバックされるのは磁束73a,73bで
あり,磁束の検出値72a,72bにはギャップによる
磁束73a,73bの変化が含まれているため、ギャッ
プ長の変動による制御特性の劣化をフィードバック制御
によって抑えこむことにより、先の実施の形態1に比較
して制御性能の向上が可能となる。
【0027】以上のように、この実施の形態2によれ
ば、電流駆動回路40に磁束の検出値72a,72bを
フィードバックするので、磁束の検出値72a,72b
にはギャップ長による磁束73a,73bの変化が含ま
れているため、ギャップ長の変動による制御特性の劣化
をフィードバック制御によって抑えこむことにより、制
御性能の向上が可能となる。
【0028】実施の形態3.図5はこの発明の実施の形
態3による電磁石駆動装置を示す制御ブロック図であ
り、図において、81aは安定化補償回路38による力
指令値39にバイアス電流指令値82aを加算する加算
器(第1の駆動手段)、81bは安定化補償回路38に
よる力指令値39にバイアス電流指令値82bを減算す
る減算器(第2の駆動手段)である。その他の構成は図
2と同一であるので同一符号を付して重複する説明を省
略する。
【0029】次に動作について説明する。図5は実施の
形態1における入力制限回路42a,42bの入力を、
力指令値39とバイアス電流指令値82a,82bの和
および差としたときの電磁石駆動装置の制御ブロック図
であり、バイアス電流指令値82a,82bを流すこと
で、電磁石32a,32bには定常的に同じ大きさで逆
向きの磁気吸引力62a,62bが発生する。一般に電
磁石の発生する吸引力はコイル電流の二乗に比例し、ギ
ャップの二乗に反比例する。したがって、コイル電流が
零の近傍では吸引力の電流に関する微係数が零となり、
制御の安定性が損なわれやすい。そこで、バイアス電流
指令値82a,82bを流すことにより、力指令値39
の絶対値がバイアス電流指令値82a,82bよりも小
さいときは、電磁石32a,32bの磁気吸引力62
a,62bの和、すなわち、可動物体31に働く外力5
6は電流に関して完全に線形になる。したがって、バイ
アス電流指令値82a,82bによって制御の安定性が
改善される。電流駆動回路40以外の部分の構成および
動作は実施の形態1と同じである。なお、この実施の形
態3においては、電磁石32a,32bの磁気吸引力6
2a,62bを制御するために、電流駆動回路40にコ
イル電流61a,61bの電流の検出値46a,46b
をフィードバックしたが、実施の形態2に示したよう
に、電流駆動回路40に磁束の検出値72a,72bを
フィードバックしてもよい。
【0030】以上のように、この実施の形態3によれ
ば、力指令値39にバイアス電流指令値82aを加算し
て入力制限回路42aに供給すると共に、力指令値39
にバイアス電流指令値82bを減算して入力制限回路4
2bに供給したので、力指令値39の絶対値がバイアス
電流指令値82a,82bよりも小さいときは、電磁石
32a,32bの磁気吸引力62a,62bによって可
動物体31に働く外力56は電流に関して完全に線形に
なり、制御の安定性が改善される。
【0031】実施の形態4.図6はこの発明の実施の形
態4による電磁石駆動装置を示す制御ブロック図であ
り、図において、位置検出器35は、位置の検出値37
を出力すると共に、可動物体31と各電磁石32a,3
2bとのギャップ92a,92bを出力するものであ
る。また、91aはPI補償器49aから出力された値
を開平すると共に、その開平された値に位置検出器35
から出力された可動物体31と電磁石32aとのギャッ
プ92aを乗算する演算器(第1の駆動手段)、91b
はPI補償器49bから出力された値を開平すると共
に、その開平された値に位置検出器35から出力された
可動物体31と電磁石32bとのギャップ92bを乗算
する演算器(第2の駆動手段)である。その他の構成は
図2と同一であるので同一符号を付して重複する説明を
省略する。
【0032】次に動作について説明する。図6は実施の
形態1における電流駆動回路40に線形化補償器として
演算器91a,91bを設けたときの制御ブロック図で
あり、先の実施の形態3ではバイアス電流指令値82
a,82bを設けることにより線形化を行ったが、線形
化の前提としてバイアス電流指令値82a,82bが力
指令値39よりも十分大きくなければならず、定常的に
流れるバイアス電流指令値82a,82bによる消費電
力も増大する。この実施の形態4では、バイアス電流指
令値82a,82bを使わずに線形化を行うために、P
I補償器49a,49bから出力された値をそれぞれ開
平すると共に、その開平された値に位置検出器35から
出力された可動物体31と電磁石32aとのギャップ9
2a、可動物体31と電磁石32bとのギャップ92b
をそれぞれ乗算し、それぞれの結果をパルス幅変調回路
52a,52bに出力する。一般に電磁石の吸引力は電
流の二乗に比例しギャップ長の二乗に反比例するので、
平方根とギャップの乗算との演算によってPI補償器4
9a,49bの出力と電磁石32a,32bが発生する
磁気吸引力62a,62bは完全に線形化される。した
がって、磁性体部分を有する可動物体31が二つの電磁
石32a,32bの間のどこに位置していても、常に磁
気吸引力62a,62bの利得が不変となり、制御の安
定性が大幅に向上する。さらにバイアス電流指令値82
a,82bが要らないので消費電力も必要最小限に抑え
られる。なお、この実施の形態4においては、電磁石3
2a,32bの磁気吸引力62a,62bを制御するた
めに、電流駆動回路40にコイル電流61a,61bの
電流の検出値46a,46bをフィードバックしたが、
実施の形態2に示したように、電流駆動回路40に磁束
の検出値72a,72bをフィードバックしてもよい。
また、位置検出器35の出力にドリフトが発生しても線
形性を劣化させないために、先の実施の形態3のように
バイアス電流指令値82a,82bを力指令値39に加
えてもよい。
【0033】以上のように、この実施の形態4によれ
ば、PI補償器49a,49bから出力された値をそれ
ぞれ開平すると共に、その開平された値に位置検出器3
5から出力された可動物体31と電磁石32aとのギャ
ップ92a、可動物体31と電磁石32bとのギャップ
92bをそれぞれ乗算し、それぞれの結果をパルス幅変
調回路52a,52bに出力するようにしたので、PI
補償器49a,49bの出力と電磁石32a,32bが
発生する磁気吸引力62a,62bは完全に線形化さ
れ、可動物体31が二つの電磁石32a,32bの間の
どこに位置していても、常に磁気吸引力62a,62b
の利得が不変となり、制御の安定性が大幅に向上する。
さらにバイアス電流指令値82a,82bが要らないの
で消費電力も必要最小限に抑えられる。
【0034】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、安定
化補償手段による力指令値に応じた第1の電流指令値に
変換し、その第1の電流指令値に第1の電流検出手段に
よる検出値および第2の駆動手段による第2の誤差値を
減算した第1の誤差値に応じて第1の電磁石に電源供給
する第1の駆動手段と、安定化補償手段による力指令値
に応じた第2の電流指令値に変換し、その第2の電流指
令値に第2の電流検出手段による検出値および第1の駆
動手段による第1の誤差値を減算した第2の誤差値に応
じて第2の電磁石に電源供給する第2の駆動手段とを備
えるように構成したので、一方の電磁石をオフとしたと
きに流れつづけようとするコイル電流が他方の電磁石の
磁気吸引力を増やすように働き、オフとなった電磁石が
発生する不必要な磁気吸引力が打ち消され、電磁石の磁
気吸引力を瞬間的に零にすることができ、応答性の高い
電磁石駆動装置を得ることができる。また、第1および
第2の駆動手段の構成は、1つのパワートランジスタ
と、そのパワートランジスタに逆方向に並列接続された
ダイオードからなるもので十分に電磁石駆動装置として
の応答性を高くすることができるので、従来の技術のよ
うにインバータブリッジ回路を用いたり、消磁コイルを
用いたりする必要がなく、構成が簡単な電磁石駆動装置
を得ることができる効果がある。
【0035】この発明によれば、安定化補償手段による
力指令値に応じた第1の磁束指令値に変換し、その第1
の磁束指令値に第1の磁束検出手段による検出値および
第2の駆動手段による第2の誤差値を減算した第1の誤
差値に応じて第1の電磁石に電源供給する第1の駆動手
段と、安定化補償手段による力指令値に応じた第2の磁
束指令値に変換し、その第2の磁束指令値に第2の磁束
検出手段による検出値および第1の駆動手段による第1
の誤差値を減算した第2の誤差値に応じて第2の電磁石
に電源供給する第2の駆動手段とを備えるように構成し
たので、磁束の検出値をフィードバックすることによっ
て、磁束の検出値にはギャップ長による磁束の変化が含
まれているため、ギャップ長の変動による制御特性の劣
化をフィードバック制御によって抑えこむことにより、
制御性能を向上させることができる効果がある。
【0036】この発明によれば、安定化補償手段による
力指令値に応じた第1の電流指令値に変換し、その第1
の電流指令値にバイアス電流指令値を加算し、第1の電
流検出手段による検出値および第2の駆動手段による第
2の誤差値を減算した第1の誤差値に応じて第1の電磁
石に電源供給する第1の駆動手段と、安定化補償手段に
よる力指令値に応じた第2の電流指令値に変換し、その
第2の電流指令値にバイアス電流指令値、第2の電流検
出手段による検出値および第1の駆動手段による第1の
誤差値を減算した第2の誤差値に応じて第2の電磁石に
電源供給する第2の駆動手段とを備えるように構成した
ので、力指令値の絶対値がバイアス電流指令値よりも小
さいときは、第1および第2の電磁石の磁気吸引力によ
って可動物体に働く外力は電流に関して完全に線形にな
り、制御の安定性が改善される効果がある。
【0037】この発明によれば、安定化補償手段による
力指令値に応じた第1の磁束指令値に変換し、その第1
の磁束指令値にバイアス磁束指令値を加算し、第1の磁
束検出手段による検出値および第2の駆動手段による第
2の誤差値を減算した第1の誤差値に応じて第1の電磁
石に電源供給する第1の駆動手段と、安定化補償手段に
よる力指令値に応じた第2の磁束指令値に変換し、その
第2の磁束指令値にバイアス磁束指令値、第2の磁束検
出手段による検出値および第1の駆動手段による第1の
誤差値を減算した第2の誤差値に応じて第2の電磁石に
電源供給する第2の駆動手段とを備えるように構成した
ので、力指令値の絶対値がバイアス電流指令値よりも小
さいときは、第1および第2の電磁石の磁気吸引力によ
って可動物体に働く外力は電流に関して完全に線形にな
り、制御の安定性が改善される効果がある。
【0038】この発明によれば、安定化補償手段による
力指令値に応じた第1の電流指令値に変換し、その第1
の電流指令値に第1の電流検出手段による検出値および
第2の駆動手段による第2の誤差値を減算した第1の誤
差値を開平し、位置検出手段による検出値を乗算した値
に応じて第1の電磁石に電源供給する第1の駆動手段
と、安定化補償手段による力指令値に応じた第2の電流
指令値に変換し、その第2の電流指令値に第2の電流検
出手段による検出値および第1の駆動手段による第1の
誤差値を減算した第2の誤差値を開平し、位置検出手段
による検出値を乗算した値に応じて第2の電磁石に電源
供給する第2の駆動手段とを備えるように構成したの
で、第1の誤差値と第1の電磁石が発生する磁気吸引
力、および第2の誤差値と第2の電磁石が発生する磁気
吸引力は完全に線形化され、可動物体が第1および第2
の電磁石の間のどこに位置していても、常に磁気吸引力
の利得が不変となり、制御の安定性が大幅に向上する。
さらにバイアス電流指令値が要らないので消費電力も必
要最小限に抑えられる効果がある。
【0039】この発明によれば、安定化補償手段による
力指令値に応じた第1の磁束指令値に変換し、その第1
の磁束指令値に第1の磁束検出手段による検出値および
第2の駆動手段による第2の誤差値を減算した第1の誤
差値を開平し、位置検出手段による検出値を乗算した値
に応じて第1の電磁石に電源供給する第1の駆動手段
と、安定化補償手段による力指令値に応じた第2の磁束
指令値に変換し、その第2の磁束指令値に第2の磁束検
出手段による検出値および第1の駆動手段による第1の
誤差値を減算した第2の誤差値を開平し、位置検出手段
による検出値を乗算した値に応じて第2の電磁石に電源
供給する第2の駆動手段とを備えるように構成したの
で、第1の誤差値と第1の電磁石が発生する磁気吸引
力、および第2の誤差値と第2の電磁石が発生する磁気
吸引力は完全に線形化され、可動物体が第1および第2
の電磁石の間のどこに位置していても、常に磁気吸引力
の利得が不変となり、制御の安定性が大幅に向上する。
さらにバイアス電流指令値が要らないので消費電力も必
要最小限に抑えられる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による電磁石駆動装
置を示す構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による電磁石駆動装
置を示す制御ブロック図である。
【図3】 この発明の実施の形態2による電磁石駆動装
置を示す構成図である。
【図4】 この発明の実施の形態2による電磁石駆動装
置を示す制御ブロック図である。
【図5】 この発明の実施の形態3による電磁石駆動装
置を示す制御ブロック図である。
【図6】 この発明の実施の形態4による電磁石駆動装
置を示す制御ブロック図である。
【図7】 従来の電磁石駆動装置を示す構成図である。
【図8】 従来の電磁石駆動装置を示す構成図である。
【符号の説明】
31 可動物体、32a,32b 電磁石(第1、第2
の電磁石)、33a,33b コイル、34a,34b
ギャップセンサ(位置検出手段)、35 位置検出器
(位置検出手段)、36 位置指令値、37,46a,
46b,72a,72b 検出値、38 安定化補償回
路(安定化補償手段)、39 力指令値、40 電流駆
動回路、41 減算器(安定化補償手段)、42a,4
2b,76a,76b 入力制限回路(第1、第2の駆
動手段)、43a,43b 電流指令値(第1、第2の電
流指令値)、44a,44b 電流検出器(第1、第2
の電流検出手段)、45a,45b 減算器(第1、第
2の駆動手段)、47a,47b 誤差値(第1、第2
の誤差値)、48a,48b 低周波通過ろ波器(第
1、第2の駆動手段)、49a,49b PI補償器
(第1、第2の駆動手段)、50 電源(第1、第2の
駆動手段)、51 三角波発振器(第1、第2の駆動手
段)、52a,52b パルス幅変調回路(第1、第2
の駆動手段)、 53a,53b,55,74a,74
b,75a,75b 伝達関数、54 減算点、61
a,61b コイル電流、62a,62b 磁気吸引
力、71a,71b 磁束検出器(第1、第2の磁束検
出手段)、73a,73b 磁束、77a,77b 磁
束指令値(第1、第2の磁束指令値)、81a 加算器
(第1の駆動手段)、81b 減算器(第2の駆動手
段)、82a,82b バイアス電流指令値、91a,
91b 演算器(第1、第2の駆動手段)、92a,9
2b ギャップ。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位置決め制御される磁性体部分を有する
    可動物体と、上記可動物体を両側から挟み込むように対
    向して設けられた第1および第2の電磁石と、上記可動
    物体の位置を検出する位置検出手段と、位置指令値と上
    記位置検出手段による検出値との偏差に応じた力指令値
    を生成する安定化補償手段と、上記第1および第2の電
    磁石にそれぞれ電源供給する第1および第2の駆動手段
    と、上記第1および第2の駆動手段から上記第1および
    第2の電磁石に供給される電流をそれぞれ検出する第1
    および第2の電流検出手段とを備え、上記第1の駆動手
    段は、上記安定化補償手段による力指令値に応じた第1
    の電流指令値に変換し、その第1の電流指令値に上記第
    1の電流検出手段による検出値および上記第2の駆動手
    段による第2の誤差値を減算した第1の誤差値に応じて
    上記第1の電磁石に電源供給すると共に、上記第2の駆
    動手段は、上記安定化補償手段による力指令値に応じた
    第2の電流指令値に変換し、その第2の電流指令値に上
    記第2の電流検出手段による検出値および上記第1の駆
    動手段による第1の誤差値を減算した第2の誤差値に応
    じて上記第2の電磁石に電源供給することを特徴とする
    電磁石駆動装置。
  2. 【請求項2】 位置決め制御される磁性体部分を有する
    可動物体と、上記可動物体を両側から挟み込むように対
    向して設けられた第1および第2の電磁石と、上記可動
    物体の位置を検出する位置検出手段と、位置指令値と上
    記位置検出手段による検出値との偏差に応じた力指令値
    を生成する安定化補償手段と、上記第1および第2の電
    磁石にそれぞれ電源供給する第1および第2の駆動手段
    と、上記第1および第2の電磁石から発生される磁束を
    それぞれ検出する第1および第2の磁束検出手段とを備
    え、上記第1の駆動手段は、上記安定化補償手段による
    力指令値に応じた第1の磁束指令値に変換し、その第1の
    磁束指令値に上記第1の磁束検出手段による検出値およ
    び上記第2の駆動手段による第2の誤差値を減算した第
    1の誤差値に応じて上記第1の電磁石に電源供給すると
    共に、上記第2の駆動手段は、上記安定化補償手段によ
    る力指令値に応じた第2の磁束指令値に変換し、その第
    2の磁束指令値に上記第2の磁束検出手段による検出値
    および上記第1の駆動手段による第1の誤差値を減算し
    た第2の誤差値に応じて上記第2の電磁石に電源供給す
    ることを特徴とする電磁石駆動装置。
  3. 【請求項3】 第1の駆動手段は、安定化補償手段によ
    る力指令値に応じた第1の電流指令値に変換し、その第1
    の電流指令値にバイアス電流指令値を加算し、第1の電
    流検出手段による検出値および第2の駆動手段による第
    2の誤差値を減算した第1の誤差値に応じて第1の電磁
    石に電源供給すると共に、第2の駆動手段は、安定化補
    償手段による力指令値に応じた第2の電流指令値に変換
    し、その第2の電流指令値にそのバイアス電流指令値、
    第2の電流検出手段による検出値および上記第1の駆動
    手段による第1の誤差値を減算した第2の誤差値に応じ
    て第2の電磁石に電源供給することを特徴とする請求項
    1記載の電磁石駆動装置。
  4. 【請求項4】 第1の駆動手段は、安定化補償手段によ
    る力指令値に応じた第1の磁束指令値に変換し、その第1
    の磁束指令値にバイアス磁束指令値を加算し、第1の磁
    束検出手段による検出値および第2の駆動手段による第
    2の誤差値を減算した第1の誤差値に応じて第1の電磁
    石に電源供給すると共に、第2の駆動手段は、安定化補
    償手段による力指令値に応じた第2の磁束指令値に変換
    し、その第2の磁束指令値にそのバイアス磁束指令値、
    第2の磁束検出手段による検出値および上記第1の駆動
    手段による第1の誤差値を減算した第2の誤差値に応じ
    て第2の電磁石に電源供給することを特徴とする請求項
    2記載の電磁石駆動装置。
  5. 【請求項5】 第1の駆動手段は、安定化補償手段によ
    る力指令値に応じた第1の電流指令値に変換し、その第1
    の電流指令値に第1の電流検出手段による検出値および
    第2の駆動手段による第2の誤差値を減算した第1の誤
    差値を開平し、位置検出手段による検出値を乗算した値
    に応じて第1の電磁石に電源供給すると共に、第2の駆
    動手段は、安定化補償手段による力指令値に応じた第2
    の電流指令値に変換し、その第2の電流指令値に第2の
    電流検出手段による検出値および上記第1の駆動手段に
    よる第1の誤差値を減算した第2の誤差値を開平し、そ
    の位置検出手段による検出値を乗算した値に応じて第2
    の電磁石に電源供給することを特徴とする請求項1記載
    の電磁石駆動装置。
  6. 【請求項6】 第1の駆動手段は、安定化補償手段によ
    る力指令値に応じた第1の磁束指令値に変換し、その第1
    の磁束指令値に第1の磁束検出手段による検出値および
    第2の駆動手段による第2の誤差値を減算した第1の誤
    差値を開平し、位置検出手段による検出値を乗算した値
    に応じて第1の電磁石に電源供給すると共に、第2の駆
    動手段は、安定化補償手段による力指令値に応じた第2
    の磁束指令値に変換し、その第2の磁束指令値に第2の
    磁束検出手段による検出値および上記第1の駆動手段に
    よる第1の誤差値を減算した第2の誤差値を開平し、、
    その位置検出手段による検出値を乗算した値に応じて第
    2の電磁石に電源供給することを特徴とする請求項2記
    載の電磁石駆動装置。
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